JP2002144500A - 多層シートおよびそれからなるカード - Google Patents

多層シートおよびそれからなるカード

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JP2002144500A
JP2002144500A JP2001249885A JP2001249885A JP2002144500A JP 2002144500 A JP2002144500 A JP 2002144500A JP 2001249885 A JP2001249885 A JP 2001249885A JP 2001249885 A JP2001249885 A JP 2001249885A JP 2002144500 A JP2002144500 A JP 2002144500A
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JP2001249885A
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English (en)
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Sadayuki Kobayashi
定之 小林
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボス加工性に優れ、かつ靱性が高く、ま
た加熱積層時に熱融着性に優れると共に熱収縮が少な
く、さらには表面外観にも優れる多層シートおよびそれ
からなる磁気カードやICカードなどのカードを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも1層がビニル系(共)重合体
からなるシートAであり、また表面層の2層の内少なく
とも1層が非晶ポリエステルおよび芳香族ポリカーボネ
ートから選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂からなるシー
トBであることを特徴とする多層シートおよびそれから
なるカード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボス時におけ
る反り量が少なく、また刻印文字表面に割れが生じない
などのエンボス加工性に優れ、かつ靱性が高く、また加
熱積層時における熱融着性に優れると共に熱収縮が少な
く、さらには表面外観にも優れる磁気カードやICカー
ドなどのカードとして好適に用いられる多層シートおよ
びそれからなるカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンボス加工により記号や文字な
どを立体的に刻印した磁気カードやICカードなどのカ
ードが広く用いられている。
【0003】これらのカード材料には、エンボス加工に
よってカードが反ったり、刻印文字表面に割れが生じな
いことが必要とされており、一般には硬質ポリ塩化ビニ
ル樹脂製の多層シートが主として用いられている。
【0004】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、燃焼させ
ることにより人体に有害な物質を発生する危険性が問題
とされているため、硬質ポリ塩化ビニル樹脂製以外で、
エンボス加工性に優れたカード材料が要望されてきた。
【0005】また、このようなカードは、様々な用途で
用いられるため、折り曲げ時に亀裂や破損が生じないよ
うな高い靱性を有し、信頼性が高いことが必要とされ
る。
【0006】さらに、このようなカードは、一般的に、
積層シートを熱融着した多層シートを打ち抜いて製造さ
れるが、この加熱時に熱収縮が生じ、寸法安定性が低下
すると、カードにずれが生じるため、印刷がずれたり、
打ち抜き工程の自動化が困難になるという問題がある。
【0007】一方、延伸化ポリエチレンテレフタレート
樹脂は、加熱による熱収縮が小さく寸法安定性に優れた
シートであるが、110℃〜150℃の実用的な温度で
熱融着することができず、接着層のコートが必要となる
ことから、製造工程が複雑となり、またコストも増大す
るためカード用材料としては好ましくない。
【0008】したがって、カード用材料としては、エン
ボス加工性に優れ、かつ靱性が高く、また熱融着可能で
熱収縮の小さい材料の実現が切望されており、これまで
にも様々なカード用材料が検討されてきた。
【0009】例えば、特開平12−159956号公報
には、スチレン系樹脂および無機板状充填材からなる熱
可塑性樹脂組成物を用いたシートが開示されている。し
かしながら、これらのスチレン系熱可塑性樹脂組成物同
士を積層してなるシートを用いてエンボス加工を行う
と、比較的良好なエンボス反り量を得ることができるも
のの、そのエンボス加工性はいまだに十分ではなく、ま
た特にこのシートを表層に用いた場合には、エンボス加
工後の刻印文字の表面に割れが生じるなどの問題が顕在
化するという問題があった。
【0010】また、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル誘導体共重合ポリエステルは、エンボス加工性が良好
な樹脂の一つであり、カード用途への展開が検討されて
いる。そして、この共重合ポリエステルに対し、高ガラ
ス転移温度を有するポリマーであるポリカーボネート樹
脂をブレンドすることにより耐熱性を向上させる方法が
考えられてきた。すなわち、特開平10−100356
号公報には、耐熱性の向上および110〜150℃の実
用的な温度で熱融着できるなどの易加工性の付与を目的
として、ポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジ
メタノール誘導体共重合ポリエステルとのブレンド物か
らなるシートが開示されている。しかしながら、これら
のブレンド物同士を積層してなるシートは、エンボス性
には優れるものの、カード折り曲げ時の靱性が不足する
という問題を包含するばかりか、金型との剥離時に無機
板状充填材と樹脂との間に微小な空孔を生じるため、表
面外観が悪化するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0012】したがって、本発明の目的は、エンボス加
工時の反りが少なくまた刻印文字に割れが生じないなど
のエンボス加工性に優れ、かつ靱性が高く、また加熱積
層時に熱融着性に優れると共に熱収縮の少なく、さらに
は表面外観にも優れる磁気カードやICカードなどのカ
ードとして好適に用いられる多層シートおよびそれから
なるカードを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、ビニル系(共)重合
体からなるシートを少なくとも1層として用い、また表
面層の2層の内少なくとも1層が非晶ポリエステルおよ
び芳香族ポリカーボネートから選ばれる1種または2種
以上の熱可塑性樹脂からなるシートを積層することによ
り、上記目的が一挙に解決できることを見出し、本発明
を完成させるにいたった。加えて、表面層に用いられる
シートを構成する熱可塑性樹脂組成物に対して、さらに
離型剤を添加することにより、シミ状の表面欠陥のない
表面外観の良好な多層シートおよびそれからなる多層シ
ートが得られることを見出し、本発明を完成させるにい
たった。
【0014】すなわち、本発明は、 (1)2枚以上のシートを積層してなる多層シートであ
って、その少なくとも1層が、(A−1)下記一般式
(1)で示されるビニル系単量体の少なくとも1種を
(共)重合してなるビニル系(共)重合体からなるシー
トAであり、
【0015】
【化2】 (ただし、式中のR1 は水素または低級アルキル基を、
R2 はフェニル基、シアノ基または炭素数1〜10個の
アルキル基からなるアルキルエステル基を示す。) また表面層の2層の内少なくとも1層が、(B−1)非
晶ポリエステルおよび(B−2)芳香族ポリカーボネー
トから選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂から
なるシートBであることを特徴とする多層シートを提供
するものである。
【0016】そして、本発明の多層シートは、さらに次
の(2)〜(12)の条件を備えることが好ましい。 (2)前記シートAが、該シート中の(A−1)ビニル
系(共)重合体100重量部に対し、(a−1)ゴム質
重合体を含むゴム強化スチレン系樹脂1〜100重量部
を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴
とする上記(1)に記載の多層シート。 (3)前記(a−1)成分が、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体であることを特徴とする上記
(2)に記載の多層シート。 (4)前記シートAが、該シート中の熱可塑性樹脂の合
計100重量部に対し、さらに(a−2)平均粒径が
0.5〜20μmの無機板状充填材0.5〜25重量部
を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴
とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の多層
シート。 (5)前記(a−2)成分が、タルクおよびカオリンか
ら選ばれた1種以上であることを特徴とする上記(4)
に記載の多層シート。 (6)前記(B−1)非晶ポリエステル成分が、テレフ
タル酸単位を主とするジカルボン酸単位と、エチレング
リコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル単位を主とするグリコール単位とからなる非晶ポリエ
ステルであることを特徴とする上記(1)〜(5)のい
ずれか記載の多層シート。 (7)前記(B−1)非晶ポリエステル成分におけるエ
チレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサン
ジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が
1以上であることを特徴とする上記(6)に記載の多層
シート。 (8)前記(B−1)非晶ポリエステル成分が、(B−
1−1)エチレングリコール単位(I)と1,4−シク
ロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/
(II)]が1以上の非晶ポリエステル、および(B−1
−2)エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/
(II)]が1未満の非晶ポリエステルのブレンドからな
ることを特徴とする上記(6)に記載の多層シート。 (9)前記シートBが、該シート中の熱可塑性樹脂の合
計100重量部に対し、さらに(b−1)平均粒径が
0.5〜20μmの無機板状充填材0.1〜25重量部
を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴
とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の多層
シート。 (10)前記(b−1)成分が、タルクおよびカオリン
から選ばれた1種以上であることを特徴とする上記
(9)に記載の多層シート。 (11)前記シート(B)が、該シート中の熱可塑性樹
脂の合計100重量部に対し、さらに(b−2)無機非
板状充填材を0.1〜10重量部配合してなる熱可塑性
樹脂組成物からなることを特徴とする上記(1)〜(1
0)のいずれか1項に記載の多層シート。 (12)前記シート(B)が、該シート中の熱可塑性樹
脂の合計100重量部に対し、さらに(b−3)離型剤
を0.01〜5重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物
からなることを特徴とする上記(1)〜(11)のいず
れか1項に記載の多層シート。
【0017】また、本発明のカードは、上記(1)〜
(12)のいずれか1項に記載の多層シートからなるこ
とを特徴とし、磁気カードまたはICカードとして好ま
しく使用されるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多層シートおよ
びカードについて詳述する。
【0019】本発明の多層シートは、2枚以上のシート
を積層してなる多層シートであって、その少なくとも1
層が、(A−1)上記一般式(1)で示されるビニル系
単量体の少なくとも1種を(共)重合してなるビニル系
(共)重合体からなるシートAであり、また表面層の2
層の内少なくとも1層が(A−1)非晶ポリエステルお
よび(A−2)芳香族ポリカーボネートから選ばれる1
種または2種以上の熱可塑性樹脂からなるシートBであ
ることを特徴とするものである。
【0020】本発明において、シートA中の(A−1)
成分であるビニル系(共)重合体とは、前記一般式
(1)で示されるビニル系単量体、例えばスチレン、α
−メチルスチレン、オルトメチルスチレン、パラメチル
スチレン、パラ−t−ブチルスチレンおよびハロゲン化
スチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリ
ルおよびメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単
量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、
(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどの不飽和カル
ボン酸アルキルエステル系単量体、メタクリルアミド、
N−メチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミ
ド系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−
フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体、および
無水マレイン酸、無水シタラコン酸、無水アコニット酸
などの不飽和カルボン酸無水物系単量体などの少なくと
も1種を(共)重合してなる重合体であり、具体的には
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−
α−メチルスチレン共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル
共重合体、ポリメタクリル酸メチル、およびスチレン−
メタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル共重合体な
どが挙げられる。なかでも、熱融着性に優れる点から、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−メタクリル酸メチル共重合体、およびポリメタクリル
酸メチルが好ましく用いられ、特にスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体がより好ましく用いられる。
【0021】また、シートA中の(A−1)成分として
のビニル系(共)重合体に対し、(a−1)ゴム質重合
体を含むゴム強化スチレン系樹脂を配合することは、よ
り向上したエンボス加工性が得られる点で好ましい。
【0022】(a−1)成分のゴム強化スチレン系樹脂
に用いるゴム質重合体としては、ジエン系ゴム、アクリ
ル系ゴム、およびエチレン系ゴムなどであり、具体例と
してはポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−スチレ
ン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポリイ
ソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸ブチル)、ポ
リ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエ
ン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸ブチル−
メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸
エチル)、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プ
ロピレン−ジエン系ゴム、ポリ(エチレン−イソブチレ
ン)、およびポリ(エチレン−アクリル酸メチル)など
が挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種または2
種以上の混合物で使用される。これらのゴム質重合体の
うち、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンジエン系
ゴムおよびアクリルゴムが、エンボス加工性の向上効果
の点で特に好ましく用いられる。
【0023】本発明における(a−1)ゴム強化スチレ
ン系樹脂とは、上記ゴム質重合体で強化されたスチレン
系樹脂であり、ゴム質重合体へのスチレン系樹脂のグラ
フトの有無は制限されないが、エンボス加工性の向上効
果の点ではグラフトしていることが好ましい。(a−
1)ゴム強化スチレン系樹脂のグラフト率には、特に制
限はないが、5〜100重量%の範囲のものが通常好ま
しく用いられる。
【0024】また、(a−1)ゴム強化スチレン系樹脂
におけるスチレン系樹脂とは、スチレン、α−メチルス
チレン、オルトメチルスチレン、パラメチルスチレン、
パラ−t−ブチルスチレンおよびハロゲン化スチレンな
どの芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体もしく
は共重合体のことであり、共重合成分としてはアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系
単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)
アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチ
ル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどの不飽和
カルボン酸アルキルエステル系単量体、メタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミド系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体、お
よび無水マレイン酸、無水シタラコン酸、無水アコニッ
ト酸などの不飽和カルボン酸無水物系単量体などを挙げ
ることができる。
【0025】(a−1)ゴム強化スチレン系樹脂の具体
例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン−αメチルスチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン−N−フェニルマレ
イミド共重合体、アクリロニトリル−アクリルゴム−ス
チレン共重合体、およびアクリロニトリル−エチレン・
プロピレンジエン系ゴム−スチレン共重合体などが挙げ
られ、なかでもアクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、およびアクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体が、エンボス加工
性の向上の点で好ましく用いられる。
【0026】本発明における(a−1)ゴム強化スチレ
ン系樹脂におけるゴム質重合体の重量平均粒子径には特
に制限がないが、0.10〜0.50μmの範囲である
ことが好ましく、特に0.15〜0.40μmの範囲に
あることが好ましい。また、(a−1)ゴム強化スチレ
ン系樹脂におけるゴム質重合体の含有率は特に制限がな
いが、通常、1〜50重量%の範囲のものが好ましく用
いられる。
【0027】本発明における(a−1)ゴム強化スチレ
ン系樹脂の添加量は、得られる多層シートのエンボス加
工性の向上効果の点から、シートA中の(A−1)ビニ
ル系(共)重合体100重量部に対し、1〜100重量
部の範囲が好ましく、特に30〜70重量部の範囲がよ
り好ましく用いられる。
【0028】本発明においては、シートAを形成する熱
可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物に対し、(a−
2)成分としての無機板状充填材を配合することは、エ
ンボス加工性を一層向上させる点から好ましい。(a−
2)成分の無機板状充填材としては、いわゆる板状の無
機充填材であって、粒子形状が立体的に非等方性で2軸
配向性をもつ充填材が好ましい。具体的には、タルク、
カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、セリサイ
ト、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、お
よびガラスフレークなどが挙げられ、これら充填材は2
種類以上併用しても良い。これらのなかではタルクおよ
びカオリンが好ましく、なかでもタルクが最も好まし
い。
【0029】無機板状充填材の添加量は、シートAを形
成する熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物の合計1
00重量部に対して、0.5〜25重量部の範囲が好ま
しく、なかでも2〜20重量部の範囲が好ましく、さら
には4〜18重量部の範囲が好ましい。この範囲であれ
ば、成形性が良好で、エンボス加工性の改善効果が高い
多層シートやカードが得られる。
【0030】無機板状充填材の平均粒径は、配合後の段
階で0.5〜20μmの範囲であることが好ましく、な
かでも1〜10μmの範囲であることがより好ましい。
この範囲であると、多層シート、カードへの成形性が良
好で、エンボス加工性の改善効果が良好な効果が得られ
る。
【0031】かかる無機板状充填材の平均粒径は、アン
ドレアゼンピペット法による積算率50%時の粒子径を
遠心沈降式粒度分布測定装置で測定することにより求め
ることができる。
【0032】また、無機板状充填材の平均粒径は、配合
後の段階でも上記の範囲内となることが好ましく、本発
明の多層シートを有機溶剤で処理あるいは電気炉などで
燃焼させ無機板状充填材成分のみを分離した後、電子顕
微鏡による拡大写真でサンプル数100個の平均粒子径
を測定することにより求めることができる。
【0033】また、これらの無機板状充填材は、イソシ
アネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネー
ト系化合物、有機ボラン系化合物、およびエポキシ化合
物などのカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0034】本発明においては、シートAを形成する熱
可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物に対し、帯電防止
剤を配合することは、塵埃の付着や静電気による取扱時
の障害などを防ぐ点から好ましい。帯電防止剤として
は、熱可塑性樹脂に使用される一般的な界面活性剤型の
帯電防止剤を使用することが可能である。具体的には非
イオン系、アニオン系、カチオン系、両性系などが挙げ
られ、これらの帯電防止剤から1種または2種以上使用
することが可能である。また、帯電防止剤の中でもアニ
オン系の帯電防止剤が好ましく使用される。アニオン系
の帯電防止剤としてはスルホン酸塩型アニオン系帯電防
止剤が挙げられ、例えばアルキルスルホン酸金属塩やア
ルキル芳香族スルホン酸金属塩などがあるが、好ましく
はアルキルスルホン酸金属塩が、帯電防止性やエンボス
加工性の面で優れている。アルキルスルホン酸金属塩の
例を挙げれば、アルキル基の炭素数1〜35の脂肪族ス
ルホン酸のアルカリ金属塩、もしくはアルカリ土類金属
塩であり、好ましいアルキル基の炭素数は8〜22であ
る。アルカリ金属としては、ナトリウムやカリウムなど
が挙げられ、またアルカリ土類金属としては、カルシウ
ム、バリウム、およびマグネシウムなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸金属塩の具体的な化合物としては、
n−ヘキシルスルホン酸ソーダ、n−ヘブチルスルホン
酸ソーダ、n−オクチルスルホン酸ソーダ、n−ノニル
スルホン酸ソーダ、n−デシルスルホン酸ソーダ、n−
ドデシルスルホン酸ソーダ、n−テトラデシルスルホン
酸ソーダ、n−ヘキサデシルスルホン酸ソーダ、n−ヘ
ブタデシルスルホン酸ソーダ、およびn−オクタデシル
スルホン酸ソーダなどがある。帯電防止剤の添加量は、
少なすぎると十分な帯電防止性の付与効果が得られず、
逆に多すぎると熱可塑性樹脂の熱安定性を損なう傾向に
あるため、シートAの熱可塑性樹脂の合計量である(A
−1)成分、または(A−1)および(a−1)成分の
合計100重量部に対して、0.02〜10重量部の範
囲が好ましく、なかでも0.03〜7重量部の範囲、さ
らには0.05〜5重量部の範囲がより好ましい。
【0035】なお、本発明の多層シートを形成するシー
トA中の(A−1)ビニル系(共)重合体に対して、本
発明の目的を損なわない範囲であれば、さらに他の各種
の添加剤を配合することもできる。これら他の添加剤と
しては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊
維、岩綿、炭酸カルシウム、ケイ砂、硫酸バリウム、ガ
ラスビーズなどの非板状充填材、酸化防止剤(リン系、
硫黄系など)、紫外線吸収剤、熱安定剤(ヒンダードフ
ェノール系など)、滑剤、離型剤、滑り改良剤、ブロッ
キング防止剤、染料および顔料を含む着色剤、難燃剤
(ハロゲン系、リン系など)、難燃助剤(三酸化アンチ
モンに代表されるアンチモン化合物、酸化ジルコニウ
ム、酸化モリブデンなど)、発泡剤、および架橋剤(例
えば、多価のエポキシ化合物、イソシアネート化合物、
酸無水物など)などが挙げられる。また、他の合成樹脂
(例えば、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、およびシリコーン樹脂など)を含有せしめることも
できる。
【0036】本発明における、シートB中の(B−1)
成分である非晶ポリエステルとは、示差走査型熱量計で
溶融状態から10℃/分の速度で降温したときの結晶化
熱量が5cal/g以下であるポリエステルのことを指
す。また、(B−1)成分としての非晶ポリエステルの
具体例としては、ジカルボン酸成分として、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル
酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸、2−2’−ビ
フェニルジカルボン酸、1,2’−ビス(4−カルボキ
シフェノキシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、および
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを用い、グリ
コール成分として、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、および2,
2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ンなどを用いた重合体および共重合体が挙げられる。
【0037】なかでも、テレフタル酸単位を主とするジ
カルボン酸単位と、エチレングリコール単位および1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコ
ール単位とからなる非晶ポリエステルが好ましく、特に
(B−1−1)エチレングリコール単位(I)と1,4
−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比
[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステルが
好適である。
【0038】(B−1)成分の非晶ポリエステルとして
は、2種類以上の非晶ポリエステルをブレンドして使用
してもよく、この場合には、(B−1−1)エチレング
リコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上の
非晶ポリエステル、および(B−1−2)エチレングリ
コール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1未満の非
晶ポリエステルをブレンドして使用することが、特に耐
熱性が向上する点から好ましい。
【0039】ここで、(B−1−1)エチレングリコー
ル単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上の非晶ポ
リエステルを用いる場合、上記モル比[(I)/(I
I)]の上限には特に制限はないが、99以下であるこ
とが好ましい。また、(B−1−2)エチレングリコー
ル単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位(II)のモル比[(I)/(II)]が1未満の非晶ポ
リエステルを用いる場合、その下限に特に制限はない
が、1/99を越えることが好ましい。
【0040】さらに、(B−1−1)エチレングリコー
ル単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上のポリエ
ステル、および(B−1−2)エチレングリコール単位
(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
I)のモル比[(I)/(II)]が1未満の非晶ポリエ
ステルをブレンドして使用する場合における好ましい配
合重量比[(B−1−1)/(B−1−2)]は、5/
95〜95/5の範囲、好ましくは30/70〜90/
10の範囲、特に好ましくは40/60〜80/20の
範囲であることが望ましい。
【0041】上記(B−1)成分として用いる1,4−
シクロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステル
の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、
有機チタン化合物などの触媒の存在下もしくは非存在下
において、テレフタル酸またはその低級アルキルエステ
ルと、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチ
レングリコールを重縮合する方法が挙げられる。この場
合の重合条件としては、例えば米国特許第2,901,
466号明細書に記載された条件などが適用され得る。
【0042】(B−1)成分として用いる1,4−シク
ロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルに
は、本発明の効果を損なわない範囲、通常20モル%以
下、好ましくは10モル%以下の範囲で、酸成分として
イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4−
4’−ビフェニルジカルボン酸、2−2’−ビフェニル
ジカルボン酸、1,2’−ビス(4−カルボキシフェノ
キシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタ
デカンジカルボン酸、ダイマー酸、および1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などの他のジカルボン酸を、ま
たグリコール成分としてプロピレングリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロ
ヘキサンジメタノール、および2,2−ビス(2’−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの他のグリコ
ールを共重合することができる。
【0043】本発明において、シートB中の(B−2)
成分の芳香族ポリカーボネートとしては、ビスフェノー
ルA、つまり2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアル
カンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選
ばれた1種以上を主原料とするものが好ましく挙げら
れ、なかでもビスフェノールA、つまり2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料として製
造されたものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノ
ールAなどをジヒドロキシ成分として用い、エステル交
換法あるいはホスゲン法により得られたポリカーボネー
トであることが好ましい。さらに、ビスフェノールAの
一部、好ましくは10モル%以下を、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテルなどで置換したものも好ましく用いられ
る。
【0044】本発明のシートB中の熱可塑性樹脂成分
は、(B−1)成分単独、(B−2)成分単独、および
(B−1)成分と(B−2)成分の両成分のいずれから
なっていてもよいが、(B−1)成分と(B−2)成分
両方を含むことが、耐熱性向上の点から好ましい。(B
−1)成分と(B−2)成分の配合割合には特に限定は
なく任意の割合が用いられるが、(B−1)成分と(B
−2)成分の好ましい重量比(B−1)/(B−2)
は、95/5〜5/95の範囲であり、さらに好ましく
は80/20〜20/80の範囲である。
【0045】本発明においては、シートBを形成する熱
可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物に対し、(b−
1)成分としての無機板状充填材を配合することは、エ
ンボス加工性を一層向上させる点から好ましい。(b−
1)成分の無機板状充填材としては、いわゆる板状の無
機充填材であって、粒子形状が立体的に非等方性で2軸
配向性をもつ充填材が好ましい。具体的には、タルク、
カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、セリサイ
ト、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガ
ラスフレークなどが挙げられ、これら充填材は2種類以
上併用しても良い。これらのなかではタルクおよびカオ
リンが好ましく、なかでもタルクが最も好ましい。
【0046】(b−1)無機板状充填材の添加量は、
(B−1)成分および/または(B−2)成分の合計1
00重量部に対して、0.1〜25重量部の範囲が好ま
しく、なかでも0.5〜20重量部の範囲がより好まし
い。この範囲であれば、成形性が良好で、エンボス加工
性の改善効果が高く、また透明性にも優れる良好な多層
シートやカードが得られる。
【0047】(b−1)無機板状充填材の平均粒径は、
配合後の段階で0.5〜20μmの範囲であることが好
ましく、なかでも1〜10μmの範囲であることがより
好ましい。この範囲であると、多層シート、カードへの
成形性が良好で、エンボス加工性の改善効果が高く、ま
た透明性にも優れるという効果が得られる。
【0048】かかる(b−1)無機板状充填材の平均粒
径の求め方、および、またこれらの(b−1)無機板状
充填材は、カップリング剤などで表面処理されていても
よい点は、上記(a−2)無機板状充填材の場合と同様
である。
【0049】また、本発明においては、金型接触面の表
面外観に優れ、かつシート製膜時の滑り性を付与し巻き
取り性を改良するため、シートBを構成する熱可塑性樹
脂の合計量100重量部に対して、さらに(b−2)無
機非板状充填材の少なくとも1種を添加することが有効
である。なお、シートとして透明性を必要とする場合に
おいては、表面層を構成する熱可塑性樹脂の合計量10
0重量部に対して、(b−2)無機非板状充填材の少な
くとも1種を0.2〜5重量部の範囲とすることが好ま
しく、またより好ましくは0.5〜3重量部の範囲であ
る。
【0050】(b−2)無機非板状充填材としては、粒
状無機粒子および繊維状無機粒子など粒子形状のものが
挙げられるが、中でも配合前の段階での平均粒子径が
0.5〜50μmの範囲の粒状無機粒子および平均繊維
径が0.5〜50μmの範囲の繊維状無機粒子が、表面
外観に優れることから好ましく用いられる。
【0051】かかる粒状無機粒子の平均粒子径は、アン
ドレアゼンピペット法による積重率50%時の粒子径を
遠心沈降式粒度分布測定装置で測定することにより求め
ることができ、繊維状無機粒子の平均繊維径は、電子顕
微鏡による拡大写真でサンプル数100個の平均粒子径
を測定することにより求めることができる。
【0052】かかる粒状無機充填材の平均粒径および繊
維状無機充填材の平均繊維径は、配合後の段階で上記範
囲内となることが好ましく、かかる平均粒径および平均
繊維径は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を有機溶剤で処
理あるいは電気炉などで燃焼させて(b−2)無機非板
状充填材のみを分離した後、得られる粒状無機充填材お
よび繊維状無機充填材について、電子顕微鏡による拡大
写真でサンプル数100個の粒子径または繊維径を測定
し、それを数平均することにより求めることができる。
【0053】上記粒状無機粒子の具体例としては、シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリ
ウムおよびガラスビーズなどが挙げられ、これら無機粒
子は2種類以上併用してもよい。これらの中では特にシ
リカが好ましく、また表面層として透明性が要求される
場合には、シリカの中でも透明性の低下が比較的小さい
ことから、結晶性のシリカがより好ましく用いられる。
【0054】また、上記繊維状無機粒子の具体例として
は、ワラステナイト、ベントナイト、アスベスト繊維、
石綿、セピオライト、チタン酸カリウムウィスカー、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、
ガラス繊維およびPAN系やピッチ系の炭素繊維などが
挙げられ、これら無機粒子は2種類以上併用してもよ
い。これらのなかで表面層として透明性を要求される場
合には、透明性の低下が比較的小さいことから、ワラス
テナイトが特に好ましく用いられる。
【0055】また、これらの(b−2)無機非板状充填
材は、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、
有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエ
ポキシ化合物などのカップリング剤で表面処理されてい
てもよい。
【0056】本発明においては、積層時の金型接触面の
表面外観をより優れたものとするために、シートBを形
成する熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物に対し、
さらに(b−3)離型剤を添加することが好ましく、ま
た表面層に用いられるシートのいずれもがさらに離型剤
を添加してなる熱可塑性樹脂組成物からなることがより
好ましい。
【0057】かかる(b−3)離型剤の添加量は、表面
層に用いられるシートを構成する熱可塑性樹脂組成物に
おける熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対し、0.
01〜5重量部の範囲とすることが好ましく、より好ま
しくは0.1〜2重量部の範囲である。添加量が少ない
とカード製造時に樹脂組成物が金属板や金型などに付着
し表面外観が悪化し、多すぎると樹脂組成物の熱安定性
が悪くなる傾向を生じることになる。
【0058】かかる(b−3)離型剤としては、リン酸
または亜リン酸エステル類、高級脂肪酸モノエステル
類、高級脂肪酸もしくはその金属塩、エチレンビスアミ
ド化合物および低分子量ポリオレフィンなどが挙げら
れ、これらから選ばれた少なくとも1種以上含むことが
好ましい。離型剤の中でもリン酸または亜リン酸エステ
ル類、高級脂肪酸モノエステル類、高級脂肪酸もしくは
その金属塩および低分子量ポリオレフィンなどが好まし
く、特にリン酸または亜リン酸エステル類が好ましい。
【0059】リン酸または亜リン酸エステル類として
は、リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、
リン酸ジブチル、亜リン酸ジブチル、リン酸ジオクチ
ル、亜リン酸ジオクチル、リン酸ジ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル、亜リン酸ジ(メタ)アクリロイルオキ
シエチル、リン酸モノイソプロピル、亜リン酸モノイソ
プロピル、リン酸モノブチル、亜リン酸モノブチル、リ
ン酸モノオクチル、亜リン酸モノオクチル、リン酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルおよび亜リン酸モノ
(メタ)アクリロイルオキシエチルなどを挙げることが
でき、これらを混合して用いることも可能である。
【0060】なお、本発明シートBを形成する熱可塑性
樹脂または熱可塑性樹脂組成物に対し、本発明の目的を
損なわない範囲であれば、さらに他の各種の添加剤を配
合することもできる。これら他の添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収
剤、熱安定剤(ヒンダードフェノール系など)、滑剤、
帯電防止剤、滑り改良剤、ブロッキング防止剤、染料お
よび顔料を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系な
ど)、難燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチ
モン化合物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンな
ど)、発泡剤、および架橋剤(例えば、多価のエポキシ
化合物、イソシアネート化合物、酸無水物など)などが
挙げられる。また他の合成樹脂(例えば、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、およびシリコーン樹脂など)を含有せし
めることもできる。
【0061】また、本発明の多層シートの積層形態は、
2枚以上のシートを積層してなる多層シートであり、特
に耐屈曲性に優れる高い靱性を得るために、その少なく
とも1層を上記シートAで、またエンボス加工時のカー
ド反り量を抑制し、かつ刻印文字表面の文字割れを防ぐ
ために、表面層の2層の内少なくとも1層を上記シート
Bで形成する必要がある。また、上記エンボス加工性の
効果をより高めるためには、3枚以上のシートを積層し
てなる多層シートであり、表面層の2層ともが上記シー
トBで形成されることが好ましい。
【0062】上記積層形態の具体例としては、シートA
の片側にシートBを積層した構造、シートAを2枚以上
積層し、その片側にシートBを積層した構造、シートA
とシートBを交互に積層した構造、シートAの両側にシ
ートBを積層した構造、シートAを2枚以上積層し、そ
の両側にシートBを積層した構造、シートAとシートB
を交互に積層し、そのシートA側にシートBを積層した
多層構造などが挙げられる。
【0063】また、本発明の効果を損なわない程度であ
れば、さらに上記シートAおよびシートB以外の熱可塑
性樹脂組成物からなるシートCを用いることもでき、シ
ートCに用いられる熱可塑性樹脂の具体例としては、ナ
イロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル、セルローストリアセテート、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが
挙げられる。これらのシートCを用いた場合の積層形態
の具体例としては、シートCの両側にシートAを積層
し、さらにその両側にシートBを積層した構造、シート
Aを2枚以上積層しその片面にシートCを積層し、さら
にその両側にシートBを積層した構造などが挙げられ
る。
【0064】また、本発明の多層シート全体に対して、
シートAの割合が、厚みで少なくとも50%以上の割合
を占めることが、靱性の向上効果の点から好ましく、さ
らには70%以上の割合を占めることが一層好ましい。
【0065】さらに、各シート層間には、必要に応じて
接着剤層を設けてもよく、さらには、各シート層に印刷
を施してもよく、また、磁性体を塗布してもよく、銀ペ
ーストで回路を形成させてもよい。かかる磁性層は、シ
ート全面であっても、またストライプ状などシートの一
部分であってもよい。さらに、該多層シートを得た後、
表面に印刷やコートなどの装飾を施すことももちろん可
能である。
【0066】本発明の多層シートは、上記シートAと、
上記シートBを積層してなる多層シートであり、上記に
示すシートを構成する熱可塑性樹脂組成物の組み合わせ
において加熱積層時に良好な融着性を示し、また加熱時
の熱収縮率が著しく減少する効果が現れる。
【0067】本発明の多層シートの積層方法は特に制限
がなく、共押出法、加熱積層法、およびホットメルト法
などの任意の周知の方法が用いられるが、なかでも加熱
積層法が通常よく用いられる。
【0068】本発明の多層シートを構成する各層の厚み
は特に限定されないが、表面層が約50μm〜100μ
mの範囲、表面層以外の層が約100μm〜700μm
の範囲、全体が150μm〜2000μmの範囲、特に
600μm〜900μmの範囲の厚みであることが好ま
しい。
【0069】本発明の多層シートからなるカードの製造
方法は特に限定されないが、本発明の多層シートを特定
の大きさに切断し、カードに加工する方法が挙げられ
る。また、上記多層シートにプレス成形などの二次加工
を施し、カード形状に加工してもよい。
【0070】本発明の多層シートからなるカードの大き
さは特に限定されないが、長辺が10mm〜300mm
の範囲、短辺が10mm〜200mmの範囲の広がりを
持つ長方形形状のものが好ましく、特に長辺が50mm
〜100mmの範囲、短辺が25mm〜80mmの範囲
の広がりを持つ長方形形状のものが好ましい。なかでも
長辺が約85mm、短辺が約54mmの長方形形状のも
のがより好ましい。
【0071】本発明の多層シートからなるカードを、磁
気カードやICカードなどのJISX6301準拠のカ
ードに用いる場合には、必要に応じて本発明の多層シー
トを構成する熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物の
合計100重量部に対し、酸化チタン2〜25重量部を
加えて不透明にして使用される。
【0072】本発明の多層シートは、エンボス時におけ
る反り量が少なく、また刻印文字表面に割れが生じない
などのエンボス加工性に優れ、かつ熱融着性に優れると
共に熱収縮が少なく、さらには表面外観にも優れている
ため、カード用途として好適に用いることができる。
【0073】本発明の多層シートからなるカードの用途
としては、一般に磁気カードやICカードなどの情報を
記録し得るカード、具体的には磁気的、電気的あるいは
光学的に読みおよび/または書き可能なカード用途、よ
り具体的にはプリペイドカード、クレジットカード、バ
ンキングカード、各種証明用カード、および運転免許証
用カードなどが挙げられ、これらのカード類として好ま
しく使用することができる。
【0074】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および効
果をさらに説明する。
【0075】まず、シートAの材料として、下記(A−
1)ビニル系(共)重合体、(a−1)ゴム強化スチレ
ン系樹脂、および(a−2)タルクを、シートBの材料
として、下記(B−1−1)非晶ポリエステル、(B−
1−2)非晶ポリエステル、(B−2)芳香族ポリカー
ボネート、(b−1)タルク,(b−2)ワラステナイ
ト、および(b−3)離型剤を、シートCの材料とし
て、下記(C−1)ポリエチレンテレフタレートを、そ
れぞれ準備した。 A−1 :スチレン−アクリロニトリル共重合体(共
重合重量比=73/27) a−1 :アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(共重合重量比=13/50/37)。 a−2 :タルク(平均粒径1.4μmのタルク、富
士タルク工業(株)製LMS−300) B−1−1:テレフタル酸単位と、エチレングリコール
単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位か
らなるポリエステルであって、かつエチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)とのモル比(I)/(II)が、約70/30であ
るポリエステル(イーストマン・ケミカル社製“イース
ター”GN071) B−1−2:テレフタル酸単位と、エチレングリコール
単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位か
らなるポリエステルであって、かつエチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)とのモル比(I)/(II)が、約35/65であ
るポリエステル(イーストマン・ケミカル社製“イース
ター”DN003) B−2 :芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製“ユーピロン”S300
0)。 b−1 :タルク(平均粒径1.4μmのタルク、富
士タルク工業(株)製LMS−300) b−2 :ワラステナイト(NYCO製、“NYAD
G”平均繊維径40μmの繊維状無機粒子 b−3 :リン酸エステル類離型剤(AXEL製、
“モールドウィズ”INT−33UDK) C−1 :ポリエチレンテレフタレート 次に、表1に記載の配合比からなる原料を、Vブレンダ
ーを用いてドライブレンドした後、シートAは220
℃、シートBは250℃、シートCは280℃で、それ
ぞれ2軸スクリュー押出機に供給し、Tダイから吐出
し、厚み100μmおよび300μmのシート(シート
A1〜シートA3)、(シートB1〜シートB8)およ
び(シートC1)を得た。
【0076】なお、シートA2〜シートA5は、上記ビ
ニル系(共)重合体(A−1)100重量部に対して、
上記ゴム強化スチレン系樹脂(a−1)70重量部、お
よび2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
0.3部、ジフェニル・イソデシルホスファイトを配合
し、40φmm単軸押出機を用いて220℃で予め溶融
混合したものを用いた。
【0077】さらに、上記100μmおよび300μm
の各シートを、それぞれ表2に記載の構成で100/3
00/300/100μm(“/”は積層を表す)の順
に重ねてプレス成形機に供し、温度130℃、圧力1M
Pa、保持時間10分間の条件で熱融着させた後、温度
23℃、圧力1MPa、保持時間5分間の条件で冷却す
ることにより、多層シートを得た。さらに、同多層シー
トからJIS X6301準拠のカードを作成した。
【0078】また、配合後のタルクの平均粒子径、およ
びワラステナイトの平均繊維径は、上記シートを電気炉
で600℃、5時間燃焼させてタルクおよびワラステナ
イトのみを分離した後、電子顕微鏡による拡大写真でサ
ンプル数100個のタルクの平均粒子径(長径及び短径
の平均径を数平均したもの)およびワラステナイトの平
均繊維径を測定した。その結果、配合前後でのタルクの
平均粒子径およびワラステナイトの平均繊維径には実質
的な変化はみられなかった。
【0079】熱融着性の指標としては、上記カードを手
で引き離す試験を行い、各層が完全に融着し引き離すこ
とのできないものを○、一部剥離するものを△、完全に
剥離するものを×とした。
【0080】また、熱収縮性の指標として、上記カード
を熱風乾燥機中に100℃、30分間熱処理を行い、熱
処理前後での寸法変化を測定することにより、熱収縮率
を計算した。
【0081】また、エンボス加工性の指標としては、上
記カードに手動式エンボッサー(日本字研社製NE−1
600)を用いてエンボス文字を3行にわたって刻印
し、その場合のカード反り量をJIS X6301にし
たがって測定し、また刻印文字を実体顕微鏡により20
倍に拡大し、文字割れの有無を観察し、文字割れのない
ものを○、文字割れの生じたものを×とした。
【0082】また、上記カードを両側に90度折り曲げ
る試験を行い、屈曲部に亀裂が生じる回数を測定し、こ
の回数を耐屈曲性の目安とし、靱性の指標とした。
【0083】また、表面外観の評価は、上記多層シート
を熱融着させた後の表面を目視にて観察し、均一な表面
が得られるものを○、シミ状の欠点が見える場合を×と
し、さらに多層シートを10枚製作する際に、表面にシ
ミ状の欠点がみられた多層シートの枚数を測定した。
【0084】これらの評価結果を表2に併記する。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】 表2の結果からは、本発明の多層シートおよびそれから
なるカードは、エンボス加工時の反りが少なくまた刻印
文字に割れが生じないなどのエンボス加工性に優れ、か
つ靱性が高く、また加熱積層時に熱融着性に優れると共
に熱収縮が少なく、さらには表面外観にも優れているこ
とがわかる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層シー
トおよびそれからなるカードは、エンボス加工時の反り
が少なくまた刻印文字に割れが生じないなどのエンボス
加工性に優れ、かつ靱性が高く、また加熱積層時に熱融
着性に優れると共に熱収縮が少なく、さらには表面外観
にも優れるという特性を有するものであり、これらの特
性を生かして、磁気カードやICカードなどとして好適
に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/00 C08K 7/00 C08L 51/04 C08L 51/04 57/00 57/00 G06K 19/077 G06K 19/00 K Fターム(参考) 2C005 HA09 HA30 JA08 KA02 KA03 MA12 MA19 PA03 PA04 4F100 AA00A AA00B AA00H AC03A AC03B AC03H AC10A AC10B AC10H AK11A AK12A AK12J AK13A AK24A AK27A AK27J AK29A AK29J AK41B AK42B AK42K AK45B AL01A AL05A AL05B AN00A BA02 CA23A CA23B CA30B DE01A DE01B DE01H EJ39 GB71 JA03 JA12B JK01 JL04 4J002 AC03X AC06X AC07X AC08X BB07X BB15X BC03W BC03X BC06W BC09W BC10W BC11W BG04W BG04X BG05W BG13W BL01X BN15X DE146 DE266 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA016 FD016 GF00 5B035 AA07 AA08 BA05 BB02 BB09 CA02 CA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚以上のシートを積層してなる多層シ
    ートであって、その少なくとも1層が、(A−1)下記
    一般式(1)で示されるビニル系単量体の少なくとも1
    種を(共)重合してなるビニル系(共)重合体からなる
    シートAであり、 【化1】 (ただし、式中のR1 は水素または低級アルキル基を、
    R2 はフェニル基、シアノ基または炭素数1〜10個の
    アルキル基からなるアルキルエステル基を示す。) また表面層の2層の内少なくとも1層が、(B−1)非
    晶ポリエステルおよび(B−2)芳香族ポリカーボネー
    トから選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂から
    なるシートBであることを特徴とする多層シート。
  2. 【請求項2】 前記シートAが、該シート中の(A−
    1)ビニル系(共)重合体100重量部に対し、(a−
    1)ゴム質重合体を含むゴム強化スチレン系樹脂1〜1
    00重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層シート。
  3. 【請求項3】 前記(a−1)成分が、アクリロニトリ
    ル−ブタジエン−スチレン共重合体であることを特徴と
    する請求項2に記載の多層シート。
  4. 【請求項4】 前記シートAが、該シート中の熱可塑性
    樹脂の合計100重量部に対し、さらに(a−2)平均
    粒径が0.5〜20μmの無機板状充填材0.5〜25
    重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層
    シート。
  5. 【請求項5】 前記(a−2)成分が、タルクおよびカ
    オリンから選ばれた1種以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の多層シート。
  6. 【請求項6】 前記(B−1)非晶ポリエステル成分
    が、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位と、
    エチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサン
    ジメタノール単位を主とするグリコール単位とからなる
    非晶ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか記載の多層シート。
  7. 【請求項7】 前記(B−1)非晶ポリエステル成分に
    おけるエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロ
    ヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/
    (II)]が1以上であることを特徴とする請求項6に記
    載の多層シート。
  8. 【請求項8】 前記(B−1)非晶ポリエステル成分
    が、(B−1−1)エチレングリコール単位(I)と
    1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
    比[(I)/(II)]が1以上の非晶ポリエステル、お
    よび(B−1−2)エチレングリコール単位(I)と
    1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
    比[(I)/(II)]が1未満の非晶ポリエステルのブ
    レンドからなることを特徴とする請求項6に記載の多層
    シート。
  9. 【請求項9】 前記シートBが、該シート中の熱可塑性
    樹脂の合計100重量部に対し、さらに(b−1)平均
    粒径が0.5〜20μmの無機板状充填材0.1〜25
    重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物からなること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層
    シート。
  10. 【請求項10】 前記(b−1)成分が、タルクおよび
    カオリンから選ばれた1種以上であることを特徴とする
    請求項9に記載の多層シート。
  11. 【請求項11】 前記シート(B)が、該シート中の熱
    可塑性樹脂の合計100重量部に対し、さらに(b−
    2)無機非板状充填材を0.1〜10重量部配合してな
    る熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項
    1〜10のいずれか1項に記載の多層シート。
  12. 【請求項12】 前記シート(B)が、該シート中の熱
    可塑性樹脂の合計100重量部に対し、さらに(b−
    3)離型剤を0.01〜5重量部配合してなる熱可塑性
    樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜11の
    いずれか1項に記載の多層シート。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の多層シートからなることを特徴とするカード。
  14. 【請求項14】 磁気カードまたはICカードであるこ
    とを特徴とする請求項13に記載のカード。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341403A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板
JP2009258793A (ja) * 2008-04-11 2009-11-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd Icカード基材
JP2011088376A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Toppan Printing Co Ltd オーバープリントカード

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