JP2002143875A - 水、廃水または下水処理装置およびその製造方法 - Google Patents

水、廃水または下水処理装置およびその製造方法

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JP2002143875A
JP2002143875A JP2001252090A JP2001252090A JP2002143875A JP 2002143875 A JP2002143875 A JP 2002143875A JP 2001252090 A JP2001252090 A JP 2001252090A JP 2001252090 A JP2001252090 A JP 2001252090A JP 2002143875 A JP2002143875 A JP 2002143875A
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water
wastewater
tank
sewage
sewage treatment
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JP2001252090A
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English (en)
Inventor
Toshiki Tsutsumi
俊樹 堤
Akio Nishitsu
章郎 西津
Masamichi Sakai
正道 境
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Togami Electric Mfg Co Ltd
Original Assignee
Togami Electric Mfg Co Ltd
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/20Sludge processing

Abstract

(57)【要約】 【課題】廃水処理装置の設計の自由度を高めて建設場所
の諸条件や制約に柔軟に対応できるようにし、水、廃水
または下水処理装置の建設後の槽の移設や交換、増設が
容易にできるようにしてメンテナンスしやすくすること
である。 【解決手段】畜産廃水処理装置(A)は、原水槽(1)、スク
リーン(2)、流量調整槽(3)、攪拌槽(4)、初期沈殿槽
(5)、曝気槽(6)、中空糸膜分離装置(7)、流量制御装置
(8)、pH制御装置(9)、汚泥貯留槽(10)及びフイルター
プレス(11)により構成されている。攪拌槽(4)と初期沈
殿槽(5)は組み合わせられてユニット槽(U)となってお
り、他の各槽もユニットになっている。初期沈殿槽(5)
内の上部側には傾斜板(55)が複数枚平行に設けられてい
る。傾斜板(55)は、家畜の体毛及び体毛様物が引っ掛か
る間隔で設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水、廃水または下
水処理装置およびその製造方法に関する。更に詳しく
は、装置の設計の自由度を高めて建設場所の諸条件や制
約に柔軟に対応できるようにすると共に、短期間での施
工を可能にし、更に装置の建設後の槽の移設や交換、増
設が容易にできるようにしてメンテナンスをしやすくし
たものに関する。
【0002】
【従来技術】例えば、食品加工場等(例えば、野菜、根
菜類の漬物加工場、豆腐製造工場、海産物加工場等)で
は、食品原料や設備を洗浄した洗浄水等を含む廃水が大
量に発生する。この廃水の浄化処理は、沈殿槽や曝気槽
をコンクリートでつくる等、土木工事により建設された
大掛かりな水処理装置により行われている。また、水処
理装置において、曝気処理後の最終的な固液分離には、
中空糸膜が一般に使用されている。中空糸膜は、ポリエ
チレン多孔質材料等で管状に形成したものを多数組み合
わせたもので、各管の外部と内部で濾過を行うものであ
る。これによって、河川にも放流可能なレベルの処理水
が得られている。
【0003】上記廃水には、有機性廃水の他、毛髪や衣
服の繊維、糸屑等の繊維状物が多量に含まれている。廃
水に含まれる植物の茎や葉等、比較的大きな夾雑物はス
クリーン等の除渣装置による処理によって、ある程度除
去が可能である。しかし、上記繊維状物は細いのでスク
リーンを通過してしまう。繊維状物が沈殿等の処理を経
てそのまま曝気槽内に入ると、曝気槽内に設けられてい
る固液分離のための中空糸膜に絡み付いて粗大化し、そ
の上に汚泥が固着して目詰まり(濾過孔の閉塞)を促進
する。そこで、従来の水処理装置では、固液分離のため
の中空糸膜の目詰まりを遅らせて寿命を延ばし、メンテ
ナンスの負担を軽減するために、従来から下記のような
いくつかの方法が採用されてきた。
【0004】まず、一般的には、インラインでの薬液
(次亜塩素酸ソーダや苛性ソーダ)を用いた中空糸膜の
逆洗浄が行われている。また、中空糸膜を通した処理液
の吸引を定格値の吸引力で間欠的に行って目詰まりを防
止する方法が採用されている。更には、高分子凝集剤を
使用した凝集沈殿によって繊維状物を固めて除去するこ
とも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の水、廃水ま
たは下水処理装置には、次のような課題があった。この
種の水、廃水または下水処理装置は、上記のように沈殿
槽や曝気槽をコンクリートでつくる等して建設された大
掛かりなものであり、建設するには設置する現地におい
て土木工事が必要になり、工期も長くなっていた。従っ
て、建設において設置場所の地形等、様々な制約を受け
やすく、装置の設計において、自由度が低かった。ま
た、建設費用も多大であり、コストパフォーマンスの点
で小規模な水処理には向かない課題があった。更には、
建設後の槽の移設、交換あるいは増設が容易にはできな
い等、メンテナンスがしにくいという課題もあった。
【0006】また、上記したような従来の水、廃水また
は下水処理装置では、中空糸膜のメンテナンスの負担を
軽減する点において、次のような課題があった。すなわ
ち、インラインでの薬液を用いた中空糸膜の逆洗浄は、
目詰まりがある程度進むと固着汚泥の離脱ができなくな
り、ほとんど効果がない。このため、定期的に中空糸膜
を槽外に取り出し、薬液による浸漬洗浄を行う必要があ
り、作業が繁雑であった。中空糸膜を通した処理液の吸
引を定格値の吸引力で間欠的に行う方法では、吸引し始
めの比較的早い段階で目詰まりが起こりやすく、吸引停
止時の曝気の泡による洗浄でも目詰まりの解消は困難で
あった。
【0007】繊維状物を固めて除去するために高分子凝
集剤を使用する場合では、これによって繊維状物の大部
分は除去することが可能であるが、高分子凝集剤を使用
すると、この高分子凝集剤の残余分によって中空糸膜の
目詰まりを助長してしまい、かえって中空糸膜の寿命が
短くなる問題があった。このような理由から、従来の
水、廃水または下水処理装置では、中空糸膜のメンテナ
ンスの負担を軽減する点において十分とはいえず、結果
的に中空糸膜の交換を頻繁に行う必要があり、交換等に
要する維持費用もかさんでいた。
【0008】(本発明の目的)本発明の目的は、水、廃
水または下水処理装置の設計の自由度を高めて建設場所
の諸条件や制約に柔軟に対応できるようにすることであ
る。
【0009】本発明の他の目的は、水、廃水または下水
処理装置を短い工期で、比較的安価に建設できるように
することである。
【0010】本発明の他の目的は、水、廃水または下水
処理装置の建設後の槽の移設や交換、増設が容易にでき
るようにしてメンテナンスしやすくすることである。
【0011】本発明の他の目的は、水、廃水または下水
処理装置の処理工程の初期段階において、廃水に含まれ
る繊維状物を高分子凝集剤を使用することなく確実に除
去できるようにして、固液分離処理に使用する中空糸膜
の目詰まりが起こりにくいようにすることである。
【0012】本発明の他の目的は、中空糸膜の目詰まり
を防止して中空糸膜の寿命を延ばすことにより、逆洗浄
や中空糸膜を槽外に取り出して行う浸漬洗浄あるいは交
換等のメンテナンスの手間を軽減するとともに、維持費
を低減できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、水、廃水または下水を処理するものにおい
て、処理装置に使用される槽または/及び附帯装置は単
独であるいは組み合わせてユニット化されており、これ
らを適宜配置して処理装置が構成してあることを特徴と
する、水、廃水または下水処理装置である。
【0014】第2の発明にあっては、水、廃水または下
水を処理するものにおいて、ユニット化された槽または
/及び附帯装置を予め製造しておき、それらを設置箇所
で組み合わせるようにしたことを特徴とする、水、廃水
または下水処理装置の製造方法である。
【0015】第3の発明にあっては、水、廃水または下
水に含まれる繊維状物が中空糸膜による固液分離工程に
おいて流通しないように阻止する手段を備えていること
を特徴とする、第1の発明に係る水、廃水または下水処
理装置である。
【0016】第4の発明にあっては、水、廃水または下
水の原水から固形物を除去する除渣手段と、当該除渣手
段で処理した水、廃水または下水を攪拌し、残余固形物
を水、廃水または下水中に拡散させる攪拌槽と、当該攪
拌槽から送られる水、廃水または下水の残余固形物を除
去する初期沈殿槽と、当該初期沈殿槽から送られる水、
廃水または下水の曝気処理と中空糸膜による固液分離処
理を行う曝気槽と、当該曝気槽の中空糸膜により分離さ
れた処理水の処理を行う手段と、上記曝気槽から送られ
る余剰汚泥と上記初期沈殿槽から送られる沈殿物を含む
混合汚泥を曝気処理する汚泥貯留槽と、当該汚泥貯留槽
から送られる汚泥を脱水する汚泥脱水手段と、を備えて
おり、上記各槽及びその附帯装置はそれぞれ単独でまた
は組み合わされてユニット化してあることを特徴とす
る、水、廃水または下水処理装置である。
【0017】第5の発明にあっては、初期沈殿槽は、繊
維状物の流通を阻止する手段を備えていることを特徴と
する、第4の発明に係る水、廃水または下水処理装置で
ある。
【0018】第6の発明にあっては、攪拌槽内または/
及び曝気槽内の処理液のpH値を制御する手段を備えて
いることを特徴とする、第4または第5の発明に係る
水、廃水または下水処理装置である。
【0019】第7の発明にあっては、中空糸膜を通して
処理水を吸引する際に、定格値より弱い吸引力で吸引を
開始し、連続的にまたは段階的に吸引力を加減して所要
値に達するように制御され、この制御による吸引が間欠
的に行われるようにしてあることを特徴とする、第4、
第5または第6の発明に係る水、廃水または下水処理装
置である。
【0020】第8の発明にあっては、第4、第5、第6
または第7の発明に係る水、廃水または下水処理装置に
使用する初期沈殿槽であって、槽下部に設けてある導水
部と、槽上部に設けてある引水部と、上記導水部と引水
部の間に設けてあり、繊維状物の流通を阻止する手段
と、を備えていることを特徴とする、水、廃水または下
水処理装置に使用する初期沈殿槽である。
【0021】第9の発明にあっては、繊維状物の流通を
阻止する手段は、繊維状物が引っ掛かる間隔で複数設け
てある傾斜板を含むことを特徴とする、第8の発明に係
る水、廃水または下水処理装置に使用する初期沈殿槽で
ある。
【0022】第10の発明にあっては、第4、第5、第
6または第7の発明に係る水、廃水または下水処理装置
に使用する曝気槽であって、中空糸膜を通して処理水を
吸引する際に、定格値より弱い吸引力で吸引を開始し、
連続的にまたは段階的に吸引力を加減して所要値に達す
るように制御され、この制御による吸引が間欠的に行わ
れるようにしてあることを特徴とする、水、廃水または
下水処理装置に使用する曝気槽である。
【0023】水、廃水または下水のうちの廃水として
は、例えば、食品加工場等で食品原料や設備を洗浄した
洗浄水あるいは糞尿や家畜の洗浄水等を含む畜産廃水等
の有機性廃水があるが、これらに限定されるものではな
い。
【0024】(作 用)本発明に係る水、廃水または下
水処理装置は、次のように作用する。第1の発明に係る
水、廃水または下水処理装置では、水処理に使用される
槽及びその附帯装置を単独であるいは組み合わせてユニ
ット化したものを適宜配置して形成してあるので、装置
の設計の自由度が高くなり、建設場所の諸条件や制約に
柔軟に対応できる。
【0025】ユニットを立体的に組み合わせて設置面積
を小さくすることができるので、結果として装置全体を
コンパクトにすることができる。また、例えばユニット
を標準化または規格化することによって、あらかじめユ
ニットを工場で製造してストックしておくことができ、
これらを現場へ運んで組み立てて建設できる。これによ
り、施工が簡易にできるようになり、短い工期で建設す
ることができ、建設費用も安価にできる。更には、ユニ
ット化によって、水、廃水または下水処理装置の建設後
に、例えば各ユニットにかかる負荷を調整するために槽
を交換する必要が生じた場合等、ユニットすなわち槽の
交換が容易にできる。また、移設や増設も同様に容易に
できるので、メンテナンスがしやすくなる。
【0026】第3の発明に係る水、廃水または下水処理
装置では、繊維状物(例えば、家畜の体毛、細い藁屑、
糸屑及び人の毛髪等)が処理工程において流通しないよ
うに阻止する手段を備えているので、例えば廃水を曝気
処理した後、中空糸膜を使用して固液分離を行うように
した場合、繊維状物の絡み付きにより中空糸膜の目詰ま
りを助長することを防止できる。また、繊維状物を除去
するために廃水に高分子凝集剤等を加える必要がないの
で、高分子凝集剤による中空糸膜への悪影響がない。従
って、中空糸膜の逆洗浄や浸漬洗浄等のメンテナンスに
要する手間を軽減することができる。また、中空糸膜の
寿命を延ばして交換の頻度を少なくし、維持費を低減で
きるようにすることができる。
【0027】第4の発明に係る水、廃水または下水処理
装置では、食品加工場の廃水等の原水からは、除渣手段
により固形物の大部分が除去されるが、細い繊維状物は
一部通過する。除渣手段により処理された廃水は攪拌槽
へ送られる。廃水は攪拌され、残余固形物は廃水中に拡
散する。この廃水は初期沈殿槽に送られる。初期沈殿槽
においては、残余固形物を沈殿させて分離すると共に、
繊維状物の流通を阻止する手段によって後の処理工程に
繊維状物が流通しないようにする。初期沈殿槽から曝気
槽へ廃水が送られる。廃水は曝気処理され、曝気槽の底
部に余剰汚泥が沈降する。
【0028】曝気槽内では中空糸膜による固液分離処理
を行う。中空糸膜により分離された処理水は河川への放
流等の所定の処理が行われる。一方、曝気槽から送られ
る余剰汚泥と、初期沈殿槽から送られる沈殿物を含む混
合汚泥は、汚泥貯留槽へ送られて曝気処理される。曝気
処理して生じた汚泥は、汚泥脱水手段へ送られ、脱水処
理される。本水、廃水または下水処理装置においても、
繊維状物の絡み付きにより中空糸膜の目詰まりを助長す
ることを防止できる。なお、各槽及びその附帯装置を単
独であるいは組み合わせてユニット化することによる作
用については、上記第1の発明とほぼ同様である。
【0029】第5の発明に係る水、廃水または下水処理
装置における、初期沈殿槽が繊維状物の流通を阻止する
手段を備えていることによる作用については、上記第2
の発明とほぼ同様である。
【0030】第6の発明に係る水、廃水または下水処理
装置では、攪拌槽内と曝気槽内の処理液のpH値は、制
御手段によって監視され制御されている。これにより、
曝気槽内での硝化進行によるpHの極端な低下による活
性汚泥への悪影響を防止できる。また、曝気槽から排出
される放流水のpH値も常に一定に保たれる。更には、
活性汚泥の状態にあわせて曝気槽内のpH値の設定値を
変えることができるので、pH値の自動微調整が可能と
なり、活性汚泥の維持管理が容易にできるようになる。
【0031】第7の発明に係る水、廃水または下水処理
装置では、曝気槽における処理の開始時には、中空糸膜
を通る通過流量は少なく、流速も遅い。これにより、固
形物が濾過孔に吸引されにくく、濾過孔に吸着されるに
しても加速がついていないので密着度が弱い。従って、
濾過孔に吸着されている固形物は、後の吸引停止時にお
いて、曝気により中空糸膜から離脱しやすい。また、最
終的には所定の積算流量を確保する必要があるので、連
続的にまたは段階的に吸引力を強くする必要があるが、
吸引開始時においてこのように吸引力を制御することに
よって、中空糸膜が目詰まりを起こしにくくなるととも
に寿命が延びる。なお、第10の発明に係る曝気槽も当
該槽内における作用については同様の作用を有してい
る。
【0032】第8の発明に係る水、廃水または下水処理
装置に使用する初期沈殿槽では、廃水は槽下部の導水部
から導入され、槽上部の引水部から引かれる。この廃水
の流れによって、廃水中に含まれている繊維状物は軽い
ため廃水と共に槽上部の引水部へ上昇しようとするが、
繊維状物の流通を阻止する手段によって阻止され、次の
処理工程へはほとんど送られることはない。
【0033】第9の発明に係る初期沈殿槽では、繊維状
物の流通を阻止する手段として繊維状物が引っ掛かる間
隔で複数設けてある傾斜板を含んでいるので、繊維状物
は傾斜板の下部に引っ掛かり、引っ掛かった繊維状物が
次第に網状に積層し、フィルターのような作用をするよ
うになる。これにより、繊維状物は確実に阻止され、次
の処理工程へはほとんど送られることはない。また、初
期沈殿槽内での廃水の流量は、固形物の沈殿を邪魔しな
い程度の流量に調整されており、初期沈殿槽内で廃水中
に含まれている固形物は、傾斜板が多数並設してあるこ
とにより、傾斜板の上面を滑るようにして下降し効率よ
く沈殿する。このようにして、初期沈殿槽は、廃水から
残余固形物を更に除去することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明を図面に示した実施の形態
に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る畜産
廃水処理装置のフロー図、図2は攪拌槽と初期沈殿槽を
組み合わせたユニット槽の構造を示す一部を透視した説
明図、図3は曝気槽の構造を示し、(a)は一部を切り
欠いた正面図、(b)は平面図である。
【0035】符号Aは、水、廃水または下水である畜産
廃水を処理する畜産廃水処理装置で、本実施の形態で
は、集中搾乳設備を有する牧場に設置された場合を例に
とって説明する。畜産廃水処理装置Aは、原水槽1、ス
クリーン2、流量調整槽3、攪拌槽4、初期沈殿槽5、
曝気槽6、中空糸膜分離装置7、流量制御装置8、pH
制御装置9、汚泥貯留槽10及びフイルタープレス11
により構成されている。
【0036】上記各槽、すなわち原水槽1、流量調整槽
3、攪拌槽4、初期沈殿槽5、曝気槽6及び汚泥貯留槽
10は、それぞれ単独または組み合わせてユニット化さ
れた金属製のユニット槽であり、互いに分離しているも
のを配管でつないだ構造である。なお、各槽や配管、制
御機器等をユニット化し、畜産廃水処理装置全体をユニ
ット装置とすることもできる。上記各ユニット槽は耐久
性(強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐食性等)が十分で
あれば、例えばプラスチック、FRP(fiber-reinforce
d plastics)等でつくることもできる。
【0037】原水槽1は、乳牛の糞尿や搾乳時の乳牛洗
浄水等の混合廃水を集め、その原水を一時貯留する槽で
ある。原水槽1内の原水は、取水ポンプP1で流量調整
槽3へ送られる。その流路の途中には除渣手段であるス
クリーン2が設けてある。スクリーン2によって原水か
ら藁屑、草屑等の比較的大きなごみが分離除去される。
なお、スクリーン2は攪拌槽4へ送られる原水に含まれ
る固形物を取り除くことができれば設置場所は限定され
ない。
【0038】流量調整槽3内の廃水は、取水ポンプP2
によって攪拌槽4に所定量送られる。なお、攪拌槽4
は、初期沈殿槽5と一体に形成されてユニット化してあ
る(図2参照)。ここで、攪拌槽4と初期沈殿槽5を一
体化したユニット槽Uの構造を説明する。
【0039】ユニット槽Uは金属製(ステンレス、鉄
等)で、全体が角箱状に形成されている。ユニット槽U
の約1/2は初期沈殿槽5となっており、残りの部分の
更に約1/2が攪拌槽4となっている。攪拌槽4と初期
沈殿槽5は隔壁50で実質的に仕切られている。隔壁5
0の下部には、後述する攪拌槽4の変流部42と通じる
導水部である導水口51が設けてある。
【0040】攪拌槽4は、攪拌部40と変流部42を備
えている。攪拌部40には、モーター411で羽根41
2を回転させる構造の攪拌装置41が設けてある。攪拌
部40と変流部42は、隔壁43で実質的に仕切られて
いる。隔壁43の下部には通口44が設けてある。変流
部42には変流壁45が設けてある。変流壁45の上端
部は、隔壁43の上端部より低く形成してあり、廃水が
オーバーフローするようにしてある。オーバーフローし
た廃水は、更に上記隔壁50の導水口51から初期沈殿
槽5に導入される。
【0041】初期沈殿槽5のうち、導水口51とは離れ
た側の端部側上部には、引水部である引水管52の一端
側が水平に設けてある。引水管52のうち、初期沈殿槽
5内に位置する部分の上部側には、複数の引水口53が
設けてある。なお、引水管52の他方側は、曝気槽6へ
延出されている。初期沈殿槽5内には、引水管52に近
接してスカムストッパー54が設けてある。スカムスト
ッパー54の上端部は、廃水面より高くなるように設定
されており、下端部は廃水中に水没している。これによ
り、廃水面に浮いているスカム等の流通を阻止できる。
【0042】初期沈殿槽5内の上部側には、繊維状物で
ある体毛及び体毛様物の流通を阻止する手段である傾斜
板55が複数枚平行に設けられている。各傾斜板55
は、乳牛の体毛及び体毛様物等が引っ掛かる間隔で設け
てある。なお、各傾斜板55の傾斜角度は、本実施の形
態では45°に設定されているが、限定はされない。ま
た、傾斜板55の間隔は、本実施の形態では40mmに
設定されているが、これに限定はされず、適宜設定が可
能である。
【0043】本実施の形態では、体毛及び体毛様物の流
通を阻止する手段として上記傾斜板55が採用されてい
るが、これに限定されるものではなく、やや広い間隔で
設けられた傾斜板の下部に網体を設ける等、他の構造の
ものを採用することもできる。なお、初期沈殿槽5内で
下から上へ流れる廃水の流量は、固形物の沈殿を邪魔し
ない程度の流量に調整されている。
【0044】初期沈殿槽5で処理された廃水は、送給ポ
ンプP3によって曝気槽6へ送られる。曝気槽6は、家
畜の体毛や細い藁屑、糸屑及び人の毛髪等の体毛様物及
び固形物等が除去された廃水を好気性微生物により分解
させる装置である。なお、図3においては、内部に設け
られる曝気装置64や中空糸膜分離装置7は図示を省略
している。
【0045】曝気槽6は、胴部60が円筒状に形成され
ている。曝気槽6の上部には、取り外し式の蓋体61が
設けてある。曝気槽6の側面部には、梯子62が設けて
ある。また、側面部の下部には、メンテナンス用のハッ
チ63が設けてある。曝気槽6の内底部には、空気を送
り込む曝気装置64が配置され、その上方には、中空糸
膜分離装置7が設けられている。
【0046】中空糸膜分離装置7は、曝気槽6内の処理
水中より、中空糸膜を通して清浄な水のみを分離する装
置である。処理水の吸引は、流量制御装置8を構成する
送給ポンプP4により行われる。なお、流量制御装置8
は、送給ポンプP4、流量計80、流量コントローラ8
1、開度調整弁82を備えている。
【0047】符号9はpH制御装置である。pH制御装
置9は、コントローラ90、pHセンサー91、92及
び酸アルカリ供給装置93を備えている。pHセンサー
91は、上記攪拌槽4の変流部42内に設けてあり、p
Hセンサー92は、上記曝気槽6内に設けてある。
【0048】pH制御装置9は、pHセンサー91、9
2により検知した攪拌槽4と曝気槽6内の処理水のpH
値を基に、必要に応じて酸アルカリ供給装置93から酸
性液またはアルカリ性液を攪拌槽4内に注入することに
より、処理液のpH値を管理する。なお、攪拌槽4内で
は、廃水のpH値を均一にするため攪拌装置41によっ
て常時攪拌されており、pH制御装置9によって廃水の
pH値が5〜7になるように調整される。また、pH制
御装置9による処理液のpH値の管理は、攪拌槽4と曝
気槽6のうち一方のみを行うこともできる。
【0049】曝気槽6底部から所定量処理毎に排出され
る余剰汚泥と初期沈殿槽5底部からの沈殿汚泥は、汚泥
貯留槽10によって混合され、一時的に貯留される。汚
泥貯留槽10の槽内底部には曝気装置100を備えてお
り、両汚泥を取り入れる毎に曝気攪拌を行う。
【0050】汚泥貯留槽10内の汚泥は、送給ポンプP
5により汚泥脱水手段であるフィルタープレス11に送
られる。そして、フィルタープレス11により汚泥は脱
水され、約85%程度の水分率の脱水ケーキとして分離
排出する。分離した水は、上記流量調整槽3または原水
槽1へ戻される。なお、本実施の形態では、汚泥脱水に
フィルタープレスを採用したが、これに限定されるもの
ではなく、例えばベルトプレス、遠心力脱水機等の各種
脱水手段を採用してもよい。
【0051】(作 用)図4は中空糸膜の吸引パターン
図、図5は中空糸膜の吸引制御パターン図である。図1
ないし図5を参照して、本発明に係る畜産廃水処理装置
Aの作用を説明する。
【0052】(1)畜産廃水の原水は原水槽1へ送ら
れ、一旦貯留される。 (2)原水はスクリーン2へ送られ、固形物の大部分が
除去されるが、体毛等の細い繊維状のものは一部通過す
る。 (3)スクリーン2で処理した廃水は流量調整槽3で一
旦貯留される。
【0053】(4)流量調整槽3内の廃水は攪拌槽4へ
送られる。廃水は攪拌槽4で攪拌され、残余固形物は廃
水中に拡散する。この廃水は変流部42を通り、初期沈
殿槽5に送られる。 (5)初期沈殿槽5では、廃水は槽下部の導水口51か
ら導入される。また、廃水は槽上部の引水管52の引水
口53から引かれている。初期沈殿槽5内での廃水の流
量は、固形物の沈殿を邪魔しない程度の流量に調整され
ている。
【0054】(6)廃水の流れによって、廃水に含まれ
ている体毛及び体毛様物は軽いため廃水と共に槽上部の
引水管52側へ上昇しようとするが、複数並設してある
傾斜板55の下部に引っ掛かる。更に、引っ掛かった体
毛及び体毛様物が次第に網状に積層し、フィルターのよ
うな作用をする。これにより、体毛及び体毛様物は確実
に阻止され、次工程である曝気槽6へはほとんど送られ
ることはなく、体毛や細い藁屑、糸屑及び人の毛髪等の
体毛様物をほぼ完全に除去した上で中空糸膜分離装置7
による分離処理を行うことができる。これにより、特に
体毛や体毛様物の絡みつきによる中空糸膜の目詰まりを
防止できる。
【0055】また、初期沈殿槽5内での廃水に含まれる
固形物は、傾斜板55が多数並設してあることによって
沈降面積が広くなるため、効率よく沈殿する。このよう
にして、初期沈殿槽5は、廃水から残余固形物を更に除
去することができる。更に、廃水には体毛や体毛様物を
除去するための高分子凝集剤を加える必要がないため、
高分子凝集剤による中空糸膜への悪影響がない。
【0056】(7)廃水は初期沈殿槽5から曝気槽6へ
送られる。曝気槽6においては、廃水は曝気処理され、
底部に余剰汚泥が沈降する。なお、上記攪拌槽4内と曝
気槽6内の廃水のpH値は、pH制御装置9によって監
視され制御されている。これにより、曝気槽6内での硝
化進行によるpHの極端な低下による活性汚泥への悪影
響を防止できる。また、曝気槽6から排出される放流水
のpHも常に一定に保たれる。更には、活性汚泥の状態
にあわせて曝気槽6内のpHの設定値を変えることがで
きるので、pHの自動微調整が可能となり、活性汚泥の
維持管理が容易にできるようになる。
【0057】(8)曝気槽6内では中空糸膜分離装置7
による固液分離処理を行っている。そして、中空糸膜を
通して処理水を吸引する際に、次のような流量制御を行
っている。図4、図5を参照する。
【0058】ア)曝気槽6内に設置した中空糸膜分離装
置7の中空糸膜から処理水を所定時間吸引し、所定時間
停止するパターンで、間欠吸引運転をおこなう(図4参
照)。イ)所定時間の吸引中は流量計80によって流量
を計測し、その単位時間毎の流量値を元に電動の開度調
整弁82の開度調整を行い、中空糸膜の閉塞が起こりに
くいような流量制御を流量コントローラ81でおこな
う。(図5参照)
【0059】ウ)流量計80を読みながら開度調整弁8
2の開度を調整し、定格流量が得られる電動バルブの開
度を読み取り、定格流量時のバルブ開度を決定する。 エ)吸引開始時は所定低流量(所定低流量のバルブ開
度)でスタートし、所定単位時間後、所定定格流量にな
るように開度調整弁82を所定定格開度に開放して(定
格流量時のバルブ開度)吸引する。
【0060】オ)単位時間毎の流量を常時検出し、中空
糸膜の目詰まりによってしだいに吸引流量が低下して、
所定定格流量以下になった時は、さらに所定定格流量に
なるように開度調整弁82の開度を広げる。 カ)このような制御動作を所定吸引時間中続行する。所
定吸引時間後は所定停止時間停止する。(吸引停止時は
開度調整弁82を全閉する)
【0061】キ)次の吸引開始流量は、最初の吸引開始
流量よりもやや多めの流量に設定して吸引をスタートす
る。次の単位時間での流量が所定定格流量より少なかっ
たら、その外れ量から開度調整弁82の開度を演算して
その演算値の分だけ開度調整弁82を開放する。 ク)吸引中に何らかの理由により、流量が定格流量より
増えた場合(図5(e))は、その外れ量から開度調整弁
82の開度を演算して、その演算値の分だけ開度調整弁
82を閉じる。 ケ)上記のようにして吸引制御を繰り返して積算流量が
所定の定格流量になるよう継続的に制御する。
【0062】このように、中空糸膜を通した吸引を定格
値より弱い吸引力で開始するので、吸引開始時は通過流
量は少なく、流速も遅い。従って、固形物が吸引されに
くく、濾過孔を塞ぐにしても加速がついていないので、
密着度が弱く、後の吸引停止時において曝気により離脱
しやすい。すなわち、中空糸膜を通した処理水の吸引制
御を所定時間の吸引後所定時間停止する間欠運転とし、
更に所定吸引時間中は流量計80によって常時流量を計
測し、その値を元に開度調整弁82の開度調整を行い、
中空糸膜の閉塞が起こりにくいような流量制御を行うよ
うにしたので、長期間運転しても中空糸膜の吸引圧力の
上昇が認められず(膜の閉塞がない)、安定した吸引特
性を維持することができる。
【0063】なお、最終的には所定の積算流量を確保す
る必要があるので、連続的にまたは段階的に吸引力を強
くする必要があるが、初期においてこのように吸引力を
制御することによって、中空糸膜が詰まりにくくなると
ともに寿命が延びる。
【0064】(9)中空糸膜により分離された処理水は
河川への放流等の所定の処理が行われる。 (10)一方、初期沈殿槽5から送られる沈殿物を含む
廃水は、汚泥貯留槽10へ送られる。この廃水は、汚泥
貯留槽10により曝気処理される。このように初期沈殿
槽5から排出される沈殿廃水は、曝気槽6から排出され
る余剰汚泥と汚泥貯留槽10内で混合され曝気するよう
にしたので、初期沈殿槽5から排出される廃水の強力な
悪臭を完全に除去できる。
【0065】(11)曝気処理して生じた汚泥は、フィ
ルタープレス11へ送られ、プレスされて脱水される。
余剰活性汚泥を脱水処理した後の搾水は、流量調整槽3
または原水槽1に戻される。搾水BODも30ppm以
下に下げることができ、そのまま河川等に放流すること
が可能である。また、搾水を流量調整槽3または原水槽
1に戻すことにより、原水を希釈する効果がでて浄化処
理の効率が向上する。なお、脱水処理での搾水のSS成
分は10ppm以下であり、初期沈殿槽5から排出され
る沈殿廃水のSS及びBODは共に6000ppm以上
である。
【0066】本装置においては、上記各槽、すなわち原
水槽1、流量調整槽3、攪拌槽4、初期沈殿槽5、曝気
槽6及び汚泥貯留槽10は、それぞれ単独または組み合
わせてユニット化された金属製のユニット槽であるの
で、予め工場でつくっておいたものを現場へ運んで組み
立てて建設できる。従って、設計の自由度が高く、工期
が短く建設費用も安価にできる。また、建設後の移設や
増設も比較的容易にできる。
【0067】なお、本明細書で使用している用語と表現
は、あくまで説明上のものであって限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示されている実施の形態に
限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種
々の変形が可能である。
【0068】
【発明の効果】(a)本発明に係る水、廃水または下水
処理装置では、水処理に使用される槽及びその附帯装置
を単独であるいは組み合わせてユニット化したものを適
宜配置して形成してあるので、装置の設計の自由度が高
くなり、建設場所の諸条件や制約に柔軟に対応できる。
【0069】(b)ユニットを立体的に組み合わせて設
置面積を小さくすることができるので、結果として装置
全体をコンパクトにすることができる。
【0070】(c)ユニットを標準化または規格化する
ことによって、あらかじめユニットを工場で製造してス
トックしておくことができ、これらを現場へ運んで組み
立てて建設できる。これにより、施工が簡易にできるよ
うになり、短い工期で建設することができ、建設費用も
安価にできる。
【0071】(d)ユニット化によって、水、廃水また
は下水処理装置の建設後に、例えば各ユニットにかかる
負荷を調整するために槽を交換する必要が生じた場合
等、ユニットすなわち槽の交換が容易にできる。また、
移設や増設も同様に容易にできるので、メンテナンスが
しやすくなる。
【0072】(e)水、廃水または下水処理において繊
維状物が中空糸膜による固液分離工程で流通しないよう
に阻止する手段を備えているものは、例えば廃水を曝気
処理した後、中空糸膜を使用して固液分離を行うように
した場合、繊維状物の絡み付きにより中空糸膜の目詰ま
りを助長することを防止できる。また、繊維状物を除去
するために廃水に高分子凝集剤等を加える必要がないの
で、高分子凝集剤による中空糸膜への悪影響がない。従
って、中空糸膜の逆洗浄や浸漬洗浄等のメンテナンスに
要する手間を軽減することができる。また、中空糸膜の
寿命を延ばして交換の頻度を少なくし、維持費を低減で
きるようにすることができる。
【0073】(f)攪拌槽内と曝気槽内の処理液のpH
値を制御する手段を備えているものは、曝気槽内での硝
化進行によるpHの極端な低下による活性汚泥への悪影
響を防止できると共に曝気槽から排出される放流水のp
H値も常に一定に保たれる。更には、活性汚泥の状態に
あわせて曝気槽内のpH値の設定値を変えることができ
るので、pH値の自動微調整が可能となり、活性汚泥の
維持管理が容易にできるようになる。
【0074】(g)中空糸膜を通して処理水を吸引する
際に、定格値より弱い吸引力で吸引を開始し、連続的に
または段階的に吸引力を加減して所要値に達するように
制御され、この制御による吸引が間欠的に行われるよう
にしてあるものは、曝気槽における処理の開始時には、
中空糸膜を通る通過流量は少なく、流速も遅い。これに
より、固形物が濾過孔に吸引されにくく、濾過孔に吸着
されるにしても加速がついていないので密着度が弱い。
従って、濾過孔に吸着されている固形物は、後の吸引停
止時において、曝気により中空糸膜から離脱しやすい。
また、最終的には所定の積算流量を確保する必要がある
ので、連続的にまたは段階的に吸引力を強くする必要が
あるが、吸引開始時においてこのように吸引力を制御す
ることによって、中空糸膜が目詰まりを起こしにくくな
るとともに寿命が延びる。なお、請求項9記載の曝気槽
も当該槽内における作用については同様の作用を有して
いる。
【0075】(h)槽下部に設けてある導水部と、槽上
部に設けてある引水部と、導水部と引水部の間に設けて
あり、繊維状物の流通を阻止する手段とを備えている初
期沈殿槽は、廃水は槽下部の導水部から導入され、槽上
部の引水部から引かれる。この廃水の流れによって、廃
水中に含まれている繊維状物は軽いため廃水と共に槽上
部の引水部へ上昇しようとするが、繊維状物の流通を阻
止する手段によって阻止され、次の処理工程へはほとん
ど送られることはない。
【0076】(i)繊維状物の流通を阻止する手段とし
て繊維状物が引っ掛かる間隔で複数設けてある傾斜板を
含んでいる初期沈殿槽は、繊維状物は傾斜板の下部に引
っ掛かり、引っ掛かった繊維状物が次第に網状に積層
し、フィルターのような作用をするようになる。これに
より、繊維状物は確実に阻止され、次の処理工程へはほ
とんど送られることはない。また、初期沈殿槽内での廃
水の流量は、固形物の沈殿を邪魔しない程度の流量に調
整されており、初期沈殿槽内で廃水中に含まれている固
形物は、傾斜板が多数並設してあることにより、傾斜板
の上面を滑るようにして下降し効率よく沈殿する。この
ようにして、初期沈殿槽は、廃水から残余固形物を更に
除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水、廃水または下水処理装置のフ
ロー図。
【図2】攪拌槽と初期沈殿槽を組み合わせたユニット槽
の構造を示す一部を透視した説明図。
【図3】曝気槽の構造を示し、(a)は一部を切り欠い
た正面図、(b)は平面図。
【図4】中空糸膜の吸引パターン図。
【図5】中空糸膜の吸引制御パターン図。
【符号の説明】
A 畜産廃水処理装置 1 原水槽 P1 取水ポンプ 2 スクリーン 3 流量調整槽 P2 取水ポンプ U ユニット槽 4 攪拌槽 40 攪拌部 41 攪拌装置 411 モーター 412 羽根 42 変流部 43 隔壁 44 通口 45 変流壁 5 初期沈殿槽 50 隔壁 51 導水口 52 引水管 53 引水口 54 スカムストッパー 55 傾斜板 P3 送給ポンプ 6 曝気槽 60 胴部 61 蓋体 62 梯子 63 ハッチ 64 曝気装置 7 中空糸膜分離装置 P4 送給ポンプ 8 流量制御装置 80 流量計 81 流量コントローラ 82 開度調整弁 9 pH制御装置 90 コントローラ 91、92 pHセンサー 93 酸アルカリ供給装置 10 汚泥貯留槽 100 曝気装置 P5 送給ポンプ 11 フィルタープレス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/12 C02F 3/12 H S 11/02 11/02 11/12 11/12 C (72)発明者 境 正道 佐賀県佐賀市大財北町1番1号 株式会社 戸上電機製作所内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA01 KA01 KA03 KA31 KB13 KB22 KB30 KD11 KD17 KE03P KE03Q KE15P MA01 PA01 PB08 PC11 PC61 4D027 AA01 AA12 AB01 AB12 4D028 AB03 BC03 BC17 BC18 BC28 CA04 CD01 4D059 AA02 BE08 BE16 BE19 CA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、廃水または下水を処理するものにお
    いて、 処理装置に使用される槽または/及び附帯装置は単独で
    あるいは組み合わせてユニット化されており、これらを
    適宜配置して処理装置が構成してあることを特徴とす
    る、 水、廃水または下水処理装置。
  2. 【請求項2】 水、廃水または下水を処理するものにお
    いて、 ユニット化された槽または/及び附帯装置を予め製造し
    ておき、それらを設置箇所で組み合わせるようにしたこ
    とを特徴とする、 水、廃水または下水処理装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 水、廃水または下水に含まれる繊維状物
    が中空糸膜による固液分離工程において流通しないよう
    に阻止する手段を備えていることを特徴とする、 請求項1記載の水、廃水または下水処理装置。
  4. 【請求項4】 水、廃水または下水の原水から固形物を
    除去する除渣手段と、 当該除渣手段で処理した水、廃水または下水を攪拌し、
    残余固形物を水、廃水または下水中に拡散させる攪拌槽
    と、 当該攪拌槽から送られる水、廃水または下水の残余固形
    物を除去する初期沈殿槽と、 当該初期沈殿槽から送られる水、廃水または下水の曝気
    処理と中空糸膜による固液分離処理を行う曝気槽と、 当該曝気槽の中空糸膜により分離された処理水の処理を
    行う手段と、 上記曝気槽から送られる余剰汚泥と上記初期沈殿槽から
    送られる沈殿物を含む混合汚泥を曝気処理する汚泥貯留
    槽と、 当該汚泥貯留槽から送られる汚泥を脱水する汚泥脱水手
    段と、を備えており、 上記各槽及びその附帯装置はそれぞれ単独でまたは組み
    合わされてユニット化してあることを特徴とする、 水、廃水または下水処理装置。
  5. 【請求項5】 初期沈殿槽は、繊維状物の流通を阻止す
    る手段を備えていることを特徴とする、 請求項4記載の水、廃水または下水処理装置。
  6. 【請求項6】 攪拌槽内または/及び曝気槽内の処理液
    のpH値を制御する手段を備えていることを特徴とす
    る、 請求項4または5記載の水、廃水または下水処理装置。
  7. 【請求項7】 中空糸膜を通して処理水を吸引する際
    に、定格値より弱い吸引力で吸引を開始し、連続的にま
    たは段階的に吸引力を加減して所要値に達するように制
    御され、この制御による吸引が間欠的に行われるように
    してあることを特徴とする、 請求項4、5または6記載の水、廃水または下水処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4、5、6または7記載の水、廃
    水または下水処理装置に使用する初期沈殿槽であって、 槽下部に設けてある導水部と、 槽上部に設けてある引水部と、 上記導水部と引水部の間に設けてあり、繊維状物の流通
    を阻止する手段と、を備えていることを特徴とする、 水、廃水または下水処理装置に使用する初期沈殿槽。
  9. 【請求項9】 繊維状物の流通を阻止する手段は、繊維
    状物が引っ掛かる間隔で複数設けてある傾斜板を含むこ
    とを特徴とする、 請求項9記載の水、廃水または下水処理装置に使用する
    初期沈殿槽。
  10. 【請求項10】 請求項4、5、6または7記載の水、
    廃水または下水処理装置に使用する曝気槽であって、 中空糸膜を通して処理水を吸引する際に、定格値より弱
    い吸引力で吸引を開始し、連続的にまたは段階的に吸引
    力を加減して所要値に達するように制御され、この制御
    による吸引が間欠的に行われるようにしてあることを特
    徴とする、水、廃水または下水処理装置に使用する曝気
    槽。
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