JP2002142760A - ポリマーを含有するセルラーゼ調製物及び繊維処理方法 - Google Patents
ポリマーを含有するセルラーゼ調製物及び繊維処理方法Info
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Abstract
BD)を有するエンドグルカナーゼと共に、テレフタル
酸−アルキレングリコールコポリマー又はテレフタル酸
−オリゴアルキレングリコールコポリマーの単独又は複
数を含有させてなることを特徴とする、セルラーゼ調製
物;該セルラーゼ調製物を洗剤成分に配合してなる、洗
剤組成物;該セルラーゼ調製物を、セルロース含有繊維
に作用させ、該繊維の性質を改善させることを特徴とす
る、繊維の処理方法。 【効果】 本発明によれば、テレフタル酸−アルキレン
グリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴアルキ
レングリコールコポリマーを含有させることによって、
セルロースバインディングドメイン(CBD)を有する
エンドグルカナーゼ活性を飛躍的に向上させたセルラー
ゼ調製物が提供される。当該セルラーゼ調製物をセルロ
ース含有繊維の毛羽立ちの低減、色の澄明化、色の局所
的変化などの繊維加工処理に用いることにより、より少
ない酵素量で各処理の実施が可能になり、大幅にコスト
が低減化される。
Description
濁性ポリマーを含有させることによってエンドグルカナ
ーゼの効果を向上させたセルラーゼ調製物、当該セルラ
ーゼ調製物を含有する洗剤、当該セルラーゼ調製物を用
いる繊維の処理方法に関する。
領域を非還元末端からエキソ型に加水分解しセロビオー
スを生成するセロビオヒドロラーゼ活性、セルロースの
非結晶領域をエンド型に加水分解しセルロース分子の低
分子化と各種のセロオリゴ糖を生成するエンドグルカナ
ーゼ活性、セロビオースやセロオリゴ糖をグルコースに
分解するβ−グルコシダーゼ活性、の3種の酵素活性が
含まれている。このうち、エンドグルカナーゼが高活性
を発揮すると繊維処理に有利である。
性を与えるために、それをセルラーゼで処理することが
行われている。例えば、繊維業界においては、セルロー
ス含有繊維の肌触り及び外観を改善するために、あるい
は着色されたセルロース含有繊維にその色の局所的な変
化を提供する「ストーンウオッシュ」の外観を与えるた
めに、セルラーゼによる処理が行われている(ヨーロッ
パ特許第307,564号)。また、着色されたセルロース含
有繊維は繰り返し洗濯をすることによって毛羽が生じ、
着色生地の色を不鮮明にすることが知られている。そこ
で、洗剤中にセルラーゼを含ませることによって、毛羽
を除去し、着色生地の色を鮮明にする(色の澄明化)こと
から(ヨーロッパ特許第220,016号)、セルラーゼを含
んだ洗剤が欧米を中心に市販されている。
菌であるトリコデルマ(Trichoderma)やフミコーラ(H
umicola)由来のセルラーゼが使用されている。従来、
セルラーゼはセルロース分解能を有する微生物を培養し
た培養ろ液を加工した複数のセルラーゼ成分を含む状態
で利用されていた。最近では経済性を高めるために、こ
れらセルラーゼ成分から繊維処理に高活性を有するエン
ドグルカナーゼのみを単離し、遺伝子工学的に増強した
セルラーゼ調製物が使用されている。例えば、繊維加工
用途においては、トリコデルマ・ロンジブラシアトゥム
(Trichoderma longibrachiatum)由来のEGIII(特
表平8−507695号)、トリコデルマ・ビリデ(Tri
choderma viride)由来のSCE3(国際公開第WO98
/54332)、フミコーラ・インソレンス(Humicola
insolens)由来のEGIII(特表平5−509223号)や
NCE4(WO98/03640)、リゾプス・オリゼー
(Rhizopus oryzae)由来のRCEI、RCEII、RC
EIII、ムコール・サーシネロイデス(Mucor circine
lloides)由来のMCEI、MCEII、ファイコマイセ
ス・ニテンス(Phycomyces nitens)由来のPCEI(国
際公開第WO00/24879)などがある。
め、添加剤を併用することも今までに行われており、例
えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアマイドなどの水溶性高分子がフミコーラ
・インソレンス由来のセルラーゼの効果を増強し、着色
生地の毛羽除去活性を向上させることが示されている
(特表平5−507615号)。また、トリコデルマ・
ビリデ(Trichoderma viride)の培養液のCMCアーゼ
活性は、Tween20の添加によって向上することが知られ
ている(Ooshima, H. et al., Biotechnology and Bioe
ngineering 28:1727-1734, 1986)。しかしながら、上
記用途に使用されるセルラーゼはいずれもコストが高い
ため、工業的実用化レベルに見合うには、そのエンドグ
ルカーゼ活性をさらに向上させ、セルラーゼの有する上
記効果を効率的に発揮できる手段を提供することが望ま
れるところである。
ンドグルカナーゼ活性を向上させ、毛羽立ち除去などの
セルロース含有繊維改善を目的とした繊維処理を効率よ
くかつ安価に行うために好適に使用されうるセルラーゼ
調製物を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、テレフタロイル基
などの芳香環を有する疎水基を分子内に有する水可溶性
又は水懸濁性ポリマーが、セルラーゼの効果向上作用を
有することが従来から知られていたポリエチレングリコ
ールよりもその効果が優れていることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
(3)の発明に関する。 (1) セルロースバインディングドメイン(CBD)
を有するエンドグルカナーゼと共に、一般式(I):
10、oは、1から10の整数を表す。)で示されるテ
レフタル酸−アルキレングリコールコポリマー又はテレ
フタル酸−オリゴアルキレングリコールコポリマーの単
独又は複数を含有させてなることを特徴とする、セルラ
ーゼ調製物。 (2) 上記セルラーゼ調製物を、洗剤成分に配合して
なる、洗剤組成物。 (3) 上記セルラーゼ調製物を、セルロース含有繊維
に作用させ、該繊維の性質を改善させることを特徴とす
る、繊維の処理方法。
グドメイン(CBD)を有するエンドグルカナーゼと、
テレフタル酸−アルキレングリコールコポリマー又はテ
レフタル酸−オリゴアルキレングリコールコポリマーの
単独又は複数を含んでなる。
ては、セルラーゼ生産微生物により生産されるものであ
ればいずれも用いることが出来るが、これまでに明らか
にされているエンドグルカナーゼの一般的分子構造を元
に定義すれば、エンドグルカナーゼは反応に当りセルロ
ースと特異的に結合する部位であるセルロースバインデ
ィングドメイン(CBDと略記する)、セルロース分子
を加水分解する活性ドメイン(CADと略記する)、C
BDとCADをつなぐリンカー部分より構成される。糸
状菌のエンドグルカナーゼはCBDを有するものとCB
Dの無いものに分類することができる。本発明は、上記
CBDを有するエンドグルカナーゼを対象とし、トリコ
デルマ・ロンジブラシアトゥム由来のEGIIIと称さ
れるエンドグルカナーゼに代表されるCBDの無いセル
ラーゼには適用できない。本発明が適用されるセルラー
ゼの例としては、フミコーラ・インソレンス由来のNC
E4、EGV、トリコデルマ・レーセイ由来のEGI
I、トリコデルマ・ビリデ由来のSCE3を挙げること
が出来る。
せるテレフタル酸−アルキレングリコールコポリマー又
はテレフタル酸−オリゴアルキレングリコールコポリマ
ーとしては、具体的には、テレフタル酸ジエチレングリ
コールコポリマー、テレフタル酸トリエチレングリコー
ルコポリマー又はテレフタル酸テトラエチレングリコー
ルコポリマーで、平均分子量が500から10,000、好まし
くは1,000から5,000のものが挙げられる。かかるコポリ
マーは、単独で用いてもよいが、複数を混合して用いて
もよい。複数のコポリマーを用いる場合、コポリマーの
分子量、鎖長は異なってもよい。アルキレンとしては、
代表的にはエチレン、プロピレンが挙げられる。また、
コポリマーの末端は、部分的又は全てスルフォン酸化さ
れていてもよい。
機塩を5〜40%添加してもよい。無機塩としては、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸ナトリウムなど
が挙げられる。
来からのセルラーゼ調製物に一般的に含まれている成
分、例えば賦形剤、防腐剤等を含有させることができ
る。また、セルラーゼ調製物の形態は、固形状であって
も液状であってもよく、具体的には粉剤、粒剤、顆粒
剤、非粉塵化顆粒剤、又は液体製剤が挙げられる。
顆粒は、通常の乾式造粒法を用い製造することが可能で
ある。すなわち、粉末状態のセルラーゼ酵素を、硫酸ナ
トリウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、ベントナイ
ト、モンモリナイトなどに代表される鉱物、及び澱粉、
粒状セルロースなどに代表される中性の有機物から選ば
れる1種又は複数に混合した後、上記のエンドグルカナ
ーゼの効果を向上させるテレフタル酸−アルキレングリ
コールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴアルキレン
グリコールコポリマーの単独又は複数の粉末、あるいは
微細に懸濁された懸濁液を加え十分に混合又は混錬す
る。状況に応じ、固形物を結着させるポリエチレングリ
コールに代表される合成高分子やスターチなどの天然高
分子を適宜添加し更に混錬したのち、ディスクペレッタ
ーなどの押し出し成形造粒を行い、成形物をマルメライ
ザーにより球状に成形後、乾燥させることで非粉塵化顆
粒を製造することが可能である。もちろん、顆粒表面を
ポリマーなどでコーティングし酸素透過や水分透過をコ
ントロールすることも可能である。このとき、エンドグ
ルカナーゼの効果を向上させるテレフタル酸−アルキレ
ングリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴアル
キレングリコールコポリマーの単独又は複数は、上記セ
ルラーゼ調製物に0.005〜10重量%、より好ましくは、
0.1〜5重量%添加する。
合成高分子や天然高分子などのエンドグルカナーゼ酵素
の安定化剤を配合し、必要に応じ無機塩類や合成防腐剤
を添加し調製することが可能である。このとき、エンド
グルカナーゼの効果を向上させるテレフタル酸−アルキ
レングリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴア
ルキレングリコールコポリマーの単独又は複数を混合し
用いることが可能である。非粉塵化顆粒剤同様に、エン
ドグルカナーゼの効果を向上させるテレフタル酸−アル
キレングリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴ
アルキレングリコールコポリマーの単独又は複数は上記
セルラーゼ調製物に0.005〜10重量%、より好ましく
は、0.1〜5重量%を添加する。
分、例えば、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、腐食防止
剤、金属イオン封鎖剤、汚れ解離ポリマー、香料、他の
酵素、酵素安定剤、製剤化補助剤、蛍光増白剤、発砲促
進剤等に配合して洗剤組成物とすることができる。本洗
剤組成物は、粒質土壌除去、色彩澄明化、脱毛羽立ち、
脱ピリング及び手粗さ軽減に関し、それらを改善するこ
とができる。
メイン(CBD)を有するエンドグルカナーゼを、上記
のテレフタル酸−アルキレングリコールコポリマー又は
テレフタル酸−オリゴアルキレングリコールコポリマー
の存在下でセルロース含有繊維に作用させることにより
行う。本処理方法により改善されうる、セルロース含有
繊維の性質としては、以下のものが含まれる。 (1)毛羽の除去(毛羽立ち始める速度の低減、毛羽立
ちの低減) (2)着色セルロース含有繊維の色の局所的な変化の付
与、すなわち、着色セルロース含有繊維、代表的にはジ
ーンズへのストーンウオッシュ様の外観や風合いの付与 (3)着色セルロース含有繊維の色の澄明化
に実施できるが、ソーキング又はすすぎ中に実施するこ
ともできる。本発明の繊維処理方法は、具体的には、繊
維が浸漬されているか又は浸漬されうる水に、本発明の
セルラーゼ調製物を添加することに行うことができる。
る酵素の量などの条件は、他の種々の条件を勘案して適
宜決定されてよいが、例えばセルロース含有繊維の毛羽
立ち始める速度を低減するか又は毛羽立ちを低減する場
合、30〜60℃程度の温度で、1〜1,000 mg/Lのテレフ
タル酸−アルキレングリコールコポリマー又はテレフタ
ル酸−オリゴアルキレングリコールコポリマーと0.05〜
20mg/Lのタンパク濃度のエンドグルカナーゼ酵素を使
用することにより処理することができる。
的な変化をもたらす場合、30〜60℃程度の温度で、1〜
1,000 mg/Lのテレフタル酸−アルキレングリコールコ
ポリマー又はテレフタル酸−オリゴアルキレングリコー
ルコポリマーと0.1〜20 mg/Lのタンパク濃度のエンド
グルカナーゼを使用することにより処理することができ
る。
キレングリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴ
アルキレングリコールコポリマーの単独あるいは複数
は、水に溶解または懸濁した形で反応系に導入される。
ポリマーは水に完全に溶解されている必要はなく、部分
的に懸濁されていても効果を発揮できる。また、ポリマ
ーを添加した反応液に1〜100 mMの無機塩を添加するこ
とによりさらにセルラーゼ酵素の効果を増強できる。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下において、「エンドグルカナーゼ活性」とは、
CMCアーゼ活性を意味する。さらに、「CMCアーゼ
活性」は、セルラーゼ酵素とカルボキシメチルセルロー
ス(CMC、東京化成工業株式会社製)溶液を一定時間
インキュベーション後、遊離してくる還元糖量を測定
し、1分間に1μmolのグルコース相当の還元糖を生成
する酵素量を1単位と定義する。
ゼのジーンズ脱色活性向上効果) NCE4エンドグルカナーゼを、国際公開第WO98/036
40の記載に従い、フミコーラ・インソレンスMN200
−1に発現プラスミドpEGD01(図1)を導入する
ことによって得られた形質転換体を培養し、その培養上
清液を用いて、糊抜きした 12オンスのブルージーンズ
パンツの脱色処理を下記の条件にて行った。なお、上記
プラスミドpEGD01を導入した大腸菌(Escherichi
a coli/pEGD01)はFERM BP−5973(原寄託:
FERM P−15729、原寄託日:1996年7月
12日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されている。また、上記フミコ
ーラ・インソレンスMN200−1は、FERM BP
−5977(原寄託:FERM P−15736、原寄
託日:1996年7月15日)の受託番号のもと通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてい
る。
(pH6.2)15Lに、フミコーラ・インソレンス培養液
(NCE4)、各種ポリマー、およびゴムボールを適当
量加えた。 試験機械:20kgワッシャー(三洋電機株式会社製 全自
動洗濯機 SCW5101) 温度:55℃ 時間:60分 pH:6.2 ポリマー添加量:各0.5g ポリマーの種類:ポリエチレングリコール(分子量400
0、市販名:PEG4000、和光純薬製)、ポリエス
テル(テレフタル酸−テトラエチレングリコール共重合
体、市販名:FR550、互応化学社製)、ポリエーテ
ル(アルキルポリエチレングリコールエーテル、市販
名:ルテンソール、BASF社製)
光測色計(ミノルタ社製 CM−5251)を用い、L
ab表示系のL値(明度)で評価した。コントロール
(脱色処理をしていない糊抜きブルージーンズパンツ)
に対する脱色処理後のブルージーンズパンツのL値の増
加(白色度の増加)=ΔL値を求め、このΔL値により
脱色の度合いを評価した。すなわち、各試験区につき10
点のΔL値を測定し(n=10)、その平均値を算出し
た。そして、ΔL値=7となるのに必要なセルラーゼの
溶液量を基準に、セルラーゼ活性の向上率%を次のよう
にして算出した。まず、ポリマーを添加した場合としな
い場合について、ΔL値=7となるために要するセルラ
ーゼ溶液量をそれぞれ求めた。次に、ポリマーを添加し
ない場合にΔL値=7となるために要するセルラーゼ溶
液量を、ポリマーを添加した場合にΔL値=7となるた
めに要するセルラーゼ溶液量で割った値に100を乗じた
値を、ポリマーによる脱色活性向上率とした。結果を表
1に示す。
ジーンズ脱色加工において、従来の知見でセルラーゼの
活性向上効果を示すとされているポリエチレングリコー
ル(PEG4000)とポリエーテル(ルテンソール)を添加し
た試験区では脱色活性向上効果はほとんどみられなかっ
たが、ポリエステル(テレフタル酸−テトラエチレング
リコール共重合体)に顕著なセルラーゼの脱色活性向上
効果が認められた。
るセルラーゼのジーンズ脱色活性向上効果) 実施例1のデニム脱色活性測定において、ポリエステル
(テレフタル酸−テトラエチレングリコール共重合体、
市販名:FR550)を添加した反応液に無機塩として
20 mMリン酸ナトリウム(pH 6.2)、又は20 mM硫酸ナトリ
ウムを添加し、ジーンズ脱色活性への活性向上効果を調
べた。結果を表2に示す。
において、ポリエステル(テレフタル酸−テトラエチレ
ングリコール共重合体)を添加した反応液に無機塩を加
えると、さらにセルラーゼの脱色活性が向上することが
示された。
のリヨセル毛羽除去活性効果) NCE4エンドグルカナーゼを、国際公開第WO98/036
40の記載に従ってフミコーラ・インソレンスにて発現さ
せた。その培養上清液を用いて、大型ワッシャー内で毛
羽立たせたリヨセルニットの生地(豊島株式会社製 染
色生地 9cm×10cm、重量2g)の毛羽除去処理を下記
の条件にて行った。 (試験条件) 試験機械:洗濯堅牢度試験機 L-12(株式会社大栄科学
精器製作所製) 温度:55℃ 時間:60分 反応液量:40ml 反応pH:6(10mMリン酸緩衝液、脱イオン水を用いて調
製) ポリマーの種類及び添加量: ポリエチレングリコール
(分子量4000、市販名:PEG4000、和光純薬
製)、ポリエステル(テレフタル酸−テトラエチレング
リコール共重合体、市販名:FR550、互応化学社
製)、ポリエーテル(アルキルポリエチレングリコール
エーテル、市販名:ルテンソール、BASF社製)各4
mg 処理液には、酵素溶液とともに、ゴムボールを適当量加
えた。
いて、形成された毛羽が目視で完全に除去されるために
要するセルラーゼ溶液量をそれぞれ求めた。次に、ポリ
マーを添加しない場合に毛羽が完全に除去されるために
要するセルラーゼ溶液量を、ポリマーを添加した場合に
毛羽が完全に除去されるために要するセルラーゼ溶液量
で割った値に100を乗じた値を、ポリマーによる毛羽
除去活性向上率とした。結果を表3に示す。
工において、ポリエステル(テレフタル酸−テトラエチ
レングリコール共重合体)に顕著な毛羽除去活性向上効
果が認められた。
ラーゼの活性向上効果) (1)セルロースバインディングドメイン(CBD)が
ないエンドグルカナーゼEGIIIの精製 市販セルラーゼ製剤であるSuperGX(Genen
cor社製)よりEGIII成分の分画精製を行った。
SuperGX製剤10gを200 mlの脱イオン水に懸濁し
30分間攪拌した。懸濁液全量を10,000 r.p.m.、30分間遠
心分離し、水不溶物を除去した。得られた水溶液に最終
濃度80 %(V/V)となる様エタノールを添加し、析出した
沈殿物を10,000 r.p.m、30分間遠心分離することにより
集めた。沈殿全量を10 mlの50mM酢酸緩衝液(pH 4.
5)、1M硫酸アンモニウム溶液に溶解し、このうち0.5
mlを50mM酢酸緩衝液(pH 4.5)、1M硫酸アンモニウ
ム溶液で平衡化したButyl‐Toyopearl 650M(10 mm×10
cm)に供し、流速4.0 ml/min、50mM酢酸緩衝液(pH 4.
5)、脱イオン水、20 %エタノールの順に溶離した。20
%エタノール溶離液に溶出した活性画分を集め凍結乾
燥し、1mgの蛋白を得た。活性画分は、以下に記載の綿
毛羽取り活性によって評価した。N末端近傍残基分析、
リシルエンドフラグメントの配列分析より、得られた蛋
白をEGIIIと同定した。
(CBD)があるエンドグルカナーゼ 国際公開第WO98/54322の方法に従い、トリコデルマ・
ビリデMC300−1〔FERM BP−6047(原
寄託:FERM P−15842、原寄託日:1996
年9月9日の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されている〕にて発現させ、
精製したSCE3、および国際公開第WO98/03640の記
載に従い、フミコーラ・インソレンスMN200−1に
発現プラスミドpEGD01(図1)を導入することに
よって得られた形質転換体にて発現させ、精製したNC
E4を用いた。なお、SCE3をコードする塩基配列を
配列番号1に、またNCE4をコードする塩基配列を配
列番号2にそれぞれ示す。
II、NCE4)を用い、ポリエステル(テレフタル酸
−テトラエチレングリコール共重合体、市販名:FR5
50 (互応化学社製))によるセルラーゼ活性向上効
果を無染色の綿ニット生地(日東紡績株式会社製 綿ス
ムースニットNo.3900を大型ワッシャー中で毛羽立たせ
たもの、9cm×10cm)の毛羽除去処理を下記条件で行う
ことによって評価した。 (試験条件) 試験機械:洗濯堅牢度試験機 L-12(株式会社大栄科学
精器製作所製) 温度:55℃ 時間:120分 反応液量:40ml 反応pH:NCE4、EGIIIはpH6(50mM酢酸緩
衝液)、 SCE3はpH 4.5(50mM酢酸緩衝液) 緩衝液は、いずれも脱イオン水を用いて調製した。ポリ
マーの種類と添加量:FR550(互応化学社製)4m
g精製エンドグルカナーゼ酵素液とともにゴムボールを
適当量加えた。
ついて、形成された毛羽が目視で完全に除去されるため
に要するセルラーゼ溶液量をそれぞれ求めた。次に、F
R550を添加しない場合に毛羽が完全に除去されるた
めに要するセルラーゼ溶液量を、FR550を添加した
場合に毛羽が完全に除去されるために要するセルラーゼ
溶液量で割った値に100を乗じた値を、FR550に
よる毛羽除去活性向上率とした。結果を表4に示す。
E3、 NCE4に関してはポリエステル(テレフタル
酸−テトラエチレングリコール共重合体)による活性向
上効果を観察できたが、CBDがないEGIIIでは逆
効果であることが判明した。
グリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴエチレ
ングリコールコポリマーを効果量含有する非粉塵性粒剤
セルラーゼ調製物の製造) 下記表5に示す原材料を混合後、10 %の水を添加し混
錬する。混錬物をディスクペレッターに送り成形加工し
た。得られた射出物をマルメライザー(不二パウダル社
製)を用い粒状とし、乾燥、篩かけし造粒物を得た。
レングリコールコポリマー又はテレフタル酸−オリゴア
ルキレングリコールコポリマーを含有させることによっ
て、セルロースバインディングドメイン(CBD)を有
するエンドグルカナーゼ活性を飛躍的に向上させたセル
ラーゼ調製物が提供される。当該セルラーゼ調製物をセ
ルロース含有繊維の毛羽立ちの低減、色の澄明化、色の
局所的変化などの繊維加工処理に用いることにより、よ
り少ない酵素量で各処理の実施が可能になり、大幅にコ
ストが低減化される。
Claims (14)
- 【請求項1】 セルロースバインディングドメイン(C
BD)を有するエンドグルカナーゼと共に、一般式
(I): 【化1】 (式中、n,pは2から10、mは0から10、oは、
1から10の整数を表す。)で示される、テレフタル酸
−アルキレングリコールコポリマー又はテレフタル酸−
オリゴアルキレングリコールコポリマーの単独又は複数
を含有させてなることを特徴とする、セルラーゼ調製
物。 - 【請求項2】 コポリマーが、テレフタル酸−ジエチレ
ングリコールコポリマー、テレフタル酸−トリエチレン
グリコールコポリマー又はテレフタル酸−テトラエチレ
ングリコールコポリマーである請求項1に記載のセルラ
ーゼ調製物。 - 【請求項3】 無機塩をさらに添加することを特徴とす
る、請求項1又は2に記載のセルラーゼ調製物。 - 【請求項4】 コポリマーの末端が、部分的又は全てス
ルフォン酸化されていることを特徴とする、請求項1〜
3のいずれか一項に記載のセルラーゼ調製物。 - 【請求項5】 コポリマーの平均分子量が500から10,00
0である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルラ
ーゼ調製物。 - 【請求項6】 コポリマーをセルラーゼ調製物に、0.1
〜50重量%含有させる、請求項1〜5のいずれか一項に
記載のセルラーゼ調製物。 - 【請求項7】 飛散性のない顆粒状又は安定化された液
体状である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセル
ラーゼ調製物。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセ
ルラーゼ調製物を、洗剤成分に配合してなる、洗剤組成
物。 - 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセ
ルラーゼ調製物を、セルロース含有繊維に作用させ、該
繊維の性質を改善させることを特徴とする、繊維の処理
方法。 - 【請求項10】 繊維の性質の改善が、色の澄明化であ
る、請求項9に記載の方法。 - 【請求項11】 繊維の性質の改善が、毛羽の除去であ
る、請求項9に記載の方法。 - 【請求項12】 繊維の性質の改善が、ストーンウオッ
シュ様外観や風合いの付与である、請求項9に記載の方
法。 - 【請求項13】 テレフタル酸−アルキレングリコール
コポリマー又はテレフタル酸−オリゴアルキレングリコ
ールコポリマーの単独あるいは複数を、反応系において
1〜1,000 mg/Lの濃度で存在させる、請求項9に記載
の方法 - 【請求項14】 繊維の浸漬、洗濯、又はすすぎ工程で
行うことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
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