JP2002141530A - 光起電力素子の形成方法、光起電力素子、半導体素子及び液相成長法 - Google Patents

光起電力素子の形成方法、光起電力素子、半導体素子及び液相成長法

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JP2002141530A
JP2002141530A JP2000333904A JP2000333904A JP2002141530A JP 2002141530 A JP2002141530 A JP 2002141530A JP 2000333904 A JP2000333904 A JP 2000333904A JP 2000333904 A JP2000333904 A JP 2000333904A JP 2002141530 A JP2002141530 A JP 2002141530A
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silicon
substrate
thin film
based thin
crystalline
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JP2000333904A
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Takaharu Kondo
隆治 近藤
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Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 相対的に配向性の低い安価な基板上において
も、特定の面方位に配向したシリコン層の形成が可能な
シリコン層の形成方法を用いた光起電力素子の形成方
法、形成された光起電力素子、及び半導体素子を提供す
る。 【解決手段】 金属溶媒109にシリコンを溶解した過
飽和溶液に基板103を接触させることにより基板10
3上にシリコン層110を析出させる光起電力素子の形
成方法において、過飽和溶液に基板103と接触させる
前に、基板103表面にシリコン系薄膜107を高周波
プラズマCVD法を用いて形成しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光起電力素子の形成方
法、光起電力素子、半導体素子及び液相成長法に関す
る。より詳細には、低コストシリコン基板上に液相成長
法を用いてシリコン層を形成する太陽電池、センサー等
の光起電力素子の形成方法、光起電力素子、半導体素子
及び液相成長法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高品質な結晶性をもつシリコン層の形成
方法の一つとして、比較的低融点の金属溶媒中にシリコ
ン原子を飽和濃度まで溶解させ、次に金属溶媒中のシリ
コン原子を過飽和の状態にして基板上にシリコン層を形
成する液相成長法があげられる。液相成長法は、原料材
料の融点よりも低い温度において、完全結晶に近い高品
質のエピタキシャル膜の形成が可能であるという利点が
ある。
【0003】前記の利点をいかして液相成長法を用いて
半導体デバイスを製造した例として、特開平10−98
205号公報では、インジウムを金属溶媒としてシリコ
ン基板の表面にシリコン層を形成する工程を含む太陽電
池の形成方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の液相成長法を用
いたシリコン層の形成方法、及びそれを用いた半導体素
子の形成方法は、特に単結晶シリコン基板上において、
シリコンの融点以下の温度で優れた結晶性をもつシリコ
ン層をエピタキシャル成長させることが可能な優れた方
法である。ただし、より安価である配向性の低い基板、
あるいは無配向の基板上に、特定の面方位に配向したシ
リコン層を形成することができないという問題点があっ
た。
【0005】本発明は、相対的に配向性の低い安価な基
板上においても、特定の面方位に配向したシリコン層の
形成が可能なシリコン層の形成方法を用いた光起電力素
子の形成方法、形成された光起電力素子、及び半導体素
子を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光起電力素子の
形成方法は、金属溶媒にシリコンを溶解した過飽和溶液
を基板と接触させることにより前記基板上にシリコン層
を析出させる光起電力素子の形成方法において、前記過
飽和溶液を基板と接触させる前に、前記基板表面にシリ
コン系薄膜を高周波プラズマCVD法を用いて形成して
おくことを特徴とする。
【0007】本発明の光起電力素子は、高周波プラズマ
CVD法により形成されたシリコン系薄膜を表面に有す
る基板を、金属溶媒にシリコンを溶解させて作成した過
飽和溶液と接触させることにより形成されたシリコン層
を該基板上に有することを特徴とする。
【0008】本発明の半導体素子は、高周波プラズマC
VD法により形成されたシリコン系薄膜を表面に有する
基板を、金属溶媒にシリコンを溶解させて作成した過飽
和溶液と接触させることにより形成されたシリコン層を
該基板上に有することを特徴とする。
【0009】本発明の液相成長法は、金属溶媒にシリコ
ンを溶解した過飽和溶液を基板と接触させることにより
前記基板上にシリコン層を析出させる液相成長法におい
て、前記過飽和溶液を基板と接触させる前に、前記基板
表面にシリコン系薄膜を高周波プラズマCVD法を用い
て形成しておくことを特徴とする。
【0010】前記金属溶媒は、インジウム、ガリウム、
または錫の中から選ばれることが好ましい。前記基板
は、結晶性シリコン基板であることが好ましい。前記シ
リコン系薄膜を形成する前に、前記結晶性シリコン基板
の表面を金属溶媒中に溶解したあと、前記金属溶媒中の
シリコンを前記結晶性シリコン基板の表面に析出させて
析出層を形成する工程を含むことが好ましい。前記結晶
性シリコン基板が、鋳型に入れたシリコン粒を溶融及び
固化することにより形成することが好ましい。前記シリ
コン粒が、金属級のシリコン粒であることが好ましい。
前記鋳型の材質がカーボングラファイト、シリコンカー
バイト、窒化シリコン、窒化ホウ素の中から選ばれるこ
とが好ましい。前記結晶性シリコン基板表面と接する前
記鋳型の表面が、少なくとも窒化シリコンを含む剥離剤
が被膜されていることが好ましい。前記シリコン系薄膜
が結晶相を含むことが好ましい。前記シリコン系薄膜が
選択配向性をもつことが好ましい。前記シリコン層が、
前記シリコン系薄膜と同じ選択配向性をもつことが好ま
しい。前記選択配向性が、(110)であることが好ま
しい。前記選択配向性が、前記基板の配向性と異なるこ
とが好ましい。前記液相成長法が、水素雰囲気中で行な
われることが好ましい。前記原料ガスが、シリコン原子
を含有するガスと水素を含むことが好ましい。前記原料
ガスが、ドーピングガスを含むことが好ましい。
【0011】
【作用及び発明の実施の形態】上記の構成にすることに
より、以下の作用がある。
【0012】金属溶媒に飽和量以上のシリコンを溶解さ
せた過飽和溶液を基板と接触させることにより前記基板
上にシリコン層を析出させる液相成長方法では、準安定
状態である過飽和溶液に基板を接触させると、前記基板
を種子核とする形で、まず初期膜が形成され、その後初
期膜の構造にそってシリコン層が形成されていく。前記
初期膜を含めたシリコン層の形成は、シリコン層の形成
表面において成長と溶解という相反する二つの反応が起
きており、そのうち相対的に成長反応の方が優勢である
ために、シリコン層の形成が行なわれるというプロセス
からなるものである。ここで、成長と溶解という相反す
る二つの反応過程によってシリコン層が形成された場合
には、溶解の過程では、相対的に結合力の小さな、すな
わち相対的に結晶性の劣る領域が表面領域から溶解され
ながら、同時にシリコン層の形成が行なわれるため、結
晶性の良好なシリコン層の形成が可能になると思われ
る。
【0013】前記基板が単結晶からなる場合には、前記
基板表面に均質な膜厚で均質な結晶性をもつシリコン層
の形成が比較的容易に行なわれるが、前記基板の表面
が、非単結晶である場合には、表面に凹凸形状を形成し
ながらシリコン層の形成が行なわれやすいという間題点
がある。これは、前記基板が配向性の低い基板であった
り、無配向の基板であるときに、液相成長によるシリコ
ン層の形成が基板の構造を引き継ぐように行われると、
場所により配向の違う成長領域が存在することによると
思われる。すなわち、配向している面の種類により、成
長面に対するSi原子の配置の仕方が異なっており、そ
れに応じて成長面に対するSi−Si結合の角度や、S
i原子が付着するときに関与する結合の数が異なってく
るために、前述の、成長と溶解という相反する二つの反
応過程における、両反応の反応速度のバランスが、配向
している面により異なり、そのため、配向面ごとに形成
速度が異なるためであると考えられる。
【0014】ここで、前記過飽和溶液を前記基板と接触
させる前に、前記基板表面に特定の配向性をもつシリコ
ン系薄膜を形成することによって、相対的に配向性の低
い安価な基板上においても均質な膜厚で均質な結晶性を
もつシリコン層の形成を液相成長法によって行なうこと
が可能になる。特に前記シリコン系薄膜の形成方法が、
真空容器内にシリコン原子を含有するガスと水素を含む
原料ガスを導入し前記真空容器内に導入した前記基板上
に高周波プラズマCVD法を用いて行なった場合には、
相対的に下地の配向の束縛を受けずに所望の配向膜を形
成することが可能であり、さらに水素を含むプラズマに
よって基板上に直接、あるいはシリコン系薄膜に含有さ
れる水素の拡散によって、基板内部に水素原子を含有さ
せるようにすることができるため、基板内の粒界や欠陥
の不活性化を行なうことにより基板の高品質化を図るこ
とができ、同時に基板とシリコン層間の界面準位も低下
することができると思われる。上記の効果は液相成長時
で形成されるシリコン層に対しても同様にはたらくもの
と考えられる。
【0015】また、ダイヤモンド構造をとる結晶性シリ
コンにおいては、(110)面は、面内の原子密度が最
も高く、成長最表面内のシリコン原子は、4本の結合手
のうち3本を他のシリコン原子と共有結合で結合されて
いる構造のため、この面を成長面とした場合に、密着性
及び耐候性の良好なシリコン系薄膜を形成することがで
き、また成長面に垂直な六角形のチャンネル構造を形成
しながら成長をしているために、成長方向とキャリアの
走行方向が同一である素子については、特に好ましいも
のであると考えられる。そのため、前記シリコン系薄
膜、及びその構造を引継いで形成されるシリコン層の前
記特定の配向性が(110)であることは好ましいもの
であると考えられる。
【0016】また、前記シリコン系薄膜をシリコン層よ
りも高濃度にドーパントが含まれている層とすること
で、前記シリコン系薄膜がBSF層として機能するた
め、光電変換特性の優れた光起電力素子の形成が可能に
なる。ここで、前記シリコン系薄膜を形成するときの所
定量のドーピングガスを含んだ原料ガスを用いること
で、所望のp+層あるいはn+層を形成することが可能に
なるため、光電変換特性の優れた光起電力素子の形成が
可能になる。
【0017】前記シリコン系薄膜を形成する前に、結晶
性シリコン基板表面を金属溶媒中に溶解したあと、前記
金属溶媒中のシリコンを前記結晶性シリコン基板に析出
させて、前記シリコン基板の表面部分を析出層とするこ
とで、より基板の表面部分の純度を高めることが可能に
なる。これは、偏析効果により大部分の不純物を前記結
晶性シリコン基板表面から除去することができるためで
あると考えられる。ここで、融点が相対的に低いこと、
前記結晶性シリコン基板表面層を充分に溶解することが
できるという理由から、前記金属溶媒としては、インジ
ウム、ガリウム、または錫の中から選ばれることが特に
好ましいものである。
【0018】また前記結晶性シリコン基板を、鋳型に入
れたシリコン粒を溶融及び固化することによって直接形
成することにより、従来のキャスト法などを用いて基板
をスライスするという工程を省くことが可能になるた
め、タクトタイムの向上及び低コスト化がはかれるとい
う利点があると考えられる。特に前記シリコン粒とし
て、純度の低い安価な金属級シリコン粒を用いること
で、さらなる低コスト化をはかることが可能である。
【0019】また、鋳型の材料としては、加工の容易性
や加工の点からカーボングラファイトを用いることが好
ましいが、固化したシリコンを離型させる材料を塗布で
き、なおかつ融点がシリコンの融点よりも高いシリコン
カーバイト、窒化シリコン、窒化ホウ素も好適なもので
ある。また、鋳型は、横方向あるいは縦方向に板状に溝
をつけたものであって、このような溝が一つの鋳型の中
に複数個あってもよい。また、横方向の溝に対しては垂
直方向に、縦方向の溝に対しては水平方向にそれぞれ非
対称に形成したり、放射板をつけたりなどすることで、
固化時の熱の流れを制御することで金属級シリコンに含
まれる不純物をシート表面片側に偏析させると同時に、
結晶粒径を拡大させることも可能である。
【0020】また窒化シリコンは、溶融したシリコンに
対して反応を起こさず、かつ接触角が大きいために、鋳
型の内部に塗布することによって、鋳型からシリコンを
剥離することを助ける剥離剤として好適に用いることが
できる。必要に応じて酸化シリコンなどを添加すること
も好ましいものである。鋳型内への剥離剤の皮膜の方法
としては、粉末状の窒化シリコンを分散させた有機溶剤
あるいはシラノール溶液を鋳型内にスプレーし、400
℃以上の熱処理をする方法などがあげられる。
【0021】また、前記液相成長法を水素雰囲気中で行
なうことにより、基板の表面領域に存在する自然酸化膜
を除去することが可能になるため、より好ましいもので
ある。次に本発明の光起電力素子の製造方法及び構成要
素について、金属級シリコン粒を溶融固化して得られた
無配向の結晶性シリコン基板に溶解再析出の処理を行な
ったのちに、前記結晶性シリコン基板上に高周波プラズ
マCVD法で(110)配向のシリコン系薄膜を形成
し、そのあとで液相成長法でシリコン層を形成した構成
を例にとって、図1を用いて説明する。
【0022】まず、金属級シリコン粒102を横方向に
板状に溝を設けた鋳型101内に投入した(図1
(a))。金属級シリコンとしては、不純物元素を0.
1〜2%含むものが安価で容易に用いられる。粒状ある
いは粉末状にしてから溶融される前に必要に応じてあら
かじめ塩酸などの酸による処理を行ない、不純物の量を
軽減しておくことも可能である。
【0023】次に鋳型101を電気炉内に入れてシリコ
ンの融点(〜1415℃)以上に一定時間保持すること
により金属級シリコン粒102を溶融した。次に温度を
下げて固化させることにより板状の結晶性シリコン基板
103を作製した(図1(b)、図1(c))。
【0024】得られた結晶性シリコン基板103に対し
て、必要であれば溶解/析出を行なうことにより、結晶
性シリコン基板103の表面に析出層104を析出させ
る。結晶性シリコン基板103をカーボングラファイト
などで形成されたボート105に載置し、金属溶媒10
6を結晶性シリコン基板103表面に接触させて電気炉
内に入れ、結晶性シリコン基板103を金属溶媒中に溶
解させた。次いで温度を下げて、溶媒中のシリコンの濃
度を飽和あるいは過飽和状態にして結晶性シリコン基板
103表面に析出層104を析出させた。(図1
(d)、図1(e))。金属溶媒106を結晶性シリコ
ン基板103表面に接触させる方法としては、スライド
方式や、tipping方式が用いられる。
【0025】次に得られた結晶性シリコン基板103を
高周波プラズマCVD装置を用いて、前記結晶性シリコ
ン基板103上にシリコン系薄膜107を形成した(図
1(f))。
【0026】以下、高周波プラズマCVD法によって本
発明のシリコン系薄膜107を形成する手順の好適な例
を示す。 (1)減圧状態にできる半導体形成用真空容器内を所定
の堆積圧力に減圧する。 (2)堆積室内に原料ガスを導入し、堆積室内を真空ポ
ンプによって排気しつつ、堆積室内を所定の堆積圧力に
設定する。 (3)結晶性シリコン基板103をヒーターによって所
定の温度に設定する。 (4)高周波電源によって発振された高周波を前記堆積
室に導入する。前記堆積室への導入方法は、高周波がマ
イクロ波の場合には導波管によって導き石英、アルミ
ナ、窒化アルミニウムなどの誘電体窓を介して堆積室内
に導入したり、高周波がVHFやRFの場合には同軸ケ
ーブルによって導き、金属電極を介して堆積室内に導入
したりする方法がある。 (5)堆積室内にプラズマを生起させて原料ガスを分解
し、堆積室内に配置された結晶性シリコン基板103上
にシリコン系薄膜107を形成する。
【0027】シリコン系薄膜107の形成条件として
は、堆積室内の基板温度は100〜450℃、圧力は
0.67Pa(0.5mTorr)〜1.5×104
a(113Torr)、高周波パワー密度は0.001
〜1W/cm3(投入電力/堆積室体積)、高周波の周
波数は10MHz〜10GHzが好適な条件としてあげ
られる。
【0028】本発明のシリコン系薄膜107の形成に適
した原料ガスは、シリコン原子を含有するガスと水素の
混合ガスである。シリコン原子を含有するガスとして
は、SiH4、Si26等の水素化シリコン、SiF4
Si26、SiH22、SiH 2Cl2、SiCl4、S
2Cl6等のハロゲン化シリコンなどが好適なものであ
る。常温で気化しているものはガスボンベを用い、液化
しているものは不活性ガスによるバブリングを行なって
使用する。またドーピングガスとしては、シリコン系薄
膜をp型層(p+型層)とする場合にはB26、BF3
などが、シリコン系薄膜をn型層(n+型層)とする場
合には、PH3、PF3などが用いられる。
【0029】次にシリコン系薄膜107を析出させた結
晶性シリコン基板103をカーボングラファイトで形成
されたボート108内に載置し水素雰囲気中で金属溶媒
109を用いた液相成長法により基板上にシリコン層1
10を形成した(図1(g)、図1(h))。
【0030】ここで、本発明で使用される液相成長法に
おいて、シリコン層110の成長温度としては、500
〜1100℃の範囲が好ましく、より好適には700〜
1050℃の範囲が選ばれる。また本発明で使用される
金属溶媒109は、99.9%〜99.9999%の純
度のものが望ましい。液相成長法で用いる金属溶媒とし
ては、銅、アルミニウム、錫、インジウム、ガリウム及
びこれらの合金などがあげられるが、特にインジウムを
用いて液相成長を行なう方法では、インジウム原子及び
溶質として用いる原料シリコン中に含有される重金属の
シリコン膜中への取り込みを抑制することが可能にな
る。この理由としては、インジウムは金属元素と合金を
作りやすいために、溶媒中に溶融した金属原子が、シリ
コン層形成の過程において溶媒中にとどまりやすいため
であること、及びインジウムの原子半径が、シリコンの
4配位席の空間体積に対して相対的に大きいためである
ことなどが考えられる。
【0031】本発明で使用される液相成長法としては、
除冷法、温度差法が一般的に用いられるが、特開平6−
191987号公報に開示されている恒温法を用いるこ
とも可能である。また本発明において使用される液相成
長や、金属溶媒で溶解、析出するときのボートとして
は、カーボングラファイト、シリコンカーバイト、窒化
シリコンなどが適している。本発明に用いられる炉とし
ては、制御性の上から電気炉が好ましく、シリコンの融
点以上の温度まで安定して保持できるものが用いられ、
固化される層の結晶性の維持の点から、およそ−30℃
/min以下の冷却速度で降温できるのが好ましい。
【0032】次に第二のシリコン層110の表面にn+
層111を設け接合を形成した。n+層の形成方法とし
ては、ガス拡散法、固相拡散法、イオン打ち込み法など
から選ぶことができる。ガス拡散法では拡散源として、
25、POCl3、PH3などがあげられ、これらを用
いて850〜950℃程度の温度で拡散させる。固相拡
散法では、基板表面にドーパントを含んだ拡散剤を堆積
し、高温度で基板中にドライブインさせることにより行
なう。拡散剤としては、CVD法でドーパントを含有し
た酸化シリコンを堆積させたもの、塗布法によりP25
などをアルコールなどの溶剤に溶かして塗布したものな
どがあげられる(図1(i))。
【0033】さらにこのあと、n+層111上に不図示
の集電電極、反射防止膜、裏面電極を設けることにより
光起電力素子が形成できる。ここで、集電電極、裏面電
極の形成方法としては、Ni、AU、Ag、Ti、P
d、Alなどを蒸着法や、Ni、Cr、Cuなどのメッ
キ法や、Agペーストなどを用いた印刷法などがあげら
れる。また反射防止膜としては、ITO、ZnO、In
23、SiO2、SiO、TiO2、Ta25、Al
23、MgF2、Si34、SnO2等を好適に用いるこ
とができる。その形成方法としては、蒸着、CVD、ス
プレー、スピンオン、浸漬などの方法が好適である。こ
れらの材料に導電率を変化させる物質を添加してもよ
い。
【0034】また、上記で形成した接合に加えて、高周
波プラズマCVD法を用いて形成したpin接合などを
直列に積層した構造としてもかまわない。
【0035】
【実施例】以下の実施例では、半導体素子として太陽電
池を例に挙げて本発明を具体的にするが、本発明は、液
相法を用いて基板上にシリコン層を析出させる液相成長
法、液相成長法により形成されたシリコン層及び前記シ
リコン層を含む半導体素子に関するものであり、半導体
素子としてはトランジスタ、ダイオード、LEDなどに
適用が可能であり、特に太陽電池に限定されるものでは
ない。
【0036】(実施例1)図1に示す方法で、以下の手
順で光起電力素子を形成した。120℃に加熱した塩酸
/過酸化水素水混合溶液に、粉末状の金属級シリコン1
02(純度98%)を通して不純物を浸出させたあと、
洗浄、乾燥してから図1(a)に示すようにカーボング
ラファイト製の鋳型101の溝に充填した。このとき鋳
型101の溝の内面には、あらかじめSi34粉末を分
散させたシラノール溶液を塗布し、400℃の熱処理を
して剥離用被膜を形成しておいた。
【0037】電気炉に鋳型を投入し、シリコンの融点よ
りも高い一定温度である1500℃に保持した。20分
経過したところで、−10℃/minの降温速度で除冷
して固化させることによりシート状の結晶性シリコン基
板103を形成した。
【0038】作成した結晶性シリコン基板103を、図
1(d)に示すようなカーボンボート105内に載置し
た。次に錫からなる金属溶媒106を結晶性シリコン基
板103上に接触させて電気炉内に入れた。電気炉内を
1050℃に保持し、結晶性シリコン基板103の表面
層を、錫溶媒中に溶解させた。シリコンが錫溶媒中に充
分飽和したところで、電気炉を制御して温度を−5℃/
minの速度で下げ、溶媒中のシリコンを結晶性シリコ
ン基板103上に再析出させ、析出層104を形成し
た。1時間析出させたあと、ボート105をスライドさ
せて錫溶媒を取り除いた。形成した結晶性シリコン基板
103は、無配向の多結晶シリコン基板であった。
【0039】次に前記結晶性シリコン基板103上に高
周波プラズマCVD法を用いてシリコン系薄膜104を
形成した。図2は、本発明のシリコン系薄膜を製造する
堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図である。図
2に示す堆積膜形成装置201は、ロードロック室20
2、アンロードロック室203、p型シリコン系薄膜形
成容器211が、ゲート221、222を介して結合す
ることによって構成されている。
【0040】p型シリコン系薄膜形成容器211は、プ
ラズマ生起領域を形成する堆積室を有している。該堆積
室内の平板状の高周波導入部241には、高周波電源2
51から高周波電力を印加することによってグロー放電
を生起させ、それによって原料ガスを分解し結晶性シリ
コン基板103上に、ドーパント原子を含有した膜を堆
積させる。高周波導入部241は、結晶性シリコン基板
103と対向している。結晶性シリコン基板103は不
図示の試料ホルダーに設置されて、電気的に接地されて
いる対向電極242上に載置されている。また対向電極
242中には不図示のヒーターが具備されている。
【0041】ロードロック室202、アンロードロック
室203、p型シリコン系薄膜形成容器211には、原
料ガスやリーク用ガスを導入するためのガス導入管23
1〜233が接続されている。
【0042】まずロードロック室202に、結晶性シリ
コン基板103を設置した試料ホルダーを投入する。次
にロードロック室202、アンロードロック室203、
p型シリコン系薄膜形成容器211を不図示の真空ポン
プからなる真空排気系により、6.7×10-4Pa(5
×10-6Torr)以下まで充分に真空排気した。次に
ゲート221を介して結晶性シリコン基板103をシリ
コン系薄膜形成容器221内の対向電極242上に載置
させた。
【0043】次に、真空排気系を作動させつつ、シリコ
ン系薄膜形成容器221へガス導入管233から原料ガ
スを供給した。形成条件は表1に示す通りである。
【0044】次に、p型シリコン系薄膜形成容器211
内の高周波導入部241に高周波電源251より高周波
を導入し、p型シリコン系薄膜形成容器211内の堆積
室内にグロー放電を生起し、結晶性シリコン基板103
上に、微結晶p+型半導体層であるシリコン系薄膜10
4を5000nm形成した。ここで、p型シリコン系薄
膜形成容器211には周波数60MHzの高周波を、パ
ワー密度が300mW/cm3になるように調整しなが
ら高周波導入部241から導入した。
【0045】シリコン系薄膜104の形成が終わった
ら、高周波及び原料ガスの供給を停止し、p型シリコン
系薄膜形成容器211を不図示の真空ポンプからなる真
空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6To
rr)以下まで充分に真空排気した。次にゲート222
を介して結晶性シリコン基板103をアンロードロック
室203に搬送し、冷却後に結晶性シリコン基板をアン
ロードロック室203から搬出した。シリコン系薄膜は
(110)面に選択配向をしていた。
【0046】表面にシリコン系薄膜を形成した結晶性シ
リコン基板103を図1(g)に示すようなカーボンボ
ート108内に載置し、インジウムからなる金属溶媒1
09を用いた液相成長法により、水素雰囲気中において
過冷却度10℃、成長開始温度940℃として、降温速
度−2.5℃/minでシリコン層110を40μm形
成した。
【0047】シリコン層110の表面にPOCl3を拡
散源として、900℃の温度でPの熱拡散を行なってn
+層111を形成し、0.5μm程度の接合深さを形成
した。形成されたn+層表面のデッド層をエッチングに
より除去し、約0.15μmの接合深さを得た。さらに
集電電極、反射防止膜を形成し、結晶性シリコン基板1
03の裏面側にAlを蒸着して裏面電極を形成し、太陽
電池を得た(実施例1)。
【0048】(比較例1)シリコン系薄膜107を形成
しなかったこと以外は実施例1と同様な方法で、結晶性
シリコン基板103上にシリコン層110を形成した。
【0049】次に実施例1と同様の方法を用いて、太陽
電池を得た(比較例1)。
【0050】それぞれの太陽電池の光電変換効率をソー
ラーシミュレーター(AM1.5、100mW/c
2)を用いて測定した。その結果、実施例1で形成し
た太陽電池は、比較例1で形成した太陽電池と比較し
て、1.20倍の光電変換効率を示した。また、実施例
1のシリコン層は、(110)面に選択配向していた
が、比較例1のシリコン層は無配向であった。
【0051】配向性の比較、及び光電変換効率の比較か
ら、本発明による光起電力素子の形成方法では、無配向
の結晶性シリコン基板上にも、高周波プラズマCVD法
で配向性のあるシリコン系薄膜を形成することによっ
て、配向性のあるシリコン層の形成が可能になり、また
シリコン系薄膜がBSF層として効果的に機能し、その
結果本発明の光起電力素子はより光電変換効率の優れた
特長を持つことがわかる。
【0052】(実施例2)図3に示す方法で、以下の手
順で光起電力素子を形成した。
【0053】純度98%の金属級シリコンを原料とし
て、引き上げ法(CZ法)によりインゴットを引き上
げ、0.5mm厚のウエハ状にスライスして結晶性シリ
コン基板103を形成した(図3(a))。形成した結
晶性シリコン基板103は、無配向の多結晶シリコン基
板であった。
【0054】結晶性シリコン基板103を炉型から取り
出したあと、実施例1と同様に前記結晶性シリコン基板
103上に高周波プラズマCVD法を用いてシリコン系
薄膜107を形成した。形成条件は表2に示す通りであ
る。ここで、結晶性シリコン基板103上に、微結晶p
+型半導体層であるシリコン系薄膜104を5000n
m形成した。ここで、p型シリコン系薄膜形成容器21
1には周波数100MHzの高周波を、パワー密度が4
00mW/cm3になるように調整しながら高周波導入
部241から導入した。
【0055】シリコン系薄膜104の形成が終わった
ら、高周波及び原料ガスの供給を停止し、p型シリコン
系薄膜形成容器211を不図示の真空ポンプからなる真
空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6To
rr)以下まで充分に真空排気した。次にゲート222
を介して結晶性シリコン基板103をアンロードロック
室203に搬送し、冷却後に結晶性シリコン基板をアン
ロードロック室203から搬出した。シリコン系薄膜は
(110)面に選択配向をしていた。
【0056】表面にシリコン系薄膜を形成した結晶性シ
リコン基板103を図3(c)に示すようなカーボンボ
ート108内に載置し、錫からなる金属溶媒109を用
いた液相成長法により、水素雰囲気中において液相成長
開始時の過冷却度10℃、成長開始温度1000℃とし
て、降温速度−2.0℃/minでシリコン層110を
40μm形成した。
【0057】シリコン層110の表面にPOCl3を拡
散源として、900℃の温度でPの熱拡散を行なってn
+層111を形成し、0.5μm程度の接合深さを形成
した。形成されたn+層表面のデッド層をエッチングに
より除去し、約0.15μmの接合深さを得た。さらに
集電電極、反射防止膜を形成し、結晶性シリコン基板1
03の裏面側にAlを蒸着して裏面電極を形成し、太陽
電池を作成した(実施例2)。
【0058】(比較例2)シリコン系薄膜107を形成
しなかったこと以外は実施例2と同様な方法で、結晶性
シリコン基板103上にシリコン層110を形成した。
【0059】次に実施例2と同様の方法を用いて、太陽
電池を得た(比較例2)。
【0060】それぞれの太陽電池の光電変換効率をソー
ラーシミュレーター(AM1.5、100mW/c
2)を用いて測定した。その結果、実施例2で形成し
た太陽電池は、比較例2で形成した太陽電池と比較し
て、1.15倍の光電変換効率を示した。また碁盤目テ
ープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数100)
を用いて結晶性シリコン基板103とシリコン層110
との間の密着性を調べた。また、実施例2のシリコン層
は、(110)面に選択配向していたが、比較例2のシ
リコン層は無配向であった。
【0061】配向性の比較、光電変換効率の比較、及び
碁盤目テープ法の比較から、本発明による光起電力素子
の形成方法では、無配向の結晶性シリコン基板上にも、
高周波プラズマCVD法で配向性のあるシリコン系薄膜
を形成することによって、配向性のあるシリコン層の形
成が可能になり、またシリコン系薄膜がBSF層として
効果的に機能し、また密着性にもすぐれており、その結
果本発明の光起電力素子はより光電変換効率の優れた特
長を持つことがわかる。
【0062】(実施例3)図3に示す方法で、単結晶シ
リコンウエハ上に、インジウムを用いた液相成長法によ
り、シリコン層を堆積し、これを活性層として光起電力
素子を形成した。
【0063】(100)配向の単結晶ウエハからなる結
晶性シリコン基板上に、実施例1と同様に上に高周波プ
ラズマCVD法を用いてシリコン系薄膜107を形成し
た。形成条件は表1に示す通りである。ここで、結晶性
シリコン基板103上に、微結晶p+型半導体層である
シリコン系薄膜104を5000nm形成した。ここ
で、p型シリコン系薄膜形成容器211には周波数10
0MHzの高周波を、パワー密度が400mW/cm3
になるように調整しながら高周波導入部241から導入
した。
【0064】シリコン系薄膜104の形成が終わった
ら、高周波及び原料ガスの供給を停止し、p型シリコン
系薄膜形成容器211を不図示の真空ポンプからなる真
空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6To
rr)以下まで充分に真空排気した。次にゲート222
を介して結晶性シリコン基板103をアンロードロック
室203に搬送し、冷却後に結晶性シリコン基板をアン
ロードロック室203から搬出した。シリコン系薄膜は
(110)面に選択配向をしていた。
【0065】表面にシリコン系薄膜を形成した結晶性シ
リコン基板103を図3(c)に示すようなカーボンボ
ート108内に載置し、インジウムからなる金属溶媒1
09を用いた液相成長法により、水素雰囲気中において
液相成長開始時の過冷却度10℃、成長開始温度950
℃として、降温速度−2.0℃/minでシリコン層1
10を40μm形成した。
【0066】シリコン層110の表面にPOCl3を拡
散源として、900℃の温度でPの熱拡散を行なってn
+層111を形成し、0.5μm程度の接合深さを形成
した。形成されたn+層表面のデッド層をエッチングに
より除去し、約0.15μmの接合深さを得た。さらに
集電電極、反射防止膜を形成し、結晶性シリコン基板1
03の裏面側にAlを蒸着して裏面電極を形成し、太陽
電池を作成した(実施例3)。
【0067】(比較例3)シリコン系薄膜107を形成
しなかったこと以外は実施例3と同様な方法で、結晶性
シリコン基板103上にシリコン層110を形成した。
【0068】次に実施例3と同様の方法を用いて、太陽
電池を得た(比較例3)。
【0069】それぞれの太陽電池の光電変換効率をソー
ラーシミュレーター(AM1.5、100mW/c
2)を用いて測定した。その結果、実施例3で形成し
た太陽電池は、比較例3で形成した太陽電池と比較し
て、1.10倍の光電変換効率を示した。また、実施例
3のシリコン層は、(110)面に選択配向していた
が、比較例2のシリコン層は(100)面に選択配向し
ていた。
【0070】配向性の比較、光電変換効率の比較から、
本発明による光起電力素子の形成方法では、単結晶シリ
コン基板上にも、高周波プラズマCVD法で基板と別の
配向性をとるシリコン系薄膜を形成することによって、
単結晶シリコン基板とは異なる配向性をもつシリコン層
の形成が可能になり、またシリコン系薄膜がBSF層と
して効果的に機能し、その結果本発明の光起電力素子は
より光電変換効率の優れた特長を持つことがわかる。
【0071】(実施例4)実施例1で形成したn+層1
11上に、高周波プラズマCVD法を用いてpin接合
を直列に堆積し、図4に示すような積層型の光起電力素
子を形成した。
【0072】図5は、本発明のシリコン系薄膜を製造す
る堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図である。
図5に示す堆積膜形成装置201は、図2に示した堆積
膜形成装置に対して、i型シリコン系薄膜形成容器21
2と、n型シリコン系薄膜形成容器213を加えた構造
になっており、各容器が、ゲート221〜224を介し
て結合することによって構成されている。
【0073】実施例1のシリコン系薄膜の形成と同様の
手順で、高周波導入部241〜243に高周波電源25
1〜253より高周波を導入し、n+層111上に、p
型シリコン半導体層301(膜厚20nm)、i型シリ
コン半導体層302(膜厚500nm)、n型シリコン
半導体層303(膜厚20nm)を形成した。形成条件
は表3に示す通りである。
【0074】ここで、p型シリコン系薄膜形成容器21
1には周波数13.56MHz、パワー密度30mW/
cm3の高周波電力を、i型シリコン系薄膜形成容器2
12には、周波数100MHz、パワー密度150mW
/cm3の高周波電力を、n型シリコン系薄膜形成容器
213には周波数13.56MHz、パワー密度5mW
/cm3の高周波電力を導入した。
【0075】さらに実施例1と同様に、集電電極、反射
防止膜を形成し、結晶性シリコン基板103の裏面側に
Alを蒸着して裏面電極を形成し、太陽電池を得た(実
施例4)。
【0076】得られた太陽電池の光電変換効率をソーラ
ーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm2
を用いて測定した。その結果、実施例4で形成した太陽
電池は、実施例1で形成した太陽電池と比較して、1.
20倍の光電変換効率を示した。以上のことから本発明
の光起電力素子はより光電変換効率の優れた特長を持つ
ことがわかる。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】相対的に配向性の低い安価な基板上にお
いても、特定の面方位に配向したシリコン層の形成が可
能となり、高効率の光起電力素子の形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の製造方法及び構成要素
の一例を示す模式的な断面図
【図2】本発明の光起電力素子を製造する堆積膜形成装
置の一例を示す模式的な断面図
【図3】本発明の光起電力素子の製造方法及び構成要素
の一例を示す模式的な断面図
【図4】本発明の光起電力素子構成要素の一例を示す模
式的な断面図
【図5】本発明の光起電力素子を製造する堆積膜形成装
置の一例を示す模式的な断面図
【符号の説明】
101:鋳型 102:金属級シリコン粒 103:結晶性シリコン基板 104:析出層 105、108:ボート 106:金属溶媒 107:シリコン系薄膜 109:金属溶媒 110:シリコン層 111:n+層 201:堆積膜形成装置 202:ロードロック室 203:アンロードロック室 211:p型シリコン系薄膜形成容器 212:i型シリコン系薄膜形成容器 213:n型シリコン系薄膜形成容器 221〜224:ゲート 231〜235:ガス導入管 241、243、245:高周波導入部 242、244、246:対向電極 251〜253:高周波電源 301:p型シリコン半導体層 302:i型シリコン半導体層 303:n型シリコン半導体層

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属溶媒にシリコンを溶解した過飽和溶
    液に基板を接触させることにより前記基板上にシリコン
    層を析出させる光起電力素子の形成方法において、前記
    過飽和溶液に前記基板を接触させる前に、前記基板表面
    にシリコン系薄膜を高周波プラズマCVD法を用いて形
    成しておくことを特徴とする光起電力素子の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記金属溶媒が、インジウム、ガリウ
    ム、または錫の中から選ばれることを特徴とする請求項
    1に記載の光起電力素子の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記基板が、結晶性シリコン基板である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコン系薄膜を形成する前に、前
    記結晶性シリコン基板の表面を金属溶媒中に溶解したあ
    と、前記金属溶媒中のシリコンを前記結晶性シリコン基
    板の表面に析出させて析出層を形成する工程を含むこと
    を特徴とした請求項3に記載の光起電力素子の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記結晶性シリコン基板が、鋳型に入れ
    たシリコン粒を溶融及び固化することにより形成したこ
    とを特徴とする請求項3に記載の光起電力素子の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン粒が、金属級のシリコン粒
    であることを特徴とする請求項5に記載の光起電力素子
    の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記鋳型の材質がカーボングラファイ
    ト、シリコンカーバイト、窒化シリコン、窒化ホウ素の
    中から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の光起
    電力素子の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記結晶性シリコン基板表面と接する前
    記鋳型の表面が、少なくとも窒化シリコンを含む剥離剤
    が被膜されていることを特徴とする請求項5に記載の光
    起電力素子の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記シリコン系薄膜が結晶相を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の形成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記シリコン系薄膜が選択配向性をも
    つことを特徴とする請求項9に記載の光起電力素子の形
    成方法。
  11. 【請求項11】 前記シリコン層が、前記シリコン系薄
    膜と同じ選択配向性をもつことを特徴とする請求項10
    に記載の光起電力素子の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記選択配向性が、(110)である
    ことを特徴とした請求項10または11に記載の光起電
    力素子の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記選択配向性が、前記基板の配向性
    と異なることを特徴とした請求項10に記載の光起電力
    素子の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記液相成長法が、水素雰囲気中で行
    なわれることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子の形成方法。
  15. 【請求項15】 前記高周波プラズマ法で用いる原料ガ
    スが、シリコン原子を含有するガスと水素を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記原料ガスが、ドーピングガスを含
    むことを特徴とする請求項15に記載の光起電力素子の
    形成方法。
  17. 【請求項17】 高周波プラズマCVD法により形成さ
    れたシリコン系薄膜を表面に有する基板を、金属溶媒に
    シリコンを溶解させて作成した過飽和溶液に接触させる
    ことにより形成されたシリコン層を該基板上に有するこ
    とを特徴とする光起電力素子。
  18. 【請求項18】 前記金属溶媒が、インジウム、ガリウ
    ム、または錫の中から選ばれることを特徴とする請求項
    17に記載の光起電力素子。
  19. 【請求項19】 前記基板が、結晶性シリコン基板であ
    ることを特徴とする請求項17に記載の光起電力素子。
  20. 【請求項20】 前記シリコン系薄膜を形成する前に、
    前記結晶性シリコン基板の表面を金属溶媒中に溶解した
    あと、前記金属溶媒中のシリコンを前記結晶性シリコン
    基板の表面に析出させて析出層を形成する工程を含むこ
    とを特徴とした請求項19に記載の光起電力素子。
  21. 【請求項21】 前記結晶性シリコン基板が、鋳型に入
    れたシリコン粒を溶融及び固化することにより形成した
    ことを特徴とする請求項19に記載の光起電力素子。
  22. 【請求項22】 前記シリコン粒が、金属級のシリコン
    粒であることを特徴とする請求項21に記載の光起電力
    素子。
  23. 【請求項23】 前記鋳型の材質がカーボングラファイ
    ト、シリコンカーバイト、窒化シリコン、窒化ホウ素の
    中から選ばれることを特徴とする請求項21に記載の光
    起電力素子。
  24. 【請求項24】 前記結晶性シリコン基板表面と接する
    前記鋳型の表面が、少なくとも窒化シリコンを含む剥離
    剤が被膜されていることを特徴とする請求項21に記載
    の光起電力素子。
  25. 【請求項25】 前記シリコン系薄膜が結晶相を含むこ
    とを特徴とする請求項17に記載の光起電力素子。
  26. 【請求項26】 前記シリコン系薄膜が選択配向性をも
    つことを特徴とする請求項25に記載の光起電力素子。
  27. 【請求項27】 前記シリコン層が、前記シリコン系薄
    膜と同じ選択配向性をもつことを特徴とする請求項26
    に記載の光起電力素子。
  28. 【請求項28】 前記選択配向性が、(110)である
    ことを特徴とした請求項26または27に記載の光起電
    力素子。
  29. 【請求項29】 前記選択配向性が、前記基板の配向性
    と異なることを特徴とした請求項26に記載の光起電力
    素子。
  30. 【請求項30】 前記液相成長法が、水素雰囲気中で行
    なわれることを特徴とする請求項17に記載の光起電力
    素子。
  31. 【請求項31】 前記高周波プラズマ法で用いる原料ガ
    スが、シリコン原子を含有するガスと水素を含むことを
    特徴とする請求項17に記載の光起電力素子の形成方
    法。
  32. 【請求項32】 前記原料ガスが、ドーピングガスを含
    むことを特徴とする請求項31に記載の光起電力素子。
  33. 【請求項33】 高周波プラズマCVD法により形成さ
    れたシリコン系薄膜を表面に有する基板を、金属溶媒に
    シリコンを溶解させて作成した過飽和溶液に接触させる
    ことにより形成されたシリコン層を該基板上に有するこ
    とを特徴とする半導体素子。
  34. 【請求項34】 前記金属溶媒が、インジウム、ガリウ
    ム、または錫の中から選ばれることを特徴とする請求項
    33に記載の半導体素子。
  35. 【請求項35】 前記基板が結晶性シリコン基板である
    ことを特徴とする請求項33に記載の半導体素子。
  36. 【請求項36】 前記シリコン系薄膜を形成する前に、
    前記結晶性シリコン基板の表面を金属溶媒中に溶解した
    あと、前記金属溶媒中のシリコンを前記結晶性シリコン
    基板の表面に析出させて析出層を形成する工程を含むこ
    とを特徴とした請求項35に記載の半導体素子。
  37. 【請求項37】 前記結晶性シリコン基板が、鋳型に入
    れたシリコン粒を溶融及び固化することにより形成した
    ことを特徴とする請求項35に記載の半導体素子。
  38. 【請求項38】 前記シリコン粒が、金属級のシリコン
    粒であることを特徴とする請求項37に記載の半導体素
    子。
  39. 【請求項39】 前記鋳型の材質がカーボングラファイ
    ト、シリコンカーバイト、窒化シリコン、窒化ホウ素の
    中から選ばれることを特徴とする請求項37に記載の半
    導体素子。
  40. 【請求項40】 前記結晶性シリコン基板表面と接する
    前記鋳型の表面が、少なくとも窒化シリコンを含む剥離
    剤が被膜されていることを特徴とする請求項37に記載
    の半導体素子。
  41. 【請求項41】 前記シリコン系薄膜が結晶相を含むこ
    とを特徴とする請求項33に記載の半導体素子。
  42. 【請求項42】 前記シリコン系薄膜が選択配向性をも
    つことを特徴とする請求項41に記載の半導体素子。
  43. 【請求項43】 前記シリコン層が、前記シリコン系薄
    膜と同じ選択配向性をもつことを特徴とする請求項42
    に記載の半導体素子。
  44. 【請求項44】 前記選択配向性が、(110)である
    ことを特徴とした請求項42または43に記載の半導体
    素子
  45. 【請求項45】 前記選択配向性が、前記基板の配向性
    と異なることを特徴とした請求項42に記載の半導体素
    子。
  46. 【請求項46】 前記液相成長法が、水素雰囲気中で行
    なわれることを特徴とする請求項33に記載の半導体素
    子。
  47. 【請求項47】 前記高周波プラズマ法で用いる原料ガ
    スが、シリコン原子を含有するガスと水素を含むことを
    特徴とする請求項33に記載の半導体素子。
  48. 【請求項48】 前記原料ガスが、ドーピングガスを含
    むことを特徴とする請求項47に記載の半導体素子。
  49. 【請求項49】 金属溶媒にシリコンを溶解した過飽和
    溶液を基板と接触させることにより前記基板上にシリコ
    ン層を析出させる液相成長法において、前記過飽和溶液
    に基板を接触させる前に、前記基板表面にシリコン系薄
    膜を高周波プラズマCVD法を用いて形成しておくこと
    を特徴とする液相成長法。
  50. 【請求項50】 前記金属溶媒が、インジウム、ガリウ
    ム、または錫の中から選ばれることを特徴とする請求項
    49に記載の液相成長法。
  51. 【請求項51】 前記基板が、結晶性シリコン基板であ
    ることを特徴とする請求項49に記載の光起電力素子の
    形成方法。
  52. 【請求項52】 前記シリコン系薄膜を形成する前に、
    前記結晶性シリコン基板の表面を金属溶媒中に溶解した
    あと、前記金属溶媒中のシリコンを前記結晶性シリコン
    基板の表面に析出させて析出層を形成する工程を含むこ
    とを特徴とした請求項51に記載の光起電力素子の形成
    方法。
  53. 【請求項53】 前記結晶性シリコン基板が、鋳型に入
    れたシリコン粒を溶融及び固化することにより形成した
    ことを特徴とする請求項51に記載の光起電力素子の形
    成方法。
  54. 【請求項54】 前記シリコン粒が、金属級のシリコン
    粒であることを特徴とする請求項53に記載の光起電力
    素子の形成方法。
  55. 【請求項55】 前記鋳型の材質がカーボングラファイ
    ト、シリコンカーバイト、窒化シリコン、窒化ホウ素の
    中から選ばれることを特徴とする請求項53に記載の光
    起電力素子の形成方法。
  56. 【請求項56】 前記結晶性シリコン基板表面と接する
    前記鋳型の表面が、少なくとも窒化シリコンを含む剥離
    剤が被膜されていることを特徴とする請求項53に記載
    の光起電力素子の形成方法。
  57. 【請求項57】 前記シリコン系薄膜が結晶相を含むこ
    とを特徴とする請求項49に記載の光起電力素子の形成
    方法。
  58. 【請求項58】 前記シリコン系薄膜が選択配向性をも
    つことを特徴とする請求項57に記載の光起電力素子の
    形成方法。
  59. 【請求項59】 前記シリコン層が、前記シリコン系薄
    膜と同じ選択配向性をもつことを特徴とする請求項58
    に記載の光起電力素子の形成方法。
  60. 【請求項60】 前記選択配向性が、(110)である
    ことを特徴とした請求項48または49に記載の光起電
    力素子の形成方法。
  61. 【請求項61】 前記選択配向性が、前記基板の配向性
    と異なることを特徴とした請求項58に記載の光起電力
    素子の形成方法。
  62. 【請求項62】 前記液相成長法が、水素雰囲気中で行
    なわれることを特徴とする請求項49に記載の光起電力
    素子の形成方法。
  63. 【請求項63】 前記高周波プラズマ法で用いる原料ガ
    スが、シリコン原子を含有するガスと水素を含むことを
    特徴とする請求項49に記載の光起電力素子の形成方
    法。
  64. 【請求項64】 前記原料ガスが、ドーピングガスを含
    むことを特徴とする請求項63に記載の光起電力素子の
    形成方法。
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