JP2002139780A - カメラ - Google Patents

カメラ

Info

Publication number
JP2002139780A
JP2002139780A JP2000331924A JP2000331924A JP2002139780A JP 2002139780 A JP2002139780 A JP 2002139780A JP 2000331924 A JP2000331924 A JP 2000331924A JP 2000331924 A JP2000331924 A JP 2000331924A JP 2002139780 A JP2002139780 A JP 2002139780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical axis
assembly
key ring
axis direction
camera
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000331924A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Nakamori
雅夫 中森
Hiroshi Soma
博志 相馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000331924A priority Critical patent/JP2002139780A/ja
Publication of JP2002139780A publication Critical patent/JP2002139780A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、撮影レンズを支持して繰出し、沈胴
を行なうレンズ鏡胴を備えたカメラに関し、一方向のみ
の回転で繰出しと沈胴との双方の動きを実現するという
長所を踏襲しつつ、3段以上の段数の繰出し、沈胴を実
現したレンズ鏡胴を備えた。 【解決手段】駆動筒組立体400、第1移動筒組立体5
00、第2移動筒組立体600、および第3移動筒組立
体700を備え、繰出し、沈胴の段数を増やすときは第
1移動筒組立体500と同一の構成のものを複数段備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影レンズを支持
して繰出し、沈胴が行なわれるレンズ鏡胴を備えたカメ
ラに関し、詳細には正転逆転自在な電動モータの一方向
の回転によりレンズ鏡胴を駆動し他方向の回転により他
の機構を駆動するのに好適なレンズ鏡胴を有するカメラ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラには、例えばレンズ鏡胴の
繰出し、沈胴機構、ピント調節機構、フィルム給送機
構、インスタント写真用カメラにおけるフィルム展開排
出機構など、様々な機構を備えたものが知られており、
それらの機構を内蔵したカメラの中には、さらに電動モ
ータを内蔵して、その電動モータによりそれらの機構を
駆動するように構成されたものもある。
【0003】ここで、そのような電動モータを備えたカ
メラにおいて、電動モータの数を減らすために、1つの
電動モータの回転方向を切り替えることによって、それ
ぞれ別々の機構を駆動するという思想が従来から知られ
ている。例えば、実用新案登録第1869801号公報
によれば、1個の電動モータを使用し、その電動モータ
の、ある一方向への回転によって鏡胴の広角・望遠切替
駆動を行ない、他方向への回転によって他の機構、例え
ばフィルム給送機構あるいはシャッタセット機構等を駆
動する技術が開示されている。また、特開平9−236
854号公報には、1個の電動モータをある一方向に回
転させることによってフィルム給送、巻上げ、および巻
戻しを行ない、他方向に回転させることによって、それ
とは異なる機構を動作させる技術が開示されている。
【0004】上記の公報に開示された思想は、いずれ
も、1個の電動モータの回転方向に応じて異なる機構を
駆動するというものであるが、1個の電動モータのある
回転方向でレンズ機構を駆動する、あるいはフィルム給
送等の機構を駆動する、というように、駆動の対象を提
案しているにとどまっており、その切替駆動機構を具体
的に実施する場合における問題の解決については、何ら
の示唆を与えるものではない。
【0005】これらに対し、特開2000−89282
号には、レンズ鏡胴に関し、1個の電動モータのある一
方向の回転のみで繰出しと沈胴との双方の動作を実現し
た具体的な構成が開示されている。この構成のレンズ鏡
胴を採用すると、電動モータのある一方向のみの回転で
繰出しと沈胴との双方の動作を実現することができるた
め、その電動モータの他方向への回転で別の機構を駆動
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に開示され
たレンズ鏡胴は、一段のみの繰出し、沈胴と、二段の繰
出し、沈胴に関するものであるが、これをどのようにす
れば、三段、あるいはそれ以上の段数の繰出し、沈胴を
行なうレンズ鏡胴に適用することができるかは示されて
おらず、一段と二段の繰出し、沈胴の機構が開示されて
いるのみである。
【0007】近年、カメラの益々の小型化、薄型化が要
求されてきており、このためには二段よりも三段、ある
いはそれ以上の段数の繰出し、沈胴を行なうレンズ鏡胴
が求められている。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、一方向のみの
回転で繰出しと沈胴との双方の動きを実現するという長
所を踏襲しつつ、三段以上の段数の繰出し、沈胴を実現
したレンズ鏡胴を備えたカメラを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のカメラは、カメラ本体、カメラ本体に固定され、光
軸方向に延びる第1直進キー溝と、撮影光軸を一周し一
周の間に光軸方向に一回以上前進して後退する無端形状
の第1カム溝とを内壁に有する第1キーリングと、その
第1キーリングを内部に収容し光軸方向には第1キーリ
ングに対し位置変化せずに光軸のまわりには駆動力の伝
達を受けて回転する、光軸方向に延びる第1直進ガイド
溝を内壁に有する第1回転リングとからなる第1組立
体、n=2,3,……,N、Nは2以上の正の整数と
し、nを小さい数から順に考えたときの、第n−1キー
リングの第n−1直進キー溝に係合する第n−1キーを
有するとともに、光軸方向に延びる第n直進キー溝と、
撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上前進し
て後退する無端形状の第nカム溝とを内壁に有する第n
キーリングと、その第nキーリングを内部に収容し光軸
方向には第nキーリングに対し位置変化せずに光軸のま
わりには第nキーリングに対し回転自在な、第n−1直
進ガイド溝に係合する第n−1駆動ピンと第n−1カム
溝に係合する第n−1カムピンとを外壁に有するととも
に、光軸方向に延びる第n直進ガイド溝を内壁に有する
第n回転リングとからなる、繰出し時には第n−1組立
体に対し前方に繰り出され沈胴時には第n−1組立体に
対し沈胴する第n組立体、第Nキーリングの第N直進キ
ー溝に係合する第Nキーを有するとともに、光軸方向に
延びる、内壁と外壁とに貫通した第N+1直進キー溝を
有する第N+1キーリングと、その第N+1キーリング
を内部に収容し光軸方向には第N+1キーリングに対し
位置変化せずに光軸のまわりには第N+1キーリングに
対し回転自在な、第N直進ガイド溝に係合する第N駆動
ピンを外壁に有するとともに、撮影光軸を一周し一周の
間に光軸方向に一回以上前進して後退する無端形状の第
N+1カム溝を内壁に有する第N+1回転リングとから
なる、繰出し時には第N組立体に対し前方に繰り出され
沈胴時には第N組立体に対し沈胴する第N+1組立体、
および内部に撮影レンズ組を収容し、第N+1直進キー
溝を貫通して第N+1カム溝に係合する第N+1カムピ
ンを外壁に有する第N+2組立体を備えたことを特徴と
する。
【0010】上記本発明によれば、一方向のみの回転で
繰出しと沈胴との双方の動きが実現された、三段以上の
段数の繰出し、沈胴を行なうレンズ鏡胴を備えたカメラ
が実現する。
【0011】ここで、上記本発明のカメラを、具体的に
三段繰出し、沈胴のレンズ鏡胴を備えたカメラとして表
現すると、以下のようになる。すなわち、三段繰出し、
沈胴に特化したときの本発明のカメラは、カメラ本体、
カメラ本体に固定され、光軸方向に延びる第1直進キー
溝と、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上
前進して後退する無端形状の第1カム溝とを内壁に有す
る第1キーリングと、その第1キーリングを内部に収容
し光軸方向には第1キーリングに対し位置変化せずに光
軸のまわりには駆動力の伝達を受けて回転する、光軸方
向に延びる第1直進ガイド溝を内壁に有する第1回転リ
ングとからなる第1組立体、第1キーリングの第1直進
キー溝に係合する第1キーを有するとともに、光軸方向
に延びる第2直進キー溝と、撮影光軸を一周し一周の間
に光軸方向に一回以上前進して後退する無端形状の第2
カム溝とを内壁に有する第2キーリングと、その第2キ
ーリングを内部に収容し光軸方向には第2キーリングに
対し位置変化せずに光軸のまわりには第2キーリングに
対し回転自在な、第1直進ガイド溝に係合する第1駆動
ピンと第1カム溝に係合する第1カムピンとを外壁に有
するとともに、光軸方向に延びる直進ガイド溝を内壁に
有する第2回転リングとからなる、繰出し時には第1組
立体に対し前方に繰り出され沈胴時には第1組立体に対
し沈胴する第2組立体、第2キーリングの第2直進キー
溝に係合する第2キーを有するとともに、光軸方向に延
びる、内壁と外壁とに貫通した第3直進キー溝を有する
第3キーリングと、その第3キーリングを内部に収容し
光軸方向には第3キーリングに対し位置変化せずに光軸
のまわりには第3キーリングに対し回転自在な、第2直
進ガイド溝に係合する第2駆動ピンを外壁に有するとと
もに、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上
前進して後退する無端形状の第3カム溝を内壁に有する
第3回転リングとからなる、繰出し時には第2組立体に
対し前方に繰り出され沈胴時には第2組立体に対し沈胴
する第3組立体、および内部に撮影レンズ組を収容し、
第3直進キー溝を貫通して第3カム溝に係合する第3カ
ムピンを外壁に有する第4組立体を備えたことを特徴と
する。
【0012】また、本発明のカメラを、四段繰出し、沈
胴のレンズ鏡胴を備えたカメラとして表現すると、以下
のようになる。すなわち、四段繰出し、沈胴に特化した
本発明のカメラは、カメラ本体、カメラ本体に固定さ
れ、光軸方向に延びる第1直進キー溝と、撮影光軸を一
周し一周の間に光軸方向に一回以上前進して後退する無
端形状の第1カム溝とを内壁に有する第1キーリング
と、その第1キーリングを内部に収容し光軸方向には第
1キーリングに対し位置変化せずに光軸のまわりには駆
動力の伝達を受けて回転する、光軸方向に延びる第1直
進ガイド溝を内壁に有する第1回転リングとからなる第
1組立体、第1キーリングの第1直進キー溝に係合する
第1キーを有するとともに、光軸方向に延びる第2直進
キー溝と、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回
以上前進して後退する無端形状の第2カム溝とを内壁に
有する第2キーリングと、その第2キーリングを内部に
収容し光軸方向には第2キーリングに対し位置変化せず
に光軸のまわりには第2キーリングに対し回転自在な、
第1直進ガイド溝に係合する第1駆動ピンと第1カム溝
に係合する第1カムピンとを外壁に有するとともに、光
軸方向に延びる直進ガイド溝を内壁に有する第2回転リ
ングとからなる、繰出し時には第1組立体に対し前方に
繰り出され沈胴時には第1組立体に対し沈胴する第2組
立体、第2キーリングの第2直進キー溝に係合する第2
キーを有するとともに、光軸方向に延びる第n直進キー
溝と、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上
前進して後退する無端形状の第nカム溝とを内壁に有す
る第3キーリングと、その第3キーリングを内部に収容
し光軸方向には第3キーリングに対し位置変化せずに光
軸のまわりには第3キーリングに対し回転自在な、第2
直進ガイド溝に係合する第2駆動ピンと第2カム溝に係
合する第2カムピンとを外壁に有するとともに、光軸方
向に延びる直進ガイド溝を内壁に有する第3回転リング
とからなる、繰出し時には第2組立体に対し前方に繰り
出され沈胴時には第2組立体に対し沈胴する第3組立
体、第3キーリングの第3直進キー溝に係合する第3キ
ーを有するとともに、光軸方向に延びる、内壁と外壁と
に貫通した第4直進キー溝を有する第4キーリングと、
その第4キーリングを内部に収容し光軸方向には第4キ
ーリングに対し位置変化せずに光軸のまわりには第4キ
ーリングに対し回転自在な、第3直進ガイド溝に係合す
る第3駆動ピンを外壁に有するとともに、撮影光軸を一
周し一周の間に光軸方向に一回以上前進して後退する無
端形状の第4カム溝を内壁に有する第4回転リングとか
らなる、繰出し時には第3組立体に対し前方に繰り出さ
れ沈胴時には第3組立体に対し沈胴する第4組立体、お
よび内部に撮影レンズ組を収容し、第4直進キー溝を貫
通して第4カム溝に係合する第4カムピンを外壁に有す
る第5組立体を備えたことを特徴とする。
【0013】五段以上の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴を備
えたカメラについても、上記と同様に表現することがで
きる。
【0014】ここで、上記本発明のカメラにおいて、m
=1,2,……,N+1としたとき、第mカム溝は、撮
影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上前進して
後退する無端形状を有するとともに、第m+1組立体を
繰出状態に規制する部分に光軸方向に対し垂直な方向に
延びる平坦部を有するものであることが好ましい。
【0015】このような平坦部を有すると、繰出状態に
あるレンズ鏡胴の先端が何かに触れたりして多少の外力
が加わっても繰出量が変化してしまうことが防止され
る。
【0016】また、上記の平坦部を有する構成におい
て、第1,第2,……,第N+1カム溝のうちの少なく
とも1つの第m’カム溝は、平坦部を有するものである
ことに代えて、第m’+1組立体を繰出状態に規制する
部分に、第m’+1組立体を相互に繰出量の異なる複数
の繰出位置のいずれにも停止自在とするための、それぞ
れが光軸方向に対し垂直な方向に延びる複数の段を有す
るものであることがさらに好ましい。
【0017】このように、複数の段を有するカム溝を構
成すると、移動筒組立体が繰出状態にあるときにレンズ
鏡胴光軸が外力により押されても、その繰出量が変化し
てしまうことが防止されるという効果を保持しつつ、さ
らに繰出量が互いに異なる複数の位置のいずれにも停止
させることができ、繰出状態と沈胴状態との間で往復動
させるだけではなく、さらに、焦点調節も行うことがで
きる。
【0018】本発明のカメラは、一方向の回転によって
繰出しを行ない、他方向への回転によって沈胴を行なう
ことも可能ではあるが、正転逆転自在な電動モータを備
え、第1組立体の第1回転リングは、電動モータの一方
向への回転駆動力を受けて一方向に回転するものであっ
て、その第1回転リングが一方向に回転することによ
り、第2〜第N+2組立体が撮影光軸方向に繰出しおよ
び沈胴の双方を行なうものであることが好ましい。
【0019】こうすることにより、電動モータの他方向
への回転を別の機構を動作させることができる。例え
ば、具体的には、このカメラが、撮影面に撮影光の露光
を受けて排出されその排出の途中で現像液が展開されて
現像されるインスタント写真用のフイルムユニットが装
填されてフイルムユニット上に写真撮影を行なうインス
タントカメラであった場合に、フイルムユニットの排出
および現像液の展開を行なうフィルム排出展開機構を備
え、そのフィルム排出展開機構を、電動モータの、上記
一方向とは異なる他方向への回転駆動力の伝達を受けて
動作する、ように構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態としてのカメ
ラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【0022】図1に示すカメラ100は、インスタント
写真用のフイルムユニットが内蔵されたフィルムパック
が装填され、そのフィルムパック内のフイルムユニット
に撮影を行なう、比較的コンパクトなインスタントカメ
ラである。
【0023】ここで用いられるフイルムユニットは、そ
の撮影面に撮影光の露光を受けてカメラ外部に排出さ
れ、その排出の途中で前記フイルムユニット内に現像液
が展開されて現像され、速やかに写真があらわれるタイ
プの写真フィルムである。
【0024】この図1に示すカメラ100には、閃光を
発光し反射光量に応じて発光を停止する自動調光閃光装
置、外界輝度に応じて露光を調節する自動露光調節装
置、および撮影レンズを支持して繰出し、沈胴を行なう
レンズ鏡胴などが備えられている。
【0025】このカメラ100は、本体カバー101
と、その本体カバー101とともにこのカメラ100の
外観を成す前カバー102を有し、それら本体カバー1
01と前カバー102とに囲まれた内部に、カメラ本体
が備えられている。
【0026】このカメラ100の前面中央部には、撮影
レンズ111aを内部に備えたレンズ鏡胴111が備え
られている。さらに、このカメラ100の右側(図1上
では左側)には、シャッタボタン112が配置されてい
る。また、シャッタボタン112の斜め上には、前面に
プロテクタ113が配置されたフラッシュ発光部114
が備えられている。さらに、フラッシュ発光部114の
左側(図1上では右側)には、フラッシュ発光時に被写
体で反射して戻ってきたフラッシュ光の光量を受光する
自動調光用受光素子(図示せず)にフラッシュ光を導く
ためのフラッシュ受光窓115、および内蔵された自動
露光調節用受光素子(AEセンサ;図示せず)に光を導
くためのAE受光窓116が備えられている。
【0027】また、このカメラ100には実像式ファイ
ンダが搭載されており、フラッシュ発光部114に隣接
した位置にはファインダ対物窓117が配置されてお
り、さらにそのファインダ対物窓117の斜め上部に
は、カメラ100の後部に開口したファインダ接眼窓1
18が配置されている。
【0028】また、このカメラ100の上部には、撮影
の行なわれたフイルムユニットをカメラ100の外部に
排出するためのフイルムユニット排出口119が設けら
れている。さらに、このカメラ100の上部には、図1
の左側から順に、フイルムコマ数や遠近切替等を表示す
るための液晶表示部120、電源スイッチ130、遠近
切替スイッチ140、明るさ補正用スイッチ150、お
よび強制発光スイッチ160が備えられている。
【0029】図2は、図1に示すカメラに内蔵された様
々な要素のうちの駆動機構の部分を示す分解斜視図であ
る。
【0030】この駆動機構200は、途中に遊星機構2
20が配備されたギアトレイン230を有し、電池30
0からの電力で正転逆転自在に回転するモータ210の
駆動力を、ギアトレイン230を介して、その遊星機構
220で駆動力の伝達経路を切り換えて、モータ210
が正転するときはその駆動力をレンズ鏡胴111の駆動
ギア421に伝え、モータ210が逆転するときは、そ
の駆動力を、フイルムユニットを排出しながら現像液を
展開する展開駆動ロール240に伝達する。図中、歯車
と歯車とを結ぶ一点鎖線は、その一点鎖線で結ばれた歯
車同士が互いに噛合していることを表わしてる。尚、図
2においてはレンズ鏡胴111はその存在のみ示すため
に1つの筒で示されているが、実際はさらに複雑な構造
を有している。このレンズ鏡胴111の詳細は後述す
る。
【0031】ギアトレイン230のうちの一部のギアト
レイン230aは、下地板250と上地板260とに挟
まれて1つのユニットを構成している。
【0032】また、ギアトレイン230を構成する他の
一部のギアトレイン230bは、下地板250とカメラ
本体350とに挟まれた機能となっている。
【0033】ここで、上記のユニットを構成する上地板
260の、ギアトレイン230aを押さえる面とは反対
側の面には、電池300と、モータ210と、さらに自
動調光閃光発光装置のメインコンデンサ340が装着さ
れる装着部を構成している。ただし、メインコンデンサ
340と電池300は、その上地板260の装着部のみ
をもってそこに保持されるのではなく、メインコンデン
サ340は、外装カバー取付部材360があてがわれる
ことによりそこに保持され、電池300は、上地板26
0の装着部と外装カバー取付部材360とで形成される
電池室内に保持される。外装カバー取付部材360につ
いてはさらに後述する。
【0034】このように本実施形態では、上地板260
を地板としての役割りのみでなく、その裏面を、電池3
00と、モータ210と、メインコンデンサ340とを
装着する装着部として使用しており、地板の、このよう
な多用途化により、このカメラ100の小型化を図りつ
つ高性能化を図っている。
【0035】この装着部に装着されたメインコンデンサ
340には、図示しない充電回路により、電池300の
電力が昇圧されて蓄積され、撮影にあたりその蓄積され
た電力が放出されてフラッシュ発光部140から被写体
に向けてフラッシュ光が発光され、被写体で反射して戻
ってきたフラッシュ光がフラッシュ受光窓115内に配
置された自動調光用受光素子で受光され、その受光光量
が所定光量に達した時点でそのフラッシュ光が停止する
ように構成されている。
【0036】この装着部に装着されたメインコンデンサ
340は、前述したように、外装カバー取付部材360
により上地板260の装着部に固定されており、また、
この上地板260の装着部と外装カバー取付部材360
とにより、電池300が装填される電池室が形成されて
いる。また、本体カバー101は、その外装カバー取付
部材360に取り付けられている。この外装カバー取付
部材360の、本体カバー101の内壁面に接触あるい
は近接する部分は、その本体カバー101の内壁面にほ
ぼ沿った形状を有しており、本体カバー101が押され
たときの、その本体カバー101の剛性を高める役割り
も兼ねている。尚、この図2において、ビスと穴とを結
ぶ一点鎖線は、ビスと、そのビスによる固定のためにそ
のビスが挿入される穴との関係を示している。
【0037】通常、外装カバー(このカメラ100にお
ける本体カバー101や前カバー102)はカメラ本体
に固定されるが、本実施形態では、本体カバー101は
カメラ本体に直接に固定されるのではなく、外装カバー
取付部材360を介して固定されている。このように外
装カバー(本体カバー101)をカメラ本体に直接に取
り付けるのではなく外装カバー取付部材360を介在さ
せることによって、内部の要素のレイアウトの自由度が
高められ、かつ外装カバーのデザインの自由度も高めて
いる。ここで、外装カバー取付部材360は、単にカメ
ラ本体と本体カバー101との間の仲介の役割りを担う
のみではなく、メインコンデンサ340を上地板260
に固定したり、上地板260との間に電池室を形成する
などの多用途化が図られている。このようにして、この
カメラ100は、この外装カバー取付部材360の多用
途化の工夫によっても内部要素のレイアウトや外観デザ
インの自由度が増し、かつ小型化に寄与する構成となっ
ている。
【0038】図3は、図1に示すカメラのレンズ鏡胴の
光軸方向の縦断面図である。この図3の上部には繰出状
態、下部には沈胴状態のレンズ鏡胴が示されている。
【0039】このレンズ鏡胴は、それぞれが筒状に構成
された、駆動筒組立体400、第1移動筒組立体50
0、第2移動筒組立体600、および第3移動筒組立体
700から構成されている。これら駆動筒組立体40
0、第1移動筒組立体500、第2移動筒組立体60
0、および第3移動筒組立体700は、この実施形態に
おいては、それぞれ、本発明にいう第1組立体、第2組
立体、第3組立体、および第4組立体に相当する。
【0040】駆動筒組立体400は、カメラ本体350
に固定された固定筒410と、その固定筒410を内部
に収容した回転筒420とから構成されている。これら
固定筒410および回転筒420は、本発明にいう第1
組立体の、それぞれ第1キーリングおよび第1回転リン
グに相当する。
【0041】固定筒410は、その内壁に、光軸方向に
延びる直進キー溝411が形成されている。この直進キ
ー溝411は、固定筒410を光軸のまわりに3等分し
た位置にそれぞれ1本ずつ合計3本形成されており、こ
の図3では、そのうちの1本のみが示されている。
【0042】また、固定筒410の内壁には、撮影光軸
を一周し、その一周の間に光軸方向について3回、前進
と後退を繰り返す無端形状のカム溝412が形成されて
いる。
【0043】また、駆動筒組立体400を構成する回転
筒420は、撮影光軸Lの方向については固定筒410
に対して位置変化せずに、光軸のまわりにはその固定筒
410に対し回転するように構成されている。回転筒4
20の外壁には、電動モータ210(図2参照)からの
回転駆動力の伝達を受ける駆動ギア421(図2参照)
が形成されており、この回転筒420は、その駆動ギア
421への駆動力の伝達を受けて光軸のまわりに回転す
る。
【0044】また、回転筒の内壁には、光軸方向に延び
る直進ガイド溝422が形成されている。この直進ガイ
ド溝422は、回転筒420を光軸のまわりに3等分し
た位置にそれぞれ1本ずつ、合計3本形成されており、
この図3ではそのうちの1本のみが示されている。
【0045】また、第1移動筒組立体500は、キーリ
ング510と、そのキーリング510を内部に収容する
回転筒520とから構成されている。この第1移動筒組
立体500を構成するキーリング510は、その後端
に、固定筒410の直進キー溝411に係合するキー5
11が形成されており、また、そのキーリング510の
内壁には、光軸方向に延びる直進キー溝512が形成さ
れている。これらキー511および直進キー溝512
は、そのキーリング510を光軸の3等分した位置にそ
れぞれ形成されており、この図3ではそのうちの1本ず
つが示されている。
【0046】また、キーリング510の内壁には、撮影
光軸を一周しその一周の間に光軸方向に3回、前進と後
退を繰り返す無端形状のカム溝513が形成されてい
る。また、このキーリング510の外壁には円周方向に
一周する溝514が形成されている。
【0047】また、この第1移動筒組立体500を構成
する回転筒520は、その後端に、キーリング510の
溝514に嵌入する爪521を有し、このため、光軸方
向にはキーリング510に対して位置変化せずに光軸の
まわりにはこのキーリング510に対し回転自在となっ
ている。その回転筒520の外壁には、回転筒420の
直進ガイド溝422に係合する駆動ピン522が設けら
れており、また、その回転筒520の外壁には、固定筒
410に設けられたカム溝412に係合するカムピン5
23も設けられている。また、この回転筒520の内壁
には、光軸方向に延びる直進ガイド溝524が設けられ
ている。これらの駆動ピン522、カムピン523、お
よび直進ガイド溝524は、この回転筒520を光軸の
まわりに3等分した各位置それぞれに設けられており、
この図3にはそれらのうちの1つずつが示されている。
【0048】ここで、駆動筒組立体400と第1移動筒
組立体500の動作を説明する。
【0049】図3の下方に示すような沈胴状態にあると
きに電動モータ210(図2参照)からの駆動力が駆動
ギア421に伝達されると、その駆動ギア421をもつ
回転筒420が回転し、直進ガイド422と、第1移動
筒組立体500の回転筒520の駆動ピン522とが係
合していることから、回転筒420の回転に伴って回転
筒520も同一方向に同一回転量だけ回転する。ここ
で、固定筒410の内壁に設けられたカム溝412(カ
ム溝412の形状については図4参照)に、回転筒52
0のカムピン523が係合しているため、回転筒520
は、回転しながら、そのカム溝412に案内された量だ
け光軸前方に繰り出される。このとき、固定筒410の
直進キー溝411にキーリング510のキー511が係
合しているため、キーリング510は、回転は伴なわず
に、回転筒520の光軸前方への繰り出しに従って一緒
に繰り出される。
【0050】駆動筒組立体400の回転筒420が同じ
方向にさらに回転すると、今度はカムピン523がカム
溝412の、光軸後方に案内する部分(図4参照)に案
内されて第1移動筒組立体500は光軸後方に移動し、
再び図3下部に示す沈胴状態となる。
【0051】図3のレンズ鏡胴の構成についてさらに説
明を続ける。
【0052】第2移動筒組立体600は、キーリング6
10と、そのキーリングを内部に収容する回転筒620
とから構成されている。
【0053】キーリング610は、その後部に、第1移
動筒組立体500のキーリング510の直進キー溝51
2に係合するキー611が形成されており、また、その
内壁と外壁とを貫通して光軸方向に延びる直進キー溝6
12が形成されている。これらキー611および直進キ
ー溝612は、そのキーリング510を光軸のまわりに
3等分した位置にそれぞれ形成されており、この図3で
はそれらのうちの1つずつが示されている。またこのキ
ーリング510の外壁には円周方向に一周する溝613
が形成されている。
【0054】また、この第2移動筒組立体600を構成
する回転筒620は、その後端に、キーリング610の
溝613に嵌入する爪621を有し、このため、光軸方
向にはキーリング610に対して位置変化せずに光軸の
まわりにはキーリング610に対し回転自在となってい
る。その回転筒620の外壁には、回転筒520の直進
ガイド溝524に係合する駆動ピン622が設けられて
おり、また、その回転筒620の外壁には、キーリング
510に設けられたカム溝513に係合するカムピン6
23も設けられている。これらの駆動ピン622および
カムピン623は、この回転筒620を光軸のまわりに
3等分した各位置をそれぞれに設けられており、この図
3にはそれらのうちの1つずつが示されている。
【0055】また、この回転筒620の内壁には、撮影
光軸を一周し、その一周の間に先端方向に直進と後退を
3回繰り返す無端形状のカム溝624が形成されてい
る。
【0056】この第2移動筒組立体600を前述の第1
移動筒組立体500と比べると、主な点として以下のよ
うな相違点がある。
【0057】すなわち、先ず第1に、第1移動筒組立体
500のキーリング510の直進キー溝512は、その
キーリング510の内壁に形成されており、必ずしも内
壁と外壁との間に貫通している必要はないが、第2移動
筒組立体600のキーリング610の直進キー溝612
は、そのキーリング610の内壁と外壁との間で貫通し
て形成されている。また第2に、第1移動筒組立体50
0では、そのキーリング510にカム溝513が形成さ
れているが、第2移動筒組立体600では、その回転筒
620にカム溝624が形成されている。それらの作用
については後述することとし、ここでは、第1移動筒組
立体500と第2移動筒組立体600の動作を説明す
る。
【0058】図3の下方に示すような沈胴状態になると
きに電動モータ210(図2参照)からの駆動力が駆動
ギア421に伝達されると、前述したメカニズムによ
り、駆動筒組立体400に対し第1移動筒組立体500
が光軸前方に移動する。このとき、その第1移動筒組立
体500のキーリング510は、光軸方向に直進し、回
転筒520は、回転しながら光軸方向に前進する。
【0059】ここで、第2移動筒組立体600の回転筒
620の駆動ピン622が第1移動筒組立体500の回
転筒520の直進ガイド溝524に係合しているため、
回転筒520の回転に伴って回転筒620も同一方向に
同一回転量だけ回転する。また、回転筒620のカムピ
ン623がキーリング510のカム溝513(カム溝5
13の形状については図4を参照)に係合しているた
め、回転筒620は、回転しながらそのカム溝513に
案内された量だけ、第1移動筒組立体500に対しさら
に前方に繰り出される。このとき、キーリング510の
直進キー溝512にキーリング610のキー611が係
合しているため、キーリング610は回転は伴なわずに
回転筒620の光軸前方への繰り出しに従って一緒に繰
り出される。
【0060】第1移動筒組立体500の回転筒520が
同じ方向にさらに回転すると、今度はカムピン623
が、カム溝513の、光軸後方に案内する部分(図4参
照)に案内されて、第2移動筒組立体600が第1移動
筒組立体500に対し光軸後方に移動し、再び、図3下
部に示す沈胴状態となる。
【0061】図3のレンズ鏡胴の構成についてさらに説
明を続ける。
【0062】第3移動筒組立体700は内部に撮影レン
ズ111a(図1参照;この図3では図示省略)を収容
するものであり、この第3移動筒組立体700は直進移
動筒710を備えたものである。この直進移動筒710
には、その外壁に、第2移動筒組立体600のキーリン
グ610に形成された、その内壁と外壁との間を貫通す
る直進キー溝612を貫通して、回転筒620に形成さ
れたカム溝624に係合するカムピン711が設けられ
ている。このカムピン711は、直進移動筒710を光
軸まわりに3等分した各位置にそれぞれ1つずつ合計3
つ設けられており、この図3ではそのうちの1つが示さ
れている。
【0063】第2移動筒組立体600と第3移動筒組立
体700の動作は以下のとおりである。
【0064】図3の下方に示すような沈胴状態にあると
きに電動モータ210(図2参照)からの駆動力が駆動
ギア421に伝達されると、前述したようにして第1移
動筒組立体500の繰り出し動作を介して、第2移動筒
組立体600が第1移動筒組立体500に対しさらに光
軸方向前方に移動する。このとき、その第2移動筒組立
体600のキーリング610は、光軸方向に直進し、回
転筒620は回転しながら光軸方向に前進する。
【0065】ここで、第3移動筒組立体700の直進移
動筒710は、そのカムピン711が第2移動筒組立体
のキーリング610に設けられた直進キー溝612を貫
通しているため、その直進移動筒710は、回転が防止
され、光軸方向にのみ移動が可能となっている。また、
そのそのカムピン711は、第2移動筒組立体の回転筒
620に設けられたカム溝624に係合しているため、
その回転筒620が回転するとそのそのカム溝624に
案内されて光軸方向に直進移動する。すなわち、図3の
下方に示すような沈胴状態にあるときに電動モータ21
0(図2参照)からの駆動力が駆動ギア421に伝達さ
れると、第1移動筒組立体500の繰り出し動作を介し
て第2移動筒組立体600も繰り出し動作を行ない、第
3移動筒組立体700の直進移動筒710は、その繰り
出し動作における第2移動筒組立体600の回転リング
620の回転に伴って、カム溝624に案内された量だ
け、その第2移動筒組立体600に対しさらに光軸前方
に繰り出される。
【0066】第2移動筒組立体600の回転リング62
0が同じ方向にさらに回転すると、今度は、カムピン7
11が、カム溝624の、光軸後方に案内する部分(図
4参照)に案内されて、直進移動筒710は、第2移動
筒組立体600に対し光軸後方に移動し、再び下方に示
す沈胴状態となる。
【0067】ここには図示省略されているが、レンズ鏡
胴の前面の撮影レンズの周囲には、様々な文字やデザイ
ンが印刷されていることが多く、最前段の移動筒(ここ
に示す例では第3移動筒組立体700の直進移動筒71
0)が回転を伴って繰り出し、沈胴を行なうと、その文
字やデザインも、繰出し、沈胴に伴って回転してしまう
ことになり、デザイン上好ましくない。この実施形態で
は、最前段には回転を伴なわずに直進的に移動する直進
移動筒710を備えているため、そのような文字やデザ
インの回転が防止され、デザイン上も好ましいものとな
っている。
【0068】図4は、駆動筒組立体400を構成する固
定筒410、第1移動筒組立体500構成するキーリン
グ510、および第2移動筒組立体600を構成する回
転筒620の内壁面を光軸方向に垂直な方向に展開して
示した図である。ただし横軸は、内壁面の実寸比ではな
く、光軸周りの角度を示している。
【0069】固定筒410には、第1移動筒組立体50
0の回転筒520に設けられた3本のカムピン523
(図3参照)が係合するカム溝412が形成されてい
る。このカム溝412は、前述したように撮影光軸を一
周しその一周の間に光軸方向に前進と後退を3回繰り返
す無端状のカム溝であり、このカム溝412は、第1移
動筒組立体500を繰出状態に保持する位置に光軸方向
に対し垂直な方向に伸びる平坦部412aを有する。ま
た、この固定筒410の、カム溝412の平坦部412
aの後方には、第1移動筒組立体500のキーリング5
10に設けられた3つのキー511がそれぞれ係合す
る、光軸方向に延びる3本のキー溝411が形成されて
いる。
【0070】また、第1移動筒組立体500を構成する
キーリング510の内壁も同様に構成されており、そこ
には、第2移動筒組立体600の回転筒620に設けら
れた3本カムピン623(図3参照)が係合するカム溝
513が形成されている。このカム溝513は、前述し
たように、撮影光軸を一周しその一周の回転光軸方向に
前進と後退を交互に3回繰り返す無端状のものであり、
このカム溝513は、第2移動筒組立体600を繰出状
態に保持する位置に、光軸方向に対し垂直に延びる平坦
部513aを有する。また、この平坦部513aの後方
には、光軸方向に延びる3本のキー溝512が形成され
ている。これらのキー溝512には、第2移動筒組立体
600のキーリング610に設けられた3つのキー61
1がそれぞれ係合する。
【0071】また、第2移動筒組立体600を構成する
回転筒620には、第3移動筒組立体700の直進移動
筒710に設けられた3本のカムピン711が係合する
カム溝624が形成されている。尚、このカム溝624
は、回転筒620に形成されたものであり、繰出し、沈
胴に伴って回転筒620が回転するとこのカム溝624
は光軸のまわり(図4の左右方向)に移動するが、カム
溝とカムピンの動きは相対的なものであるため、ここで
はカム溝624は、光軸のまわりの移動は無視し、固定
筒410のカム溝412やキーリング510のカム溝5
13に対し作用上対応する位置に示してある。
【0072】この回転筒620に形成されたカム溝62
4は、撮影光軸を一周しその一周の間に光軸方向への前
進と後退を3回繰り返す無端状のカム溝であり、カム溝
624は、光軸方向前方を経由する部分に2つの段26
4b,264cを有する。これら2つの段264b,2
64cは、何れも、光軸方向に対し垂直な方向に延びる
平坦な形状を有する。
【0073】このカム溝624に係合する、第3移動筒
組立体700の直進移動筒710のカムピン711が段
624bに係合する位置まで回転するとその第3移動筒
組立体700が保持する撮影レンズは、近距離位置にピ
ント設定され、一方、そのカムピン711が段624c
に係合する位置まで回転すると撮影レンズは遠距離位置
にピント設定される。
【0074】このような平坦部や段を備えると、繰出状
態にあるレンズ鏡胴先端に外力が加わってもそのレンズ
鏡胴の繰出状態が維持され、撮影レンズの不用意な移動
によるピンボケ写真の発生が防止される。
【0075】尚、本実施形態ではカム溝624に2つの
段264b,264cが設けられているが、2段である
必要はなく、3段以上にして細かなピント調節を行なっ
てもよい。あるいは、カム溝624についても単なる一
段の平坦部を形成することにより、固定焦点式のカメラ
を構成し、あるいは、ピント調節のためのレンズ駆動
を、このカム溝とは別に行なうように構成してもよい。
【0076】また、本実施形態では、2つの段264
b,264cはカム溝624に設けられているが、カム
溝624には単なる平坦部を設け、他のカム溝、例えば
カム溝412やカム溝513の平坦部412a,513
aの部分に複数の段を設けてもよい。あるいは複数のカ
ム溝にそれぞれ複数の段を設けそれらの段の組合せによ
り細かなピント調節を行なうようにしてもよい。
【0077】以上の実施形態は、3段の繰出し、沈胴の
レンズ鏡胴を備えたカメラの例であるが、本発明は、4
段の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴、あるいはそれ以上の複
数の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴にも適用することができ
る。
【0078】以下に、4段の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴
を備えたカメラについて説明する。
【0079】図5は、図1に示すカメラが、3段の繰出
し、沈胴を行なうレンズ鏡胴に代えて4段の繰出し、沈
胴を行なうレンズ鏡胴を備えたものである場合の、その
レンズ鏡胴111を光軸方向に断面して示した図であ
る。図3の場合と同様、図5の上部には繰出状態のレン
ズ鏡胴、図5の下部には沈胴状態のレンズ鏡胴が示され
ている。また、図6は、レンズ鏡胴を構成する各組立体
のカム溝が形成された各面の展開図であり、図3に示す
レンズ鏡胴における図4と同様な図である。図3,図4
に示す実施形態の各要素に対応する要素には、図3,図
4に付した符号と同一の符号を付して示し、相違点を中
心に説明する。
【0080】この図5に示すレンズ鏡胴111には、駆
動筒組立体400と、第1移動筒組立体500が備えら
れている。これら駆動筒組立体400および第1移動筒
組立体500の構成は、図3に示すレンズ鏡胴の、それ
ぞれ、駆動筒組立体400および第1移動筒組立体50
0と同一であり、従って重複説明は省略する。
【0081】また、この図5に示すレンズ鏡胴111に
は、第2移動筒組立体600と第3移動筒組立体700
が備えられており、これら第2移動筒組立体600およ
び第3移動筒組立体700の構成も、図3に示すレンズ
鏡胴の、それぞれ、第2移動筒組立体600および第3
移動筒組立体700と同一であり、これらについても説
明は省略する。
【0082】この図5に示すレンズ鏡胴111は、図3
に示すレンズ鏡胴と比べ、第1移動筒組立体500と第
2移動筒組立体600との間に、もう1つの移動筒組立
体500’が配置されている。この移動筒組立体50
0’は、第1移動筒組立体500と比べ筒の径が縮小さ
れていることを除き、構成上は第1移動筒組立体500
と同一である。したがって図6に示すようにカム面につ
いても同一であり、第1移動筒組立体500のキーリン
グ510に形成されたカム溝513に対応して、もう1
つの移動筒組立体500’のキーリング510’にもカ
ム溝513’が形成され、平坦部513に対応して平坦
部513’が形成され、直進キー溝512に対応して直
進キー溝512’が形成されている。
【0083】この移動筒組立体500’についてもこれ
以上の説明は不要であり、詳細説明は省略する。
【0084】尚、駆動筒組立体400、第1移動筒組立
体500、第2移動筒組立体600、および第3移動筒
組立体700は図3に示す実施形態におけるものと同一
であると説明したが、もう1つの移動筒組立体500’
が配置されていることから、筒の径については異なって
いる場合がある。
【0085】この図5に示す実施形態の場合、駆動筒組
立体400、第1移動筒組立体500、もう1つの移動
筒組立体500’、第2移動筒組立体600、および第
3移動筒組立体700が、それぞれ、本発明にいう、第
1組立体、第2組立体、第3組立体、第4組立体、およ
び第5組立体に相当する。
【0086】ここでは3段の繰出し、沈胴、および4段
の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴について説明したが、5段
以上の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴についても同様に構成
することができる。すなわち、5段の繰出し、沈胴のレ
ンズ鏡胴を構成するときは、図5の2段に並んだ同一構
成の移動筒組立体500,500’をもう1つ増やして
その部分を3段にすればよく、一般にM段の繰出し、沈
胴のレンズ鏡胴を構成するときは、その同一構成の移動
筒組立体500,500’の部分を(M−2)段にすれ
ばよい。
【0087】このようにして多数段の繰出し、沈胴を行
なうレンズ鏡胴を供えると、カメラをさらに薄型化する
ことができる。
【0088】尚、ここでは、フイルムをカメラ外部に送
り出すとともに現像するインスタントカメラに本発明を
適用した例で説明したが、本発明は、これに限られるも
のではなく、長尺の写真フイルム上にひと駒ずつ写真撮
影を行なう通常のカメラ、あるいはCCD受光素子アレ
イ上に被写体の像を結像させて画像を信号として取り込
む電子スチールカメラのいずれにも適用することができ
る。
【0089】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、一方向のみの回転で繰出しと沈胴との双方の動作を
実現しつつ、3段以上の多段の繰出し、沈胴を行なうレ
ンズ鏡胴を備え、カメラの薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのカメラを前面斜め
上から見た外観斜視図である。
【図2】図1に示すカメラに内蔵された様々な要素のう
ちの駆動機構の部分を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示すカメラのレンズ鏡胴の光軸方向の縦
断面図である。
【図4】駆動筒組立体を構成する固定筒、第1移動筒組
立体構成するキーリング、および第2移動筒組立体を構
成する回転筒の内壁面を光軸方向に垂直な方向に展開し
て示した図である。
【図5】4段の繰出し、沈胴のレンズ鏡胴を光軸方向に
断面して示した図である。
【図6】レンズ鏡胴を構成する各組立体のカム溝が形成
された各面の展開図である。
【符号の説明】
100 カメラ 111 レンズ鏡胴 210 電動モータ 240 展開駆動ロール 350 カメラ本体 400 駆動筒組立体 410 固定筒 411 キー溝 412 カム溝 412a 平坦部 420 回転筒 421 駆動ギア 422 直進ガイド 500 第1移動筒組立体 500’ 移動筒組立体 510 キーリング 511 キー 512 直進キー溝 512a 平坦部 513 カム溝 514 溝 520 回転筒 521 爪 522 駆動ピン 523 カムピン 524 直進ガイド溝 600 第2移動筒組立体 610 キーリング 611 キー 612 直進キー溝 613 溝 620 回転筒 621 爪 622 駆動ピン 623 カム溝 624 カム溝 624b,624c 段 700 第3移動筒組立体 710 直進移動筒 711 カムピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 17/52 G03C 3/00 510Y G03C 3/00 510 G02B 7/04 D Fターム(参考) 2H020 MA09 MB08 MC32 MC34 MC44 2H044 BD07 BD08 BD10 BD19 EA00 2H101 BB07 DD21 DD62 2H104 CA04 CB06 CC04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラ本体、 カメラ本体に固定され、光軸方向に延びる第1直進キー
    溝と、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に一回以上
    前進して後退する無端形状の第1カム溝とを内壁に有す
    る第1キーリングと、該第1キーリングを内部に収容し
    光軸方向には該第1キーリングに対し位置変化せずに光
    軸のまわりには駆動力の伝達を受けて回転する、光軸方
    向に延びる第1直進ガイド溝を内壁に有する第1回転リ
    ングとからなる第1組立体、 n=2,3,……,N、Nは2以上の正の整数とし、n
    を小さい数から順に考えたときの、 前記第n−1キーリングの第n−1直進キー溝に係合す
    る第n−1キーを有するとともに、光軸方向に延びる第
    n直進キー溝と、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向
    に一回以上前進して後退する無端形状の第nカム溝とを
    内壁に有する第nキーリングと、該第nキーリングを内
    部に収容し光軸方向には該第nキーリングに対し位置変
    化せずに光軸のまわりには該第nキーリングに対し回転
    自在な、前記第n−1直進ガイド溝に係合する第n−1
    駆動ピンと前記第n−1カム溝に係合する第n−1カム
    ピンとを外壁に有するとともに、光軸方向に延びる第n
    直進ガイド溝を内壁に有する第n回転リングとからな
    る、繰出し時には前記第n−1組立体に対し前方に繰り
    出され沈胴時には前記第n−1組立体に対し沈胴する第
    n組立体、 前記第Nキーリングの第N直進キー溝に係合する第Nキ
    ーを有するとともに、光軸方向に延びる、内壁と外壁と
    に貫通した第N+1直進キー溝を有する第N+1キーリ
    ングと、該第N+1キーリングを内部に収容し光軸方向
    には該第N+1キーリングに対し位置変化せずに光軸の
    まわりには該第N+1キーリングに対し回転自在な、前
    記第N直進ガイド溝に係合する第N駆動ピンを外壁に有
    するとともに、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に
    一回以上前進して後退する無端形状の第N+1カム溝を
    内壁に有する該第N+1回転リングとからなる、繰出し
    時には前記第N組立体に対し前方に繰り出され沈胴時に
    は前記第N組立体に対し沈胴する第N+1組立体、およ
    び内部に撮影レンズ組を収容し、前記第N+1直進キー
    溝を貫通して前記第N+1カム溝に係合する第N+1カ
    ムピンを外壁に有する第N+2組立体を備えたことを特
    徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 m=1,2,……,N+1としたとき、
    第mカム溝は、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に
    一回以上前進して後退する無端形状を有するとともに、
    第m+1組立体を繰出状態に規制する部分に光軸方向に
    対し垂直な方向に延びる平坦部を有するものであること
    を特徴とする請求項1記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 第1,第2,……,第N+1カム溝のう
    ちの少なくとも1つの第m’カム溝は、前記平坦部を有
    するものであることに代えて、前記第m’+1組立体を
    繰出状態に規制する部分に、前記第m’+1組立体を相
    互に繰出量の異なる複数の繰出位置のいずれにも停止自
    在とするための、それぞれが光軸方向に対し垂直な方向
    に延びる複数の段を有するものであることを特徴とする
    請求項2記載のカメラ。
  4. 【請求項4】 正転逆転自在な電動モータを備え、 前記第1組立体の第1回転リングは、前記電動モータの
    一方向への回転駆動力を受けて一方向に回転するもので
    あって、該第1回転リングが一方向に回転することによ
    り、前記第2〜第N+2組立体が撮影光軸方向に繰出し
    および沈胴の双方を行なうものであることを特徴とする
    請求項1記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 このカメラは撮影面に撮影光の露光を受
    けて排出され該排出の途中で現像液が展開されて現像さ
    れるインスタント写真用のフイルムユニットが装填され
    て該フイルムユニット上に写真撮影を行なうインスタン
    トカメラであって、 フイルムユニットの排出および現像液の展開を行なうフ
    ィルム排出展開機構を備え、 該フィルム排出展開機構は、前記電動モータの、前記一
    方向とは異なる他方向への回転駆動力の伝達を受けて動
    作するものであることを特徴とする請求項4記載のカメ
    ラ。
JP2000331924A 2000-10-31 2000-10-31 カメラ Withdrawn JP2002139780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000331924A JP2002139780A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 カメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000331924A JP2002139780A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 カメラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139780A true JP2002139780A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18808202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000331924A Withdrawn JP2002139780A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 カメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002139780A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140905A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Canon Inc レンズ保持機構及び撮像装置
JP7424843B2 (ja) 2020-01-22 2024-01-30 ニデックプレシジョン株式会社 カメラ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140905A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Canon Inc レンズ保持機構及び撮像装置
JP4724363B2 (ja) * 2003-11-05 2011-07-13 キヤノン株式会社 レンズ鏡筒及び撮像装置
JP7424843B2 (ja) 2020-01-22 2024-01-30 ニデックプレシジョン株式会社 カメラ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8019212B2 (en) Optical module for a photographing apparatus and photographing apparatus having the same
JP5094485B2 (ja) レンズ鏡筒および撮影装置
US20060002695A1 (en) Camera
US6072954A (en) Interlocking mechanism for camera
US6483994B2 (en) Lens device
JP2002139780A (ja) カメラ
JP2002107598A (ja) 沈胴式レンズ鏡筒及びこれを用いた光学機器
JP2003107562A (ja) ズーム連動機構
JP2003167180A (ja) 光学機器
JP2002182097A (ja) ズーム連動装置
US20100271712A1 (en) Lens apparatus and imaging apparatus
US20040246364A1 (en) Digital camera
JP2001249263A (ja) カメラ
US5768636A (en) Variable-focus photographic camera
JP2003222934A (ja) カメラ
JP3360859B2 (ja) カメラ
JP2002023227A (ja) ストロボ内蔵カメラ
JP4668149B2 (ja) 沈胴式のカメラ用レンズ鏡胴
JP3380103B2 (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2003222777A (ja) ズーム連動機構
JP3300605B2 (ja) レンズ鏡筒の直進案内機構
JP2001194573A (ja) カメラ
JP3831439B2 (ja) ズームレンズのレンズ駆動方法
US6574438B2 (en) Motor drive camera
JP2003057731A (ja) カメラ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108