JP2002138208A - 光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディスク基板 - Google Patents

光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディスク基板

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JP2002138208A JP2001131492A JP2001131492A JP2002138208A JP 2002138208 A JP2002138208 A JP 2002138208A JP 2001131492 A JP2001131492 A JP 2001131492A JP 2001131492 A JP2001131492 A JP 2001131492A JP 2002138208 A JP2002138208 A JP 2002138208A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性に優れ、且つその種類、用途などが瞬
時に判断しうると共に、光ディスク基板を成形した際に
退色現象、色ムラ、色スジ等が少なく、また電気特性の
良好な光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディ
スク基板を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A成分)および着色剤
(B成分)からなる着色マスターペレットであって、該
ペレットは、粒径1.0mm以下の粉末の含有量が25
0ppm以下であることを特徴とする光学成形品用着色
マスターペレットおよび光ディスク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学成形品用着色
マスターペレットに関するものである。詳しくは、意匠
性に優れ、且つその種類、用途などが瞬時に判断しうる
と共に、光ディスク基板等の光学成形品を成形した際に
退色現象、色ムラ、色スジ等が少なく、また電気特性の
良好な光学成形品用着色マスターペレットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来光記録媒体に着色を行う方法として
は、全着ペレットを用いた特開平1−102505号公
報には、特定染料からなるオレンジ色の光記録媒体が、
特開平2−33742号公報および特開平8−1242
12号公報には黒色の光記録媒体が提案されている。ま
た、特開平7−262606号公報には、極低濃度の着
色マスターペレットを用いた着色光ディスクが提案され
ている。
【0003】一方、特公平6−18890号公報にはペ
レット中の微粉末量をコントロールすることで光ディス
ク製造時のシルバー発生を抑える方法が記載されてい
る。また、特開平11−342510号公報には微粉末
の少ないペレットを用いた光ディスクの電気特性が良好
であることが記載されている。
【0004】しかしながら、光学用成形品の着色濃度が
比較的高い着色マスターペレットでは、透明ペレット、
全着ペレットや極低濃度の着色マスターペレットより着
色ペレットの分級および粉末の影響が大きく、光ディス
ク等の光学用成形品を成形した時、退色現象、色ムラ、
色スジの発生、電気特性の低下等が起こる新たな課題が
発生した。
【0005】一方、上記公報記載の透明ペレット、全着
ペレットや極低濃度の着色マスターペレットでは、着色
マスター化による上記課題を解決するには十分なもので
はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、意匠性に優
れ、且つその種類、用途などが瞬時に判断しうると共
に、光ディスク基板等の光学成形品を成形した際に退色
現象、色ムラ、色スジ等が少なく、また電気特性の良好
な光学成形品用着色マスターペレットに関する。特にレ
ーザー光によって光学的に情報信号の読み取りを行う光
ディスク用着色マスターペレットを提供することを目的
とするものである。本発明者等はかかる目的を達成する
ため鋭意検討した結果、特定の条件を満足する着色マス
ターペレットが本発明の目的を達成できるものであるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
(A成分)および着色剤(B成分)からなる着色マスタ
ーペレットであって、該ペレットは、粒径1.0mm以
下の粉末の含有量が250ppm以下であることを特徴
とする光学成形品用着色マスターペレットにかかるもの
である。
【0008】本発明でいう光学成形品とは、レンズ、光
カード、光ファイバー、光ディスク等であり、特に光デ
ィスクが好適である。かかる光ディスクとは、いわゆる
レーザ光の照射により情報の記録・再生をおこなう光デ
ィスクである。具体的な例としては、デジタルオーディ
オディスク(いわゆるコンパクトディスク:CD)、C
D−ROM、光学式ビデオディスク(いわゆるレーザデ
ィスク)やDVD−ROM、デジタルビデオディスク
(DVD−video)、DVD−R、CD−R、M
O、MD−MO、PD、DVD−RAM等の各種再生専
用型ディスク、追記型ディスク、光磁気ディスク、相変
化ディスク等が実用化されている。本発明の着色マスタ
ーペレトは、特にDVD−ROM、DVD−vide
o、DVD−R、DVD−RAM等で代表される高密度
光ディスクであるデジタルバーサタイルディスクの製造
に有用である。
【0009】本発明のA成分である熱可塑性樹脂として
は、芳香族ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィ
ン樹脂、アクリル樹脂、水添ポリスチレン樹脂、非晶性
ポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂などから
選択される熱可塑性樹脂を好ましく挙げることができ、
より好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂、または非
晶性ポリオレフィン樹脂である。非晶性ポリオレフィン
樹脂としては、三井化学(株)製のAPO樹脂、JSR
(株)製のアートン、日本ゼオン(株)製のゼオネック
ス、ダウ社のHPS樹脂等を挙げることができる。特に
芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。尚、芳香族ポ
リカーボネート樹脂の詳細については後述する。
【0010】本発明のB成分として使用される着色剤と
しては、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジ
ゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染
料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノ
リン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染
料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等
の有機系色剤やカーボンブラックが挙げられ、これらの
中でも透明性の有機系色剤が好ましい。更に好ましく
は、アンスラキノン系染料、ペリノン系染料、キノリン
系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジ
ゴ系染料をあげることができる。
【0011】B成分の染料の具体例としては、CI S
olvent Red 52、CISolvent R
ed 149、CI Solvent Red 15
0、CI Solvent Red 191、CI S
olvent Red 151、CI Solvent
Blue 94、CI Solvent 97、CI
Solvent Violet 13、CI Solv
ent Violet14、CI Solvent G
reen 3、CI Solvent Green 2
8として知られるアンスラキノン系染料、CI Vat
Orange 9、CI Vat Orange
2、CI Vat Orange 4として知られるピ
ランスロン類アンスラキノン系染料、イソジベンザンス
ロン類アンスラキノン系染料、CI Vat Oran
ge 1、CI Vat Yellow 4として知ら
れるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料など
を挙げることができる。チオインジゴ系染料としてはC
I Vat Red 2、CI Vat Red 4
1、CI Vat Red 47などを挙げることがで
きる。ペリレン系染料としては、CI Vat Red
15、CI VatOrange 7、およびBAS
F社製LUMOGENシリーズとして FOrange
240、F Red300、F Red305、F Y
ellow083、F Red339などを挙げること
ができる。クマリン系染料としては、バイエル社製MA
CROLEX Fluoresent Yellow
10GN(Solvent Yellow160:
1)、MACROLEX Fluorescent R
ed G、キノリン系染料としては、CI Solve
nt Yellow 33、CI Solvent Y
ellow 157、CISolvent Yello
w 54、CI Disperse Yellow 1
60などを挙げることができる。ペリノン系染料といて
は、CI Solvent Red 135、CI S
olvent Red 179、CI Solvent
Orange 60、フタロシアニン系染料としては
CI Pigment Blue 15:3、CI P
igment Green 7、CI Pigment
Green 36などを挙げることができる。これら
は1種または2種以上を併用でき、目的に応じた着色を
行うことが可能である。
【0012】尚、着色剤は十分に均一な分散を達成する
ため粒径の細かいものが好ましく、より好ましくは50
μm以下の粒径を有するものであり、かかる着色剤は各
種フィルターによる選別により得ることができる。
【0013】本発明のA成分およびB成分の割合として
は、好ましくはA成分100重量部に対して、B成分が
0.005〜10重量部である。かかる範囲において
は、光記録媒体にした場合に十分な彩度を有し、意匠性
に富んだ着色が可能であると共に、光ディスク基板等の
光学成形品を成形した際に電気特性の良好な光学成形品
が得られる。B成分の割合としてより好ましくはA成分
100重量部に対して0.01〜10重量部であり、特
に好ましく0.05〜5重量部である。
【0014】本発明の光記録媒体用着色樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で各種の熱安定剤、
離型剤、帯電防止剤、光安定剤などを更に配合すること
が可能である。
【0015】離型剤としては、ポリカーボネート樹脂に
使用される各種の離型剤が使用可能であるが、好ましく
は高級脂肪酸エステルである。かかる高級脂肪酸エステ
ルとしては、炭素数10〜34の脂肪族飽和一価カルボ
ン酸と一価または二価以上の多価アルコールとのエステ
ルを挙げることができる。かかる脂肪族飽和一価カルボ
ン酸としては、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン
酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、アラキシン酸、ベヘン酸、およびモンタン酸などが
挙げられる。
【0016】更に、好ましくは、炭素数10〜24、更
に好ましくは炭素数16〜22の脂肪族飽和一価カルボ
ン酸と二価以上の多価アルコールとの部分エステルを挙
げることができる。DVDでは極めて高温での成形が必
要とされるが、かかる部分エステルは高温時の成形にお
ける蛍光染料の特性の低下を抑制することが可能とな
る。二価以上の多価アルコールとしては、例えばエチレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなど
を挙げることができる。特に好ましくはステアリン酸と
グリセリンの部分エステルであり、これらは例えば理研
ビタミン(株)よりリケマールS−100Aという商品
名で市販されており、市場から容易に入手できる。かか
る離型剤の組成割合としては、A成分100重量部に対
して、0.005〜0.5重量部が好ましく、より好ま
しくは0.01〜0.2重量部である。
【0017】更に本発明の着色マスターペレットはその
製造については各種の方法を取ることができる。例えば
着色剤同士を予め混合しておき、(1)熱可塑性樹脂に
均一に混合した後溶融混練する方法、(2)単独または
複数の着色剤を樹脂に高濃度に添加し、ヘンシェルミキ
サーなどの混合機を使用してドライブレンドしたマスタ
ー剤を得たのち、残りの熱可塑性樹脂などに更に予備混
合して溶融混練する方法、(3)着色剤を独立して押出
機などの溶融混練機に供給し溶融混練する方法、(4)
着色剤を有機溶媒に溶解した後、溶融混練機に直接供給
する方法(着色剤溶液はフィルター濾過するのが好まし
い)、(5)前記(4)の着色剤溶液を高濃度に樹脂に
添加してヘンシェルミキサーなどの混合機によりマスタ
ー剤を作成後、残りの成分と溶融混練する方法、(6)
前記(5)のマスター剤を独立して押出機などの溶融混
練機に供給し溶融混練する方法、(7)着色剤溶液と熱
可塑性樹脂溶液を混合して(溶液はフィルター濾過する
のが好ましい)、スプレードライヤーなどで溶媒を除去
した粉末を溶融押出しする方法、(8)かかる着色剤溶
液と熱可塑性樹脂溶液の混合溶液を直接押出機などの溶
融混練機に供給する方法などを挙げることができる。か
かる溶融混練でペレットを得た後透明ペレットで所望の
濃度に希釈して光学成形品を成形する。希釈倍率は2〜
30倍が好ましく、3〜20倍がより好ましく、最も好
ましくは3〜10倍である。
【0018】尚、上記光記録媒体基板用着色樹脂組成物
の製造は、かかる樹脂組成物が通常高度な光学的特性を
要求されるため、かかる光学特性を阻害する異物の存在
を極力少なくすることが好ましい。かかる好ましい樹脂
組成物を得るためには、原料として異物量の少ないもの
を使用するとともに、押出機やペレタイザー等の製造装
置をフィルターなどを通して得られた清浄な空気の雰囲
気内に設置すると共に、冷却バス用の冷却水についても
イオン交換樹脂などを通して得られた金属イオンなどの
異物量の少ないものを使用し、更に原料の供給ホッパ
ー、供給流路や、得られたペレットの貯蔵タンク等につ
いてもより清浄な空気等で満たすことが好ましい。
【0019】また溶融混練に使用する装置としては、単
軸押出機、2軸押出機、加圧ニーダーなど一般に使用さ
れているものが使用可能であり、特に好ましくはベント
付きの2軸押出機であり、ベントから真空排気できるも
のが好ましい。使用する原料は、タンブラー、ブレンダ
ー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロー
ルなどで予め混合する方法、計量器を用いて独立に供給
する方法のいずれも使用可能であり、組合わせて使用す
ることも可能である。
【0020】本発明の樹脂組成物から成形品を得る方法
としては従来公知の種々の方法が使用でき、例えば射出
成形、押出成形、圧縮成形などの方法で所望の形状に成
形することができる。本発明の光記録媒体基板用着色樹
脂組成物はDVDに代表されるディスク形状の光記録媒
体の他、光カードなどの板状成形体にも好適なものであ
り、その他光記録媒体機能を有する貼り合わせ型記録媒
体各種の態様において好適なものである。すなわち、本
発明の光記録媒体基板用着色樹脂組成物は、流動性、耐
熱性、特定の光線透過性に優れ、更に意匠性や識別性に
優れるため、特に各種ビデオソフト用、コンピューター
ソフト用、ゲーム機ソフト用の光記録媒体基板用として
好適なものである。
【0021】以下に本発明のA成分として好適な芳香族
ポリカーボネート樹脂の詳細について説明する。本発明
で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂とは、通常二価
フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶
融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カー
ボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合
させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合
法により重合させて得られるものである。
【0022】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェ
ニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単
独または2種以上を混合して使用できる。
【0023】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用され、特にビスフェ
ノールAの単独重合体、または1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンとα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましい。
【0024】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0025】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必
要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防
止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は
三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポ
リカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の
二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネ
ート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネ
ート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0026】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,
6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4
−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノー
ル等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)
ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェ
ニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれ
らの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−
トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0027】かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる
多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリ
カーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましく
は0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01
〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の
場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、か
かる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全
量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜
0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%
であるものが好ましい。尚、かかる割合については1
−NMR測定により算出することが可能である。
【0028】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促
進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウ
ム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反
応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に
保つのが好ましい。
【0029】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
または低級アルキル置換フェノールであって、下記一般
式(1)で表される単官能フェノール類を示すことがで
きる。
【0030】
【化1】
【0031】(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換
アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整
数である。)
【0032】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0033】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も
示すことができる。これらのなかでは、下記一般式
(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換
基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0034】
【化2】
【0035】
【化3】
【0036】(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。) かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが1
0〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体
例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノー
ル、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノー
ル、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、
ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等
を挙げることができる。
【0037】また、一般式(3)の置換フェノール類と
してはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である
化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26
のものが好適であって、その具体例としては例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。
【0038】末端停止剤は、得られたポリカーボネート
樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少
くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。よ
り好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以
上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する
末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることが
より好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止
剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が
10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独
でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0039】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の
範囲である。反応後期には系を1.33×103〜1
3.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフ
ェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4
時間程度である。
【0040】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネ
ート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
トなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが
好ましい。
【0041】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用
してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価
フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×
10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4
量の範囲で選ばれる。
【0042】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)
カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、
ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニル
フェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネー
ト、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート
およびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
ト等の化合物を加えることが好ましい。なかでも2−ク
ロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカル
ボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキ
シカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好まし
く、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカー
ボネートが好ましく使用される。
【0043】さらにかかる重合反応において触媒の活性
を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤
の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼ
ンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベン
ゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−ト
ルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フ
ェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン
化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレ
ン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニ
ル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−
フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホス
ホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘ
キシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチ
ルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェー
ト、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシ
ルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアン
モニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメ
チルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルア
ンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルア
ンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルア
ンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチ
ルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラ
メチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の
化合物を挙げることができるが、これらに限定されな
い。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0044】失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはア
ンモニウム塩型のものが好ましい。かかる失活剤の量と
しては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モル
の割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボ
ネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、よ
り好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは
0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0045】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、1
3,000〜18,000が更に好ましく、13,50
0〜16,500が特に好ましい。かかる粘度平均分子
量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は光学用材料と
して十分な強度が得られ、また成形時の溶融流動が良好
であり、成形歪みが発生せず好ましい。また、芳香族ポ
リカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えな
い。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100
mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解し
た溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求め
る。
【0046】ηSP/c=[η]+0.45×[η]2
(但し[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0047】また本発明の樹脂組成物には熱安定剤を含
むことが好ましく、特により好ましくはリン系の安定剤
を含有する場合である。かかるリン系安定剤としては、
ホスファイト系、ホスホナイト系、およびホスフェート
系のいずれも使用可能である。
【0048】本発明におけるホスファイト系安定剤とし
ては、さまざまなものを用いることができる。具体的に
は例えば一般式(4)
【0049】
【化4】
【0050】[式中R1は、水素または炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアル
カリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはこ
れらのハロ、アルキルチオ(アルキル基は炭素数1〜3
0)またはヒドロキシ置換基を示し、3個のR1は互い
に同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき、
また2価フェノール類から誘導されることにより環状構
造も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物で
ある。また、一般式(4)においてより好ましい態様と
しては、以下の一般式(5)
【0051】
【化5】
【0052】[式中R2およびR3は、水素または炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基な
いしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル
基を示し、R2およびR3は同時に水素ではなく、互いに
同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき
る。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることが
できる。また、一般式(6)
【0053】
【化6】
【0054】[式中R4、R5はそれぞれ水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ない
しアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル
基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜
25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリー
ル基を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基
は、アルキル基で置換されていないもの、またはアルキ
ル基で置換されているもののいずれも選択できる。]で
表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
また、一般式(7)
【0055】
【化7】
【0056】[式中R6、R7は炭素数12〜15のアル
キル基である。尚、R6およびR7は互いに同一または互
いに異なるのいずれの場合も選択できる。]で表わされ
るホスファイト化合物を挙げることができる。
【0057】ホスホナイト系安定剤としては下記一般式
(8)で表わされるホスホナイト化合物、および下記一
般式(9)で表わされるホスホナイト化合物を挙げるこ
とができる。
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】[式中、Ar1、Ar2は炭素数6〜20の
アリール基ないしアルキルアリール基、または炭素数1
5〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換ア
リール基を示し、4つのAr1は互いに同一、または互
いに異なるのいずれも選択できる。または2つのAr2
は互いに同一、または互いに異なるのいずれも選択でき
る。]
【0061】本発明においては、上記ホスファイト化合
物およびホスホナイト化合物のうち、より好ましいリン
系の安定剤として、上記一般式(5)で示されるホスフ
ァイト化合物(E1成分)、および上記一般式(8)
(E2成分)および上記一般式(9)(E3成分)で示
されるホスホナイト化合物を挙げることができ、これら
は1種もしくは2種以上を併用することができ、より好
ましくは上記一般式(1)で示されるホスファイト化合
物をかかるE成分100重量%中、少なくとも5重量%
含む場合である。
【0062】上記一般式(4)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、ジフェニルイ
ソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイ
ト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ
(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。より好まし
い上記一般式(5)に対応する好ましい具体例として
は、トリフェニルホスファイト、トリス(ジメチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホス
ファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホ
スファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブ
チルフェニル)ホスファイト等があげられ、トリス(ジ
アルキル置換フェニル)ホスファイトが好ましく、トリ
ス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトがよ
り好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイトが特に好ましい。上記ホスファイ
ト化合物は1種、または2種以上を併用することができ
る。
【0063】上記一般式(6)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリト
ールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイトを挙げることができる。かかるホスフ
ァイト化合物は1種、または2種以上を併用することが
できる。
【0064】上記一般式(7)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、4,4’−イ
ソプロピリデンジフェノールジトリデシルホスファイト
を挙げることができる。
【0065】上記一般式(8)に対応するホスホナイト
化合物における好ましい具体例としては、テトラキス
(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
ホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,
3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,
6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n
−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホ
ナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テ
トラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’
−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキ
ス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジ
ホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイ
トがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト
は、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−1成分)、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−2成
分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト
(E2−3成分)の1種もしくは2種以上を併用して使
用可能であるが、好ましくはかかる3種の混合物であ
る。また、3種の混合物の場合その混合比は、E2−1
成分、E2−2成分およびE2−3成分を重量比で10
0:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:
40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
【0066】上記一般式(9)に対応するホスホナイト
化合物の好ましい具体例としては、ビス(2,4−ジ−
iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニル
ホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニ
ル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェ
ニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホス
ホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニ
ル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス
(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−
フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−
3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビ
ス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェ
ニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナ
イトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイト
は、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェ
ニル−フェニルホスホナイト(E3−1成分)および、
ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−
フェニル−フェニルホスホナイトの1種もしくは2種を
併用して使用可能であるが、好ましくはかかる2種の混
合物である。また、2種の混合物の場合その混合比は、
重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範
囲がより好ましい。
【0067】一方ホスフェート系安定剤としては、トリ
ブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
クロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノ
オルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホス
フェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェ
ート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることが
でき、好ましくはトリメチルホスフェートである。
【0068】上記熱安定剤は、A成分100重量部あた
り、0.0001〜0.1重量部で含まれることが好ま
しく、より好ましくは0.0005〜0.05重量部、
更に好ましくは0.001〜0.03重量部である。
【0069】本発明においては以下の方法により着色マ
スターペレットの粉末量の測定を実施する。着色マスタ
ーペレット5kgを秤量した後、ペレットを円形振動篩
機(特寿工作所製・TM−70−2S)にかけ、1.0
および0.5mm以下の粉末を分離する。
【0070】かかる1.0mm以下の粉末の含有量は、
本発明では250ppm以下である。この範囲であると
光ディスク基板等の光学成形品を成形した際に色ムラ、
色スジ等が少なく、また電気特性の良好な光学成形品が
得られる。好ましくは200ppm以下、より好ましく
は100ppm以下である。本発明の着色マスターペレ
ットでは着色剤を含有しているために更に粉末の影響が
大きく、0.5mm以下の粉末の含有量が200ppm
以下が好ましく、より好ましくは100ppm以下、最
も好ましくは50ppm以下である。
【0071】本発明の粉末含有量の少ない着色マスター
ペレットを製造するには、ストランドのカッティング条
件を調整して粉末の発生量を極力抑える。例えば樹脂を
押出機で押し出してストランドとし、これをカッターで
切断してペレットを得る場合に、ペレットの断面形状は
円形で凹凸が少ないものであることが望まれる。この断
面形状の凹凸を減少させるためにストランドの冷却はス
トランドの周囲をできる限り均一な温度で冷却するのが
望ましく、その際カッター切断時のストランドの温度が
好ましくは110〜140℃、より好ましくは120〜
130℃となるように冷却することが望ましい。かくし
てストランドのねじれを僅少化することができ、表面の
凹凸を少なくすることが可能となる。
【0072】また、一旦発生した粉末を篩いを用いて分
離除去したり、矩形の導管中を落下するペレットに対し
て、イオン化空気を向流に流してペレットに付着してい
る粉末を分離除去する。
【0073】本発明における着色マスターペレットの形
状は、成形用の着色マスターペレット、特に光学用成形
材料用の着色マスターペレットとして使用されているも
のであればよく、大きさや形は特に制限されない。一般
的には内径が2.0〜3.3mmで長さが2.5〜3.
5mmのものが適当である。また、着色マスターペレッ
トと透明ペレットの形状はほぼ同一が好ましく、着色マ
スターペレットと透明ペレットのブレンドペレットの中
で着色マスターペレットが分級しないためにも、ペレッ
ト1個当たりの平均重量比で0.96〜1.1が好まし
い。
【0074】
【発明の実施の形態】以下に、実施例をあげて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何
ら限定されるものではない。また、実施例中の「部」は
特に断りのない限り重量部を意味する。光ディスク共通
の評価項目および方法は以下の通りである。 (1)粉末量の測定 着色マスターペレット5kgを秤量した後、ペレットを
円形振動篩機(特寿工作所製・TM−70−2S)に2
0分間かけ、1.0mmおよび0.5mm以下の粉末を
分離する。この粉末の重量を測定し、ppm単位で表わ
した。 (2)色ムラの測定 表2記載のブレンドペレットを用い射出成形機[住友重
機(株)S480/150]でシリンダー温度350
℃、金型温度120℃で長さ50mm×幅90mm×厚
さ0.6mmの色ムラ評価成形板を連続成形で100枚
作成した。
【0075】この100枚の成形板を分光光度計(da
tacolor社 SF500)を用いて、D65光源
(相関色温度6504K)下での、L*(明度)、a*
(赤味から緑味にかけての色度)、b*(黄味から青味
にかけての色度)を測定し、その最大値と最小値より求
められた値を(i)式に挿入して、その色差(△E*)
を求め、3段階評価した。△E*(色差)の値が0に近
いほど色相が安定していることになる。 ○:△E*≦0.5 △:0.5<△E*<1.0 ×:△E*≧1.0
【0076】
【数1】
【0077】(3)色スジの測定 色ムラ評価成形板100枚の中から成形1ショット目〜
10ショット目までの10枚について、その外観を目視
にて観察し、3段階評価した。 ○:色スジが全くないもの △:色スジが1個所あるもの ×:色スジが2個所以上あるもの (4)光ディスクの外観観察 上記で得られた光ディスクについて、その外観観察を目
視にて行った。 (5)BLERの測定 下記のブレンドペレットを用い射出成形機(住友重機
(株)製DISK3MIII)で厚み1.2mm、12
0mmφのAl付基板に成形し、この基板のBLERを
BLER測定機(SONY製・CDplayer co
trol unit CDS−3000)により測定し
た。なお、表4のC1AVEとはC1エラー(C1コー
ドで訂正出来るランダムエラー)の1秒間あたりの平均
値である。 (6)光線透過特性 光線透過率測定用試験片は、得られたペレットを射出成
形機[住友重機械工業S480/150]でシリンダー
温度350℃、金型温度120℃で長さ50mm×幅9
0mm×厚さ0.6mmの透過率評価用成形板を作成し
た。
【0078】この成形板を日立製作所(株)製自記分光
光度計U−3200型を用いて、光線透過特性を測定
し、350nm〜400nmの各波長における最大光
線透過率、400nm〜650nmにおける最小光線
透過率、650nmにおける光線透過率を求めた。 (7)基板貼合せ試験 紫外線硬化型接着剤をスピンコート塗布、紫外線照射に
より硬化させ、データ基板2枚を貼合せてたDVDディ
スクを得た。次いでその接着性を以下の手法により評価
した。 ○:手ではがすことはできず、十分な接着力を有する ×:手ではがすことができる
【0079】[実施例A〜R、1〜25および比較例
A、B、1〜3] <着色剤マスター組成物および添加剤マスター組成物の
製造>まず表1記載の着色剤成分、添加剤成分を10重
量%の割合となるよう、A成分の熱可塑性樹脂組成物で
希釈し、ヘンシェルミキサーで均一に混合し着色剤マス
ター組成物および添加剤マスター組成物を得た。この着
色剤マスター組成物および添加剤マスター組成物を表1
記載組成になる様にブレンドした。
【0080】
【表1】
【0081】<着色剤マスターペレットおよび透明ペレ
ットの製造>これらのマスター組成物を表1の組成割合
となるよう残りの成分と混合し、タンブラーで均一に混
合した。その後、径30mmφのベント付き2軸押出機
[(株)神戸製鋼所KTX−30]でベントから真空排
気させながらシリンダー温度280℃で溶融混練し、押
出しペレット化(ペレット形状:径2.7mm×長さ
3.0mm)した。押出機のダイス部分には、フィルタ
ーを設置し、5μm以上の異物が1gあたり20個以下
となるようにした。また上記の機器はすべてフィルター
を通した清浄な空気が循環する101.8kPa(1.
005気圧)の雰囲気下に置き、冷却用の水はイオン交
換水を使用した。
【0082】尚、着色剤マスターペレットA〜Qは、冷
却方法としてストランドを冷却水を流した波板の上に通
して冷却する方法(波板冷却方法)を用い、カッターで
切断した直後のペレット温度は132℃とした。このペ
レットを矩形の導管中に落下させながらイオン化空気を
向流に流してペレットに付着している微粉末を分離除去
した。一方、着色剤マスターペレットXは、表1記載の
着色剤成分、添加剤成分、A成分の熱可塑成樹脂を表1
の組成割合となるよう直接タンブラーのみで混合した。
また、冷却方法としてストランドを27℃の水浴に5秒
間通して冷却する方法を用い、カッターで切断した直後
のペレット温度は83℃とし、イオン化空気による微粉
末除去を行わなかった。
【0083】また、別に希釈用の着色剤成分を含まない
透明ペレット(ペレット形状:径2.7mm×長さ3.
0mm)を上記着色剤マスターペレットA〜Qと同様な
条件で製造した。
【0084】
【表2】
【0085】<CDディスクの製造>表2記載の着色マ
スターペレットと透明ペレットを用いて射出成形機、住
友重機械工業製DISK3 M IIIにCD専用の金
型を取り付け、この金型にピットの入ったニッケル製の
CD用スタンパーを装着し、成形材料を自動搬送にて成
形機のホッパーに投入し、シリンダー温度340℃、金
型温度75℃、射出速度100mm/sec、保持圧力
3920kPaの条件で直径120mm、肉厚1.2m
mの基板を成形し、この基板を用いてCDディスクを得
た。これらのCDディスクの評価結果を表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】<CD−Rディスクの製造>表2記載の着
色マスターペレットと透明ペレットを用いてディスク基
板を成形し、これに色素系記録層を形成してCD−Rデ
ィスクを作成した。これらのCD−Rディスクの評価結
果を表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】更に、CD−Rディスクの記録面にガラス
を通して日光が当たる様にし、書込み・読出しに異常が
起る日数を調べる耐候性試験を行った結果、比較例に対
して実施例は倍以上の耐候性を有していた。
【0090】<DVDディスクの製造>表2記載の着色
マスターペレットと透明ペレットを用いて、射出成形
機、住友重機械工業製DISK3 M IIIにDVD
専用の金型を取り付け、この金型にアドレス信号などの
情報の入ったニッケル製のDVD用スタンパーを装着
し、成形材料を自動搬送にて成形機のホッパーに投入
し、シリンダー温度380℃、金型温度115℃、射出
速度300mm/sec、保持圧力3920kPaの条
件で直径120mm、肉厚0.6mmのDVD基板を成
形し、この基板を用いてDVDディスクを得た。これら
のDVDディスクの評価結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】なお表1記載の各成分を示す記号および項
目は下記の通りである。 (A成分) PC−1 粘度平均分子量が15,200のアミン触媒を用いない
ホスゲン法により得られたビスフェノールAポリカーボ
ネート樹脂パウダー(末端停止剤としてp−tert−
ブチルフェノールを使用) PC−2 粘度平均分子量が14,800のアミン触媒を用いてホ
スゲン法により得られた、全芳香族ジヒドロキシ成分の
うち、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン[ビスフェノールT
MC]が45モル%、4,4’−(m−フェニレンジイ
ソプロピリデン)ジフェノール[ビスフェノールM]が
55モル%である芳香族ポリカーボネート共重合体パウ
ダー(末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノー
ルを使用) PC−3 末端水酸基濃度34モル%、粘度平均分子量が15,3
00のエステル交換触媒として原料ビスフェノールA1
モルに対してビスフェノールAの2ナトリウム塩を2×
10-7モルを用いた溶融エステル交換法により得られた
ビスフェノールAポリカーボネート樹脂ペレット
【0093】(B成分) 赤染料−1:ペリノン系赤染料、有本化学(株)製 P
last Red 8370 赤染料−2:ペリレン系蛍光赤染料、BASF社製 L
umogen F Red 305 赤染料−3:クマリン系蛍光赤染料、バイエル社製 M
acrolex Fluorescent Red G 赤染料−4:チオインジゴ系蛍光赤染料、有本化学
(株)製 Plast Red D54 赤染料−5:ペリノン系赤染料、紀和化学(株)製 K
p Plast RedHG 赤染料−6:ペリノン系赤染料、紀和化学(株)製 K
p Plast RedH2G 黄染料−1:キノリン系黄染料、有本化学(株)製 P
last Yellow8010 黄染料−2:クマリン系蛍光黄染料、バイエル社製 M
acrolex Fluorescent Yello
w 10GN 黄染料−3:キノリン系黄染料、有本化学(株)製 P
last Yellow8050 緑染料:アンスラキノン系緑染料、有本化学(株)製
Oil Green 5602 青染料:アンスラキノン系青染料、バイエル社製 Ma
crolex BlueRR
【0094】(添加剤成分) ST:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル
ホスファイト)、日本チバガイギー(株)製Irgaf
os168 L1:グリセリンモノステアレート、理研ビタミン
(株)製リケマールS−100A
【0095】
【発明の効果】意匠性に優れ、且つその種類、用途など
が瞬時に判断しうると共に、光ディスク基板を成形した
際に退色現象、色ムラ、色スジ等が少なく、また電気特
性の良好な光学成形品用着色マスターペレットおよび光
ディスク基板であり、本発明の奏する工業的効果は格別
なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 69/00 C08L 69/00 G02B 1/04 G02B 1/04 G11B 7/24 526 G11B 7/24 526P 526R // B29K 101:12 B29K 101:12 (72)発明者 清水 久賀 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA50 AA71 AB09 AB22 AC38 AC39 AC45 AC57 AC66 AE04 DA11 FA03 FB03 FB06 FC04 4F071 AA02 AA14 AA50 AA81 AC07 AC13 AC19 AD02 AE09 AH19 BA01 BC01 4F201 AA28 AB12 AH79 BA02 BC02 BC12 BC37 BL42 BL43 4J002 AA01 CG00 CG01 EE03 EE05 EL09 EU05 EV00 FD09 5D029 KA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A成分)および着色剤
    (B成分)からなる着色マスターペレットであって、該
    ペレットは、粒径1.0mm以下の粉末の含有量が25
    0ppm以下であることを特徴とする光学成形品用着色
    マスターペレット。
  2. 【請求項2】 該ペレットが、その長さの平均値は2.
    0〜3.3mm、断面楕円の長径の平均値は2.5〜
    3.5mmの範囲である請求項1記載の光学成形品用着
    色マスターペレット。
  3. 【請求項3】 A成分が、粘度平均分子量が10,00
    0〜22,000の芳香族ポリカーボネート樹脂である
    請求項1記載の光学成形品用着色マスターペレット。
  4. 【請求項4】 A成分90〜99.995重量%および
    B成分0.005〜10重量%である請求項1記載の光
    学成形品用着色マスターペレット。
  5. 【請求項5】 B成分がアンスラキノン系染料、ペリノ
    ン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、クマリン
    系染料、チオインジゴ系染料である請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の光学成形品用着色マスターペレット。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    学成形品用着色マスターペレットを用いて成形された光
    ディスク基板。
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