JP2002138090A - 慢性の閉塞性肺疾患の治療のためのジアゼピノインドール - Google Patents

慢性の閉塞性肺疾患の治療のためのジアゼピノインドール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慢性の閉塞性肺疾患(COPD)の治療用医
薬組成物の提供。 【解決手段】 式(I) (式中、Aはアリール又は窒素含有ヘテロアリールであ
り、Bはヒドロキシル又はアミノ基である)のジアゼピ
ノインドールはPDE4阻害作用を有し、心臓または消
化系に対して有害な副作用を持たず、低用量でCOPD
の治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、慢性の閉塞性肺疾
患(以後COPDと表す)の治療のためのジアゼピノイ
ンドールの使用及び同化合物を含有するCOPD治療用
医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】COPDは、(気道の炎症および顕著な
好中球含量に関連した)慢性的な進行が遅い疾患であ
る。肺機能の損傷のほとんどは、(気管支拡張薬療法に
よって、いくらかの可逆性を得ることができるが)固定
される。この疾患は、以前は多数の臨床的用語が単独ま
たは組合せて用いられてきたが、COPDと表される。
これらの用語は、気腫、慢性気管支炎、慢性的気流制
約、慢性的気道閉塞、不可逆性の閉塞性気道疾患、慢性
的閉塞性気道疾患、および慢性的閉塞性肺疾患を包含す
る。
【0003】COPDの臨床的表現は廃疾のない単純な
慢性気管支炎から慢性的呼吸器機能不全を伴う重度の廃
疾的な状態まで、重篤度において様々である。COPD
の患者の主要な臨床的特徴は、(気道の炎症および/ま
たは顕著な好中球含量に関連した)慢性気管支炎および
/または気腫である。
【0004】COPDの既知の罹患率は完全ではない
が、COPDは先進諸国、特に米国における4番目に高
い死亡原因であることを確認することができる。また、
COPDの問題は、先進西欧諸国および他の国のいずれ
においても近い将来大きくなることが予想されている。
東アジア諸国では男性人口の大部分が喫煙しているの
で、ここ10年で3倍に増加すると予想されている。
【0005】従って、COPDの効率的治療が必要であ
る。
【0006】この数年間に、第二世代の選択的ホスホジ
エステラーゼ4阻害薬(PDE4阻害薬)が、COPD
における潜在的に有効な治療薬として提案されてきた。
取り分け、ドハティー(Doherty),カレント・オピニオン
・イン・ケミカル・バイオロジー(Current Opinion in
Chemical Biology), 1999, 3:466-473;モハメド(Mohamm
ed)ら,アンチ‐インフラメトリー & イムノモジュラト
リー・インベスティゲーショナル・ドラッグス(Anti-in
flammatory & Immunomodulatory Investigational Drug
s), 1999, 1(1):21-28;シュミッド(Schmidt) ら, クリ
ニカル・アンド・エクスペリメンタル・アレルギー(Cli
nical and Experimental Allergy), 29,supplement 2,
99-109を参照されたい。
【0007】経口活性を有するPDE4阻害薬であるシ
ロミラスト[cilomilast;アリフロー(Ariflo,登録商標)]
が、COPDの治療薬として提案されている。取り分
け、ニーマン(Nieman)ら, Am. J. Respir. Crit. Care
Med., 1998, 157:A413;アンダーウッド(Underwood)ら,
Eur. Respir. J., 1998, 12:86s;コンプトン(Compton)
ら, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 1999, 159:A522
を参照されたい。また、コンプトンによる欧州呼吸器学
会(the European Respiratory Society Meeting)、マド
リード、1999年10月12日、およびトルフィ(Tor
phy)とアンダーウッドによる炎症に関する第4回世界会
議(the 4th World Congress on Inflammation)、パリ、
1999年6月27‐30日の口頭発表も参照された
い。この化合物は、現在COPDについてフェーズIII
臨床試験が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、COP
Dの治療のためのシロミラストの使用では、幾つかの不
利が見られる。シロミラストを20mgの単回用量で投与
すると、悪心や嘔吐のような関連副作用が起こることが
報告されている。マードック(Murdoch)ら, Am. J. Resp
ir. Crit. Care Med., 1998, 157:A409を参照された
い。このような低用量で副作用が現れるため、シロミラ
ストの適用は限定され、毎日の単回用量形態をとること
ができなくなり、患者が不快になる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、PDE4阻害
薬として知られているジアゼピノインドールの一定の種
類のCOPDの治療のための使用を提案する。これらの
化合物は、特に心臓または消化系に対して有害な副作用
を持たず(ブルヌフ(Burnouf)ら,ジャーナル・オブ・
メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Ch
emistry) (2000), 43:4850-4867参照)、低用量でシロ
ミラストより有効である。
【0010】本発明は、式(I) (式中、Aは、アリールまたは窒素含有へテロアリール
であって、任意により、ハロゲン、低級アルキル、低級
ハロアルキル、低級アルコキシ、シクロアルキルオキ
シ、アミノ、および低級アルキルカルボニルアミノまた
はアルキルオキシカルボニルアミノから独立して選択さ
れる1〜3個の基でそれぞれ置換されていてもよく、B
は、任意によって置換されていてもよいヒドロキシルま
たはアミノ基である)の[1,4]ジアゼピノ[6,7,
1−hi]インドール、または薬学上許容可能なその塩
を、慢性の閉塞性肺疾患またはCOPDの治療を目的と
する医薬の製造への使用及び同化合物を有効量含有する
COPD治療用医薬組成物に関する。
【0011】本発明は、式Iのジアゼピノインドールの
有効量を、COPDの治療を必要とするヒトに投与する
ことを含んでなる、COPDの治療法も提供する。
【0012】これらの化合物、PDE4阻害薬としての
それらの使用、およびそれらの調製法はWO97/36
905号明細書に開示されており、上記特許明細書の内
容は引用により本明細書に組み込まれる。これらのジア
ゼピノインドールは、本発明において活性成分として用
いられる。
【0013】本発明を、下記の明細書中でおよび図面に
言及して更に詳細に開示する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、詳細には下式(I) (式中、Aは、アリールまたは窒素含有へテロアリール
であって、任意によりハロゲン、低級アルキル、低級ハ
ロアルキル、低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、
アミノ、および低級アルキルカルボニルアミノまたはア
ルキルオキシカルボニルアミノから独立して選択される
1‐3個の基でそれぞれ置換されていてもよく、Bは、 1) ‐OR1であって、R1は‐HまたはR4であり、 2) ‐NR23であって、R2は‐C(NH)NH2
あり、R3は‐Hであり、 3) ‐NR23であって、R2はR4であり、R3は‐
Hであり、 4) ‐NR23であって、R2およびR3は独立して‐
Hまたは低級アルキルであり、または 5) ‐NR23であって、R2およびR3は、それらが
結合している窒素原子と共に飽和の5員‐7員のヘテロ
環であって、窒素原子に直接結合していない第二のヘテ
ロ原子として酸素、硫黄または窒素を含んでいてもよい
上記ヘテロ環を形成し、R4は、 1) ‐CH2‐CO2H、 2) ‐CO‐(CH2p‐CO2H、 3) ‐CO‐A(但し、Aは上記定義を有する)、 4) ‐CO‐CH=CH‐CO2H、 5) ‐CO‐(CH2n‐CH3であって、nは0以
上でありかつ18以下の整数であり、 6) ‐CO‐(CH2‐O‐CH2p‐CH2‐O‐C
3、 7) ‐CO‐(CH2‐O‐CH2p‐CO2H、 8) ‐(CH2p‐NR56であって、R5およびR6
は独立して‐Hまたは低級アルキルであり、または 9) ‐(CH2p‐N‐R5‐R6であって、R5およ
びR6は、それらが結合している窒素原子と共に飽和の
5員‐7員のヘテロ環であって、窒素原子に直接結合し
ていない第二のヘテロ原子として酸素、硫黄または窒素
を含んでいてもよい上記ヘテロ環を形成し、pは、2、
3または4の整数である)の[1,4]ジアゼピノ[6,
7,1−hi]インドール、そのラセミ体および異性体、
特にジアゼピノインドール‐4‐オン環の炭素3によっ
て決定される配置のもの、並びに薬学上許容可能なそれ
らの誘導体の有効量の、COPDの治療のための使用に
関する。本発明はまた、上記定義による式Iの化合物を
含有する、COPDの治療用医薬組成物に関する。
【0015】化合物(I)(式中、BがOR1またはNR2
3であって、R1、R2およびR3が水素である)の群が好
ましい。
【0016】Aがハロゲン、アミノ、低級アルキルオキ
シカルボニルアミノまたはアルコキシから独立して選択
された1〜3個の基で置換されたアリールであるものか
らなる生成物(I)のもう一つの組、並びにAが1‐2個
の窒素原子を含んでなる単環性へテロアリールまたは1
‐4個の窒素原子を含んでなる二環性へテロアリールで
ある生成物(I)の組が、特に好ましい。
【0017】更に具体的には、COPDに用いられる特
に興味深いことが分かっている化合物の群としては、B
がNH2であり、Aがハロゲンおよびアミノから独立し
て選択された1‐3個の基で置換されたアリールであるか
または1‐2個の窒素原子を含んでなる単環性へテロア
リールである式Iの化合物が挙げられる。
【0018】下記および上記の本文において、アリール
は、フェニルまたはナフチルを表すと理解され、窒素含
有へテロアリールは、少なくとも1個の窒素原子を含む
不飽和の単環または多環であり、好ましくは1‐4個の
窒素原子を含む5員〜7員のヘテロ単環、あるいは1‐
4個の窒素原子を含み、任意により正に帯電した窒素原
子上でメチル化またはエチル化されている不飽和の縮合
複素環を表すと理解され、ハロゲンは、フッ素、塩素、
臭素またはヨウ素を表すと理解され、アルキル配列を含
んでなる基に関しては、低級は、アルキルが線状または
分岐状でかつ1‐4個の炭素原子を含み、あるいはシク
ロプロピルメチル基をあらわすことを意味すると理解さ
れ、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基をあらわす
と理解され、ハロアルキルは、モノ‐、ジ‐またはトリ
ハロアルキルを表すと理解される。
【0019】本発明で用いられる化合物としては、式I
の化合物の溶媒和物、水和物、薬学上許容可能な塩、多
形相(様々な結晶格子デスクリプター)であって、薬学
上許容可能な誘導体であるものが挙げられる。
【0020】塩基性部分を有する式(I)の化合物の薬理
学的に許容可能な塩という表現は、毒性のない無機また
は有機酸から形成することができる式(I)の化合物の付
加塩、例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝
酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、
ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、フマル酸、トルエン
スルホン酸、およびイセチオン酸塩などを表すと理解す
べきである。誘導体(I)の各種第四アンモニウム塩も、
この範疇の本発明の化合物に包含される。更に、酸性部
分を有する式(I)の化合物の薬理学的に許容可能な塩と
いう表現は、毒性のない無機または有機塩基、例えば、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属(ナトリウム、カ
リウム、マグネシウムおよびカルシウム)の水酸化物、
アミン(ジベンジルエチレンジアミン、トリメチルアミ
ン、ピペリジン、ピロリジン、ベンジルアミンなど)、
あるいは第四アンモニウム水酸化物、例えばテトラメチ
ルアンモニウムヒドロオキシドから形成することができ
る式(I)の化合物の通常の塩を表すと理解される。
(「医薬用塩(Pharmaceutical salts)」,バージ(Berge)
S.M.ら, (1997) J. Pharm. Sci., 66: 1-19も参照され
たい。この文献の内容は、引用により本明細書中に組み
込まれる。)
【0021】当業者が考えられるような式(I)の化合物
のプロドラッグの使用も考えられる[ブンドガード(Bu
ndgaard)ら, Acta Pharm. Suec., 1987; 24: 233-246
を参照されたい]。
【0022】ジアゼピン環の「3‐オン」のカルボニル
に対してα位にある不斉炭素原子がカーン‐インゴール
ド‐プレローグ則による(R)絶対配置を有する、式(I)
のジアゼピノインドールが、一般に好ましい。
【0023】更に詳細には、式(I)の下記の化合物:
(3R)‐イソキノリン‐3‐カルボン酸=(9‐ヒド
ロキシ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐
テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]
インドール‐3‐イル)アミド、(3R)‐4‐t‐ブチ
ルオキシカルボニルアミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オ
キソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ
[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐
3‐イル)ベンズアミド、(3R)‐4‐アミノ‐N‐
(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,
6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,
1‐hi]インドール‐3‐イル)‐3,5‐ジクロロ‐
ベンズアミド、(3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミ
ノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テト
ラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]イン
ドール‐3‐イル)‐5‐クロロ‐2‐メトキシベンズ
アミド、(3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1
‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]
ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)
イソニコチンアミド、(3R)‐3‐t‐ブチルオキシ
カルボニルアミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1
‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]
ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)
イソニコチンアミド、(3R)‐イソキノリン‐3‐カ
ルボン酸=(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐
3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ
[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)アミド、
(3R)‐キノリン‐3‐カルボン酸=(9‐アミノ‐
4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
ドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドー
ル‐3‐イル)アミド、(3R)‐4,7‐ジメチルピ
ラゾロ[5,1‐c][1,2,4]トリアジン‐3‐
カルボン酸=(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル
‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ
[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)アミド、
(3R)‐4‐アミノ‐3,5‐ジクロロ‐N‐(9‐
ジメチルアミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,
6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,
1‐hi]インドール‐3‐イル)ベンズアミド、(3
R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐
3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ
[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)‐2‐ベン
ゾフランカルボキサミド、(3R)‐4,7‐ジメチル
‐ピラゾロ[5,1‐c][1,2,4]トリアジン‐
3‐カルボン酸=[4‐オキソ‐1‐フェニル‐9‐
(ピロリジン‐1‐イル)‐3,4,6,7‐テトラヒ
ドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インド
ール‐3‐イル]‐アミド、ピリジン‐2‐カルボン酸
=(3R)‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル
‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼピ
ノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)アミド、
ピラジン‐2‐カルボン酸=(3R)‐(9‐アミノ‐
4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
ドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インド
ール‐3‐イル)アミド、(3R)‐4‐アミノ‐N‐
(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,
6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,
7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ベンズアミド、お
よび(3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フ
ェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジ
アゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ニ
コチンアミドがCOPD治療用の医薬の製造のための使
用に好ましい。
【0024】最も好ましい化合物は、(3R)‐4‐ア
ミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐
3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ
[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)‐3,5‐
ジクロロベンズアミド、(3R)‐N‐(9‐アミノ‐
4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
ドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドー
ル‐3‐イル)イソニコチンアミド、(3R)‐N‐
(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,
6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,
7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ニコチンアミド、
および(3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐
オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ
‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール
‐3‐イル)ベンズアミドである。
【0025】特に好ましい式(I)の化合物は、(3R)
‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フ
ェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジ
アゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ベ
ンズアミド (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼ
ピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ニコチ
ンアミド(化合物1)である。
【0026】これらの化合物は、WO97/36905
号明細書の例11および3に相当する。
【0027】本発明で用いられる化合物は、WO97/
36905号明細書に開示された方法によって製造する
ことができ、当業者であれば本発明の化合物を製造する
のにこの文献を参照するであろう。
【0028】本発明の生成物は、治療を行う疾患の性質
および重篤度に適当な組成物の形態で投与される。ヒト
の一日用量は、通常は生成物2mg‐1gの範囲とするこ
とができ、これを1又はそれ以上の個別用量で投与する
ことができる。組成物は、目的とする投与経路に適合す
る形態、例えば錠剤、コーティング錠剤、カプセル、含
嗽剤、エーロゾル、吸入用粉末、座薬、ゲル、または懸
濁液の形態で調製することができる。これらの組成物は
当業者によく知られている方法によって調製され、活性
成分(式Iの化合物)0.5‐60重量%、および活性
成分および目的とする組成物の物理的形態に適しており
かつ両立できる医薬ビヒクルまたはキャリヤー40‐9
9.5重量%を含んでなる。
【0029】更に詳細には、急性COPD疾患の治療の
ためには、投薬量形態は一般に約20mg‐約500mg/
日である。好ましい用量は、約50mg−約300mg/日
(70kgの成人に対して)である。
【0030】好ましくは、組成物は、一日二回投与され
る。更に好ましくは、組成物は一日一回投与される。
【0031】投与頻度は、COPDのような慢性疾患の
治療を考えるとき、これらの患者は規則的で長期間ベー
スで治療を受けることになるので、患者の快適さにとっ
て重要な点である。
【0032】ヒトにおけるシロミラストの除去半減期
[トルフィ(Torphy)ら,パルモナリー・ファーマコロジ
ー&セラピューティックス(Pulmonary Pharmacology &
Therapeutics), (1999) 12, 131-135]は、約8時間で
ある。この半減期が比較的短いことを考慮すれば、CO
PDの治療のためのシロミラストの一日一回の投与は達
成可能とは思えない:20mgの用量で副作用が現れるの
で、高用量での単回投与の使用が除外されるため、一日
二回の投与が好ましいと思われる。
【0033】化合物1のヒトでの半減期は決定されてお
り、1‐25mgの範囲の化合物1の単回経口用量を健康
な志願者に投与した。意外なことには、平均終末半減期
の値(mean terminal half-life values)は総ての用量に
ついて同様であり、13.9‐17.1時間(平均:1
5.4時間)の範囲内にあり比較的長かった。このよう
な値は、化合物1を一日一回投与することができること
を示唆している。
【0034】例えば、本発明の化合物を含む錠剤の組成
および調製を、下記に示す。
【0035】活性物質と共に、ラクトース、微晶質セル
ロース、およびカルボキシメチル澱粉を混合する。適当
な濃度の水性またはアルコール性ポリビニルピロリドン
溶液を用いて湿潤化して、造粒する。乾燥して、粒子の
粒度分布を調整する。ステアリン酸マグネシウム中に均
質に混合する。錠剤形成を行い、錠剤当たり200mgと
する。
【0036】固形形態の製剤としては、粉末、錠剤、分
散性顆粒、カプセル、カシェ剤、および座薬が挙げられ
る。固形キャリヤーは、希釈剤、フレーバリング剤、可
溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、または錠剤崩壊剤と
しても作用することができる1種類又はそれ以上の物質
であることができ、これはカプセル封入材料であること
もできる。粉末では、キャリヤーは微細に分割された固
形物であり、これは微細に分割された活性成分と混合し
ている。錠剤では、活性成分を、必要な結合特性を有す
るキャリヤーと適当な比率で混合し、所望な形状および
大きさに圧縮する。座薬用製剤を調製するためには、脂
肪酸グリセリドとカカオ脂との混合物のような低融点ワ
ックスを最初に溶融し、活性成分を例えば撹拌によって
その中に分散させる。融解した均質混合物を次に好都合
な大きさの金型に入れ、冷却して固化させる。粉末、錠
剤、カシェ剤またはカプセル用のカプセル封入された形
態は、好ましくは活性成分5%‐約70%を含む。適当
なキャリヤーは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、ラクトース、ショ糖、ペクチン、デ
キストリン、澱粉、トラガカントガム、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワ
ックス、カカオ脂などである。
【0037】錠剤、粉末、カシェ剤、およびカプセル
は、経口投与に適する固形投薬形態として用いることが
できる。薬剤は、(適当な弁に適合した加圧容器、また
は計量弁に適合した非加圧容器の)スプレーとして提供
することができる。
【0038】液状形態製剤としては、溶液、懸濁液、お
よびエマルションが挙げられる。
【0039】活性化合物の滅菌水または水‐プロピレン
グリコール溶液を、非経口投与に適した液状製剤の例と
して挙げることができる。液状製剤は、水性のポリエチ
レングリコール溶液中の溶液で処方することもできる。
【0040】経口投与用の水性溶液は、活性成分を水に
溶解し、適当な着色料、フレーバリング剤、安定剤、お
よび増粘剤を所望により添加することによって調製する
ことができる。経口使用のための水性懸濁液は、微細に
分割した活性成分を天然または合成ゴム、樹脂、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
および医薬処方の技術分野で知られている他の懸濁剤の
ような粘性材料と共に水中に分散することによって製造
することができる。
【0041】好ましくは、医薬製剤は単位投与形態のも
のである。このような形態では、製剤は適当な量の薬剤
を含む単位用量に分割される。単位投薬量形態は包装さ
れた製剤であることができ、包装は、個別量の製剤を含
んでおり、例えば包装された錠剤、カプセル、およびバ
イアルまたはアンプル中の粉末であることができる。単
位投薬量形態はカプセル、カシェ剤、または錠剤自身で
あることもでき、またはこれらの包装形態のいずれかの
適当数であることができる。
【0042】
【実施例】下記の例によって本発明を説明するが、発明
を制限するものではない。
【0043】COPDの治療のための本発明の化合物の
有用性を評価する目的で保持したモデルは、好中球増加
症モデルであった。好中球増加症を、ラットまたはマウ
スをリポ多糖(LPS)エーロゾルに暴露することによ
って誘発させた。
【0044】例1:C57b1/6マウスにおいてLP
Sエーロゾルによって誘発された好中球増加症1.1 実験記録 化合物1の投与 動物に、意識があるときに、化合物1を経口的に投与し
た。
【0045】LPSへの暴露 処置から1時間後に、マウスをプレキシグラス(plexigl
ass)ボックスに入れ(1ボックスにせいぜい25匹のマ
ウス)、LPS[エシェリヒア コリ(Escherichia co
li) 血清型O55:B5]エーロゾル100μg/mlを
1時間投与した。コントロールマウスには、LPSエー
ロゾルを投与しなかった。
【0046】麻酔および気管切開 LPSへの暴露から24時間後に、0.6%ペントバル
ビタールナトリウムを15ml/kgの速度で腹腔内注射す
ることにより動物を麻酔した。気管切開を行い、気管カ
ニューレを挿入した。
【0047】気管支肺胞洗浄 1ml注射器を用いて、気道の管腔中に存在した細胞個体
数を回収する目的でPBS溶液(37℃)0.3ml容積
を用いて6回連続的に洗浄した。このようにして回収し
た流体を、氷上で+4℃で保管した。
【0048】気管支肺胞洗浄液の細胞組成の決定 気管支肺胞洗浄流体に含まれる細胞を、Coulter粒子カ
ウンターを用いて計数した。遠心分離[サイトスピン
(Cytospin、登録商標)]によって顕微鏡スライド上に
沈着した後、試料をメイ・グルンワルド−ジームサ(May
Grunwald-Giemsa)染料で染色した。細胞個体数を、形
態学的基準に従って顕微鏡下(×100)にて識別し
た。
【0049】評価基準 主要な評価基準は、好中球数/ml気管支肺胞洗浄液であ
った。これを、105(E+05)細胞数/mlで表し
た。
【0050】結果の表現 気管支肺胞洗浄液中の好中球の数の算術平均および標準
偏差(SD)を、それぞれの処理群について計算した。
阻害率は、下記の方法で計算した。
【0051】阻害率についての90%信頼区間を、適宜
「デルタ法」または「フィエラー(Fieller)法」
i, ii & iii[アーミタージュ(Armitage)ら, 1998;フェ
ウエルスタイン(Feuerstein)ら, 1997;ヒュバート(Hube
rt)ら, 1988]によって計算した。
【0052】1.2 結果 これらの実験の結果は、式Iの化合物、特に化合物1が
マウスでのLPS誘発肺好中球増加症を強力に阻害する
ことを示した。
【0053】例2:WistarラットにおけるLPSエーロ
ゾルによって誘発される好中球増加症2.1 実験記録 治療薬の投与 動物に、意識があるときに、化合物1またはシロミラス
トを経口的に投与した。
【0054】LPSへの暴露 処置から1時間後に、ラットをプレキシグラスボックス
に入れ、LPS[エシェリヒア・コリ(Escherichia co
li)、 血清型O55:B5]のエーロゾル200μg/m
lを1時間投与した。対照ラットには、LPSエーロゾ
ルを投与しなかった。この対照は、図1および2中で
「sham」と呼ばれる。
【0055】麻酔および気管切開 LPSへの暴露から2時間後に、動物を6%ペントバル
ビタールナトリウムを1ml/kgの速度で腹腔内注射する
ことにより麻酔した。気管切開を行い、気管カニューレ
を挿入した。
【0056】気管支肺胞洗浄 5ml注射器を用いて、気道の管腔内に存在する細胞個体
数を回収する目的で、0.9%MNaCl+EDTA溶
液(37℃)5ml容積を用いて3回連続的に洗浄を行っ
た。このようにして回収した流体を、氷上で+4℃で保
管した。
【0057】気管支肺胞洗浄液の細胞組成の決定 例1を参照されたい。
【0058】評価基準 例1を参照されたい。
【0059】結果の表現 例1を参照されたい。
【0060】2.2 結果 図1に示唆されているように、化合物1はWistarラット
におけるLPSによって誘発された肺好中球増加症を強
力かつ有意に阻害し、10mg/kgの用量での阻害率は7
4%であった。
【0061】これらの結果を同じモデルでのシロミラス
ト[アリフロー(Ariflo、登録商標)]を用いて得られた
結果と比較すると、化合物1(30mg/kgでは、阻害率
80%)は同じ用量でのシロミラストより有効であるこ
とを示している。しかしながら、特に10mg/kgでは、
化合物1は、同じ用量でのシロミラストより二倍有効で
ある。換言すれば、化合物1の10mg/kgでの活性(阻
害率:74%)は、30mg/kgでのシロミラストの活性
(阻害率:74%)と同じである。
【0062】例3:COPD患者の全血におけるイン・
ビトロでのLPSによって誘発されるTNFα産生の阻
害 この研究の目的は、COPD患者の全血中での還元性リ
ポ多糖(LPS)によって誘発されたTNFαの放出に
おける3種類の選択的PDE4阻害薬(化合物1、4‐
[3‐(シクロペンチルオキシ)‐4‐メトキシ‐フェ
ニル]‐2‐ピロリドンであるロリプラム(rolipram)、
およびシロミラスト)のイン・ビトロ活性を比較するこ
とである。ATS指針ivによって診断された13名のC
OPD患者がこの研究に包含され、TNFα産生に対す
るLPSの濃度‐効果(n=6)、および化合物1、ロ
リプラムおよびシロミラストのIC50値を決定した。
【0063】3.1 実験記録 血液(15ml/患者)をヘパリン試験管中に集め、96
穴マイクロプレート(250μl/ウェル)に分配し
た。
【0064】37℃で30分間インキュベーションした
後、試験する化合物の増加する濃度またはビヒクル25
μlを異なるウェルに加えた。マイクロプレートを37
℃で30分間インキュベーションした後、50μg/ml
のLPS(E. coli)25μl(刺激ウェル)または滅菌食
塩水25μl(未刺激ウェル)を加えた。マイクロプレ
ートを37℃で22‐24時間インキュベーションし
た。
【0065】上清血漿125μlを滅菌した96ウェル
マイクロプレートに穏やかに移し、TNFαアッセイま
で‐80℃で保管した。次に、TNFα産生を、ELI
SAアッセイによって測定した。
【0066】3.2 結果 LPSと共に一晩インキュベーションした後、全血TN
Fα濃度は検出不能なベースラインレベルから50μg
/mlLPSでの8.1±2.0ng/mlの平均まで濃度依
存的に増加した。化合物1とプレインキュベーションし
たところ、TNFα放出が用量依存的に阻害され、IC
50値は1.3±0.7μMであった。ロリプラムについ
ては、IC50値は2.8±0.9μMであり、シロミラ
ストについては、>10μMであった。これらのデータ
は、化合物1はロリプラムおよびシロミラストより良好
にCOPD患者におけるイン・ビトロでのLPSによっ
て誘発されたTNFα放出を阻害し、この疾患における
抗炎症療法として用いることができることを示してい
る。
【0067】i アーミタージュ(ARMITAGE) P. & コル
トン(COLTON) T. (1998). フィエラー(Fieller)の定
理。生物統計学の百科辞典、第2巻(Fieller’s Theore
m, Encyclopedia of Biostatistics, Volume 2), pp. 1
515-1516, ウイレイ(Wiley), ニューヨーク. ii フェウエルスタイン(FEUERSTEIN) T.J., ロッスナ
ー(ROSSNER) R. & シューマッハー(SCHUMACHER) M. (19
97). 効果の平均を対照平均の百分率としての表し方(Ho
w to Express an Effect Mean as Percentages of a Co
ntrol Mean), ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・
アンド・トキシュロジー・メソッズ(Journalof Pharmac
ology and Toxicology Methods)、 37, pp. 187-190. iii ヒュバート(HUBERT) J.J., ボヒダード(BOHIDARD)
N.R. & ピース(PEACE)K.E. (1988). 薬剤開発のための
生物薬剤統計学、薬理活性の評価の節(Biopharmaceutic
al Statistics for Drug Development, Assessment of
PharmacologicalActivity section), pp. 83-148, Karl
peace, ニューヨーク.iv Am. J. Respir. Crit. Car
e Med., 1995; 152: S77-S120.
【0068】
【発明の効果】本発明の式Iで表わされるジアゼピノイ
ンドール化合物は、優れた肺好中球増加症阻害活性及び
TNFα産生阻害活性を示した。本発明により、副作用
を有しない強力なCOPD治療用医薬組成物が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】気道中の好中球の計測数、およびWistarラット
に投与した(3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐
1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ−[1,
4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イ
ル)‐ニコチンアミドの量の関数としてのLPSによっ
て誘発された肺好中球増加症の阻害率を表わす図であ
る。
【図2】気道中の好中球の計測数、およびWistarラット
に投与したシロミラスト(シス‐4‐シアノ‐4‐[3
‐(シクロペンチルオキシ)‐4‐メトキシフェニル]
シクロヘキサンカルボン酸)の量の関数としてのLPS
によって誘発された肺好中球増加症の阻害率を表す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C050 AA02 BB04 CC11 EE02 FF05 GG03 GG04 HH04 4C086 AA01 AA02 AA03 CB11 MA04 MA35 MA52 NA06 NA14 ZA59

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I (式中、 Aは、アリールまたは窒素含有へテロアリールであっ
    て、任意によりハロゲン、低級アルキル、低級ハロアル
    キル、低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アミ
    ノ、および低級アルキルカルボニルアミノまたはアルキ
    ルオキシカルボニルアミノから独立して選択される1‐
    3個の基でそれぞれ置換されていてもよく、 Bは、 1) ‐OR1であって、R1は‐HまたはR4であり、 2) ‐NR23であって、R2は‐C(NH)NH2
    あり、R3は‐Hであり、 3) ‐NR23であって、R2はR4であり、R3は‐
    Hであり、 4) ‐NR23であって、R2およびR3は独立して‐
    Hまたは低級アルキルであり、または 5) ‐NR23であって、R2およびR3は、それらが
    結合している窒素原子と共に飽和の5員‐7員のヘテロ
    環であって、窒素原子に直接結合していない第二のヘテ
    ロ原子として酸素、硫黄または窒素を含んでいてもよい
    ヘテロ環を形成し、 R4は、 1) ‐CH2‐CO2H、 2) ‐CO‐(CH2p‐CO2H、 3) ‐CO‐A(但し、Aは上記定義を有する)、 4) ‐CO‐CH=CH‐CO2H、 5) ‐CO‐(CH2n‐CH3であって、nは0以
    上でありかつ18以下の整数であり、 6) ‐CO‐(CH2‐O‐CH2p‐CH2‐O‐C
    3、 7) ‐CO‐(CH2‐O‐CH2p‐CO2H、 8) ‐(CH2p‐NR56であって、R5およびR6
    は独立して‐Hまたは低級アルキルであり、または 9) ‐(CH2p‐N‐R5‐R6であって、R5およ
    びR6は、それらが結合している窒素原子と共に飽和の
    5員‐7員のヘテロ環であって、窒素原子に直接結合し
    ていない第二のヘテロ原子として酸素、硫黄または窒素
    を含んでいてもよいヘテロ環を形成し、 pは、2、3または4の整数である)のジアゼピノイン
    ドール、 そのラセミ体および異性体、特にジアゼピノインドール
    ‐4‐オン環の炭素3によって決定される配置のもの、
    並びに薬学上許容可能なそれらの誘導体の有効量を含有
    する、COPDの治療用医薬組成物。
  2. 【請求項2】 式(I)のジアゼピノインドールがジアゼ
    ピン環のカルボニルに対してα位の不斉炭素原子を考慮
    すれば、カーン‐インゴールド‐プレローグ則によるR
    絶対配置を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 式(I)のジアゼピノインドールにおい
    て、BがOR1またはNR23であり、但しR1、R2
    よびR3は水素である、請求項1または2に記載の医薬
    組成物。
  4. 【請求項4】 式(I)のジアゼピノインドールにおい
    て、Aがハロゲン、アミノ、低級アルキルオキシカルボ
    ニルアミノまたはアルコキシから独立して選択される1
    ‐3個の基で置換されたアリールである、請求項1また
    は2に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 式(I)のジアゼピノインドールにおい
    て、Aがハロゲン、アミノ、低級アルキルオキシカルボ
    ニルアミノまたはアルコキシから独立して選択される1
    ‐3個の基で置換されたアリールである、請求項3に記
    載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 式(I)のジアゼピノインドールにおい
    て、Aが1‐2個の窒素原子を含んでなる単環性の窒素
    含有へテロアリールであるか、または1‐4個の窒素原
    子を含んでなる二環性の窒素含有へテロアリールであ
    る、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 式(I)のジアゼピノインドールにおい
    て、Aが1‐2個の窒素原子を含んでなる単環性の窒素
    含有へテロアリールであるか、または1‐4個の窒素原
    子を含んでなる二環性の窒素含有へテロアリールであ
    る、請求項3に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 ヘテロアリールがアミノ、低級アルキ
    ル、低級アルキルオキシカルボニルアミノ、またはアル
    キルカルボニルアミノ基で置換されている、請求項6に
    記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 式(I) (式中、BはNH2であり、Aはハロゲンおよびアミノか
    ら独立して選択される1‐3個の基で置換されたアリー
    ルである)の化合物、並びに薬学上許容可能なその誘導
    体の有効量を含有する、COPDの治療用医薬組成物。
  10. 【請求項10】 式(I) (式中、BはNH2であり、Aは1‐2個の窒素原子を含
    んでなる単環性へテロアリールである)の化合物、並び
    に薬学上許容可能なその誘導体の有効量を含有する、C
    OPDの治療用医薬組成物。
  11. 【請求項11】 (3R)‐イソキノリン‐3‐カルボ
    ン酸=(9‐ヒドロキシ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐
    3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ
    [6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)アミド、 (3R)‐4‐tert‐ブチルオキシカルボニルアミノ‐
    N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,
    4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,
    7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ベンズアミド、 (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ
    ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,
    4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イ
    ル)‐3,5‐ジクロロ‐ベンズアミド、 (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ
    ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,
    4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イ
    ル)‐5‐クロロ‐2‐メトキシベンズアミド、 (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
    ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピ
    ノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)イソニコ
    チンアミド、 (3R)‐3‐tert‐ブチルオキシカルボニルアミノ‐
    N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,
    4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,
    7,1‐hi]インドール‐3‐イル)イソニコチンアミ
    ド、 (3R)‐イソキノリン‐3‐カルボン酸=(9‐アミ
    ノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テト
    ラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]イン
    ドール‐3‐イル)アミド、 (3R)‐キノリン‐3‐カルボン酸=(9‐アミノ‐
    4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
    ドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドー
    ル‐3‐イル)アミド、 (3R)‐4,7‐ジメチルピラゾロ[5,1‐c]
    [1,2,4]トリアジン‐3‐カルボン酸=(9‐ア
    ミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テ
    トラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]イ
    ンドール‐3‐イル)アミド、 (3R)‐4‐アミノ‐3,5‐ジクロロ‐N‐(9‐
    ジメチルアミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,
    6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,
    1‐hi]インドール‐3‐イル)ベンズアミド、 (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
    ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピ
    ノ[6,7,1‐hi]インド‐ル‐3‐イル)‐2‐ベ
    ンゾフランカルボキサミド、 (3R)‐4,7‐ジメチル‐ピラゾロ[5,1‐c]
    [1,2,4]トリアジン‐3‐カルボン酸=[4‐オ
    キソ‐1‐フェニル‐9‐(ピロリジン‐1‐イル)‐
    3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼピノ
    [6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル]‐アミド、 ピリジン‐2‐カルボン酸=(3R)‐(9‐アミノ‐
    4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
    ドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インド
    ール‐3‐イル)アミド、 ピラジン‐2‐カルボン酸=(3R)‐(9‐アミノ‐
    4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒ
    ドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インド
    ール‐3‐イル)アミド、 (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ
    ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐
    [1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐
    3‐イル)ベンズアミド、または (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
    ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼ
    ピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ニコチ
    ンアミド、並びに薬学上許容可能なその誘導体から選択
    される化合物の有効量を含有する、COPDの治療用医
    薬組成物。
  12. 【請求項12】 (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐ア
    ミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テ
    トラヒドロ[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]イ
    ンドール‐3‐イル)‐3,5‐ジクロロベンズアミ
    ド、 (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
    ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ[1,4]ジアゼピ
    ノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)イソニコ
    チンアミド、 (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニ
    ル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐[1,4]ジアゼ
    ピノ[6,7,1‐hi]インドール‐3‐イル)ニコチ
    ンアミド、または (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐アミノ‐4‐オキソ
    ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐
    [1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐
    3‐イル)ベンズアミド、並びに薬学上許容可能なその
    誘導体から選択される化合物の有効量を含有する、CO
    PDの治療用医薬組成物。
  13. 【請求項13】 (3R)‐4‐アミノ‐N‐(9‐ア
    ミノ‐4‐オキソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テ
    トラヒドロ‐[1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]
    インドール‐3‐イル)ベンズアミド、並びに薬学上許
    容可能なその誘導体の有効量を含有する、COPDの治
    療用医薬組成物。
  14. 【請求項14】 (3R)‐N‐(9‐アミノ‐4‐オ
    キソ‐1‐フェニル‐3,4,6,7‐テトラヒドロ‐
    [1,4]ジアゼピノ[6,7,1‐hi]インドール‐
    3‐イル)ニコチンアミド、並びに薬学上許容可能なそ
    の誘導体の有効量を含有する、COPDの治療用医薬組
    成物。
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