JP2002137779A - 自動二輪車用エアバッグ装置 - Google Patents

自動二輪車用エアバッグ装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 事故時にエアバッグに対し運転者が斜めに衝
突した場合であっても、エアバッグが車体に対して回転
や揺動することなく確実に運転者を受け止めることがで
きる自動二輪車用エアバッグ装置を提供する。 【解決手段】 運転者の前方で膨張するエアバッグ5を
備え、この膨張したエアバッグの左右両端部と車体1と
を連結するベルト6を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突時等に運転者
を保護するための自動二輪車用エアバッグ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用エアバッグ装置が特開平
10-6901および特開平10-35564に開示されている。
【0003】上記の公報記載のエアバッグ装置は、エ
アバッグがその膨張展開時に乗員の前面に対向するフロ
ントバッグ部と、このフロントバッグ部と一体の左右の
サイドバッグ部とからなり、乗員の身体にまとわりつく
ように構成されている。
【0004】このようなエアバッグ装置により、乗員に
抵抗感を与えたり、着たり、脱いだりする煩わしさ無し
に、事故時に乗員を拘束することを図ろうとしている。
すなわち、事故時に膨張したエアバッグにより乗員の身
体をその前および左右から包んで保護しようとしてい
る。
【0005】上記の公報記載のエアバッグ装置は、乗
員の前方において、車体フレームにエアバッグを取付
け、このエアバッグに一端を取付けたバッグ繋留体の他
端を、車体フレームに連結し、このバッグ繋留体は、エ
アバッグの膨張展開時に、そのエアバッグとともに伸長
してエアバッグを保持する構成である。
【0006】このようなエアバッグ装置により、乗員の
身体を拘束して、乗員に作用する衝撃を有効に緩和する
ことを図ろうとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のの公報記載の自動二輪車用エアバッグ装置では、
エアバッグにより運転者の身体の前および左右から包も
うとしているが、エアバッグが車体フレームに対し固定
されず自由に回転や揺動するため、斜め方向に衝突した
場合等に、エアバッグが回転して運転者を拘束出来ない
おそれがある。
【0008】また、上記の公報記載の自動二輪車用エ
アバッグ装置においては、帯状等の繋留体でエアバッグ
を燃料タンク等の左右両側を通して車体フレームに連結
しているが、繋留体の端部が左右に広がったエアバッグ
後面の中間部に結合されているため、エアバッグに対し
運転者が真直ぐ前方に衝突すれば運転者への衝撃を緩和
できるが、障害物に対して斜め方向に衝突した場合に
は、エアバッグは運転者から斜め方向の力を受けること
になり運転者への衝撃を緩和できないおそれがある。
【0009】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、事故時に障害物に対し車両が斜めに衝突した場合
であっても、エアバッグが運転者への衝撃を有効に緩和
できる自動二輪車用エアバッグ装置の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、運転者の前方で膨張するエアバッグを
備え、この膨張したエアバッグの左右両端部と車体とを
連結するベルトを備えたことを特徴とする自動二輪車用
エアバッグ装置を提供する。
【0011】この構成によれば、左右に広がって膨張し
たエアバッグの左右両端がベルトにより車体に連結され
るため、障害物に対し車両が斜め方向から衝突した場合
に、所定の位置に拘束されるため、運転者の身体を拘束
できる。
【0012】好ましい構成例では、前記左右各ベルトの
車体側の端部は、運転者の後方下部の車体の左右に取付
けられ、各ベルトはエアバッグ膨張時に運転者の左右外
側に張設されることを特徴としている。
【0013】この構成によれば、左右のベルトが運転者
の上部前方のエアバッグ左右両端と運転者の下部後方の
車体間に張られるため、左右ベルトが運転者を囲み、運
転者の身体を拘束する。
【0014】さらに好ましい構成例では、前記自動二輪
車は左右のフートボードを備え、該フートボードの外縁
に沿って前記ベルトを配設したことを特徴としている。
【0015】この構成では、スクータ型式のフートボー
ドを備えた自動二輪車において、フートボード外縁に沿
ってベルトをシート後方から車体前部のエアバッグ収納
部まで配設し、これを離脱カバー等で覆うことにより外
観を損なうことなく、コンパクトにベルトを収納でき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態の
斜視図であり、スクータ型の小型自動二輪車を示す。
【0017】車体1は前側にハンドル2を有し、中央部
に運転者が跨るシート3を備え、内部の車体フレーム
(不図示)やエンジン(不図示)等が車体カバー4で覆
われる。エアバッグ5は、事故等の衝突時に図示したよ
うに運転者の前方で膨張する。エアバッグ5の左右両端
には、各々ベルト6の一端が縫製あるいは接着剤等によ
り取付けられる。この場合、エアバッグ5とベルト6と
の結合強度を高めるために、ベルト6の取付け端部を二
股状にしたり、ベルト6と同じ材料或はその他の補強用
の布材で取付け部を補強してもよい。ベルト6の他端部
は、運転者が乗るシート3の後方下部の車体カバー4内
の車体フレーム(不図示)に固定される。このベルト6
は、エアバッグ5と同様に、衝突時に膨張するインフレ
ータブルベルトであってもよい。
【0018】このようなベルト6は、フートボード7の
外縁に沿って形成された溝部(不図示)内に収納され、
離脱カバー8で覆われる。
【0019】衝突等の事故時に衝突センサー(不図示)
が加速度変化等によりこれを検出すると、エアバッグ5
およびベルト6に備わるインフレータ(不図示)が高圧
ガスを発生し、これらを膨張させる。これにより、エア
バッグ5が運転者の前方で左右に広がって膨張するとと
もに、その左右両端部がベルト6により車体1に連結さ
れて保持される。このようなベルト6により、エアバッ
グ5は車体1に対し所定の位置に拘束された状態で保持
される。したがって、斜め方向の衝突事故等で、エアバ
ッグは運転者を拘束する。この場合、ベルト6が運転者
の身体の両側からその腰部を挟んで囲むように左右に張
られるため、運転者はさらに確実に拘束される。また、
ベルト6が膨張するインフレータブルベルトであれば運
転者に対する保護機能がさらに高まる。ベルト6の車体
側への取付け端部は、例えばシート下部の車体中央部等
であってもよいが、図のように運転者の後方下部の車体
の左右両側に取付ければ、ベルトにより運転者を拘束で
きる。
【0020】図2は本発明の実施形態の側面図であり、
図3はその上面図である。図2に示すように、車体カバ
ー4で覆われた車体フレーム9は、ハンドル2のステア
リング(不図示)を保持するヘッドパイプ10とこれに
固定されたダウンチューブ11とその左右両側に設けら
れたサイドフレーム12およびダウンチューブ後端部に
連結されたシート3等を支持するリヤフレーム13等に
より構成される。エアバッグ5の左右両端を保持するベ
ルト6の車体側端部は例えばリヤフレーム13にボルト
等により固定される。このようなベルト6は図3に示す
ように、運転者の腰部の左右両側に張設され、前述のよ
うに、運転者を拘束する。
【0021】図4は本発明に係るエアバッグ装置の収納
配置例を示し、(A)は車体前部の斜視図、(B)はそ
のB−B部の断面図である。
【0022】前述のエアバッグは、衝突時に高圧ガスを
噴出してエアバッグを膨張展開するためのインフレータ
とともにエアバッグモジュール14として一体化され
る。このエアバッグモジュール14は、(A)に示すよ
うに、ハンドル2の中央ステアリング部の下部手前側に
装着される。このエアバッグモジュール14の左右両側
に接続して、前述のベルト6がフートボード7の外縁に
沿って配設される。ベルト6は、(B)に示すように、
フートボード7の外縁に形成された溝部15内に収納さ
れ離脱カバー8で覆われる。この離脱カバー8は、エア
バッグ膨張時にベルト6の膨張または溝部15から引出
される引張り力により外される。
【0023】エアバッグモジュール14の別の配置例と
して、(A)に示すように、ハンドル2のステアリング
部の前方側にエアバッグモジュール16として車体カバ
ー内に収納してもよい。このようにハンドル前側にエア
バッグモジュール16を配設することにより、エアバッ
グが膨張展開したときに、ベルト6が運転者の手と干渉
することなく引出される。
【0024】なお、上記実施形態はスクータ型の自動二
輪車について説明したが、他の型の自動二輪車に対して
も本発明は適用可能であり、その場合、例えばシート前
方の燃料タンクの左右両側を通してベルトの端部をその
後方の車体に固定することができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、左右
に広がって膨張したエアバッグの左右両端がベルトによ
り車体に連結されるため、障害物に対し車両が斜め方向
から衝突した場合に、エアバッグはベルトにより所定の
位置に拘束され、斜め方向の力に対して運転者を拘束す
る。これにより、衝突事故等において、運転者の保護機
能が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の斜視図。
【図2】 本発明の実施形態の側面図。
【図3】 図2の実施形態の上面図。
【図4】 本発明のエアバッグ装置の配置説明図。
【符号の説明】
1:車体、2:ハンドル、3:シート、4:車体カバ
ー、5:エアバッグ、6:ベルト、7:フートボード、
8:離脱カバー、9:車体フレーム、10:ヘッドパイ
プ、11:ダウンチューブ、12:サイドフレーム、1
3:リヤフレーム、14:エアバッグモジュール、1
5:溝部、16:エアバッグモジュール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者の前方で膨張するエアバッグを備
    え、この膨張したエアバッグの左右両端部と車体とを連
    結するベルトを備えたことを特徴とする自動二輪車用エ
    アバッグ装置。
  2. 【請求項2】前記左右各ベルトの車体側の端部は、運転
    者の後方下部の車体の左右に取付けられ、各ベルトはエ
    アバッグ膨張時に運転者の左右外側に張設されることを
    特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用エアバッグ装
    置。
  3. 【請求項3】前記自動二輪車は左右のフートボードを備
    え、該フートボードの外縁に沿って前記ベルトを配設し
    たことを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車用エア
    バッグ装置。
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