JP2002137533A - インクジェット印刷用シートのコート剤及びシート - Google Patents

インクジェット印刷用シートのコート剤及びシート

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JP2002137533A
JP2002137533A JP2000332049A JP2000332049A JP2002137533A JP 2002137533 A JP2002137533 A JP 2002137533A JP 2000332049 A JP2000332049 A JP 2000332049A JP 2000332049 A JP2000332049 A JP 2000332049A JP 2002137533 A JP2002137533 A JP 2002137533A
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ink
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sheet
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Masaru Ito
勝 伊藤
Ryoichi Aimiya
良一 相宮
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Nihon Junyaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Junyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの発色性、吸収性、透明性、画像の均
一性、解像性、さらには印刷された画像の耐水性に優れ
るインクジェット印刷用シート及びそのためのコート剤
の提供する。 【解決手段】 カチオン性重合体と、けん化度が90モ
ル%未満のポリビニルアルコール、及びアルミナゾルと
でインクジェット印刷用シートのコート剤を構成し、こ
のコート剤をシート基材の表面に塗布してインクジェッ
ト印刷用シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット
プリンターで使用されるインクジェット印刷用シート、
より詳しくは印刷された印刷用シート上のインクの発色
性、耐水性などの性能の改善されたインクジェット印刷
用シートに関し、さらにはそれらインクジェット印刷用
シートに塗工されて、それらの性能を改善するために用
いられるインクジェット印刷用シートのコート剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】パソコンやワープロなどに使用されるイ
ンクジェットプリンターは、印字の際の静かさや高速印
字性に加えて、絵柄などの鮮明性やカラー化が容易であ
るなど優れた点を多く有しているので、インクジェット
プリンターで印刷されたインクジェット印刷用シート
(以下、単に「印刷用シート」という。)は、従来のスラ
イド・プロジェクターに代わって、種々の会議や各種学
会における発表の際にプレゼンテーション用として用い
られるオーバーヘッド・プロジェクター(OHP)に使
用されることが多く、これに伴って用いられる印刷用シ
ートにも様々な性能要求がなされている。
【0003】かゝる印刷用シートの性能要求を一応満た
すものとして、特開平7−81213号公報には、基材
シートの一面にポリアクリル酸、ポリアクリル酸系共重
合体、カチオン変性ポリビニルアルコール等の特定の水
溶性樹脂を主体とした受容層を形成する印刷用シートが
提案されている。
【0004】この印刷用シートは、インキの定着性、発
色性、乾燥性、シートの透明性、耐ブロッキング性に優
れていると示されており、特にアニオン系染料を用いた
インキの定着性に有効であることが述べられている。
【0005】一方、本願の出願人は、特開平10−27
2830号公報において、前記アニオン系染料からなる
インクを用いた場合のインクの定着性をより向上させ、
印刷に際して水滴が付着した場合、印刷された画像のイ
ンクが滲みだすようなトラブルのない優れた耐水性を有
する印刷用シートの形成には、4級アンモニウム塩基を
有する化合物を共重合した共重合体が有効であることの
提案を行った。
【0006】また、特開平11−129612号公報に
は、カチオン性重合体、アルミナゲル及びシラノール基
変性ポリビニルアルコールを含むコート剤を使用すこと
によって、シートの耐水性、顔料発色濃度の高い印刷用
シートが得られることが提案されている。
【0007】しかしながら、未だ、これらによっても、
印画された画像の耐水性、インクの定着性及びシートの
透明性などの様々な実用上の要求性能を充分に満足して
いるとはいえない状況であり、さらなる改善が求められ
ているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかゝる現状
に鑑み、印刷用シートにおけるインク受容層の持つ諸性
質に加え、透明性を損なうことなく、特に印画の耐水性
と発色性の相反する性能を改良した印刷用シート、及び
その改良のために用いられる印刷用シートのコート剤を
提供すべく鋭意研究を行った。
【0009】すなわち、印刷用シートの改善、特にそれ
をもたらすコート剤についてのさらなる研究の結果、カ
チオン性重合体、特定のポリビニルアルコール及びアル
ミナゾルからなるコート剤が、印刷用シートの特性を一
段と向上するものであることを見出して、この発明を完
成させたのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の発明は、カチオン性重合体と、けん化度が90モル
%未満のポリビニルアルコール及びアルミナゾルからな
ることを特徴とするインクジェット印刷用シートのコー
ト剤である。
【0011】請求項2に記載の発明は、3級又は4級ア
ンモニウム塩基を有するビニル単量体を構成単量体とす
るカチオン性重合体と、けん化度が90モル%未満のポ
リビニルアルコール及びアルミナゾルからなることを特
徴とするインクジェット印刷用シートのコート剤であ
る。
【0012】この明細書の請求項3に記載の発明は、3
級又は4級アンモニウム塩基を有するビニル単量体を構
成単量体とするカチオン性重合体と、又はその他のカチ
オン性重合体と、ポリビニルアルコール及びアルミナゾ
ル以外に、架橋性化合物を含むことを特徴とするインク
ジェット印刷用シートのコート剤である。
【0013】この明細書の請求項4に記載の発明は、カ
チオン性重合体と、けん化度が90モル%未満のポリビ
ニルアルコール及びアルミナゾルからなるコート剤が、
表面に塗布されていることを特徴とするインクジェット
印刷用シートである。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明におけるインクジェット
印刷用シートのコート剤は、カチオン性重合体と、けん
化度が90モル%未満のポリビニルアルコール及びアル
ミナゾルからなることを特徴とするもので、以下それら
について説明する。
【0015】カチオン性重合体 この発明におけるカチオン性重合体とは、種々知られて
いるカチオン性基を有する重合体のことで、この発明に
とり好ましいものは、3級又は4級アンモニウム塩基を
有するものであり、特に好ましいものは、4級アンモニ
ウム塩基を有する重合体である。
【0016】重合体を構成し、3級又は4級アンモニウ
ム塩基を重合体に付与する単量体も種々知られている
が、この発明にとり好ましいものは、アクリル酸又はメ
タクリル酸のモノ又はジアルキルアミノアルキルエステ
ルの3級塩又は4級塩(以下、「カチオン性(メタ)ア
クリレート」という。)である。
【0017】このカチオン性(メタ)アクリレートを構
成単量体とするカチオン性基を有する重合体は、通常、
カチオン性(メタ)アクリレートとその他のビニル単量
体の共重合体であり、この発明にとり好ましいものは、
カチオン性(メタ)アクリレートを5〜40質量%の範
囲で構成単量体とする共重合体であり、さらに好ましい
重合体は、カチオン性(メタ)アクリレートを10〜3
0質量%の範囲で構成単量体とする共重合体である。
【0018】カチオン性(メタ)アクリレートの構成割
合が5質量%未満ではインキの定着性が損なわれ、40
質量%を超えると耐水性が劣るようになる。
【0019】カチオン性(メタ)アクリレートとして
は、末端のアルキル基が炭素数1乃至8個のアルキル
基、鎖中のアルキレン基が炭素数2乃至4個のアルキレ
ン基であるものが好ましく、その具体的な化合物として
は、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプ
ロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルア
ミノブチルメタクリレート、ジヒドロキシエチルアミノ
エチルメタクリレート、ジプロピルアミノエチルメタク
リレート、ジブチルアミノエチルメタクリレートなどの
(メタ)アクリレートの3級塩又は4級塩を挙げること
ができる。
【0020】(メタ)アクリレートを3級塩又は4級塩
化し、カチオン性(メタ)アクリレートとするために用
いられる化合物としては、例えば、鉱酸(塩酸、硝酸、
硫酸など)、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル
硫酸などのアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メ
チル、ベンゼンスルホン酸メチルなどのスルホン酸エス
テル類、トリメチルホスファイトなどのアルキルリン
酸、アルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライ
ド、アルキルクロライド、アルキルブロマイドなどの各
種ハライドなどが挙げられる。
【0021】この発明において、特に好ましいカチオン
性(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノエチルメタ
クリレートと、塩化メチルとの反応物である2−(トリ
メチルアンモニオ)エチルメタクリレート塩化物、ジメ
チルアミノエチルアクリレートと塩化メチルとの反応物
である2−(トリメチルアンモニオ)エチルアクリレー
ト塩化物などであり、それらは市場で入手しやすく、工
業的に容易にカチオン性重合体を得ることができるもの
である。
【0022】(メタ)アクリレートを3級塩又は4級塩
化し、カチオン性(メタ)アクリレートとするのは、重
合前でも重合後でもよく、(メタ)アクリレートを重合
したのち3級塩又は4級塩化しても、3級塩又は4級塩
化したカチオン性(メタ)アクリレートを重合すること
でもよい。
【0023】この発明のカチオン性重合体において、カ
チオン性(メタ)アクリレートと共重合される、その他
のビニル単量体の具体的な化合物としては、例えば、ス
チレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニリデン、ア
クリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロ
リドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが
挙げられる。
【0024】具体的なアクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸エステル類としては、メチル、エチル、ブチル、イ
ソブチル、オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル
類、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエ
チルエクリレートなどのエーテル結合を有する(メタ)
アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒ
ドロキシ基含有単量体、グリシジルメタクリレートなど
が挙げられる。
【0025】さらに、末端メタクリレートポリメチルメ
タクリレート、末端スチリルポリメチルメタクリレー
ト、末端メタクリレートポリスチレン、末端メタクリレ
ートポリエチレングリコール、末端メタクリレートアク
リロニトリルスチレン共重合体等のマクロモノマー類な
ども使用可能である。
【0026】同様に、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸及びそれらのエステル類なども使用でき、さらに必要
に応じて、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシビ
ニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなども使用することができる。
【0027】カチオン性重合体の製造方法としては、あ
らかじめ所定量の単量体を、水媒体又は水溶性有機溶剤
を含んだ水性媒体に溶解又は分散させ、通常のラジカル
重合開始剤による重合により調製する方法が挙げられ
る。
【0028】このカチオン性重合体は、通常のエマルジ
ョン重合でも製造可能であるが、エマルジョン重合では
得られた共重合体の粒子形状が大きくなり、フィルムに
塗布した場合にフィルムの透明性を損なうおそれがある
ため、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル等アルコール系の溶剤と、水の混合溶媒系で重合して
調製することが好ましい。
【0029】コート剤として溶剤の使用が好ましくない
時には、カルボキシル基又はその塩を有するビニル単量
体を共重合体成分として使用し、重合後に使用した溶剤
を溜出し、重合体のカルボキシル基をアンモニア、アミ
ン、NaOH、KOH等のアルカリ剤で中和し、重合体
を水溶化し、水溶液にして使用することができる。
【0030】水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、ブタノール、プロパノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ、ジオキセタン、テトラヒドロフ
ランなどが挙げられる。
【0031】ポリビニルアルコール この発明に用いられるポリビニルアルコールは、けん化
度が90モル%未満のもので、主にポリ酢酸ビニルをけ
ん化反応して得られるものである。
【0032】けん化度が90モル%以上のポリビニルア
ルコールを用いたものでは、吸湿性が劣り、インクの定
着性が劣り、また、水への溶解性も悪くなるためインク
ジェット印刷用シートのコート剤を調整する際の作業性
が悪くなるといった欠点が発生するので、この発明にと
り好ましいポリビニルアルコールは、けん化度が75モ
ル%以上90モル%未満のものであり、特に好ましいも
のはけん化度が85モル%以上90モル%未満のもので
ある。
【0033】けん化度が75モル%未満のものは、形成
されるコート層となる皮膜の強度が低下するおそれがあ
り、使用を避けるのが好ましい。
【0034】また、この発明におけるポリビニルアルコ
ールとしては、その平均重合度が500以上2000未
満のものが好ましく、平均重合度が500未満のもの
は、形成されるコート層となる皮膜の強度を低下させる
おそれがあり、2000以上のものは、水に対する溶解
性が悪く作業性を低下させるおそれがあり、いずれもそ
の使用を避けるのが好ましい。
【0035】ポリビニルアルコールは種々の種類のもの
が市販されており、この発明においてもそれら市販品を
使用することができ、使用可能な市販品としては、例え
ば、株式会社クラレ製のPVA−205(規格;けん化
度87〜89モル%、平均重合度500)、PAV−2
07(規格;けん化度87〜89モル%、平均重合度7
00)、PAV−217(規格;けん化度87〜89モ
ル%、平均重合度1700)、PVA−417(規格;
けん化度79〜84モル%、平均重合度1700)など
が挙げられる。
【0036】アルミナゾル この発明におけるアルミナゾルとは、通常の水を分散媒
としたアルミナ水和物のコロイド液を意味し、種々市販
されているものを用いることができ、具体的な市販品の
アルミナゾルとしては、例えば、日産化学株式会社製の
アルミナゾル−100、アルミナゾル−200などが挙
げられる。
【0037】コート剤の調製方法 この発明におけるインクジェット印刷用シートのコート
剤は、前記カチオン性重合体と、前記ポリビニルアルコ
ール及び前記アルミナゾルの3つの成分を必須の構成成
分として配合されて使用されるもので、その配合割合
は、前記カチオン性重合体100質量部に対して、ポリ
ビニルアルコール3〜20質量部、アルミナゾル2〜1
5質量部であることが好ましく、さらに好ましい配合割
合は、カチオン性重合体100質量部に対して、ポリビ
ニルアルコール5〜15質量部、アルミナゾル5〜10
質量部である。なお、ここで表す質量部は、すべて固形
分相当の数値を言う。
【0038】ポリビニルアルコールが3質量部未満であ
ると、インクの発色性が劣る傾向が生じやすく、20質
量部を超えると耐水性が劣る傾向を生じやすい。また、
アルミナゾルが、2質量部未満であると充分な耐水性が
得られがたく、15質量部を超えると透明性が劣る傾向
を生じやすい。
【0039】この発明のコート剤は、印刷用シートのイ
ンク受容層に耐水性をもたらすことができるが、さらに
強固な耐水性を発揮するためには、前記共重合体に対す
る架橋性化合物を添加配合することが有効な手段とな
る。
【0040】かゝる架橋性化合物としては、好ましくは
エーテル類の1分子当たり2個以上のエポキシ基を有す
る化合物、メラミン化合物、ウレタン化合物、イソシア
ネート化合物及びオキサゾリン化合物などが挙げられ
る。
【0041】エーテル類の1分子当たり2個以上のエポ
キシ基を有する化合物として具体的なものは、2〜4個
のグリシジル基を有するエポキシ化合物であり、例え
ば、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールポリグリシジルエーテルなどを挙げ
ることができ、これらの1種もしくは2種以上が使用で
きる。
【0042】メラミン化合物としては、メチル化メラミ
ン樹脂、メチルブチル混合アルキル化メラミン樹脂、メ
チル化ベンジルグアナミン樹脂などを挙げることができ
る。
【0043】また、イソシアネート化合物としては、ア
ニオン性の水性ウレタン樹脂、ブロック型イソシアネー
トなどを挙げることができる。
【0044】また、オキサゾリン化合物としては、2.
2´−ビス(2−オキサゾリン)、2.2´−(1,3
−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2.2´
−1.4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)な
どを挙げることができる。
【0045】これら架橋性化合物の使用量は、前記カチ
オン性重合体100質量部に対して、1〜20質量部の
範囲であるのが好ましく、より好ましくは5〜15質量
部である。
【0046】この発明のコート剤には、前記のアルミナ
ゾルのほかに、必要に応じて無機微粒子を加えることも
できる。
【0047】無機微粒子としては、コロイダルシリカ、
炭酸カルシウム、カオリン、硫酸カルシウム、酸化亜
鉛、ケイ酸アルミニウム、ゼオライトなどを挙げること
ができる。
【0048】また、必要に応じて水溶性のバインダーと
して、デンプンやその変性物、この発明で用いられる以
外のポリビニルアルコール及びその変性物、SBRラテ
ックス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを併用するこ
とができる。
【0049】さらに、成膜助剤として、エチレングリコ
ール、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコールn−ブチルエーテルなども用いること
ができる。
【0050】この発明のコート剤は、前記のようにして
得られた共重合体の溶液に、ポリビニルアルコール及び
アルミナゾルを添加混合し、またはそれに、架橋性化合
物、添加剤などを加えて均一に混合することにより調製
することができる。
【0051】この発明のコート剤のインクジェット印刷
用シート基材への塗布は、上記コート剤を、水性媒体又
は水溶性有機溶剤で適度に希釈した後、公知のリバース
コーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、
ロールコーター、ブレードコーターなどの塗工機を用い
て行うことができる。
【0052】インクジェット印刷用シート基材の材質と
しては、プラスチックフィルム、紙など各種あるが、紙
の場合は、抄紙の段階で水溶液として含浸させることが
望ましく、防災設備が備わっていない装置では水溶液型
でなければ引火のおそれがあり、使用は避けるのが望ま
しい。
【0053】この発明のコート剤を、インクジェット用
印刷シートに透明性が要求される場合は、2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレート、セルローストリアセテート、
ポリカーボネート等の50〜250μmのシート、透明
性を要求されない場合は、クレイコート紙や、ポリスチ
レン、ポリプロピレン系合成紙などの基材へ、好ましく
は膜厚で1〜20μm程度になるように塗布することに
より、基材表面にインキ受容層が形成され、優れた性能
を有するインクジェット用印刷用シートを調製すること
ができる。
【0054】
【作用】この発明のインクジェット印刷用シートのコー
ト剤は、水系、溶剤系のいずれの形態においてもシート
に塗工することができ、得られたインクジェット印刷用
シートは、インクジェットインクで印字した時、インク
の定着性、発色性、解像力がいずれも優れており、ま
た、耐水性に優れた塗膜強度を形成することができるも
のである。
【0055】その理由は、主としてアンモニウム塩基を
有するカチオン性重合体の側鎖に存在するアンモニウム
塩基によるカチオン性能が、インク、特に、アニオン系
染料からなるインクの定着性及び解像力をより優れたも
のとし、さらに、ポリビニルアルコールの添加によって
印字性を向上させ、アルミナゾルの添加により耐水性が
向上し、よって、一般に両立の難しい耐水性と印字性を
ともに良好な状態にすることができるものと推定され
る。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例によってこの発明を
さらに具体的に説明する。なお、これら実施例、比較例
において「部」は質量部を、「%」は質量%を示すもの
である。
【0057】 <実施例1> 〔カチオン性重合体の製造〕 2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート塩化物 15部 アクリル酸 5部 メタクリル酸メチル 30部 アクリル酸エチル 30部 アクリル酸2−エチルヘキシル 10部 2−メトキシエチルアクリレート 10部 イソプロピルアルコール 200部 イオン交換水 100部 アゾビスイソブチルニトリル 0.5部 上記単量体などの混合物を撹拌羽根付きのガラス製フラ
スコに仕込み、温度60℃で窒素雰囲気下において6時
間反応させて、カチオン性重合体溶液を得た。
【0058】 〔コート剤の作製〕 上記カチオン性重合体溶液(固形分25%) 400部 PVA―217の4%水溶液 400部 アルミナゾルー100(固形分10%) 100部 上記成分を充分に混合し、コート剤とした。なお、アル
ミナゾル−100は日産化学製、PVA―217はクラ
レ製である。
【0059】〔インクジェット印刷用シートの作製〕基
材シートとして、厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートシートを用い、その表面をコロナ放電
処理した後、その面に上記コート剤をバーコーターで塗
布量15g/m2 (固形分)になるように塗布し、乾燥
して、上記コート剤から形成されたインク受容層を有す
るインクジェット印刷用シートを作成した。
【0060】<実施例2>〔カチオン性重合体の製造〕
実施例1で作成した重合体溶液のイソプロピルアルコー
ル200部を減圧下、温度80℃で留出し、25%アン
モニア水でpH4.5に調整し、イオン交換水300部
添加し、透明なカチオン性重合体水溶液を得た。
【0061】 〔コート剤の作製〕 上記カチオン性重合体水溶液(固形分20%) 500部 PVA―217の4%水溶液 400部 アルミナゾルー100(固形分10%) 100部 上記成分を充分に混合し、コート剤とした。
【0062】〔インクジェット印刷用シートの作製〕上
記コート剤(水溶液)を、70g/m2 の上質紙に10
g/m2 の厚み(固形分)でバーコーターで塗布乾燥
し、上記コート剤から形成されたインク受容層を有する
インクジェット印刷用シートを作成した。
【0063】 <比較例1> 〔コート剤の作製〕 実施例1で作製したカチオン性重合体溶液(固形分25%) 400部 PVA―217の4%水溶液 400部 上記成分を充分に混合し、コート剤とした。
【0064】〔インクジェット印刷用シートの作製〕実
施例1と同様の方法で作製した。
【0065】 <比較例2> 〔コート剤の作製〕 実施例1で作製したカチオン性重合体溶液(固形分25%) 400部 アルミナゾル−100(固形分10%) 100部 上記成分を充分に混合し、コート剤とした。
【0066】〔インクジェット印刷用シートの作製〕実
施例1と同様の方法で作製した。
【0067】 <比較例3> 〔コート剤の作製〕 実施例2で作製したカチオン性重合体水溶液(固形分20%) 500部 PVA―217の4%水溶液 400部 上記成分を充分に混合し、コート剤とした。
【0068】〔インクジェット印刷用シートの作製〕実
施例2と同様の方法で作製した。
【0069】 <比較例4> 〔コート剤の作製〕 実施例2で作製したカチオン性重合体水溶液(固形分20%) 500部 アルミナゾル−100(固形分10%) 100部
【0070】〔インクジェット印刷用シートの作製〕実
施例2と同様の方法で作成した。
【0071】<評価及び結果>実施例1〜2及び比較例
1〜4のコート剤でインク受容層を形成した各印刷用シ
ートを試料として、インクジェットプリンター(エプソ
ン製PM−770C)を用いて印字し、インク受容層の
性能について、インクの定着性、耐水塗膜強度を下記の
とおり評価し、表1の結果を得た。 1)インクの定着性 印刷用シートにテストパターンを印字し、温度25℃、
湿度50%RHの状態で24時間放置後インクのしみだ
しの有無を目視により評価した。 ○;しみだしなし ×;しみだし有り 2)耐水塗膜強度 インク受容層を水に浸漬したティッシュで擦って塗膜の
状態を観察した。 ◎;塗膜の状態きわめて良好 ○;塗膜の状態良好 ×;塗膜の状態不良
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】この発明のインクジェット印刷用シート
のコート剤は、水系、溶剤系のいずれの形態においても
シートに塗工することができ、このコート剤が塗布され
たインクジェット印刷用シートにインクジェットインク
で印字した時、インクの定着性、発色性、解像力のいず
れにおいても優れており、また、耐水性に優れた塗膜強
度を得ることができるものである。
【0074】特に、この発明においては、コート剤の成
分であるカチオン性重合体、特定のポリビニルアルコー
ル及びアルミナゾルの組合せにより、一般に両立の難し
い耐水性と印字性をともに良好な状態にすることができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA37 BA41 4J038 CE021 CE022 CG141 CH191 GA06 GA08 HA136 KA03 KA18 NA01 NA04 PB11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性重合体と、けん化度が90モ
    ル%未満のポリビニルアルコール及びアルミナゾルから
    なることを特徴とするインクジェット印刷用シートのコ
    ート剤。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性重合体は、3級又は4級
    アンモニウム塩基を有するビニル単量体を構成単量体と
    するものであることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット印刷用シートのコート剤。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2記載のインクジェッ
    ト印刷用シートのコート剤は、 カチオン性重合体、ポリビニルアルコール及びアルミナ
    ゾル以外に、架橋性化合物を含むことを特徴とするイン
    クジェット印刷用シートのコート剤。
  4. 【請求項4】 カチオン性重合体と、けん化度が90モ
    ル%未満のポリビニルアルコール及びアルミナゾルから
    なるコート剤が、表面に塗布されていることを特徴とす
    るインクジェット印刷用シート。
  5. 【請求項5】 前記コート剤は、 カチオン性重合体、ポリビニルアルコール及びアルミナ
    ゾル以外に、架橋性化合物を含むことを特徴とする請求
    項4記載のインクジェット印刷用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7745525B2 (en) 2002-06-10 2010-06-29 International Paper Company Waterfast dye fixative compositions for ink jet recording sheets

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