JP2002137268A - ボールねじ装置及び同装置を備えた射出成形機 - Google Patents

ボールねじ装置及び同装置を備えた射出成形機

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JP2002137268A
JP2002137268A JP2000338457A JP2000338457A JP2002137268A JP 2002137268 A JP2002137268 A JP 2002137268A JP 2000338457 A JP2000338457 A JP 2000338457A JP 2000338457 A JP2000338457 A JP 2000338457A JP 2002137268 A JP2002137268 A JP 2002137268A
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nut
ball
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elastic body
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JP2000338457A
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Yoshito Yamamoto
義人 山本
Hidenori Asano
英紀 浅野
Toshimichi Sugita
俊道 杉田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷のボールねじナットを得るためにボ
ールナットの長さを長くしようとすれば、ナットの端部
の方の変形が大きいため、作用端側の荷重が益々増加す
る傾向となる。また、ボールナットを2重にしてナット
に加わる負荷を分散させようとするときは、2つのボー
ルナットの荷重のバランス調整は難しい。これに対して
本発明は複数のボールナットを使用して、それぞれのボ
ールナットにうまく負荷を分担させることを課題とす
る。 【解決手段】 スラスト方向を固定部材に拘束している
ボールねじ軸21を回転駆動してボールねじに螺合する
ボールねじナット22の直線移動に換え、ボールねじナ
ットと結合し、片側1方向に移動するときに重荷重が負
荷される作用体6を移動させるボールねじ装置におい
て、ボールねじ軸21に複数のボールねじナット22を
螺合し、同複数のボールねじナットを同一作用体に弾性
体23、33、40を介して取り付け、一方向に重荷重
が負荷された作用体が移動するとき、各ナットに略均等
な荷重分布をさせるようにしたボールねじ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転運動を直線運
動に変換するボールねじナット支持装置、又は逆に直線
運動を回転運動に変換するボールねじナット支持装置、
及び同ボールねじナット支持装置を組込んだ射出成形
機、特に電動射出成形機の射出、型開閉、型締、エジェ
クタ等の直進駆動に使用するボールねじの片側方向の負
荷を分担して支える複数のボールねじナットの支持構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の直進移動軸の駆動源とし
て、従来は主として油圧が用いられていたが、最近は作
業環境の改善、電力エネルギー効率向上、作動部の速
度、位置等の制御容易の利点を有する電気式駆動が多く
用いられるようになってきている。即ち、射出スクリュ
の射出駆動、型締装置の型盤移動、型締,エジェクタ等
の直進移動の駆動源には、電気サーボモータと、そのモ
ータの回転を直線駆動に換える最も機械効率のよいボー
ルねじ構造が使用されるようになってきている。
【0003】従来の射出成形機の電動射出駆動装置は、
駆動モータが1個又は2個のものがあり、駆動モータが
1個の場合、回転を直進運動に変えるためのねじとナッ
トは駆動力のバランスを取るため、射出スクリュの両側
に対称に一対設けられ、動力伝動は伝動用歯付きベル
ト、又は歯車トレーンに拠っていた。(例えば,特公平
8−9184号公報に開示された射出成形機の射出装置
参照)。しかし,上記従来の電動射出駆動装置は、小型
の射出成形機に対しては問題ないが、中型以上の射出成
形機になると、射出に要する射出時の圧力が非常に大き
く、大きいトルクを出力するための特別仕様のモータが
必要となるので、コストが高くなるのみならず、射出成
形機に搭載時の配置バランスが悪くなるという問題があ
る。
【0004】射出成形機の射出駆動において、射出スク
リュの先端に貯溜した溶融樹脂を射出スクリュを前進さ
せて急速に金型キャビティ内に押出すとき、射出スクリ
ュは大きな押力を必要とするので、射出駆動にボールね
じを用いるときは、ボールねじによる直線往復駆動の片
側方向が高負荷になり、ボールねじの許容最大負荷力は
この射出駆動時の押力によって選定されている。また、
ボールねじの負荷力はスクリュ溝とボールナット溝に挟
まれているボールの転がり耐圧力で計算され、設計上の
負荷能力はスクリュの作動螺旋上にある作動ボールに均
等な圧力が作用するものとして負荷力が計算される。
【0005】小型の射出成形機の射出駆動にボールねじ
が用いられる場合は、ボールねじを許容力の限界サイズ
より大きく選定してもボールねじ装置のコストはあまり
問題ないが、中型以上の射出成形機で射出圧力が大きく
なると、ボールねじのサイズとこれに伴うコストが大き
な問題になり、限界設計が要求される。ボールねじ軸の
軸方向に高い引張力が掛けられたとき、ボールねじ軸は
固定側の軸受とボールナットとの間で伸び、ボールナッ
トも軸方向の力を受けて伸縮するので、ボールねじのス
クリュ側とボールナット側のねじピッチがずれて、ボー
ルの受圧力が軸方向の位置によって変化し、特にボール
ナットの端部に大きな荷重がかかる。
【0006】図15に特開2000−108175号で
公示されている従来のボールねじ装置を示す。このボー
ルねじ装置の構成は、ボールねじ軸010は図示しない
左方の固定側で駆動されて回転し、ボールねじ軸010
の軸方向は強力なスラスト軸受で拘束され、ボールねじ
軸010のボールねじにより射出スクリュに結合してい
る移動フレーム06がボールねじナット011に押され
て矢印で示す射出方向へ移動する。59はフランジ状の
圧力検出センサ(ロードセル)である。このボールねじ
装置の構成では、図18に示したように、ボールナット
011の作用端部のボールほどボールの受圧荷重が大き
くなる。ボールねじ050の容量を増加するためボール
ナット011の長さを長くしてもナット011の端部の
方の変形が大きいため、作用端側の荷重が増加する傾向
は避けられない。040は固定側部材で、ボールねじ軸
010を軸受030で回転自在に軸支している。
【0007】特開2000−234660号に開示され
たボールねじ装置は、このナットを長くしたときの偏り
重荷重の問題を解決する手段である。その構成を図16
に示す。ボールねじ軸01は固定側部材04においてス
ラスト軸受03で回転可能に、軸方向を拘束されて支え
られ、図示しない駆動手段によりプーリー05が駆動さ
れて、プーリー05と結合しているボールねじ軸01が
回転し、ボールねじ軸01に螺合するボールナット02
に押されて、射出スクリュに結合している移動フレーム
08が矢印で示す射出方向へ移動する。
【0008】ボールナット02はボールナット02A、
ボールナット02Bの2つのボールナットを2重に設け
て負荷のピーク時に双方のボールナットに均等に荷重が
加わるように、相対位置を調整板07を入れて調整した
ものであり、そのボールナットのボールの軸方向の受圧
荷重は図19に示したようにかなり平坦な分布に改善さ
れている。この場合もボールナット02は作用体である
移動フレーム08と固定結合しているので荷重のバラン
ス調整は難しく、一体のときと同様にナットの作用端部
に近いほど変形が大きいため、荷重の増加は避けられな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例で説明し
たように、高負荷のボールねじナットを得るためにボー
ルナットの長さを長くしようとすれば、ナットの端部の
方の変形が大きいため、作用端側の荷重が益々増加する
傾向となる。また、ボールナットを2重にしてナットに
加わる負荷を分散させようとするときは、2つのボール
ナットの荷重のバランス調整は難しい。折角複数のボー
ルナットを使用するのであれば、それぞれのボールナッ
トにうまく負荷を分担させることが望ましく、本発明は
この要望を達成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題に対して本発
明は、以下に述べる各項を課題解決の手段とする。 (1)スラスト方向を固定部材に拘束しているボールね
じ軸を回転駆動してボールねじに螺合するボールねじナ
ットの直線移動に換え、ボールねじナットと結合し、片
側1方向に移動するときに重荷重が負荷される作用体を
移動させるボールねじ装置において、ボールねじ軸に複
数のボールねじナットを螺合し、同複数のボールねじナ
ットを同一作用体に弾性体を介して取り付け、一方向に
重荷重が負荷された作用体が移動するとき、各ナットに
略均等な荷重分布をさせるようにしたボールねじ装置。
【0011】(2)(1)のボールねじ装置に用いられ
る弾性体は、作用体に取付けられる大径のリング状ボス
とボールねじナットに取付けられる小径のリング状ボス
との間に一体に作られた円板とで構成されるダイアフラ
ム形状の弾性体であるボールねじ装置。 (3)(1)のボールねじ装置のボールねじナットと作
用体に両端面を固定して設けられる弾性体は、リング状
板の片面に対称に所定幅の一定高さの突起部を設けた突
起リング板を複数枚、互いに角度90度回して突起部と
平面部とを固定して筒状に組合わせることにより重荷重
に耐え、リング板面に垂直方向の弾性定数を小さくした
弾性体であるボールねじ装置。
【0012】(4)(1)のボールねじ装置のボールね
じナットと作用体に両端面を固定して設けられる弾性体
は、中空の円筒体の側面に等ピッチに円筒直角断面の両
側に対称に所定角度づつ残して両側から複数の切り込み
を入れ、隣同士の切り込みは互いに90度回して設けて
重荷重に耐え、円筒軸方向の弾性定数を小さくした弾性
体であるボールねじ装置。 (5)射出成形機の直進駆動軸の駆動に、請求項1〜4
に記載するボールねじ装置を用いた射出成形機。
【0013】
【発明の実施の形態】
【第一の実施形態】本発明の実施の形態を図に基づいて
説明する。図1は電動射出駆動装置を備えた射出成形機
の全体側面図、図2は図1のA−A断面(1部分)によ
って示した電動射出駆動装置の平面図、図3は図2の電
動射出駆動装置のB部拡大図である。この射出駆動装置
は、射出スクリュの樹脂送りと可塑化を電動モータ駆動
で行うと同時に、これと別に設けた2台の電動モータの
回転を同期制御しつつ直進動作に変換し、この2つの直
進動作を同時に射出スクリュに加えて射出前進及び後退
するように構成した射出成形機の射出駆動装置である。
【0014】まず、電動射出駆動装置を備えた射出成形
機1の概略と電動射出駆動装置に用いられているボール
ねじ装置20の構成を説明する。図において、駆動装置
台3に固設された固定側フレーム4の側面には射出シリ
ンダ5の基部が取付けられている。固定側フレーム4の
上部に、1対の射出駆動用モータ11が取付けられ、モ
ータ11の出力軸には小プーリー12が、キーにより回
転方向を制止して取付けられている。射出駆動用モータ
11は減速機付モータである。
【0015】固定側フレーム4の両側に1対のボールね
じ装置20A、20Bが取付けられている(固定側フレ
ーム4の取付け側の区別をする必要がないときは、ボー
ルねじ装置20と称する)。ボールねじ装置20Aはボ
ールねじ軸21とこの軸21に螺合する2組のボールね
じナット22A、22B及びボールねじナット22A、
22Bを取付けるときに移動フレーム6との間に介在す
るダイアフラム形状の弾性体23とで構成されている。
同様にボールねじ装置20Bはボールねじ軸21とこの
軸21に螺合する2組のボールねじナット22C、22
D及びボールねじナット22C、22Dを取付けるとき
に移動フレーム6との間に介在する弾性体23とで構成
されている。
【0016】固定側フレーム4において、ボールねじ軸
21は回転可能に、また、大きなスラストを受け持ち可
能なように、大容量のアンギュラコンタクトベアリング
19を介して取付けられている。また、この1対のボー
ルねじ軸21の先端には、大プーリー13がキーで回転
方向を制止して取付けられている。射出駆動用モータ1
1の回転は、小プーリー12と歯付ベルト14と大プー
リー13を介して、ボールねじ軸21に伝達される。図
示略の制御装置により、1対の射出駆動用モータ11は
同期制御され、従って、ボールねじ軸21も同期回転す
る。
【0017】移動フレーム6は、駆動装置台3の上面に
敷設されたレール31上を、リニアベアリング32を介
して水平に射出方向に移動可能である。移動フレーム6
の両側には、ボールねじ軸21のボールねじに螺合する
一対のボールねじナット22A、22Bと、ボールねじ
ナット22C、22Dとが取付けられているので、1対
のボールねじ軸21が同期回転すると、両側のボールね
じナット22A、22Bと22C、22Dは同時に移動
し、移動フレーム6を射出シリンダ5の軸方向に進退さ
せる。移動フレーム6の後方には射出スクリュ回転駆動
用(樹脂送り、可塑化用)減速機付モータ8が取付けら
れている。
【0018】以上に述べた構成の射出成形機1の電動射
出駆動とボールねじ装置の作用を説明する。樹脂送り、
可塑化の工程においては(図2の実線の位置におい
て)、モータ8を回転して射出スクリュ7を回し、ホッ
パ9から樹脂のペレットを導入して送りながら加熱し、
樹脂を溶融可塑化する。同時に、2台の射出駆動用モー
タ11をゆっくり同期運転して移動フレーム6を後進
し、射出スクリュ7をゆっくり後退させ、溶融樹脂を射
出スクリュ7の先端に溜める。
【0019】金型に対して1ショット分の樹脂を溜め終
わったとき(移動フレーム6は、図2の2点鎖線で示し
た位置まで移動する)、射出スクリュ回転用モータ8を
停止し、2台の射出駆動用モータ11を同期運転で高速
回転し、射出スクリュ7を高速に移動させて樹脂を金型
のキャビティ内に射出する(図2の実線の位置に戻
る)。次のサイクルのための樹脂送り、可塑化の工程に
移行し、同じ工程を繰り返す。
【0020】大きな力が必要な射出工程のとき、ボール
ねじ軸21が引張り側となるように構成されているの
で、ボールねじ軸21は撓む虞がない(ボールねじ軸2
1が圧縮側になっていると不安定な曲げ−バックリング
(座屈変形)−が起こり易い)。
【0021】弾性体23の構成と機能を図3、図4、図
5及び図17によって説明する。弾性体23は移動フレ
ーム6の側部6a、6b、6c、6dに調整板26、2
7を挟んでボルト孔23bを介して取付けられ、弾性体
23の中央孔にはボールねじナット22が嵌め込まれ、
ボルト孔23aを介してボルト締めされている。弾性体
23の円板部23cの内側面にはストレインゲージ型の
押圧力センサ24が貼り付けられている。ボールねじ軸
21によりボールねじナット22Aに矢印で示した方向
に大きい押圧力が加えられると、弾性体23の円板部2
3cが2点鎖線で示したように弾性変形するが、押圧力
が無くなれば元の形状に復帰する。25は押圧力センサ
24用のターミナルボックスである。
【0022】図2、図3に示したように、ボールねじ軸
21にボールねじナット22Aとボールねじナット22
B(ボールねじナット22Aとボールねじナット22B
は全く同じサイズと機能を有する)を、フレーム6aと
フレーム6bとの間に調整板26、27を夫々入れてボ
ールねじのピッチを合わせ、弾性体23を介在して直列
に配置すると、弾性体23の弾性定数(ばね定数)は、
ボールねじ軸21とボールねじナット22の長さ方向の
弾性定数より著しく小さく(例えば、10倍以上小さ
く)しておけば、部品の変形や取付け誤差は弾性体23
の僅かな変形でカバーすることが可能で、荷重の分散平
均化ができる。即ち、図17(I)に示したように、ボ
ールねじ軸21に2組のボールねじナット22A、22
Bを直列に配置したときは、ボールねじナット22A、
22Bの軸方向に対するボールの受ける荷重の計算値
は,図17(II)、図17(III)に示したように
なる。
【0023】このボールねじナット22のボールが受け
る荷重を、従来の図18に示すボールねじナット011
のボールが受ける軸方向に対する荷重の計算値図18
(II)に比較すると、明らかに最大の荷重が少ないこ
とが分かる。また、従来の図19に示すボールねじナッ
ト02A、02Bの組合わせたものの軸方向に対するボ
ールの受ける荷重の計算値図19(II)に比較する
と、図17(I)に示した本発明の実施形態の2分割配
置の方が荷重の分散平均化がなされていることが分か
る。
【0024】
【第2の実施形態】上記の弾性体23に代わる第2の実
施形態の弾性体33の構成と機能を図6、図7、図8に
より説明する。弾性体33以外のボールねじ装置の構成
は、図3に示す第1の実施形態のボールねじ装置20
A、20Bと同じである。弾性体33は、ボールねじナ
ット22と固定し中側に対称に所定幅,例えば約30度
幅の一定高さの突起部35aを有する表板35(図7)
と、片側面に対称に所定幅、例えば約30度幅の一定高
さの突起部36aを有する複数(本実施の形態では2個
の場合を示す。)の突起リング板36(図8)と、移動
フレーム6の側部6aに弾性体33を取付ける取付リン
グ台37とで構成される。
【0025】表板35と複数の突起リング板36とは互
いに角度90度回して、表板35の突起部35aのねじ
穴35bと、突起リング板36の平面部の取付け孔36
cを通るボルトで固定し、同様に突起リング板36同士
は突起リング板36の突起部36aのねじ穴36bと突
起リング板36の平面部を取付け孔36cを通るボルト
で固定される。突起リング板36と取付リング台37と
の結合は取付リング台37に設けられた孔を通したボル
トを突起リング板36のねじ穴36bに締付けて結合す
る。取付リング台37は調整板38を挟んでボルトによ
り移動フレーム6の側部6aに取付けられる。
【0026】このように表板35と複数の突起リング板
36とを互いに角度90度回して筒状に組合わせること
により、リング板に垂直方向の弾性定数を小さくした弾
性体とすることができる。表板35と突起リング板36
とは板厚を充分に採ることにより重負荷に耐えることが
でき、突起リング板36の枚数を増加することにより、
リング板面に垂直方向の弾性定数を小さくすることがで
きる。即ち、ボールねじ軸21に2組のボールねじナッ
ト22を直列に配置し、ボールねじナット22を弾性体
33を介して移動フレーム6に取付けたときは、第1の
実施形態の弾性体23の場合と同様に、ボールねじナッ
ト22の軸方向に対するボールの受ける荷重の計算値は
図17(II)、図17(III)に示したようにな
る。
【0027】
【第3の実施形態】上記の弾性体23、33に代わる第
3の実施形態の弾性体40の構成と機能を図9〜図14
により説明する。図9は弾性体40の正面図であり、図
10は図9のC−O−C断面図である。また、図11は
図10のD矢視断面図、図12は図11の矢印方向Gか
ら見た側面部分図、図13は図10のE矢視断面とF矢
視断面を示す図である。弾性体40以外のボールねじ装
置の構成は、図3に示す第1の実施形態のボールねじ装
置20A、20Bと同じである。
【0028】第3の実施形態の弾性体40は、ボールね
じナット22に弾性体40を固定する表板41と、表板
41と固定し中空の円筒体の側面に等ピッチに円筒面の
両側から対称に所定角度,例えば約30度づつ残して両
側から複数の切り込み43a、43b、43c、・・を
入れ、隣同士の切り込みは互いに90度ずらして設けた
切り込み円筒体43と、切り込み円筒体43と表板41
及び円筒体取付台44との間に挟んで切り込み円筒体4
3の切り込みの幅と同じ隙間と角度を設けるための隔板
42と、切り込み円筒体43を移動フレーム6の側部6
aに調整板45を挟んで取付ける円筒体取付台44とで
構成される。
【0029】この弾性体40は、中空の円筒体に互いに
90度ずらして両側から切り込みを入れることにより、
第2の実施形態の弾性体33と同じ機能を持たせるよう
にしたもので、切り込みの間隔を充分に採ることにより
重負荷に耐えることができ、切り込み円筒体43の長さ
を長くして切り込み溝数を増加することにより円筒体の
軸方向の弾性定数を小さくすることができる。ボールね
じ軸21に2組のボールねじナット22を直列に配置
し、ボールねじナット22を弾性体40を介して移動フ
レーム6に取付けたときは、第1の実施形態の弾性体2
3の場合と同様に、ボールねじナット22の軸方向に対
するボールの受ける荷重の計算値は図17(II)、図
17(III)に示したようになる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、ボールねじ軸とボールねじナ
ットによる直線移動用のボールねじ装置により、作用体
を片側1方向に重負荷された状態で移動させるとき、複
数のボールねじナットを弾性体を介して作用体に取り付
けてボールねじ軸に直列に螺合して各ナットに略均等な
荷重分布をさせるようにしたので、取付けのエラー、ボ
ールねじ、作用体等の曲げ変形を逃がすことができ、ま
た、小さいサイズで短いボールねじナットでもボールの
負荷が均等に掛かるので耐久性、信頼性が向上し、標準
品が使用でき、従ってコスト低減になる。(請求項1、
2)
【0031】また、作用体にボールねじナットを取付け
るときの弾性体として、複数の突起リング板を互いに角
度90度回して筒状に組合わせた弾性体を使用すれば、
突起リング板の板厚を充分に採ることにより重負荷に耐
える強度の大きなものとすることができ、突起リング板
の枚数を増加することにより、弾性定数を小さくするこ
とができる。(請求項3)
【0032】また、作用体にボールねじナットを取付け
るときの弾性体として、中空の円筒体に互いに90度ず
らして両側から切り込みを入れた弾性体を使用すれば、
切り込みの間隔を充分に採ることにより重負荷に耐える
ことができ、切り込み円筒体の長さを長くして切り込み
溝数を増加することにより円筒体の軸方向の弾性定数を
小さくすることができる。(請求項4)
【0033】このように、本発明のボールねじ装置は射
出成形機の射出駆動又は,大型成形機の型開閉駆動、型
締、エジェクタ駆動のように、大きな押圧力を必要とす
る駆動軸の電動駆動に好適である。特に、射出駆動の様
にボールねじを2軸で使用する場合、各軸の負荷が均等
化されるので両軸の速度の同期制御が容易となる効果も
ある。(請求項5)
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動
射出駆動装置を備えた射出成形機の全体側面図である。
【図2】図2は図1のA−A断面(1部分)によって示
した電動射出駆動装置の平面図である。
【図3】図3は図2の電動射出駆動装置のB部拡大図で
ある。
【図4】図4は、図3に使用しているボールねじナット
取付部の弾性体の構成を示す断面図である。
【図5】図5は、図4の弾性体の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係るボー
ルねじナット取付部の弾性体の構成を示す断面図であ
る。
【図7】図7は、図6の弾性体の表板を示す斜視図であ
る。
【図8】図8は、図6の弾性体の突起リング板を示す斜
視図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係るボー
ルねじナット取付部の弾性体の正面図である。
【図10】図10は、図9の弾性体のC−O−C断面を
示す側面図である。
【図11】図11は、図10の弾性体のD矢視断面図で
ある。
【図12】図12は、図11の弾性体を矢印方向Gから
見た側面部分図である。
【図13】図13は、図10の弾性体のE矢視断面図及
びF矢視断面図である。
【図14】図14は、図10に示す隔板の斜視図であ
る。
【図15】図15は、従来のボールねじ装置を示す側面
図である。
【図16】図16は、従来の他のボールねじ装置を示す
側面図である。
【図17】図17は、本発明のボールねじ装置の模式図
とボールねじナットの軸方向に対する荷重変化特性グラ
フである。
【図18】図18は、図16の従来のボールねじ装置の
模式図とボールねじナットの軸方向に対する荷重変化特
性グラフである。
【図19】図19は、図17の従来のボールねじ装置の
模式図とボールねじナットの軸方向に対する荷重変化特
性グラフである。
【符号の説明】
1・・・射出成形機 3・・・駆動装置台 4・・・固定側フレーム 5・・・射出シリンダ 6・・・移動フレーム 7・・・射出スクリュ 11・・・射出駆動用モータ 20A、20B・・・ボールねじ装置 21・・・ボールねじ軸 22、22A、22B・・・ボールねじナット 23、33、40・・・弾性体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラスト方向を固定部材に拘束している
    ボールねじ軸を回転駆動してボールねじに螺合するボー
    ルねじナットの直線移動に換え、ボールねじナットと結
    合し、片側1方向に移動するときに重荷重が負荷される
    作用体を移動させるボールねじ装置において、 ボールねじ軸に複数のボールねじナットを螺合し、同複
    数のボールねじナットを同一作用体に弾性体を介して取
    り付け、一方向に荷重が負荷された作用体が移動すると
    き、各ナットに略均等な荷重分布をさせるようにしたこ
    とを特徴とするボールねじ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のボールねじ装置に用いられる
    弾性体は、作用体に取付けられる大径のリング状ボスと
    ボールねじナットに取付けられる小径のリング状ボスと
    の間に一体に作られた円板とで構成されるダイアフラム
    形状の弾性体であることを特徴とするボールねじ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のボールねじ装置のボールねじ
    ナットと作用体に両端面を固定して設けられる弾性体
    は、リング状板の片面に対称に所定幅の一定高さの突起
    部を設けた突起リング板を複数枚、互いに角度90度回
    して突起部と平面部とを固定して筒状に組合わせること
    により重荷重に耐え、リング板面に垂直方向の弾性定数
    を小さくした弾性体であることを特徴とするボールねじ
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1のボールねじ装置のボールねじ
    ナットと作用体に両端面を固定して設けられる弾性体
    は、中空の円筒体の側面に等ピッチに円筒直角断面の両
    側に対称に所定角度づつ残して両側から複数の切り込み
    を入れ、隣同士の切り込みは互いに90度回して設けて
    重荷重に耐え、円筒軸方向の弾性定数を小さくした弾性
    体であることを特徴とするボールねじ装置。
  5. 【請求項5】 射出成形機の直進駆動軸の駆動に、請求
    項1〜4に記載するボールねじ装置を用いたことを特徴
    とする射出成形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018186440A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 株式会社大谷工業 アンテナ設置用の支持金具

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