JP2002137040A - フランジ製造方法、及びそれにより製造されたフランジ部を有するハードディスク駆動用スピンドルモータのハブ - Google Patents

フランジ製造方法、及びそれにより製造されたフランジ部を有するハードディスク駆動用スピンドルモータのハブ

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JP2002137040A
JP2002137040A JP2000379805A JP2000379805A JP2002137040A JP 2002137040 A JP2002137040 A JP 2002137040A JP 2000379805 A JP2000379805 A JP 2000379805A JP 2000379805 A JP2000379805 A JP 2000379805A JP 2002137040 A JP2002137040 A JP 2002137040A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属製ワークの環状壁部に対してフランジ部
を、高効率かつ高精度に形成することを可能とする。 【解決手段】 金属製ワーク41の環状壁部における肉
厚方向の一部に重なり合うように位置させた一対のプレ
ス成形金型53,54で、金属製ワーク41の環状壁部
41cを「しごく」ことによって、ほぼ一回のプレス動
作によって効率的にフランジ部41dを形成するもので
あって、その後の切削加工をほとんど施すことなく、か
つ高い歩留まりでフランジ部の形成を可能とするととも
に、上記金属製ワーク41の環状壁部41cの寸法精度
を高精度に出し、しかもフランジ部41dの形成位置を
任意の位置に形成可能としつつ、フランジ部41dの形
状自体を高精度に形成するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製ワークの環
状壁部に対してフランジ部を形成するようにしたフラン
ジ製造方法、及びそれにより製造されたフランジ部を有
するハードディスク駆動用スピンドルモータのハブに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属製ワークの環状壁部に対し
てフランジ部を形成する製造工程は、種々の分野で広く
採用されている。例えば、ハードディスク駆動用(HD
D)スピンドルモータにおいては、ロータハブの外周壁
面から張り出すようにフランジ部が設けられていて、そ
のフランジ部上に、ハードデイスクが載置されるように
なされている。
【0003】このような金属製ワークの環状壁部に対し
てフランジ部を形成するにあたっては、通常、以下のよ
うな製造工程を行っている。まず、図6に示されている
工程では、同図(a)のような棒状部材1に対して切削
加工を施し、図6(b)に示されているように、フラン
ジ部2とともに本体部3を直接的に削り出すようにして
いる。また、図7に示されている工程では、同図(a)
に示されているような適宜の長さに切断された円柱状部
材4に対して冷間鍛造を施し、図7(b)に示されてい
るような概略形状を備えた中間部材5に一旦形成してお
き、その中間部材5を切削加工することによって、図7
(c)に示されているようなフランジ部6を備えた本体
部7を削り出すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のフ
ランジ製造方法では、少なくとも最後の仕上げ部分に必
ず切削加工工程が含まれており、その切削加工によって
被加工物を比較的多量に削っている。しかしながら、切
削加工には長時間を要することから高コストにならざる
を得ず、特に、鉄系の難切削材料を用いる場合には、上
述したいずれの製造方法によっても生産性が良好でな
い。
【0005】例えば、図6のような棒状部材1から直接
的に削り出す製造方法では、切削部分が非常に大きいた
めに製造効率は大幅に低下しており、しかも、材料の歩
留まりが悪いために材料費自体も非常に高価なものとな
っている。また、図7のような鍛造工程を含むもので
は、材料の歩留まりは多少改善されるものの、鍛造工程
と切削工程とが全く別個の工程となるために、製造効率
はかえって悪化するという問題がある。さらに、上述し
た冷間鍛造の生産性は、一般的に他の塑性加工に比して
優れたものではなく、しかも、冷間鍛造を行った直後の
ままの状態では寸法精度に問題がある上、表面の仕上が
り状態(面粗度)も良好でなく、全面にわたって切削加
工により仕上げを行う必要がある。
【0006】そこで本発明は、金属製ワークの環状壁部
に対して、高効率かつ高精度にフランジ部を形成するこ
とができるようにしたフランジ製造方法、及びそれによ
り製造されたフランジ部を有するハードディスク駆動用
スピンドルモータのハブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のフランジ製造方法では、内径ガイド
部の外側部分に、当該内径ガイド部の軸方向に沿って金
属製ワークの環状壁部を装着し、その金属製ワークの環
状壁部における前記軸方向の両側部分に、一対のプレス
成形金型どうしを軸方向に対向させるように配置し、そ
れら一対のプレス成形金型を、前記金属製ワークの環状
壁部における肉厚方向の一部と重なり合うように位置さ
せた状態から、それら一対のプレス成形金型の少なくも
一方側を上記軸方向に移動させて、当該一対のプレス成
形金型どうしを相対的に近接させながら、前記金属製ワ
ークの壁部の外面側に「しごき」加工を施し、上記「し
ごき」加工を行うことによって、前記金属製ワークの環
状壁部の一部を、半径方向外方側に向かってフランジ状
に張り出させるように塑性変形させ、上記金属製ワーク
の環状壁部にフランジ部を形成するようにしている。
【0008】また、請求項2記載のフランジ製造方法で
は、前記請求項1記載の一対のプレス成形金型の双方
を、前記軸方向に近接移動させることによって、当該移
動方向における前記金属製ワークの環状壁部の中間途中
位置にフランジ部を形成するようにしている。
【0009】また、請求項3記載のフランジ製造方法で
は、前記請求項1における金属製ワークを略カップ形状
に形成し、その略カップ形状の外周に設けた環状壁部の
軸方向中間位置にフランジ部を形成するようにしてい
る。
【0010】また、請求項4記載のフランジ製造方法で
は、前記請求項3における略カップ形状の金属製ワーク
の底壁部に相当する部位の内側表面部分を、前記内径ガ
イドの上端部分に載置して保持させるとともに、上記金
属製ワークの底壁部に相当する部位の外側表面部分を、
前記一対のプレス成形金型とは異なる他のプレス成形金
型により押圧するようにしている。
【0011】さらに、請求項5記載のフランジ製造方法
では、前記請求項4におけるプレス成形金型における金
属製ワークの環状壁部との肉厚方向に重なり合う量を、
上記環状壁部の全肉厚の20%以上に設定して、「しご
き」加工を行うようにしている。
【0012】また、請求項6記載のハードディスク駆動
用スピンドルモータのハブでは、前記請求項1乃至請求
項5のいずれかに記載のフランジ製造方法を用いて、ハ
ードディスクを装架するディスクフランジ部を形成する
ようにしている。
【0013】このような構成を有する請求項1又は2又
は3記載のフランジ製造方法によれば、一対のプレス成
形金型により、金属製ワークの環状壁部を「しごく」こ
とによって、その金属製ワークの環状壁部の一部が外方
側に張り出されるように塑性変形され、ほぼ一回のプレ
ス動作によって上記環状壁部にフランジ部が効率的に形
成される。しかも、その後の切削加工をほとんど施す必
要がない上に、高い歩留まりでフランジ部の形成が行わ
れる。
【0014】また、金属製ワークの環状壁部が、「しご
き」面になされることから、当該環状壁部の寸法精度が
高精度に出されるとともに、上記フランジ部の形成位置
は、一対のプレス成形金型どうしの間の相対的な位置関
係によって規定されることから、金属製ワークの環状壁
部の任意の位置にフランジ部が形成され、しかもフラン
ジ部の形状自体も高精度に形成される。
【0015】さらに、請求項4記載のフランジ製造方法
によれば、金属製ワークを軸方向に押圧支持しているの
で、フランジ部の成形精度がより一層高められるように
なっている。
【0016】さらにこのとき、請求項5記載のフランジ
製造方法のように、プレス成形金型による「しごき」加
工を、金属製ワークの環状壁部の肉厚に対して20%以
上に設定した場合には、通常の絞り加工では成形不可能
であるが、本発明にかかる製造方法によれば、ワークが
軸方向に押圧支持されていることから20%以上の設定
であっても成形が可能となり、フランジ部が良好に形成
される。
【0017】特に、請求項6記載のフランジ製造方法の
ように、ハードディスク駆動用スピンドルモータのロー
タハブにディスクフランジ部を形成する場合には、高精
度な切削加工による仕上げ工程が不要となることから、
生産性が大幅に向上されるようになっている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、ハードディスク
駆動用(HDD)のスピンドルモータに適用した実施形
態について説明するが、まず、スピンドルモータの全体
構造を図面に基づいて説明しておく。
【0019】図1に示されている軸回転のHDD用スピ
ンドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組2
0と、そのステータ組20に対して軸方向上方側から組
み付けられた回転部材としてのロータ組30とから構成
されている。このうちステータ組20は、図示を省略し
た固定基台側にネジ止めされる固定フレーム21を有し
ている。この固定フレーム21は、軽量化を図るために
アルミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレ
ーム21の略中央部分に立設するようにして形成された
環状の軸受ホルダー22の内周側には、中空円筒状に形
成された固定軸受部材としての軸受スリーブ23が、圧
入又は焼バメによって上記軸受ホルダー22に対して接
合されている。この軸受スリーブ23は、小径の孔加工
等を容易化するためにリン青銅などの銅系合金材料から
形成されている。
【0020】また、前記軸受ホルダー22の外周取付面
には、電磁鋼板などからなるコア板の積層体からなる積
層ステータコア24が嵌着されている。この積層ステー
タコア24は、一枚毎のコア板を複数枚にわたって順次
積層して形成したものであるが、中心側から外方に向か
って放射状に突出する複数個の突極部を備えている。そ
して、当該積層ステータコア24の全表面には、所定の
絶縁性材料からなる絶縁性皮膜が被着・形成されてい
て、前記各突極部に相当する部分に、駆動コイル25が
それぞれ巻回されている。
【0021】さらに、上記軸受スリーブ23の中心位置
に設けられた軸受孔内には、上述したロータ組30を構
成する回転軸31が回転自在に挿入されていて、上記軸
受スリーブ23の軸受孔の内周面との対向隙間部分にラ
ジアル動圧軸受部RBが構成されている。また、上記回
転軸31の図示下端側に固着された円盤状のスラストプ
レート32と、上記軸受スリーブ23との間の軸方向の
対向隙間部分、並びに、上記軸受スリーブ23の図示下
端側の開口部分を覆うように取り付けられたカウンター
プレート26と、上記スラストプレート32との軸方向
の対向隙間部分には、スラスト動圧軸受部SBa及びS
Bbがそれぞれ形成されている。
【0022】一方、上記回転軸31とともにロータ組3
0を構成している回転ハブ33は、図示を省略した磁気
ディスク等の記録媒体を搭載するように、ステンレス
(SUS)系金属からなる略カップ状部材からなり、当
該回転ハブ33における略カップ状の底壁部分に相当す
る円盤部33aの中心位置には、接合穴33bが軸方向
に貫通形成されていて、その接合穴33bが、上記回転
軸31の図示上端部分に対して圧入又は焼嵌めによって
一体的に接合されている。
【0023】また、上記回転ハブ33の底壁円盤部33
aの外周には、略円筒状の胴部33cが設けられている
とともに、その胴部33cの外周壁面に、図示を省略し
た記録媒体ディスクが装着されるように構成になされて
いる。このとき、上記胴部33cの外周壁面における軸
方向(図示上下方向)の下方側の中間位置には、ディス
クフランジ部33dが半径方向外方側に向かって張り出
すように設けられていて、そのディスクフランジ部33
d上に、上述した記録媒体ディスクが載置されるように
なっている。このような形状のディスクフランジ部33
dを備えた回転ハブ33は、本発明にかかる製造方法に
よって製造されものであるが、その点については後述す
る。
【0024】さらに、上記回転ハブ33の胴部33cの
内周側には、環状駆動マグネット35が取り付けられて
いて、当該環状駆動マグネット35が、前述したステー
タコア24の外周側端面に対して環状に対向するように
近接配置されている。
【0025】上述した回転ハブ33は、図2に示されて
いるような本発明にかかる工程を経て製造される。図2
に示された一連の各工程は、周知のトランスファープレ
ス装置を用いて連続的に行われるものであるが、まず、
同図(a)に示された「ブランキング」工程では、SU
S430相当のフェライト系ステンレス鋼からなる板材
から、略円盤形状のブランク素材(金属製ワーク)41
を打抜きにより成形する。すなわち、図3(a)に示さ
れているように、ダイ42に設けられた抜き孔42aを
覆うようにして上記ダイ42上に載置された板材40
を、上方側から丸パンチ43により打ち抜いて、略円盤
状のブランク素材41を形成する。
【0026】次の図2(b)に示された「絞り加工」
は、上述した略円盤状のブランク素材(金属製ワーク)
41に絞り加工を施して略カップ状に成形する工程であ
って、図3(b)に示されているような絞りパンチ45
の上端部分に載置されたブランク素材41の外周部分
を、絞りダイ46により筒形状とするように絞り変形さ
せ、それによって、前述した回転ハブ33の胴部33c
に相当する環状壁部41cを成形する。
【0027】さらに、図2(c)に示された「フランジ
成形加工」は、前述した回転ハブ33のディスクフラン
ジ部33dに相当するフランジ状張出し部41dを成形
する工程であるが、より具体的には、図3(c)に示さ
れているように、まず、内径ガイド部51の外側部分
に、上述したブランク素材(金属製ワーク)41の環状
壁部41cを挿入するようにして装着し保持しておくと
ともに、そのブランク素材(金属製ワーク)41の底壁
部に相当する円盤部41aに対して、上方側から天井押
え52を当接させ、その天井押え52によって、上記ブ
ランク素材(金属製ワーク)41を軸方向に保持してお
く。
【0028】次いで、このような保持状態から、ブラン
ク素材(金属製ワーク)41の環状壁部41cの軸方向
(図示上下方向)両側に、一対のプレス成形金型成形パ
ンチ上下53,54を軸方向(図示上下方向)に対向す
るように配置し、それら一対のプレス成形金型成形パン
チ上下53,54の間に、上記ブランク素材(金属製ワ
ーク)41の環状壁部41cを、軸方向(図示上下方
向)に挟み込む。このとき、上記両プレス成形金型成形
パンチ上下53,54の各々は、前記内径ガイド部51
の軸方向(図示上下方向)に沿ってそれぞれ往復移動す
るように設けられていて、互いに近接・離間する構成に
なされている。
【0029】また、このとき、上記両プレス成形金型成
形パンチ上下53,54は、特に図4(a)に示されて
いるように、ブランク素材(金属製ワーク)41の環状
壁部41cにおける肉厚tの一部に対して、半径方向に
重なり合うように配置されている。本実施形態における
上記両部材どうしの重なり合い量t’は、上記ブランク
素材(金属製ワーク)41の環状壁部41cの全肉厚t
に対して、20%から50%程度となるように設定され
ている。
【0030】そして、そのように肉厚方向において一部
が重なり合わされた状態で、上記両プレス成形金型成形
パンチ上下53,54を、相互に近接するように移動さ
せていき、それによって、前記ブランク素材(金属製ワ
ーク)41の環状壁部41cの外面側に「しごき」加工
を施す。このとき、上記両プレス成形金型成形パンチ上
下53,54の内縁角部は、比較的鋭利なエッジ形状を
なすように形成されている。従って、上述した「しご
き」加工では、図4(b)に示されているように、ブラ
ンク素材(金属製ワーク)41の環状壁部41cの一部
が、上記両プレス成形金型成形パンチ上下53,54の
エッジ形状の内縁角部によって削られることとなり、そ
の削られた部分41c’は、半径方向外方側に向かって
寄せ集められ、上記両プレス成形金型成形パンチ上下5
3,54どうしの間部分に流れ込むようにして塑性変形
が行われる。
【0031】その後、図4(c)に示されているよう
に、上記両プレス成形金型成形パンチ上下53,54ど
うしを、最も近接した予定の位置で停止させ、それら両
パンチ53,54の間のキャビティー部分に、前述した
ディスクフランジ部22dに相当するフランジ状張り出
し部41dを形成する。このようにして形成したフラン
ジ状張出し部41dの軸方向の成形位置及び成形厚さ
は、上記両プレス成形金型成形パンチ上下53,54に
おける上述した肉厚方向の重なり設定量(20%〜50
%)t’、及び最終停止位置によって決定されることと
なるものであるから、上記フランジ状張出し部41dの
成形位置及び成形厚さは、任意に設定することが可能で
ある。
【0032】再び図2に戻って、同図(d)に示された
「トリミング工程」は、フランジ状張出し部41dの外
周部分を所定の寸法状態に切断する工程である。具体的
には、図3(d)に示されているように、ダイ61とス
トリッパー62との間にフランジ状張り出し部41dを
挟持しておき、上方側から外周抜きパンチ63を下方側
に突出させることによって、上記フランジ状張り出し部
41dの外周部分を一部カットし、これによりフランジ
部の成形工程を終了する。
【0033】その後、図2(e)に示された「張り出し
工程」でプレス加工を施して段付けを行い、次いで図2
(f)に示された「穴抜き工程」によって軸の取付穴2
2bを形成する。そして、このような各種のプレス工程
を終了した後には、適宜の焼鈍処理を施し、それによっ
て上述したプレス工程で発生した加工歪みを除去し、前
述したような構造の回転ハブ22を得る。
【0034】このような実施形態にかかるハードディス
ク駆動装置の回転ハブ33に対するフランジ製造方法に
よれば、一対のプレス成形金型53,54によりブラン
ク素材(金属製ワーク)41の環状壁部41cを「しご
く」ことによって、そのブランク素材(金属製ワーク)
41の環状壁部41cの一部が外方側に張り出されるよ
うに塑性変形され、それによって、ほぼ一回のプレス動
作によってフランジ状張り出し部41dが効率的に形成
される。しかも、その後の切削加工をほとんど施す必要
がない上に、高い歩留まりでフランジ部の形成が行われ
る。
【0035】また、ブランク素材(金属製ワーク)41
の環状壁部41cが、「しごき」面になされることか
ら、当該環状壁部41cの寸法精度が高精度に出される
とともに、フランジ状張り出し部41dの形成位置が、
一対のプレス成形金型53,54の間の相対的な位置関
係によって規定されることから、上記ブランク素材(金
属製ワーク)41の環状壁部41cの任意の位置にフラ
ンジ状張り出し部41dが形成され、しかも、そのフラ
ンジ状張り出し部41dの形状自体も高精度に形成され
る。
【0036】このような本実施形態にかかるフランジ製
造方法のように、プレス成形金型53,54による「し
ごき」加工を、ブランク素材(金属製ワーク)41の環
状壁部41cの肉厚tに対して20%以上に設定した場
合には、通常の絞り加工では成形不可能であるが、本実
施形態によれば、ブランク素材(金属製ワーク)41が
天井押え52によって軸方向に押圧支持されているた
め、上述したように20%以上の設定であっても成形が
可能となり、その結果、フランジ状張り出し部41dが
良好に形成される。
【0037】また、上述したように本実施形態において
は、ブランク素材(金属製ワーク)41を天井押え52
によって軸方向に押圧支持しているので、フランジ状張
り出し部41dの成形精度は、より一層高められてい
る。
【0038】このような作用は、特に、本実施形態にお
けるようなハードディスク駆動用スピンドルモータの回
転ハブ33にディスクフランジ部33dを形成する場合
においては、高精度な切削加工による仕上げ工程が大幅
に減少することから、生産性が大きく向上される。
【0039】一方、図5は、本発明の他の製造方法の実
施形態を表したものであるが、この実施形態では、上述
した先の実施形態の各工程の後に、図5(e)に示され
ているような最終仕上げ工程としての切削工程を付加し
ており、その最終仕上切削工程によって、下孔41bの
内周面が接合孔33bに仕上げられるとともに、胴部3
3c及びディスクフランジ部33dのディスク当接面が
必要な精度に仕上げられるようになっている。この場合
の切削仕上げ工程においては、極く僅かな仕上げ代とな
っていることから、極めて高精度な仕上げ状態を短時間
で得ることが可能である。
【0040】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0041】例えば、上述した実施形態では、フランジ
部を形成する元素材として、SUS430を使用してい
るが、それ以外の材料、例えば、鉄系、銅系、アルミ系
などの金属材料であっても同様に適用することができ
る。
【0042】また、本発明は、上述した実施形態のよう
なハードディスク駆動用スピンドルモータ以外の多種多
様な装置におけるフランジ部を形成する場合であって
も、同様に適用することができる。
【0043】さらに、上述した実施形態では、要求精度
が高いハードディスク駆動用スピンドルモータの場合に
おいて比較的多くの工程を設けているが、要求精度に応
じて、プレス成形後の焼鈍工程や仕上げ工程を適宜に省
略することも当然可能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる請求項
1又は2又は3記載のフランジ製造方法は、金属製ワー
クの環状壁部における肉厚方向の一部に重なり合うよう
に配置した一対のプレス成形金型で、金属製ワークの環
状壁部を「しごく」ように加工することによって、ほぼ
一回のプレス動作により効率的にフランジ部を形成する
ものであり、その後の切削加工をほとんど不要としつ
つ、高い歩留まりでフランジ部の形成を可能とするとと
もに、金属製ワークの環状壁部及びフランジ部の寸法精
度を容易に高精度とし、しかもフランジ部の形成位置を
任意の位置に形成可能としたものであるから、金属製ワ
ークの壁部に対して高効率かつ高精度にフランジ部を形
成することができ、生産性及び信頼性を大幅に向上させ
ることができる。
【0045】さらに、請求項4記載のフランジ製造方法
は、金属製ワークを軸方向に対しても押圧支持すること
により、フランジ部の成形精度をより一層高めらるよう
にしたものであるから、上述した本発明による効果を更
に高めることができる。
【0046】さらにまた、請求項5記載のフランジ製造
方法は、プレス成形金型による「しごき」加工を、金属
製ワークの壁部の肉厚に対して、通常の絞り加工では成
形不可能な20%以上に設定したものであるから、上述
した本発明による効果が顕著に得られる。
【0047】一方、請求項6記載のフランジ製造方法
は、ハードディスク駆動用(HDD)スピンドルモータ
のロータハブにディスクフランジ部を形成する場合に本
発明を適用したものであるから、高精度な切削加工によ
る仕上げ工程が不要となり、生産性の大幅向上が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するハードディスク駆動用(HD
D)スピンドルモータの全体を表した縦断面説明図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態におけるフランジ製造手順
を表した工程説明図である。
【図3】図2中の各工程の一部を具体的に表した工程説
明図である。
【図4】図3中のフランジ成形工程を詳細に表した工程
説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるフランジ製造手
順を表した工程説明図である。
【図6】一般のフランジ製造手順の一例を表した工程説
明図である。
【図7】一般のフランジ製造手順の他の例を表した工程
説明図である。
【符号の説明】
31 回転軸 33 回転ハブ 33a 底壁円盤部 33c 胴部 33d ディスクフランジ部 41 ブランク素材(金属製ワーク) 41c 環状壁部 41c’ 剪断部分 41d フランジ状張り出し部 51 内径ガイド部 52 天井押え 53,54 プレス成形金型成形パンチ上下 t 環状壁部の肉厚 t’ 重なり合い量
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G11B 17/038 G11B 17/038 19/20 19/20 D Fターム(参考) 4E087 AA08 AA10 BA20 CA33 CB03 CC03 EC24 HB01 HB13 5D109 BA01 BA14 BA16 BA17 BA20 5D138 UA16 5H002 AA07 AC00 5H615 AA01 BB01 BB14 PP01 PP06 PP25 PP28 QQ02 QQ19 RR01 SS03 SS05 SS10 SS13 TT05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径ガイド部の外側部分に、当該内径ガ
    イド部の軸方向に沿って金属製ワークの環状壁部を装着
    し、 その金属製ワークの環状壁部における前記軸方向の両側
    部分に、一対のプレス成形金型どうしを軸方向に対向さ
    せるように配置し、 それら一対のプレス成形金型を、前記金属製ワークの環
    状壁部における肉厚方向の一部と重なり合うように位置
    させた状態から、それら一対のプレス成形金型の少なく
    も一方側を上記軸方向に移動させて、当該一対のプレス
    成形金型どうしを相対的に近接させながら、前記金属製
    ワークの壁部の外面側に「しごき」加工を施し、 上記「しごき」加工を行うことによって、前記金属製ワ
    ークの環状壁部の一部を、半径方向外方側に向かってフ
    ランジ状に張り出させるように塑性変形させ、上記金属
    製ワークの環状壁部にフランジ部を形成するようにした
    ことを特徴とするフランジ製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一対のプレス成形金型の双方を、前
    記軸方向に近接移動させることによって、当該移動方向
    における前記金属製ワークの環状壁部の中間途中位置に
    フランジ部を形成するようにしたことを特徴とする請求
    項1記載のフランジ製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属製ワークを略カップ形状に形成
    し、その略カップ形状の外周に設けた環状壁部の軸方向
    中間位置にフランジ部を形成するようにしたことを特徴
    とする請求項1記載のフランジ製造方法。
  4. 【請求項4】 前記略カップ形状の金属製ワークの底壁
    部に相当する部位の内側表面部分を、前記内径ガイドの
    上端部分に載置して保持させるとともに、 上記金属製ワークの底壁部に相当する部位の外側表面部
    分を、前記一対のプレス成形金型とは異なる他のプレス
    成形金型により押圧するようにして保持したことを特徴
    とする請求項3記載のフランジ製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プレス成形金型における金属製ワー
    クの環状壁部との肉厚方向に重なり合う量を、上記環状
    壁部の全肉厚の20%以上に設定して、「しごき」加工
    を行うようにしたことを特徴とする請求項4記載のフラ
    ンジ製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のフランジ製造方法を用いて、ハードディスクを装架す
    るディスクフランジ部を形成するようにしたことを特徴
    とするハードディスク駆動用スピンドルモータのハブ。
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