JP2002137039A - 焼結部材の鍛造方法 - Google Patents
焼結部材の鍛造方法Info
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Abstract
下等を招くことなく、クラック等の欠陥のない鍛造品の
成形を実現する。 【解決手段】 鉄を主成分とし、所定量の黒鉛を混合し
て成る金属質粉を圧粉成形し、そこで得られた圧粉体を
800℃〜1000℃にて焼結することによって金属粉
の粒界に黒鉛が残留した組織を有する焼結体W0を形成
する。その焼結体を二方向から圧縮する圧縮工程によっ
て所定密度に圧縮し、そこで得られた圧縮体W1をさら
に押出工程によって二方向から加圧しつつ一方からの加
圧力に対して他方からの加圧力を減少させて押出鍛造す
る。
Description
られる焼結部材の鍛造方法に関し、とりわけ、黒鉛が混
合され鉄を主成分とする焼結部材の鍛造方法に関する。
て鍛造が多用されているが、近年、圧粉成形した金属質
粉を焼結し、その焼結部材に鍛造を施すことによって部
品を製造することが検討されている。
した金属粉に所定量の黒鉛を混合したものであるが、こ
のような金属質粉に対して焼結後に押出鍛造を施すと製
品にクラックが発生し易いことが知られている。
リー13,高速鍛造」(昭和44年6月25日,日刊工
業新聞社発行)のP38〜P39に記されており、同書
によれば、鉄の粉末から予備成形と焼結により、相対密
度78%の焼結体を形成し、これに背圧4000kg/cm2
を負荷しながらプレスによる押出鍛造を施したところ、
クラックの発生は回避できなかった、と記載されてい
る。
に背圧3000kg/cm2を負荷しながら高速ハンマーによ
る押出鍛造を施したところ、クラックの発生は回避でき
た、と記載されている。
クラックの発生は回避できるようになるものの、鍛造時
の成形速度が速いために発熱を生じ、この熱が原因して
鍛造品の寸法精度が低下するという別の不具合を招く。
-17307号公報に記載されるような鍛造方法が案出
されている。
粉成形した後に、その圧粉体を真空中で1300℃で焼
結することによって焼結体を形成し、その焼結体を金型
中で加熱しつつ上下から加圧力を加えると共に、このと
き下方の加圧力を上方の加圧力に対して減圧することに
よって押出鍛造を行うものである。この鍛造方法によれ
ば、押出鍛造時の加熱と上下から加圧力の付与によって
クラックの発生が回避される。
造方法においては、鉄を主成分とする金属粉に黒鉛を混
合してなる金属質粉を用いると、1300℃で焼結した
ときに金属粉中に黒鉛が過剰に拡散するために硬度が非
常に高くなり、つづく焼結体の押出鍛造時に充分に熱を
加えないと、クラック等の発生を引き起こすこととな
る。したがって、この従来の鍛造方法においては、押出
鍛造時に高温加熱を行う必要から、加熱機器の付加によ
って設備が大型・複雑化してコストの高騰を来すうえ、
熱によって型寿命の低下や鍛造品の寸法精度の低下を来
たし易いという問題が起こる。
型寿命の低下、鍛造品の寸法精度の低下等を招くことな
く、クラック等の鍛造品の欠陥を確実に無くすことので
きる焼結部材の鍛造方法を提供しようとするものであ
る。
ための手段として、請求項1に記載の発明は、鉄を主成
分とし、所定量の黒鉛を混合して成る金属質粉を圧粉成
形し、そこで得られた圧粉体を700℃〜1000℃に
て焼結することによって金属粉の粒界に黒鉛が残留した
組織を有する焼結体を形成し、その焼結体を二方向から
圧縮する圧縮工程によって所定密度に圧縮し、そこで得
られた圧縮体をさらに押出工程によって二方向から加圧
しつつ一方からの加圧力に対して他方からの加圧力を減
少させて押出鍛造するようにした。
が、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マンガン
(Mn)等の硬化合金元素のうちの少なくとも一種を含
有するようにした。
圧粉体を700℃〜1000℃にて焼結して得られた焼
結体は圧縮変形が可能な程度に金属間結合は進行してい
るが、黒鉛はほとんど拡散しないで金属粒子の粒界に分
散している。この焼結体を二方向から圧縮すると、焼結
体は冷間圧縮で容易に圧縮変形して高密度の圧縮体が得
られる。そして、この圧縮体を二方向から加圧した状態
で一方からの加圧力に対して他方からの加圧力を減少さ
せると、他方の側から冷間押出しされてクラック等の欠
陥のない鍛造品が得られる。
の密度を7.1g/cm3以上とするようにした。
g/cm3以上であることから、金属粉の粒子間の接触が増
大した状態となっている。また、焼結体の組成は金属粉
の粒界に黒鉛が残留し、炭化物等の析出物がほとんど生
じない状態となっており、その結果、焼結体は硬度が低
く、伸びが大きくなるうえ、金属粉の粒界の潤滑性が高
まり、変形能が全体的に高まっている。このことと、請
求項1に記載の鍛造方法による前述の作用とが相俟って
クラック等の劣化は生じなくなる。
工程とを連続して行うようにした。
った後に加工硬化を伴なうことなく、次の押出工程に移
行することがてきるため、加工硬化を生じ易い材料であ
っても支障なく押出鍛造を行うことができる。
出工程を非加熱下で行うようにした。
めることができると共に、熱による型の劣化を防止する
ことができる。
方押出しによって押出しを行うようにした。
なく長尺の部材の鍛造を実現することができる。
工程で用いる鍛造型を、前記焼結体をセットして圧縮す
る圧縮部と、その圧縮部に連続して圧縮部よりも小さな
断面積に形成された押出部とを備えた構成とし、前記圧
縮工程を圧縮部で行い、焼結体の密度を高めて圧縮体を
形成した後に、その圧縮体を押出部に押出して鍛造体を
得るようにした。
が連続して形成され、圧縮工程と押出工程とが連続して
行われる。
品形状に合致した形状に形成するようにした。
部分に対して再度の加工を施すことなく、そのまま製品
として用いることができる。
を参照して説明する。
る際に用いる鍛造型の断面図であり、図2は、鍛造型内
に焼結体w0を装填した状態(a)、焼結体w0を圧縮し
て圧縮体w1を形成している状態(b)、圧縮体w1を押
出して鍛造体w2を形成している状態(c)を順次示す
説明図である。
すると、最初に、鉄を主成分とし、必要に応じて任意の
合金元素を添加した金属粉に0.1重量パーセント以上
の黒鉛を混合して成る金属質粉を所定密度に圧粉成形
し、そこで得られた圧粉体を後述する設定温度で焼結し
て焼結体を形成し、その後にその焼結体を鍛造型に装填
してその鍛造型によって圧縮と押出鍛造を連続的に施す
ものである。尚、前記の金属粉に添加する(含有させ
る)合金元素は、クロム(Cr)、モリブデン(M
o)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、タングステン(W)、バナジウム(V)、コバル
ト(Co)等の硬化合金元素のうちの少なくとも一種で
あることが望ましい。
説明すると、同図中、1は、上パンチ2が取付けられた
上ラムであり、3は、上パンチ2よりも小径の下パンチ
4が取付けられた下ラム、5は、固定ベース6に取付け
られたダイスである。焼結体w0はダイス5の成形空間
7に装填されて加工が施されるが、ダイス5の成形空間
7は、上パンチ2が挿入される大径部8と、下パンチ4
が挿入される小径部9と、これら大径部8と小径部9と
を滑らかに繋ぐテーパ部10とを備えている。上ラム1
と下ラム3は夫々独立して昇降作動するが、下ラム3は
下パンチ4を通して焼結体w0若しくは圧縮体w1に付与
する荷重を適宜増減調整できるようになっている。尚、
この実施形態においては、前記大径部8とテーパ部10
が鍛造型の圧縮部を構成し、小径部9が押出部を構成し
ている。
て成形する鍛造品は具体的には車両等に用いられるピニ
オンシャフトであり、このピニオンシャフトは図示しな
いが、駆動部に取付けられる大径部と、ピニオンが固定
される小径部と、大径部と小径部を滑らかに繋ぐテーパ
部とを有し、これらの大径部、小径部、テーパ部が夫々
前記成形空間7の大径部8、小径部9、テーパ部10に
対応している。つまり、押出工程においては、成形空間
7の大径部8からテーパ部10と小径部9に向かって材
料が押出されるが、このとき小径部9に押出された部分
がピニオンシャフトの小径部となり、成形空間7の大径
部8とテーパ部10に押し残された部分がそのままピニ
オンシャフトの大径部とテーパ部となるように成形空間
7の形状が設定されている。
体の密度が7.1g/cm3以上、望ましくは7.3g/cm3以
上となるように加圧力を印加する。これは、圧粉体を
7.1g/cm3以上となるような高密度に成形することに
よって金属粉の粒子間の接触面積を大きくし、それによ
って靱性をより高めるものである。また、圧粉体の密度
を7.3g/cm3以上とした場合には、金属粒子間の空隙
を個々に独立させて炉内の雰囲気ガスが圧粉体の内部に
入り込み難くすることができるため、つづく焼結時には
黒鉛が拡散せずに金属粉の粒界に残留し易くなり、焼結
体w0の硬度を高くし、伸びを小さくする原因である浸
炭の進行を有効に抑制できる、というさらなる効果を期
待することができる。また、圧粉体を前述のように高密
度に形成したことにより、焼結工程においては、金属粉
の粒子同士の接触面における表面拡散または溶融による
焼結が広範囲に亙って生じることとなり、焼結体w0は
このことも影響してより大きな延びが得られることとな
る。
〜1000℃に設定されている。これは、焼結温度が7
00℃未満では焼結による金属粉の結合が進行せず、1
000℃を超えると、黒鉛が過剰に拡散されて硬度が高
くなり過ぎてしまうためである。したがって、前記のよ
うな焼結温度に設定したことから、焼結時には、金属粉
相互は確実に結合し、黒鉛はほとんど拡散せず金属粉の
粒界に残留することとなる。これにより、焼結体は硬度
が小さく伸びが大きくなっており、その変形能は高めら
れている。
示す鍛造型の大径部8に装填される。この状態から、下
ラム3の作動によって下パンチ4を所定高さに上昇さ
せ、上ラム1の作動によって上パンチ2を下降させて上
パンチ2と下パンチ4によって焼結体w0を所定時間、
所定荷重で圧縮し、焼結体の組織を緻密化して圧縮体w
1を形成する(押出し工程)。この圧縮体w1の密度は
7.3g/cm3(相対密度93%)以上、望ましくは7.
6g/cm3(相対密度97%)以上とする。
チ2の荷重に対して減少させ、圧縮体w1に所定の圧縮
力を付与したまま圧縮体w1を鍛造型の小径部9に向か
って徐々に押出していく。こうして押出しを行うと、圧
縮体w1全体の組織が緻密に維持されたまま鍛造が行わ
れ、クラック等の欠陥を生じることなく品質の高い鍛造
体w2が造形されることとなる。そして,鍛造体w2はこ
の後の型開きによって鍛造型から取り出される。
体が成形空間7の小径部9に押出されるのではなく、大
径部8の一部が設定厚み(高さ)分、押し残される。し
たがって、こうして得られた鍛造体w2には小径部の上
端にテーパ部と大径部が同時に形成されることとなる。
した鉄を主成分とする金属質粉に対して、密度が夫々
6.5g/cm3,6.8g/cm3,7.1g/cm3,7.4g/cm3
となるように圧粉成形し、その各圧粉体に前記の望まし
い焼結温度範囲で焼結を行った各焼結体に対して断面減
少率60%で一方向からの加圧によって前方押出しを行
った実験結果である。尚、図3は、このときに前方押出
しされた鍛造体を示すものである。
押出成形に大きく影響し、焼結体の密度が6.5g/c
m3,6.8g/cm3のときには充分な押し残り厚さ(高
さ)まで押し切ることができず、鍛造体の密度は実使用
に耐えられる目安の密度である7.6g/cm3の値を超え
ることができない。これに対し、焼結体の密度が7.1
g/cm3,7.4g/cm3のときには、7.6g/cm3の値を超
える密度の鍛造体を得ることができる。
して前方押出しを行ったときの、焼結体の下部a側(小
径部側)の密度と、上部b側(テーパ部及び大径部)の
密度を調べたものである。この図から明らかなように焼
結体の密度を、7.1g/cm3,7.4g/cm3と高くした場
合には、下部a側、上部b側の何れの密度も7.6g/cm
3の値を超える充分な値とすることができると共に、下
部a側と上部b側の密度差を小さくすることができる。
したがって、このように焼結体の密度を予め高く設定し
ておくことにより、鍛造品各部での密度のばらつきをよ
り少なくすることができる。
成分の金属粉を用い、混合する黒鉛の量を適宜代えた場
合の焼結温度と焼結体の伸びの関係を調べた試験データ
とグラフであり、図7は、実施例1と同様の金属粉に混
合する黒鉛の混合量を適宜代えた場合の焼結温度と焼結
体の硬さの関係を調べた試験データとグラフである。
に、焼結温度を700℃〜1000℃の範囲で選択すれ
ば、金属間結合が進行する結果、成形可能な焼結体の伸
びが得られ、硬さは最も硬くなる1000℃であっても
黒鉛の混合量を調整することによってHRB60を僅か
に越えた値に維持することができる。因みに、このHR
B60という値は、高強度の冷間鍛造鋼材に焼鈍したと
きの硬度と同程度のものであるが、前述した焼結体にお
いては焼鈍を行うことなく、このHRB60に近い値を
得ることができる。
0℃の焼結温度で焼結された焼結体は鍛造型に入れられ
て圧縮と押出鍛造が連続して行われ、このときに金属組
織内の空隙を圧潰することによる組織の緻密化と造形と
が行われるが、焼結体は前述のように金属粉の粒界に充
分な黒鉛が残留しているため、このときの成形荷重(変
形抵抗)は図8に示すように非常に小さくすることがで
きる。つまり、前述の焼結体は炭素の拡散が殆どないこ
とから、硬度が低く、かつ、伸びが大きい特性となり、
さらに、金属粒界に存在する黒鉛が金属粉相互の滑りを
促進するように機能するため、圧縮時及び押出時の成形
荷重は小さくなり、鍛造体は所定の形状に容易に形成さ
れる。
うに鍛造型によって焼結体の圧縮と押出鍛造を連続して
行うため、圧縮工程の後に材料の加工硬化を生じること
がなく、したがって、加工硬化を生じ易い材料を用いる
場合であっても何等問題なく鍛造を行うことができる。
しかも、この鍛造方法においては、非加熱下で焼結体の
圧縮と押出しを行うものであるため、鍛造型に加熱のた
めの機器を付設する必要がない分、装置の小型化と簡素
化を図ることができるうえ、熱による鍛造品の寸法精度
の低下を招くこともない。また、さらに鍛造型を加熱し
ないことから、熱による型の劣化を防止でき、鍛造型の
耐久性を高めることができる。
方法を採用した場合と、本発明にかかる鍛造方法を採用
した場合の鍛造品の寸法精度を比較したものである。
尚、この試験の際に造形される鍛造品は有底円筒形状の
ものであり、従来の鍛造方法の場合には、図11に示す
ようにダイス25に形成した成形穴11に焼結体w0を
装填し、その状態でパンチ22によって焼結体w0の中
心部を上方から加圧することによって有底円筒形状を後
方押出しによって鍛造した。また、本発明にかかる鍛造
方法の場合には、図12に示すようにダイス35の成形
孔12の中心部にコア13を下方側から突設しておき、
この状態で成形孔12内に焼結体w0を装填し、下パン
チ34を上昇させると共に上パンチ32を下降させるこ
とによって焼結体w0を加圧し、その後に下パンチ34
の加圧力を減圧することによって有底円筒形状を鍛造し
たものである。
いた場合には、外径寸法と内径寸法のばらつきが夫々
1.0mmであったのに対し、本発明にかかる鍛造方法を
用いた場合には、外径寸法のばらつきが0.03mm、内
径寸法のばらつきが0.06mmであった。この結果から
明らかなように、押出時に熱を加えない本発明にかかる
鍛造方法においては熱収縮による寸法誤差が極めて小さ
くなり、しかも、型(ダイス)に抜き勾配を設けなくて
も鍛造品を型から容易に取り出すことができる。
は、圧縮体に対して二方向から加圧しつつ鍛造体を前方
押出しによって成形することができるため、従来難しか
った長尺な部材の押出し鍛造をも容易に実現することが
できる。
リブデン(Mo)0.3質量%,マンガン(Mn)0.
7質量%を含有し,残部が鉄(Fe)及び不可避不純物
である合金鋼粉に、0.3質量%の黒鉛を混合して金属
質粉を形成し、この金属質粉を圧粉成形して、密度が
7.4g/cm3の圧粉体を形成し、さらにこの圧粉体を窒
素ガス雰囲気の炉内において800℃で60分間焼結し
て焼結体を作った。
であり、硬さはHRB48.6、成形荷重は2333MP
aであった(図6〜図9参照)。
に装填し、上パンチ2の荷重46tonf,上ラム1の成形
速度5mm/秒,下パンチ4の荷重15tonf,圧縮時の両パ
ンチ2,4の停止時間を1秒に設定し、断面減少率30
%の押出し鍛造を施し、ピニオンシャフトを成形した。
がなく、良好な品質のものであった(図9参照)。因み
に、図9には同様に形成した焼結体に対して一方向から
のみの荷重付与による前方押出しと後方押出しを夫々施
したときの試験結果を示してある。前方押出しのときに
は明らかなクラックが発生してNGとなり、後方押出し
のときには明らかなクラックは発生せず、一応試験結果
としてはOKとなっているが、前記の鍛造型によって二
方向から加圧したときの方が成形品の品質としては遥か
に良好なものであった。
様の成分の金属粉に0.5質量%の黒鉛を混合し、その
金属質粉で形成した密度が7.1g/cm3である圧粉体に
対し、窒素ガス雰囲気の炉内において1250℃で60
分間焼結して得られた焼結体に同様の鍛造を施したとき
の試験結果である。
%と小さくなり、かつ、硬度がHRB75.0と大きく
なることから、一方向からの加圧による前方押出しと後
方押出しは勿論のこと、前記の鍛造型による二方向から
加圧による押出鍛造も不可能であった。
形成し、この圧粉体を窒素ガス雰囲気の炉内において9
00℃で60分間焼結して焼結体を作った。このときの
焼結体の伸びは5.7%であり、硬さはHRB55.
1、成形荷重は2596MPaであった(図6〜図9参
照)。
に装填し、実施例1と同様の条件下で圧縮と押出鍛造を
施し、ピニオンシャフトを成形した。こうして得られた
鍛造品はやはりクラックの発生がなく、良好な品質のも
のであった(図9参照)。
鍛造方法によれば、冷間鍛造によってクラック等の欠陥
のない鍛造品を製造することができるため、加熱機器を
設置しなくて良い分、鍛造設備を小型・簡素化してコス
トの低減を図ることができると共に鍛造品の寸法精度を
高めることができ、さらに、熱による型の劣化をも防止
することができる。
た鍛造型等を用いて圧縮工程と押出工程とを連続して行
うようにした場合には、加工硬化を生じ易い材料を用い
る場合であっても容易に鍛造加工を行うことができる。
方押出を採用することができるため、従来加工の難しか
った長尺の部材を容易に鍛造加工することができる。
きの鍛造品の形状を示す模式的な側面図。
たときの試験結果を示すグラフ。
の上部と下部での密度を比較したグラフ。
温度と黒鉛の混合量を変化させた場合の伸びの変化をデ
ータ及びグラフで示す図面。
温度と黒鉛の混合量を変化させた場合の硬さの変化をデ
ータ及びグラフで示す図面。
温度と黒鉛の混合量を変化させた場合の成形荷重の変化
をデータ及びグラフで示す図面。
一覧で表にした図面。
かかる鍛造方法を採用した場合の鍛造品の寸法精度を比
較表にした図面。
来の鍛造方法を示す断面図。
発明にかかる鍛造方法を示す断面図。
Claims (8)
- 【請求項1】 鉄を主成分とし、所定量の黒鉛を混合し
て成る金属質粉を圧粉成形し、そこで得られた圧粉体を
700℃〜1000℃にて焼結することによって金属粉
の粒界に黒鉛が残留した組織を有する焼結体を形成し、
その焼結体を二方向から圧縮する圧縮工程によって所定
密度に圧縮し、そこで得られた圧縮体をさらに押出工程
によって二方向から加圧しつつ一方からの加圧力に対し
て他方からの加圧力を減少させて押出鍛造することを特
徴とする焼結部材の鍛造方法。 - 【請求項2】 前記金属質粉が、クロム(Cr)、モリ
ブデン(Mo)、マンガン(Mn)等の硬化合金元素の
うちの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求
項1に記載の焼結部材の鍛造方法。 - 【請求項3】 前記圧粉体の密度を7.1g/cm3以上と
することを特徴とする請求項2に記載の焼結部材の鍛造
方法。 - 【請求項4】 前記圧縮工程と押出工程とを連続して行
うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焼
結部材の鍛造方法。 - 【請求項5】 前記圧縮工程及び押出工程を非加熱下で
行うことをことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
記載の焼結部材の鍛造方法。 - 【請求項6】 前記押出工程では前方押出しによって押
出しを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
記載の焼結部材の鍛造方法。 - 【請求項7】 前記圧縮工程と焼結工程で用いる鍛造型
を、前記焼結体をセットして圧縮する圧縮部と、その圧
縮部に連続して圧縮部よりも小さな断面積に形成された
押出部とを備えた構成とし、前記圧縮工程を圧縮部で行
い、焼結体の密度を高めて圧縮体を形成した後に、その
圧縮体を押出部に押出して鍛造体を得ることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれかに記載の焼結部材の鍛造方
法。 - 【請求項8】 前記圧縮部を最終製品形状に合致した形
状に形成したことを特徴とする請求項7に記載の焼結部
材の鍛造方法。
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