JP2002136903A - 散布作業機 - Google Patents

散布作業機

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JP2002136903A
JP2002136903A JP2000332801A JP2000332801A JP2002136903A JP 2002136903 A JP2002136903 A JP 2002136903A JP 2000332801 A JP2000332801 A JP 2000332801A JP 2000332801 A JP2000332801 A JP 2000332801A JP 2002136903 A JP2002136903 A JP 2002136903A
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speed
boom
spraying
amount
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Application number
JP2000332801A
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English (en)
Inventor
Minoru Koyama
実 小山
Satoru Okada
悟 岡田
Akihiro Kubo
昭博 久保
Toshiaki Kasahara
敏章 笠原
Susumu Yamamoto
進 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散布作業機で車輪がスリップすると所定の作
業速度が得られずに散布量が過剰となるため、従来は、
バイパス回路を設けて薬液の余剰分を逃がし、配管内を
流れる散布流量を調整してノズルからの散布量を適正化
する技術が知られているが、この散布量制御は機械式調
整方式であるため、実散布量へのフィードバックがそれ
ほど早くなく、散布量の設定精度も高くない、という問
題があった。 【解決手段】 散布圧P又は散布流量Qの検出手段33
・34を設け、該検出手段33・34の目標値P1・Q
1を作業速度vに応じて変化させると共に、設定散布量
Wを補正可能な操作部材166を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型の走行機体
に薬液タンク、ノズルを配置したブーム、噴霧ポンプ及
び散布量制御装置等を搭載した散布作業機において、ノ
ズルより散布される散布量の制御構成に関する。
【0002】
【従来の技術】散布作業機で車輪がスリップすると所定
の作業速度が得られずに散布量が過剰となるため、従来
より、バイパス回路を設けて薬液の余剰分を逃がし、配
管内を流れる散布流量を調整してノズルからの散布量を
適正化するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、こ
のような散布量制御は、機械式調整方式であるため、実
散布量へのフィードバックがそれほど早くなく、散布量
の設定精度も高くない、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、走行機
体に薬液タンク内の薬液を噴霧するノズルを設けたブー
ム、薬液タンク内の薬液をノズルへ圧送する噴霧ポン
プ、及び該噴霧ポンプの吐出量を調整する散布量制御装
置等を搭載すると共に、エンジンの回転数に基づき無段
変速機構の速比を制御可能とする自動変速制御機構を有
する散布作業機において、散布圧又は散布流量の検出手
段を設け、該検出手段の目標値を作業速度に応じて変化
させると共に、設定散布量を補正可能な操作部材を設け
たものである。
【0005】請求項2においては、前記検出手段は、散
布量制御装置内の流量調整弁とノズルとの間で、該流量
調整弁よりも下流側に設けるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る実施例について
説明する。図1は本発明に係る散布作業機の全体側面
図、図2は同じく全体平面図、図3は同じく伝動経路
図、図4は同じく配管系統図、図5はポンプ部を示す側
面図、図6は各種センサ取付け部を示す平面図、図7は
速比センサを示す側面図、図8は同じく平面図、図9は
同じく正面図、図10はアクセルセンサを示す側面図、
図11は同じく平面図、図12は主変速位置センサを示
す側面図、図13は同じく平面図、図14は動噴クラッ
チセンサを示す正面図、図15は操作パネルの平面図、
図16はエンジン回転数と変速比との関係を示すモード
線図、図17は不感帯を示すモード線図、図18は車速
制御のフローチャート、図19は同じくフローチャー
ト、図20は自動変速制御のフローチャート、図21は
車速制限処理のフローチャート、図22は上限車速算出
処理のフローチャート、図23は車速と散布圧との関係
を示すグラフ図、図24は散布量調整スイッチの出力特
性を示すグラフ図、図25は上限車速を示すグラフ図、
図26は散布量制御のフローチャート、図27は同じく
フローチャート、図28は同じくフローチャート、図2
9は同じくフローチャート、図30は散布流量基準車速
連動散布量制御のフローチャート、図31は散布圧基準
車速連動散布量制御のフローチャート、図32は前方ブ
ーム左部を示す平面図、図33はノズル取付け構成を示
す断面図、図34は散布状況を示す正面図、図35はブ
ーム開閉制御を示す概念図であり、図35(a)は駆動
方向が開方向の場合、図35(b)は駆動方向が閉方向
の場合を示す図、図36はブーム開閉制御のフローチャ
ート、図37は同じくフローチャート、図38は非常処
理のフローチャート、図39は制御回路図である。
【0007】まず、本発明に係わる散布作業機の全体構
成について、図1及び図2により説明する。散布作業機
は乗用型の走行機体22と、薬液を散布するための複数
のノズル23を有するブーム40及び該ブーム40の昇
降や展開を行うための機構よりなるブーム部35と、エ
ンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズ
ル23へ送り出す噴霧ポンプ4及び該噴霧ポンプ4から
吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等より
なるポンプ部36等で構成される。なお、本実施例で
は、ブーム部35は走行機体22の前部及び側部に配設
され、ポンプ部36は後部に配設されている。
【0008】そして、走行機体22の機体前端より後方
へ向けては、左右一対の機体フレーム6L・6Rが平行
に水平方向に延設され、該機体フレーム6L・6Rの前
部下方には前車輪7・7が支承され、後部下方に後車輪
8・8が支承されている。
【0009】また、走行機体22前部の機体フレーム6
L・6R上には、エンジン9を被覆するボンネット10
が配設され、該ボンネット10後方のカバー上には操作
パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方
には運転ハンドル12が設けられて、該運転ハンドル1
2及び前記操作パネル11等で散布作業機の操縦部を構
成している。
【0010】前記操作パネル11下方より後方に向け
て、機体フレーム6L・6R上にはステップ13を設け
ている。また、機体フレーム6L・6R後部上には薬液
タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部
中央には運転席14が形成されて、薬液タンク24によ
って側部と後部を取り囲まれるように載置されている。
また、散布作業機のフレームの各構成部材である機体フ
レーム6L・6R、サブフレーム52L・52Rは夫々
中空の四角または丸型のパイプまたはL型やH型等の鋼
材を用いて、軽量かつ高剛性に構成されている。
【0011】前記ブーム部35は、薬液散布用のブーム
40と、昇降リンク機構37とから構成される。このう
ちブーム40は、走行機体22の前方の前方ブーム41
及び、該前方ブーム41の両端に枢支して、折畳み可能
に側方に延設される左右の側方ブーム42L・42Rか
ら構成されている。また、該ブーム40には薬液を散布
するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔を
おいて配設されている。そして、前記前方ブーム41と
側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開
閉シリンダ43L・43Rが介装され、該ブーム開閉シ
リンダ43L・43Rを伸縮させることによって、側方
ブーム42L・42Rを左右水平方向へ延設した作業位
置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回
動可能としている。
【0012】また、昇降リンク機構37は、平行リンク
により前方ブーム41と機体フレーム6L・6Rの前部
の間を連結し、該平行リンクの一方と機体フレーム6L
・6Rの間にシリンダ38・38を介装して、該シリン
ダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上
下昇降可能としている。そして、このような昇降リンク
機構37に対し、前方ブーム41の左右中央が枢支され
て左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リ
ンク機構37との間にシリンダ39を介装して、ブーム
40を水平制御する構成としている。
【0013】次に、このような散布作業機の動力伝達構
成について、図3、図5により説明する。図3に示すよ
うに、走行機体22の前部に配設されるエンジン9よ
り、後方へ向けてエンジン出力軸15が延出し、該エン
ジン出力軸15は、伝達軸16と軸間をユニバーサルジ
ョイントによって連結されて、さらに、後方のCVT入
力軸27に接続されている。なお、本実施例では無段変
速装置としてCVTを使用した場合について説明してい
るが、いわゆる油圧式無段変速装置のHSTを使用して
もよく、確実かつ効率よく変速できる無段変速装置であ
れば、特には限定されない。
【0014】走行機体22略中央下部に配設されるCV
Tケース20には、CVT(割プーリ式の無段変速装
置)21が内装されている。該CVTケース20後端の
右方からは、前記CVT入力軸27後端が延出し、左方
からはCVT出力軸29が延出しており、CVT入力軸
27に伝えられた動力は、CVT21により無段変速さ
れて、CVT出力軸29に伝えられるようにしている。
【0015】そして、前記CVT入力軸27後端には二
連プーリ17が固設され、該二連プーリ17下方には二
連プーリ87が配設され、該二連プーリ87は後方に向
けて延出する第二PTO軸68上に固着している。前記
二連プーリ17・87間にはベルト69を巻回してお
り、該ベルト69によって、CVT入力軸27から第二
PTO軸68へ駆動力を伝達可能としている。すなわ
ち、第二PTO取出軸はエンジン9の出力回転に比例し
た略定回転の動力が得られるようにしている。
【0016】また、前記ベルト69においては、後述す
るように、テンションアームに枢設されるテンションプ
ーリの押圧及び解除によって、緊張状態及び弛緩状態を
選択可能として、二連プーリ17・87間での駆動力伝
達の断接を可能としている。すなわち二連プーリ17・
87間には、ベルトテンションクラッチ機構(以下「動
噴クラッチ」とする)80が設けられているのである。
【0017】前記CVTケース20右部後方には、クラ
ッチ84を内装するクラッチケース76が配設され、該
クラッチケース76には前記CVT出力軸29が挿入さ
れ、該CVT出力軸29と同軸方向には入力軸85が配
設されており、CVT出力軸29と入力軸85とは、ク
ラッチ84によって駆動力伝達の断接が可能に構成され
ている。さらに、クラッチ84後方にはミッションケー
ス86が配設されており、入力軸85後部はミッション
ケース86へ挿入されている。すなわち、CVTケース
20より後方に向けて、走行機体22中心線の左方に
は、前述したように第二PTO取出軸として機能するC
VT入力軸27が延設され、一方、走行機体22中心線
の右方には、CVT出力軸29が前後方向に延設されて
クラッチ84に接続しているのである。
【0018】前記ミッションケース86内では、前記ク
ラッチケース76より突出した入力軸85の動力が複数
のギヤを介して走行駆動軸82に伝達される。そして、
該走行駆動軸82はミッションケース86の前後に突出
した前輪駆動軸87及び後輪駆動軸89に連結して動力
を伝達している。従って、CVT64により無段変速さ
れた後の回転力が前輪駆動軸88及び後輪駆動軸89に
伝達され、前輪7・7及び後輪8・8が回転駆動するこ
とになる。
【0019】また、ミッションケース86より後方に向
けて、第一PTO軸81が延出され、該第一PTO軸8
1には、前記入力軸85より、ミッションケース86に
内装されるギヤ等よりなるPTO変速機構を介して、駆
動力が伝達される。そして、該第一PTO軸81から
は、機体後方に動力散布機などを配設した場合に、該動
力散布機の繰出装置に、前後輪7・8に係動する駆動力
を伝達できるようにしている。
【0020】一方、前記第二PTO軸68からは、伝達
軸83を介して、後上方の作業機駆動入力軸72に接続
され、さらに、ギヤ等でその回転を調整されて前記ポン
プ部36への伝達軸19へ動力が伝達されるのである。
【0021】ここで、図5に示すように、このポンプ部
36は、噴霧ポンプ4及び散布量制御装置3より構成さ
れ、そのうち、噴霧ポンプ4のクランクケース26の右
上部には、エアチャンバ25や安全弁79等が設けら
れ、また、散布量制御装置3は流量調整弁90・91及
び該流量調整弁90・91に関わるバルブ開閉モータ3
0等より構成されている。このようなポンプ部36は、
走行機体22の後部に延設したサブフレーム52L・5
2R上に、支持部材を介して、噴霧ポンプ4のクランク
軸が機体前後方向に位置するように設けられている。
【0022】そして、前記伝達軸19は、ユニバーサル
ジョイント64を介して入力軸65の前端と接続され、
該入力軸65により、前記噴霧ポンプ4のクランク軸と
連結する駆動軸18に動力が伝達され、噴霧ポンプ4の
クランクケース26に入力され、該クランクケース26
内に収納されている図示せぬピストンを往復動して薬液
を圧送できるようにしている。
【0023】次に、薬液の流路構成について、図4、図
5により説明する。ポンプ部36においては、薬液タン
ク24に設けたドレン口24aは、ホース97を介して
ストレーナ78に連通接続され、該ストレーナ78は、
噴霧ポンプ4に位置する薬液吸入口49に接続されてお
り、薬液タンク24からの薬液は、ストレーナ78で異
物を除去された後、噴霧ポンプ4後部に位置する薬液吸
入口49から噴霧ポンプ4の前記クランクケース26内
に流入される。
【0024】該噴霧ポンプ4には吐出口が設けられ、該
吐出口から吐出された薬液のうち設定圧力以上の余水は
前記安全弁79を通過してパイプ94を経て、薬液タン
ク24に設けられた戻り口94aに還流される。一方、
設定圧力以下の薬液は、パイプ45を通じて流量調整弁
(噴霧側バルブ91)及び流量調整弁(戻り側バルブ9
0)へ流入する。
【0025】このうち、噴霧側バルブ91で流量が調整
された薬液は、ブーム吐出口91aより排出された後、
パイプ93を通ってブーム部35に送られて薬液散布に
用いられる。該パイプ93の途中部には、切換バルブ6
2が設けられており、該切換バルブ62を操作すること
により、手散布や洗車などのための薬液流を自在に取り
出せるようにしている。また、戻し側バルブ90へ送ら
れた薬液は、ホース95を通って薬液タンク25に設け
られた戻り口95aより薬液タンク24内へ還流され
る。なお、前記パイプ45は一部分岐されて薬液タンク
24に連通接続され、薬液が戻り口45a・45bから
薬液タンク24に戻されており、前記戻り口94a・9
5aと併せて、薬液タンク24内の薬液の攪拌に利用さ
れるようにしている。
【0026】また、ブーム部35においては、前記パイ
プ93先部に散布コック53が接続され、該散布コック
53を介して分水管93aが設けられ、該分水管93a
には3個の条止めコック31a・31b・31cが内設
されている。そして、該条止めコック31a・31b・
31cの吐出口は、それぞれ前記ブーム42L・41・
42Rに設けた散布管に連通接続されており、前記ポン
プ部36より圧送されてくる薬液の散布を、ブーム単位
で実施可能な構成としている。
【0027】なお、噴霧側バルブ91・戻り側バルブ9
0における流量調整は、次のようにして行われる。すな
わち、図5に示すように、前記バルブ開閉モータ30か
ら後方に向けてモータ回動軸30aが延出され、該モー
タ回動軸30aにはギア59が固着され、該ギア59は
下方に配設されているギア60と噛合している。該ギア
60に固着している駆動軸であるニードル61は、流量
調整弁である噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90に
挿入されている。そして、該ニードル61の正逆回転に
より、噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90に内装さ
れている図示せぬニードルバルブが前後摺動して、噴霧
側バルブ91及び戻し側バルブ90を通過する薬液の流
量の調整が行われるのである。
【0028】次に、以上のような動力伝達構成と薬液流
路構成とを有する散布作業機において、エンジン回転数
に応じてCVTの変速比を連動制御する自動変速制御機
構に関して説明する。
【0029】図3、図6乃至図9に示すように、CVT
21では、電動式変速モータ98の操作により、入出力
プーリ99・100へのVベルト101の巻き付け径を
変化させ、速比を無段階に変更する構成となっている。
前記電動式変速モータ98は、機体フレーム6RとCV
Tケース20との間で、機体フレーム6R内側の固定ブ
ラケット103に取り付けられ、該変速モータ98のモ
ータ出力軸106は、伝達ギア107・108を介して
伝達軸109に連結されている。
【0030】該伝達軸109の先部には伝達ギア110
が固設され、該伝達ギア110には、側面視扇形状のカ
ムギア111の円周部に刻設されたギア部に噛合され、
該カムギア111は支軸113に固設され、該支軸11
3は、機体フレーム6L・6R間に橋設されたサブフレ
ーム102の固定ブラケット114に回動自在に設けら
れている。そして、このカムギア111の下部は、連結
リンク104を介して、CVT変速レバー105に連結
されている。
【0031】このような構成において、前記変速モータ
98を駆動すると、伝達ギア107・108・110を
介してカムギア111に回動動作が伝達され、該カムギ
ア111により揺動する連結リンク104を介して変速
レバー105が操作され、CVT21を変速させて速比
を自在に変更できるようにしている。
【0032】また、前記固定ブラケット103には、固
定板115を介してポテンショメータ式の速比センサ1
12が取り付けられ、該速比センサ112からは検出ピ
ン112aが突設され、該検出ピン112aは、前記カ
ムギア111上部から外方に突設した検出ピン116に
係合連結されており、前記変速モータ98によって連結
リンク104を揺動させてCVT21を変速操作する場
合の速比を検出可能としている。
【0033】さらに、図2、図3、図6、図10、図1
1に示すように、前記機体フレーム6Rより右外側で、
ブレーキペダル58近傍には、アクセル操作部材である
アクセルペダル117が配設され、該アクセルペダル1
17のペダル軸118は、機体フレーム6Rの前部より
右方に突設されたサブフレーム121後面の固定ブラケ
ット122に軸支されている。
【0034】該ペダル軸118は、側面視く字状のペダ
ルアーム119の上部に固設され、該ペダルアーム11
9下部先端には、バネ123後端が連結されて後方に付
勢されると共に、ペダルアーム119の上下略中央部は
ワイヤーなどのリンク125を介してアクセルレバー5
7に連結され、更に、該リンク125の取付け部とペダ
ルアーム119下部との間にはリンク56の一端が連結
され、該リンク56の他端はエンジン9に連結連動され
ている。
【0035】このような構成において、アクセルペダル
117を踏込み操作するか、あるいはアクセルレバー5
7を前後に回動操作すると(以下「アクセル操作」とす
る)、ペダル軸118を中心にしてペダルアーム119
が回動し、前記リンク56を介してエンジン9のスロッ
トル部のスロットル開度が制御され、エンジン回転数E
が増減するようにしている。
【0036】そして、図3に示すように、このエンジン
回転数Eは、エンジン出力軸15に設けたピックアップ
型のエンジン回転センサ129により検出されると共
に、検出されたエンジン回転数Eに基づいて設定される
CVT21の速比位置まで、前記変速モータ98が、速
比センサ112の検出値に基づいて連動制御される。つ
まり、CVT21の速比は、アクセル操作によって変更
されるエンジン回転数Eのみにより制御されるようにし
て、制御構成の単純化を図っている。なお、CVT21
の速比は、図10、図11に示すように、アクセルセン
サ124などを設け、アクセルペダルの位置を検出して
行うようにしてもよい。
【0037】ここで、図16に示すように、エンジン回
転数Eに対するCVT21の速比Vは、高速・中速・低
速モードの3変速モードに切り換え可能としている。そ
のうち、低回転側のエンジン回転数E(E=500〜1
200rpm)の低回転区間aでは、速比Vを最低速V
Lの一定値に保持させるようにしており、この回転側で
の作業速度の所定以上の低下を防止して、エンジン9の
低回転区間aでの馬力不足状態を解消させると共に、低
回転区間aでエンジン回転数Eがばらついた場合でも、
一定値VLを保つことによって作業速度を略最低速に確
実に維持させた良好な低速作業を行うものである。
【0038】一方、高回転側のエンジン回転数E(E=
2400rpm〜)の高回転区間cでは、速比Vを最低
速VL・中間速VM・最高速VHの一定値に保持させる
ようにしており、使用頻度の高いエンジン9の高回転区
間cで作業速度が減速する頻度を低減させて、安定した
作業速度を確保して作業の高能率化を図るようにしてい
る。
【0039】そして、エンジン回転数Eの低回転区間a
と高回転区間cとの間の中間回転区間b(E=1200
〜2400rpm)にあっては、エンジン回転数Eに速
比Vを比例させて高速側に変更させ、アクセル操作の操
作量に作業速度を加速比例させて、アクセル操作による
作業速度の円滑にして良好な増減速制御を可能とさせる
ものである。
【0040】なお、図15に示すように、この切り換え
を行うモード切換手段である変速モード切換スイッチ1
30は、前記操作パネル11の右上部に配設されてい
る。
【0041】また、図1、図2、図12、図13に示す
ように、運転ハンドル12左側には主変速レバー131
が配設され、該主変速レバー131のレバー軸134
は、ステアリングコラム132下部より立設した固定ブ
ラケット137に軸支されると共に、主変速レバー13
1の上下途中部は、ステアリングコラム132に固設さ
れたガイド板133のガイド孔133aに下方より内挿
され、主変速レバー131を前後操作することにより、
レバー軸134を中心に、ガイド孔133aに沿って主
変速レバー131を回動できるようにしている。
【0042】そして、レバー軸134には、連結アーム
138の上端が固設され、該連結アーム138下端には
連結リンク139先端が連結され、該連結リンク139
後端は、前記ミッションケース86に設けた図示せぬ走
行変速シフタを制御する連結ロッドに連結連動してい
る。さらに、レバー軸134から前方には平面視L字状
の検出ピン136が突設され、該検出ピン136は、ス
テアリングコラム132側面に固設されたポテンショメ
ータ式主変速位置センサ135のセンサアーム135a
に係合連結されている。
【0043】このような構成において、主変速操作レバ
ー131を回動操作すると、走行速(F1)、作業速
(F2)、ニュートラル(N)、及びバック(R)に走
行機体22を変速することができ、この時の主変速レバ
ー131の変速位置も、前記主変速位置センサ135に
より検出可能としている。
【0044】そして、図3、図39に示すように、変速
モード選択スイッチ130と、主変速位置センサ135
と、速比センサ112と、エンジン回転センサ129
と、前記入力軸85後端に係合連結され、実車速を検出
する車速センサ140とを、コントローラ141に接続
させると共に、前記変速モータ98にもコントローラ1
41を接続させて、アクセル操作により、エンジン9の
エンジン回転数EとCVT21の速比Vの連動した同時
変更を行うように構成している。
【0045】以上のような構成において、図18に示す
ように、前記エンジン9を駆動した後、エンジン回転セ
ンサ129により検出したエンジン回転数Eが下限回転
数E0 を上回り(S1:Y)、車速センサ140により
検出した実車速v2 が下限車速v0 を上回る(S2:
Y)という条件下で、主変速位置センサ135により検
出されたF1・Nスイッチの位置がON、またはF1・
Nスイッチ、F2スイッチの位置が共にON(S3:
Y)にある時、すなわち、少なくとも作業速度が選択さ
れている場合には、自動変速制御144が行われる。主
変速位置が前記以外(後進)の場合には、速比Vを最低
速VLに保ち、安定走行を確保する(S81)。そし
て、該自動変速制御144は、実車速v2 が後述する上
限車速vlimit を上回るような場合には、実車速v2 が
上限車速vlimit 以下になるまで繰り返される。
【0046】なお、エンジン回転数Eが下限回転数E0
以下(S1:N)では、駆動出力を禁止(S5)して各
モータへの過負荷による焼損を防止し、実車速v2 が下
限車速v0 以下(S2:N)の時は、速比Vが最低速V
Lとなるまで減速駆動(S6)して急発進を防止するよ
うにしている。
【0047】前記自動変速制御144においては、図2
0に示すように、アクセル操作に対応してエンジン9が
駆動すると、エンジン回転数Eの読込みがエンジン回転
センサ129により行われる(S9)。そして、前記変
速モード選択スイッチ130によって選択された(S1
0)低速、中速、或いは高速モードより、エンジン回転
数Eに対応した最適の目標速比V1が算出され、F1・
Nスイッチの位置がON、かつF2スイッチの位置がO
FFにある時、すなわち作業速度が選択されている場合
(S14:Y)には、設定散布量Wに応じて車速を制限
する車速制限処理145が行われる。
【0048】該車速制限処理145の後、または作業速
度以外(S14:N)の場合には、前記速比センサ11
2で検出されてコントローラ141に読み込まれた実速
比V2(S15)と目標速比V1との差(|V1−V2
|)が、図17に示すような不感帯V0以上にある時
(S16:N)、この差(|V1−V2|)を不感帯V
0に入れて、|V1−V2|≦V0とする変速モータ9
8の増減速制御が行われ(S17、S19)、その時駆
動するエンジン9のエンジン回転数Eに応じた速比Vに
よる、圃場条件及び機械条件に最適の作業速度で散布作
業を行うものである。
【0049】前記車速制限処理145においては、図1
6、図21に示すように、上限車速算出処理147より
求められた上限車速vlimit よりも目標車速v1 が下回
る場合(S20:Y)には、そのまま目標速比V1が前
記ステップS16に適用されるが、上限車速vlimit よ
りも目標車速v1 が大きい場合(S20:N)には、目
標速比V1は上限速比Vlimit に制限されて(S2
2)、前記ステップS16に適用される。
【0050】ここで、前記上限車速vlimit は以下のよ
うにして求めることができる。まず、設定散布量W(l
/10a)と車速v(m/s)との間には、次式(1)
のような関係が成立する。 W=(1000×Q)/(L×v)----- (1) なお、Qは薬液の散布流量(l/s)、Lは散布幅
(m)である。
【0051】このうち、設定散布量Wは、図15、図3
9に示すように、前記操作パネル11の略中央部に配設
したボリューム式の散布量選択スイッチ146により設
定され、該散布量選択スイッチ146は前記コントロー
ラ141に接続されており、選択した散布量信号はコン
トローラ141に伝達される。また、散布幅Lについて
は、図4、図39に示すように、条止めコック31a・
31b・31cに設けた条止めコック開閉センサ32a
・32b・32cからの開閉信号が、該条止めコック開
閉センサ32a・32b・32cに接続したコントロー
ラ141に伝達され、該コントローラ141により、開
信号を発しているブーム長の合計を散布幅Lとして算出
しており、概算ではなく、正確に散布幅Lが得られ、散
布状態を確実に把握できるようにしている。
【0052】従って、図4に示すようなパイプ93途中
部に設けた散布流量センサ33より検出した散布流量Q
が、目標値となるように散布量を制御する(以下「散布
流量基準」とする)場合には、散布流量Qの最大値であ
るポンプ吐出量Q3 と、作業時の散布幅Lと設定散布量
Wを、前記(1)式に代入することにより、車速vの最
大値である上限車速vlimit を求めることができる。
【0053】また、散布圧P(kgf /cm2 )と車速v
(m/s)との間には、所定の設定散布量Wを得るのに
車速vが速くなるほど散布圧Pを上げて散布流量Qを多
くする必要があることから、次式(2)のような関係が
成立する。 P=α2 ×C2 ×v2---- (2) なお、αは係数で、車速vのスリップ率を考慮し、設定
散布量Wを所定範囲で調整するもので、Cは制御定数で
あり、ノズル23毎に決定されるものである。
【0054】従って、図4に示すようなパイプ93途中
部に設けた散布圧センサ34より検出した散布圧Pが、
目標値となるように散布圧を制御する(以下「散布圧基
準」とする)場合には、散布圧Pは散布流量Qに略比例
することから、散布流量Qの最大値であるポンプ吐出量
Q3 に相当する散布圧Pの最大値Plimit を求め、該最
大散布圧Plimit を、前記(2)式に代入することによ
り、車速vの最大値である上限車速vlimit を求めるこ
とができる。
【0055】このように、前記散布量基準、散布圧基準
のいずれの散布量制御においても、散布幅L、設定散布
量W、及びエンジン回転数Eに略比例するポンプ吐出量
Q3が定まれば、上限車速vlimit を求めることができ
る。ただし、実散布作業時に適した散布幅L、エンジン
回転数Eは、作業効率などの観点から、それほど異なら
ないため、実作業においては、設定散布量Wより上限車
速vlimit を求めるようにしている。
【0056】すなわち、図22に示すように、散布量選
択スイッチ146からの信号より設定散布量Wを読み込
んだ後(S23)、該設定散布量Wが、ポンプ吐出量Q
3 に十分な余裕があり上限車速vlimit を規定する必要
のない散布量(以下「下限散布量」とする)W0 よりも
少ない場合は(S24:Y)、最高速VHまで増速で
き、逆に、設定散布量Wが下限散布量W0 よりも多い場
合には(S24:N)、ポンプ吐出量Q3 に余裕がない
ため、設定散布量W1 、W2 、W3 (W1 <W2<W3
)に対応した基準上限車速vlimit 1 、vlimit 2 、
vlimit 3 (vlimit 1 >vlimit 2 >vlimit 3 )を
設けている(S26)。
【0057】この場合、該ステップS26の前に、後述
するようにして、散布量調整スイッチによる散布量の調
整値から係数αを予め算出し(S25)、実際の上限車
速vlimit は、この係数αで前記基準上限車速vlimit
1 、vlimit 2 、vlimit 3を除することにより求める
ようにしている。
【0058】ここで、係数αは、図15、図39に示す
ように、操作パネル11の略中央部に配設したボリュー
ム式の散布量調整スイッチ166により設定され、該散
布量調整スイッチ166は前記コントローラ141に接
続されており、選択した調整値信号はコントローラ14
1に伝達される。そして、該調整値信号の出力M(V)
と係数αとは、次式(3)の関係にある。 α=aM+b----(3) なお、a、bは定数である。
【0059】このような構成において、図24に示すよ
うに、前記散布量調整スイッチ166を操作して調整値
Aを−10%から+10%まで変化させると、該調整値
Aに比例して出力Mが変化し、前記式(3)より、調整
値Aに対応した係数αを求めることができる。
【0060】例えば、調整値Aが0%の時に(以下「標
準時」とする)係数αが1となるように前記定数a、b
を定めた場合、散布量調整スイッチ166を操作して調
整値Aをマイナス側にすると、出力Mは減少し(図24
参照)、前記式(3)より1より小さな係数αが算出さ
れる。この時、該係数αにより基準上限車速vlimit 1
、vlimit 2 、vlimit 3 を除して得られる実際の上
限車速vlimit は、逆に大きくなるが、これは、散布量
調整スイッチ166を操作して設定散布量Wを標準時よ
り減らすと、ポンプ吐出量Q3 に余裕ができて、実際の
上限車速vlimit は増加し、逆に、設定散布量Wを標準
時より増やせば、実際の上限車速vlimit は減少するか
らである。
【0061】なお、前述のような調整値Aをマイナス側
にする場合とは、具体的には、車輪7・8がスリップ
し、そのままでは走行速度が遅くなり設定散布量Wより
も多目に薬液が散布されるような時であり、散布量調整
スイッチ166を操作することで、散布量を減らして所
定の設定散布量Wとなるように制御することができる。
【0062】このように、設定散布量Wに対する調整値
Aに応じて、実際の上限車速vlimit を変更するので、
スリップなどの走行状況に応じて車速制限範囲を適正化
でき、エンジン回転全域において効率良く散布作業を行
うことができる。
【0063】また、車速制御において、図19に示すよ
うに、図18のステップS3を省くこともできる。この
際、エンジン回転センサ129により検出したエンジン
回転数Eが下限回転数E0 を上回り(S1:Y)、車速
センサ140により検出した実車速v2 が下限車速v0
を上回る(S2:Y)場合は、主変速位置(F1、F
2、N、R)に関係なく、全変速段において、CVT2
1の速比Vは、アクセル操作によって変更されるエンジ
ン回転数Eのみにより制御される。
【0064】このような構成においては、作業走行、移
動走行中の変速はアクセル操作のみによって行うことが
でき、変速操作の統一を図ることができるため、増減速
時の操作性やフィーリング性(自動車感覚)を大きく向
上させることができるのである。
【0065】次に、前記上限速比Vlimit までは作業速
度にかかわらず散布量を一定に制御可能な車速連動散布
量制御機構に関して説明する。
【0066】図26に示すように、散布量制御において
は、前記散布量選択スイッチ146がOFF(図15の
「停止」位置)になく(S29:N)、F1・Nスイッ
チの位置がON、かつF2スイッチの位置がOFF、す
なわち作業速度が選択されている場合(S30:Y)に
車速連動散布量制御148が行われる。
【0067】また、前記散布量選択スイッチ146がO
FFの場合(S29:Y)には、散布圧センサ34によ
り検出した散布圧が所定圧以下となるまで、図4、図3
9に示すように、前記コントローラ141にリレー回路
150を介して接続されたバルブ開閉モータ30を駆動
して流量調整弁90・91を動作させて低圧に保持する
ようにしており(S31)、散布量選択スイッチ146
をOFFにしている限り、たとえ作業者が誤操作しても
散布しないようにして、散布むらの発生を防止してい
る。
【0068】また、図27に示すように、ステップ30
の代わりに、前記散布コック53の「開閉」と動噴クラ
ッチ80の「入切」から車速連動散布量制御148への
移行を決定するステップ32を適用することもできる。
【0069】ここで、図4、図39に示すように、散布
コック53には、コックの開閉動作を検出する散布コッ
ク開閉センサ54を設け、該散布コック開閉センサ54
をコントローラ141に接続して、散布コック53の開
閉信号を検出できるようにしている。
【0070】また、図14、図39に示すように、動噴
クラッチ80においては、前述の如くCVT入力軸27
後端には二連プーリ17が固設され、機体フレーム6L
に垂設した固定ブラケット164には、前記第二PTO
軸68先端に固設された二連プーリ87が軸支され、該
二連プーリ87と前記二連プーリ17との間にはベルト
69が巻回されている。そして、機体フレーム6Lに垂
設された固定ブラケット160下端には、側面視く字状
のクラッチアーム162の略中央が軸支され、該クラッ
チアーム162の右端にはテンションプーリ163が枢
設され、クラッチアーム162の左端は、機体フレーム
6Lに固定ブラケット152に一端を連結したバネ15
4に連結されており、通常は、テンションプーリ163
がベルト69を押圧しない方向に牽引されている。この
クラッチアーム162の左端は、バネ155、リンク1
56を介して、CVTケース20上部の枢軸159に固
設したレバーアーム158に連結され、該枢軸159は
動噴クラッチレバー157により回動操作できるように
しており、該動噴クラッチレバー157を操作すること
により、クラッチアーム162が回動されてテンション
プーリ163のベルト69への押圧及び解除が行われ、
緊張状態及び弛緩状態を選択し、噴霧ポンプ4への駆動
力伝達の断接を可能としている。
【0071】そして、クラッチアーム162の左部から
後方には検出ピン153が突設され、該検出ピン153
は、前記固定ブラケット160に固設されたポテンショ
メータ式動噴クラッチセンサ151のセンサアーム15
1aに係合連結され、該動噴クラッチセンサ151は、
前記コントローラ141に接続されており、動噴クラッ
チ80の入切信号を検出できるようにしている。
【0072】このような構成において、図27に示すよ
うに、散布コック53が開、または、かつ動噴クラッチ
「入」(S32:Y)の時、すなわち、薬液タンク24
とノズル23の間に散布コック53を設け、動噴とエン
ジン動力伝達系の間に動噴クラッチ80を設け、該散布
コック53の開閉及び動噴クラッチ80入り切りを検知
する手段54・151を設け、散布コック53が
「開」、かつ、動噴クラッチ80「入」の時、前記走行
速度及び散布量の制御を行うので、ノズル23より薬液
が噴霧される条件下においてのみ、車速連動散布量制御
148に移行するようにし、無駄な薬液の散布を確実に
防止することができるのである。
【0073】また、図28に示すように、車速連動散布
量制御148への移行を、前記散布コック53の「開
閉」との連動を必須にすることもできる。この時の制御
は、前記散布コック53が「開」で、動噴クラッチ80
が「入」の場合、あるいは、散布コック53が「開」
で、前記散布圧センサ34からの出力が所定値以上の場
合(S33:Y)にのみ、車速連動散布量制御148へ
移行するものである。なお、所定値とは、噴霧ポンプ4
が散布作業可能な駆動状態にあることを示す最小出力値
である。
【0074】すなわち、通常、作業者は散布コック53
を必ず操作して散布作業を行っているため、このよう
な、走行機体22に薬液タンク24内の薬液を噴霧する
ノズル23を設けたブーム41・42R・42L、薬液
タンク24内の薬液をノズル23へ圧送する噴霧ポンプ
4、及び該噴霧ポンプ4の吐出量を調整する散布量制御
装置3等を搭載すると共に、エンジンの回転数Eに基づ
き無段変速機構のCVT21の速比Vを制御可能とする
自動変速制御機構を有する散布作業機において、散布量
制御の制御動作を散布コック53の「開閉」に連動して
行い、車速連動散布量制御148への移行を散布コック
53「開」時に行う構成とすることで、旋回時など、一
旦作業を中断して再び作業を開始する場合でも、確実に
作業中断前の制御状態に復帰させることができ、散布作
業の再開が迅速に行え、作業効率を大きく向上させるこ
とができるのである。
【0075】そして、散布コック53が「開」の条件に
加えて、動噴クラッチ80が「入」、あるいは散布圧セ
ンサ34からの出力が下限値以上という条件を設けた構
成、すなわち、散布量制御は、前記散布コック53の
「開閉」に加え、噴霧ポンプ4への動力を断接する動噴
クラッチ151の「入切」、散布圧センサ34からの出
力値にも連動して行うので、噴霧ポンプ4が駆動されて
いないために、散布コックを「開」にしても散布作業が
できない、といった不具合を解消することができ、更に
は、例え動噴クラッチセンサ151の誤動作などで噴霧
ポンプ4が駆動中と検知されるような場合でも、散布圧
センサ34により実散布圧を確認することで、車速連動
散布量制御148への移行の可否を判断できるため、制
御の誤動作による各アクチュエータの焼損などの発生を
確実に防止することができるのである。
【0076】また、図29に示すように、車速連動散布
量制御148後のノズルの噴霧圧が低い場合に警報を発
する構成とすることもできる。この時の制御としては、
散布圧センサ34により検出した実散布圧P2 が後述す
る境界圧P4 を下回る場合(S34:N)は、図15、
図39に示す表示ランプ165が点滅して警報を発し
(S36)、実散布圧P2 が境界圧P4 以上の場合(S
34:Y)は、表示ランプ165が連続点灯して適正散
布を知らせるものである。該境界圧P4 とは、適正な散
布が可能な限界の散布圧であり、境界圧P4 を下回る
と、ノズル23からの薬液の噴霧圧力が不足し、噴霧粒
子が不均一で粒子化せずに流下するだけで、また、拡散
も不十分で散布むらや無散布域が生じる。なお、警報装
置としては、前記表示ランプ165以外にブザーでもよ
く、作業者が異常を即座に検知できるものであれば特に
限定されない。
【0077】ここで、図23に示すように、前記式
(2)から、実車速v2 と実散布圧P2との間には曲線
193で示す関係があり、実散布圧P2 が境界圧P4 よ
りも低く、車速vも遅い斜線部167の範囲において
は、適正な散布が困難となることから、警報を発するよ
うにしている。
【0078】このような構成において、図29に示すよ
うに、実散布圧P2 が境界圧P4 を下回る場合(S3
4:N)には警報を発して、作業者に散布状態を知らせ
て対応を促し、散布精度の向上や均一散布を図ることが
できる。
【0079】なお、前記車速センサ140からの検出値
v2の代わりに、エンジン回転センサ129より読み込
んだエンジン回転数Eと速比センサ112より読み込ん
だ速比Vとから求めた算出値を、作業速度とすることも
可能であり、これにより、構造上車速センサ140の取
付けが困難な場合でも、前記実車速v2 を推定すること
ができる。
【0080】さらに、以上のような種々の散布量制御に
おける車速連動散布量制御148のうち、散布流量基準
の車速連動散布量制御148aについて説明する。図3
0に示すように、まず、エンジン回転センサ129から
読み込んだエンジン回転数Eよりポンプ吐出量Q3 を求
め(S37)、続いて散布流量センサ33により実散布
流量Q2 を読込み(S38)、該実散布流量Q2 が前記
ポンプ吐出量Q3 を上回れば(S39:N)、実散布流
量Q2 がポンプ吐出量Q3 以下になるように前記車速制
限処理145を行う。
【0081】そして、実散布流量Q2 がポンプ吐出量Q
3 以下になると(S39:N)、条止めコック開閉セン
サ32から散布幅Lを求め(S40)、散布量選択スイ
ッチ146からの信号より設定散布量Wを読込み(S4
1)、続いて、車速センサ140により実車速v2 を読
込み(S42)、これらの各値から前記式(1)によ
り、目標散布流量Q1を算出する(S43)。
【0082】該目標散布流量Q1と前記実散布流量Q2
との差(|Q1−Q2|)が不感帯Q0以上にある時
(S44:N)、この差(|Q1−Q2|)を不感帯Q
0に入れて、|Q1−Q2|≦Q0とするバルブ開閉モ
ータ30の増減量制御が行われる(S45、S47)。
【0083】そして、増減量制御(S45、S47)が
行われた後、実散布流量Q2が所定時間内に目標散布流
量Q2に達しなければ、表示ランプ165が点滅して
(S50)警報を発し、作業者に適正散布が行われてい
ないことを知らせる。この警報の解除は、実散布流量Q
2が目標散布流量Q1に達した時や、図示せぬ散布開始
スイッチを停止した時に行う。従って、作業者に異常を
知らせることにより、薬液切れや配管からの漏れによる
損失などが起こった際に、そのまま散布作業を続けて噴
霧ポンプ4が焼き付く、といったトラブルを防止するこ
とができる。
【0084】このようにして、アクセル操作に応じて変
化する走行速度に連動して散布流量Qを調整し、設定散
布量Wが一定となるように制御することができる。そし
て、走行速度の検出手段を車速センサ140とし、散布
量の検出手段を流量センサ33としたので、ノズル23
の特性の影響を受けることなく制御操作が行えるため、
ノズル変更に伴う散布精度の低下を防止することができ
るのである。
【0085】また、散布圧基準車速連動散布量制御14
8bは、図31に示すように、まず、前記上限車速算出
処理147により上限車速vlimit を求め、続いて車速
センサ140により実車速v2を読込み(S52)、該
実車速v2が前記限車速vlimit を上回れば(S53:
N)、実車速v2が上限車速vlimit 以下になるように
前記車速制限処理145を行う。
【0086】実車速v2が上限車速vlimit 以下になる
と(S53:Y)、前述のようにして散布量調整スイッ
チ166より係数αを算出し(S54)、散布量選択ス
イッチ146により制御定数Cを決定し(S55)、続
いて車速センサ140により実車速v2 を読込み(S5
6)、これらの各値から前記式(2)により目標散布圧
P1を算出する(S57)。この時の制御は、図25に
示すような、上限車速vlimit までの曲線分192上で
行われることとなる。
【0087】続いて、散布圧センサ34より実散布圧P
2を読込み(S58)、該実散布圧P2と前記目標散布
圧P1との差(|P1−P2|)が不感帯P0以上にあ
る時(S59:N)、この差(|P1−P2|)を不感
帯P0に入れて、|P1−P2|≦P0とするバルブ開
閉モータ30の増減圧制御が行われる(S60、S6
2)。
【0088】前記増減圧制御(S60、S62)が行わ
れた後も、実散布圧P2が所定時間内に目標散布圧P2
に達しなければ、表示ランプ165が点滅して(S6
5)警報を発し、作業者に適正散布が行われていないこ
とを知らせる。この警報の解除は、実散布圧P2が目標
散布圧P1に達した時や、図示せぬ散布開始スイッチを
停止した時に行うようにしている。
【0089】このようにして、アクセル操作に応じて変
化する走行速度に連動して散布圧Pを調整し、設定散布
量Wが一定となるように制御することができる。そし
て、走行速度の検出手段を車速センサ140とし、散布
量の検出手段を圧力センサ34としたので、作業速度の
微小な変動にも迅速に対応できるのである。
【0090】この時も、前述した散布量調整スイッチ1
66を操作して、調整値Aを−10%から+10%まで
変化させることにより、図24に示すように、該調整値
Aに比例して出力Mが変化し、該出力Mに基づいてコン
トローラ141が設定散布量Wを増減させて微調整す
る。
【0091】すなわち、走行機体22に薬液タンク24
内の薬液を噴霧するノズル23を設けたブーム41・4
2R・42L、薬液タンク24内の薬液をノズル23へ
圧送する噴霧ポンプ4、及び該噴霧ポンプ4の吐出量を
調整する散布量制御装置3等を搭載すると共に、エンジ
ンの回転数Eに基づき無段変速機構のCVT21の速比
Vを制御可能とする自動変速制御機構を有する散布作業
機において、散布圧P又は散布流量Qの検出手段である
センサ33・34を設け、該センサ33・34の目標値
Q1・P1を作業速度の車速vに応じて変化させると共
に、設定散布量Wを補正可能な操作部材である散布量調
整スイッチ166を設けたので、車輪がスリップ等して
目的の作業速度が得られない場合でも、確実に所定の設
定散布量に制御することができ、散布量の設定精度を大
きく向上することができる。
【0092】また、図4に示すように、散布流量Qや散
布圧Pを検出するセンサ33・34は、散布量制御装置
3内の流量調整弁90・91とノズル23との間で、該
流量調整弁90・91よりも下流側に設けるので、検出
値と実際の散布流量や散布圧との誤差がなくなり、より
正確な散布量制御を行うことができるのである。
【0093】以上のように、走行機体22に薬液タンク
24、噴霧ポンプ4、薬液を噴霧するノズル23を搭載
し、エンジン9の回転数に基づき無段変速機構のCVT
21の速比Vを制御可能とする自動変速制御機構を有す
る散布作業機において、単位面積当たりの散布量を設定
する手段146、走行速度の検出手段140、散布量の
検出手段33・34、吐出量を調整する手段90・91
を設け、散布量に応じて上限速度vlimit を設定し、該
上限速度vlimit までは、走行速度に応じた散布量で設
定散布量Wとなるように散布するので、走行速度を上げ
ていっても上限速度vlimit 以上にはならず、十分なポ
ンプ吐出量Q3 のもとで一定の設定散布量Wが確保でき
るため、散布不足による作物の品質悪化や減産を確実に
防止することができる。
【0094】次に、ブーム開閉制御機構について説明す
る。まず、ブームの開閉機構を詳細に説明する。なお、
前方ブーム41に対して側方ブーム42L・42Rが回
動する機構は左右で同一のものであるため、左方での開
閉機構について述べる。
【0095】図32に示すように、前方ブーム41の端
部にはブラケット46が枢支され、該ブラケット46に
は正面視コ字状のブラケット47に固着されている。ま
た、側方ブーム42Lの基端にも同じく正面視コ字状の
ブラケット48が固着され、該ブラケット48は前記ブ
ラケット47の内側に配設され、ブラケット47・48
相互を支点軸50が上下方向に貫通しており、側方ブー
ム42Lは前方ブーム41に対して前後回動可能に構成
されている。
【0096】また、前方ブーム41の端部後方にはブー
ム開閉シリンダ43Lが配設され、該ブーム開閉シリン
ダ43Lはシリンダロッド43a、シリンダチューブ4
3bより成り、該シリンダロッド43bは隣接したブー
ム開閉モータ51により伸縮可能な構成となっており、
さらに、図39に示すように、前記ブーム開閉シリンダ
43Lに接続されたブーム開閉モータ51は、リレー回
路190を介して前記コントローラ141に接続されて
いる。
【0097】前方ブーム42L前部の機体内向き側にブ
ラケット171を固着し、該ブラケット171とシリン
ダロッド43a伸長側先端の相互を支点軸172が貫通
し、該支点軸172周りにシリンダチューブ43b及び
側方ブーム42Lを相対回転可能に構成している。
【0098】前方ブーム41左右両端部の機体内向き側
には支持部材168・168が該前方ブーム41に固着
しており、該支持部材168は上下方向に延出する支点
軸169を軸支している。該支点軸169は支持部材1
68上方でアーム173にも軸支されており、前方ブー
ム41及びアーム173を支点軸169周りに相対回転
可能に構成している。アーム173の後端及びシリンダ
チューブ43bは支点軸174を軸支しており、アーム
173及びシリンダチューブ43bを相対回転可能に構
成している。
【0099】また、前方ブーム41の左右両端部の機体
外向き側には、付勢手段であるコイルばね170・17
0が配設されており、該コイルばね170の機体内側端
は前方ブーム41と図示せぬ連結部材を介して連結さ
れ、コイルばね170の機体外側端は前記アーム173
前端で支点軸175に掛着している。
【0100】このような構成において、側方ブーム42
L・42Rを作業位置に展開している際に、側方ブーム
42L・42Rが何らかの障害物に衝突した場合でも、
衝突したブーム(ブーム42L、42Rのいずれか、も
しくは双方)は前記支点軸169を中心に回動して衝撃
吸収を行うことができ、ブームが保護されるようにして
いる。
【0101】また、前記ブラケット47下面には、ポテ
ンショメータ式のブーム開閉センサ176が取り付けら
れ、該ブーム開閉センサ176からは検出ピン176a
が水平に突設され、該検出ピン176aは、前記側方ブ
ーム42Lから下方に突設した検出ピン177に係合連
結されており、前記ブーム開閉モータ51によってブー
ム開閉シリンダ43のシリンダロッド43aを伸縮駆動
させて、側方ブーム42Lを開閉操作する時のブーム位
置を検出可能としている。
【0102】この開閉操作は、図15、図39に示すよ
うに、操作パネル11上面の右下部に配設したブーム開
閉スイッチ191により行うと共に、該ブーム開閉スイ
ッチ191は前記コントローラ141に接続されてお
り、ブーム開閉スイッチ191を開閉操作すると、前記
ブーム開閉モータ51が駆動され、ブーム開閉シリンダ
43のシリンダロッド43aが伸縮して側方ブーム42
Lが開閉する構成となっている。
【0103】以上のようなブーム開閉機構において、図
36に示すように、ブーム開閉スイッチ130がOFF
でなくブームが開閉操作されている場合(S67:N)
には、ブーム開閉スイッチ191からの信号により駆動
方向が開方向か閉方向を検出し(S68)、ブーム開閉
センサ176によりブーム位置を読込み(S69)、ブ
ーム位置が図35に示す停止範囲(開方向ではB2〜B
3、閉方向ではB1〜B5)にあれば(S70:Y)、
ブーム開閉シリンダ43を停止させる(S74)。
【0104】ブームが停止範囲になく(S70:N)、
減速駆動域(開方向ではB3〜B4、閉方向ではB5〜
B6)にあれば(S71:Y)、PWM駆動制御を行う
(S72)。該PWM駆動制御とは、信号の大きさに応
じて繰り返しパルスの幅を変えて駆動信号を送り、駆動
出力を容易かつ迅速に増減することができるものであ
り、本実施例では、ブームが開位置又は閉位置に停止す
る前のブーム位置範囲で減速制御する。
【0105】また、ブームが停止範囲になく(S70:
N)、減速駆動域にもなければ(S71:N)、開方向
ではB4〜B1、閉方向ではB6〜B2の範囲で、連続
出力信号により等速で駆動する連続駆動制御(S73)
を行う。該連続駆動制御(S73)や前記PWM駆動制
御(S72)を行った後には、後述する非常処理149
を行うのである。
【0106】このような構成において、ブームの可動範
囲(開位置B2〜閉位置B1)の両端での回動速度を遅
くすることができるため、不感帯を狭くして停止位置精
度を大きく向上させることができ、また、ブーム停止時
の衝撃を緩和してブームを保護することができる。
【0107】また、図37に示すように、ブーム開閉ス
イッチ130が押しボタン式などの場合に、開閉操作を
軽減可能な構成とすることもできる。この時の制御とし
ては、ステップ67とステップ68との間にステップ7
5(S75)を設け、ブーム開閉スイッチ130を基準
時間以上ONに保持した場合にブームが開閉制御される
ようにし、さらに、開閉駆動途中に、駆動方向と逆方向
のブーム開閉スイッチ191をONにする(S76:
Y)と、ブームの開閉駆動が停止(S74)するもので
ある。
【0108】このような構成においては、ブーム開閉ス
イッチ130である押しボタンをブームが開位置又は閉
位置にくるまで押し続ける必要がなく、また、開閉駆動
途中でのブーム停止も簡単な操作で行うことができるた
め、ブームの開閉操作を軽減することができる。
【0109】また、図38に示すように、前記非常処理
149においては、ブーム開閉センサ176の出力変化
が特定値以下、又は、ブーム開閉センサ176の出力変
化が駆動方向と逆方向の場合(S77:Y)には、駆動
方向への駆動を中止する(S78)。これにより、ブー
ムが物に当たって変形したり、ブーム開閉モータ51に
異常が起こった場合でも、迅速に駆動を停止して、ブー
ムの損傷やブーム開閉モータ51の焼損のそれ以上の悪
化を防止することができる。
【0110】駆動方向への駆動を中止(S78)した
後、ブーム開閉シリンダ43の停止、又は、駆動方向と
逆方向の駆動信号が入力した場合(S79:Y)には、
駆動中止を解除して再びブーム開閉駆動を再開するよう
にしている。
【0111】ここで、ブームのノズルの取り付け構成に
ついて説明する。図33に示すように、前記ブーム41
・42L・42Rのブーム材178下部にはボルト17
9が配設されており、該ボルト179のねじ部が該ブー
ム材178より下方に向けて延出している。また、上下
位置ではブーム材178下部より機体外向きに、ノズル
23・23・・・への薬液供給を行うパイプ180がブ
ーム材178と平行に配設されており、取付ステー18
1・181によって支持されている。パイプ180への
薬液供給は、前述したポンプ部36によって行われる。
【0112】取付ステー181は、矩形の平板部材の一
端側を円弧状に屈曲しており、すなわち円弧部181a
及び屈曲のない平板状の平板部181bとから構成され
る部材である。また、平板部181bにはボルト挿通用
のボルト孔が穿設されている。取付ステー181・18
1は、平板部181b・181bのボルト孔をボルト1
79が挿通してナット182によって締結されている。
加えて、円弧部181a・181aが前記パイプ180
を環囲するように上下方向に対称に配置されており、該
締結によって該パイプ180を挟持固定するのである。
【0113】パイプ180・180・・・はブーム材1
78の延出方向に沿って、パイプ接続部183・183
・・・に連結されながら直列に配設され、その全体はす
べて、前述したようにブーム材60と平行に位置してい
る。そして、パイプ接続部183より突設した連結端1
83aには、T字状のノズル接続部184の連結端18
4cが内挿され、該連結端183aと連結端184cの
重なり部には、締め付け固定式の連結部材185が外嵌
されており、該連結部材185を回動して締め付けを緩
めることにより、ノズル23のブーム材178に対する
左右方向の回動角度を自在に変更可能としている。ま
た、前記ノズル接続部184の上下端には高さ調整部材
184a・184bが回動可能に設けられ、該高さ調整
部材184a・184bにはノズル23・23の基部が
螺挿されいており、高さ調整部材184a・184bを
回動することにより、ノズル23・23の伸縮量を調整
することができる。さらに、前記取付ステー181・1
81の外周面にパイプ接続部183は外嵌支持されてい
ることから、ノズル23・23の上下方向への回動角度
を自在に変更することができる。
【0114】このような構成により、ノズル23の取付
角度や取付高さを自在に変更することができるため、薬
液散布の角度や高さを細かく調節することができる。例
えば、図34に示すように、条間が広く、作物が丸くま
とまっているような場合には、直上位置188のノズル
23は、取付高さを高くして、直下を向くようにし、一
方、側方位置187・189のノズル23は、伸長させ
て取付高さを低くし、作物との距離を直上位置188の
ノズル23と略同一にすると共に、取付角度は作物18
6の方向に向けるように傾斜させる。このようにして、
作物186に対して集中的に噴霧できるため、作物18
6の株元・葉裏へも確実に薬液を付着させることがで
き、また、条間の作物の無い部分への無駄な薬液散布を
減らし、薬液使用量を低減することができるのである。
【0115】
【発明の効果】本発明は以上のように構成するので次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1に示すよ
うに、走行機体に薬液タンク内の薬液を噴霧するノズル
を設けたブーム、薬液タンク内の薬液をノズルへ圧送す
る噴霧ポンプ、及び該噴霧ポンプの吐出量を調整する散
布量制御装置等を搭載すると共に、エンジンの回転数に
基づき無段変速機構の速比を制御可能とする自動変速制
御機構を有する散布作業機において、散布圧又は散布流
量の検出手段を設け、該検出手段の目標値を作業速度に
応じて変化させると共に、設定散布量を補正可能な操作
部材を設けたので、車輪がスリップ等して目的の作業速
度が得られない場合でも、確実に所定の設定散布量に制
御することができ、散布量の設定精度を大きく向上する
ことができる。
【0116】請求項2に示すように、請求項1記載の検
出手段は、散布量制御装置内の流量調整弁とノズルとの
間で、該流量調整弁よりも下流側に設けるので、検出値
と実際の散布流量や散布圧との誤差がなくなり、より正
確な散布量制御を行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る散布作業機の全体側面図である。
【図2】同じく全体平面図である。
【図3】同じく伝動経路図である。
【図4】同じく配管系統図である。
【図5】ポンプ部を示す側面図である。
【図6】各種センサ取付け部を示す平面図である。
【図7】速比センサを示す側面図である。
【図8】同じく平面図である。
【図9】同じく正面図である。
【図10】アクセルセンサを示す側面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】主変速位置センサを示す側面図である。
【図13】同じく平面図である。
【図14】動噴クラッチセンサを示す正面図である。
【図15】操作パネルの平面図である。
【図16】エンジン回転数と変速比との関係を示すモー
ド線図である。
【図17】不感帯を示すモード線図である。
【図18】車速制御のフローチャートである。
【図19】同じくフローチャートである。
【図20】自動変速制御のフローチャートである。
【図21】車速制限処理のフローチャートである。
【図22】上限車速算出処理のフローチャートである。
【図23】車速と散布圧との関係を示すグラフ図であ
る。
【図24】散布量調整スイッチの出力特性を示すグラフ
図である。
【図25】上限車速を示すグラフ図である。
【図26】散布量制御のフローチャートである。
【図27】同じくフローチャートである。
【図28】同じくフローチャートである。
【図29】同じくフローチャートである。
【図30】散布流量基準車速連動散布量制御のフローチ
ャートである。
【図31】散布圧基準車速連動散布量制御のフローチャ
ートである。
【図32】前方ブーム左部を示す平面図である。
【図33】ノズル取付け構成を示す断面図である。
【図34】散布状況を示す正面図である。
【図35】ブーム開閉制御を示す概念図であり、図35
(a)は駆動方向が開方向の場合、図35(b)は駆動
方向が閉方向の場合を示す図である。
【図36】ブーム開閉制御のフローチャートである。
【図37】同じくフローチャートである。
【図38】非常処理のフローチャートである。
【図39】制御回路図である。
【符号の説明】
3 散布量制御装置 4 噴霧ポンプ 7・8 車輪 21 無段変速機構 22 走行機体 23 ノズル 24 薬液タンク 33・34 検出手段 41・42R・42L ブーム 90・91 流量調整弁 166 操作部材 E エンジンの回転数 P 散布圧 P1・Q1 目標値 Q 散布流量 V 速比 v 作業速度 W 設定散布量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 昭博 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 笠原 敏章 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 山本 進 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 2B121 CB03 CB13 CB24 CB33 CB42 CB47 CB53 CB61 CB66 DA63 EA21 FA04 4D074 AA05 BB06 CC04 CC38 CC57

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に薬液タンク内の薬液を噴霧す
    るノズルを設けたブーム、薬液タンク内の薬液をノズル
    へ圧送する噴霧ポンプ、及び該噴霧ポンプの吐出量を調
    整する散布量制御装置等を搭載すると共に、エンジンの
    回転数に基づき無段変速機構の速比を制御可能とする自
    動変速制御機構を有する散布作業機において、散布圧又
    は散布流量の検出手段を設け、該検出手段の目標値を作
    業速度に応じて変化させると共に、設定散布量を補正可
    能な操作部材を設けたことを特徴とする散布作業機。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、散布量制御装置内の流
    量調整弁とノズルとの間で、該流量調整弁よりも下流側
    に設けることを特徴とする請求項1記載の散布作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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