JP2002136805A - 濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置 - Google Patents

濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置

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JP2002136805A
JP2002136805A JP2000335700A JP2000335700A JP2002136805A JP 2002136805 A JP2002136805 A JP 2002136805A JP 2000335700 A JP2000335700 A JP 2000335700A JP 2000335700 A JP2000335700 A JP 2000335700A JP 2002136805 A JP2002136805 A JP 2002136805A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解槽中での高分子凝集剤水溶液の濃度を精
度良く目標濃度に調整でき、それによって水処理系への
高分子凝集剤の注入率を安定して目標値に制御できる濃
度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置を提供する。 【解決手段】 粉末の高分子凝集剤を供給し、供給され
る高分子凝集剤の秤量手段を備えた高分子凝集剤供給系
と、水を供給し、供給水量を調整する水量調整手段を備
えた水供給系と、高分子凝集剤供給系から供給される高
分子凝集剤と水供給系から供給される水を導入し、高分
子凝集剤水溶液を調製する溶解槽と、該溶解槽中での高
分子凝集剤水溶液の濃度を測定する濃度測定装置と、該
濃度測定装置による測定濃度に基づいて、測定濃度が目
標値になるように、追加すべき高分子凝集剤量または/
および追加すべき水量の信号を前記高分子凝集剤供給系
または/および水供給系に送る制御手段とを有すること
を特徴とする、濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃度測定装置付き
高分子凝集剤溶解装置に関し、とくに各種水処理におい
て高分子凝集剤を用いて凝集処理を行う際に、高分子凝
集剤の濃度を精度良く目標濃度に調整できるようにした
濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上下水処理、各種排水処理では、懸濁物
質、溶存有機物等を除去するために広く凝集処理が行わ
れている。凝集処理においては、通常、凝集剤として硫
酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩
化第二鉄などのアルミニウム系や鉄系の無機金属塩凝集
剤が利用されている。しかし、これらの無機凝集剤は、
単独使用では十分に大きなフロックを形成することが困
難であるため、凝集沈澱・濾過工程における固液分離速
度が遅いという欠点がある。
【0003】このため下排水処理、汚泥処理分野では、
従来よりポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤がフ
ロック形成を促進するために多用されている。上水分野
では、高分子凝集剤中に有害な不純物(アクリルアミド
モノマー等)が含まれるためこれまで使用が認められて
いなかったが、不純物を基準値以下に抑えるという条件
で平成12年度から使用が認められるようになった。
【0004】水・汚泥処理系での高分子凝集剤の使用に
際しては、粉末体である高分子凝集剤は瞬時に水には溶
解しないことから、一度溶解設備で水溶液としてから処
理系へ最適な注入率となように注入・混和される(最適
注入率はあらかじめジャーテスト等の手法により決定す
る)。
【0005】従来の溶解設備においては、概ね、粉末の
高分子凝集剤を貯留し溶解槽に導入する容器(高分子凝
集剤貯留槽)、粉末凝集剤の秤量・導入部、水の導入
部、溶解槽および攪拌機からなり、粉末凝集剤の秤量値
と溶解槽への導入水量をもとに所定の濃度の高分子凝集
剤水溶液が調製される。このように調製した水溶液が定
量ポンプ等で所定の注入量となるよう水・汚泥処理系に
注入・混和される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機高分子凝集剤の使
用に際しては、それを最適注入率で処理系へ注入する必
要がある。すなわち、過少注入や過剰注入は凝集沈澱処
理水の水質の悪化を招く。特に、過剰注入は、高価な高
分子凝集剤を無駄に消費し処理コストの増大に繋がる、
凝集剤に含まれる有害不純物(アクリルアミドモノマー
等)もその分多く処理系へ混入してしまうことにもな
る。したがって、高分子凝集剤の使用にあたっては、高
分子凝集剤自身の注入率が厳密に制御できる技術が必要
となる。とくに、浄水処理への有機高分子の適用にあた
っては、有害不純物の過剰混入の懸念は大きく、凝集剤
注入率の厳格な管理・制御が求められている。
【0007】従来の制御方法では、溶解装置で高分子凝
集剤を、たとえば1000mg/Lといった所定の濃度
(目標濃度)に溶解し、その濃度をもとに水溶液注入流
量を算出し、定量ポンプでその流量の調整を行うように
している。この方法では、溶解設備において高分子凝集
剤水溶液が所定の濃度に正しく調製されていることが前
提となる。つまり、注入率を厳密に制御するためには、
溶解設備での水溶液濃度が厳密に所定の濃度に保たれて
いる必要がある。
【0008】ところが、従来の溶解装置における水溶液
濃度は、粉末凝集剤の秤量値と溶解槽への導入水量をも
とに制御されるだけである。この従来型の溶解装置の問
題点は、実際に所定濃度の水溶液に調製されているのか
をチェックする機構がないこと、および粉末凝集剤が正
しく秤量されない場合があることである。とくに、粉末
体の高分子凝集剤は、吸湿性が高いので、装置設置場所
の湿度条件によっては、たとえ秤量値が同じでも溶解槽
に投入される凝集剤量は大きく変化することがある。そ
のため、水溶液が所定の濃度に調整されず、結果的に、
水処理系への注入率が意図したものになっていない場合
があった。
【0009】そこで本発明の課題は、従来の溶解装置に
おける上記のような不都合を解消するために、溶解槽中
で所定濃度の高分子凝集剤水溶液を精度良く調製できる
ようにし、それによって水処理系への高分子凝集剤の注
入率を目標値に精度良く制御できるようにした、濃度測
定装置付き高分子凝集剤溶解装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装
置は、粉末の高分子凝集剤を供給し、供給される高分子
凝集剤の秤量手段を備えた高分子凝集剤供給系と、水を
供給し、供給水量を調整する水量調整手段を備えた水供
給系と、高分子凝集剤供給系から供給される高分子凝集
剤と水供給系から供給される水を導入し、高分子凝集剤
水溶液を調製する溶解槽と、該溶解槽中での高分子凝集
剤水溶液の濃度を測定する濃度測定装置と、該濃度測定
装置による測定濃度に基づいて、測定濃度が目標値にな
るように、追加すべき高分子凝集剤量または/および追
加すべき水量の信号を前記高分子凝集剤供給系または/
および水供給系に送る制御手段とを有することを特徴と
するものからなる。
【0011】また、粉末の高分子凝集剤を供給し、供給
される高分子凝集剤の秤量手段を備えた高分子凝集剤供
給系としては、効率的に溶解がなされるような機構(た
とえば供給水の一部を先に系内に導入し、粉末高分子凝
集剤と混合してから溶解槽へ投入する機構、あるいは少
量ずつ粉末高分子凝集剤を溶解槽へ落としこむ機構)が
付加されたものであることが望ましい。
【0012】この溶解装置においては、とくに、前記濃
度測定装置が、前記溶解槽からの濃度測定用試料を酸化
し、試料の酸化前の電気伝導度と酸化後の電気伝導度と
の差分を、少なくとも2個の電極を有する電気伝導度測
定セルを前記酸化前の位置と酸化後の位置とに配置し、
両電気伝導度測定セルからの検出信号自身の差分を両電
気伝導度測定セルの位置間の試料の電気伝導度の差分と
して出力する差伝導度計を用いて検出することにより、
試料の酸化分解によって生じた電気伝導度増加量を測定
し、該電気伝導度増加量から試料中の高分子凝集剤の濃
度を定量する装置からなることが好ましい。このような
差伝導度計を用いた濃度測定装置を備えることにより、
そのときの高分子凝集剤水溶液の濃度が極めて精度良く
測定され、それに応じて制御手段により追加高分子凝集
剤量または/および追加水量が演算され、その演算に基
づいて制御されることにより、溶解槽中での高分子凝集
剤水溶液の濃度が目標値に精度良く調整される。
【0013】上記差伝導度計においては、前記試料の酸
化に用いる酸化剤として光触媒を担体上に固定化した固
体酸化剤が用いられ、この酸化剤と前記試料が接触され
た状態で光が照射されて前記試料が酸化されることが好
ましい。照射光としては、所定波長の紫外線を用いるこ
とができる。
【0014】また、前記電気伝導度増加量の測定におい
て、前記試料の電気伝導度に応じた標準液がキャリア液
として用いられ、キャリア液中に試料が注入されて連続
的に試料が酸化され、かつ、連続的に前記電気伝導度増
加量が測定されることが好ましい。キャリア液として
は、とくに過酸化水素水を用いることが好ましい。
【0015】このような本発明に係る濃度測定装置付き
高分子凝集剤溶解装置においては、濃度測定装置によっ
て溶解槽中の高分子凝集剤水溶液の濃度が直接測定され
るから、溶解槽に供給される高分子凝集剤の量が正しく
秤量されていなかったり、供給されてくる高分子凝集剤
が吸湿している場合にあっても、それらの不具合にかか
わらず、そのときの溶解槽中で実際に調製された高分子
凝集剤水溶液の濃度が正確に測定されることになる。こ
の実際の測定濃度に基づいて追加すべき高分子凝集剤量
または/および追加すべき水量が演算され、その演算結
果に基づいて実際に高分子凝集剤または/および水が追
加されるから、濃度修正制御後の溶解槽中の高分子凝集
剤水溶液の濃度は、精度良く目標値に調整されることに
なる。
【0016】この濃度測定に差伝導度計を用いた濃度測
定装置を使用すれば、溶解槽中の濃度がより微細に精度
良くフィードバックされるので、一層精度良く所定の濃
度に調整することができる。
【0017】溶解槽での高分子凝集剤水溶液の濃度が所
定の目標値に精度良く調整される結果、その高分子凝集
剤水溶液を定量ポンプ等で水処理系へ注入する際、注入
される高分子凝集剤の注入率も精度良く所定の注入率に
制御できることになり、安定した凝集沈澱処理が可能に
なるとともに、従来装置における過剰注入や過少注入に
伴う問題が完全に解消される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、
本発明の一実施態様に係る濃度測定装置付き高分子凝集
剤溶解装置401を示している。高分子凝集剤供給系4
02には、高分子凝集剤貯留槽403と秤量手段404
が備えられ、高分子凝集剤貯留槽403には、粉末の高
分子凝集剤405が貯留されている。高分子凝集剤貯留
槽403から導出されてきた粉末高分子凝集剤405
は、秤量手段404aにより秤量された後、導入部40
4bから少しずつ溶解槽406へ導入される。溶解槽4
06には、水供給系407からの水も導入される。本実
施態様では、水供給系407に供給水量調整手段として
の流量制御弁408が設けられている。秤量された高分
子凝集剤405と供給水量が調整された水が溶解槽40
6に導入され、溶解槽406内で、攪拌機409による
攪拌によって所定量の高分子凝集剤水溶液410が、所
定の目標濃度(たとえば、1000mg/L)となるよ
うに調製される。所定量は、上記流量制御弁408や、
溶解槽406に取り付けられたレベルスイッチ(図示
略)等で調整される。溶解時には、溶解槽406中の水
を攪拌機409で攪拌しながら、秤量した高分子凝集剤
405を溶解槽406中に投入することにより溶解する
ことが好ましい。一定時間(たとえば、1〜2時間程
度)攪拌して溶解する。
【0019】溶解槽406中の高分子凝集剤水溶液41
0の一部(たとえば、100μL程度)が濃度測定用の
試料として、試料ポンプ411を介して濃度測定装置4
12に送られ、濃度測定装置412で高分子凝集剤水溶
液410の高分子凝集剤の濃度が測定される。濃度測定
装置412が後述する差伝導度計を用いた濃度測定装置
である場合には、たとえば試料がキャリア液(たとえ
ば、過酸化水素水)で希釈され、酸化カラムに送られ、
酸化前後の差伝導度が測定され、それに基づいて高分子
凝集剤水溶液410の濃度が定量される(後に詳述す
る)。濃度測定装置412での濃度測定信号が制御手段
としての制御装置413に送られる。制御装置413で
は、濃度測定装置412による測定濃度に基づいて、測
定濃度が正確に目標値(たとえば、前述の1000mg
/L)となるように、追加すべき高分子凝集剤量または
/および追加すべき水量が演算される。この演算結果に
基づく信号が、制御装置413から秤量手段404また
は/および流量制御弁408に送られ、追加供給高分子
凝集剤量と追加供給水量のいずれか、または両方が制御
される。
【0020】たとえば、高分子凝集剤濃度が所定の目標
濃度よりも低い場合、制御装置413において、最初に
溶解した粉末高分子凝集剤量と実際の高分子凝集剤水溶
液410中の濃度とに基づいて追加すべき高分子凝集剤
の量が計算される。その量の高分子凝集剤が秤量手段4
04aで計量され、高分子凝集剤水溶液410中に添加
される。一定時間(30分程度、最初の溶解時間よりは
短くて良い)攪拌溶解後、再度濃度測定装置412によ
り高分子凝集剤水溶液410中の濃度が測定される。
【0021】高分子凝集剤濃度が所定の目標濃度よりも
高い場合、測定濃度に基づいて追加すべき水量が計算さ
れ、その水量分、流量制御弁408の制御を介して溶解
槽406中へ供給される。一定時間(10分程度、最初
の溶解時間よりは短くて良い)攪拌溶解後、再度濃度測
定装置412により高分子凝集剤水溶液410中の高分
子凝集剤濃度が測定される。
【0022】上記いずれかの制御の後、あるいはこれら
の制御がくり返された後、溶解槽406中の高分子凝集
剤水溶液410の濃度が所定の目標濃度になった場合
(あるいは、たまたま最初から目標濃度になっている場
合には上記の追加制御を行うことなく)、溶解槽406
中の高分子凝集剤水溶液410が移送ポンプ414によ
り高分子凝集剤水溶液貯留槽415に移送、貯留され
る。
【0023】高分子凝集剤水溶液貯留槽415に貯留さ
れた高分子凝集剤水溶液410は、必要に応じて、定量
ポンプ416により、水処理系凝集槽に送られたり、水
処理系にライン注入されたりする。高分子凝集剤の注入
率は、定量ポンプ416の作動を制御して高分子凝集剤
水溶液410の注入率を調整することによって制御され
る。定量ポンプ416の制御は、制御装置413からの
信号に基づいて行われる。
【0024】本実施態様では、濃度調整された高分子凝
集剤水溶液410を一旦高分子凝集剤水溶液貯留槽41
5に貯留して、そこから定量ポンプ416により水処理
系へ注入するようにしているので、高分子凝集剤の連続
的な注入制御が可能となっている。連続注入の必要がな
い場合には、高分子凝集剤水溶液貯留槽415を省略
し、溶解槽406から直接的に定量ポンプ416を介し
て注入することも可能である。
【0025】上記のような濃度測定装置付き高分子凝集
剤溶解装置401においては、濃度測定装置412によ
り、溶解槽406中の高分子凝集剤水溶液410の現在
値を測定できるので、濃度が目標値から外れている場合
には、不足分の高分子凝集剤を追加あるいは水を追加す
ることにより、精度良く迅速に目標濃度に調整できるよ
うになる。したがって、調整後に高分子凝集剤水溶液貯
留槽415に貯留される高分子凝集剤水溶液410は、
常時目標とする濃度に保つことが可能となる。すなわ
ち、秤量手段404a等での計量精度の不正確さや、粉
末高分子凝集剤405の吸湿等により、初期導入、攪拌
時の溶解槽406中の実際の高分子凝集剤水溶液濃度が
目標値から外れていた場合にも、その時の高分子凝集剤
水溶液濃度が正確に測定されて、目標濃度となるように
修正される。したがって、高分子凝集剤405の吸湿等
にかかわらず、溶解槽406中での高分子凝集剤水溶液
410の実際の濃度は、確実に精度良く目標濃度に調整
されることになる。
【0026】そして、高分子凝集剤水溶液貯留槽415
に貯留される高分子凝集剤水溶液410の濃度は、常時
所定の目標濃度に保たれるから、定量ポンプ415だけ
目標通りに制御すれば、水処理系への高分子凝集剤の注
入率は精度良く目標値に制御され、過剰注入や過少注入
は確実に防止される。つまり、所望の処理が安定して行
われることになる。
【0027】とくに、過剰注入が無くなることにより、
高分子凝集剤に含有される有害不純物(アクリルアミド
モノマー等)の不要な注入も無くなる。さらに、過剰注
入が無くなることにより、凝集剤コストも削減される。
【0028】本発明に係る濃度測定装置付き高分子凝集
剤溶解装置における濃度測定装置としては、とくに差伝
導度計を用いたものが好適である。この濃度測定装置
は、溶解槽から試料として導入されてくる高分子凝集剤
水溶液中の高分子凝集剤を酸化分解し、該酸化分解によ
って生じた電気伝導度増加量を差伝導度計を用いて測定
し、その増加量から試料中の高分子凝集剤の濃度を定量
するものである。
【0029】上記酸化方法の具体例としては、酸化剤と
してオゾン、ペルオキソ二硫酸カリウム等の過硫酸塩、
過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等のハロゲン酸化物
などを用い、これらを単独もしくは併用して酸化を行う
方法、過硫酸塩や過酸化水素やオゾンの共存下、光を照
射して酸化を行う方法、フェントン反応による酸化、電
極反応により酸化を行う方法、二酸化チタンに代表され
る光触媒の共存下、光を照射して酸化を行う方法等が挙
げられる。これらの方法の中で、その酸化能力の高さと
特別な酸化処理装置が不要であること、酸化後の廃液処
理が不要であることなどから、本発明において好ましく
用いられる方法は、光触媒の共存下、光を照射して酸化
を行う方法である。特に好ましい方法としては、光触媒
を担体上に固定化した固体酸化剤の共存下、光を照射し
て酸化を行う方法である。
【0030】本発明で用いられる光触媒担持体として
は、たとえば、本出願人が先に特願平11−14395
8号で提案した光触媒担持体を用いることができる。こ
こで言う光触媒とは、光触媒粒子にそのバンドギャップ
以上のエネルギーを有する光を照射すると、光励起によ
り伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じるものであ
り、この価電子帯に生じた正孔の強い酸化力を利用して
試料中の高分子凝集剤の酸化分解を行うものである。こ
の光子によって励起された正孔による酸化反応を有効に
利用するためには、反応が光触媒粒子の表面でのみ進行
し、かつ、光が照射された部位のみ進行することから、
触媒が大きな表面積を有することと分解対象物質との接
触が十分に達成されることが必要である。また、その酸
化メカニズムから、反応を迅速に進行させるためには、
光照射によって生じた光触媒内の電子を速やかに光触媒
から奪う電子受容体(酸化剤)が系内に存在することが
必要である。
【0031】本発明では、上記の本出願人が先に特願平
11−143958号で提案した光触媒担持体を用いる
ことが好ましく、この光触媒担持体は、担体(A)と光
触媒粒子(B)との単なる混合物とは異なり、担体
(A)の表面部分に粒子(B)が熱融着により担持さ
れ、粒子(B)の一部が露出している状態を保持した担
持体である。また、担体(A)の表面部分に粒子(B)
が多重に積み重なっているため、光触媒担持体表面の劣
化により粒子(B)の一部に剥離や脱落が生じたとして
も、その下の粒子(B)が次々に表面に現れて露出して
くるようになっている。従って、このような光触媒担持
体を用いることにより、長期間にわたり光触媒活性を維
持し続けることが可能になり、本発明における試料の酸
化において、長期間安定した酸化作用を持続させること
ができる。
【0032】このような光触媒担持体の形状は任意であ
るが、製造工程の簡便さから実質的に球形や円盤状の形
状が好ましい。実質的に球形の光触媒担持体は取扱性の
上で好ましく、円盤状のものは光触媒粒子(B)が露出
した表面積が大きい点で好ましい。また、この光触媒担
持体の大きさは特に限定されず適宜設定できるが、例え
ば、実質的球形の場合、その粒径は0.1mm〜30m
m、好ましくは0.5mm〜10mm、より好ましくは
1mm〜5mmである。
【0033】本発明において用いられる光触媒担持体の
担体(A)の例としては、ポリエチレンやポリプロピレ
ン等のオレフィン単独重合体類、オレフィン同士の共重
合体類、オレフィン類と他の重合性単量体との共重合体
類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリ
レート類、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレート等のポリエステル類を挙げ
ることができる。これらの中で、担体(A)の材料とし
て用いた時に多重に積み重ねた状態で強固に粒子(B)
を容易に担持し得る点で特に好ましい熱可塑性重合体
は、オレフィン単独重合体類、オレフィン同士の共重合
体類、オレフィン類と他の重合性単量体との共重合体類
である。
【0034】本発明において用いられる光触媒担持体を
構成する粒子(B)の例としては、例えば、二酸化チタ
ン、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化
ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化
錫、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化カ
ドミウム、硫化モリブデン、珪素等の光触媒作用を有す
る物質の粒子を挙げることができ、これらの中から少な
くとも一種類の粒子を選択して用いることができる。特
に優れた光触媒性能を発現する二酸化チタンが好まし
い。二酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型の結晶構
造があり、アナターゼ型二酸化チタンの方が光触媒活性
が高いので、これを用いるのが通常である。
【0035】また、粒子(B)は、更にその表面に白
金、ロジウム、ルテニウム、ニッケル等の金属や該金属
の酸化物又は水酸化物などを担持したものを用いてもよ
く、この場合はその担持量が極めて少量でも光触媒効率
の向上を図ることが可能である。また、粒子(B)は、
その表面に蓄光作用を有する物質を担持せしめたもので
もよい。かかる蓄光物質としては、例えば、アルカリ土
類金属の硫化物、硫酸塩、珪酸塩等を主材料として、こ
れに鉛、マンガン、ビスマス等を活性剤として加えた物
質を好適に用いることができる。具体例としては、Ba
SO4/Pb、CaSiO3/Pb、CaS/Bi等を挙
げることができ、これらは単独でも二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。蓄光物質は、一般に蛍光物質、夜光
物質等と称され、可視光線、紫外線、放射線等のエネル
ギーを一旦化学的エネルギーに変換して蓄え、該エネル
ギーを随時光エネルギーとして放射することが可能な物
質なので、これを粒子(B)に担持せしめることによ
り、光の利用効率を向上させることも可能である。
【0036】担体(A)に担持せしめる粒子(B)の量
は、光触媒粒子の種類や熱可塑性重合体の種類等により
大きく異なってくるので特定できないが、担体(A)+
粒子(B)の合計重量に対して、好ましくは0.1〜8
0重量%、より好ましくは1%〜50重量%である。
0.1重量%より少ないと粒子(B)が担体(A)の表
面全体を覆うことが難しくなり易く、また、80重量%
より多くすることは、必要以上に光触媒担持体内部に埋
没する光触媒粒子を増加させるだけで余り意味がない。
【0037】上記光触媒担持体の比重は、特に限定され
ないが、試料が水溶液の場合、好ましくは0.7〜1.
3の範囲、より好ましくは0.9〜1.1の範囲であ
る。この比重が0.7未満の場合、該光触媒担持体は攪
拌をもってしても常に水面に浮かび反応効率が悪く、
1.3を超えると攪拌をもってしても常に水底に没する
ことになり光を効率良く照射せしめることが困難とな
る。ただし、光触媒担持体をカラムに充填して固定床と
し、試料の酸化装置として用いる際には、比重がこの範
囲を超えていても差し支えない。上記比重の範囲が重要
となるのは、光担持触媒を水中に分散させ攪拌して用い
る流動床方式の場合である。本発明においては、酸化装
置として、固定床、流動床いずれも好適に用いることが
できる。
【0038】また、光触媒の酸化反応を迅速に進行させ
るためには、光照射によって生じた光触媒内の電子を速
やかに光触媒から奪う電子受容体(酸化剤)が系内に存
在することが必要である。そのような電子受容体の例と
しては、酸素、オゾン、過酸化水素等が挙げられ、本発
明においても好適に用いられる。
【0039】光触媒を酸化剤として用いる際に必要とな
る光の波長は、光触媒を励起・活性化させるのに必要な
波長帯を含むものであれば特に制限はなく、通常、紫外
域の波長(380〜400nm以下)を含んでいればよ
い。したがって、光源としては、太陽光、蛍光灯、ブラ
ックライト、冷陰極管、水銀灯、キセノンランプなどを
用いることができる。
【0040】次に、本発明における溶解装置で電気伝導
度増加量の検出装置として用いられる差伝導度計につい
て説明する。本発明においては、溶解槽からの高分子凝
集剤水溶液の試料が上述の如き酸化手段を用いて酸化さ
れ、その試料の酸化前の電気伝導度と酸化後の電気伝導
度との差分、つまり、高分子凝集剤の酸化分解によって
生じた電気伝導度増加量が差伝導度計によって測定され
る。この差伝導度計は、少なくとも2個の電極を有する
電気伝導度測定セルを試料酸化前の位置と酸化後の位置
とに配置し、両電気伝導度測定セルからの検出信号自身
の差分を両電気伝導度測定セルの位置間の試料の電気伝
導度の差分として出力するものである。したがって、従
来の電気伝導度計を単に2個用いて、各測定位置におけ
る試料の電気伝導度の絶対値を測定し、それらの差から
電気伝導度増加量を求める方法とは、根本的に異なるも
のである。この差伝導度計を用いて検出した、高分子凝
集剤の酸化分解によって生じた電気伝導度増加量から、
試料中の高分子凝集剤の濃度が定量される。
【0041】図2は、本発明に係る水処理用薬品の濃度
測定装置に用いる差伝導度計の一例を示している。図2
に示す差伝導度計1においては、交流オシレーター2か
らの交流電流が各電気伝導度測定セル3、4に供給され
るが、一方の電気伝導度測定セル3には、倍率設定器5
付きの位相反転増幅器6で所定倍率に増幅され、かつ、
位相の反転された交流電流が供給され、他方の電気伝導
度測定セル4には、増幅器7により一定の倍率で増幅さ
れた交流電流が位相を反転されることなく供給される。
各電気伝導度測定セル3、4の出力側は接続されてお
り、上記一方の供給交流電流の位相が反転されているの
で、両電気伝導度測定セル3、4からの検出信号自身の
差をとる減算処理が行われることになる。この減算処理
された信号が感度(測定レンジ)切替器8付き増幅器9
で増幅され、所定の一つの出力信号10として出力され
る。したがって、この出力信号10は、両電気伝導度測
定セル3、4の検出電気伝導度間の差分あるいは変化分
を表すことになる。
【0042】このように、個々の電気伝導度測定装置に
より出力された検出値の絶対値から差分や変化分を演算
するのではなく、一つの差伝導度計1内において、各電
気伝導度測定セル3、4からの検出信号自身について減
算処理しているので、両電気伝導度測定セル3、4の検
出電気伝導度間の差分あるいは変化分のみを精度良く抽
出することができる。また、この測定の際の測定レンジ
は、電気伝導度の絶対値に対してではなく、検出しよう
とする電気伝導度の差分あるいは変化分に対して調整す
ればよいので、たとえ、電気伝導度の絶対値に対し差分
や変化分が微少である場合にあっても、電気伝導度の絶
対値に関係なく、最適な測定レンジに調整でき、極めて
高精度かつ高感度の測定が可能になる。
【0043】また、倍率設定器5を設けて一方の電気伝
導度測定セル3側の供給電流のレベルを適宜切り換える
ことができるようになっているので、濃縮系あるいは希
釈系のいずれに対しても最適な感度調整が可能になる。
しかも、出力側にも感度(測定レンジ)切替器8を設け
てあるので、最終的に出力される信号のレベルも最適な
レベルに調整でき、電気伝導度測定の差分や変化分を最
適な感度で測定できる。その結果、信頼性の極めて高い
電気伝導度測定の差分や変化分のデータが、高精度かつ
高感度で得られることになる。
【0044】このような差伝導度計は、たとえば図3に
示すようにも構成できる。図3に示す差伝導度計11
は、被測定物質(試料)に接する少なくとも2個の電極
(本実施態様では3電極構成にて図示してある。)を有
する電気伝導度測定セルを少なくとも2個(本実施態様
では2セル構成にて図示してある。)有している。各電
気伝導度測定セル12、13(図3には、セル1、セル
2と表示してある。)は、本実施態様では、各電気伝導
度測定セル12、13からの検出信号自身が減算処理さ
れるように電気的に接続されている。
【0045】各電気伝導度測定セル12、13は電気的
に並列に接続されており、各電気伝導度測定セル12、
13の電流供給用電極12a、13aには、電源として
の交流オシレーター14から同相の交流電流が供給され
ている。各電気伝導度測定セル12、13の電気伝導度
検出用電極12b、13bは、互いに電気的に接続さ
れ、両検出用電極12b、13bからの検出信号自身の
値が次のように減算されるようになっている。電気伝導
度測定セル13の電流供給用電極13aの前に、供給さ
れる交流電流の値を所定の倍率で増幅あるいは減幅可能
な位相反転器15が設けられており、電気伝導度測定セ
ル13で検出対象となる被測定物質の電気伝導度のレベ
ルを、電気伝導度測定セル12のそれに比べ異ならしめ
ることができることもできるとともに、その検出信号の
位相を反転できるようになっている。このようにしてお
けば、各電気伝導度測定セル12、13からの検出信号
自身が、実質的に減算されることになる。
【0046】上記電気的に演算処理が施された信号、つ
まり、電気伝導度検出用電極12b、13bの接続点か
ら得られる信号は、一つの増幅器16により出力信号と
して適切なレベルに増幅されるようになっている。この
とき、測定レンジ切替器17で、測定対象に応じて最適
な測定レンジを選択できるようになっている。
【0047】増幅器16からの信号は、本実施態様で
は、測定環境に対する温度補償が温度補償器18で行わ
れた後、同期整流器19で交流オシレーター14の出力
側との同期がとられ、さらに、その信号が、各種の制御
や出力の表示に最適なレベルの信号となるよう、レンジ
調整器20付きの増幅器21で増幅され、実際の出力2
2として取り出されるようになっている。
【0048】上記のような差伝導度計においては、所定
容量の時間遅延カラムを用いることにより、試料(被測
定物質)の電気伝導度の時間的な変化分を精度良く測定
することが可能になる。たとえば図4に示すように、流
水管52内を流れる水の流れ方向に対し、異なる位置間
における電気伝導度測定の変化を測定しようとする場
合、差伝導度計51を、上流側の位置53においてたと
えばベンチュリー管54を介してサンプル水として採水
できるように配設する。このサンプル水の電気伝導度を
まず一方の電気伝導度測定セル55で検出した後、その
サンプル水を時間遅延カラム56を通して他方の電気伝
導度測定セル57に送り、そこで再びサンプル水の電気
伝導度を測定し、測定後のサンプル水を流水管52の下
流側の位置58に戻す。時間遅延カラム56は、たとえ
ば細管をスパイラル状に巻いて、流入端から流出端まで
の通水時間を調節できるようにしたものであり、本実施
態様では、実質的に流水管52における上流側の位置5
3から下流側の位置58までの通水時間に対応させてあ
る。
【0049】このような時間遅延カラム56を設けて、
同一のサンプル水に対する電気伝導度の検出タイミング
を時間的にずらすことにより、その間で電気伝導度がど
のように変化するかが観測できる。そしてこの観測に本
発明に係る差伝導度計51を用いることにより、電気伝
導度の変化分が信頼性高く高精度かつ高感度で検出され
ることになる。したがって、この時間遅延カラム56内
を試料の酸化手段に構成することにより、本発明におけ
る、所望の試料の酸化を、所望の時間で行うことが可能
になる。
【0050】本発明においては、各電気伝導度測定セル
自身の構造はとくに限定されず、被測定物質(試料)に
接する少なくとも2個の電極を有する電気伝導度測定セ
ルであればよい。各電気伝導度測定セルにおける少なく
とも2個の電極は、電気伝導度検出用電極と、電流供給
用電極とからなり、3電極構成の場合には、一つを接地
電極とすることもできる。電流供給用電極には交流電流
が供給されることが好ましいが、直流電流を供給する構
成も可能である。
【0051】図5は、本発明に適用可能な2極構成の電
気伝導度測定セルの概略構成を示している。図5に示す
電気伝導度測定セル61は、測定管62中に流れてく
る、あるいは測定管62中に貯留されている被測定物質
としての被測定流体63に対し、電源電極64と電気伝
導度検出用電極65とが離間配置されている。電源電極
64には、たとえば電源(図示略)からアンプ66を介
して交流定電圧が印加され、電気伝導度検出用電極65
からの検出電流が、前述の加算や減算処理に供される。
【0052】上記のような2極構成の電気伝導度測定セ
ル61では、測定管62は、少なくとも上記電気伝導度
測定部位においては絶縁体(たとえば、塩化ビニル管)
から構成されているが、通常、その延設部位のいずれか
の位置で、実質的に接地状態となっていることが多く、
その接地状態に起因して、周囲環境からのノイズを拾っ
てしまうことがある。
【0053】このようなノイズの影響を除去するために
は、たとえば図6や図7に示すような3極構成の電気伝
導度測定セルを用いることが好ましい。図6に示す電気
伝導度測定セル71においては、絶縁された測定管72
中に流されてくる、あるいは測定管72中に貯留されて
いる被測定物質としての被測定流体73に対し、その被
測定流体73に接する3個の電極74、75、76が設
けられている。3個の電極は、電気伝導度を検出するた
めの電気伝導度検出用電極74と、該電気伝導度検出用
電極74の両側にそれぞれ間隔をもって配置された2個
の交流電流供給用電極75、76とからなる。2個の交
流電流供給用電極75、76にはアンプ77を介して、
同相の交流電流が、同電位の定電圧にて供給されてい
る。電気伝導度検出用電極74からの検出電流が、前述
の減算処理に供される。
【0054】図6に示した電気伝導度測定セル71にお
いては、電気伝導度検出用電極74は、その両側に配置
され、同相の交流電流が供給される2個の交流電流供給
用電極75、76によって、測定管72の延設部位のい
ずれかの部位に存在するであろう接地点に対し、電気的
にシールドされることになる。すなわち、2個の交流電
流供給用電極75、76には、定電圧交流電流が同相で
供給され、電気伝導度検出用電極74と交流電流供給用
電極75、76間の電位差は常に所定の一定値に保たれ
るから、電気伝導度検出用電極74と外部接地点との間
には実質的に電気的な抵抗が存在しない状態となる。し
たがって、図5に示したセル構成における、電気伝導度
検出用電極と外部接地点との間の抵抗値やその抵抗値の
変動に起因する電気伝導度検出用電極からの出力電流へ
の影響は、実質的に全く無くなる。換言すれば、電気伝
導度検出用電極74から外部接地点への漏洩電流は全く
存在しないことになる。その結果、電気伝導度検出用電
極74からの出力電流は、常時外乱の無い状態で取り出
され、外乱によるばらつきや変動が防止されて、常時高
精度の電気伝導度の測定が安定して行われる。
【0055】図7に示す電気伝導度測定セル81におい
ては、絶縁された測定管82中に流されてくる、あるい
は測定管82中に貯留されている被測定物質としての被
測定流体83に対し、その被測定流体83に接する3個
の電極84、85、86が設けられている。3個の電極
は、電気伝導度を検出するための電気伝導度検出用電極
84と、該電気伝導度検出用電極の片側に間隔をもって
配置された交流電流供給用電極85と、電気伝導度検出
用電極84の反対側に間隔をもって配置された接地電極
86とからなる。交流電流供給用電極85には、アンプ
87を介して、所定の交流電流が定電圧にて供給されて
いる。電気伝導度検出用電極84からの検出電流が、前
述の減算処理に供される。
【0056】図7に示した電気伝導度測定セル81にお
いては、交流電流供給用電極85のみに交流電流が定電
圧にて供給され、接地電極86は接地により強制的に電
位0とされ、これら電極85、86が電気伝導度検出用
電極84の両側に配置されている。したがって、電極8
5、86間は、電気伝導度検出用電極84によって、電
気回路的には、いわゆる抵抗分割された形態となってい
る。この電極85、86間の回路においては、電極85
には所定の定電圧交流電流が供給され、電極86は接地
により強制的にその電位が常時0とされ、この状態は常
に安定している。つまり、測定管82のいずれかの延設
部位が接地された状態にあったとしても、その接地点と
電気伝導度検出用電極84との間の抵抗等が入り込む余
地はなく、それによって電気伝導度検出用電極84から
取り出される電流がシフトしたり変動したりすることは
なくなる。したがって、電気伝導度検出用電極84から
の出力電流は、常時外乱の無い状態で取り出され、外乱
によるばらつきや変動が防止されて、常時高精度の電気
伝導度の測定が安定して行われることになる。
【0057】本発明において、電気伝導度測定セルの機
械的な構成はとくに限定されず、たとえば図8に示すよ
うな構造とすることができる。図8に示す電気伝導度測
定セル91においては、たとえば図9に示すような、導
電金属からなる電極本体92の表面に、酸化チタン層9
3により電極面が形成された電気伝導度測定用電極94
が用いられることが好ましい。酸化チタン層93は、導
電金属からなる電極本体92の表面に、スパッタリン
グ、メッキ等の表面処理により形成されるか、あるい
は、電極本体92をチタン金属から構成し、その表面を
酸化することにより形成されている。酸化は、電気分解
や空気酸化により行われる。
【0058】電気伝導度測定用電極94は、図5〜7に
示した2個あるいは3個の各電極に相当する電極として
用いられ、図8に示すように、絶縁体からなる電極ホル
ダ95に、電極面を露出させた状態で埋設されている。
図8に示す電気伝導度測定セル91では、3個の電極9
4は一列に配置され、両側の電極94a、電極94bが
電源へと接続される交流電流供給用電極、中央の電極9
4cが電気伝導度検出用のセンサーとして機能する電気
伝導度検出用電極を構成している。
【0059】電極ホルダ95は、基体96の所定位置に
固定される。基体96には、被測定流体(たとえば、水
溶液)を流入させる流入口97および流出させる流出口
98と、電気伝導度測定用の流通孔99および流通孔1
00が設けられている。電極ホルダ95には、流通孔1
01と流通孔102が設けられており、流通孔101は
基体の流通孔99と、流通孔102は基体の流通孔10
0とそれぞれ連通するように配置されている。流入口9
7から流入された被測定流体は、基体96の内部通路1
03、流通孔99、電極ホルダ95の流通孔101を通
して、各電極94の電極面側に形成される被測定物質貯
留空間104に流入される。被測定物質貯留空間104
は、被測定流体の電気伝導度測定用流路を形成する。被
測定物質貯留空間104からの流体は、電極ホルダ95
の流通孔102、基体96の流通孔100、内部通路1
05を通して、流出口98から流出される。
【0060】基体96には、各電極94a、94b、9
4cに対応した位置に貫通孔106a、106b、10
6cが穿設されており、貫通孔106a、106b、1
06cを通して必要な電気配線が引き出されるようにな
っている。
【0061】被測定物質貯留空間104は、本実施態様
では、シート状のパッキン107と、電極ホルダ95に
パッキン107を介して間隔をあけて対向配置された透
光体としての透明ガラス板108によって画成されてい
る。このガラス板108の被測定物質貯留空間104側
表面においても、透光性を損なわない程度に酸化チタン
コートが施されていることが好ましい。この被測定物質
貯留空間104内を流れる流体の電気伝導度が測定され
る。
【0062】電極ホルダ95、パッキン107およびガ
ラス板108は、ボルト109を介してカバー体110
により、基体96の一面側に固定される。カバー体11
0には、透光用の窓111が開設されている。この窓1
11を通して、外部に配置された光照射手段112から
の光が照射される。照射された光は、窓111からガラ
ス板108を通して、各電極94a、94b、94cの
電極面を形成している酸化チタン層93に照射される。
照射される光は、酸化チタン層93に光触媒活性を発揮
させる波長を有する光が選択される。たとえば、特定の
波長(たとえば、300〜400nmの波長)の紫外線
を使用でき、光照射手段112としては、たとえば紫外
線を発光するブラックライトを使用することができる。
【0063】このような電気伝導度測定セル91に構成
すれば、光照射手段112による光照射により、各電極
94a、94b、94cの表面に設けられた酸化チタン
層93が光触媒活性を発揮し、被測定物質貯留空間10
4を流される被測定流体中に有機物が含まれている場合
にも、該有機物が光触媒活性により分解されるので、電
気伝導度測定の際電極面でイオン交換が行われても、非
導電性の有機物が電極面に付着したり吸着されたりする
ことは防止される。したがって、電極面の定期的なクリ
ーニングは不要になり、クリーニングなしでも、常時安
定して電気伝導度を精度良く測定することができる。ま
た、その精度の良い測定の再現性も確保される。
【0064】また、ガラス板108の被測定物質貯留空
間104側表面に酸化チタンコートを施しておけば、こ
の面側でも有機物の付着や吸着が阻止され、被測定物質
貯留空間104内への有機物の蓄積等も防止されて、良
好な測定精度が維持される。
【0065】以上、本発明に係る濃度測定装置に用いる
差伝導度計について詳細に説明してきたが、本発明にお
いては、上記のような差伝導度計が、前述の如き高分子
凝集剤水溶液の濃度測定装置に組み込まれている。この
差伝導度計は、前述の如く、例えば、表面が酸化チタン
の被膜で覆われている電極を用いて光照射下で使用する
電極構成とでき、かつ、特別の差分測定回路を持つ装置
構成としてあるので、特に高電気伝導度で水溶性有機物
を含むような系で極めて微少の電気伝導度の変化を安定
に検出できるようになる。この電気伝導度の変化(電気
伝導度増加量)から高分子凝集剤の濃度を求めるのが、
本発明に係る溶解装置における濃度測定装置である。
【0066】従来有機物を含む試料中では電極の汚れが
大きく安定な測定はほぼ不可能であったが、前述の如
く、電極表面が酸化チタンの被膜で覆われていてかつ酸
化チタンを活性化する350nm程度の光で照射される
構成とすることにより、電極表面は非常に親水性(超親
水界面が形成される)が高く、しかも光触媒活性により
有機物等の酸化分解特性を有するので、電極表面には有
機物などの付着が起こらない。また、イオンの水和構造
も界面で破壊されないため、従来の電極材料に比較して
極めて安定である。とくに、3電極を用いた交流定電圧
ドライブと交流電流増幅、並びに2つの電気伝導度セル
を構成し、それらの差分測定回路を用いて、電極材料の
特徴を活かした、ほぼ究極に近い超高感度、高安定な差
伝導度計に構成することができる。
【0067】本発明においては、試料が酸化手段により
酸化され、酸化前後の電気伝導度の増加が上記のような
差伝導度計を用いて高精度、高感度で測定され、測定さ
れた電気伝導度増加量から高分子凝集剤の濃度が定量さ
れる。この試料中の高分子凝集剤の酸化分解によって生
じた電気伝導度増加量の測定方法としては、特に制限は
なく、試料を連続的に酸化手段に導入し、連続的に試料
の酸化前後の電気伝導度増加量を測定する方法や、キャ
リア液中に試料を注入し、これを酸化手段に導入して電
気伝導度増加量を測定する方法などを用いることができ
る。特に好ましい方法としては、試料の電気伝導度に合
わせた標準液をキャリア液として用い、キャリア液中に
試料を注入して連続的に酸化分解と前記電気伝導度増加
量を測定する方法が挙げられる。この方法では、上記本
発明で用いられる検出装置である差伝導度計の測定感度
を更に高めることができ、高感度測定に有利となるた
め、本発明において好適に用いられる。
【0068】このような差伝導度型高分子凝集剤濃度測
定装置の酸化手段の例として、とくに、試料のキャリア
液として過酸化水素水を用い、酸化カラム中を流れる試
料を含んだ過酸化水素水に紫外線を照射し、強力な酸化
力を持つヒドラキシラジカル等を発生させて試料中の有
機物を分解する機構を採用することが望ましい。
【0069】上記のような差伝導度計を用いた本発明に
係る高分子凝集剤水溶液用の濃度測定装置の一例を図1
0に示す。図10に示す濃度測定装置200は、試料の
電気伝導度に応じた標準液をキャリア液として用いるシ
ステムとして構成されている。ボトル201中にキャリ
ア液としての標準液202を貯留し、デガッサー203
を介して、ポンプ204によりキャリア液をサンプルイ
ンジェクションバルブ205に供給する。サンプルイン
ジェクションバルブ205は、供給されてきたキャリア
液をそのまま定量、あるいは、別の系206から供給さ
れてくる試料をキャリア液で希釈して定量し、デガッサ
ー207を介して、試料測定流路208に供給する。こ
の試料測定流路208に、前述したような差伝導度計2
09が配置されている。差伝導度計209は、2個の電
気伝導度測定セル210、211(チャンネルch1と
ch2)を備え、両電気伝導度測定セル210、211
間に、所定容量の時間遅延カラム212が介装されてい
る。この時間遅延カラム212が、例えば前述したよう
な、光触媒担持体を充填、固定化した酸化手段に構成さ
れており、所定の時間、試料測定流路208中に流され
る試料流体を酸化するようになっている。差伝導度計2
09の増幅器213からは、前述したような、両電気伝
導度測定セル210、211からの検出信号自身の差の
信号、つまり、両電気伝導度測定セル210、211の
位置間の電気伝導度の差信号が、この間における電気伝
導度増加量に対応する信号として高精度で出力される。
【0070】ここでデガッサー203、207は特に差
伝導度計209の安定化のために装備されている。つま
り、ミクロの気泡が通過することによる電気伝導度の揺
らぎを防ぐために使われている。時間遅延カラム212
は、電気伝導度の時間変化を検出するためのカラムで一
定体積と長さを備えて一定流量で送液されていれば、一
定時間間隔の伝導度をch1とch2の電気伝導度の差
として検出できる。
【0071】試料測定流路208中にキャリア液として
の標準液のみが流されている場合には、測定対象試料の
無い、ベースとしての電気伝導度の変化分の測定が可能
であり、試料を注入してキャリア液とともに試料測定流
路208に供給する場合には、その注入試料による電気
伝導度増加量の測定が可能である。
【0072】前述したように、差伝導度計209によ
り、電気伝導度測定セル210、211の位置間の電気
伝導度の差が高精度で測定される。この試料中の高分子
凝集剤の酸化分解に基づく電気伝導度増加の特性は、例
えば図11および図12に示すようになる。注入試料に
より、試料測定流路208中の高分子凝集剤の濃度が連
続的に変化した場合には、その時間微分をとると、高分
子凝集剤濃度の変化は図11に示すように電気伝導度変
化分としてひとつのピークとなって検出される。一方、
高分子凝集剤濃度の一過的変化が起こった場合には、高
分子凝集剤濃度の変化は、電気伝導度変化分として、図
12に示すようなオーバーシュート波形として検出され
る。従来型の電気伝導度計を用いた場合には、試料のベ
ースの電気伝導度が極めて大きい場合、このような微少
な高分子凝集剤濃度に対応する電気伝導度の変化を検出
することは不可能である。本発明では、上記のような差
伝導度計209を用いることにより、高分子凝集剤の酸
化分解による微少な電気伝導度増加量が高精度、高感度
で迅速に測定され、それによって高分子凝集剤濃度が極
めて高精度、高感度で定量される。
【0073】次に、本発明に係る濃度測定装置のシステ
ム例について説明する。濃度測定装置は、基本的にキャ
リア液を送液するポンプ、試料溶液をキャリア溶液中に
注入するインジェクター、高分子凝集剤を酸化する酸化
反応器(酸化手段)、酸化前後の電気伝導度を測定する
差伝導度計、差伝導度計で測定されたデータを記録する
データプロセッサーで構成されている。ただし、場合に
よっては、キャリア液を用いないこともあるため、その
ような系ではインジェクターは不要となる。
【0074】上記データプロセッサーは、電気伝導度増
加量対高分子凝集剤の検量線を内包し、高分子凝集剤濃
度計算等の演算処理を行うことができるのが好ましく、
更に必要に応じて、高分子凝集剤水溶液を供給するポン
プ等のポンプ類の制御信号を出力できることが好まし
い。
【0075】なお、上記装置に加えて、差伝率度計の電
極表面での気泡生成を抑制するためのデガッサーや、試
料とキャリア液とを均一に混合するためのインラインミ
キサーや混合コイル等の混合器などを必要に応じて設置
してもよい。
【0076】更に具体的に、本発明に係る濃度測定装置
のシステム例を図13を用いて説明する。図13は、本
発明に係る濃度測定装置の一例を示している。キャリア
液(たとえば、過酸化水素水)には、インジェクター3
01から高分子凝集剤を含む試料が注入される。この試
料を含むキャリア液は、ポンプ302により酸化装置3
04(酸化反応器)の直前に設置された差伝導度計30
6の一方の電気伝導度測定セル303の位置に供給され
る。ここで酸化前の電気伝導度を測定された試料を含む
キャリア液は、酸化装置304で連続的に酸化されて、
差伝導度計306の他方の電気伝導度測定セル305の
位置に供給される。差伝導度計306では酸化前の電気
伝導度から酸化後の電気伝導度への増加量(変化分)が
測定され、データプロセッサー307に記録されるとと
もに、その電気伝導度増加量から、高分子凝集剤の濃度
が定量される。
【0077】実施例1 粉末高分子凝集剤貯留槽(10L)、秤量部、粉末高分
子凝集剤導入部、水道水導入管、溶解槽(250L)、
差伝導度型高分子凝集剤濃度測定装置、移送ポンプ、高
分子凝集剤水溶液貯留槽(250L)、定量ポンプを主
な構成要素とし、200m3 /日の処理能力を持った凝
集沈澱処理プラントに高分子凝集剤を1日間、1mg/
L注入することを想定した高分子凝集剤溶解装置および
それに続く注入装置を作製した。
【0078】この溶解装置では、1000mg/Lの高
分子凝集剤溶解液を200L作製し、注入装置(定量ポ
ンプ)にて200L/日の流量でプラントに注入するよ
う設定した。
【0079】また、高分子凝集剤濃度測定装置は、試料
のキャリア液として過酸化水素水を用い、酸化手段とし
て酸化カラム中を流れる試料を含んだ過酸化水素水に波
長254nmの紫外線を照射し、強力な酸化力を持つヒ
ドロキシラジカル等を発生させて試料中の有機物を分解
する機構をもつものを使用した。
【0080】この測定装置は、高精度で測定できる範囲
が酸化カラム流入量で1〜20μgであるため、試料の
溶解液10μLを測定に供するよう設定した。すなわ
ち、試料の溶解液をサンプリングチューブより10μL
正確に採取し、インジェクター部において1.0mL/
minで流れるキャリア液(過酸化水素水10mmol
/L)に混和し、酸化カラムに導入するよう設定した。
【0081】また、制御装置においては、高分子凝集剤
濃度測定装置の測定精度を考慮し、所定濃度1000m
g/Lの上下0.5%以内、すなわち、1000±5m
g/L以内であれば、所定濃度を調整できたと判断する
よう設定した。
【0082】この溶解装置の粉末凝集剤貯留槽に、アク
リルアミドを主成分とする粉末高分子凝集剤Aを1kg
投入した。
【0083】水道水導入管より溶解槽に水道水200L
が導入され、秤量部にて粉末ポリマー200gが計り取
られ、攪拌機で水道水を攪拌しつつ、導入部より少しず
つ添加し、溶解した。1時間攪拌溶解後、溶解液が高分
子凝集剤濃度測定装置に導入された。測定の結果、濃度
は998mg/Lであった。目的の濃度の溶解液を作製
できたと判断し、溶解液は、溶解槽から移送ポンプにて
溶解液貯留槽に移送後、そこから定量ポンプにて、凝集
沈澱処理プラントに注入された。以上のことから、凝集
剤溶解液が所定の濃度に正確に調整されたことを確認し
て、凝集沈澱処理プラントに注入できるので、過剰注入
や過少注入の心配が無くなった。
【0084】実施例2 実施例1と同じ溶解装置を使用して、アクリルアミドを
主成分とする粉末高分子凝集剤Bの溶解を行った。ただ
し、この凝集剤は、保存環境がよくなかったためか、や
や吸湿しているようであった。粉末凝集剤貯留槽に1k
g投入した後、溶解槽には水道水200Lが導入され、
秤量部にて粉末高分子200gが計り取られ、攪拌機で
水道水を攪拌しつつ、導入部より粉末高分子が溶解槽に
少しずつ添加された。1時間攪拌溶解後、溶解液がポリ
マー濃度測定装置に導入された。濃度は1000mg/
Lとなるはずであるが、溶解前に吸湿していたためか、
実測値は、901mg/Lであった。そこで、さらに粉
末高分子凝集剤を追加して、1000mg/Lする操作
が行われた。凝集剤は、さらに乾燥重量で20g追加す
る必要がある。そこで、水分含有を加味した22gを溶
解液に添加し、30分攪拌した。その後、再度、濃度測
定装置で測定したところ1002mg/Lであった。目
的の濃度の溶解液を作製できたと判断し、溶解液は、溶
解槽から移送ポンプにて溶解液貯留槽に移送された。貯
留槽より139ml/min(200L/日)の流量で
定量ポンプにて注入した。以上より、所定濃度の高分子
凝集剤溶解液を正しく調整し、水処理プラントへの適正
な注入が行えることが確認できた。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る濃度
測定装置付き高分子凝集剤溶解装置によれば、溶解槽中
での高分子凝集剤水溶液の濃度を精度良く所定の目標濃
度に調整できるようになり、それによって水処理系への
高分子凝集剤の注入率を、安定して目標値に精度良く制
御できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る濃度測定装置付き高
分子凝集剤溶解装置の機器系統図である。
【図2】本発明における濃度測定装置に使用される差伝
導度計の構成例を示す概略回路図である。
【図3】本発明における濃度測定装置に使用される差伝
導度計の別の構成例を示す概略回路図である。
【図4】時間遅延カラムを有する、本発明における濃度
測定装置に使用される差伝導度計の使用例を示す概略構
成図である。
【図5】本発明における差伝導度計に使用可能な電気伝
導度測定セルの一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明における差伝導度計に使用可能な電気伝
導度測定セルの別の例を示す概略構成図である。
【図7】本発明における差伝導度計に使用可能な電気伝
導度測定セルのさらに別の例を示す概略構成図である。
【図8】本発明における差伝導度計に使用可能な電気伝
導度測定セルの機械的な構成例を示す分解斜視図であ
る。
【図9】本発明における差伝導度計に使用可能な電気伝
導度測定セルの電極の構成例を示す斜視図である。
【図10】本発明における濃度測定装置の一例を示す概
略構成図である。
【図11】図10の装置における電気伝導度変化の一例
を示す特性図である。
【図12】図10の装置における電気伝導度変化の別の
例を示す特性図である。
【図13】本発明に係る濃度測定装置の一例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1、11 差伝導度計 2、14 交流オシレーター 3、4、12、13 電気伝導度測定セル 5 倍率設定器 6、15 位相反転増幅器 7、9、16、21 増幅器 8、17 測定レンジ切替器 10、22 出力 12a、13a 電流供給用電極 12b、13b 電気伝導度検出用電極 18 温度補償器 19 同期整流器 20 レンジ調整器 51 差伝導度計 52 流水管 53 上流側の位置 54 ベンチュリー管 55、57 電気伝導度測定セル 56 時間遅延カラム 58 下流側の位置 61、71、81 電気伝導度測定セル 62、72、82 測定管 63、73、83 被測定流体 64 電源電極 65、74、84 電気伝導度検出用電極 66、77、87 アンプ 75、76、85 交流電流供給用電極 86 接地電極 91 電気伝導度測定セル 92 電極本体 93 酸化チタン層 94 電気伝導度測定用電極 94a、94b 交流電流供給用電極 94c 電気伝導度検出用電極 95 電極ホルダ 96 基体 97 流入口 98 流出口 99、100、101、102 流通孔 103、105 内部通路 104 被測定物質貯留空間 106a、106b、106c 貫通孔 107 パッキン 108 透光体としての透明ガラス板 109 ボルト 110 カバー体 111 透光用の窓 112 光照射手段 200 水処理用薬品の濃度測定装置 201 ボトル 202 標準液 203、207 デガッサー 204 ポンプ 205 インジェクションバルブ 206 試料を注入する系 208 試料測定流路 209 差伝導度計 210、211 電気伝導度測定セル 212 時間遅延カラム(酸化手段) 213 増幅器 301 インジェクター 302 ポンプ 303、305 電気伝導度測定セル 304 酸化反応器(酸化手段) 306 差伝導度計 307 データプロセッサー 401 濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置 402 高分子凝集剤供給系 403 高分子凝集剤貯留槽 404a 秤量手段 404b 導入部 405 高分子凝集剤 406 溶解槽 407 水供給系 408 供給水量調整手段としての流量制御弁 409 攪拌機 410 高分子凝集剤水溶液 411 試料ポンプ 412 濃度測定装置 413 制御手段としての制御装置 414 移送ポンプ 415 高分子凝集剤水溶液貯留槽 416 定量ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末の高分子凝集剤を供給し、供給され
    る高分子凝集剤の秤量手段を備えた高分子凝集剤供給系
    と、水を供給し、供給水量を調整する水量調整手段を備
    えた水供給系と、高分子凝集剤供給系から供給される高
    分子凝集剤と水供給系から供給される水を導入し、高分
    子凝集剤水溶液を調製する溶解槽と、該溶解槽中での高
    分子凝集剤水溶液の濃度を測定する濃度測定装置と、該
    濃度測定装置による測定濃度に基づいて、測定濃度が目
    標値になるように、追加すべき高分子凝集剤量または/
    および追加すべき水量の信号を前記高分子凝集剤供給系
    または/および水供給系に送る制御手段とを有すること
    を特徴とする、濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装
    置。
  2. 【請求項2】 前記濃度測定装置が、前記溶解槽からの
    濃度測定用試料を酸化し、試料の酸化前の電気伝導度と
    酸化後の電気伝導度との差分を、少なくとも2個の電極
    を有する電気伝導度測定セルを前記酸化前の位置と酸化
    後の位置とに配置し、両電気伝導度測定セルからの検出
    信号自身の差分を両電気伝導度測定セルの位置間の試料
    の電気伝導度の差分として出力する差伝導度計を用いて
    検出することにより、試料の酸化分解によって生じた電
    気伝導度増加量を測定し、該電気伝導度増加量から試料
    中の高分子凝集剤の濃度を定量する装置からなる、請求
    項1の濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装置。
  3. 【請求項3】 前記試料の酸化に用いる酸化剤として光
    触媒を担体上に固定化した固体酸化剤が用いられ、この
    酸化剤と前記試料が接触された状態で光が照射されて前
    記試料が酸化される、請求項2の濃度測定装置付き高分
    子凝集剤溶解装置。
  4. 【請求項4】 前記電気伝導度増加量の測定において、
    前記試料の電気伝導度に応じた標準液がキャリア液とし
    て用いられ、キャリア液中に試料が注入されて連続的に
    試料が酸化され、かつ、連続的に前記電気伝導度増加量
    が測定される、請求項2または3の濃度測定装置付き高
    分子凝集剤溶解装置。
  5. 【請求項5】 キャリア液として過酸化水素水が用いら
    れる、請求項4の濃度測定装置付き高分子凝集剤溶解装
    置。
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