JP2002136611A - 放射線治療装置 - Google Patents

放射線治療装置

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JP2002136611A
JP2002136611A JP2000334454A JP2000334454A JP2002136611A JP 2002136611 A JP2002136611 A JP 2002136611A JP 2000334454 A JP2000334454 A JP 2000334454A JP 2000334454 A JP2000334454 A JP 2000334454A JP 2002136611 A JP2002136611 A JP 2002136611A
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leaf
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radiation
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Tadashi Noguchi
正 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線の照射領域を病変部形状にほぼ完全に
合致させることの可能な照射規定手段を有するととも
に、その構成が簡易でかつ安価な放射線治療装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の放射線治療装置は、線源Sより
発生した放射線の照射野を規定する照射野絞り222を
有するが、この照射野絞り222は、その各々が互いに
並設された複数の板状リーフ100により構成されるマ
ルチリーフコリメータ224A及び224Bと、前記複
数の板状リーフ100を、X軸方向(紙面垂直方向)に
沿って相互に摺動可能とする駆動機構(歯車104a・
104b、駆動軸103、駆動源102等)と、前記マ
ルチリーフコリメータ224A及び224Bを、前記X
軸方向と直交するY軸方向に移動可能とする移動機構
(長孔107a、ベアリング108等)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線治療装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線を癌や腫瘍等の病変部に照
射することにより、当該病変部の組織細胞を破壊した
り、分裂阻止等することで、その治癒を目指す放射線治
療が広く行われるようになっている。ここで、放射線と
しては、例えば直線加速器(リニアアクセラレータ=L
INAC)によって加速された電子を、所定の対電子線
ターゲット(タングステン、金、白金等)(以上、放射
線源)に照射することで発生するX線、等が広く利用さ
れる。
【0003】ところで、このような放射線治療を実施す
るにあたっては、上記病変部に対する十分な治療効果を
得るために相応の放射線照射(ないし線量)が必要であ
るとともに、病変部以外の他の正常組織に関しては、障
害が発生しないように、その許容線量を超えるような放
射線照射は可能な限り行わない、という条件を満足しな
ければならない。このとき特に、病変部の近傍に、放射
線に対して高感受性を有する組織(例えば、甲状腺や眼
球(水晶体))が存在する場合においては、より高度の
注意が必要となる。
【0004】したがって、放射線治療を実際に開始する
前には、上記条件を満足するため、病変部の位置、大き
さ、形状、数等を正確に把握し(病変部の特定)、それ
に基づき放射線を照射する領域(照射野)、照射角度、
照射門数等を決定して、当該病変部に放射線が集中する
よう、かつ、当該病変部周囲の線量分布が適当なものと
なるような放射線治療計画を策定する必要がある。そし
て、実際の放射線治療は、このように策定された放射線
治療計画に基づいて実施されることになる。
【0005】ここで、放射線治療装置において、放射線
の照射野等を上記計画に基づき実際に限定するために
は、従来、例えば図7に示すようなマルチリーフコリメ
ータ50等が使用されていた。これによれば、二組のリ
ーフ群を構成する複数の板状リーフ51が、各別に、か
つ、その長さ方向に沿って接近又は離反するよう(図中
矢印Z1及びZ2参照)に移動することにより、X線の
照射領域を任意に規定することが可能である。なお、放
射線源は、紙面に対して垂直上方(又は下方)に位置し
ており、被検体は同じく垂直下方(又は上方)に配置さ
れているものと考えればよい。
【0006】このようなマルチリーフコリメータ50に
よれば、図7に示すように、病変部Tの形状にほぼ合致
した照射形状を規定することが可能となり、上述したよ
うな条件をほぼ満足することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
放射線治療装置においては、次のような問題点があっ
た。すなわち、上記マルチリーフコリメータ50の利用
による照射野形状の規定は、確かに効果的な面を有する
ものの、図7からもわかるように、正常組織に放射線が
照射されてしまう部分(図中、符合N参照)をどうして
も残してしまうことが避けられないという問題があっ
た。そして時に、この領域Nを無視し得ぬほど大きなも
のとして残さざるを得ない場合も生じていた。
【0008】上記のような不具合を回避するためには、
例えば各板状リーフ51の幅W(図7参照)を小さく
し、マルチリーフコリメータをより多くのリーフにより
構成することが考えられる。しかしながら、板状リーフ
51を、いま述べたようにいわば「細分化」することに
は、該リーフ51一枚一枚の加工が困難となるととも
に、製作後の板状リーフ51において、「反り」が発生
する等の問題が生じるおそれがある。加えて、上記細分
化されたすべての板状リーフ51を各々単独で動作させ
るためには、それら各々について、支持機構、駆動機構
及び位置検出機構を設けなければならないから、装置が
複雑化し、その組立てあるいは調整を困難とするととも
に、コスト上昇(高価化)を招く。
【0009】また、別の手法としては、上記マルチリー
フコリメータ50を、放射線照射方向に沿って複数段配
置すること、すなわち図7で言えば、紙面垂直方向に沿
って図示しないもう一つのマルチリーフコリメータを配
置すること等が考えられる(例えば特公昭7−6749
1号公報、参照)。このようにすれば、図7で残された
領域Nについては、そのもう一つのマルチリーフコリメ
ータにより対処するようにすれば、殆ど病変部Tのみを
対象とした放射線照射を実施することが可能となる。
【0010】しかし、このような手法によると、装置構
成の複雑化がやはり避けられず、したがって装置に係る
コスト上昇を招くことに変わりはない。また、上記もう
一つのマルチリーフコリメータを設けるに相当する分だ
け装置全体の容積を大きくしなければならないか、又は
その厚さに相当する分だけ、当該コリメータから被検体
までの距離を狭めなければならないという問題がある。
後者の場合では、被検体に無用な圧迫感を与えることと
なる。
【0011】なお、このような問題点を回避するため、
各段のコリメータの厚さを小さくすることで、複数段の
コリメータ全体の厚さを、従来の1段のコリメータの厚
さに相当させるような設置手法も考えられるが、この場
合においては、例えば複数段のうちの1段のコリメータ
のみでX線遮蔽に対処する場合のあり得ること(上記領
域N等についてはまさしく該当する)を考えれば、その
部位における適当な遮蔽効果が得られなくなり、被検体
に対し余分な被曝をさせてしまうことになる。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、放射線の照射領域を
病変部形状にほぼ完全に合致させることの可能な照射規
定手段を有するとともに、その構成が簡易でかつ安価な
放射線治療装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために以下の手段をとった。すなわち、請求項1記
載の放射線治療装置は、線源より発生した放射線の照射
野を規定する照射野規定手段を有する放射線治療装置に
おいて、前記照射野規定手段は、その各々が互いに並設
された複数のリーフにより構成されるマルチリーフコリ
メータと、前記複数のリーフを、所定の方向に沿って相
互に摺動可能とする駆動機構と、前記マルチリーフコリ
メータを、前記所定の方向とは異なる方向に移動可能と
する移動機構とを有することを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2記載の放射線治療装置は、
請求項1記載の同装置において、前記複数のリーフにお
ける摺動及び前記マルチリーフコリメータにおける移動
のうち少なくとも一方は、前記線源及びその近傍を中心
とした球面上で定義される円弧軌道に沿って行われるこ
とを特徴とする。
【0015】さらに、請求項3記載の放射線治療装置
は、請求項1記載の同装置において、前記駆動機構は、
前記複数のリーフの各々に形成された歯列に歯合する歯
車と、該歯車を接続する駆動軸と、前記歯車及び前記駆
動軸に動力を伝達する駆動源とからなり、前記駆動軸
は、外筒及び内筒から構成された多重筒構造を有すると
ともに、前記複数のリーフが本来あるべき配置からずれ
ることを防止するローラを備えていることを特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に
係る放射線治療装置の構成例を示す概要図である。図1
において、この放射線治療装置1は、被検体が載置され
る治療台21、回転架台22及び該架台22を回動可能
に支持する回転支持台23から構成されている。
【0017】先ず簡単に、治療台21は、被検体の体軸
方向(図1中矢印Aの方向)に移動可能とされた天板2
11が備えられているとともに、図1中矢印Bに示すよ
うに、上下動が可能である。また、この治療台21は、
図1中矢印Cに示すように、天板211の面が設置面と
平行な関係を保つ回転動等が可能となっている。また、
回転支持台23は、後述する略L字状立体となる回転架
台22における、照射ヘッド221を備えない方の腕2
2aを、図1に示すように、回動軸231によって矢印
Dに示すような回転を可能に支持する。なお、この回動
軸231の軸線(図中一点鎖線)と前記照射ヘッド22
1の回転(後述)の軸線(図中同じく一点鎖線)とが交
差する点は、この放射線治療装置1上における「アイソ
センタ」に該当する。
【0018】回転架台22は、図1に示すように、その
断面が略L字状の立体であり、該L字の一端にはX線を
被検体に対して照射する照射ヘッド221を備えてい
る。照射ヘッド221には、図示しない電子加速器や対
電子線ターゲット等が内設されている。被検体に照射さ
れるX線は、前記電子加速器により加速された電子が、
前記対電子線ターゲットに照射されることで発生する
(以下、X線発生に関与する上記電子加速器及び対電子
線ターゲット等からなる構成を、単に「線源」とい
う)。
【0019】照射ヘッド221にはまた、図2又は図3
にその概略を示すように、上記発生したX線を被検体に
対してどのような領域で照射するかを規定する、照射野
絞り(照射野規定手段)222が設けられている。この
照射野絞り222は、一対の絞りブロック223A及び
223Bと、該絞りブロック223A及び223Bの図
中下方に配置されるとともに、やはり一対に設けられ
た、複数の板状リーフ100からなるマルチリーフコリ
メータ224A及び224Bとから構成されている。
【0020】なお、図2において、図中左右方向は被検
体の体軸方向に一致するY軸方向、紙面垂直方向はX軸
方向である。また、図3は、これとちょうど逆の関係と
なる。さらに、図2及び図3中における符合Sは上記線
源に該当し、図示しない被検体は前記照射野絞り222
を挟んで前記線源Sと対向する図中下方に位置すること
となる(図1参照)。ただし、回転架台22は、上述し
たように、回転支持台23に対して回転可能であるか
ら、前記照射野絞り222が線源Sと被検体の間に位置
することに変わりはないが、放射線治療装置1全体から
見た照射ヘッド221と被検体の位置関係は適宜変更
(つまり、被検体の下方に線源Sが存在する等)し得る
ようになっている。
【0021】一対の絞りブロック223A及び223B
の各々は、図2及び図3に示す如く、いわば「単一体」
の構成となっており、その材質は例えばタングステン等
で構成されている。そして、一方の絞りブロック223
A(又はB)は、他方の絞りブロック223B(又は
A)に対し、図2中左右方向、すなわちY軸方向(被検
体体軸方向)に沿って接近するように、又は離反するよ
うに移動することが可能となっている。なお、本実施形
態における絞りブロック223A及び223Bは、上記
移動が、図2に示すように、線源Sを中心とした球面上
で定義される円弧軌道に沿って行いうるようになってい
る(なお、この文脈にいう「線源Sを中心とした」と
は、「線源Sの近傍点を中心とした」を含む。以下同
じ。)。このことは、線源Sから発生するX線が放射状
となることを鑑みるに、より適切な照射野規定の実施、
例えば、発生したX線に関し「けられ」る部分を生じさ
せることなく、そのエネルギを無駄なく被検体に到達さ
せること等を可能とする。
【0022】一方、マルチリーフコリメータ224A及
び224Bは、図2に示すように、その各々が、複数の
板状リーフ100により構成されている。これら板状リ
ーフ100の具体的形状は、その断面が、図2に示すよ
うにテーパ状とされるとともに、その側面が、図3に示
すように短周長のアーチ状とされている。また、その材
質は、上記絞りブロック223A及び223Bと同様、
タングステン等により構成し得る。
【0023】また、上記複数の板状リーフ100は、そ
れら各々の面が互いに向かい合う、あるいは接するよう
に並設されている。そして、上記板状リーフ100の面
にはボール溝100aが形成されており、上記併設され
た板状リーフ100間には前記ボール溝100aに係合
するようにボール101が備えられている。
【0024】なお、上記にいう「テーパ状」とは、図2
に示されているように、線源Sを一端点として、ここか
ら、放射状かつ図示しない被検体の存する方向(=図中
下方)に伸びる複数の直線(いわゆる「治療線錐」)を
想定した場合に、当該複数の直線に、前記併設された複
数の板状リーフ100各々の前記面が接する(言い換え
れば、その面の法線が前記複数の直線に垂直となる)よ
うな形状のことをいう。したがって、一枚一枚の板状リ
ーフ100の断面形状が同じく「テーパ状」であるとい
っても、その具体的形状は、厳密には互いに相違するこ
ととなる。
【0025】さらに、これら複数の板状リーフ100の
下方辺縁部においては、図3に示すように、歯列100
bが形成されており、該歯列100bには、駆動源10
2と駆動軸103(図2参照)を介して接続された歯車
104(104a及び104b)が歯合されている(以
上、駆動源102、駆動軸103及び歯車104は、本
発明にいう「駆動機構」に該当する)。また、当該辺縁
部においては、ローラ105がこれに接するように設け
られている。このローラ105は、複数の板状リーフ1
00が、例えば「ばらける」(≒図2左右方向に「広が
る」)等その他本来あるべき配置からずれるような変動
を生じさせることがないように、これを制約するため
の、いわば「レール」としての役割等を担う。
【0026】また、上記駆動軸103は、図2又は後述
の図3に示すように、外筒103aと、その内部に挿通
された内筒103bとから構成され、これらそれぞれに
つき、上記歯車104a及び104bと駆動源102a
及び102bとが設けられている。すなわち、歯車10
4aに歯合された板状リーフ100は、駆動源102a
から外筒103aを介して伝達される動力により駆動
し、歯車104bに歯合された板状リーフ100は、駆
動源102bから内筒103bを介して伝達される動力
により駆動されるようになっている。
【0027】さらに、本実施形態における上記ローラ1
05は、前記駆動軸103に対し、前記歯車104とと
もに設けられている。また、当該駆動軸103の一端に
はエンコーダ106が備えられている。このことによ
り、板状リーフ100の移動量の検知、すなわちその位
置の検出を行うことが可能となっている。なお、図にお
いては、4枚の板状リーフ100についてのみ、上記歯
車104、駆動軸103等の駆動機構について図示して
いるが、残る板状リーフ100についても全く同様に駆
動機構が設けられていることは言うまでもない。
【0028】このように本実施形態における板状リーフ
100の駆動機構は、多重筒構造(外筒103a及び内
筒103b)を有することにより、よりコンパクトに構
成することが可能であるとともに、当該構造はローラ1
05をも含んだ状態で実現されていることから、更なる
コンパクト化を図ることができる。
【0029】以上説明したような構成により、上記複数
の板状リーフ100は、各別に、かつ、その長さ方向、
すなわち図3に示すX軸方向(被検体体軸方向に直交す
る方向)(本発明にいう「所定の方向」に該当する。)
に沿って、接近する方向又は離反する方向に移動可能と
なっている。この際、この移動ないし板状リーフ100
間の摺動は、前記ボール101の存在により滑らかに行
われる。また、当該移動は、板状リーフ100が、上述
したように短周長「アーチ状」に形成されていることか
ら、上記絞りブロック223A及び223Bと同様に、
線源Sを中心とした球面上で定義される円弧軌道上に沿
ったものとして実現される。そして、このことにより、
上記と同様な効果、つまり線源Sから発生するX線が放
射状であることに応じた、適切な照射野規定の実施を可
能とする、という効果を享受し得る。
【0030】さて、本実施形態におけるマルチリーフコ
リメータ224に関しては、以上の構成の他、次に記す
ような構成をも備えている。すなわち、図4に示すよう
に、当該マルチリーフコリメータ224(=224A及
び224B)を支持する支持体107につき、略円弧状
の長孔107aと該長孔107aに嵌合されたベアリン
グ108等を備えている。また、このような支持体10
7に対しては、図4中左右方向に、前記マルチリーフコ
リメータ224諸共、該支持体107に力を作用させる
ことの可能な図示しない動力源が備えられている(以
上、長孔107a、ベアリング108及び動力源等は、
本発明にいう「移動機構」に該当する。)。この動力源
としては、例えば支持体107の両側面を単純に押圧す
るシリンダー等を備える機構等を用意すればよい。ま
た、上記ベアリング108周囲に直接に動力を与える機
構を備えるような構成としてよいことは勿論である。
【0031】以上のような構成から、マルチリーフコリ
メータ224は、上記絞りブロック223A及び223
Bと同様な、Y軸方向かつ円弧軌道に沿った移動を行う
ことが可能となる。つまり、本実施形態におけるマルチ
リーフコリメータ224においては、その構成要素たる
板状リーフ100が、図3中左右方向、すなわちX軸方
向に沿った円弧状の移動を行うことが可能であるととも
に、該マルチリーフコリメータ224一体としては、図
4又は図2中左右方向、すなわちY軸方向に沿った円弧
状の移動を行うことが可能となっている。
【0032】なお、照射野絞り222は図示しない回動
機構を有し、図1に示す矢印Eに示すような回動が可能
とされている。このことにより、本実施形態において
は、前記絞りブロック223及びマルチリーフコリメー
タ224の角度(ないし回転)位置の調整を通して、X
線照射領域の調整を行うことも可能となっている。ま
た、このような回転可能な照射野絞り222と回転架台
22とは電力ケーブルにより接続され、この電力ケーブ
ルを介して送られた電力は、例えば絞りブロック223
やマルチリーフコリメータ224の板状リーフ100を
駆動させるため等に使用される。ちなみに、上記電力ケ
ーブル70は、図5に示すような円形状の収納フレーム
71内に配列され、前記接続は、該フレーム71内に設
けられる軌道レール72やケーブル処理機構73を介し
電力ケーブル70を導いて実現される。このような構成
により、照射野絞り222の回転により電力ケーブル7
0が絡まる等といった事態を回避することができる(な
お、この点についての詳細は、特願平11−24000
0号公報を参照されたい)。
【0033】また、上記したような放射線治療装置1に
対しては、被検体内の病変等に対し如何に放射線を照射
すべきか、すなわち照射野、照射角度、照射門数等を決
定し放射線治療計画を策定するために、X線シミュレー
タ、あるいはX線CT装置(いずれも不図示)等が付設
される。ここに治療計画の策定とは、より具体的には、
例えば上記マルチリーフコリメータ224を構成する各
リーフ100をどのように位置付けるか等の決定を行う
ことを意味する。
【0034】ちなみに、上記X線CT装置等によれば、
よく知られているように、被検体の断層像やDRR像等
を撮像することが可能であり、装置使用者は、これらの
像に基づき前記照射野等の決定を行うことが可能であ
る。また、該X線CT装置等は、図示しない信号線によ
って上記放射線治療装置1と互いに接続され、上記断層
像等に基づき策定された放射線治療計画ないしそのシミ
ュレート結果等は、前記信号線を介して、放射線治療装
置1に設けられる又は同装置1とは別途に設けられる照
射条件記憶装置(不図示)に転送されるようになってい
る。放射線治療装置1はこれに基づき、被検体に対する
放射線照射を実施する。
【0035】以下では、上記構成例となる本実施形態の
放射線治療装置についての作用効果に関する説明を行
う。なお、本実施形態は、照射野絞り222、とりわけ
マルチリーフコリメータ224の移動に関し特徴がある
ものであるから、以下では、この点を中心とした説明を
行うこととする。
【0036】すなわち、まず図6(a)に示すように、
従来の通り、板状リーフ100の移動のみによって病変
部Tの形状に則した照射形状を規定する場合を考える。
この際、各板状リーフ100を実際に移動させる場合に
は、当該移動は、上記歯車104、駆動軸103等によ
り実現され、また、その移動量はローラ105、エンコ
ーダ106により検出される。
【0037】ところで、このような場合においては、既
に説明したように、病変部Tの形状に概ね合致した照射
野形状の規定を実施することが可能ではあるが、図6
(a)に示すように、正常組織に放射線が照射されてし
まう部分ないし領域Nが多く残されてしまう場合があ
る。
【0038】ここで、本実施形態におけるマルチリーフ
コリメータ224は、上述したように、Y軸方向につい
ても移動が可能な構成を擁しているから、図6(a)の
ような場合において、図6(b)に示すように、マルチ
リーフコリメータ224を一体として、図中矢印Qに沿
った移動をさせることが可能である。図においては、マ
ルチリーフコリメータ224A及び224Bのいずれに
ついても、板状リーフ100の幅Wの約半分の長さに該
当する分だけの移動が実現されていることがわかる。そ
して、この移動に伴い、板状リーフ100のX軸方向に
関する位置決めが、病変部Tの形状に一致するよう、改
めて調整される。
【0039】このように、本実施形態においては、より
適切な照射野形状の設定、すなわち上記領域Nの面積が
より少ない状態であって、病変部T形状にほぼ完全に合
致させることの可能な、各板状リーフ100のあるべき
位置の設定を行うことができる。しかも、本実施形態で
は、その構成において、実質的に支持体107に設けた
長孔107a及び図示しない動力源等のみを設け、その
作用においてマルチリーフコリメータ224のY軸方向
の移動を実現することのみによって、上記効果の享受を
可能としている点、特筆し得る。つまり、本実施形態に
係る放射線治療装置1は、構成が簡易で、かつ安価であ
るにもかかわらず、上記効果を達成ないし享受し得るも
のである。
【0040】ところで、上記のような効果をよりよく享
受し得るためには、図5を参照して説明したように、マ
ルチリーフコリメータ224のY軸方向に関する移動
が、板状リーフ100の幅Wよりも小さい値を単位とし
て行われるように、あるいはその位置決めの精度が当該
幅W以下であるような構成となるようにしておくことが
好ましい。このようにしておけば、照射野形状規定にお
ける、いわば「分解能」(Y軸方向に関する)を、より
高める結果となるからである。
【0041】また、上記ではマルチリーフコリメータ2
24A及び224Bが一体的に移動する場合について述
べたが、場合によっては、マルチリーフコリメータ22
4Aのみの移動、又は同224Bのみの移動というよう
に、各々別個に移動可能な構成とすることも考えられよ
う。
【0042】さらに、上記説明においては、板状リーフ
100のX軸方向の移動及びマルチリーフコリメータ2
24一体としてのY軸方向の移動のみに関して述べた
が、上記照射ヘッド221の回転移動をも加味して、病
変部T形状によりよく合致する態様を見つけるようにし
てよいことは勿論である。加えて、上記では、絞りブロ
ック223A及び223Bの作用について特に述べなか
ったが、図2から明らかなとおり、これらを図中左右方
向に適当量移動させておくことで、大まかな照射野規定
を実施することが可能であり、本実施形態におけるマル
チリーフコリメータ224A及び224Bによる照射野
規定の以前に、その効果をよりよく達成するための存在
として、有意義な役割ないし作用効果を有していること
は言うまでもない。
【0043】なお、上記実施形態においては、マルチリ
ーフコリメータ224を構成する板状リーフ100は、
「テーパ状」とされていたが、本発明は、このような形
態に限定されるものではない。例えば、その断面が単な
る長方形状の、いわゆる「平行絞り」と称される板状リ
ーフを使用するようにしてもよい。
【0044】また、上記マルチリーフコリメータ224
及び絞りブロック223は、線源Sを中心とする球面上
で定義される円弧軌道に沿って移動可能であるとした
が、本発明ではこれに代え、単に平行移動するような構
成を採用してもよい。このことは、本発明に関するマル
チリーフコリメータ224のY軸方向の移動に関しても
該当する。すなわち、上記では、円弧状の長孔107a
に沿ってマルチリーフコリメータ224が移動するよう
になっていたが、これに代えて、単なる「長方形状」の
長孔を設けるような構成としてもよい。
【0045】その他、上記実施形態において述べた、回
転架台22の具体的形状や、駆動機構あるいは移動機構
等その他各構成の具体的形態等についても、本発明が上
記事項に限定解釈されるいわれはない。いずれにして
も、互いに異なる軸方向に移動するマルチリーフコリメ
ータにより達成される効果が、同様に認められるのであ
れば、上記事項に関し適宜変更を加えてよいことはいう
までもない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射線治
療装置によれば、放射線の照射領域を病変部形状にほぼ
完全に合致させることが可能であるとともに、このよう
なことを、簡易な構成で、かつ安価に、実現することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る放射線治療装置の構
成例を示す概要図である。
【図2】 照射野絞りの具体的構成例を示す概要図であ
る。
【図3】 図2を正面図とした場合の、その側面に係る
構成例を示す概要図である。
【図4】 マルチリーフコリメータのY軸方向移動を可
能とする機構の構成例を示す概要図である。
【図5】 照射野絞りに接続される電力ケーブルを収納
するフレームの構成例を示す概要図である。
【図6】 本実施形態における照射野絞り、とりわけマ
ルチリーフコリメータの作用を説明す説明図である。
【図7】 従来の照射規定の様子を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1 放射線治療装置 21 治療台 211 天板 22 回転架台 221 照射ヘッド 222 照射野絞り(照射野規定手段) 223A、223B 絞りブロック 224A、224B マルチリーフコリメータ 23 回転支持台 231 回動軸 100 板状リーフ 100a ボール溝 100b 歯列 101 ボール 102 駆動源 103 駆動軸 103a 外筒 103b 内筒 104、104a、104b 歯車 105 ローラ 106 エンコーダ 107 支持体 108 ベアリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線源より発生した放射線の照射野を規定
    する照射野規定手段を有する放射線治療装置において、 前記照射野規定手段は、その各々が互いに並設された複
    数のリーフにより構成されるマルチリーフコリメータ
    と、 前記複数のリーフを、所定の方向に沿って相互に摺動可
    能とする駆動機構と、 前記マルチリーフコリメータを、前記所定の方向とは異
    なる方向に移動可能とする移動機構とを有することを特
    徴とする放射線治療装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のリーフにおける摺動及び前記
    マルチリーフコリメータにおける移動のうち少なくとも
    一方は、前記線源及びその近傍を中心とした球面上で定
    義される円弧軌道に沿って行われることを特徴とする請
    求項1記載の放射線治療装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動機構は、前記複数のリーフの各
    々に形成された歯列に歯合する歯車と、該歯車を接続す
    る駆動軸と、前記歯車及び前記駆動軸に動力を伝達する
    駆動源とからなり、 前記駆動軸は、外筒及び内筒から構成された多重筒構造
    を有するとともに、前記複数のリーフが本来あるべき配
    置からずれることを防止するローラを備えていることを
    特徴とする請求項1記載の放射線治療装置。
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