JP2002186676A - 絞り装置および該絞り装置を用いた放射線治療装置 - Google Patents

絞り装置および該絞り装置を用いた放射線治療装置

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JP2002186676A JP2000389729A JP2000389729A JP2002186676A JP 2002186676 A JP2002186676 A JP 2002186676A JP 2000389729 A JP2000389729 A JP 2000389729A JP 2000389729 A JP2000389729 A JP 2000389729A JP 2002186676 A JP2002186676 A JP 2002186676A
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aperture
radiation
plate
irradiation field
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Iwao Miyano
巌 宮野
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1042X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy with spatial modulation of the radiation beam within the treatment head

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、多分割絞り装置を大型化
させることなく、多分割絞り装置のみで放射線の照射野
を所望の形状に制限することが可能な技術を提供するこ
と。 【解決手段】 平板状の絞り板を複数積層して絞りブロ
ックを形成し、各絞り板の位置を変えることによって、
中心部に孔を形成する放射線照射用の絞り装置におい
て、前記絞り板は複数の柱状体を積層して形成され、前
記柱状体が相互に延在方向に摺動可能に構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞り装置および該
絞り装置を用いた放射線治療装置に関し、特に、多分割
絞り装置における絞り板の形状及び配列並びにその荷重
支持及び駆動機構に適用して有効な技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線治療装置は、たとえば、特
願平7−314901号公報の「放射線治療装置の多分
割絞り装置」に記載されるような絞り装置を照射ヘッド
内に有していた。この絞り装置は、マイクロトロンある
いは加速管等の高エネルギー電子加速器で発生させた高
エネルギーX線ビーム(以下、放射線ビームと記す)の
照射野を制限することによって、癌等の患部以外の部位
への放射線の照射を防止していた。
【0003】この絞り装置は、放射線源から発した放射
線ビームを円錐状に絞るための円錐形開口部を有する固
定円錐絞り装置と、その下で放射線ビームの照射野を形
成する可動絞り装置とから構成されていた。これら固定
円錐絞り装置と可動絞り装置とは、高エネルギーの放射
線ビームを規定の漏洩線量以下に遮蔽するために、タン
グステン合金や鉛などの重金属でできていた。可動絞り
装置は、単体ブロック状絞りが2段に、互いに直交する
方向に配置されたものであり、その構造から形成可能な
照射野は、矩形照射野のみであった。
【0004】この可動絞り装置に対して、単体ブロック
状絞りの一方を複数の絞り板に分割し、それぞれの絞り
板が独立して移動可能となっている多分割絞りと、単体
ブロック状絞りとを組み合わせた多分割絞り装置があっ
た。この多分割絞り装置は絞り板の分割数と幅寸法に応
じて、複雑な形状の照射野を自由に形成することができ
た。
【0005】このために、近年放射線治療においては、
従来の矩形照射野のみを形成する単体ブロック状絞りに
変わって、複雑な形状の照射野が自由に形成できる多分
割絞り装置を用いた治療が主流となっていた。従来の多
分割絞り装置は、絞り板の構造とその駆動法の違いによ
り、2種類の方式に大別されていた。
【0006】第1の方式の多分割絞り装置は、多分割絞
りを構成する絞り板の動作方向が放射線源を中心とする
円周方向に形成されたものであり、各絞り板はこの円周
方向に円弧運動するように配置されたものであった。こ
の多分割絞りに関する従来例としては、たとえば特願平
6−12260号広報の「放射線治療装置の多分割絞り
駆動機構」があった。
【0007】第2の方式の多分割絞り装置は、多分割絞
りの絞り板の動作方向がビーム中心軸に対して垂直とな
る方向に形成されたものであり、各絞り板はこの方向に
直線運動するように配置されたものであった。この多分
割絞りでは、隣接する絞り板の断面の側面傾斜方向が、
放射線源に向かう形状になっており、従来例としては、
たとえば特願平7−314901号広報の「放射線治療
装置の多分割絞り装置」があった。
【0008】第1の方式の多分割絞り装置の場合、絞り
板前面も放射線源に向かう平面形状になっているため、
絞り板が放射線源を中心とする円弧運動しても、常に絞
り板の前面が放射線源を向いていた。この第1の方式の
多分割絞り装置は、直交する二方向の面が、幾何学的
に、焦点である放射線源を向いていることから、この方
式の絞り板形状は「ダブルフォーカス」と称されてい
た。また、従来の多分割絞り装置は単体ブロック状の絞
り対が必ず組み合わされ、多分割絞り装置は補助的な絞
りとして使用されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。近
年、IMRT(Intensity Modulate
d Radiation Therapy)と呼ばれる
最新の治療法が提案され実用化されつつある。このIM
RTは、限局された治療標的となる病変部に応じた適切
な量の放射線を短時間に照射することによって、治療用
の放射線が正常細胞に及ぼす影響を少なくし、治療精度
と共に治療効率を向上させるものであった。
【0010】このために、IMRTでは、放射線を連続
的に照射しながら、多分割絞り装置の各絞り板の位置と
移動速度とをそれぞれの絞り板ごとに独立に変化させる
方法、あるいは照射野を分割し、分割された照射野ごと
に照射時間と照射野形状とを断続的かつ段階的に変える
方法のいずれかによって、最終的に病変部に照射される
放射線の線量強度分布に、複雑で精密な時間的かつ空間
的な強弱を付加する必要があった。
【0011】しかしながら、従来の第1の方式の多分割
絞り装置は、円錐状に広がる放射線ビームに対して、絞
り板が常に同じ方向を向く構成となっているので、絞り
板の遮蔽効果が均一で半影を小さくでき、照射野におけ
る絞り端部近傍での線量強度分布の変化がより鮮明なも
のにできるが、第2の方式の多分割絞り装置よりも機構
が複雑になると共に、絞り板の軌道が円弧状軌道となる
ので、装置自体が大型化してしまうという問題があっ
た。
【0012】一方、第2の方式の多分割絞り装置は、絞
り板の移動によって絞り板に対する放射線ビームの角度
が変化してしまうために、絞り板の遮蔽効果が変化し、
特に絞り板の前面の半影が大きく変化してしまってい
た。このために、照射野における線量分布が劣ったもの
になってしまうという問題があった。
【0013】この第2の方式の多分割絞り装置における
問題を解決する方法として、絞り板の移動速度と位置と
を制御することによって、絞り板の前面での遮蔽効果を
補正する方法があった。しかしながら、この制御は複雑
なために、補正のための計算時間が絞り板の移動速度の
遅れを生じさせてしまうという問題があった。さらに
は、照射野端部における治療精度を直観的に把握できな
いために、実際に補正が正しく行われていることの確認
は、治療計画装置などのシミュレーションによって間接
的にチェックすることのみであり、実際に補正が正確に
行われているか懸念されていた。
【0014】さらには、第1及び第2のいずれの方式の
場合にあっても、多分割絞り装置とともに構造的に異な
る単体ブロック状絞りを必要としていたので、それぞれ
個別に位置と速度を制御しなければならないという不便
さがあり、これは多分割絞り装置全体の照射野の制御速
度を低下させてしまうという問題があった。
【0015】本発明の目的は、多分割絞り装置を大型化
させることなく、多分割絞り装置のみで放射線の照射野
を所望の形状に制限することが可能な技術を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、照射野における線量分
布を劣化させることなく、所望の速度で所望の照射野形
状を設定することが可能な技術を提供することにある。
本発明のその他の目的は、治療効率を向上することが可
能な技術を提供することにある。本発明の前記ならびに
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付
図面によって明らかになるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0017】(1)平板状の絞り板を複数積層して絞り
ブロックを形成し、各絞り板の位置を変えることによっ
て、中心部に孔を形成する放射線照射用の絞り装置にお
いて、前記絞り板は複数の柱状体を積層して形成され、
前記柱状体が相互に延在方向に摺動可能に構成された。
【0018】(2)前述した(1)の絞り装置におい
て、1枚の絞り板を構成する前記複数の柱状体はリンク
機構で連結されており、前記孔を形成する前記柱状体の
端部が当該絞り装置により遮蔽される放射線の広がりに
沿うように、前記リンク機構で摺動される。
【0019】(3)前述した(1)もしくは(2)に記
載の絞り装置において、前記柱状体は放射線照射方向の
厚さが等しく形成されている。
【0020】(4)前述した(1)乃至(3)の内の何
れかに記載の絞り装置において、前記絞りブロックは隣
接する絞り板との間に所定の間隔が設けられ、該絞りブ
ロックを複数段配置することによって、前段の絞りブロ
ックを通過した放射線を後段に配置される絞りブロック
で遮蔽する。
【0021】(5)前述した(1)乃至(4)の内の何
れかに記載の絞り装置において、前記絞り板の位置を移
動する手段と、該絞り板の移動位置に応じて前記柱状体
の相互の位置を揺動する手段とを備える。
【0022】(6)放射線を発生し被検体に照射する照
射手段と、該放射線の形状を制限する絞り手段とを有す
る放射線治療装置において、前記絞り手段は、複数の柱
状体を積層し各柱状体が相互に延在方向に摺動可能に構
成された絞り板を具備し、該絞り板の位置を変えること
により中心部に孔を形成すると共に、前記柱状体相互の
位置を変えることにより前記放射線の広がりに沿った孔
を形成して放射線の形状を制限する。
【0023】前述した手段によれば、複数の柱状体を積
層して絞り板を形成すると共に、該柱状体が相互に延在
方向に摺動可能となるように形成されている。従って、
絞り板の移動に伴って、絞り板を構成する各柱状体を絞
り板の移動方向すなわち柱状体の延在方向に動かして絞
り板前面の形状を変化させ、各柱状体の前面が線源に向
かう位置に設定することができるので、後述する原理の
項に説明するように、絞り板が移動した場合であっても
絞り板前面形状による半影を常に少なくすることができ
る。その結果、多分割絞り装置を大型化させることな
く、多分割絞り装置のみで放射線の照射野を所望の形状
に制限することが可能となる。また、照射野における線
量分布を劣化させることなく、所望の速度で所望の照射
野形状を設定することが可能となる。また、前述の効果
に加えて、円弧運動する方式の絞り装置と同じ「ダブル
フォーカス」機能を、後述する原理の項に説明するよう
に、直線運動する方式の絞り装置と同等のスペースで実
現することができる。
【0024】各柱状体をそれぞれ単独の駆動源により駆
動することによって、自由に絞り板の形状を変化させ、
形状の組み合わせで、絞りの遮蔽効果を意図的に変える
ことも可能である。このような構成とした場合、従来の
放射線治療装置では不可能であった放射線の照射を行う
ことができるので、従来の治療法にはない、新しい治療
効果を期待することもできる。例えば、従来の治療法で
は、照射野内の線量分布に意図的な傾斜を付加するため
に、絞り装置と楔状フィルターとを組み合わせて用いて
いるが、本発明によれば、絞り板の前面の形状を変える
だけで、楔状フィルターと同じ線量分布を実現すること
ができるだけでなく、それ以外の、より複雑な線量分布
を、絞り装置の照射野全体にわたって意図的に作り出す
ことができる。さらには、従来の絞り装置とともに用い
られていた楔状フィルターが不要になり、絞り装置を収
納する照射ヘッドの構造を簡略化できるという効果もあ
る。
【0025】また、1枚の絞り板を構成する複数の柱状
体はリンク機構で連結され、該リンク機構が放射線の広
がりに沿った孔を形成するように、柱状体の揺動を規制
することによって、絞り板の移動すなわち孔の移動に伴
って自動的に、絞り板前面の形状が線源を向く位置とな
るようにできる。
【0026】リンク機構による各柱状体の連結手法とし
ては、例えば、放射線源に最も近い側の柱状体と最も遠
い側の柱状体とを、後述する原理の項に説明するよう
に、移動させると共に、この移動に伴って他の柱状体が
順次移動されるようにリンク機構によって連結する。そ
の結果、各柱状体がビーム中心軸に対して同じ角度で、
放射線源からの垂直距離に応じて水平方向に移動し、絞
り板の上(放射線源に近い側)から下(放射線源から遠
い側)にかけて均等な差動を生じることになる。従っ
て、すべての柱状体が絞り板前面の形状による半影を少
なくする位置に自動的に移動することとなる。
【0027】また、隣接する絞り板との間に所定の間隔
を設けることによって絞りブロックを形成し、該絞りブ
ロックを複数段配置することによって、前段の絞りブロ
ックを通過した放射線を後段に配置される絞りブロック
で遮蔽する構成とする、例えば隣接する絞り板を一枚お
きに上下で互い違いに配列することによって、隣接する
絞り板同士が接触することを防止できると共に、絞り板
同士の側面の隙間を無くして完全に放射線を遮蔽するこ
とができる。さらには、対向する絞り板同士について、
一方の絞り板を、ビーム中心軸を超えてオフセットした
位置に置き、もう一方の絞り板を、両者の前面の段差が
重なり合う位置に設定することで、絞り板前面の隙間を
完全に遮蔽することができるので、絞り板の側面と前面
を完全に遮蔽することができる。
【0028】その結果、多分割絞りの分割数を増やして
絞りの幅を(照射野での幅を10mm以下程度に)小さ
くすることで、多分割絞りの側面部及び前面部だけで両
方向の照射野端部を形成することが可能となり、単体ブ
ロック状絞りを不要にできる。従って、絞り装置全体を
小型・軽量化し、コストを低減することができる。
【0029】また、IMRT治療法において、絞り装置
の制御が、多分割絞り装置の位置・速度の制御のみとな
るので、正確かつ迅速な治療が可能になる。さらには、
IMRT用の治療計画計算も簡単になり、操作性及び信
頼性を向上できる。
【0030】(原理)図12は絞り板を1枚で構成した
従来の絞り装置における絞りブロックの対向面と放射線
ビームとの関係を説明するための図であり、図13は本
願発明を適用した絞り装置における絞りブロックの対向
面と放射線ビームとの関係を説明するための図である。
ただし、以下の説明では、説明を簡単化するために絞り
板を等分割された複数の柱状体で構成する場合について
のみ説明する。
【0031】図12から明らかなように、絞り板が直線
運動する方式である第2の方式の多分割絞り装置は、絞
り板の前面(対向面)が線源に向かう位置にあるために
は、下記の式1の条件を満足しなければならない。
【0032】 tanθ=r1/L1=r2/L2=r/L ・・・式1 ただし、θはビーム中心軸310と絞り板203の前面
のなす角度、r1,r2はそれぞれ絞り板203の上端
あるいは絞り板203の下端からビーム中心軸310ま
での水平方向(X軸方向)の距離、L1,L2はそれぞ
れ絞り板203の上端あるいは絞り板203の下端から
放射線源201までの垂直方向(Z軸方向)の距離、r
は照射野端1201からビーム中心軸310までの水平
方向(X軸方向)の距離、Lは放射線源201からアイ
ソセンタ301までの垂直方向(Z軸方向)の距離を示
す。
【0033】また、絞り板203の垂直方向(Z軸方
向)の厚さをdとした場合、絞り板203が直線運動す
る第2の方式の多分割絞り装置では、下記の式2が成立
する。 L2=L1+d ・・・式2 ここで、式1に式2を代入することにより、下記の式3
が得られる。
【0034】 r1/L1=r2/(L1+d) ∴ r2=((L1+d)/L1)×r1 ・・・式3 式3より、絞りブロックの上下端の水平距離r2−r1
は、下記の式4で表わされる。
【0035】 r2−r1=((L1+d)/L1)×r1−r1=(d/L1)×r1 ・・・式4 さらに、式1から下記の式5が得られる。
【0036】r1=(L1/L)×r ・・・式5 この式5と式3とから、絞りブロックを構成する絞り板
203の上下端間の水平距離r2−r1は、下記の式6
で表わされる。
【0037】 r2−r1=(d/L1)×(L1/L)×r=(d/L)×r ・・式6 式6において、d/Lは一定(定数)であるから、絞り
ブロックを構成する絞り板203の上下端間の水平距離
r2−r1は、ビーム中心軸310から照射野端120
1までの水平方向距離rに比例することになる。
【0038】また、式4から明らかなように絞りブロッ
クを構成する絞り板203の上下端間の水平距離r2−
r1は、絞り板203の上端からビーム中心軸310ま
での水平方向距離r1に比例することになる。これは、
絞り板203の上端からビーム中心軸310までの水平
方向距離r1に対して、絞り板203の下端位置が式3
または式4を満足する位置にある場合には、絞り板20
3の前面が放射線源201を向く位置にあることを意味
する。
【0039】ここで、図13に示すように、例えば絞り
板203を垂直方向にn個の柱状体202に等分割し、
放射線源201から各柱状体202の前面下端までの垂
直方向距離を、それぞれL21,L22,・・・,L2
nとし、ビーム中心軸310から各柱状体202の前面
上端までの水平方向距離を、それぞれr11,r12,
・・・,r1nとする。柱状体202が1個の垂直方向
厚さ(1/n)×dに対して、式2の関係が各柱状体2
02について成立することから、下記の式7−1〜式7
−nが成立する。
【0040】 L21=L1+(1/n)×d ・・・式7−1 L22=L21+(1/n)×d=L1+(2/n)×d ・・・式7−2 L2n=L2n−1+(1/n)×d=L1+(n/n)×d=L1+d ・・・式7−n ただし、式7−nは、式2と同じ結果である。
【0041】また、各柱状体202の厚さが等しいこと
から、幾何学的に、式4の関係が厚さ(1/n)×dの
各柱状体202について成立する。これは、下記の式8
−1〜式8−nで表現される。
【0042】 r12−r11=((1/n)×d/L1)×r11 ・・・式8−1 r13−r12=((1/n)×d/L1)×r11 ・・・式8−2 r2−r1n=((1/n)×d/L1)×r11 ・・・式8−n ここで、r11は図12におけるr1であることから、
式8−1から式8−nまでの左辺と右辺をそれぞれ合計
すると、下記の式9が成立する。
【0043】 r2−r11=r2−r1=((1/n)×d/L1)×r11×n=(d /L1)×r1 ・・・式9 この式9は、式4と同じであり、従って絞り板203を
柱状体202で等分割しても、式4の関係を満たすよう
に配置すれば、絞り板203の前面は放射線源201を
向くことになる。その結果、等分割された柱状体202
で構成された絞り板203が移動しても、絞り板203
の前面形状による半影を常に少なくすることができる。
【0044】次に、各柱状体202に共通した駆動源に
よる絞り板203の移動に連動して、放射線源201か
ら各柱状体202までの垂直方向距離に応じて、各柱状
体202が差動する関係について説明する。
【0045】図13で説明したように、等分割された柱
状体202で絞り板203を構成した場合、絞り板20
3の前面が放射線源201を向くためには、式3の関係
から、最も下側すなわち最も放射線源201から離れた
位置に配置される柱状体202の前面からビーム中心軸
310までの水平方向距離r2は、最も上側すなわち最
も放射線源201に近い位置に配置される柱状体202
の前面からビーム中心軸310までの水平方向距離r1
の、(L1+d)/L1倍でなければならないことが分
かる。
【0046】式3において、第2の方式の絞り装置によ
うに、絞り板203が直線運動する方式の場合、L1も
dも予め設定された定数であることから、r2がr1の
(L1+d)/L1倍となる関係は、絞り板203の位
置によらず成立する。ただし、r1は式5の関係からr
に比例するので、式3の関係自体は絞り板203の位置
に依存する。
【0047】従って、上下端の柱状体202が、絞り板
203の全体の移動に伴って、式3の関係を保って移動
する場合には、上下端の柱状体202の前面は、放射線
源201を向く傾斜を自動的に形成することになる。
【0048】すなわち、下側に配置される柱状体202
をその上側に配置される柱状体202に対して、(L1
+d)/L1倍の一定比率で移動するように駆動するこ
とによって、いわゆるダブルフォーカス機能を持った絞
り板203を駆動する駆動源を、各絞り板203ごとに
駆動源の数量を増やすことなく、従来と同じ1個で実現
できることとなる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0050】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の放射線治療装置の概略構成を説明するための図で
あり、101は治療用ガントリ、102は絞り装置、1
03は照射ヘッド、104は位置決め治具、105は治
療台、106はマイクロトロン本体、107は制御装
置、108は操作卓を示す。ただし、絞り装置102を
除く他の機構は周知の機構を用いる。
【0051】図1において、治療用ガントリ101は、
マイクロトロン本体106で加速させた高エネルギーの
電子ビームを変換して得たX線あるいは電子線等の放射
線ビームを、照射ヘッド103に設けた絞り装置102
で所定の照射野に制限して図示しない被検体の患部に照
射するための機構と共に、その照射位置を特定するため
の図示しない放射線ビーム位置モニタとを有している。
【0052】したがって、実施の形態1の放射線治療装
置では、検者は、位置決め治具104に搭載した図示し
ない被検体の体位が移動しないように固定し、次に、治
療台105を移動させて位置決め治具104を3次元で
移動させることによって、患部を放射線の照射位置に固
定する。次に、検者は、図示しないCT装置(断層撮影
装置)等で撮像した被検体のデータに基づいて、放射線
ビームの種類、強度、波長、照射角度および照射野等を
設定することによって、その設定データが制御装置10
7に出力される。制御装置107は、この設定データに
基づいて、マイクロトロン本体106を制御し放射線ビ
ームの強度を制御する。また、制御装置107は、治療
用ガントリ101の図示しない回転機構を制御してガン
トリ部分を床面に対して垂直な平面内に回転させること
によって、放射線ビームの照射角を制御する。さらに
は、制御装置107は、照射ヘッド103に内蔵する図
示しないターゲットおよびX線フラットニングフィル
タ、あるいは、スキヤッタラを切り換えることによっ
て、照射する放射線ビームの線種および照射野206に
おける線量分布の平坦度を制御する。
【0053】次に、放射線ビームの照射による正常細胞
への影響を低減するために、限局された治療標的となる
病変部に応じた適切な量の放射線を短時間に照射するI
MRT(Intensity Modulated R
adiation Therapy)と称される治療が
なされる。従って、絞り装置102の各絞り板が制御さ
れると共に、被検体に照射する放射線ビームの形状が逐
次制御される。このとき、実施の形態1では、絞り装置
102の絞り板が薄く形成され、単位当たりの絞り板数
が増やされ隣接する絞り板間の段差が小さいので、放射
線の輪郭形状を滑らかに描くことができると共に、各絞
り板を構成する柱状体相互の位置が放射線の広がりに沿
うように制御されることとなるので、各絞り板の前面の
形状による半影に起因する線量分布の劣化を低減でき
る。その結果、放射線ビームの照射野を所望の形状に制
限することができ、患部以外の正常な個所への放射線の
照射を防止することができるので、治療成績を向上する
ことができる。
【0054】図2は実施の形態1の絞り装置の概略構成
を説明するための図であり、201は放射線源、202
は柱状体、203は絞り板、204は絞りブロック、2
05はフレーム、206は照射野を示す。ただし、x,
y,zはそれぞれx軸、y軸およびz軸を示し、それぞ
れ互いに直交する。
【0055】次に、図3に実施の形態1の絞りブロック
の概略構成を説明するための図を、図4に実施の形態1
の絞りブロックの詳細構成を説明するための図をそれぞ
れ示し、以下図3及び図4に基づいて、実施の形態1の
絞りブロックの遮蔽機構を説明する。ただし、図4の
(a)は絞りブロックの概略構成を説明するための拡大
図であり、図4の(b)は図4の(a)に示すA−A線
での縦断側面図であり、図4の(c)は図4の(a)に
示すB−B線での側面図である。
【0056】図3及び図4において、301はアイソセ
ンタ、302はリンク、303は送りネジ、304はナ
ット、305はタイミングプーリ、306はタイミング
ベルト、307はモータ、308は軸受け、309はガ
イド、310はビーム中心軸、311はガントリの回転
中心軸、401は固定軸、402は第1の可動軸、40
3は第2の可動軸を示す。
【0057】図3から明らかなように、2個の絞りブロ
ック204は、それぞれの絞りブロック204毎に、各
絞り板203の最上部側すなわち照射線源201に最も
近い側を2個の軸受け308で支持すると共に、その最
下部側すなわち照射線源201から最も遠い側を1個の
軸受け308で支持する構成となっている。このよう
に、実施の形態1の絞りブロック204では、1枚の絞
り板203をそれぞれ3個の軸受け308で支持するこ
とによって、各絞り板203がx軸方向(ガントリの回
転中心軸方向)にスムーズに移動可能に支持している。
ただし、各絞り板203の側面方向の荷重は、点線で示
すガイド309によって支持される構成となっている。
【0058】また、実施の形態1では、各絞り板203
は、それぞれが隣接する柱状体202に対して揺動可能
となるように構成されているので、それぞれの絞り板2
03を構成する各柱状体202の突出量すなわち柱状体
202の端部の内で2つ絞りブロック204が対向する
側の面形状を放射線ビームの円錐状の広がりに沿った階
段形状とする。これによって、各柱状体202に対する
放射線ビームの角度は当該柱状体202の移動量に応じ
て変化することとなるが、複数の柱状体202を積層し
て構成した絞り板203の前面形状(対向面形状)は、
円錐状に広がる放射線ビームと常に同じ方向を向く構成
とすることができるので、絞りブロック204の対向す
る面と放射線ビームとのなす角度とが異なることに伴う
各絞り板203での放射線ビームの減衰量の差を最小限
に抑えることができる。すなわち、絞り板203による
放射線ビームの遮蔽効果を均一にできるので、照射野2
06の大きさやその位置とそのときの放射線ビームの絞
り効果とに起因する半影の差を最小限に抑えることがで
きる。その結果、照射野206における絞り端部近傍で
の線量強度分布の変化が鮮明なものとなる。なお、絞り
ブロック204の対向する面の形状、すなわち各絞り板
203の対向面の形状の詳細については、後述する。
【0059】さらには、図4の(a)から明らかなよう
に、実施の形態1の絞りブロック204は、1枚の絞り
板203を構成する5個の柱状体202で構成してい
る。各柱状体202の端部の内で2つ絞りブロック20
4が対向しない側(以下、後端側と記す)の側面部分に
は、各柱状体202の突出量を制限することによって、
各柱状体202を連動させるリンク機構が配置されてお
り、このリンク機構によって各柱状体202が連結され
ている。図4の(a),(b)に示すように、このリン
ク機構は、各柱状体202の側面部に配置されるリンク
302と、照射線源201に最も近い位置すなわち最上
部側に配置される柱状体202の側面部位にリンク30
2を回転可能に配設する固定軸401と、この最上部側
の柱状体202を除く他の柱状体202の側面部から突
出するように配設される第1あるいは第2の可動軸40
2,403とから構成される。
【0060】リンク302は、図4の(a),(b)か
ら明らかなように、長形の薄板からなり、その一端が最
上部側の柱状体202に固定軸401によって取り付け
られている。また、リンク302は、固定軸401に隣
接して長手方向に開口領域が設けられ、この開口領域に
第1及び第2の可動軸402,403が挿入される構成
となっている。その結果、第1及び第2の可動軸40
2,403は、開口領域の辺縁部に沿った動作すなわち
第1及び第2の可動軸402,403に対するリンクの
短軸方向の動きが拘束され長手方向の動きが自由な動作
となるので、リンク302を傾斜させることによって各
柱状体202相互の突出量すなわち前面形状が変化され
ることとなる。このとき、実施の形態1では、最下部側
の柱状体202に配設される第1の可動軸402の頭頂
部の直径が開口領域の短軸方向よりも大きく形成されて
いるので、固定軸401と第1の可動軸402とによっ
てリンク302が柱状体202の側面から浮き上がって
しまうことを防止できる。
【0061】また、実施の形態1の絞り装置では、各絞
り板203毎に、その最上部側の柱状体202と最下部
側の柱状体202との延在方向(長手方向)すなわち各
柱状体202の摺動方向が、送りネジ303の延在方向
と平行となるように、送りネジ303が配設されてい
る。この送りネジ303は、それぞれの配設位置に最も
近い柱状体202である最上部側及び最下部側の柱状体
202に固定されるナット304に嵌合される。また、
送りネジ303の端部の内で2つ絞りブロック204が
対向しない側である後端部には、それぞれ周知のタイミ
ングプーリ305が配置されている。これらのタイミン
グプーリ305には、周知のタイミングベルト306が
それぞれ架けられており、この2本のタイミングベルト
306の他端が駆動源となるモータ307の回転軸に配
置されたタイミングプーリ305に架けられ、モータ3
07と各送りネジ303とが連結されている。特に、実
施の形態1では、図4の(c)に示すように、一対の送
りネジ303の中心を結ぶ直線上にモータ307の回転
軸すなわちモータ307に取り付けられたタイミングプ
ーリ305の回転中心が配置される構成となっているの
で、隣接する絞り板203との間隔を最小限に設定する
ことができる。なお、モータ307の回転駆動力の各送
りネジ303への伝達は、タイミングプーリ305とタ
イミングベルト306との組み合わせに限定されること
はなく、例えば周知の歯車機構等でもよい。また、駆動
源であるモータ307、ガイド309、送りネジ304
の軸を支持するための図示しない軸受、並びに最上部側
及び最下部側の柱状体202を支持する軸受308の図
示しない軸は、いずれも当該絞り装置のフレーム205
に固定されている。一方、絞り板203を構成する柱状
体202、ナット304、及びリンク302は、当該絞
り装置のフレーム205に固定されておらず、移動可能
になっている。
【0062】このとき、実施の形態1では、最下部側の
柱状体202の移動速度が、最上部側側の柱状体202
の移動速度に対して、(L1+d)/L1倍となるよう
に、タイミングプーリー305(または、歯車機構等)
のピッチ円直径の比を構成することによって、前述する
式3,式4の関係が、絞り板203の位置によらず、各
柱状体202について常に成立することができるので、
検者は各絞り板203の位置を例えば操作卓108から
指定するのみで、絞りブロック204の対向する面と放
射線ビームとのなす角度とが異なることに伴う各絞り板
203での放射線ビームの減衰量の差を最小限に抑える
ことができる。従って、絞り板203の設定に要する負
荷を低減できるので、治療効率を向上することができ
る。なお、この各柱状体202の位置設定は、図3に示
すように絞り板203がビーム中心軸を超えてオーバー
ランした場合でも成立することはいうまでもない。ま
た、タイミングプーリー305の比を最上部側及び最下
部側で変える代わりに、これを同一にして、最下部側の
柱状体202の移動速度が、最上部側の柱状体202の
移動速度に対して(L1+d)/L1倍となるように、
上下の送りネジ303及びナット304のピッチを設定
しても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
さらには、送りネジ303で駆動する柱状体202は、
最上部側及び最下部側に限定されたものではなく、その
中間にある任意の2個の柱状体202を駆動してもよ
い。ただし、この場合には駆動する柱状体202の位置
に応じて送りネジ303の回転比を変えることで、リン
ク302で連結された柱状体202の位置が、結果的に
上記の関係を維持する構成になっていればよい。
【0063】図5は実施の形態1の絞り装置における絞
り板の概略構成を説明するための図である。この図5か
ら明らかなように、実施の形態1の絞り装置では、各絞
り板203を構成する柱状体202の幅が、放射線源2
01から遠くなるに従い順次大きくなるようにすること
によって、放射線源201から照射される放射線ビーム
207の広がりと、1枚の絞り板203で遮蔽される放
射線領域501の広がりとが一致するようにしている。
【0064】このように、実施の形態1の絞り装置で
は、各柱状体202の差動によって作られた2つ絞りブ
ロック204が対向する側の面(絞り板203の前面)
の傾斜角度は、リンク302の開口領域と各可動軸40
2,403とにより、絞り板203を構成する各柱状体
202に伝えられので、リンク302で拘束された全て
の柱状体202に対して式3,式4の関係が成立する。
したがって絞り板203全体が移動する間に、当該絞り
板203を構成する各柱状体202に移動距離に応じた
差動が生じる。また、照射野中心(ビーム中心軸31
0)位置において、絞り板203を構成する各柱状体2
02の前面の位置をビーム中心軸202と一致するよう
に、この位置を基準として設定すれば、絞り板203を
構成する各柱状体202の前面は、絞り板203の移動
と連動して、常に線源を向く位置に自動的に移動するこ
ととなる。
【0065】なお、前述の構成は、多分割絞りの場合だ
けでなく、当然単体ブロック絞りの場合にも適用できる
ことはいうまでもない。例えば、単体ブロックのみで構
成された矩形照射野用絞り装置に対して、前述した技術
を用いれば、絞り装置をより小型化することができる。
さらには、多分割絞りと単体ブロック絞りを組み合わせ
た場合も同様である。
【0066】また、柱状体202を積層して絞り板20
3を構成することで、絞り板203の前面に階段状の段
差を有する傾斜を設けることができ、この傾斜を伴った
段差は絞り板203の前面での放射線ビームの遮蔽効果
を高めて半影を少なくするだけでなく、絞り板203の
前面による散乱線の発生を少なくできるという効果もあ
る。さらには、実施の形態1の絞り装置では、従来の絞
り装置に対して以下に説明する格別の効果を得られる。
【0067】照射野206内の本来の放射線ビームに、
絞り装置102によって発生した散乱線が混入すること
は、放射線ビームの線質を悪くすることになり、治療の
精度及び効果に悪影響を及ぼしてしまうことが知られて
いる。この散乱線による影響は、放射線ビームのエネル
ギーが高くなるほど顕著である。
【0068】一方、絞り板203が円弧運動する従来の
絞り装置(第一の方式の絞り装置)では、絞り板203
前面の平面部が、放射線源201から放射された高線量
の放射線ビーム207に直接曝されるため、直接線が絞
り板203の前面に当たることによって発生する一次散
乱線の量は、その面積に比例して多くなってしまう。ま
た、第二の方式の絞り装置の場合は、絞り板203の移
動に伴って絞り板203の前面に対する放射線ビーム2
07の入射角度が変化するため、絞り板203の前面で
発生する散乱線の量は絞り板203の移動に伴い変化す
る。さらには、第1及び第2の方式の絞り装置いずれの
場合にも、単体ブロック状絞りを併用する必要があるの
で、この単体ブロック状絞りの前面から発生する散乱線
が照射野206内の放射線ビーム207に影響を与えて
いる。
【0069】これらに対して、実施の形態1の絞り装置
では、図3からも明らかなように、放射線源201から
の直接線に曝されて、照射野206内に混入する一次散
乱線を発生するのは、絞り板203の最上部側にある柱
状体202の前面だけである。従って、最上部側にある
柱状体202を除く他の柱状体202は全て最上部側の
柱状体202の影に入ることとなるので、最上部側にあ
る柱状体202を除く他の柱状体202の前面で生じる
散乱線は、直接線による散乱線と比較してはるかに減弱
された透過漏洩線による二次・三次の散乱線のみとな
る。
【0070】また、最上部にある柱状体202の前面の
面積は、絞り板203の分割数に応じて小さくなるの
で、絞り板が円弧運動する方式の絞り装置よりも実施の
形態1の絞り装置では絞り板203の前面の面積を非常
に小さくできるので、最上部側の柱状体202から発生
して照射野206の放射線ビーム207に混入する散乱
線の量を非常に少なくできる。
【0071】従って、実施の形態1の絞り装置を用いた
放射線治療装置では、散乱線の発生を抑制することがで
き、放射線ビームの線質の低下を防止できるので、治療
の精度及び効果を高めることができるという格別の効果
を得ることができる。
【0072】図6は実施の形態1の絞り装置を閉じた場
合の動作を説明するための図であり、601は接触位置
を示す。前述するように、実施の形態1の絞り板203
は、それぞれの延在方向となるX軸方向に照射野の中心
(ビーム中心軸310)を越えて移動可能な構成となっ
ている。このときの絞り板203の前面における傾斜角
度はリンク機構によって規制されており、対向配置され
た絞りブロック204の面の傾斜が放射線ビーム207
の円錐状の広がりに沿うように、すなわち対向配置され
た絞りブロック204の面の傾斜が放射線ビーム207
の放射線源201と同じ方向を向くように設定されてい
る。
【0073】従って、左側に配置される各絞り板203
をビーム中心軸310を越えて移動させると共に、それ
に対向する右側に配置される絞り板203を左側に配置
される絞り板203の位置にまで移動させ、左右の絞り
ブロック204を閉じた場合には、図6に示すように、
左右の絞りブロック204の面の傾斜はそれぞれの傾斜
方向が一致した状態で閉じられることとなる。このと
き、特に実施の形態1では、各絞り板203が薄い長方
形形状で形成されているので、左右の対向する位置の絞
り板203の前面が合わさった位置では、階段状の合わ
せ面が形成される。
【0074】このとき、階段状に形成された前面は完全
には密着しないが、絞り板203を構成する各柱状体の
前面自体は放射線源201の方向を向いていないので、
該放射線源201に最も近い絞り板203同士の隙間か
らの漏洩線は、その次すなわち2番目に配置される絞り
板203に配置される絞り板203により遮蔽されるこ
ととなる。この2番目に配置される絞り板203同士の
隙間からの漏洩線は、その次すなわち3番目に配置され
る絞り板203に配置される絞り板203により遮蔽さ
れることとなるように、前段に配置される絞り板203
同士の隙間からの漏洩線は、順次、次段の絞り板203
により遮蔽される構造となる。従って、開口部となる照
射野以外の位置にある絞り板203を、前述の方法で閉
じることで、必要な照射野を形成しつつ、不必要な放射
線を完全に遮蔽することができるという効果を得ること
ができる。
【0075】以上のことは、実施の形態1の絞り装置の
みで、任意形状の照射野を形成し、照射野外の放射線を
完全に遮蔽できることを意味している。したがって、従
来使用していた単体ブロック状絞りによる補助は必要な
く、単体ブロック状絞りを廃止することができる。その
結果、単体ブロック絞りに関する障害・故障が発生する
可能性もなくなり、装置の信頼性、あるいは保守性を高
めつつ、装置構造の簡略化を図ることができる。
【0076】また、絞り装置の制御を単純化し、高速化
することができる。さらには、治療計画の単純化、及び
高速化を図ることができる。これはIMRTや原体照射
などの複雑な照射方法にとって、きわめて有効である。
【0077】また、絞り板203を形成する最小となる
柱状体202の個数すなわち絞り板203の最小の分割
数は2であり、2個の柱状体202で1枚の絞り板20
3を形成する場合には、リンク機構を設けることなくそ
れぞれの柱状体202を直接移動させる構成となるの
で、絞り装置の構成を簡略化することができる。その結
果、絞り装置を小型化することが可能となる。
【0078】さらには、各柱状体202同士は、密着し
て構成する必要はなく、例えば所望の遮蔽厚さが確保さ
れるている場合には、それぞれの柱状体202の間に間
隙を設けてもよいことはいうまでもない。この場合、そ
れぞれの柱状体202の間の間隙部分には、荷重支持機
構や駆動機構等を配置することが可能である。ただし、
各柱状体202が密着するように構成し間隙をなくすこ
とによって、絞り板203の厚さを小さくし、絞り装置
を小型化することができることはいうまでもない。
【0079】(実施の形態2)図7は本発明の実施の形
態2の絞り装置の概略構成を説明するための図であり、
図8は図7に示すA−A線での縦断側面図であり、図1
4は図7に示すB−B線での正面図である。ただし、実
施の形態2の絞り装置では、絞りブロック204の構成
すなわち絞り板203の配設位置を除く他の構成は実施
の形態1の絞り装置と同様となるので、以下の説明では
説明を簡単にするために、絞り板203の駆動に係わる
機構部は省略する。以下、図7,8,14に基づいて、
実施の形態2の絞り装置の構成及び動作を説明する。
【0080】図7及び図14から明らかなように、実施
の形態2の絞り装置102は、補助的な単体ブロック状
絞りを必要としない構成となっており、異なる大きさの
円形孔が形成された絞り板701を円形孔が階段状にな
るように積み重ねて、放射線源201から発した放射線
ビーム207を円錐状に絞るための円錐形開口1401
を形成した第1の絞り装置と、この第1の絞り装置で照
射野が制限され、放射線ビーム207の断面形状が円形
となった放射線ビーム207を、所望の形状を有する照
射野206に制限する第2の絞り装置とから構成されて
いる。すなわち、実施の形態2の絞り装置102では、
まず第1の絞り装置によって放射線源201から照射さ
れる放射線ビーム207の断面形状を円形に絞り、次に
第1の絞り装置で照射野が制限された放射線ビーム20
7を、第2の絞り装置によって所望の形状を有する照射
野206に制限する構成となっている。
【0081】第1の絞り装置は、前述した従来の固定円
錐絞り装置と同じ構成であり、例えば治療用ガントリ1
01の本体側に取り付けられる構成となっており、照射
ヘッド103の回転によって第2の絞り装置を回転させ
た場合でも第1の絞り装置は回転されない構成となって
いる。従って、第1の絞り装置は使用可能な最大照射野
を形成するために、アイソセンタ301において、第2
の絞り装置が形成する最大照射野の対角線の長さを直径
とする円形照射野を形成するものである。また、第1の
絞り装置が形成する円形照射野は、第2の絞り装置が必
要とする照射野よりも大きく設定されている。
【0082】また、第1の絞り装置では、分割した絞り
板701に形成された各円形孔の前面の傾斜角度は、ビ
ーム中心軸310と平行となるように形成されると共
に、各絞り板701の一端を前面とする時の傾斜角度す
なわち固定絞りとしての前面部の傾斜角度は、従来の固
定絞りと同様に放射線源201の方向を向くように形成
される。
【0083】第2の絞り装置は、図7及び図8から明ら
かなように、各絞り板203は実施の形態1の絞り板2
03と同様の構成となるので、以下の説明では、実施の
形態1の絞り装置とその構成が異なる絞り板203の配
置について詳細に説明する。
【0084】実施の形態2の多分割絞り装置である第2
の絞り装置は、複数の柱状体202から構成されてお
り、各絞り板203は、それぞれが隣接する柱状体20
2に対して揺動可能となるように構成される。従って、
それぞれの絞り板203を構成する各柱状体202の突
出量、すなわち柱状体202の端部の内で対向配置され
る絞りブロック204の対向面の形状は、放射線ビーム
の円錐状の広がりに沿った階段形状となる。
【0085】一方、絞り板203は、図7に示すよう
に、放射線源201側からみて2段となるように構成さ
れている。すなわち、放射線源201に近い側に位置す
る絞り板203aを有する第1の絞りブロック対と、放
射線源201から遠い側に位置する絞り板203bを有
する第2の絞りブロック対とから構成されている。第1
及び第2の絞りブロック対の基本的な構成は、対向配置
される実施の形態1の絞りブロック204と同様な構成
となるが、実施の形態2では、隣接配置される絞り板2
03a,203bの位置がそれぞれ少なくとも絞り板2
03a,bの1枚分の間隔で配置される構成となってい
る。また、第1及び第2の絞りブロック対は、それぞれ
対向する位置に絞り板203a,203bを有する一対
の第1あるいは第2の絞りブロックから構成される。
【0086】図8に示すように、実施の形態2の多分割
絞り装置である第2の絞り装置は、第1の絞り板203
aあるいは第2の絞り板203bによって放射線ビーム
207を遮蔽する構成となっており、各絞り板203
a,203bは放射線源201を基準として放射線を描
くように配置されている。すなわち、実施の形態2で
は、第1の絞りブロックを構成する各絞り板203a
と、第2の絞りブロックを構成する絞り板203bと
は、一枚おきに上下で互い違いに配置され、対向する絞
りブロックの内で、対向する位置に配置される絞り板2
03a,b同士は、同じ上下位置に配置されている。
【0087】また、同じ上下位置で隣接する絞り板20
3a同士の隙間801と、その隙間801の下に位置す
る絞り板203bの幅との関係は、両者の側面傾斜方向
が放射線源201と完全に一致する幅とするか、または
ごくわずか隙間801の側の幅を狭くして、上下の絞り
側面203a,203bの一部が重ね合うような幅にす
る。このような構成とすることで、絞り板203a,2
03bの側面からの漏洩線は、上下いずれか、または両
方の絞り板203a,203b全体の厚みで完全に遮蔽
されることになる。
【0088】このように、対向配置される絞りブロック
対を放射線源201に近い側に位置する絞り板203a
を有する第1の絞りブロック対と、放射線源201から
遠い側に位置する絞り板203bを有する第2の絞りブ
ロック対とに分け、第1のブロック対を構成する絞り板
203aの間から照射される放射線ビームを、第2の絞
りブロック対を構成する絞り板203bで遮蔽すること
によって、第1及び第2の各絞りブロックの隣接する絞
り板203a,203b同士が接触してしまうことを防
止できるので、絞り板203a,203bの位置を自由
かつ精密に調整でき、絞り装置の組立が容易になる。
【0089】また、絞り板203a,203bの側面傾
斜方向に放射線の漏洩を防止する段差を設ける必要がな
くなるので、絞り板203a,203bの側面の遮蔽効
果をさらに高めて半影を少なくでき、絞り板203a,
203bの遮蔽精度を向上することができる。
【0090】実施の形態1のように、絞り板203a,
203bを構成する柱状体202に放射線の漏洩を防止
する段差を設けたり、側面が接触しないようにするため
の精密加工が不要となるので、絞り板203a,203
bを構成する柱状体202を製造する際の加工に要求さ
れる精度を緩和させることが可能となる。その結果、例
えば「型」を使ったタングステン合金の圧縮成形などに
より柱状体202を製造することが可能となるので、柱
状体202すなわち絞り板203a,203bの製造に
要する負担を大幅に低減できる。
【0091】隣接する絞り板203a,203b同士の
間に空間を確保することできるので、図示しないガイド
や絞り板203a,203bの駆動機構を比較的自由に
配置することができるという効果も得られる。
【0092】さらには、第2の絞り装置では、各絞り板
203a,203bは、隣接する絞り板203a,20
3bとほぼ絞り板1枚分の間隔で配置されているので、
絞り板203a,203bを移動させた場合であって
も、お互いにまったく干渉することがない。従って、対
向して隣接する絞り板203a,203bの間に、それ
らの絞り板203a,203b前面の位置を越えて、互
いに重なるように絞り板203a,203bを配置する
ことができる。この結果、図11に示すように、従来の
多分割絞り装置では困難であった、互いに完全に分離さ
れた複数の照射野開口(孔)1101を、1つの照射野
206の中に同時に形成することが容易にできる。
【0093】実施の形態2では、第2の絞り装置を構成
する絞りブロック対を上下2段で構成したが、これに限
定されることはなく、隣接する絞り板203との間隔が
広くかつ1枚の絞り板203の幅が狭い場合には、3段
以上で構成することによって、各段の絞りブロックを通
過した放射線ビーム207を後段に配置される絞りブロ
ックで順次遮蔽する構成でもよいことはいうまでもな
い。
【0094】(実施の形態3)図9は本発明の実施の形
態3の絞り装置を構成する第1の絞り装置の概略構成を
説明するための図である。ただし、実施の形態3の絞り
装置では、第1の絞り装置の構成を除く他の構成は、実
施の形態2の絞り装置と同じ構成となるので、以下の説
明では第1の絞り装置の構成について詳細に説明する。
【0095】実施の形態3の第1の絞り装置は、例え
ば、放射線源201から照射された放射線を円錐状に絞
る固定絞りを、その厚さ方向に複数の絞り板701に等
分割された構成となっており、その中央には従来の円形
ではなく、最大照射野を形成するのに必要十分な余裕を
持った矩形の孔901(以下、矩形孔と記す)が形成さ
れる構成となっている。また、第1の絞り装置では、分
割した絞り板701に形成された各矩形孔901の前面
の傾斜角度は、ビーム中心軸310と平行となるように
形成されると共に、各絞り板701の一端を前面とする
時の傾斜角度すなわち固定絞りとしての前面部の傾斜角
度は、従来の固定絞りと同様に放射線源201の方向を
向くように形成される。このとき、実施の形態3の第1
の絞り装置では、分割された絞り板701の角孔により
階段状の角錐形状をした開口を形成するものである。
【0096】また、実施の形態3の第1の絞り装置は、
第2の絞り装置と同様に、例えば照射ヘッド103に取
り付けられる構成となっており、照射ヘッド103の回
転によって第2の絞り装置と共に回転される構成すなわ
ち可動絞り装置となっている。従って、照射ヘッド10
3を回転した場合であっても、第1の絞り装置と第2の
絞り装置との相互の位置関係は維持されることとなる。
なお、第1の絞り装置の取り付け部位は、照射ヘッド1
03及び第2の絞り装置と共に回転される部位に限定さ
れることはなく、例えば第1の絞り装置を周知の回転機
構に取り付け、照射ヘッド103及び第2の絞り装置の
回転に同期して第1の絞り装置が回転させるように回転
機構の回転を制御するようにしてもよいことはいうまで
もない。
【0097】さらには、実施の形態3の第1の絞り装置
は、第2の絞り装置による照射野306の移動に伴っ
て、各絞り板701を移動する機構を有し照射野を移動
する構成となっているので、固定絞り装置に設定する余
分な照射野を予め少なくすることができ、第2の絞り装
置とその周囲の遮蔽体の大きさを第2の絞り装置が最大
照射野を形成するのに必要十分な範囲に抑制することが
できるという効果を得ることができる。
【0098】また、分割した絞り板701に設けられた
各矩形孔の前面の接線方向は、円錐の傾斜面と同様に線
源を向く方向とし、分割した絞り板701の角孔により
階段状の角錐形状をした照射口を有する固定絞りを構成
する。このように、孔の形状を矩形とすることで、円形
であった場合よりも、固定絞りの下にある第2の絞り装
置が遮蔽すべき領域を、より小さくすることができる。
この結果、多分割絞り装置である第2の絞り装置の絞り
板203、および第2の絞り装置の周囲にある散乱線の
遮蔽体を小さくできるとともに、第1の絞り装置の照射
野に対する各絞り板203の遮蔽効果を均一なものにす
ることができるという効果を得ることもできる。また、
階段状の角錐形状により、前述した多分割絞り装置であ
る実施の形態1の絞り装置の場合と同様に、第1の絞り
装置の開口部から発生する散乱線が照射野内の主ビーム
(放射線ビーム)に混入することを抑制する効果もあ
る。
【0099】ただし、絞り板701の移動は、例えば、
各絞り板701に周知の駆動機構をそれぞれ設け、この
各駆動機構を制御することによって、各絞り板701の
位置を制御する方式であるが、これに限定されることは
なく、実施の形態1と同様に、リンク機構によって各絞
り板701を連動して移動制御してもよいことはいうま
でもない。この場合には、例えば図10に示すように、
多分割絞りが照射野中心を超えて移動した場合に、多分
割絞り装置である第2の絞り装置の動きに連動して、第
1の絞り装置の各絞り板701の位置を変えることによ
り、各絞り板203の長さを余分に長くすることなく、
より広範囲にわたって多分割絞り装置で絞ることが可能
になり、装置の小型化に効果がある。
【0100】なお、実施の形態1〜3では、絞り板20
3を角柱状の柱状体202で構成した場合について説明
したが、これに限定されることはなく、例えば、円柱を
柱状体として用いても前述した効果を得られることはい
うまでもない。
【0101】また、実施の形態1〜3では、各柱状体2
02の対向面形状は図15の(a)に示すように当該柱
状体202の延在方向と垂直をなす形状としたが、これ
に限定されることはなく、例えば図15の(b)に示す
ように、柱状体202の前面部分の上下両端を斜めにカ
ットした形状でもよい。この場合、それぞれの柱状体2
02が放射線源201から照射される放射線ビーム20
7のビーム中心軸310から後退する方向に移動させる
場合には、各柱状体202の下側の端部が照射野206
の形状を決定することとなり、それぞれの柱状体202
がビーム中心軸310を越える方向に移動させる場合に
は、各柱状体202の上側の端部が照射野206の形状
を決定することとなるので、各柱状体202の前面の上
下両端を斜めにカットした形状とする。
【0102】すなわち、図15の(a)に示すように、
各柱状体202の延在方向と垂直をなす形状とした場合
には、1点鎖線1501で示す各柱状体202の前面の
下端部分を結ぶ直線と、各柱状体202の階段状の部分
とによって形成される三角形の部分1502が半影の大
きさに影響することとなる。従って、図15の(b)に
示すように、柱状体202の前面部分の上下両端を斜め
にカットした形状とすることによって、1点鎖線150
3で示す各柱状体202の下端のカット部分を結ぶ直線
と、各柱状体202の階段状の部分とによって形成され
る部分1504を小さくすることができるので、半影を
小さくすなわち少なくできる。特に、柱状体202の数
が少なく各柱状体202の階段状の部分が大きくなって
しまう場合にその効果が大きくなる。従って、多数の柱
状体202で絞り板203を構成する場合には、各柱状
体202の延在方向と垂直をなす形状とした方が加工に
要する負担(工数)が少なくて済む。
【0103】さらには、対向配置される各柱状体202
をビーム中心軸310に沿って閉じることによって、放
射線ビーム207を遮蔽する場合には、対向する各柱状
体202の前面を結ぶ直線と、ビーム中心軸310を通
る放射線ビーム207とが一致することとなるので、各
柱状体202の延在方向と直交する前面を傾斜させる、
あるいは各柱状体202の前面に凹凸等を設ける必要が
あることはいうまでもない。
【0104】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0105】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)多分割絞り装置を大型化させることなく、多分割
絞り装置のみで放射線の照射野を所望の形状に制限する
ことができる。 (2)照射野における線量分布を劣化させることなく、
所望の速度で所望の照射野形状を設定することができ
る。 (3)円弧運動する方式の絞り装置と同じ「ダブルフォ
ーカス」機能を、直線運動する方式の絞り装置と同等の
スペースで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の放射線治療装置の概略
構成を説明するための図である。
【図2】実施の形態1の絞り装置の概略構成を説明する
ための図である。
【図3】実施の形態1の絞りブロックの概略構成を説明
するための図である。
【図4】実施の形態1の絞りブロックの詳細構成を説明
するための図である。
【図5】実施の形態1の絞り板の概略構成を説明するた
めの図である。
【図6】実施の形態1の絞り装置を閉じた場合の動作を
説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態2の絞り装置の概略構成を
説明するための図である。
【図8】図7に示すA−A線での縦断側面図である。
【図9】実施の形態3の第1の絞り装置の概略構成を説
明するための図である。
【図10】実施の形態3の絞り装置における第1の絞り
装置の動作を説明するための図である。
【図11】実施の形態2の絞り装置による照射野の一例
を説明するための図である。
【図12】従来の絞り装置における絞りブロックの対向
面と放射線ビームとの関係を説明するための図である。
【図13】本願発明を適用した絞り装置における絞りブ
ロックの対向面と放射線ビームとの関係を説明するため
の図である。
【図14】図7に示すB−B線での側面図である。
【図15】本発明の実施の形態の絞り装置における柱状
体の他の前面形状を説明するための図である。
【符号の説明】
101…治療用ガントリ、102…絞り装置、103…
照射ヘッド、104…位置決め治具、105…治療台、
106…マイクロトロン本体、107…制御装置、10
8…操作卓、201…放射線源、202…柱状体、20
3…絞り板、204…絞りブロック、205…フレー
ム、206…照射野、301…アイソセンタ、302…
リンク、303…送りネジ、304…ナット、305…
タイミングプーリ、306…タイミングベルト、307
…モータ、308…軸受け、309…ガイド、310…
ビーム中心軸、311…ガントリの回転中心軸、401
…固定軸、402…第1の可動軸、403…第2の可動
軸、601…接触位置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の絞り板を複数積層して絞りブロ
    ックを形成し、各絞り板の位置を変えることによって、
    中心部に孔を形成する放射線照射用の絞り装置におい
    て、 前記絞り板は複数の柱状体を積層して形成され、前記柱
    状体が相互に延在方向に摺動可能に構成されたことを特
    徴とする絞り装置。
  2. 【請求項2】 放射線を発生し被検体に照射する照射手
    段と、該放射線の形状を制限する絞り手段とを有する放
    射線治療装置において、 前記絞り手段は、複数の柱状体を積層し各柱状体が相互
    に延在方向に摺動可能に構成された絞り板を具備し、該
    絞り板の位置を変えることにより中心部に孔を形成する
    と共に、前記柱状体相互の位置を変えることにより前記
    放射線の広がりに沿った孔を形成して放射線の形状を制
    限することを特徴とする放射線治療装置。
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