JP2002134665A - 放熱シート - Google Patents

放熱シート

Info

Publication number
JP2002134665A
JP2002134665A JP2000326372A JP2000326372A JP2002134665A JP 2002134665 A JP2002134665 A JP 2002134665A JP 2000326372 A JP2000326372 A JP 2000326372A JP 2000326372 A JP2000326372 A JP 2000326372A JP 2002134665 A JP2002134665 A JP 2002134665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal conductivity
self
heat
plasticizer
heat radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000326372A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Suzuki
晴夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Achilles Corp filed Critical Achilles Corp
Priority to JP2000326372A priority Critical patent/JP2002134665A/ja
Publication of JP2002134665A publication Critical patent/JP2002134665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なる熱伝導率を有し、放熱板と部品との
熱膨張の差を吸収しつつ、衝撃性に耐用でき得る硬度
と、自体接着し得る自己粘着力を有し、シリコン樹脂よ
りコスト的により安価な自己粘着性の放熱シートの提
供。 【解決手段】 水酸基を少なくとも1つ以上含有するヒ
ドロキシポリオール、可塑剤および熱伝導性付与剤を配
合したポリオール成分と、イソシアネートト化合物との
反応により形成されたウレタン樹脂ゲル組成物からなる
自己粘着性放熱シートであり、より具体的には、水酸基
を少なくとも1つ以上含有するヒドロキシポリオール1
00重量部に対して、可塑剤50重量部以上を配合し、
さらに熱伝導性付与剤を100重量部以上配合したポリ
オール成分と、イソシアネートインデックスが80以上
を有するイソシアネート化合物との反応により形成され
たウレタン樹脂ゲル組成物からなる自己粘着性放熱シー
トである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、特にト
ランジスター、発光ダイオード、変圧器、液晶パネルあ
るいはプラズマディスプレイパネル等の薄型パネルの部
品、装置の過熱を防止するために使用される放熱シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、電子機器部品においては、使
用時に装置内に発熱する部品があり、これらの部品が発
熱によって破損することを防止するために、アルミニウ
ム等の金属放熱板が取り付けられている。また、最近特
に注目を浴びている薄型映像装置、液晶パネル、プラズ
マディスプレイ等では、放電に伴う発熱によりその高価
なパネルが破損してしまうことが生じている。
【0003】そのような問題点を解決するために、アル
ミニウム等の熱伝導性、放熱性に優れた金属板を電子機
器のパネル等の部品に取り付け、電子機器より発熱され
た熱を分散放熱させる対策が実施されてきている。しか
し、金属板とパネルを直接密着させると、互いの熱膨張
の差があるため、歪みが生じてしまったり、金属板自体
に柔軟性がないために、取り付け作業の際等に電子部品
を破損する可能性があった。そのために、金属板と電子
部品パネルとの間に、密着状態を確保し、両方の熱膨張
の差を吸収できる柔軟性と、衝撃吸収性を有する放熱シ
ートを存在させることが行われている。
【0004】そのような放熱シートとして、シリコン系
樹脂による放熱シートが提案されている。しかしなが
ら、シリコン系樹脂による放熱シートは、耐熱性、放熱
性能が優れているものの、樹脂の価格が高価であること
より、今後の汎用商品の拡大にあたり、製造コストの低
減で大きな支障になっている。
【0005】また、シリコン系樹脂以外に、ゴム系樹脂
や、アクリルフォーム等の使用も試みられてきている。
このようなゴム系樹脂あるいはアクリルフォームは、シ
リコン系樹脂より価格的には廉安であるが、熱伝導率等
の性能はシリコン系樹脂より劣るとうい問題点がある。
【0006】ところで、上記のパネルと金属板との間に
配置される放熱シートに要求される特性は、熱伝導率が
よく、衝撃性を吸収し得るある程度の柔軟性(硬度)を
有すること、さらに、パネルならびに金属板への密着性
が確保し得る自己粘着性を有することである。
【0007】すなわち、電子機器の部品が加熱して、そ
の破損することを防止するために配置される放熱シート
は、良好なる熱伝導率を有することにより放熱性を損な
わないこと。また、放熱板と部品との熱膨張の差を吸収
しつつ、衝撃性に耐用でき得る硬度を有すること。さら
には、金属板と電子部品パネル等との間に介在させて、
両方を密着状態にするためには、留め具や接着剤等で固
定すると、熱伝導性、柔軟性等において好ましくないの
で、それ自体で接着固定可能な自己粘着性を有すること
が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
上記の要求点を満足しつつ、従来のシリコン樹脂系の放
熱シートよりコスト的により安価で、熱伝導性に優れ、
適度の硬度を有する自己粘着性の放熱シートを提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者は鋭意検討を加えた結果、水酸基を有す
るポリヒドロキシル化合物(ポリオール成分)とポリイ
ソシアネート化合物(イソシアネート成分)との反応
で、ゲル状組成物となるエラストマーを形成させ、その
ゲル組成物中に、熱伝導性を付与させるため、金属ある
いは金属化合物の粉体を配合し、所望の熱伝導率を確保
すると共に、ゲル組成物に自己粘着性をもたせるため、
可塑剤を配合し、さらにポリオール成分と反応させるイ
ソシアネート化合物におけるイソシアネートインデック
スを調整することにより、極めて良好な低硬度、および
粘着性のある放熱シートが得られることを確認し、本発
明を完成させるに至った。
【0010】したがって本発明は、その基本的態様とし
ての請求項1に記載の発明は、水酸基を少なくとも1つ
以上含有するヒドロキシポリオール、可塑剤および熱伝
導性付与剤を配合したポリオール成分と、イソシアネー
トト化合物との反応により形成されたウレタン樹脂ゲル
組成物からなる自己粘着性放熱シートである。
【0011】また、より具体的な本発明の自己粘着性の
放熱シートとしての請求項2に記載の発明は、水酸基を
少なくとも1つ以上含有するヒドロキシポリオール10
0重量部に対して、可塑剤50重量部以上を配合し、さ
らに熱伝導性付与剤を100重量部以上配合したポリオ
ール成分と、イソシアネートインデックスが80以上を
有するイソシアネート化合物との反応により形成された
ウレタン樹脂ゲル組成物からなる自己粘着性放熱シート
である。
【0012】本発明の自己粘着性放熱シートは、熱膨張
差を吸収し、衝撃性を吸収し得る柔軟性を有する必要が
あり、そのために、Ctypeゴム硬度計で10〜60
°の硬度を有するのが好ましい。硬度が10°未満であ
ると、柔軟性においては優れたものとなるが、金属板と
電子部品パネルとの間に密着させる作業において、扱い
難いものであり、作業上好ましくない。また、硬度が6
0°を超えると、柔軟性に乏しく、金属板と電子部品パ
ネルとの間に密着させる作業において、電子部品パネル
を破損してしまう恐れがあり、好ましくない。
【0013】また、自己粘着性能においても、本発明の
自己粘着性放熱シートを20mm幅の短冊状にした試料
を金属平板に密着させて、試料の一端を持ち、垂直に剥
離したときに、10〜30g/20mmであることが好
ましい。10g/20mm未満であると、金属板と電子
部品パネルが、使用中に剥離してしま可能性があり、好
ましくない。また、30g/20mmを超えると、これ
を使用した機器を廃棄等により、金属板と電子部品パネ
ルを分離する際の作業性が悪化するため、好ましくな
い。
【0014】また、本発明の自己粘着性放熱シートは、
ウレタン樹脂ゲル組成物を使用しているために、100
℃前後の使用条件においても、耐熱性があるので、自己
粘着性はほとんど変化することがなく密着性を維持で
き、良好な放熱効果を維持できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明が提供する放熱シートは、
これまで提案されているシリコン系樹脂シートに比較
し、コストが低価格であることに一つの特徴を有する。
この低価格は、放熱シートの組成をウレタン樹脂ゲル組
成物とすることにより達成される。
【0016】また、放熱シートに要求される良好な熱伝
導性としての放熱特性は、上記のウレタン樹脂ゲル組成
物中に、金属あるいは金属化合物の粉体を、熱伝導性付
与剤として充填させることにより達成される。
【0017】さらに、本発明の放熱シートにあっては、
その軟硬度、自己粘着性は、イソシアネート成分のイソ
シアネートインデックスを変量させると共に、可塑剤を
ある特定量以上併用することにより達成させることが判
明した。
【0018】すなわち、本発明が提供する放熱シート
は、ウレタン樹脂ゲル組成物を使用する点に一つの特徴
がある。そのなかでも、特に、かかるウレタン樹脂ゲル
組成物を使用するに当たり、熱伝導性付与剤の添加、イ
ソシアネートインデックスの調整ならびに可塑剤の添加
量による、放熱シートの硬軟度ならびに自己粘着性の相
関関係を明らかにし、その結果完成された点にも、また
一つの特徴を有するものである。
【0019】本発明が提供する放熱シートを構成するウ
レタン樹脂ゲル組成物としては、その目的とするコスト
低減に応えるべく、一方の樹脂素材であるポリオール成
分としては、活性水素を含むポリヒドロキシル化合物で
あり、具体的には、水酸基を少なくとも1つ以上含有す
るヒドロキシルポリオールである。
【0020】このようなヒドロキシルポリオールとして
は、通常のウレタン樹脂を構成するポリオール成分であ
るポリエーテル誘導体、ポリエステル誘導体、ポリステ
ルポリエーテル誘導体、ポリアセタール誘導体、ポリオ
キシラン誘導体、ポリブタジエン誘導体をあげることが
できる。
【0021】より具体的な使用可能なヒドロキシルポリ
オールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレング
リコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメ
チロールプロパン、ソルビトール、ショ糖等の多価アル
コールを開始剤としたアルキレンオキサイド付加物;ビ
スフェノールAのような多価フェノール類のアルキレン
オキサイド付加物;リン酸、ポリリン酸(例えば、トリ
ポリリン酸およびテトラポリリン酸)などの多価ヒドロ
キシ化合物、フェノール−アニリン−ホルムアレデヒド
縮合生成物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラアミン、メチレンビスオルソク
ロロアニリン、4,4’−および2,4’−ジフェニル
メタンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−
トリレンジアミンなどのポリアミン類、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン
類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサ
イドなどの1種または2種以上を付加させて得られるポ
リエーテルポリオール類;またはポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール等を例示することができる。
【0022】また、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,3−および1,4−ブタンジオール、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソ
ルビットなどの少なくとも2個以上のヒドロキシル基を
有する化合物の1種または2種以上とマロン酸、マレイ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、シ
ュウ酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸など
の少なくとも2個以上のカルボキシル基を有する化合物
の1種または2種以上から得られたポリエステルポリオ
ール、またはポリカプロラクトンなどの環状エステルの
開環重合体類等も使用することができる。
【0023】一方、上記のヒドロキシルポリオールとの
架橋反応によりウレタンエラストマーであるゲル組成物
を形成するポリイソシアネート化合物は、イソシアネー
ト基を一つ以上有する有機ポリイソシアネート化合物で
あり、そのようなポリイソシアネート化合物としては、
例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−
1,6−ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;
シクロヘキサン−1,3−または−1,4−ジイソシア
ネート、シクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネ
ート、トリレン−2,4−または−2,6−ジイソシア
ネートおよびその化合物;ジフェニルメタン−4,4−
ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物等
を挙げることができる。これらのイソシアネート化合物
は、単量体でもよく、2量体以上のものであってもよ
い。
【0024】これらのポリイソシアネート化合物は、後
記する可塑剤との併用量にもよるが、ポリヒドロキシル
ポリオールとの架橋反応により得られるゲル組成物に、
所望の硬度ならびに自己粘着性を付与するため、そのイ
ソシアネートインデックスが80以上を有するものが好
ましいことが判明した。イソシアネートインデックスが
80未満であると、放熱シートとしての成形性が不十分
であり、キュアー時間(硬化時間)が異常に長くかかり
好ましいものではなかった。
【0025】本発明が提供する放熱シートにあっては、
シートに適度の柔軟性(硬度)と自己粘着性をもたせる
ため、上記の樹脂組成物中に可塑剤が配合される。その
場合の硬度は、CTypeゴム硬度計による測定値で、
10〜60°の値を有する柔軟性が必要である。また自
己粘着性は、シートを20mm幅の短冊状とし、金属平
板に粘着させ、試料の一端を持ち垂直に剥離するのに要
する力量で測定し、その値が10〜30g(10〜30
g/20mm)の粘着性を有するものであることが必要
である。
【0026】そのような柔軟性(硬度)と、自己粘着性
を発揮するためには、可塑剤の配合量は、樹脂組成であ
るヒドロキシルポリオール成分100重量部に対し、5
0重量部以上添加すればよい。なお、可塑剤の添加量を
多くしすぎると、軟らかすぎたシートとなり、所望の硬
度を確保することができないものとなる。
【0027】かかる可塑剤としては、オイル、フタル酸
エステル誘導体、脂肪族一塩基酸エステル誘導体、脂肪
族二塩基酸エステル誘導体、二価アルコールエステル誘
導体、オキシ酸エステル誘導体、リン酸エステル誘導
体、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げ
られる。
【0028】より具体的には、パラフィン系オイル;フ
タル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジn−オクチル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル等のフタ
ル酸エステル;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレ
イン酸エステル等の脂肪族一塩基酸エステル;アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジn−ヘキシル、セバシン酸ジ
ブチル等の脂肪族二塩基酸エステル;ジエリレングリコ
ールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−
エチルブチラート等の二価アルコールエステル;ブチル
フタリルブチルグリコレート等のオキシ酸エステル;リ
ン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リ
ン酸トリフェニル等のリン酸エステル;トリメリット酸
系;クエン酸系等を挙げることができる。
【0029】また、本発明が提供する放熱シートにあっ
ては、熱伝導性の放熱シートであるため、上記の樹脂組
成物中に、金属あるいは金属化合物の粉体が導電性付与
剤として添加される。このような金属あるいは金属化合
物の粉体としては、アルミ粉体、アルミ粒体、水酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、炭
酸ケイ素、窒化ケイ素、各種セラミックス等を挙げるこ
とができ、その中でもアルミ粉体を配合することにより
好結果を与えた。かかる伝導性付与剤の添加量は、所望
の熱伝導率を確保するために、樹脂組成であるヒドロキ
シルポリオール成分100重量部に対し、100重量部
以上添加すればよい。
【0030】なお、本発明では、放熱シートにおける熱
伝導率は、カトーテック(株)製のKES−F7サーモ
ラボによる定常熱伝導測定法により、2.3(単位:W
/cm℃)以上を有するものであること要求される。
【0031】この場合の定常熱伝導測定法は、具体的に
は以下の方法により測定される。すなわち、ウォーター
ボックス中に室温下の水を流し、ボックス上に5×5c
mの試料を乗せ、さらに試料の上にB.T.Boxの熱
板を試料にあてて乗せる。定常に達したのち、B.T.
Boxの熱流損失W(ワット)をパネルメーターで読み
取る。定常状態における熱流損失は、次式(1):
【0032】
【数1】 W=K×[(A・△T)/D] (1)
【0033】D :試料の厚み(cm); △T:試料の温度差(℃) A :B.T.熱板面積(cm2) K :熱伝導率 で表されることより、したがって熱伝導率Kは、次式
(2):
【0034】
【数2】 K=(W×D)/(A×△T) (W/cm℃) (2)
【0035】により求めることができる。
【0036】本発明の放熱シートにおいては、熱伝導性
付与剤を、ヒドロキシルポリオール成分100重量部に
対し、100重量部以上添加することにより、所望の熱
伝導率を得ることができるが、熱伝導付与剤をあまり多
く添加しすぎると、シートとしての硬度が硬くなるの
で、可塑剤との組み合わせにより、所望量を添加すれば
よい。
【0037】本発明の放熱シートを形成するヒドロキシ
ルポリオール成分とポリイソシアネートとの架橋反応に
あっては、一般にウレタン反応を促進する触媒を使用す
ることができる。そのような触媒としては、汎用されて
いるアミン系触媒や有機金属系触媒等であり、特に限定
されない。より具体的な触媒としては、例えば、アミン
系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられ
る。
【0038】また、有機金属系触媒としては、オクチル
酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げ
ることができる。
【0039】本発明の放熱シートにあっては、さらにウ
レタン樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、着
色防止剤、加水分解防止剤、難燃剤、増量剤等を使用す
ることができる。
【0040】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0041】実施例1:ポリヒドロキシルポリオールと
して、分子量5000を有し、水酸基価33を有する3
官能性ポリエーテルポリオール(EP−330;三井化
学製)を使用し、ポリイソシアネートとしてトルエンジ
イソシアネート(TDI−80;三井化学製)を使用し
た。また、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(DIN
P)を、熱伝導性付与剤としてアルミニウム粉体(平均
粒子系:約150μ)、架橋反応触媒としてジブチル錫
ジラウレート(DTL)を使用した。なお、耐候性向上
剤として紫外線吸収剤、耐熱性向上剤として酸化防止
剤、成形時のエアー溜りや気泡を除去するために消泡
剤、脱泡剤を添加し、ウレタンゲル組成物からなる放熱
シートを製造した。各成分の配合量とともに、トルエン
ジイソシアネートのイソシアネートインデックス、製造
された放熱シートの硬度、自己粘着性、熱伝導率および
その成形性を評価し、以下の表1にまとめて示した。
【0042】
【表1】単位:重量部
【0043】性能評価における測定法、その単位は以下
のとおりである。 硬度:Ctypeゴム硬度計による測定 粘着性:g/20mm 熱伝導率:定常熱伝導測定法;W/cm℃
【0044】上記の表中の結果からも判明するように、
放熱シートとして所望の熱伝導性を確保するためには、
伝導性付与剤である金属粉体を100重量部以上配合す
る必要があり、また、放熱シートとしての硬度と自己粘
着性の要求値を確保するためには、可塑剤を50重量部
以上配合する必要があることが判明する。
【0045】なお、イソシアネートインデックスが80
以下の場合には、成形性が悪いものである(キュアー時
間が異常に長い)ことが判明した。そのため、イソシア
ネートインデックスを85以上のものを使用し、可塑剤
の添加量(50重量部以上の添加量)を調整することに
より、所望の要求値を満たす放熱シートが得られること
が理解される。
【0046】実施例2:ポリヒドロキシルポリオールと
して、分子量7000を有する3官能性ポリエーテルポ
リオール(EP−240;三井化学製)を使用した。ポ
リイソシアネート化合物として、トルエンジイソシアネ
ート(TDI−80;三井化学製)とジエチレングリコ
ールとのプレポリマー(DPP)を使用した。プレポリ
マー(DDP)は、ジエチレングリコール1モルに対し
て、TDI−80を0.37モル反応させ、NCO%=
20%としたプレポリマーである。
【0047】また、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル
(DINP)を、熱伝導性付与剤としてアルミニウム粉
体(平均粒子系:約150μ)、架橋反応触媒としてジ
ブチル錫ジラウレート(DTL)を使用した。なお、実
施例1と同様に、耐候性向上剤として紫外線吸収剤、耐
熱性向上剤として酸化防止剤、成形時のエアー溜りや気
泡を除去するために消泡剤、脱泡剤を添加し、ウレタン
ゲル組成物からなる放熱シートを製造した。各成分の配
合量とともに、トルエンジイソシアネートのイソシアネ
ートインデックス、製造された放熱シートの硬度、自己
粘着性、熱伝導率およびその成形性を評価し、以下の表
2にまとめて示した。
【0048】
【表2】単位:重量部
【0049】性能評価における測定法、その単位は、実
施例1と同様である。表中の結果からも判明するよう
に、実施例1の場合と同様に、本発明の放熱シートとし
て所望の熱伝導性を確保するためには、伝導性付与剤で
ある金属粉体を100重量部以上配合する必要があり、
また、放熱シートとしての硬度と自己粘着性の要求値を
確保するためには、可塑剤を50重量部以上配合する必
要があることが判明する。
【0050】また、イソシアネートインデックスについ
ては、実施例1と同様、プレポリマーを使用した場合で
あっても、イソシアネートインデックスが80以下の場
合には、成形性が悪いものであり、そのため、イソシア
ネートインデックスを85以上のものを使用し、可塑剤
の添加量(50重量部以上の添加量)を調整することに
より、所望の要求値を満たす放熱シートが得られること
が理解される。
【0051】実施例3:金属粉末の配合量を変化させ、
かつ、イソシアネートインデックスと、可塑剤の配合量
を調整することによる本発明の放熱シートの性能を以下
により更に検討した。
【0052】ポリヒドロキシルポリオール、ポリイソシ
アネートおよび可塑剤は、実施例1と同様のものを使用
した。ポリイソシアネートとしてトルエンジイソシアネ
ート(TDI−80;三井化学製)を使用し、そのイソ
シアネートインデックスが105のものを使用し、可塑
剤としてフタル酸ジイソノニル(DINP)の配合量を
変化させると共に、熱伝導性付与剤としてアルミニウム
粉体(平均粒子系:約150μ)の添加量も変化させ
た。
【0053】なお、実施例1と同様に、架橋反応触媒と
してはジブチル錫ジラウレート(DTL)を使用し、耐
候性向上剤として紫外線吸収剤、耐熱性向上剤として酸
化防止剤、成形時のエアー溜りや気泡を除去するために
消泡剤、脱泡剤を添加し、ウレタンゲル組成物からなる
放熱シートを製造した。各成分の配合量とともに、製造
された放熱シートの硬度、自己粘着性、熱伝導率および
その成形性を評価し、以下の表3にまとめて示した。
【0054】
【表3】単位:重量部
【0055】性能評価における測定法、その単位は、実
施例1と同様である。本実施例3は、イソシアネートイ
ンデックスが105のイソシアネート化合物を使用し、
アルミ粉体の添加量を変化させると共に、得られる放熱
シートの硬度を調整するために、可塑剤の添加量を検討
したものである。表中の結果からも判明するように、実
施例1と同様に、本発明の放熱シートとして所望の熱伝
導性を確保するためには、伝導性付与剤である金属粉体
を100重量部以上配合する必要があり、また、高い値
のイソシアネートインデックスを有するイソシアネート
化合物をウレタン組成物とした場合であっても、可塑剤
の添加量を調整することにより、所望の要求値を満たす
放熱シートが得られることが理解される。
【0056】
【発明の効果】以上に記載の通り、本発明が提供する放
熱シートは、水酸基を有するポリヒドロキシル化合物
(ポリオール成分)とポリイソシアネート化合物(イソ
シアネート成分)との反応で、ウレタン樹脂ゲル状組成
物となるエラストマーを形成させ、そのゲル組成物中
に、熱伝導性付与剤を添加させることにより、所望の熱
伝導率を確保することができる。
【0057】また、放熱シート自体に自己粘着性をもた
せるべく、可塑剤を配合し、さらにポリオール成分と反
応させるイソシアネート化合物におけるイソシアネート
インデックスを調整したものであり、それにより、極め
て良好な低硬度および粘着性のある放熱シートが得られ
る利点を有する。
【0058】そのうえ、ウレタン樹脂ゲル組成を使用し
たことにより、従来のシリコン系樹脂からなる放熱シー
トよりコスト的により安価であり、熱伝導性に優れ、適
度の硬度を有する自己粘着性の放熱シートが提供される
利点を有し、その工業的価値は多大なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA53 AE04 AE22 AH12 BB12 BC01 4J002 AE052 CK031 CK041 CK051 DA097 DE077 DE147 DE247 DF017 DM007 EH036 EH096 EH146 EH156 EW046 FD022 FD026 FD150 FD207 GQ00 4J004 AA14 AA17 AA18 BA02 CC02 EA06 FA10 5F036 AA01 BB21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を少なくとも1つ以上含有するヒ
    ドロキシポリオール、可塑剤、および熱伝導性付与剤を
    配合したポリオール成分と、イソシアネート化合物との
    反応により形成されたウレタン樹脂ゲル組成物からなる
    自己粘着性放熱シート。
  2. 【請求項2】 水酸基を少なくとも1つ以上含有するヒ
    ドロキシポリオール100重量部に対して、可塑剤50
    重量部以上を配合し、さらに熱伝導性付与剤を100重
    量部以上配合したポリオール成分と、イソシアネートイ
    ンデックスが80以上を有するイソシアネート化合物と
    の反応により形成されたウレタン樹脂ゲル組成物からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の自己粘着性放熱シ
    ート。
JP2000326372A 2000-10-26 2000-10-26 放熱シート Pending JP2002134665A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326372A JP2002134665A (ja) 2000-10-26 2000-10-26 放熱シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326372A JP2002134665A (ja) 2000-10-26 2000-10-26 放熱シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002134665A true JP2002134665A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18803569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000326372A Pending JP2002134665A (ja) 2000-10-26 2000-10-26 放熱シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002134665A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091546A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Lintec Corp 貼着体
JP2004161996A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Kofukin Seimitsu Kogyo (Shenzhen) Yugenkoshi 熱伝導性界面材料及びその製造方法
WO2004101678A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Nippon Shokubai Co., Ltd. 熱伝導性材料用樹脂組成物および熱伝導性材料
JP2004359808A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 透明ゲル粘着剤、透明ゲル粘着シート及び衝撃吸収積層体
KR100545319B1 (ko) * 2001-07-13 2006-01-24 모치다 쇼코 가부시키가이샤 방열 시트 및 pdp 패널
JP2007091858A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Kitagawa Ind Co Ltd ウレタン系樹脂材料、および熱伝導性材料
JP2007224147A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Kitagawa Ind Co Ltd 難燃性複合組成物、および難燃性複合材
JP2010248350A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Polysis:Kk ポリウレタン樹脂組成物
JP2011521018A (ja) * 2008-04-15 2011-07-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー アルミニウムペーストおよびシリコン太陽電池の製造におけるその使用
JP5974311B1 (ja) * 2015-03-27 2016-08-23 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤
JP5974313B1 (ja) * 2015-11-12 2016-08-23 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS607155A (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 Mitsubishi Electric Corp 電子部品用放熱装置
JPH11111899A (ja) * 1997-10-07 1999-04-23 Kitagawa Ind Co Ltd 放熱材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS607155A (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 Mitsubishi Electric Corp 電子部品用放熱装置
JPH11111899A (ja) * 1997-10-07 1999-04-23 Kitagawa Ind Co Ltd 放熱材

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545319B1 (ko) * 2001-07-13 2006-01-24 모치다 쇼코 가부시키가이샤 방열 시트 및 pdp 패널
JP2004091546A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Lintec Corp 貼着体
JP2004161996A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Kofukin Seimitsu Kogyo (Shenzhen) Yugenkoshi 熱伝導性界面材料及びその製造方法
KR100731279B1 (ko) 2003-05-19 2007-06-21 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 열전도성 재료용 수지 조성물 및 열전도성 재료
WO2004101678A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Nippon Shokubai Co., Ltd. 熱伝導性材料用樹脂組成物および熱伝導性材料
US7589147B2 (en) 2003-05-19 2009-09-15 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin composition for thermal conductive material and thermal conductive material
JP2004359808A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 透明ゲル粘着剤、透明ゲル粘着シート及び衝撃吸収積層体
JP2007091858A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Kitagawa Ind Co Ltd ウレタン系樹脂材料、および熱伝導性材料
JP2007224147A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Kitagawa Ind Co Ltd 難燃性複合組成物、および難燃性複合材
JP2011521018A (ja) * 2008-04-15 2011-07-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー アルミニウムペーストおよびシリコン太陽電池の製造におけるその使用
JP2010248350A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Polysis:Kk ポリウレタン樹脂組成物
JP5974311B1 (ja) * 2015-03-27 2016-08-23 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤
JP2016186029A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤
JP5974313B1 (ja) * 2015-11-12 2016-08-23 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤
JP2016186064A (ja) * 2015-11-12 2016-10-27 東洋インキScホールディングス株式会社 再剥離型粘着剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI468296B (zh) 適用於腐蝕敏感層之黏著劑
EP1772506B1 (en) Two-component curable solventless adhesive
TWI525120B (zh) 聚胺酯發泡體
KR101525487B1 (ko) 경화성 방열 조성물
US6309507B1 (en) Polyisocyanate curing agent for laminate adhesive laminate adhesive comprising the same and its use
JP2002134665A (ja) 放熱シート
CN107429140B (zh) 耐化学品性聚氨酯粘合剂
WO2016075753A1 (ja) 発泡樹脂基材を有する粘着テープ及びその製造方法
KR102080266B1 (ko) 점착제 및 점착 시트
JP2009079179A (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP5369461B2 (ja) 感圧式接着剤組成物、それを用いてなる感圧式接着シート、及び積層体
JP5521689B2 (ja) 導電性部材用感圧式接着剤組成物、及びそれを用いてなる積層体
JP2010248350A (ja) ポリウレタン樹脂組成物
KR20230046974A (ko) 경화성 조성물
JP6269646B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP5280798B2 (ja) 光学部材用粘着剤
JP7167583B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
KR101413125B1 (ko) 내열성 일액형 습기 경화형 폴리카보네이트 수지용 접착제 조성물
KR102271791B1 (ko) 대전 방지성 점착제 조성물 및 이로부터 제조된 보호 시트
EP4328253A1 (en) Curable composition
KR102258167B1 (ko) 점착제 조성물 및 이로부터 제조된 보호 시트
JP7198943B2 (ja) 粘着剤、粘着シート及び光学部材
EP4328252A1 (en) Curable composition
JP2007332279A (ja) 一液湿気硬化型コーティング剤、それで絶縁処理された電気・電子部品、及びその製造方法
WO2022215486A1 (ja) 導電性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101216