JP2002131885A - グレートーンマスクの描画方法、及びグレートーンマスクの製造方法 - Google Patents

グレートーンマスクの描画方法、及びグレートーンマスクの製造方法

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JP2002131885A
JP2002131885A JP2000322884A JP2000322884A JP2002131885A JP 2002131885 A JP2002131885 A JP 2002131885A JP 2000322884 A JP2000322884 A JP 2000322884A JP 2000322884 A JP2000322884 A JP 2000322884A JP 2002131885 A JP2002131885 A JP 2002131885A
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gray
light
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light irradiation
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JP2000322884A
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Naoki Fukuhara
直喜 福原
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細パターンからなるグレートーン部の描画
データの作成が容易であり、従来グレートーン部の描画
データの作成が困難であったため製造が困難であったグ
レートーンマスクを容易に製造できる描画方法及び製造
方法を提供する。 【解決手段】 例えば、遮光部1とその周辺のグレート
ーン部3とを含めた所定領域4について、遮光部1を除
く領域を第1の光照射量(例えばレジストを十分に感光
されるのに必要な光照射量の50%)で露光する工程
と、前記所定領域4について、遮光部1との重なりを避
けることなく一様に作成したグレートーンパターンデー
タ(図示せず)に基づいて第2の光照射量(例えば50
%)で露光する工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレートーンマス
クの描画方法、及びグレートーンマスクの製造方法等に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大型LCD用マスクの分野におい
て、グレートーンマスクを用いてマスク枚数を削減する
試みがなされている(月刊FPD Intelligence,1999
年5月)。ここで、グレートーンマスクは、図6(1)
に示すように、遮光部1と、全透過部2と、グレートー
ン部3とを有する。グレートーン部3は、グレートーン
マスクを使用する大型LCD用露光機の解像限界以下の
微細遮光パターン3aを形成した領域であって、この領
域を透過する光の透過量を低減しこの領域による照射量
を低減してフォトレジストの膜厚を選択的に変えること
を目的として形成される。遮光部1と微細遮光パターン
3aはともにクロムやクロム化合物等の同じ材料からな
る同じ厚さの膜から通常形成されている。全透過部2と
微細透過部3bはともに、透明基板上において遮光膜等
が形成されていない透明基板の部分である。グレートー
ンマスクを使用する大型LCD用露光機の解像限界は、
ステッパ方式の露光機で約3μm、ミラープロジェクシ
ョン方式の露光機で約4μmである。このため、例え
ば、図6(1)でグレートーン部における微細透過部3
bのスペース幅を3μm未満、露光機の解像限界以下の
微細遮光パターン3aのライン幅を3μm未満とする。
上記大型LCD用露光機で露光した場合、グレートーン
部3を通過した露光光は全体として露光量が足りなくな
るため、このグレートーン部3を介して露光したポジ型
フォトレジストは膜厚が薄くなるだけで基板上に残る。
つまり、レジストは露光量の違いによって通常の遮光部
1に対応する部分とグレートーン部3に対応する部分で
現像液に対する溶解性に差ができるため、現像後のレジ
スト形状は、図6(2)に示すように、通常の遮光部1
に対応する部分1’が例えば約1.3μm、グレートー
ン部3に対応する部分3’が例えば約0.3μm、全透
過部2に対応する部分はレジストが残存しない部分2’
となる。そして、レジストが残存しない部分2’で被加
工基板の第1のエッチングを行い、グレートーン部3に
対応する薄い部分3’のレジストをアッシング等によっ
て除去しこの部分で第2のエッチングを行うことによっ
て、1枚のマスクで従来のマスク2枚分の工程を行い、
マスク枚数を削減する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したグレートーン
マスクの製造における描画工程では、グレートーン部を
構成するパターンは微細であるため、データ作成におけ
るデ−タ容量が膨大になり、描画機および描画機に付随
するデータ変換(フォーマット変換)機の能力を超える
ような場合、一つのデータの中に遮光部、全透過部、グ
レートーン部の全てのパターンデータを組み込むことが
難しくなる。そこで、データ容量の膨大なグレートーン
部を構成する微細パターン部を分離して、遮光部及び全
透過部のデータと、グレートーン部のデータというよう
に2つのデータに分離し、個々のデータを逐次に描画す
ることで描画機および描画機に付随するデータ変換機の
データ容量の負荷を低減しなくてはならない。しかしな
がら、データ容量の膨大なグレートーン部を構成する微
細パターン部のみを分離して、遮光部及び全透過部のデ
ータと、グレートーン部のデータを別のデータとして使
用しようとすると、分離されるグレートーン部のデータ
はそれを含まない遮光部及び全透過部のデータとは重な
らないように遮光部及び全透過部を避けてデータを作成
しなくてはならず、データの作成が複雑になり、しかも
分離されるグレートーン部のデータはそれを含まない遮
光部及び全透過部のデータに沿った複雑な形状を示して
いるため、グレートーン部のデータ容量は、遮光部、全
透過部、グレートーン部の全てのパターンデータを組み
込んだ場合の元データと変らず膨大なものとなる。さら
に、例えばTFT(薄膜トランジスタ)液晶表示装置で
代表されるように画素繰り返し部の他に電極の引き出し
線や端子のパターン等を有するエリアなども含めてグレ
ートーン部を形成する場合には、データ容量がさらに膨
大となるため、グレートーン部のデータ作成は殆ど不可
能なものとなる。これらのことを以下で具体的に説明す
る。遮光部、全透過部、グレートーン部の全てのパター
ンデータを組み込んだ場合のデータ(以下適宜、元デー
タという)が、図8のように遮光部1及び全透過部2
(例えばTFTのアモルファスシリコンパターン)と、
その周辺に形成されるグレートーン部3(例えば微細遮
光パターン3aのライン幅1μm、微細透過部3bのス
ペース幅2μmのライン&スペース)で構成されたデー
タを例にとる。このままではグレートーン部3のパター
ンが緻密であり、データ容量が大きくなるため、遮光部
1及び全透過部2のデータと、グレートーン部3のデー
タを分離してデータ量を減らす必要がある場合、図9
(1)、(2)に示すような2つのデータが必要とな
る。しかし、これらのデータは図8に示す元データから
簡単に2つに抽出できるものではなく、個別に新たにデ
ータを作成しなくてはならない場合が殆どである。ここ
で、図9(1)に示す遮光部1及び全透過部2部につい
ては比較的容易にデータを作成できるが、図9(2)に
示すグレートーン部3については微細遮光パターン3a
を複数本形成し、さらに遮光部1の領域10及び全透過
部2の領域20とはデータが重ならないように遮光部1
の領域10及び全透過部2の領域20を避けてデータを
作成する必要がある。通常、データの容量はデータの区
切り、つまり線の区切りの数が多いほど大きくなるた
め、図9(2)に示すグレートーン部3のように微細ラ
イン&スペースが遮光部1の領域10及び全透過部2の
領域20で区切られ、線の区切りの数が多い場合のデー
タ容量は元データと殆ど変らない容量を示すことが多
い。さらに、一般的にはTFTには画素繰り返し部の他
に電極の引き出し線や端子パターンが形成された領域が
あり、このような繰り返しパターンでない領域について
もグレートーン部を形成するための微細ライン&スペー
ス等の挿入が必要な場合、データの作成は殆ど不可能に
近いといえる。
【0004】本発明は、微細パターンからなるグレート
ーン部の描画データの作成が容易であるグレートーンマ
スクの描画方法の提供を第一の目的とする。また、従来
グレートーン部の描画データの作成が困難であったため
製造が困難であったグレートーンマスクを容易に製造で
きるグレートーンマスクの製造方法の提供を第二の目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
する。
【0006】(構成1) 遮光部と、全透過部と、グレ
ートーンマスクを使用する露光機の解像限界以下の微細
遮光パターンを形成した領域であってこの領域を透過す
る光の透過量を低減してフォトレジストの膜厚を選択的
に変えることを目的とするグレートーン部とを有するグ
レートーンマスクの描画方法であって、遮光部とその周
辺のグレートーン部とを含めた所定領域について、グレ
ートーン効果を奏する形状及び配列を有するグレートー
ンパターンデータを、前記遮光部との重なりを避けるこ
となく作成する工程と、前記所定領域について、遮光部
を除く領域を露光するデータを作成する工程と、を有
し、前記所定領域について、遮光部を除く領域を第1の
光照射量で露光する工程と、前記所定領域について、前
記グレートーンパターンデータにおける微細透過部の領
域を第2の光照射量で露光する工程と、を有し、前記第
1の光照射量と前記第2の光照射量の合計の光照射量は
所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させるのに必
要な光照射量とすることを特徴とするグレートーンマス
クの描画方法。
【0007】(構成2) 遮光部と、全透過部と、グレ
ートーンマスクを使用する露光機の解像限界以下の微細
遮光パターンを形成した領域であってこの領域を透過す
る光の透過量を低減してフォトレジストの膜厚を選択的
に変えることを目的とするグレートーン部とを有するグ
レートーンマスクの描画方法であって、遮光部及び/又
は全透過部とその周辺のグレートーン部とを含めた所定
領域について、グレートーン効果を奏する形状及び配列
を有するグレートーンパターンデータを、前記遮光部及
び/又は前記全透過部との重なりを避けることなく作成
する工程と、前記所定領域について、少なくとも遮光部
を除く領域を露光するデータを作成する工程と、を有
し、前記所定領域について、少なくとも遮光部を除く領
域を第1の光照射量で露光する工程と、前記所定領域に
ついて、前記グレートーンパターンデータにおける微細
透過部の領域を第2の光照射量で露光する工程と、を有
し、前記第1の光照射量と前記第2の光照射量の合計の
光照射量は所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光さ
せるのに必要な光照射量とすることを特徴とするグレー
トーンマスクの描画方法。
【0008】(構成3) 遮光部を除く領域及び全透過
部を第1の光照射量で露光する工程と、前記全透過部を
第3の光照射量で露光する工程と、を有し、前記第1の
光照射量と前記第3の光照射量の合計の光照射量は所定
の膜厚のフォトレジストを十分に感光させるのに必要な
光照射量とすることを特徴とする構成2記載のグレート
ーンマスクの描画方法。
【0009】(構成4) 全透過部を、所定の膜厚のフ
ォトレジストを十分に感光させるのに必要な光照射量で
露光する工程を有することを特徴とする構成1〜3のい
ずれかに記載のグレートーンマスクの描画方法。
【0010】(構成5) 透明基板上に遮光膜、ポジ型
フォトレジストを順次形成したブランクス上に、構成1
〜3のいずれかに記載の描画方法によって描画を行う工
程と、現像処理によってフォトレジストを選択的に除去
する工程と、フォトレジストが選択的に除去された部分
の遮光膜を選択的に除去する工程と、を有することを特
徴とするグレートーンマスクの製造方法。
【0011】(構成6) グレートーンマスクがLCD
用マスクであることを特徴とする構成5に記載のグレー
トーンマスクの製造方法。
【0012】
【作用】構成1によれば、少なくとも遮光部とその周辺
のグレートーン部とを含めた所定領域について、グレー
トーン効果を奏する形状及び配列を有するグレートーン
描画データを、遮光部との重なりを避けることなく作成
することによって、グレートーン描画データの作成が極
めて容易となる。つまり、グレートーン描画データを従
来のように遮光部等との重なりを避けて作成する必要が
なく、遮光部とその周辺のグレートーン部とを含めた所
定領域についてグレートーン描画データを遮光部との重
なりを無視して作成すればよいので、グレートーン描画
データの作成が極めて容易となる。グレートーン描画デ
ータの作成上は、最も単純な形状の繰り返しであってデ
ータ容量の最も少ないグレートーンパターンを選択し、
前記所定領域の全域に一様に形成することが好ましい。
前記所定領域の全域に形成されるグレートーン描画デー
タは、均一パターンの完全な繰り返しに限られない。例
えば、グレートーン描画データが遮光部等と重なる領域
又はグレートーン描画データと隣接する領域へのグレー
トーンパターンの相違による影響を優先する場合には、
グレートーン描画データを複数のグレートーンパターン
で作成することもできる。具体的には、前記所定領域を
2つに分け、それぞれ別のグレートーン描画データを作
成することができる。また、TFT液晶表示装置におけ
る画素繰り返し部(表示領域)と、その他の周辺領域
(電極の引出線や端子等を有するエリアなど)とで、グ
レートーン描画データを構成するグレートーンパターン
を異ならしめることができ、これらの領域についてグレ
ートーン描画データを構成するグレートーンパターンの
向き(縦、横、斜めなど)を異ならしめることもでき
る。最も単純には、例えば、TFT液晶表示装置におけ
る画素繰り返し部(表示領域)の全域、あるいは周辺領
域も含めた全域に、一様にグレートーン描画データを作
成することができる。また、構成1によれば、遮光部を
除く領域(グレートーンパターンを実際に形成する領域
等)を第1の光照射量で露光する工程と、遮光部とその
周辺のグレートーン部とを含めた所定領域について、グ
レートーンパターンデータにおける微細透過部の領域を
第2の光照射量で露光する工程と、を有し、前記第1の
光照射量と前記第2の光照射量の合計の光照射量は所定
の膜厚のフォトレジストを十分に感光させるのに必要な
光照射量とすることによって、グレートーンパターンを
実際に形成すべき領域にのみ、グレートーンパターンを
形成できる。つまり、遮光部を除く領域(グレートーン
パターンを実際に形成する領域等)と、グレートーンパ
ターンデータにおける微細透過部の領域とが、重なり合
った部分のレジストのみを選択的に除去し、その他の部
分については総照射量に応じてレジスト膜厚が異なるも
ののレジストのエッチングマスクとしての機能は維持さ
れるためレジスト下の遮光膜は残る。
【0013】構成2は、遮光部と全透過部とグレートー
ン部からなる領域があることを考慮したものであり、そ
の他に関しては上記構成1と同様である。構成2によれ
ば、少なくとも遮光部及び全透過部の周囲にグレートー
ン部を容易に形成でき、しかも遮光部及び全透過部は設
計データの形状で残る。構成1において、「少なくとも
遮光部を除く領域を露光する」としたのは、構成3にあ
るように、遮光部を除く領域とともに全透過部について
も同時に露光しても良いことを意味している。
【0014】構成3によれば、遮光部を除く領域及び全
透過部を第1の光照射量で露光する工程と、前記全透過
部を第3の光照射量で露光する工程と、を有し、前記第
1の光照射量と前記第3の光照射量の合計の光照射量は
所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させるのに必
要な光照射量とすることによって、全透過部のレジスト
を完全に除去できる。その他に関しては上記構成2と同
様である。
【0015】構成4によれば、全透過部を、所定の膜厚
のフォトレジストを十分に感光させるのに必要な光照射
量で露光することによって、全透過部のレジストを完全
に除去できる。具体的には、画素内の全透過部やアライ
メントマーク内の全透過部のように100%の透過が特
に必要な箇所については、所定の膜厚のフォトレジスト
を十分に感光させるのに必要な光照射量の100%以上
で露光することによって、100%の透過が確実に確保
できる。全透過部が繰り返し現れる場合は、全透過部の
データを抜き出し、繰り返し描画を行うことは容易であ
る。
【0016】構成5によれば、グレートーン描画データ
の容量が低減し、これにより描画機または描画機に付随
するデータ変換幾における処理能力の問題から従来マス
ク作成が不可能であったパターンを有するグレートーン
マスクの製造が可能となる。
【0017】構成6によれば、通常の半導体用グレート
ーンマスクはサイズが小さく描画データ容量も小さいの
で、ある程度手間や時間がかかってもグレートーン描画
データを作成することが可能であるが、LCD用グレー
トーンマスクの場合、サイズが大きくその分描画データ
容量も大きく、特にグレートーン描画データの作成は実
際上困難であり、したがって、本発明のグレートーンマ
スクの製造方法はLCD用グレートーンマスクを実用化
する上で必要不可欠である。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1 (1)実施の形態1では、TFT液晶表示装置用グレー
トーンマスクにおいて、電極引き出し線を構成する遮光
部の周囲にグレートーン部を形成する場合を例にとる。
この場合、図1(1)に示す電極取り出し線を構成する
遮光部1のデータと、図1(2)に示すグレートーン部
3のデータを作成する。この際、グレートーン部3のデ
ータは、従来のように遮光部1の領域との重なりを避け
てデータを形成するのではなく、遮光部とその周辺のグ
レートーン部とを含めた所定領域4について、遮光部1
との重なりを無視して最も単純なパターンで一様に作成
する。本実施の形態では、グレートーン部3をライン&
スペースとし、微細遮光パターン3aのライン幅を1μ
m、微細透過部3bのスペース幅を2μmとした。 (2)遮光部1のデータに基づいて遮光部1を除く周囲
の所定領域(グレートーンパターンを実際に形成する領
域等)を第1の光照射量で露光し、次いで、グレートー
ン部3のデータに基づいて微細遮光パターン3aを除く
微細透過部3bの領域を第2の光照射量で露光する。こ
の際、第1の光照射量と第2の光照射量の合計の光照射
量は、所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させる
のに必要な光照射量とする。本実施の形態では、第1の
光照射量及び第2の光照射量は、それぞれ、所定の膜厚
のフォトレジストを十分に感光されるに必要な光照射量
のおよそ50%に設定した。なお、露光の順番は逆でも
良い。上記でフォトレジスト上に照射された光照射量の
分布を図2に示す。図2に示すように、遮光部1上にお
いては、微細透過部3bと重なる領域1bで総光照射量
50%、その他の領域1aで総光照射量0%となる。グ
レートーン部3においては、微細透過部3bの領域3
b’で総光照射量100%、微細遮光パターン3aの領
域3a’(遮光部1と重なる領域を除く)で総光照射量
50%となる。 (3)上記光照射量の分布を有するレジストについて、
現像液にてレジストの除去を行うと、総光照射量が0%
の部分1aは初期レジスト膜厚のままで残り、総光照射
量が50%の部分1b、3a’は初期レジスト膜厚から
やや薄くなった状態で残り、総光照射量が100%の部
分3b’はレジストが除去される。 (4)その後、レジストが除去された部分に露出する遮
光膜を選択的に除去する処理を行うと、レジスト像が残
っている部分はレジスト膜厚に関係なく遮光膜が残存す
るため、遮光部1及びグレートーン部3がマスク上に形
成される。この際、グレートーン部3における微細遮光
パターン3a及び微細透過部3bは、遮光部1を避けて
遮光部1の周囲に形成される。 なお、本発明は、実施の形態1のように、遮光部1等が
繰り返しパターンでない場合に、特に有効である。図1
(2)に示すグレートーン部3のデータは、横方向のラ
イン&スペースに限定されず、縦方向や斜め方向(例え
ば遮光部1と略垂直又は略平行)のデータとすることが
できる。
【0019】実施の形態2 (1)遮光部1、全透過部2、グレートーン部3の全て
のパターンデータを組み込んだ場合の元データが図3の
ように遮光部1及び全透過部2(例えばTFTのアモル
ファスシリコンパターン)と、その周辺に形成されるグ
レートーン部3(例えば微細遮光パターン3aのライン
幅1μm、微細透過部3bのスペース幅2μmのライン
&スペース)で構成されたデータを例にとる。 (2)まず、遮光部1のデータ11(図4(1))と、
全透過部2のデータ12(図4(2))と、データ容量
が大きなグレートーン部3のデータ13(図4(3))
と、に分離した3つのデータを作成する。ここでグレー
トーン部3のデータ13は、遮光部1及び全透過部2と
その周辺のグレートーン部3とを含めた所定領域4につ
いて、遮光部1及び全透過部2のデータとの重なりを無
視して最も単純なパターンで一様に作成する。 (3)次に、図4に示す(1)、(2)、(3)の各デ
ータをフォトレジスト上に逐次、描画機で光照射してパ
ターンを描画する。描画工程においてデータは分離され
ているが、これらのデータを逐次連続して描画すれば良
い。この場合、(1)、(3)の各データを描画する際
に描画機で設定される光照射量は、所定の膜厚のフォト
レジストを十分に感光されるに必要な光照射量のおよそ
50%で設定し、(2)の各データを描画する際の光照
射量は、100%で設定する。なお、データを描画する
順番は(1)、(2)、(3)のどれから先でも構わな
い。 (4)例として図4(1)に示すデータ11に基づいて
最初に描画した際にフォトレジスト上に照射された光照
射量の分布を図5(1)に示す。同図に示すように、遮
光部の領域10で光照射量0%、遮光部の領域10を除
く領域で光照射量50%である。 (5)次に、図4(2)に示すデータ12に基づいて描
画した際にフォトレジスト上に照射された光照射量の分
布を図5(2)に示す。同図に示すように、全透過部の
領域20で光照射量100%であり、その他の領域に関
しては図5(1)と同様である。 (6)最後に、図4(3)に示すデータ13に基づいて
描画した際にフォトレジスト上に照射された光照射量の
分布を図5(3)に示す。同図に示すように、遮光部の
領域10上においては、微細透過部3bと重なる領域で
総光照射量50%、微細遮光パターン3aと重なる領域
で総光照射量0%となる。グレートーン部3において
は、微細透過部3bの領域で総光照射量100%、微細
遮光パターン3aの領域(遮光部と重なる領域を除く)
で総光照射量50%となる。全透過部の領域20では、
微細透過部3bと重なる領域で光照射量150%、微細
遮光パターン3aと重なる領域で光照射量100%とな
る。 (7)上記光照射量の分布を有するレジストについて、
現像液にてレジストの除去を行うと、総光照射量が0%
の部分は初期レジスト膜厚のままで残り、総光照射量が
50%の部分は初期レジスト膜厚からやや薄くなった状
態で残り、総光照射量が100%以上の部分はレジスト
が除去される。 (8)その後、レジストが除去された部分に露出する遮
光膜を選択的に除去する処理を行うと、レジスト像が残
っている部分はレジスト膜厚に関係なく遮光膜が残存す
るため、遮光部1、全透過部2及びグレートーン部3が
元データ通りにマスク上に形成される。つまり、グレー
トーン部3における微細遮光パターン3a及び微細透過
部3bは、遮光部1及び全透過部2を避けて遮光部1及
び全透過部2の周囲に形成される。
【0020】実施例 実施例では、透明基板上に遮光膜、ポジ型フォトレジス
トを順次形成したブランクス上に、実施の形態1及び実
施の形態2のパターンを有したデータをレーザ描画機
(波長413nm)にて実施の形態1及び2の光照射量
で描画し、その後アルカリ現像液にてフォトレジストを
選択的に除去し、フォトレジストが選択的に除去された
部分の遮光膜をエッチング等によって選択的に除去し
て、LCD用グレートーンマスクを作製した。作製した
グレートーンマスクは、元データのパターン形状を再現
したものであることを顕微鏡にて確認した。上記グレー
トーンマスクを用い、大型LCD用露光機で露光テスト
を実施して、レジスト膜付き基板上にパターン転写を実
施し、これを現像した基板においてマスク上の遮光部に
対応する部分ではレジストが完全に残り、全透過部に対
応する部分ではレジストが完全に除去され、半透過部に
対応する部分ではレジスト膜厚が薄くなるグレートーン
効果を確認した。
【0021】なお、本発明は上述した実施の形態等に限
定されるものではない。例えば、グレートーン部を構成
する微細パターンの形状はライン&スペース形状に限定
されず、図7に示すような点線タイプや、ドット形状、
格子形状、およびこれらの複合も可能である。また、光
照射量はその後のレジスト除去工程において、1回の照
射ではレジスト像を残し、かつ2回の照射で重なった部
分のみが除去される割合であれば所定の膜厚のフォトレ
ジストを十分に感光されるのに必要な光照射量の50%
に限定されない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、微
細パターンからなるグレートーン部の描画データの作成
が容易である。したがって、従来グレートーン部の描画
データの作成が困難であったため製造が困難であったグ
レートーンマスクを容易に製造できる。特に、本発明の
描画方法及び製造方法は、LCD用グレートーンマスク
を実用化する上で必要不可欠である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる描画データの分
離を説明するための図であり、図1(1)は遮光部の描
画データ、図1(2)はグレートーン部の描画データを
それぞれ示す。
【図2】図1の各描画データを所定の光照射量で逐次描
画した場合における光照射量の分布を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる遮光部、全透過
部、グレートーン部の全てのパターンデータ(描画デー
タ)を組み込んだ場合の元データ(描画データ)を示す
図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる描画データの分
離を説明するための図であり、図4(1)は遮光部の描
画データ、図4(2)は全透過部の描画データ、図4
(3)はグレートーン部の描画データをそれぞれ示す。
【図5】図4の各描画データを所定の光照射量で逐次描
画した場合に順次得られる光照射量の分布を示す図であ
る。
【図6】グレートーンマスクを説明するための図であ
り、(1)は部分平面図、(2)は部分断面図である。
【図7】グレートーン部の他の態様を説明するための部
分平面図である。
【図8】遮光部、全透過部、グレートーン部の全てのパ
ターンデータ(描画データ)を組み込んだ場合の元デー
タ(描画データ)を示す図である。
【図9】従来の描画データの分離の方法を説明するため
の図であり、図9(1)は遮光部及び全透過部の描画デ
ータ、図9(2)はグレートーン部の描画データをそれ
ぞれ示す。
【符号の説明】
1 遮光部 2 全透過部 3 グレートーン部 3a 微細遮光パターン 3b 微細透過部 4 所定領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮光部と、全透過部と、グレートーンマ
    スクを使用する露光機の解像限界以下の微細遮光パター
    ンを形成した領域であってこの領域を透過する光の透過
    量を低減してフォトレジストの膜厚を選択的に変えるこ
    とを目的とするグレートーン部とを有するグレートーン
    マスクの描画方法であって、 遮光部とその周辺のグレートーン部とを含めた所定領域
    について、グレートーン効果を奏する形状及び配列を有
    するグレートーンパターンデータを、前記遮光部との重
    なりを避けることなく作成する工程と、 前記所定領域について、遮光部を除く領域を露光するデ
    ータを作成する工程と、を有し、 前記所定領域について、遮光部を除く領域を第1の光照
    射量で露光する工程と、 前記所定領域について、前記グレートーンパターンデー
    タにおける微細透過部の領域を第2の光照射量で露光す
    る工程と、を有し、 前記第1の光照射量と前記第2の光照射量の合計の光照
    射量は所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させる
    のに必要な光照射量とすることを特徴とするグレートー
    ンマスクの描画方法。
  2. 【請求項2】 遮光部と、全透過部と、グレートーンマ
    スクを使用する露光機の解像限界以下の微細遮光パター
    ンを形成した領域であってこの領域を透過する光の透過
    量を低減してフォトレジストの膜厚を選択的に変えるこ
    とを目的とするグレートーン部とを有するグレートーン
    マスクの描画方法であって、 遮光部及び/又は全透過部とその周辺のグレートーン部
    とを含めた所定領域について、グレートーン効果を奏す
    る形状及び配列を有するグレートーンパターンデータ
    を、前記遮光部及び/又は前記全透過部との重なりを避
    けることなく作成する工程と、 前記所定領域について、少なくとも遮光部を除く領域を
    露光するデータを作成する工程と、を有し、 前記所定領域について、少なくとも遮光部を除く領域を
    第1の光照射量で露光する工程と、 前記所定領域について、前記グレートーンパターンデー
    タにおける微細透過部の領域を第2の光照射量で露光す
    る工程と、を有し、 前記第1の光照射量と前記第2の光照射量の合計の光照
    射量は所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させる
    のに必要な光照射量とすることを特徴とするグレートー
    ンマスクの描画方法。
  3. 【請求項3】 遮光部を除く領域及び全透過部を第1の
    光照射量で露光する工程と、 前記全透過部を第3の光照射量で露光する工程と、を有
    し、 前記第1の光照射量と前記第3の光照射量の合計の光照
    射量は所定の膜厚のフォトレジストを十分に感光させる
    のに必要な光照射量とすることを特徴とする請求項2記
    載のグレートーンマスクの描画方法。
  4. 【請求項4】 全透過部を、所定の膜厚のフォトレジス
    トを十分に感光させるのに必要な光照射量で露光する工
    程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のグレートーンマスクの描画方法。
  5. 【請求項5】 透明基板上に遮光膜、ポジ型フォトレジ
    ストを順次形成したブランクス上に、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の描画方法によって描画を行う工程と、現
    像処理によってフォトレジストを選択的に除去する工程
    と、フォトレジストが選択的に除去された部分の遮光膜
    を選択的に除去する工程と、を有することを特徴とする
    グレートーンマスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 グレートーンマスクがLCD用マスクで
    あることを特徴とする請求項5に記載のグレートーンマ
    スクの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7745842B2 (en) 2000-12-19 2010-06-29 Hoya Corporation Graytone mask and method thereof
KR101289299B1 (ko) * 2005-08-12 2013-07-24 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 노광 마스크 및 그것을 이용한 반도체 장치 제조 방법
WO2019082380A1 (ja) * 2017-10-27 2019-05-02 シャープ株式会社 グレイトーンマスク

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