JP2002131863A - 銀塩光熱写真材料 - Google Patents

銀塩光熱写真材料

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JP2002131863A JP2000321158A JP2000321158A JP2002131863A JP 2002131863 A JP2002131863 A JP 2002131863A JP 2000321158 A JP2000321158 A JP 2000321158A JP 2000321158 A JP2000321158 A JP 2000321158A JP 2002131863 A JP2002131863 A JP 2002131863A
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Hideki Komatsu
秀樹 小松
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光・現像を含めたシステムにおける濃度変
動防止、特に現像後の写真材料の濃度変動防止およびそ
の現像メカニズムから来ると考えられる色調の悪さが改
善された銀塩光熱写真材料を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 支持体上に少なくともa)非感光性有機
銀塩、b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の銀
イオンを銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光熱
写真材料において、露光現像後の該熱現像感光材料が50
℃50%Rhで120hrの保存により、濃度3.0での変動巾が±
0.2以内であることを特徴とする銀塩光熱写真材料によ
り、達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像により画像
を形成する写真感光材料(銀塩光熱写真材料)に関し、
特に、印刷製版や医療の分野での銀塩光熱写真材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、印刷製版や医療の分野では、
画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問
題になっており、近年では環境保全、省スペースの観点
からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レ
ーザーイメージセッターやレーザーイメージャーにより
効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形
成することが出来る光熱写真材料に関する技術が近年特
に必要となってきた。この為の技術として熱処理により
写真画像を形成するハロゲン化銀感光材料(いわゆる銀
塩光熱現像写真感光材料)が知られており、これらは例
えば(D.モーガン(Morgan)とB.シェリー
(Shely)による)米国特許第3,152,904
号、3,457,075号又は、D.H.クロスタベー
ル(Klosterboer)による「熱によって処理
される銀システム(Thermally Proces
sed Silver Systems)」、(イメー
ジング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Im
aging Processes and Mater
ials)Neblette 第8版、スタージ(St
urge)、V.ウォールワース(Walwort
h)、A.シェップ(Shepp)編集、第279頁、
1989年)等に開示されている。
【0003】この様な銀塩光熱写真材料は、還元可能な
銀源(例えば非感光性有機銀塩)、触媒活性量の光触媒
(例えばハロゲン化銀)、及び還元剤を通常有機のバイ
ンダーマトリクス中に分散した状態で含有している。銀
塩光熱写真材料は常温で安定であるが、露光後高温に加
熱した場合に還元可能な銀源(酸化剤として作用する)
と還元剤との間の酸化還元反応により金属銀を生成す
る。ここ数年、銀塩光熱写真材料の研究が急速に進み、
基本的な性能を満たす製品が市場に展開されているのが
現状である。そこで新たな問題点、特に露光・現像を含
めたシステム上の問題点が指摘されるようになった。中
でも現像で生じる濃度ムラは、大きな問題点の一つであ
り、特に医療用については、わずかな濃度差で診断を行
うため、問題は更に深刻である。反して銀塩光熱写真材
料システムにおける現像ムラ改良技術については、機器
での技術が数件報告されている程度で皆無に近いのが現
状であり、これら観点からの改善が要望されている現状
である。また、銀塩光熱写真材料は、その現像メカニズ
ムゆえの色調の悪さが指摘されている。この問題につい
ては、従来より、盛んに研究が行われ、数多くの技術が
報告されている。しかしながら、未だ良好なレベルに達
していないのが現状で、前者のシステムがらみでの現像
ムラ等の改善とともに早急な改良技術の確立が強く待た
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで新たな問題点、
特に露光・現像を含めたシステム上の問題点が指摘され
るようになった。中でも現像で生じる濃度ムラと同様に
現像後における濃度変動による濃度ムラは、大きな問題
点の一つであり、特に医療用については、わずかな濃度
差で診断を行うため、問題は更に深刻である。反して、
熱現像銀塩感材システムにおける現像ムラ改良技術につ
いては、機器での技術が数件報告されている程度で皆無
に近く、早急な改良技術の確立が強く待たれている。
【0005】更に、その現像メカニズムから来ると考え
られる色調の悪さが指摘されており、早急な改善が要求
されている。本発明は、上記課題(問題点)を解決する
銀塩光熱写真材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に少
なくともa)非感光性有機銀塩、b)ハロゲン化銀、
c)熱により該有機銀塩の銀イオンを銀に還元しうる還
元剤を含有してなる銀塩光熱写真材料において、露光現
像後の該熱現像感光材料が50℃50%Rhで120hrの保存によ
り、濃度3.0での変動巾が±0.2以内であることを特徴と
する銀塩光熱写真材料により上記課題が達成する事がで
きた。
【0007】また、さらには、以下の態様により好まし
い効果を奏することができた。 (a)一般式(1)で表される化合物を含有し、かつ一
般式(1)で表される化合物、非感光性有機銀塩及び一
般式(2)で表される銀イオンを銀に還元しうる還元剤
の含有比率が非感光性有機銀塩に対する一般式(2)化
合物の含有比率が35〜100mol%でかつ、一般式(1)化
合物に対して一般式(2)化合物が10〜50倍mol含有し
ていることを特徴とする上述の銀塩光熱写真材料。
【0008】一般式(1) X=C=N−L−(N=C=X)v 〔式中、vは1または2であり、Lはアルキレン基、ア
ルケニレン基、アリーレン基またはアルキルアリーレン
基を有する2価の連結基であり、Xは酸素または硫黄原
子である。〕
【0009】
【化2】
【0010】式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、ブチル基、2,4,4−ト
リメチルペンチル基等)を表し、R′及びR″は、各
々、炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、t−ブチル基等)を表す。 (b)一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)
で表される化合物を少なくとも1種づつ含有することを
特徴とする上述の銀塩光熱写真材料。
【0011】一般式(3) Q-(Y)n-C(X1)(X2)(X3) (Qは、アリール基、ヘテロ環基を表し、Yは、SO、
SO2、CO各基を含む2価の基を表し、X1ないしX
3は、ハロゲン原子を表す。)一般式(4)で表される
化合物を以下に示す。
【0012】 Q'-(Y')n-C(X'1)(X'2)(X'3) (Q'は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'は、S
O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
は1を表し、X'1ないしX'3は、水素原子、ハロゲン
原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基である
が、少なくとも一つはハロゲン原子であり、且つ全てが
ハロゲン原子であることはない。) (c)一般式(5)で表される化合物及び一般式(6)
で表される化合物を少なくとも1種づつ含有することを
特徴とする上述の銀塩光熱写真材料。
【0013】一般式(5)で表される化合物を以下に示
す。
【0014】 Q''-(Y'')n-C(X''1)(X''2)(X''3) (Q''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y''は、S
O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
は1を表し、X''1ないしX''3は、水素原子、臭素原
子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少
なくとも一つは臭素原子である。) 一般式(6) Q'''-(Y''')n-C(X'''1)(X'''2)(X'''
3) (Q'''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'''は、
SO、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0ま
たは1を表し、X'''1ないしX'''3は、塩素原子、ハ
ロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少なくと
も一つが塩素原子である。) (d)省銀化剤を少なくとも一種含有することを特徴と
する上述の銀塩光熱写真材料。 (e)感光性層2層以上有することを特徴とする上述の
黒白銀塩光熱写真材料。 (f)上述の銀塩光熱写真材料に画像を記録する際の露
光が、走査レーザー光が縦マルチであるレーザー光走査
露光機によるものであることを特徴とする画像記録方
法。 (g)現像処理後の感光材料の色相角hab(JIS
Z8729により規定)が、180°<hab<270
°であることを特徴とする上述の銀塩光熱写真材料。 (h)支持体上に少なくともa)非感光性有機銀塩、
b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の銀イオン
を銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光熱写真材
料において、該感光層が、30重量%以上の水を含有す
る塗布液を塗布して形成されたことを特徴とする上述の
銀塩光熱写真材料。 (i)支持体上に少なくともa)非感光性有機銀塩、
b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の銀イオン
を銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光熱写真材
料において、該銀塩光熱写真材料が露光前において30
℃以下で60日〜400日の条件下に置かれたことを特
徴とする上述の銀塩光熱写真材料。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、露光現像後の該
銀塩光熱写真材料が50℃50%Rhで120hrの保
存による濃度3.0での変動巾が±0.2以内であると
は、光学濃度3.0を与えるために、任意の光源、光量
で露光し、熱現像した試料を50℃50%Rhに調整さ
れた恒温室内に非接触状態で(例えば、恒温室に当該感
光材料を糸等で垂下して非接触とする)120hr保存
した後、濃度測定を行い、前後での変動巾が±0.2以
内に納まることを指す。
【0016】尚、光学濃度を求める方法としては、通常
の方法、例えば、市販されている濃度計、例えばPDA
−65(コニカ(株)製)を使用した方法を挙げる事が
できる。
【0017】光源・光量を含めた形の露光方法及び温度
を含めた形の熱現像方法は任意で制限はない。ただし、
レーザー光による露光が好ましく、露光波長は、該写真
材料の最大吸収波長付近であることが好ましく、更に
は、最大吸収波長での吸光度に対して50%以上の吸光度
を有する波長域であることが好ましい。露光量は、その
写真材料が有する感度に必要な露光量である事が好まし
い。
【0018】また、熱現像に関しては、該写真感材の温
度が80℃〜200℃となる温度範囲で、1〜120
秒、現像することが好ましいが、これに限定されず、上
記の温度および時間の関数として同様に考慮して決める
事ができる。
【0019】本発明における銀塩光熱写真材料が、以上
の様な条件下の保存で濃度3.0での変動巾が±0.2
以内となる為には、熱漂白剤の添加、有機酸とバインダ
ーの相溶性向上、現像に関与する素材の拡散性の低下さ
せる事、バインダーによる素材の拡散性の制御などの種
々の方法が挙げられる。
【0020】また、下記する一般式の化合物を含有する
事も、有用な技術の一つである。
【0021】本発明における一般式(1)で表される化
合物について説明する。
【0022】一般式(1) X=C=N−L−(N=C=X)v 〔式中、vは1または2であり、Lはアルキレン、アル
ケニレン、アリーレン基またはアルキルアリーレン基で
ありうる2価の連結基であり、Xは酸素または硫黄原子
である。〕 なお、上記一般式(1)で表される化合物において、ア
リーレン基のアリール環は置換基を有し得る。好ましい
置換基の例は、ハロゲン原子(例えば、臭素原子または
塩素原子)、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル
基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される。
【0023】一般式(1)化合物は、イソシアネート化
合物が好ましく、イソシアネート基を少なくとも2個有
しているイソシアネート類及びその付加体(アダクト
体)が好ましい。更に、具体的には、脂肪族ジイソシア
ネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、
ベンゼンジイソシアネート類、ナフタレンジイソシアネ
ート類、ビフェニルイソシアネート類、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート類、トリフェニルメタンジイソシア
ネート類、トリイソシアネート類、テトライソシアネー
ト類、これらのイソシアネート類の付加体及びこれらの
イソシアネート類と2価又は3価のポリアルコール類と
の付加体が挙げられる。具体例としては、特開昭56−
5535号明細書の10頁から12頁に記載されている
イソシアネート化合物を挙げるることができる。
【0024】即ち、エタンジイソシアネート、ブタンジ
イソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、2,2−
ジメチルぺンタンジイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルぺンタンジイソシアネート、デカンジイソシアネ
ート、ω,ω′−ジイソシアネート−1,3−ジメチル
ベンゾール、ω,ω′−ジイソシアネート−1,2−ジ
メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω−ジイ
ソシアネート−1,4−ジエチルベンゾール、ω,ω′
−ジイソシアネート−1,5−ジメチルナフタレン、
ω,ω′−ジイソシアネート−n−プロピルビフェニ
ル、1,3−フェニレンジイソシアネート、1−メチル
ベンゾール−2,4−ジイソシアネート、1,3−ジメ
チルベンゾール−2,6−ジイソシアネート、ナフタレ
ン−1,4−ジイソシアネート、1,1′−ジナフチル
−2,2′−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−
4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジエトキシジフェニルメタン−4,4′
−ジイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,
6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフェニルメ
タン−2,4,4′−トリイソシアネート、トリフェニ
ルメタン−4,4′,4′−トリイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシア
ネ−ト;これらのイソシアネートの2量体又は3量体の
アダクト体(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの
2モルのアダクト、ヘキサメチレンジイソシアネート3
モルのアダクト、2,4−トリレンジイソシアネート2
モルのアダクト、2,4−トリレンジイソシアネート3
モルのアダクトなど);これらのイソシアネートの中か
ら選ばれる互いに異なる2種以上のイソシアネート同志
のアダクト体;及びこれらのイソシアネートと2価又は
3価のポリアルコール(好ましくは炭素数20までのポ
リアルコール。例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ピナコール、トリメチロールプロパンな
ど)とのアダクト体(例えばトリレンジイソシアネート
とトリメチロールプロパンのアダクト;ヘキサメチレン
ジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト
など)などが挙げられる。これらの中でもイソシアネー
トとポリアルコールのアダクト体は特に、層間接着を良
くし、層の剥離や画像のズレ及び気泡の発生を防止する
能力が高い。また、市販のイソシアネート化合物を使う
こともできる。
【0025】製造元から入手できる特定のイソシアネー
ト化合物の例を以下に示すが、本発明がこれらに限定さ
れると解するべきではない。この例には、脂肪族、芳香
族およびポリマーイソシアネートが含まれる。 IC−1 デスモデュ(Desmodur)N100、
モーベイ社、脂肪族イソシアネート IC−2 デスモデュN3300、モーベイ社、脂肪族
イソシアネート IC−3 モンデュー(Mondur)TD−80、モ
ーベイ社、芳香族イソシアネート IC−4 モンデューM、モーベイ社、芳香族イソシア
ネート IC−5 モンデューMRS、モーベイ社、ポリマーイ
ソシアネート IC−6 デスモデュW、モーベイ社、脂肪族イソシア
ネート IC−7 パピ(Papi)27、ダウ社、ポリマーイ
ソシアネート IC−8 イソシアネートT1890、ヒュルス(Hu
els)、脂肪族イソシアネート IC−9 オクタデシルイソシアネート、アルドリッヒ
社、脂肪族イソシアネート かかるイソシアネート化合物は写真材料中のどこに存在
してもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、
そのサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表
面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等
の支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの
層の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0026】又、本発明において一般式(1)で表され
る化合物は、上述のイソシアネート類に対応するチオイ
ソシアネート構造を有する化合物も有用である。
【0027】本発明において使用される一般式(1)で
表される化合物の量は、非感光性有機酸銀塩1molあ
たり0.005〜0.1molの範囲が好ましい。更に
好ましくは非感光性有機酸銀塩1molあたり0.01
〜0.05mol範囲である。また、この量の範囲内に
おいては、2種以上併用してもよい。
【0028】本発明における一般式(2)で表される化
合物について説明する。
【0029】
【化3】
【0030】式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、ブチル基、2,4,4−ト
リメチルペンチル基等)を表し、R′及びR″は、各
々、炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、t−ブチル基等)を表す。
【0031】一般式(2)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、これらに限定されな
い。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】本発明において、一般式(2)で表される
化合物の使用量は、非感光性有機酸銀塩に対し、35〜
100mol%の範囲である。40〜60mol%の範囲
であることが好ましい。
【0035】かつ一般式(1)で表される化合物に対し
ては、10〜50倍mol量(molで対比して、一般式
(1)で表される化合物の10〜50倍量)範囲で添加
され、好ましくは、15〜30倍mol量の範囲であ
る。
【0036】本発明において、一般式(2)で表される
化合物は、上記範囲内の量において2種以上併用しても
よく、塗布直前に感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子
及び溶媒を有してなる感光乳剤液に添加混合して塗布す
ると、停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい。
【0037】かかる化合物は写真材料中のどこに存在し
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの層
の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0038】一般式(3)で表される化合物を以下に示
す。
【0039】 Q-(Y)n-C(X1)(X2)(X3) 一般式(3)中、Qはアリール基またはヘテロ基を表
す。X1、X2及びX3はハロゲン原子を表す。Yは、
好ましくは、−C(=O)−、−SO−または−SO2
−を表し、更に好ましくは−SO2−である。また、n
は0または、1を表す。
【0040】Qで表されるアリール基は、単環または縮
環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環ま
たは二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)
であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基であ
り、更に好ましくはフェニル基である。
【0041】Qで表されるヘテロ環基は、N、Oまたは
Sの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和
もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であ
っても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよ
い5ないし6員の不飽和ヘテロ環基であり、より好まし
くは縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘ
テロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環
を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基で
あり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む縮
合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環
基である。
【0042】このようなヘテロ環基におけるヘテロ環と
して好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾー
ル、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、
チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラ
ジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シン
ノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、
フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾー
ル、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズ
チアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、
より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、
ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チ
アジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジ
ン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノ
リン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベン
ズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾー
ル、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾ
ール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、
トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズ
イミダゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましく
はピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾ
ールである。Qで表されるアリール基およびヘテロ環基
は−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有
していても良く、置換基として好ましくはアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ
基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル
基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シア
ノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環
基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミ
ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモ
イル基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で
あり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモ
イル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環
基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハ
ロゲン原子である。
【0043】X1、X2及びX3はハロゲン原子を表
す。好ましいハロゲン原子は塩素原子、臭素原子、沃素
原子で更には、塩素原子、臭素原子が好ましく、特には
臭素原子が好ましい。
【0044】これらの化合物の具体例を以下にあげる
が、本発明を限定するものではない。
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】これらの化合物は単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用しても良い。
【0051】好ましい添加量は、0.001〜0.1m
ol/mol非感光性有機酸銀塩の範囲が好ましい。更
には0.01〜0.07mol/mol非感光性有機酸
銀塩の範囲が好ましい。
【0052】これらの化合物は単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用しても良い。
【0053】かかる化合物は写真材料中のどこに存在し
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの層
の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0054】一般式(4)で表される化合物を以下に示
す。
【0055】 Q'-(Y')n-C(X'1)(X'2)(X'3) (Q'は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'は、S
O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
は1を表し、X'1ないしX'3は、水素原子、ハロゲン
原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基である
が、少なくとも一つはハロゲン原子であり、且つ全てが
ハロゲン原子であることはない。ハロゲン原子の中でも
好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更
に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましく
は臭素原子である。
【0056】一般式(4)におけるQ'およびY'は、一
般式(3)でのQおよびYと同様のものが挙げられる。
【0057】これらの化合物の具体例を以下にあげる
が、本発明を限定するものではない。
【0058】
【化11】
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】これらの化合物は単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用しても良い。
【0064】好ましい添加量は、0.001〜0.1m
ol/mol非感光性有機酸銀塩の範囲が好ましい。更
には0.01〜0.07mol/mol非感光性有機酸
銀塩の範囲が好ましい。
【0065】かかる化合物は写真材料中のどこに存在し
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの層
の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0066】一般式(5)で表される化合物を以下に示
す。
【0067】 Q''-(Y'')n-C(X''1)(X''2)(X''3) (Q''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y''は、S
O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
は1を表し、X''1ないしX''3は、水素原子、臭素原
子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少
なくとも一つは臭素原子である。好ましくは、少なくと
も二つが臭素原子であり、更に好ましくは、3つが臭素
原子である。
【0068】一般式(5)におけるQ''およびY''は、
一般式(3)でのQおよびYと同様のものが挙げられ
る。
【0069】これらの化合物の具体例を以下にあげる
が、本発明を限定するものではない。
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
【化18】
【0073】
【化19】
【0074】
【化20】
【0075】これらの化合物は単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用しても良い。
【0076】好ましい添加量は、化合物2種以上合計で
0.001〜0.1mol/mol非感光性有機酸銀塩
の範囲が好ましい。更には0.01〜0.07mol/
mol非感光性有機酸銀塩の範囲が好ましい。
【0077】かかる化合物は写真材料中のどこに存在し
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの層
の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0078】一般式(6) Q'''-(Y''')n-C(X'''1)(X'''2)(X'''
3) (Q'''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'''は、
SO、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0ま
たは1を表し、X'''1ないしX'''3は、塩素原子、ハ
ロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少なくと
も一つが塩素原子である。好ましくは少なくとも二つが
塩素原子であり、更に好ましくは、3つが塩素原子であ
る。一般式(6)におけるQ'''およびY'''は、一般式
(3)でのQおよびYと同様のものが挙げられる。
【0079】これらの化合物の具体例を以下にあげる
が、本発明を限定するものではない。
【0080】
【化21】
【0081】
【化22】
【0082】
【化23】
【0083】
【化24】
【0084】
【化25】
【0085】これらの化合物は単独で使用しても、2種
以上を組み合わせて使用しても良い。
【0086】好ましい添加量は、化合物2種以上合計で
0.001〜0.1mol/mol非感光性有機酸銀塩
の範囲が好ましい。更には0.01〜0.07mol/
mol非感光性有機酸銀塩の範囲が好ましい。
【0087】かかる化合物は写真材料中のどこに存在し
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層等に添加でき、これらの層
の中の1層又は2層以上に存在させることができる。
【0088】(露光前の保存)本発明において、銀塩光
熱写真材料を露光前において30℃以下で60日〜40
0日の条件下に置くことで、塗布直後および経時後の現
像ムラおよび色調の良好性及び安定性が向上する。
【0089】上記の露光前の保存の条件としては、20
℃以下が好ましく、また、150日〜350日が好まし
い。
【0090】(省銀化剤)本発明において使用される省
銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量
を低減化し得る化合物をいう。この低減化する機能の作
用機構は種々考えられるが、現像銀の被覆力を向上させ
る機能を有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被
覆力とは、銀の単位量当たりの光学濃度をいう。
【0091】省銀化剤としては、下記一般式〔H〕で表
されるヒドラジン誘導体化合物、下記一般式(G)で表
せるビニル化合物、下記一般式(P)で表される4級オ
ニウム化合物等が好ましい例として挙げられる。
【0092】
【化26】
【0093】一般式〔H〕において、式中、A0はそれ
ぞれ置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環
基又は−G0−D0基を、B0はブロッキング基を表し、
1、A2はともに水素原子、又は一方が水素原子で他方
はアシル基、スルホニル基又はオキザリル基を表す。こ
こで、G0は−CO−基、−COCO−基、−CS−
基、−C(=NG11)−基、−SO−基、−SO2
基又は−P(O)(G1 1)−基を表し、G1は単なる
結合手、−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表
し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子
を表し、分子内に複数のD1が存在する場合、それらは
同じであっても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪
族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を
表す。好ましいD0としては、水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0094】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が
好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げら
れ、これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換
されていてもよい。
【0095】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ
る。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0基は置換
基を有していてもよい。A0として、特に好ましいもの
はアリール基及び−G0−D0基である。
【0096】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を、少なくとも一つ含むこと
が好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写
真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラ
スト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げら
れ、置換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好
ましい。
【0097】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0098】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0099】更に好ましいヒドラジン誘導体は、下記一
般式(H−1)、(H−2)、(H−3)、(H−4)
で表される。
【0100】
【化27】
【0101】一般式(H−1)において、R11、R12
びR13はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアリール
基またはヘテロアリール基を表すが、アリール基として
具体的には、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナ
フチルなどが挙げられる。ヘテロアリール基として、具
体的にはトリアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジ
ン残基、フラン残基、チオフェン残基などが挙げられ
る。また、R11、R12及びR13はそれぞれ任意の連結基
を介して結合してもよい。R11、R12及びR13が置換基
を有する場合、その置換基としては例えばアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、
4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ヒドロキシル
基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレ
ンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、ウレタン基、カルボキシル基、イミド基、アミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド
基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニウム基、(アルキル、アリール、またはヘ
テロ環)チオ基、メルカプト基、(アルキルまたはアリ
ール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スル
フィニル基、スルホ基、スルファモイル基、アシルスル
ファモイル基、(アルキルもしくはアリール)スルホニ
ルウレイド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニ
ルカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、リン酸アミド基などが挙げられる。R 11、R12及び
13として、好ましくはいずれもが置換もしくは無置換
のフェニル基であり、より好ましくはR11、R12及びR
13のいずれもが無置換のフェニル基である。
【0102】R14はヘテロアリールオキシ基、ヘテロア
リールチオ基を表すが、ヘテロアリールオキシ基とし
て、具体的にはピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ
基、インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、
ベンズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニ
ルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ
基等が挙げられる。ヘテロアリールチオ基として、具体
的にはピリジルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリル
チオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリル
チオ基、フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチ
オ基、イミダゾリルチオ基等が挙げられる。R14とし
て、好ましくはピリジルオキシ基、チエニルオキシ基で
ある。
【0103】A1、A2はともに水素原子、又は一方が水
素原子で他方はアシル基(アセチル、トリフルオロアセ
チル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メタンスルホニ
ル、トルエンスルホニル等)又はオキザリル基(エトキ
ザリル等)を表す。好ましくはA1、A2ともに水素原子
の場合である。
【0104】一般式(H−2)において、R21は置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基またはヘテロア
リール基を表すが、アルキル基として、具体的にはメチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シク
ロヘキシル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙
げられる。アリール基及びヘテロアリール基として、具
体的にはR11、R12及びR13と同様のものが挙げられ
る。また、R21が置換基を有する場合の置換基の具体的
な例としては、R11、R12及びR13の置換基と同様のも
のが挙げられる。R21として好ましくはアリール基また
はヘテロアリール基であり、特に好ましくは置換もしく
は無置換のフェニル基である。
【0105】R22は水素、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ヘテロアリールアミノ基を表すが、アルキル
アミノ基として、具体的にはメチルアミノ基、エチルア
ミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等
が挙げられる。アリールアミノ基としてはアニリノ基、
ヘテロアリール基としてはチアゾリルアミノ基、ベンズ
イミダゾリルアミノ基、ベンズチアゾリルアミノ基等が
挙げられる。R22として、好ましくはジメチルアミノ基
またはジエチルアミノ基である。A1、A2は一般式(H
−1)で記載したA1、A2と同様である。
【0106】一般式(H−3)において、R31、R32
一価の置換基を表すが、一価の置換基としては、R11
12及びR13の置換基として挙げられた、基が挙げられ
るが、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロア
リール基、アルコキシ基、アミノ基が挙げられる。更に
好ましくはアリール基またはアルコキシ基である。特に
好ましいのは、R31とR32の少なくとも一つがtert
−ブトキシ基であるものであり、別の好ましい構造は、
31がフェニル基のとき、R32がtert−ブトキシ基
である。
【0107】G31、G32は−CO−基、−COCO−
基、−C(=S)−、スルホニル基、スルホキシ基、−
P(=O)R33−基又はイミノメチレン基を表し、R33
はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。但し、G
31がスルホニル基のとき、G32はカルボニル基ではな
い。G31、G32として、好ましくは−CO−基、−CO
CO−基、スルホニル基または−CS−であり、より好
ましくは互いに−CO−基または互いにスルホニル基で
ある。A1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2
と同様である。
【0108】一般式(H−4)において、R41、R42
よびR43は、一般式(H−1)におけるR11、R12およ
びR13と同義である。R41、R42およびR43として好ま
しくはいずれもが置換もしくは無置換のフェニル基であ
り、より好ましくはR41、R 42及びR43のいずれもが無
置換のフェニル基である。R44、R45は無置換または置
換アルキル基を表すが、具体的な例としてはメチル基、
エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シクロヘキ
シル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙げられ
る。R44、R45として好ましくは互いにエチル基であ
る。A1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2
同様である。
【0109】これら本発明の一般式(H−1)〜(H−
4)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成
することができる。例えば、米国特許第5,464,7
38号、同5,496,695号を参考にして合成する
ことができる。
【0110】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特
許第5,464,738号カラム9〜11に記載の化合
物1〜12である。これらのヒドラジン誘導体は公知の
方法で合成することができる。更に、一般式(H)で表
される化合物について、有用な例としては、以下の化合
物が挙げられる。
【0111】
【化28】
【0112】また、一般式(G)について説明する。
【0113】
【化29】
【0114】一般式(G)において、XとRはシスの形
で表示してあるが、XとRがトランスの形も一般式
(G)に含まれる。この事は具体的化合物の構造表示に
おいても同様である。
【0115】一般式(G)において、Xは電子吸引性基
を表し、Wは水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アシル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシオキサ
リル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、チオ
カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキ
シスルフィニル基、チオスルフィニル基、スルファモイ
ル基、オキシスルフィニル基、チオスルフィニル基、ス
ルフィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ
基、N−カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミノ
基、ジシアノエチレン基、アンモニウム基、スルホニウ
ム基、ホスホニウム基、ピリリウム基、インモニウム基
を表す。
【0116】Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アル
ケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカル
ボニルチオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシル
基又はメルカプト基の有機又は無機の塩(例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アルキル
アミノ基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ基)、ア
シルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環基
(5〜6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツトリアゾリ
ル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表す。Xと
W、XとRは、それぞれ互いに結合して環状構造を形成
してもよい。XとWが形成する環としては、例えばピラ
ゾロン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオン、β−
ケトラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられる。
【0117】一般式(G)について更に説明すると、X
の表す電子吸引性基とは、置換基定数σpが正の値をと
りうる置換基のことである。具体的には、置換アルキル
基(ハロゲン置換アルキル等)、置換アルケニル基(シ
アノビニル等)、置換・未置換のアルキニル基(トリフ
ルオロメチルアセチレニル、シアノアセチレニル等)、
置換アリール基(シアノフェニル等)、置換・未置換の
ヘテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾオキサゾ
リル等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基(アセチ
ル、トリフルオロアセチル、ホルミル等)、チオアセチ
ル基(チオアセチル、チオホルミル等)、オキサリル基
(メチルオキサリル等)、オキシオキサリル基(エトキ
サリル等)、チオオキサリル基(エチルチオオキサリル
等)、オキサモイル基(メチルオキサモイル等)、オキ
シカルボニル基(エトキシカルボニル等)、カルボキシ
ル基、チオカルボニル基(エチルチオカルボニル等)、
カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホニル基、
スルフィニル基、オキシスルホニル基(エトキシスルホ
ニル等)、チオスルホニル基(エチルチオスルホニル
等)、スルファモイル基、オキシスルフィニル基(メト
キシスルフィニル等)、チオスルフィニル基(メチルチ
オスルフィニル等)、スルフィナモイル基、ホスホリル
基、ニトロ基、イミノ基、N−カルボニルイミノ基(N
−アセチルイミノ等)、N−スルホニルイミノ基(N−
メタンスルホニルイミノ等)、ジシアノエチレン基、ア
ンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ピリ
リウム基、インモニウム基が挙げられるが、アンモニウ
ム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、インモニウム
基等が環を形成したヘテロ環状のものも含まれる。σp
値として0.30以上の置換基が特に好ましい。
【0118】Wとして表されるアルキル基としては、メ
チル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基
としてはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0119】上記Rの置換基の内、好ましくはヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はメルカプト基の
有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、更に好まし
くはヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基又
はメルカプト基の有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げ
られ、特に好ましくはヒドロキシル基、ヒドロキシル基
又はメルカプト基の有機又は無機の塩が挙げられる。
【0120】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0121】次に、一般式(P)について説明する。
【0122】
【化30】
【0123】一般式(P)において、Qは窒素原子又は
燐原子を表し、R1、R2、R3及びR4は、各々水素原子
又は置換基を表し、X-はアニオンを表す。尚、R1〜R
4は互いに連結して環を形成してもよい。
【0124】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ア
リル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プロパルギル
基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチ
ル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル
基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、
スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられる。
【0125】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0126】R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、ス
ルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有しても
よい。R1、R2、R3及びR4としては、水素原子及びア
ルキル基が好ましい。
【0127】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0128】更に好ましくは、下記一般式(Pa)、
(Pb)又は(Pc)で表される化合物、及び下記一般
式(T)で表される化合物である。
【0129】
【化31】
【0130】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は、置換基を有してもよく、それぞ
れ同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アル
キル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイ
ル基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スル
ホニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4
及びA5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジ
ン、イミダゾール、チオゾール、オキサゾール、ピラジ
ン、ピリミジン等の各環)を挙げることができ、更に好
ましい例として、ピリジン環が挙げられる。
【0131】Bpは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基、−SO2−、−SO−、−O
−、−S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル
基、アリール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わ
せて構成されるものを表す。Bpとして好ましくは、ア
ルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。
【0132】R1、R2及びR5は、各々炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR 2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0133】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール置換アル
キル基が挙げられる。
【0134】Xp -は分子全体の電荷を均衡させるのに必
要な対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンス
ルホナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の
電荷を均衡させるのに必要な対イオンの数を表し、分子
内塩の場合にはnpは0である。
【0135】
【化32】
【0136】上記一般式〔T〕で表されるトリフェニル
テトラゾリウム化合物のフェニル基の置換基R5、R6
7は、水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメット
のシグマ値(σp)が負のものが好ましい。
【0137】フェニル基におけるハメットのシグマ値は
多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミ
ストリー(Journal of Medical C
hemistry)20巻、304頁、1977年に記
載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見
ることが出来、特に好ましい負のシグマ値を有する基と
しては、例えばメチル基(σp=−0.17、以下何れ
もσp値)、エチル基(−0.15)、シクロプロピル
基(−0.21)、n−プロピル基(−0.13)、i
so−プロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−
0.15)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブ
チル基(−0.20)、n−ペンチル基(−0.1
5)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−
0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロ
キシ基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エ
トキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.2
5)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−
0.34)等が挙げられ、これらは何れも一般式〔T〕
の化合物の置換基として有用である。
【0138】nは1或いは2を表し、XT n-で表される
アニオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等の高級脂
肪酸アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに
酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0139】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
はChemical Reviews vol.55
p.335〜483に記載の方法を参考にできる。上記
省銀化剤の添加量は有機銀塩1モルに対し10-5〜1モ
ル、好ましくは10-4〜5×10-1モルの範囲である。
【0140】(層構成)本発明に係る銀塩光熱写真材料
は2層以上の感光性層を有していることが好ましい。
【0141】好ましい態様としては、支持体上に画像形
成層2層と中間層の1層の合計3層を有し、これらを同
時重層塗布するもしくは画像形成層および保護層を支持
体の両面にそれぞれ塗布することにある。
【0142】支持体上に上記の様な複数の機能層を設け
る方法の1つとして、各層の塗布、乾燥を繰り返す逐次
重層塗布方式が挙げられ、リバースロールコーティン
グ、グラビアロールコーティング等のロール塗布方式、
ブレードコーティング、ワイヤーバーコーティング、ダ
イコーティング等が用いられる。
【0143】また複数のコーターを用いて既塗布層の乾
燥前に次の層を塗布して複数層を同時に乾燥させたり、
Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著“LIQUID
FILMCOATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から
536頁記載のスライドコーティングやカーテンコーティ
ングを用いて、スライド面で複数の塗布液を積層させて
塗布したりする同時重層塗布方式も使用することができ
る。
【0144】本発明において最も好ましい塗布方法とし
てはエクストルージョンコーティングである。エクスト
ルージョン型ダイコーターを用いれば、スライドコーテ
ィングやカーテンコーティングに比べて開放部分が少な
いので、溶媒の揮発による塗布液物性の変化が起こりに
くく、塗膜形成精度も高い。熱現像銀塩感材における同
時重層塗布方法に関しては特開2000015173に
詳細に記載されている。
【0145】(色相角)従来医療診断用の出力画像の色
調に関しては、冷調の画像調子(冷黒調)の方が、レン
トゲン写真の判読者にとってより的確な記録画像の診断
観察結果が得やすいと言われている。ここで、冷調な画
像調子とは、純黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒
調であり、温調な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯び
た温黒調であることを言う。色調に関しての用語「より
冷調」及び「より温調」は、最低濃度Dminおよび光学濃
度D=1.0におけるJIS Z 8729で規定される色相角hab
により求められる。色相角habはJIS Z 8701に規定する
XYZ表色系または三刺激値X,Y,ZまたはX10,Y10,Z10か
ら、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系の色座標a*,b
*を用いてhab=tan-1(b*/a*)により求められる。
【0146】本発明に係る銀塩光熱写真材料おいて、好
ましいhabの範囲は180°<hab<270°であり、さらに好ま
しくは200°<hab<270°、最も好ましくは220°<hab<260
°である。
【0147】この様な、数値を有する銀塩光熱写真材料
を得るには、本発明で達成しえるが、更に、例えば後述
するフタラジン類、4−メチルフタル酸類等の色調剤の
様な化合物を含有させることが好ましい。
【0148】(還元剤)本発明に係る熱により有機銀塩
の銀イオンを銀に還元しうる還元剤としては、特開昭5
0−36110号、同50−116023号、同52−
84727号、特開平9−292670号及び米国特許
第3770448号、同第3773512号、同第35
93863号、Resarch Disclosure
第17029及び29963等に記載される化合物が使
用できる。また、本発明においては、上記一般式(2)
で示される化合物が好ましく使用することができる。 (有機酸銀)本発明に係る非感光性有機銀塩は還元可能
な銀源であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこ
の中でも長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜
25)脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩
が好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数と
して4.0〜10.0の値をもつようなRD17029
及び29963に記載された有機又は無機の錯体も好ま
しい。これら好適な銀塩の例としては以下のものが挙げ
られる。
【0149】有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、
ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ
尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ
尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメ
チルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳
香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯
体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類
の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンズトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロ
ロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類
の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸
銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀があげられる。
又、本発明においては有機銀塩が2種以上混合されてい
ることが現像性を上げ高濃度、高コントラストの銀画像
を形成する上で好ましく、例えば2種以上の有機酸混合
物に銀イオン溶液を混合して調製することが好ましい。
【0150】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェット法によ
り、前記ソープと硝酸銀などを混合して有機銀塩の結晶
を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させても
よい。
【0151】本発明に係る有機銀塩は種々の形状のもの
が使用できるが、平板状の粒子が好ましい。特に、アス
ペクト比3以上の平板状有機銀塩粒子であり、且つ、最
大面積を有する2枚のほぼ平行に相対する面(主平面)
の形状異方性を小さくして感光層中での充填を行うた
め、主平面方向から計測される該平板状有機銀塩粒子の
針状比率の平均値が1.1以上、10.0未満である粒
子が好ましい。なお、更に好ましい針状比率は1.1以
上5.0未満である。
【0152】また、本発明において、アスペクト比3以
上の平板状有機銀塩粒子であるとは、前記平板状有機銀
塩粒子が全有機銀塩粒子の個数の50%以上を占めるこ
とを表す。更に、本発明に係る有機銀塩は、アスペクト
比3以上の平板状有機銀塩粒子が全有機銀塩粒子の個数
の60%以上を占めることが好ましく、更に好ましくは
70%以上(個数)であり、特に好ましくは80%以上
(個数)である。
【0153】本発明において、アスペクト比3以上の平
板状粒子とは平均粒径と平均厚さの比、下記式で表され
るいわゆるアスペクト比(ARと略す)が3以上の粒子
である。
【0154】 AR=平均粒径(μm)/平均厚さ(μm) 本発明に係る平板状有機銀塩粒子のアスペクト比は、好
ましくは、3〜20であり、さらに好ましくは3〜10
である。その理由としては、アスペクト比が低すぎる
と、有機銀塩粒子が最密されやすくなり、また、アスペ
クト比があまりに高い場合には、有機銀塩粒子同士が重
なりやすく、また、くっついた状態で分散されやすくな
るので光散乱等が起きやすくなり、その結果として感光
材料の透明感の低下をもたらすので、上記記載の範囲が
好ましい範囲と考えている。
【0155】上記記載の平均粒径を求めるには、分散後
の有機銀塩を希釈してカーボン支持膜付きグリッド上に
分散し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、2000FX
型)、直接倍率5000倍にて撮影を行った。スキャナ
にてネガをデジタル画像として取り込み、適当な画像処
理ソフトを用いて粒径(円相当径)を300個以上測定
し、平均粒径を算出する。
【0156】上記記載の平均厚さを求めるには、下記に
示すようなTEM(透過型電子顕微鏡)を用いた方法に
より算出する。
【0157】まず、支持体上に塗布された感光性層を接
着剤により適当なホルダーに貼り付け、支持体面と垂直
な方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ0.1〜0.
2μmの超薄切片を作製する。作製された超薄切片を、
銅メッシュに支持させ、グロー放電により親水化された
カーボン膜上に移し液体窒素により−130℃以下に冷
却しながら透過型電子顕微鏡(以下TEMと称す)を用
いて、倍率5,000倍乃至40,000倍にて明視野
像を観察し、画像はフィルム、イメージングプレート、
CCDカメラなどに素早く記録する。この際、観察され
る視野としては切片に破れや弛みがない部分を適宜選択
することが好ましい。
【0158】カーボン膜としては極薄いコロジオン、ホ
ルムバールなど有機膜に支持されたものを使用すること
が好ましく、更に好ましくは、岩塩基板上に形成し基板
を溶解除去して得るか、または、上記有機膜を有機溶
媒、イオンエッチングにより除去して得られたカーボン
単独の膜である。TEMの加速電圧としては80ないし
400kVが好ましく、特に好ましくは80ないし20
0kVである。
【0159】その他、電子顕微鏡観察技法、および試料
作製技法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支
部編/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日
本電子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製
法」(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0160】適当な媒体に記録されたTEM画像は、画
像1枚を少なくとも1024画素×1024画素、好ま
しくは2048画素×2048画素以上に分解しコンピ
ュータによる画像処理をおこなうことが好ましい。画像
処理をおこなうためには、フィルムに記録されたアナロ
グ画像はスキャナなどでデジタル画像に変換し、シェー
ディング補正、コントラスト・エッジ強調などを必要に
応じ施すことが好ましい。その後、ヒストグラムを作製
し2値化処理によって有機銀に相当する箇所を抽出す
る。
【0161】上記抽出した有機銀塩粒子の厚さを300
個以上適当なソフトでマニュアル測定し、平均値を求め
る。
【0162】又、平板状有機銀塩粒子の針状比率の平均
値は下記に方法により求められる。
【0163】まず、平板状有機銀塩粒子を含む感光層を
光感光層バインダーを溶解可能な有機溶媒にて膨潤させ
て支持体上から剥離し、上記溶媒を用いた超音波洗浄、
遠心分離、上澄み除去を5回繰り返す。尚、上記工程は
セーフライト下に実施する。
【0164】続いて、有機銀固形分濃度が0.01%に
なるようにMEK(メチルエチルケトン)にて希釈し、
超音波分散した後グロー放電により親水化されたポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に滴下し乾燥させる。
【0165】粒子が搭載されたフィルムは真空蒸着装置
にてフィルム面に対して30°の角度から厚さとして3
nmのPt−Cを電子ビームにより斜め蒸着した後観察
に使用することが好ましい。
【0166】その他、電子顕微鏡観察技法、および試料
作製技法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支
部編/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日
本電子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製
法」(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0167】作製された試料は電界放射型走査電子顕微
鏡(以下FE−SEMと称す)を用いて加速電圧2kV
ないし4kVにて倍率として5000〜20000倍に
て二次電子像を観察し、適当な記録媒体への画像保存を
おこなう。
【0168】上記処理のためには電子顕微鏡本体からの
画像信号をAD変換し直接メモリ上にデジタル情報とし
て記録可能な装置を用いるのが便利であるが、ポラロイ
ド(登録商標)フィルムなどに記録されたアナログ画像
もスキャナなどでデジタル画像に変換し、シェーディン
グ補正、コントラスト・エッジ強調などを必要に応じ施
すことにより使用することができる。
【0169】適当な媒体に記録された画像は、画像1枚
を少なくとも1024画素×1024画素、好ましくは
2048画素×2048画素以上に分解し、コンピュー
タによる画像処理をおこなうことが好ましい。
【0170】上記記載の画像処理の手順としては、ま
ず、ヒストグラムを作製し2値化処理によって、アスペ
クト比3以上の有機銀塩粒子に相当する箇所を抽出す
る。やむを得ず凝集した粒子は適当なアルゴリズムまた
はマニュアル操作にて切断し輪郭抽出をおこなう。その
後、各粒子の最大長(MX LNG)および粒子の最小
幅(WIDTH)を少なくとも1000個の粒子に関し
て各々測定し、各粒子ごとに下記式にて針状比率を求め
る。粒子の最大長とは粒子内の2点を直線で結んだ時の
最大値をいう。粒子の最小幅とは粒子に外接する2本の
平行線を引いた時、平行線の距離が最小値になる時の値
をいう。
【0171】 針状比率=(MX LNG)÷(WIDTH) その後、計測された全粒子に関する針状比率の平均値を
算出する。上記手順で計測をおこなう際にはあらかじ
め、標準試料を用いて、1画素あたりの長さ補正(スケ
ール補正)および計測系の2次元ひずみの補正を十分に
おこなうことが好ましい。標準試料としては米国ダウケ
ミカル社より市販されるユニフォーム・ラテックス・パ
ーティクルス(DULP)が適当であり、0.1ないし
0.3μmの粒径に対して10%未満の変動係数を有す
るポリスチレン粒子が好ましく、具体的には粒径0.2
12μm、標準偏差0.0029μmというロットが入
手可能である。
【0172】画像処理技術の詳細は「田中弘編 画像処
理応用技術(工業調査会)」を参考にすることができ、
画像処理プログラムまたは装置としては上記操作が可能
なのであれば特に限定はされないが、一例としてニレコ
社製Luzex−IIIが挙げられる。
【0173】前記記載の形状を有する有機銀塩粒子を得
る方法としては、特に限定されないが、有機酸アルカリ
金属塩ソープ形成時の混合状態および/または前記ソー
プに硝酸銀を添加する際の混合状態などを良好に保つ事
や、ソープと反応する硝酸銀の割合を最適にすることな
どが有効である。
【0174】(分散)本発明に係る平板状有機銀塩粒子
は必要に応じバインダーや界面活性剤などと共に予備分
散した後、メディア分散機または高圧ホモジナイザなど
で分散粉砕することが好ましい。上記予備分散にはアン
カー型、プロペラ型等の一般的攪拌機や高速回転遠心放
射型攪拌機(ディゾルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホ
モミキサ)を使用することができる。
【0175】また、上記メディア分散機としては、ボー
ルミル、遊星ボールミル、振動ボールミルなどの転動ミ
ルや、媒体攪拌ミルであるビーズミル、アトライター、
その他バスケットミルなどを用いることが可能であり、
高圧ホモジナイザとしては壁、プラグなどに衝突するタ
イプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させる
タイプ、細いオリフィスを通過させるタイプなど様々な
タイプを用いることができる。
【0176】メディア分散時に使用されるセラミックス
ビーズに用いられるセラミックスとしては、例えば、A
23、BaTiO3、SrTiO3、MgO、ZrO、
BeO、Cr23、SiO2、SiO2−Al23、Cr
23−MgO、MgO−CaO、MgO−C、MgO−
Al23(スピネル)、SiC、TiO2、K2O、Na
2O、BaO、PbO、B23、SrTiO3(チタン酸
ストロンチウム)、BeAl24、Y3Al512、Zr
2−Y23(立方晶ジルコニア)、3BeO−Al2
3−6SiO2(合成エメラルド)、C(合成ダイヤモン
ド)、Si2O−nH2O、チッカ珪素、イットリウム安
定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ等が好まし
い。分散時におけるビーズや分散機との摩擦による不純
物生成が少ない等の理由から、イットリウム安定化ジル
コニア、ジルコニア強化アルミナ(これらジルコニアを
含有するセラミックスを以下においてジルコニアと略
す)が特に好ましく用いられる。
【0177】本発明に係る平板状有機銀塩粒子を分散す
る際に用いられる装置類において、該有機銀塩粒子が接
触する部材の材質としてジルコニア、アルミナ、窒化珪
素、窒化ホウ素などのセラミックス類またはダイヤモン
ドを用いることが好ましく、中でも、ジルコニアを用い
ることが好ましい。
【0178】上記分散をおこなう際、バインダー濃度は
有機銀質量の0.1〜10%添加することが好ましく、
予備分散から本分散を通して液温が45℃を上回らない
ことが好ましい。また、本分散の好ましい運転条件とし
ては、例えば高圧ホモジナイザを分散手段として用いる
場合には、29.42MPa〜98.06MPa、運転
回数は2回以上が好ましい運転条件として挙げられる。
又、メディア分散機を分散手段として用いる場合には、
周速が6m/秒から13m/秒が好ましい条件として挙
げられる。
【0179】また、ビーズや部材の一部にジルコニアを
使用し、分散時に分散乳剤中に混入させることが出来
る。これが写真性能上好ましく有効である。ジルコニア
の破片を分散乳剤中に後添加したり、予備分散時にあら
かじめ添加しておいてもよい。具体的な方法としては特
に限定されないが、一例としてジルコニアビーズを充填
したビーズミルにMEKを循環させれば、高濃度のジル
コニア溶液を得る事ができる。これを好ましい時期に好
ましい濃度で添加してやればよい。
【0180】感光性ハロゲン化銀と有機銀塩を含有する
感光性乳剤中においては、銀1gあたり、0.01mg
〜0.5mgのジルコニウムを含有する事が好ましく、
更に好ましいジルコニウム含有量は、0.01mg〜
0.3mgである。また、好ましい含有形態としては、
粒径0.02μm以下の微粒子であることが好ましい。
【0181】又、本発明に係る銀塩光熱写真材料におい
ては、当該材料の支持体面と垂直な断面を電子顕微鏡観
察した時、0.025μm2未満の投影面積を示す有機
銀塩粒子の割合が有機銀塩粒子の全投影面積の70%以
上を示し、且つ、0.2μm 2以上の投影面積を示す粒
子の割合が有機銀塩粒子の全投影面積の10%以下であ
る特徴を有する有機銀塩、感光性ハロゲン化銀を含有す
る感光性乳剤を塗布してなるものである。このような場
合、感光性乳剤中において有機銀塩粒子の凝集が少な
く、且つ、均一に分布した状態を得ることが出来る。
【0182】このような特徴を有する感光性乳剤を作製
する条件としては、特に限定されないが、有機酸アルカ
リ金属塩ソープ形成時の混合状態および/または前記ソ
ープに硝酸銀を添加する際の混合状態などを良好に保こ
とや、ソープと反応する硝酸銀の割合を最適にするこ
と、分散粉砕にはメディア分散機または高圧ホモジナイ
ザなどで分散すること、その際バインダー濃度は有機銀
質量の0.1〜10%添加すること、乾燥から本分散終
了までの温度が45℃を上回らないことなどに加えて、
調液時にはディゾルバを使用し周速2.0m/秒以上で
攪拌することなどが好ましい条件として挙げられる。
【0183】上記記載のような特定の投影面積値を有す
る有機銀粒子の投影面積や全投影面積にしめる割合など
は、上記記載のアスペクト比3以上の平板状粒子の平均
厚さを求める個所で記載したと同様に、TEM(透過型
電子顕微鏡)を用いた方法により、有機銀に相当する個
所を抽出する。
【0184】この際に凝集した有機銀はひとつの粒子と
見なして処理し各粒子の面積(AREA)を求める。同
様にして少なくとも1,000個、好ましくは2,00
0個の粒子について面積を求め、それぞれについて、
A:0.025μm2未満、B:0.025μm2以上
0.2μm2未満、C:0.2μm2以上の3つの群に分
類する。本発明の感光材料は、A群に属する粒子の面積
の合計が測定された全粒子の面積の70%以上であり、
かつC群に属する粒子の面積の合計が測定された全粒子
の面積の10%以下を満たすものである。
【0185】上記手順で計測をおこなう際にはあらかじ
め、標準試料を用いて、1画素あたりの長さ補正(スケ
ール補正)および計測系の2次元ひずみの補正を十分に
おこなうことが好ましい。標準試料としては米国ダウケ
ミカル社より市販されるユニフォーム・ラテックス・パ
ーティクルス(DULP)が適当であり、0.1ないし
0.3μmの粒径に対して10%未満の変動係数を有す
るポリスチレン粒子が好ましく、具体的には粒径0.2
12μm、標準偏差0.0029μmというロットが入
手可能である。
【0186】画像処理技術の詳細は前記と同様「田中弘
編 画像処理応用技術(工業調査会)」を参考にするこ
とができ、画像処理プログラムまたは装置としては上記
操作が可能なのであれば特に限定はされないが、やはり
一例として前記と同様ニレコ社製Luzex−IIIが挙
げられる。
【0187】本発明に係る有機銀塩粒子は、単分散粒子
であることが好ましく、好ましい単分散度としては1〜
30%であり、この範囲の単分散粒子にすることによ
り、濃度の高い画像が得られる。ここでいう単分散度と
は、下記式で定義される。
【0188】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 上記記載の有機銀塩の平均粒径は0.01〜0.2μm
が好ましく、更に好ましくは、0.02〜0.15μm
であり、平均粒径(円相当径)とは、電子顕微鏡で観察
される個々の粒子像と等しい面積を有する円の直径を表
す。
【0189】本発明においては感光材料の失透を防ぐた
めには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換
算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であるこ
とが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得ら
れる。
【0190】(AgX)本発明における感光性ハロゲン化
銀粒子について説明する。なお、本発明における感光性
ハロゲン化銀粒子とは、ハロゲン化銀結晶の固有の性質
として本来的に、又は、人為的に物理化学的な方法によ
り、可視光ないし赤外光を吸収し得て、かつ可視光ない
し赤外光を吸収したときに当該ハロゲン化銀結晶内及び
/又は結晶表面において物理化学的変化が起こり得るよ
うに処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子が好ましく用
いられる。
【0191】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
P.Glafkides著Chimie et Phy
sique Photographique(Paul
Montel社刊、1967年)、G.F.Duff
in著 Photographic Emulsion
Chemistry(The Focal Pres
s刊、1966年)、V.L.Zelikman et
al著Makingand Coating Pho
tographic Emulsion(The Fo
cal Press刊、1964年)等に記載された方
法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤として調製することが
できる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいず
れでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応さ
せる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの
組合せ等のいずれを用いてもよが、上記方法の中でも形
成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を調製す
る所謂コントロールドダブルジェット法が好ましい。ハ
ロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれで
あってもよい。好ましくは、90モル%の臭化銀を含む
沃臭化銀銀を使用する事ができる。
【0192】粒子形成は通常、ハロゲン化銀種粒子
(核)生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれ
らを連続的に行う方法でもよく、又核(種粒子)形成と
粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件あ
るpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコ
ントロールドダブルジェット法が粒子形状やサイズのコ
ントロールが出来るので好ましい。例えば、核生成と粒
子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず可溶性
銀塩と可溶性ハロゲン塩をゼラチン水溶液中で均一、急
速に混合させ核(種粒子)生成(核生成工程)した後、
コントロールされたpAg、pH等のもとで可溶性銀塩
と可溶性ハロゲン塩を供給しつつ粒子成長させる粒子成
長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形成
後、脱塩工程により不要な塩類等をヌードル法、フロキ
ュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の脱
塩法により除く事で所望のハロゲン化銀乳剤を得ること
が出来る。
【0193】本発明のハロゲン化銀は、画像形成後の白
濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均
粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが
0.2μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1
7μm、特に0.02μm〜0.14μmが好ましい。
ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体
或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲ
ン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子
が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積
の円像に換算したときの直径をいう。
【0194】本発明において、ハロゲン化銀粒子の粒子
サイズは単分散であることが好ましい。ここでいう単分
散とは、下記式で求められる粒子サイズの変動係数が3
0%以下をいう。好ましくは20%以下であり、更に好
ましくは15%以下である。
【0195】粒子サイズの変動係数%=粒径の標準偏差
/粒径の平均値×100 ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14
面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイ
モ状粒子などを挙げることができるが、これらの中、特
に、立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒
子が好ましい。
【0196】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は好ましくは1.5以上100以下、よ
り好ましくは2以上50以下がよい。これらは米国特許
第5,264,337号、同第5,314,798号、
同第5,320,958号等に記載されており、容易に
目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン
化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いるこ
とができる。
【0197】ハロゲン化銀粒子外表面の晶癖については
特に制限はないが、ハロゲン化銀粒子表面への銀増感色
素の吸着反応において、晶癖(面)選択性を有する分光
増感色素を使用する場合には、その選択性に適応する晶
癖を相対的に高い割合で有するハロゲン化銀粒子を使用
することが好ましい。例えば、ミラー指数〔100〕の
結晶面に選択的に吸着する増感色素を使用する場合に
は、ハロゲン化銀粒子外表面において〔100〕面の占
める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以
上、更には70%以上、特に80%以上であることが好
ましい。なお、ミラー指数〔100〕面の比率は増感色
素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着
依存性を利用したT.Tani,J.Imaging
Sci.,29,165(1985年)により求めるこ
とができる。
【0198】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
該粒子形成時に平均分子量5万以下の低分子量ゼラチン
を用いて調製することが好ましいが、特にハロゲン化銀
粒子の核形成時に用いることが好ましい。
【0199】本発明において低分子量ゼラチンは、平均
分子量5万以下のものであり、好ましくは2000〜4
0000、更には5000〜25000である。ゼラチ
ンの平均分子量はゲル濾過クロマトグラフィーで測定す
ることができる。
【0200】低分子量ゼラチンは、通常用いられる平均
分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素
を加えて酵素分解したり、酸又はアルカリを加えて加熱
し加水分解したり、大気圧下又は加圧下での加熱により
熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方
法を併用したりして得ることができる。
【0201】核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が
好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのが
有効である。
【0202】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
該粒子形成時に下記の一般式で示される化合物を用いる
ことが好ましい。
【0203】一般式 AO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)p(C
2CH2O)nA 式中、Aは水素原子、−SO3M、又は−CO−B−C
OOMを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アン
モニウム基又は炭素原子数5以下のアルキル基にて置換
されたアンモニウム基を、Bは有機2塩基性酸を形成す
る鎖状又は環状の基を表す。m及びnは各々0〜50を
pは1〜100を表す。
【0204】上記の一般式で表されるポリエチレンオキ
シド化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造するに
際し、ゼラチン水溶液を製造する工程、ゼラチン溶液に
水溶性ハロゲン化物及び水溶性銀塩を添加する工程、乳
剤を支持体上に塗布する工程等、乳剤原料を撹拌した
り、移動したりする場合の著しい発泡に対する消泡剤と
して好ましく用いられてきたものであり、消泡剤として
用いる技術は例えば特開昭44−9497号に記載され
ている。上記一般式で表されるポリエチレンオキシド化
合物は核形成時の消泡剤としても機能する。
【0205】上記一般式で表される化合物は銀に対して
1質量%以下で用いるのが好ましく、より好ましくは
0.01〜0.1質量%で用いる。
【0206】上記一般式で表されるポリエチレンオキシ
ド化合物は核形成時に存在していればよく、核形成前の
分散媒中に予め加えておくのが好ましいが、核形成中に
添加してもよいし、核形成時に使用する銀塩水溶液やハ
ライド水溶液に添加して用いてもよい。好ましくはハラ
イド水溶液若しくは両方の水溶液に0.01〜2.0質
量%で添加して用いることである。又、本発明の化合物
は核形成工程の少なくとも50%に亘る時間で存在せし
めるのが好ましく、更に好ましくは70%以上に亘る時
間で存在せしめる。上記一般式で表される化合物は粉末
で添加しても、メタノール等の溶媒に溶かして添加して
もよい。
【0207】なお、核形成時の温度は5〜60℃、好ま
しくは15〜50℃であり、一定の温度であっても、昇
温パターン(例えば、核形成開始時の温度が25℃で、
核形成中徐々に温度を挙げ、核形成終了時の温度が40
℃の様な場合)やその逆のパターンであっても前記温度
範囲内で制御するのが好ましい。
【0208】核形成に用いる銀塩水溶液及びハライド水
溶液の濃度は3.5規定以下が好ましく、更には0.0
1〜2.5規定の低濃度域で使用されるのが好ましい。
核形成時の銀イオンの添加速度は、反応液1l当たり
1.5×10-3モル/分〜3.0×10-1モル/分が好
ましく、更に好ましくは3.0×10-3モル/分〜8.
0×10-2モル/分である。
【0209】核形成時のpHは1.7〜10の範囲に設
定できるが、アルカリ側のpHでは形成する核の粒径分
布を広げるため好ましくはpH2〜6である。又、核形
成時のpBrは0.05〜3.0程度、好ましくは1.
0〜2.5、更には1.5〜2.0である。
【0210】本発明に係るハロゲン化銀粒子はいかなる
方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲ
ン化銀粒子は還元可能な銀源(有機銀塩)に近接するよ
うに配置するのが好ましい。
【0211】本発明に係るハロゲン化銀は予め調製して
おき、これを有機銀塩粒子を調製するための溶液に添加
するのが、ハロゲン化銀調製工程と有機銀塩粒子調製工
程を分離して扱えるので製造コントロール上も好ましい
が、英国特許第1,447,454号明細書に記載され
ている様に、有機銀塩粒子を調製する際にハライドイオ
ン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と共存させこれ
に銀イオンを注入する事で有機銀塩粒子の生成とほぼ同
時に生成させることも出来る。
【0212】又、有機銀塩にハロゲン含有化合物を作用
させ、有機銀塩のコンバージョンによりハロゲン化銀粒
子を調製することも可能である。即ち、予め調製された
有機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシ
ート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀
塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもでき
る。
【0213】ハロゲン化銀形成成分としては、無機ハロ
ゲン化合物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化水素
類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合物が
あり、その具体例については米国特許第4,009,0
39号、同第3,457,075号、同第4,003,
749号、英国特許第1,498,956号各明細書及
び特開昭53−27027号、同53−25420号各
公報に詳説される金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモ
ニウム等の無機ハロゲン化物、例えばトリメチルフェニ
ルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアン
モニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ブロマイドの様なオニウムハライド類、例えばヨードフ
ォルム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2
−メチルプロパン等のハロゲン化炭化水素類、N−ブロ
ム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロム
アセトアミド等のN−ハロゲン化合物、その他例えば、
塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2
−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾ
フェノン等がある。この様にハロゲン化銀を有機酸銀と
ハロゲンイオンとの反応により有機酸銀塩中の銀の一部
又は全部をハロゲン化銀に変換することによって調製す
る事もできる。また、別途調製したハロゲン化銀に有機
銀塩の一部をコンバージョンすることで製造したハロゲ
ン化銀粒子を併用してもよい。
【0214】これらのハロゲン化銀粒子は、別途調製し
たハロゲン化銀粒子、有機銀塩のコンバージョンによる
ハロゲン化銀粒子とも、有機銀塩1モルに対し0.00
1モル乃至0.7モル、好ましくは0.03モル乃至
0.5モル使用するのが好ましい。
【0215】(ハロゲン化銀へドープするドーパント)
本発明に用いられるハロゲン化銀には、元素周期律表の
6族から11族に属する遷移金属のイオンを含有するこ
とが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、
Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Auが好ましい。これらは1種類でも同種或いは異
種の金属錯体を2種以上併用してもよい。これらの金属
イオンは金属塩をそのままハロゲン化銀に導入してもよ
いが、金属錯体又は錯体イオンの形でハロゲン化銀に導
入できる。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9
モルから、1×10-2モルの範囲が好ましく、1×10
-8〜1×10-4の範囲がより好ましい。本発明において
は、遷移金属錯体又は錯体イオンは下記一般式で表され
るものが好ましい。
【0216】一般式 〔ML6m 式中、Mは元素周期表の6〜11族の元素から選ばれる
遷移金属、Lは配位子を表し、mは0、−、2−、3−
又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例として
は、ハロゲンイオン(弗素イオン、塩素イオン、臭素イ
オン、沃素イオン)、シアナイド、シアナート、チオシ
アナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジ
ド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等
が挙げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニト
ロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位
子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同一で
もよく、また異なっていてもよい。
【0217】以下に遷移金属配位錯イオンの具体例を示
す。
【0218】1:〔RhCl63- 2:〔RuCl63- 3:〔ReCl63- 4:〔RuBr63- 5:〔OsCl63- 6:〔CrCl64- 7:〔IrCl64- 8:〔IrCl63- 9:〔Ru(NO)Cl52- 10:〔RuBr4(H2O)〕2- 11:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 12:〔RhCl5(H2O)〕2- 13:〔Re(NO)Cl52- 14:〔Re(NO)(CN)52- 15:〔Re(NO)Cl(CN)42- 16:〔Rh(NO)2Cl4- 17:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 18:〔Ru(NO)(CN)52- 19:〔Fe(CN)63- 20:〔Rh(NS)Cl52- 21:〔Os(NO)Cl52- 22:〔Cr(NO)Cl52- 23:〔Re(NO)Cl5- 24:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 25:〔Ru(NS)Cl52- 26:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 27:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 28:〔Ir(NO)Cl52- コバルト、鉄の化合物については6シアノ金属錯体を好
ましく用いることができ、代表例を以下にあげる。
【0219】29:〔Fe(CN)64- 30:〔Fe(CN)63- 31:〔Co(CN)63- これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物
は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒
子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子
の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前
後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、
物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形
成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましく
は核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡
って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均
一に含有させることもできるし、特開昭63−2960
3号、特開平2−306236号、同3−167545
号、同4−76534号、同6−110146号、同5
−273683号等に記載されている様に粒子内に分布
を持たせて含有させることもできる。
【0220】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶
性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液
とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液と
して添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を
調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製
時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある
別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等があ
る。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合
物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶
性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に
添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もし
くは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入することもできる。
【0221】別途調製した感光性ハロゲン化銀粒子はヌ
ードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透
析法等の公知の脱塩法により脱塩することができるが、
熱現像感光材料においては脱塩しないで用いる事もでき
る。
【0222】(カブリ防止剤 即カブリ防止剤、P.O.防
止剤全般)本発明の銀塩光熱写真材料中にはカブリ防止
剤が含まれて良い。有効なカブリ防止剤として例えば米
国特許第3,589,903号などで知られている水銀
化合物は環境的に好ましくない。そのためそれに代わる
カブリ防止剤の検討が古くから行われ、例えば米国特許
第4,546,075号及び同第4,452,885号
及び特開昭59−57234号に開示されている様なカ
ブリ防止剤が好ましい。特に好ましいカブリ防止剤は、
米国特許第3,874,946号及び同第4,756,
999号に開示されているような化合物、−C(X1)
(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX
3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備
えたヘテロ環状化合物である。これら好適なカブリ防止
剤の例としては、特開平9−288328号段落番号
〔0030〕〜〔0036〕、特開平9−90550号
段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている
化合物があげられる。さらに、その他の好適なカブリ防
止剤は米国特許第5,028,523号及び欧州特許第
600,587号、同第605,981号、同第63
1,176号に開示されている。
【0223】(化学増感)本発明に係るハロゲン化銀粒
子には化学増感を施すことができる。例えば、特願平1
2−057004号明細書及び特願平12−06194
2号明細書に開示されている方法等により、硫黄などの
カルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イ
オンを放出する貴金属化合物の利用により化学増感中心
(化学増感核)を形成付与できる。
【0224】本発明においては、以下に示すカルコゲン
原子を含有する有機増感剤により化学増感されているの
が好ましい。これらカルコゲン原子を含有する有機増感
剤はハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原
子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0225】これらの有機増感剤としては、特開昭60
−150046号、特開平4−109240号、特開平
11−218874号等の明細書に開示されている種々
の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、そ
れらのうちカルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二
重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも
1種であることが好ましい。
【0226】本発明において有機増感剤としてのカルコ
ゲン化合物の使用量は、使用するカルコゲン化合物、ハ
ロゲン化銀粒子、化学増感を施す際の反応環境などによ
り変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり、10-8〜10
-2モルが好ましく、より好ましくは10-7〜10-3モル
を用いる。本発明における化学増感環境としては特に制
限はないが、感光性ハロゲン化銀粒子上のカルコゲン化
銀又は銀核を消滅或いはそれらの大きさを減少させ得る
化合物の存在下において、又特に銀核を酸化しうる酸化
剤の共存下においてカルコゲン原子を含有する有機増感
剤を用いてカルコゲン増感を施すことが好ましく、該増
感条件として、pAgとしては6〜11が好ましく、よ
り好ましくは7〜10であり、pHは4〜10が好まし
く、より好ましくは5〜8、又、温度としては30℃以
下で増感を施すことが好ましい。従って、本発明の銀塩
光熱写真ドライイメージング材料においては、前記感光
性ハロゲン化銀が、該粒子上の銀核を酸化しうる酸化剤
の共存下においてカルコゲン原子を含有する有機増感剤
を用いて温度30℃以下において化学増感を施され、か
つ、有機銀塩と混合して分散され脱水及び乾燥された感
光性乳剤を用いることが好ましい。
【0227】また、これらの有機増感剤を用いた化学増
感は分光増感色素またはハロゲン化銀粒子に対して吸着
性を有するヘテロ原子含有化合物の存在下で行われる事
が好ましい。ハロゲン化銀に吸着性を有する化合物の存
在下化学増感を行うことで、化学増感中心核の分散化を
防ぐことができ高感度、低かぶりを達成できる。本発明
において用いられる分光増感色素については後述する
が、ハロゲン化銀に吸着性を有するヘテロ原子含有化合
物とは、特開平3−24537号に記載されている含窒
素複素環化合物が好ましい例としてあげられる。本発明
に用いられる含窒素複素環化合物において、複素環とし
てはピラゾール環、ピリミジン環、1,2,4−トリア
ゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−
チアジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、
1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジア
ゾール環、1,2,3,4−テトラゾール環、ピリダジ
ン環、1,2,3−トリアジン環、これらの環が2〜3
個結合した環、例えばトリアゾロトリアゾール環、ジア
ザインデン環、トリアザインデン環、ペンタアザインデ
ン環などを挙げることができる。単環の複素環と芳香族
環の縮合した複素環、例えばフタラジン環、ベンズイミ
ダゾール環、インダゾール環、ベンズチアゾール環など
も適用できる。
【0228】これらの中で好ましいのはアザインデン環
であり、かつ置換基としてヒドロキシ基を有するアザイ
ンデン化合物、例えばヒドロキシトリアザインデン、テ
トラヒドロキシアザインデン、ヒドロキシペンタアザイ
ンデン化合物等が更に好ましい。
【0229】複素環にはヒドロキシ基以外の置換基を有
してもよい。置換基としては例えばアルキル基、置換ア
ルキル基、アルキルチオ基、アミノ基、ヒドロキシアミ
ノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリー
ルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、ハロゲン原子、シアノ基などを有してもよい。
【0230】これ含複素環化合物の添加量はハロゲン化
銀粒子の大きさや組成その他の条件等に応じて広い範囲
に亘って変化するが、おおよその量はハロゲン化銀1モ
ルあたりの量で10-6モル〜1モルの範囲であり、好ま
しくは10-4モル〜10-1モルの範囲である。
【0231】本発明に係るハロゲン化銀粒子には、前述
のように、金イオンなどの貴金属イオンを放出する化合
物を利用して貴金属増感を施すことができる。例えば、
金増感剤として、塩化金酸塩や有機金化合物が利用でき
る。
【0232】又、上記の増感法の他、還元増感法等も用
いることが出来、還元増感の貝体的な化合物としてはア
スコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7
以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成すること
により還元増感することができる。
【0233】本発明に係る化学増感を施されるハロゲン
化銀は、有機銀塩の存在下で形成されたのでも、有機銀
塩の存在しない条件下で形成されたものでも、また、両
者が混合されたものでもよい。
【0234】(分光増感)本発明における感光性ハロゲ
ン化銀粒子には分光増感色素を吸着させ分光増感を施す
ことが好ましい。分光増感色素としてシアニン色素、メ
ロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプ
レックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例
えば特開昭63−159841号、同60−14033
5号、同63−231437号、同63−259651
号、同63−304242号、同63−15245号、
米国特許第4,639,414号、同第4,740,4
55号、同第4,741,966号、同第4,751,
175号、同第4,835,096号に記載された増感
色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素
は例えばRD17643 IV−A項(1978年12月
p.23)、同18431X項(1978年8月p.4
37)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いる
のが好ましい。例えば特開平9−34078号、同9−
54409号、同9−80679号記載の化合物が好ま
しく用いられる。
【0235】有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリ
ン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核およびイミ
ダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素であ
る。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の
塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン
核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バ
ルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核お
よびピラゾロン核などの酸性核も含む。
【0236】本発明においては、特に赤外に分光感度を
有する増感色素を用いることが好ましい。本発明におい
て、好ましく用いられる赤外分光増感色素としては、例
えば、米国特許第4,536,473号、同第4,51
5,888号、同第4,959,294号等に開示され
ている赤外分光増感色素が挙げられる。
【0237】更に、特に、好ましい分光増感色素として
は、下記一般式(D1)〜(D4)で表される色素が挙
げられる。
【0238】
【化33】
【0239】一般式(D1)〜(D4)に於て、Y1
2、Y11、Y21、Y22及びY31は、各々、酸素原子、
硫黄原子、セレン原子、−C(Ra)(Rb)−基、又
は−CH=CH−基を表し、Z1は5員または6員の縮
合された環を完成するに必要な非金属原子群を表す。R
は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アラ
ルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子を表し、Ra及びRbは各々、水素原
子、低級アルキル基或いはRaとRb間で結合して5
員、6員の脂肪族スピロ環を形成するに必要な非金属原
子群を表す。R1、R11、R21、R22、R31及びR32
各々脂肪族基であり、或いはR1はW3と、R 11はW14
の間で縮合環を形成するに必要な非金属原子群を表す。
Rc及びRdは各々、低級アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表わす。W
1、W2、W3、W4、W11、W12、W13、W14、W21、W
22、W 23、W24、W31、W32、W33及びW34は各々、水
素原子、置換基、或いはW1はW2と、W11はW12と、W
21はW22と、W23はW24と、W31はW32と、W33はW3 4
との間で結合して縮合環を形成するに必要な非金属原子
群を表す。V1〜V9、V11〜V13、V21〜V29、V31
33は各々、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、アリール基、複素環基を表し、或いはV1
はV3と、V2はV4と、V3はV5と、V4はV6と、V5
7と、V6はV8と、V7はV9と、V11はV13と、V21
はV23と、V22はV24と、V23はV25と、V24はV
26と、V25はV27と、V26はV28と、V27はV29と、V
31はV33との間で結合して5員〜7員の環を形成するに
必要な非金属原子群を表し、V1〜V9の何れか一つ及び
11〜V13の何れか一つは水素原子以外の基である。X
1、X11、X21及びX31は各々、分子内の電荷を相殺す
るに必要なイオンを表し、l1、l11、l21及びl
31は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの
数を表す。k1、k2、k21及びk22は各々、0又
は1を表す。n21、n22、n31及びn32は各
々、0〜2の整数を表わし、n21とn22及びn31
とn32が同時に0になることはない。p1及びp11
は各々、0又は1であり、q1及びq11は各々、1及
び2の整数であり、p1とq1及びp11とq11の和
は2を超えない。
【0240】一般式(D1)、(D2)のうち更に好ま
しい構造は一般式(1−1)(2−1)で表される。
【0241】
【化34】
【0242】一般式(1−1)及び(2−1)に於て、
1、Y2及びY11は、各々、酸素原子、硫黄原子、セレ
ン原子、−C(Ra)(Rb)−基または−CH=CH
−基を表し、Z1は5員または6員の縮合された環を完
成するに必要な非金属原子群を表す。Rは水素原子、低
級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、低級
アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子を表し、Ra及びRbは各々、水素原子、低級アルキ
ル基、或いはRaとRb間で結合して5員、6員の脂肪
族スピロ環を形成するに必要な非金属原子群を表す。R
1及びR11は各々、脂肪族基、或いはR1はW3と、R11
はW14との間で縮合環を形成するに必要な非金属原子群
を表す。W1、W2、W3、W4、W11、W12、W13及びW
14は各々、水素原子、置換基、或いはW1はW2と、W11
はW12と、W13はW14との間で結合して縮合環を形成す
るのに必要な非金属原子群を表す。L1〜L9、L11〜L
15は各々、メチン基を表す。X1及びX11は各々、分子
内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、l1及びl
11は各々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの
数を表す。m1〜m3は各々、0又は1を表す。p1及
びp11は各々、0又は1であり、q1及びq11は各
々、1又は2の整数であり、p1とq1及びp11とq
11の和は2を超えない。
【0243】各置換基について更に詳しく説明する。
【0244】本発明の一般式(D1)、(D2)、(1
−1)、(2−1)、(D3)、(D4)で表される化
合物について以下に置換基を説明する。
【0245】前記一般式においてZ1で示される5員ま
たは6員の縮合された環を完成するに必要な非金属原子
群により完成される縮合環としては例えば、縮合シクロ
ヘキセン環、縮合ベンゼン環、縮合チオフェン環、縮合
ピリジン環、縮合ナフタレン環等が挙げられ、具体的に
は、ベンズオキサゾール環、テトラヒドロベンズオキサ
ゾール環、ナフトオキサゾール環、ベンズナフトオキサ
ゾール環、ベンズチアゾール環、テトラヒドロベンズチ
アゾール環、ナフトチアゾール環、ベンズナフトチアゾ
ール環等、チエノチアゾール環、チアナフテノチアゾー
ル環、ピリドチアゾール環、ベンズセレナゾール環、テ
トラヒドロベンズセレナゾール環、ナフトセレナゾール
環、ベンズナフトセレナゾール環、キノリン環、3,3
−ジアルキルインドレニン環、3,3−ジアルキルピリ
ドピロリン環等が挙げられる。これらの環上には後述の
1〜W4で示される置換しうる基として説明される任意
の基が置換できる。
【0246】R1、R11、R21、R22、R31、R32で示
される脂肪族基としては、例えば、炭素原子数1〜10
の分岐或は直鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペ
ンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基等)、炭素原子数3〜10のアルケニル基(例え
ば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−
3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3
−ブテニル基、4−ヘキセニル基等)、炭素原子数7〜
10のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基等)が挙げられる。
【0247】上述した基は、更に、低級アルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、ハロゲン
原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、
ビニル基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリ
ル基、p−ブロモフェニル基等)、トリフルオロメチル
基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、
メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、
フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、ス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオ
ロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基
等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカル
ボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例え
ば、アミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、ア
リール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基
等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフルフリル基、
2−ピロリジノン−1−イル基等)、アシル基(例え
ば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例え
ば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニル
ウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイ
ド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、エチルチオ基等)、アリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例
えば、2−チエニルチオ基、3−チエニルチオ、2−イ
ミダゾリルチオ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、
アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ基等)、チオアミド基(例えば、
チオアセトアミド基、チオベンゾイルアミノ基等)等の
基、あるいは、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホス
フォノ基、スルファート基、ヒドロキシ基、メルカプト
基、スルフィノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモ
イル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメ
チレンカルバモイル基等)、スルファモイル基(例え
ば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチ
レンアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例え
ば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド基
等)、スルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタン
スルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノ
カルボニル基等)、アシルアミノスルホニル基(例え
ば、アセトアミドスルホニル、メトキシアセトアミドス
ルホニル基等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、
アセトアミドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボ
ニル基等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例え
ば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンス
ルフィニルアミノカルボニル基等)等の親水性の基で置
換されていても良い。
【0248】これら親水性の基を置換した脂肪族基の具
体的例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチ
ル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、3
−スルファートブチル基、3−スルホプロピル基、2−
ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、4−スルホブチル
基、5−スルホペンチル基、3−スルホペンチル基、3
−スルフィノブチル基、3−ホスフォノプロピル基、ヒ
ドロキシエチル基、N−メタンスルホニルカルバモイル
メチル基、2−カルボキシ−2−プロペニル基、o−ス
ルホベンジル基、p−スルホフェネチル基、p−カルボ
キシベンジル基等の各基が挙げられる。
【0249】Rで表される低級アルキル基としては、炭
素数5以下の、直鎖、分岐の基であり、具体的にはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
イソプロピル基等が挙げられる。シクロアルキル基とし
てはシクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられ、
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチ
ル基、p−メトキシフェニルメチル基、o−アセチルア
ミノフェニルエチル基等が挙げられ、低級アルコキシ基
としては炭素原子数4以下の基であり、具体的にはメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso−プロポキ
シ基等の基が挙げられ、アリール基としては置換、非置
換のものを含み、例えば、フェニル基、2−ナフチル
基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メトキシフェ
ニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル
基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基等の基が挙
げられ、これらの基にはフェニル基、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、ヒドロキシ基等の基が置換できる。ハロゲ
ン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素
原子が挙げられる。
【0250】Ra、Rbで表される低級アルキル基とし
ては、Rにおける低級アルキル基と同じものがあげられ
る。
【0251】Rc、Rdで表される低級アルキル基とし
ては炭素数5以下の、直鎖、分岐の基であり、具体的に
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、イソプロピル基等が挙げられる。シクロアルキル
基としてはシクロアルキル基としては例えば、シクロプ
ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げ
られ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フ
ェネチル基、p−メトキシフェニルメチル基、o−アセ
チルアミノフェニルエチル基等が挙げられ、アリール基
としては置換、非置換のものを含み、例えば、フェニル
基、2−ナフチル基、1−ナフチル基、o−トリル基、
o−メトキシフェニル基、m−クロロフェニル基、m−
ブロモフェニル基、p−トリル基、p−エトキシフェニ
ル基等の基が挙げられ、複素環基としては置換、非置換
のものを含み、例えば、2−フリル基、5−メチル−2
−フリル基、2−チエニル基、2−イミダゾリル基、2
−メチル−1−イミダゾリル基、4−フェニル−2−チ
アゾリル基、5−ヒドロキシ−2−ベンズチアゾリル
基、2−ピリジル基、1−ピロリル基等の基が挙げられ
る。
【0252】これらの基には更に前述の説明であげたフ
ェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基
等の基が置換できる。
【0253】W1〜W4、W11〜W14、W21〜W24、W31
〜W34で表される置換基は具体的には、アルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、ブチル基、iso−ブチル
基等)、アリール基(単環並びに多環のものを含み、例
えば、フェニル基、カルボキシフェニル基、p−トリル
基、p−ブチルフェニル基、ナフチル基等)、複素環基
(例えば、テトラヒドロフリル基、2−ピロリジノン−
1−イル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、カル
バゾリル基、ピロリル基、インドリル基等の各基)、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、ビニル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基
(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ
基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p
−トリルオキシ基等)、スルホニル基(例えば、メタン
スルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブ
トキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ
基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アシル基(例
えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例
えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニ
ルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレ
イド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ
基(例えば、メチルチオ、エチルチオ基等)、アリール
チオ基(例えば、フェニルチオ基等)、ヒドロキシ基、
スチリル基等が挙げられる。
【0254】これらの基にはR1等で示される脂肪族基
の説明で挙げた基が置換でき、置換されたアルキル基の
具体例としては、例えば、2−メトキシエチル基、2−
ヒドロキシエチル基、3−エトキシカルボニルプロピル
基、2−カルバモイルエチル基、2−メタンスルホニル
エチル基、3−メタンスルホニルアミノプロピル基、ベ
ンジル基、フェネチル基、カルボキメチル基、カルボキ
シエチル基、アリル基、2−フリルエチル基等の各基が
挙げられ、置換されたアリール基の具体例としては、例
えば、p−カルボキシフェニル基、p−N,N−ジメチ
ルアミノフェニル基、p−モルフォリノフェニル基、p
−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル
基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、3−クロロ
フェニル基、p−ニトロフェニル基等の各基が挙げら
れ、置換された複素環基の具体例としては、例えば、5
−クロロ−2−ピリジル基、5−エトキシカルボニル−
2−ピリジル基、5−カルバモイル−2−ピリジル等の
各基が挙げられる。
【0255】W1とW2、W3とW4、W11とW12、W13
14、W21とW22、W23とW24、W 31とW32、R33とR
34が各々、互いに連結して形成することができる縮合環
としては、例えば、5員、6員の飽和又は不飽和の縮合
炭素環が挙げられる。これらの縮合環上には任意の位置
に置換基を有することができ、これらの置換基としては
前述の脂肪族基に置換できる基で説明した基が挙げられ
る。
【0256】V1〜V9、V11〜V13、V21〜V29、V31
〜V33で各々、示されるハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、アミノ
基としては置換、非置換のものを含み、例えば、アミノ
基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチル−
フェニルアミノ基等が挙げられ、アルキルチオ基として
は例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ
基等が挙げられ、アリールチオ基としては置換、非置換
のものを含み、例えば、フェニルチオ基、m−フルオロ
フェニルチオ基等の基が挙げられ、低級アルキル基とし
ては炭素数5以下の直鎖、分岐の基であり、具体的には
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、イソプロピル基等が挙げられる。低級アルコキシ基
としては炭素原子数4以下の基であり、具体的にはメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso−プロポキ
シ基等の基が挙げられ、アリール基としては置換、非置
換のものを含み、例えば、フェニル基、2−ナフチル
基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メトキシフェ
ニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル
基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基等の基が挙
げられ、複素環基としては置換、非置換のものを含み、
例えば、2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、2
−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−メチル−1−
イミダゾリル基、4−フェニル−2−チアゾリル基、5
−ヒドロキシ−2−ベンズチアゾリル基、2−ピリジル
基、1−ピロリル基等の基が挙げられる。
【0257】これらの基にはフェニル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の基が置換できる。
【0258】又、V1とV3、V2とV4、V3とW5、V4
とV6、V5とV7、V6とV8、V7とV9、V11とV13
21とV23、V22とV24、V23とV25、V24とV26、V
25とV27、V26とV28、V27とV29及びV31とV33の間
で結合して形成される5員〜7員の環としては、例え
ば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプ
テン環、デカリン環等が挙げられ、これらの環にはRで
挙げた低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基
が置換できる。
【0259】L1〜L9、L11〜L15で示されるメチン基
は各々、独立に置換もしくは未置換メチン基を表す。置
換される基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、
置換もしくは無置換の低級アルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、iso−プロピル基、ベンジル基等)、
低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基
等)、置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、置換もしくは無
置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、
p−トリル基、o−カルボキシフェニル基等)、−N
(U1)(U2)、−SRg又は置換もしくは無置換の複
素環基(例えば、2−チエニル基、2−フリル基、N,
N′−ビス(メトキシエチル)バルビツール酸基等)を
表す。
【0260】ここでRgは前述したR基で説明した低級
アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、−SRg
基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、ベ
ンジルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げ
られる。
【0261】U1とU2は各々、置換もしくは無置換の低
級アルキル基又はアリール基を表し、U1とU2とは互い
に連結して5員又は6員の含窒素複素環(例えばピラゾ
ール環、ピロール環、ピロリジン環、モルホリン環、ピ
ペリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、インドール環
等)を形成することもできる。また、これらメチン基は
お互いに隣接するメチン基同士、或いは一つ隔たったメ
チン基と互いに連結して5員〜7員環を形成することが
できる。
【0262】前記一般式(D1)、(1−1)、(2−
1)、(D3)、(D4)で示される化合物に於て、カ
チオン或いはアニオンの電荷を有する基が置換されてい
る場合には各々、分子内の電荷が相殺するように当量の
アニオン或いはカチオンで対イオンが形成される。例え
ば、X1、X11、X21、X31で各々、示される分子内の
電荷を相殺するに必要なイオンに於いてカチオンの具体
例としては、プロトン、有機アンモニウムイオン(例え
ば、トリエチルアンモニウム、トリエタノールアンモニ
ウム、ピリジニウム等の各イオン)、無機カチオン(例
えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各カチオ
ン)が挙げられ、酸アニオンの具体例としては例えば、
ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素
イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸
イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチル硫
酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフル
オロりん酸イオン、等が挙げられる。
【0263】本発明のこれら赤外分光増感色素、ひとつ
はベンズアゾール環の窒素原子とそのペリ位炭素原子と
の間が結合した3環縮合複素環核を有することを特徴と
した、もうひとつはベンズアゾール環のベンゼン環上に
スルフィニル基が置換されていることを特徴とした長鎖
のポリメチン色素が特に好ましい。
【0264】上記の赤外増感色素は、例えばエフ・エム
・ハーマー著、The Chemistry of H
eterocyclic Compounds第18
巻、The Cyanine Dyes and Re
lated Compounds(A.Weissbe
rger ed.Interscience社刊、Ne
w York 1964年)に記載の方法によって容易
に合成することができる。
【0265】これらの赤外増感色素の添加時期はハロゲ
ン化銀調製後のどの時点でもよく、例えば、溶剤に添加
して、或いは、微粒子状に分散した所謂固体分散状態で
ハロゲン化銀粒子或いはハロゲン化銀粒子/有機銀塩粒
子を含有する感光性乳剤に添加できる。又、前記のハロ
ゲン化銀粒子に対し吸着性を有するヘテロ原子含有化合
物と同様に、化学増感に先立ってハロゲン化銀粒子に添
加し吸着させた後、化学増感を施すこともでき、これに
より化学増感中心核の分散化を防ぐことができ高感度、
低かぶりを達成できる。
【0266】本発明において、上記の分光増感色素は単
独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、
増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用
いられる。
【0267】(強色増感)本発明の光熱写真材料に用い
られるハロゲン化銀粒子、有機銀塩粒子を含有する乳剤
は、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたな
い色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、こ
れによりハロゲン化銀粒子が強色増感されていてもよ
い。
【0268】有用な増感色素、強色増感を示す色素の組
合せおよび強色増感を示す物質はRD17643(19
78年12月発行)第23頁1VのJ項、あるいは特公
平9−25500号、同43−4933号、特開昭59
−19032号、同59−192242号、特開平5−
341432号等に記載されているが、本発明において
は、強色増感剤としては、下記の一般式で表される複素
芳香族メルカプト化合物が又はメルカプト誘導体化合物
が好ましい。
【0269】一般式 Ar−SM 式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、A
rは1個以上の窒素、硫黄、酸素、セレニウム、または
テルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環であ
る。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナ
フトイミダゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾー
ル、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンズ
セレナゾール、ベンズテルラゾール、イミダゾール、オ
キサゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、
ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリ
ン、キノリン、またはキナゾリンである。しかしなが
ら、他の複素芳香環も含まれる。
【0270】なお、有機酸銀塩及び/又はハロゲン化銀
粒子乳剤の分散物中に含有させたときに実質的に上記の
メルカプト化合物を生成するメルカプト誘導体化合物も
本発明に含まれる。特に、下記の一般式で表されるメル
カプト誘導体化合物が好ましい例として挙げられる。
【0271】一般式 Ar−S−S−Ar 式中のArは上記の一般式で表されたメルカプト化合物
の場合と同義である。
【0272】上記の複素芳香環は、例えば、ハロゲン原
子(例えば、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、アミノ
基、カルボキシル基、アルキル基(例えば、1個以上の
炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するも
の)及びアルコキシ基(例えば、1個以上の炭素原子、
好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するもの)からな
る群から選ばれる置換基を有しうる。
【0273】(チウロニウム化合物)本発明において
は、上記の強色増感剤の他に、特願平2000−070
296号明細書に開示されている次の一般式(1)で表
される化合物と大環状化合物を強色増感剤として使用で
きる。
【0274】
【化35】
【0275】一般式(1)において、T31で表される脂
肪族炭化水素基からなる2価の連結基としては、直鎖、
分岐または環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜1
2)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より
好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)、アル
キニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
2〜16、更に好ましくは2〜12)であり、置換基を
有していてもよく、例えば脂肪族炭化水素基としては、
直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1
〜12)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)、
アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好まし
くは2〜16、更に好ましくは2〜12)であり、アリ
ール基としては、炭素数6〜20の単環または縮環のア
リール基(例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、
好ましくはフェニル)であり、複素環基としては、3〜
10員の飽和、不飽和のヘテロ環基(例えば、2−チア
ゾリル、1−ピペラジニル、2−ピリジル、3−ピリジ
ル、2−フリル、2−チエニル、2−ベンズイミダゾリ
ル、カルバゾリル、等)であり、これらの基中のヘテロ
環は単環であっても、他の環と縮合環を形成してもよ
い。これらの各基は任意の個所に置換基を有していても
よく、例えば、アルキル基(シクロアルキル基、アラル
キル基を含み、好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であ
り、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プ
ロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘプチ
ル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、ベンジル、フェネチル等が挙げられ
る。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2
〜8であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、
3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好
ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
2、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパ
ルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール
基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数
6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例え
ば、フェニル、p−トリル、o−アミノフェニル、ナフ
チル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素
数、0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好
ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルア
ミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられ
る。)、イミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは炭素数1〜18、特に好ましくは炭素数1〜1
2であり、例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、プロ
ピルイミノ、フェニルイミノ等が挙げられる。)アルコ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例
えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられ
る。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜2
0、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭
素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナ
フチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、アセチ
ル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられ
る。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましく
は炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリール
オキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より
好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜
10であり、例えば、フェニルオキシカルボニル等が挙
げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイ
ルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素1〜16、特
に好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、アセチル
アミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコ
キシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数
2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ等
が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7
〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例え
ば、フェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられ
る。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、
ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルフ
ァモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましく
は炭素0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であ
り、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、
ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が
挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えば、カルバモイル、メチル
カルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバ
モイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メチルチ
オ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基
(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素6〜
16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、
フェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メ
タンスルホニル、トシル等が挙げられる。)、スルフィ
ニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、
例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等
が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレ
イド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸ア
ミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、
例えば、ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド
等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、スルフィノ
基、カルボキシル基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ニト
ロ基、ヒドロキサム酸基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基
(例えば、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾ
リル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ピリジル、フ
リル、ピペリジル、モルホリノ等が挙げられる。)等が
挙げられる。
【0276】上記の基のうちヒドロキシ基、メルカプト
基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホスホ
ノ基、ホスフィノ基等のような塩形成可能な基は塩であ
ってもよい。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なって
もよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アラル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、
アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルファモイル
基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、
アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヘテロ環基、アル
コキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバ
モイル基、カルボキシル基であり、より好ましくはアル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、
アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルホニルアミ
ノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基であ
り、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、イミノ基、ウ
レイド基、アミノ基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニ
ル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバモイル基、カル
ボキシル基である。アミジノ基としては、置換基を有す
るものを含み、置換基としては例えば、アルキル基(メ
チル、エチル、ピリジルメチル、ベンジル、フェネチ
ル、カルボキシベンジル、アミノフェニルメチル等の各
基)、アリール基(フェニル、p−トリル、ナフチル、
o−アミノフェニル、o−メトキシフェニル等の各
基)、複素環基(2−チアゾリル、2−ピリジル、3−
ピリジル、2−フリル、3−フリル、2−チエノ、2−
イミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等の各
基)等が挙げられる。
【0277】J31で表される酸素原子、硫黄原子または
窒素原子を一つ以上含む2価の連結基としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。また、これらの組み合わ
せであってもよい。
【0278】
【化36】
【0279】ここで、Re及びRfは各々、前述したR
a〜Rdに定義した内容に同義である。
【0280】H31Arで表される芳香族炭化水素基とし
ては好ましくは炭素数6〜30のものであり、より好ま
しくは炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基で
あり、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、特に
好ましくはフェニルである。H31Arで表される芳香族
複素環基としてはN、O及びSのうちの少なくとも一つ
の原子を含む5〜10員の不飽和のヘテロ環基であり、
これらの基中のヘテロ環は単環であってもよいし、更に
他の環と縮合環を形成してもよい。このようなヘテロ環
基中のヘテロ環として好ましくは、5〜6員の芳香族ヘ
テロ環、及びそのベンゾ縮合環であり、より好ましくは
窒素原子を含む5〜6員の芳香族ヘテロ環、及びそのベ
ンゾ縮合環であり、更に好ましくは窒素原子を1〜2原
子含む5〜6員の芳香族ヘテロ環、及びそのベンゾ縮合
環である。
【0281】ヘテロ環基の具体例としては、例えば、チ
オフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、
トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チア
ジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジ
ン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノ
リン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フ
ェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、
ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチア
ゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テト
ラザインデン、カルバゾール、等から誘導される基が挙
げられる。ヘテロ環基として好ましくは、イミダゾー
ル、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、インドール、イ
ンダゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノ
リン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサ
ゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベ
ンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾー
ル、テトラザインデン、カルバゾールからなる基であ
り、更に好ましくは、イミダゾール、ピリジン、ピラジ
ン、キノリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾー
ル、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、
カルバゾールから誘導される基が挙げられる。
【0282】H31Arで表される芳香族炭化水素基並び
に芳香族複素環基は置換基を有していても良く、置換基
としては、例えば、T31の置換基として挙げた基と同様
のものを挙げることができ、好ましい範囲も同様であ
る。これらの置換基は更に置換されてもよく、また、置
換基が二つ以上ある場合には各々、同じでも異なっても
よい。H31Arで表される基は好ましくは芳香族複素環
基である。
【0283】Ra、Rb、Rc、Rdで表される脂肪族
炭化水素基、アリール基及び複素環基は、前記T31に於
て脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の例とし
て挙げたと同様のものを挙げることができ、好ましい範
囲も同様である。Ra、Rb、Rc、Rdで表されるア
シル基としては炭素数1〜12の脂肪族或いは芳香族の
基であり、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ホルミ
ル、ピバロイル等の基が挙げられる。RaとRb、Rc
とRd、RaとRc或いはRbとRdの間で結合して形
成する含窒素複素環基としては3〜10員の飽和、不飽
和のヘテロ環基(例えば、ピペリジン環、ピペラジン
環、アクリジン環、ピロリジン環、ピロール環、モルフ
ォリン環等の環基)が挙げられる。
【0284】M31で表される分子内の電荷を相殺するに
必要なイオンとして酸アニオンの具体例としては例え
ば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩
素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチ
ル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イ
オン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げら
れる。
【0285】本発明に係る強色増感剤は有機銀塩及びハ
ロゲン化銀粒子を含む乳剤層中に銀1モル当たり0.0
01〜1.0モルの範囲で用いるのが好ましい。特に好
ましくは、銀1モル当たり0.01〜0.5モルの範囲
の量が好ましい。
【0286】(バインダー)本発明の銀塩光熱写真材料
に好適に使用できるバインダーは透明又は半透明で、一
般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及び
コポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:
ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、
ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、
セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリ
ドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポ
リ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ
(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン
酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ
(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)
類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニ
ルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタ
ン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポ
リ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ
(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ
(アミド)類がある。親水性でも非親水性でもよい。
【0287】本発明に係る銀塩光熱写真材料の感光層に
好ましく使用されるバインダーはポリビニルアセタール
類であり、特に好ましいバインダーはポリビニルブチラ
ールである。又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバ
ックコート層等の非感光層に対しては、より軟化温度の
高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリア
セチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等
のポリマーが好ましい。なお、必要に応じて、上記のバ
インダーは2種以上を組み合わせて用いうる。
【0288】このようなバインダーは、バインダーとし
て機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範
囲は当業者が容易に決定しうる。例えば、感光層におい
て少なくとも有機銀塩を保持する場合の指標としては、
バインダーと有機銀塩との割合は15:1〜1:2、特
に8:1〜1:1の範囲が好ましい。即ち、感光層のバ
インダー量が1.5〜6g/m2であることが好まし
い。更に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5
g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用
に耐えない場合がある。
【0289】(水系塗布)本発明に係る銀塩光熱写真感光
材料は、各構成層の塗布液を塗布する事で形成すること
が好ましい。感光層を塗布する際、その感光層の塗布液
が30重量%以上の溶媒(好ましくは水)を含有してい
ることが好ましい。なお、本発明に係る感光層形成用塗
布液が水性分散されたポリマーラテックスを含有する場
合、感光層塗布液中の全バインダの50質量%以上が水
性分散されたポリマーラテックスであることが好まし
い。
【0290】また、本発明に係る感光層がポリマーラテ
ックスを含有する場合、前記感光層中の全バインダの5
0質量%以上がポリマーラテックスであることが好まし
く、更に好ましくは70質量%以上である。
【0291】本発明に係る「ポリマーラテックス」とは
水不溶性の疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の
分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリ
マーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合された
もの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中
に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散
したものなどいずれでもよい。
【0292】分散粒子の平均粒径は1〜50000n
m、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ま
しい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、
広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つも
のでもよい。
【0293】本発明に係るポリマーラテックスとして
は、通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆ
るコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コア
とシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合があ
る。本発明に係るポリマーラテックスの最低造膜温度
(MFT)は、−30〜90℃であることが好ましく、
更に好ましくは0〜70℃程度である。また、最低造膜
温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよ
い。本発明に用いられる造膜助剤は可塑剤ともよばれポ
リマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合
物(通常有機溶媒)であり、例えば「合成ラテックスの
化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」
に記載されている。
【0294】本発明に係るポリマーラテックスに用いら
れるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマ
ーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーで
も、また架橋されたポリマーでも良い。またポリマーと
しては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマー
でも良いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマー
でも良い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも
ブロックコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は数平
均分子量で5000〜1000000、好ましくは10
000〜100000程度が好ましい。分子量が小さす
ぎるものは感光層の力学強度が不十分であり、大きすぎ
るものは製膜性が悪く好ましくない。
【0295】本発明に係るポリマーラテックスは25
℃、60%RHでの平衡含水率が0.01〜2質量%以
下のものが好ましく、更に好ましくは、0.01〜1質
量%のものである。平衡含水率の定義と測定法について
は、例えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法
(高分子学会編、地人書館)」などを参考にすることが
できる。
【0296】本発明に係るポリマーラテックスの具体例
としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン
/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタ
ジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン
/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリ
マーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル
/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン
/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル
酸コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
【0297】これらのポリマーは単独で用いてもよい
し、必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。
ポリマーラテックスのポリマー種としては、アクリレー
トまたはメタクリレート成分のごときカルボン酸成分を
0.1〜10質量%程度含有するものが好ましい。
【0298】更に、必要に応じて全バインダの50質量
%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコール、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースなどの親水性ポリマーを添加しても良い。これら
の親水性ポリマーの添加量は前記感光層の全バインダの
30質量%以下が好ましい。
【0299】本発明に係る感光層形成用塗布液の調製に
おいて、有機銀塩と水性分散されたポリマーラテックス
の添加の順序については、いずれが先に添加してもよい
し、同時に添加してもよいが、好ましくは、ポリマーラ
テックスが後である。
【0300】更に、ポリマーラテックス添加前に有機銀
塩、更には還元剤が混合されていることが好ましい。ま
た、本発明においては、有機銀塩とポリマーラテックス
を混合した後、経時させる温度が低すぎると塗布面状が
損なわれ、高すぎると被りが上昇する問題があるので、
混合後の塗布液は30℃〜65℃で上記時間経時される
ことが好ましい。更には35℃〜60℃で経時させるこ
とが好ましく、特には35℃〜55℃で経時されること
が好ましい。このように温度を維持するには塗布液の調
液槽等を保温すればよい。
【0301】本発明に係る感光層形成用塗布液の塗布は
有機銀塩と水性分散されたポリマーラテックスを混合し
た後、30分〜24時間経過した塗布液を用いるのが好
ましく、更に好ましくは、混合した後、60分〜12時
間経過させることであり、特に好ましくは、120分〜
10時間経過した塗布液を用いることである。
【0302】ここで、「混合した後」とは、有機銀塩と
水性分散されたポリマーラテックスを添加し、添加素材
が均一に分散された後を言う。
【0303】(架橋剤)本発明においては、架橋剤を上
記バインダーに対し用いることにより膜付きがよくな
り、保存時のカブリ抑制や、現像後のプリントアウト銀
の生成を抑制する効果もある。
【0304】本発明で用いられる架橋剤としては、従来
写真感材用として使用されている種々の架橋剤、例え
ば、特開昭50−96216号に記載されているアルデ
ヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニルスルホ
ン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボ
ジイミド系、シラン化合物系架橋剤および前述した一般
式(1)化合物も用いうるが、好適なものとしては、前
述した一般式(1)化合物、シラン化合物、エポキシ化
合物、酸無水物がある。
【0305】本発明において架橋剤として用いられる場
合一般式(1)化合物の添加量は、銀1モルに対して0.0
01〜2、好ましくは0.005〜0.5モルの範囲である。
【0306】(シラン化合物)本発明において架橋剤と
して使用できるシラン化合物の例としては、特願平12
−077904に開示されている一般式(1)又は一般
式(2)で表せる化合物が挙げられる。
【0307】これらの一般式において、R1、R2
3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ置換されて
もよい直鎖、分枝又は環状の炭素数1〜30のアルキル
基(メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデ
シル基、シクロアルキル基等)、アルケニル基(プロペ
ニル基、ブテニル基、ノネニル基等)、アルキニル基
(アセチレン基、ビスアセチレン基、フェニルアセチレ
ン基等)、アリール基又はヘテロ環基(フェニル基、ナ
フチル基、テトラヒドロピラン基、ピリジル基、フリル
基、チオフェニル基、イミダゾール基、チアゾール基、
チアジアゾール基、オキサジアゾール基等)を表し、置
換基としては電子吸引性の置換基又は電子供与性の置換
基いずれをも有することができる。
【0308】置換基の例としては、炭素数1〜25アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフ
ルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロ
アルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基
等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル
基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基
(フェニル基等)、複素環基(ピリジル基、チアゾリル
基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロ
リル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル
基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル
基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子
(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、
アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキ
シ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリー
ルオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル
基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニ
ル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシ
カルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スル
ホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホ
ンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホ
ンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼ
ンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノス
ルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミ
ノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシル
アミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル
基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノ
スルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エ
チルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシル
ウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイ
ド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブ
タノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、
ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基
(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジ
メチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル
基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミ
ノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピ
リジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミ
ド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサン
アミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチル
スルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル
基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル
基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ
基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ
基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジ
ルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等から選
択することができる。又これらの基は更にこれらの基で
置換されていてもよい。
【0309】L1、L2、L3及びL4は2価の連結基を表
し、アルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレ
ン基、ヘキサメチレン基等)、オキシアルキレン基(オ
キシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン
基、オキシヘキサメチレン基又はこれらの複数の繰り返
し単位からなる基等)、アミノアルキレン基(アミノエ
チレン基、アミノプロピレン基、アミノブチレン基、ア
ミノヘキサメチレン基、これらの複数の繰り返し単位を
有する基等)、カルボキシアルキレン基(カルボキシエ
チレン基、カルボキシプロピレン基、カルボキシブチレ
ン基、チオエーテル基、オキシエーテル基、スルホンア
ミド基、カルバミド基等)を表す。
【0310】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び
8から選ばれる置換基の少なくとも1つが耐拡散性基
又は吸着性基であることが好ましく、特にR2が耐拡散
性基又は吸着性基であることが好ましい。
【0311】なお、耐拡散性基は、バラスト基とも呼ば
れ炭素数が6以上の脂肪族基や炭素数が3以上のアルキ
ル基が導入されているアリール基等が好ましい。耐拡散
性は、バインダーや架橋剤の使用量によって異なるが、
耐拡散性の基を導入することにより、室温状態の分子内
の移動距離が抑制され経時での反応を抑制できる。
【0312】(エポキシ化合物)本発明において用いら
れるエポキシ化合物としてはエポキシ基を1個以上有す
るものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他
に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合
を介してグリシジル基として分子内に含有されることが
好ましい。またエポキシ化合物はモノマー、オリゴマ
ー、ポリマー等のいずれであってもよく、分子内に存在
するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは
2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合
は、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよ
く、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は200
0〜20000程度である。
【0313】これらのエポキシ化合物は、1種のみを用
いても2種以上を併用しても良い。その添加量は特に制
限はないが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲
が好ましく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3
ル/m2の範囲である。
【0314】本発明においてエポキシ化合物は、感光
層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引
き層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これ
らの層の中の1層又は2層以上に添加することができ
る。又、併せて支持体の感光層と反対側の任意の層に添
加することができる。尚、両面に感光層が存在するタイ
プの感材ではいずれの層であってもよい。
【0315】(酸無水物)本発明において用いられる酸
無水物は、又、本発明に用いられる酸無水物は下記の構
造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合
物である。
【0316】−CO−O−CO−本発明に用いられる酸
無水物はこのような酸無水基を1個以上有するものであ
ればよく、酸無水基の数、分子量、その他に制限はな
い。
【0317】これらの酸無水物は、1種のみを用いても
2種以上を併用しても良い。その添加量は特に制限はな
いが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ま
しく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m
2の範囲である。
【0318】本発明において酸無水物は、感光層、表面
保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の
支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の
中の1層又は2層以上に添加することができる。又、前
記エポキシ化合物と同じ層に添加してもよい。
【0319】(色調剤)本発明に用いられる好適な色調
剤の例はResearch Disclosure第1
7029号、米国特許第4,123,282号、同第
3,994,732号、同第3,846,136号およ
び同第4,021,249号明細書に開示されており、
例えば、次のものがある。
【0320】イミド類(例えば、スクシンイミド、フタ
ルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8
−ナフタールイミド);メルカプタン類(例えば、3−
メルカプト−1,2,4−トリアゾール);フタラジノ
ン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、フタラ
ジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロ
ロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノ
ン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオ
ン);フタラジンとフタル酸類(例えば、フタル酸、4
−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロ
ロフタル酸)の組み合わせ;フタラジンとマレイン酸無
水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸
又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なく
とも1つの化合物との組み合わせ等が挙げられる。特に
好ましい色調剤としてはフタラジノン又はフタラジンと
フタル酸類、フタル酸無水物類の組み合わせである。
【0321】(マット剤)本発明においては、感光材料
の表面層に(感光層側、又支持体をはさみ感光層の反対
側に非感光層を設けた場合にも)、現像前の取り扱いや
熱現像後の画像の傷つき防止のためマット剤を含有する
ことが好ましく、バインダーに対し、質量比で0.1〜
30%含有することが好ましい。
【0322】本発明において用いられるマット剤の材質
は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機
物としては、スイス特許第330,158号等に記載の
シリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガ
ラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のア
ルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩等をマ
ット剤として用いることができる。有機物としては、米
国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギ
ー特許第625,451号や英国特許第981,198
号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号
等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第33
0,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタア
クリレート、米国特許第3,079,257号等に記載
のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,16
9号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット
剤を用いることができる。
【0323】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好
ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイ
ズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好
ましく、更に、好ましくは40%以下であり、特に好ま
しくは30%以下となるマット剤である。
【0324】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0325】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する
場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0326】(支持体)本発明に係る銀塩光熱写真材料
に用いられる支持体の素材としては各種高分子材料、ガ
ラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミ
ニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての取り
扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工できるも
のが好適である。従って本発明の熱現像感光材料におけ
る支持体としては、プラスチックフィルム(例えばセル
ロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフ
タレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、セルローストリアセテートフィルム又はポリカ
ーボネートフィルム等)が好ましく、本発明においては
2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが特
に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程
度、好ましくは70〜180μmである。
【0327】(帯電防止剤)本発明においては帯電性を
改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマ
ーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができ
る。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好まし
くは下引層,バッキング層、感光性層と下引の間の層な
どに含まれる。本発明においては米国特許第5,24
4,773号カラム14〜20に記載された導電性化合
物が好ましく用いられる。
【0328】(染料)本発明に係る光熱写真材料におい
ては、感光層を透過する光の量または波長分布を制御す
るために感光層と同じ側または反対の側にフィルター層
を形成するか、感光層に染料又は顔料を含有させること
が好ましい。
【0329】本発明において用いられる染料としては、
感光材料の感色性に応じて種々の波長領域の光を吸収す
る公知の化合物が使用できる。
【0330】例えば、本発明に係る光熱写真材料を赤外
光による画像記録材料とする場合には、特願平11−2
55557号明細書に開示されているようなチオピリリ
ウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではチオ
ピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及びピリリウム
核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではピリリウ
ムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクアリリウム染料
に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又はピリ
リウムクロコニウム染料を使用することが好ましい。
【0331】尚、スクアリリウム核を有する化合物と
は、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−
4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有す
る化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒ
ドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここ
で、ヒドロキシ基は解離していてもよい。以下本明細書
ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム染
料とよぶ。
【0332】以下に先ず、本発明で用いられる一般式
(1)で表される化合物について説明する。
【0333】本発明の一般式(1)において、R1、R2
は各々1価の置換基を表す。1価の置換基には特に制限
はないが、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、ターシャリーブチル基、メトキシエチル
基、メトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキシル
基、2−ヘキシルデシル基、ベンジル基等)、アリール
基(例えばフェニル基、4−クロロフェニル基、2、6
−ジメチルフェニル基等)であることが好ましく、アル
キル基であることがより好ましく、ターシャリーブチル
基であることが特に好ましい。R1、R2は共同して環を
形成してもよい。m、nは各々0から4の整数を表し、
2以下であることが好ましい。
【0334】なお、染料としては特開平8−20195
9号の化合物も好ましい。
【0335】(塗布技術)本発明に係る銀塩光熱写真材
料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解又は分散さ
せた塗布液を作り、それら塗布液を複数同時に重層塗布
した後、乾燥処理を行って形成されることが好ましい。
ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構成層(例えば
感光層、保護層)の塗布液を作製し、これを支持体へ塗
布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰り返しをするので
はなく、同時に重層塗布を行い乾燥する工程も同時に行
える状態で各構成層を形成しうることを意味する。この
場合、下層中の全溶剤の残存量が70重量%以下となる
前に、上層を設けることが好ましい。
【0336】各構成層を複数同時に重層塗布する方法に
は特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコ
ート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、エ
クストリュージョン塗布法などの公知の方法を用いるこ
とができる。これらのうちより好ましくはエクストリュ
ージョン塗布法と呼ばれる前計量タイプの塗布方式であ
る。該エクストリュージョン塗布法はスライド塗布方式
のようにスライド面での揮発がないため、精密塗布、有
機溶剤塗布に適している。この塗布方法は感光層を有す
る側について述べたが、バックコート層を設ける際、下
引きとともに塗布する場合についても同様である。
【0337】(現像条件)本発明に於いて、現像条件は
使用する機器、装置、或いは手段に依存して変化する
が、典型的には適した高温に於いて像様に露光した銀塩
光熱写真材料を加熱することを伴う。露光後に得られた
潜像は、中程度の高温(例えば、約80〜200℃、好
ましくは約100〜200℃)で十分な時間(一般には
約1秒〜約2分間)、熱現像感光材料を加熱することに
より現像することができる。
【0338】現像は、加熱することで有機銀塩(酸化剤
として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により
銀画像を生成し、この反応過程は、外部からの水等の処
理液の一切の供給なしに進行できる。
【0339】加熱する機器、装置、或いは手段はホット
プレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チ
タン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段で行っ
てよい。より好ましくは本発明に係わる保護層の設けら
れた熱現像感光材料は、保護層を有する側の面を加熱手
段と接触させ加熱処理するのが、均一な加熱を行う上
で、又熱効率、作業性の点などから好ましく、該面をヒ
ートローラに接触させながら搬送し加熱処理して現像す
ることが好ましい。
【0340】(露光条件)本発明の銀塩光熱写真材料の
露光は、当該感材に付与した感色性に対し適切な光源を
用いることが望ましい。例えば、当該感材を赤外光に感
じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる光源
にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワーで
ある事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤外半
導体レーザー(780nm、820nm)がより好まし
く用いられる。
【0341】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の
方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法とし
て、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質
的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いる
方法が挙げられる。
【0342】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として露
光面に対して好ましくは55度以上88度以下、より好
ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度
以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下
であることをいう。
【0343】レーザー光が、感光材料に走査されるとき
の感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましく
は200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度
の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。な
お、ビームスポット直径の下限は10μmである。この
ようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のム
ラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じること
が出来る。
【0344】また、第2の方法として、本発明における
露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー
走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モード
の走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画
質劣化が減少する。
【0345】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。
なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0346】更に、第3の方法としては、2本以上のレ
ーザを用いて、走査露光により画像を形成することも好
ましい。
【0347】このような複数本のレーザを利用した画像
記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタ
やデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技
術であり、例えば特開昭60−166916号公報等に
より知られている。これは、光源ユニットから放射され
たレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ
等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレー
ザイメージャなどと原理的に同じレーザ走査光学装置で
ある。
【0348】レーザプリンタやデジタル複写機の画像書
込み手段における感光体上へのレーザ光の結像は、1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むという用途か
ら、一つのレーザ光の結像位置から1ライン分ずらして
次のレーザ光が結像されている。具体的には、二つの光
ビームは互いに副走査方向に像面上で数10μmオーダ
ーの間隔で近接しており、印字密度が400dpi(本
発明においては、1インチ即ち、2.54cm当たりに
1ドットの印字密度のことをdpi(ドットパーイン
チ)と定義する)で2ビームの副走査方向ピッチは6
3.5μm、600dpiで42.3μmである。この
ような、副走査方向に解像度分ずらした方法とは異な
り、本発明では同一の場所に2本以上のレーザを入射角
を変え露光面に集光させ画像形成することを特徴として
いる。この際の、通常の1本のレーザ(波長λ[n
m])で書き込む場合の露光面での露光エネルギーがE
である場合に、露光に使用するN本のレーザが同一波長
(波長λ[nm])、同一露光エネルギー(En)とし
た場合、0.9×E≦En×N≦1.1×Eの範囲にす
るのが好ましい。このようにすることにより、露光面で
はエネルギーは確保されるが、それぞれのレーザ光の画
像形成層への反射は、レーザの露光エネルギーが低いた
め低減され、ひいては干渉縞の発生が抑えられる。
【0349】なお、上述では複数本のレーザの波長をλ
と同一のものを使用したが、波長の異なるものを用いて
も良い。この場合、λ[nm]に対して(λ−30)<
λ1、λ2、・・・・・λn≦(λ+30)の範囲にす
るのが好ましい。
【0350】なお、上述した第1、第2、第3及び第4
の態様の画像記録方法において、走査露光に用いるレー
ザとしては、一般によく知られている、ルビーレーザ、
YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レーザ;He−N
eレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、CO
2レーザ、COレーザ、He−Cdレーザ、N2レーザ、
エキシマーレーザ等の気体レーザ;InGaPレーザ、
AlGaAsレーザ、GaAsPレーザ、InGaAs
レーザ、InAsPレーザ、CdSnP2レーザ、Ga
Sbレーザ等の半導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ
等を用途に併せて適時選択して使用できるが、これらの
中でもメンテナンスや光源の大きさの問題から、波長が
600〜1200nmの半導体レーザを用いるのが好ま
しい。なお、レーザ・イメージャやレーザ・イメージセ
ッタで使用されるレーザにおいて、光熱写真材料に走査
されるときの該材料露光面でのビームスポット径は、一
般に短軸径として5〜75μm、長軸径として5〜10
0μmの範囲であり、レーザ光走査速度は光熱写真材料
固有のレーザ発振波長における感度とレーザパワーによ
って、感光材料毎に最適な値に設定することができる。
【0351】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0352】実施例1 (下引き済写真用支持体の作成)市販の2軸延伸熱固定
済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニ
カ株式会社製デンシトメータPDA−65にて測定)に
青色着色したPETフィルムの両面に8W/m2・分の
コロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−
1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて
下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b
−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させ
て下引層B−1とした。尚、各試料については、表1,
2に示す様に種々添加素材を変化させた。
【0353】 (下引塗布液a−1) ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる (下引塗布液b−1) ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上に
は下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmにな
る様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設し
た。
【0354】 (下引上層塗布液a−2) ゼラチン 0.4g/m2になる質量 C−1 0.2g C−2 0.2g C−3 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1lに仕上げる (下引上層塗布液b−2) C−4 60g C−5を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g C−6 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1lに仕上げる
【0355】
【化37】
【0356】
【化38】
【0357】(バック面塗布)メチルエチルケトン(M
EK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテート
ブチレート(EastmanChemical社、CA
B381−20)84.2gおよびポリエステル樹脂
(Bostic社、VitelPE2200B)4.5
gを添加し、溶解した。次に、溶解した液に、0.30
gの赤外染料1を添加し、さらにメタノール43.2g
に溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH4
0)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファ
ッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十
分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質
量%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシ
リカ(W.R.Grace社、シロイド64X600
0)を75g添加、攪拌しバック面側用の塗布液を調製
した。
【0358】このように調製した、バック面塗布液を、
乾燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターに
て塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度1
0℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0359】 (感光性ハロゲン化銀乳剤1Aの調整) A1 フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる B1 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml C1 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる D1 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる E1 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる G1 56%酢酸水溶液 18.0ml H1 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる 化合物(A): HO(CH2CH2O)n−(CH(CH3)CH2O)17−(CH2CH2O)mH (m+n=5〜7) 特公昭58−58288号、同58−58289号に示
される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)
の1/4量及び溶液(C1)全量を温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒
を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F
1)の全量を添加した。この間pAgの調整を(E1)
を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3
/4量及び溶液(D1)の全量を、温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により14分15
秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温
し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈
降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取
り除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン
化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、
上澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌
後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500
mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を
加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後に
pHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1
161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀
乳剤1Aを得た。
【0360】この乳剤は平均粒子サイズ0.058μ
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0361】(粉末有機銀塩1Aの調製)4720ml
の純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5Mの水酸化ナトリウム水
溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた
後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上
記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったま
ま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤1Aと
純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0362】次に1Mの硝酸銀溶液702.6mlを2
分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得
た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移
し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分
散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。そ
の後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン
水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した
後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機フラ
ッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業製)
を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の
運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥して有
機銀塩の乾燥済み粉末有機銀塩1Aを得た。
【0363】なお、有機銀塩組成物の含水率測定には赤
外線水分計を使用した。
【0364】(予備分散液1Aの調製)ポリビニルブチ
ラール粉末(Monsanto社製、Butvar B
−79)14.57gをメチルエチルケトン1457g
に溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバD
ISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら粉
末有機銀塩1A500gを徐々に添加して十分に混合す
ることにより予備分散液を調製した。
【0365】(感光性乳剤分散液1Aの調製)予備分散
液をポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレ
セラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機D
ISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GE
TZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液1Aを調製し
た。
【0366】(安定剤液1Aの調製)0.90gの安定
剤1、0.28gの酢酸カリウムをメタノール10.1
gに溶解し安定剤液を調製した。
【0367】(赤外増感色素液1Aの調製)45.3m
gの赤外増感色素No.S−43、2.50gの2−ク
ロロ−安息香酸、18.6gの安定剤2および1.07
gの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを
110gのMEKに暗所にて溶解し赤外増感色素液1A
を調製した。
【0368】(添加液1aの調製)現像剤として、表
1,2に示す量比になる1,1−ビス(2−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチ
ルヘキサン(一般式(2)化合物)と6.72gの4−
メチルフタル酸、0.45gの前記赤外染料1をMEK
に溶解し、450gに仕上げ、添加液1aとした。
【0369】(添加液1bの調製)表1,2に示す量に
なる本発明化合物(1)〜(6)と10.0gのフタラ
ジンをMEKに溶解し、300gに仕上げ、添加液1b
とした。
【0370】(感光層塗布液の調製)不活性気体雰囲気
下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液1
(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら2
1℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メタノール
溶液)1000μlを加え、2分後にかぶり防止剤1
(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間攪
拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶
液)423μlを添加して10分撹拌した後に上記の有
機化学増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−5を
添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液342
mlを添加して10分間攪拌した後、4.0gの前記赤
外増感色素液を添加して1時間攪拌した。その後、温度
を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。13℃に
保温したまま、ポリビニルブチラール(Monsant
o社 Butvar B−79)13.0gを添加して
30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4質量
%MEK溶液)1.62gを添加して15分間攪拌し
た。さらに攪拌を続けながら、13.64gの添加液1
a、一般式(1)化合物であるDesmodurN33
00/モーベイ社社製の脂肪族イソシアネート(10%
MEK溶液)を5.0cc、9.09gの添加液1bを
順次添加し攪拌することにより感光層塗布液を得た。
【0371】(マット剤分散液の調製)セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5
gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Specia
lity Minerals社、Super−Pfle
x200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザに
て8000rpmで30min分散しマット剤分散液を
調製した。
【0372】(表面保護層塗布液の調製)MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解し
た。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、
表面保護層塗布液を調製した。
【0373】
【化39】
【0374】(感光層面側塗布)前記感光層塗布液と表
面保護層塗布液を押し出し(エクストルージョン)コー
ターを用いて同時に重層塗布することにより感光材料を
作製した。塗布は、感光層は塗布銀量1.9g/m2
表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様にしておこ
なった。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾
燥風を用いて、10分間乾燥を行った。
【0375】(50℃50%Rh120hでの濃度変化
幅評価(現像ムラランクと称する))調整した資料を半
切サイズ(17in×14in)に裁断し、810nmダイオー
ドレーザーを備えたレーザー感光計で露光し、コニカ株
式会社(製)DRYPRO-722を用いて現像し、濃度3.0の
ベタを作成した。現像条件は、ドラム温度126℃、ド
ラムとの接触時間13.6秒とした。作成されたベタ試
料を50℃50%Rhに調整された暗室で120h放置
した。放置後、ベタ試料の濃度を測定して3.0からの
差分を変化巾とした。濃度測定には、コニカ株式会社
(製)PDA−65を用いた。
【0376】作製されたハーフベタ試料を目視で観察
し、現像ムラレベルを目視でランク評価した。
【0377】ムラが全く見られないレベルを5、ムラが
ひどく使用に耐えないレベルを1とし、使用可能である
下限レベルを3として評価した。その結果を表1,2に
示す。
【0378】(色調の評価)調整した試料を半切りサイ
ズ(17in×14in)に裁断し、810nmダイオードを備
えたレーザー感光計でウェッジ露光し、コニカ(株)社
製DRYPRO-722を用いて現像し、評価試料を調整した。現
像条件は、ドラム温度126℃、ドラムとの接触時間1
3.6秒とした。作成された試料の濃度0.5〜1.0
部分の色調レベルを目視でランク評価した。冷黒調で最
も好ましいレベルを5、温黒調で使用に耐えないレベル
を1とし、使用可能性ある下限レベルを3として評価し
た。その結果を表1,2に示す。
【0379】
【表1】
【0380】
【表2】
【0381】実施例2 下記の添加液2c,感光層塗布液2A,2B以外は実施例
1と同様の方法に従って調製した。
【0382】尚、各試料については、表3,4,5,6
に示す様に種々添加素材を変化させた。
【0383】(感光性乳剤分散液2の調製)予備分散液
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレ
セラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機D
ISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GE
TZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液2を調製した。
【0384】(安定剤液の調製)0.9gの安定剤1、
0.28gの酢酸カリウムをメタノール10.1gに溶
解し安定剤液を調製した。
【0385】(赤外増感色素液2Aの調製)45.3m
gの赤外増感色素No.S−43、2.50gの2−ク
ロロ−安息香酸、18.6gの安定剤2および1.07
gの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを
110gのMEKに暗所にて溶解し赤外増感色素液2A
を調製した。
【0386】(添加液2aの調製)現像剤として、表
3,4,5,6に示す量比になる1,1−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−
トリメチルヘキサン(一般式(2)化合物)と0.72
gの4−メチルフタル酸、0.45gの前記赤外染料1
をMEKに溶解し、450gに仕上げ、添加液2aとし
た。
【0387】(添加液2bの調製)表3,4,5,6に
示す量比になる本発明化合物(3)〜(6)と10.0
gのフタラジンをMEKに溶解し、300gに仕上げ、
添加液2bとした。
【0388】(添加液2cの調製)表3,4,5,6に
示す省銀化剤0.035molをMEK45.0gに溶
解し添加液2cとした。
【0389】(感光層塗布液2A、3Aの調製)不活性
気体雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤
分散液1(50g)およびMEK15.11gを攪拌し
ながら21℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メ
タノール溶液)1000μlを加え、2分後にかぶり防
止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1
時間攪拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノー
ル溶液)423μlを添加して10分撹拌した後に上記
の有機化学増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−
5を添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液3
42mlを添加して10分間攪拌した後、4.0gの前
記赤外増感色素液を添加して1時間攪拌した。その後、
温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。13
℃に保温したまま、ポリビニルブチラール(Monsa
nto社 Butvar B−79)13.0gを添加
して30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4
質量%MEK溶液)1.62gを添加して15分間攪拌
した。さらに攪拌を続けながら、13.64gの添加液
2a、一般式(1)化合物であるDesmodurN3
300/モーベイ社社製の脂肪族イソシアネート(10
%MEK溶液)を5.0cc、9.09gの添加液2b
を順次添加し攪拌することにより感光層塗布液2Aを得
た。感光層塗布液3Aも同様にして得た。
【0390】(感光層塗布液2B、3Bの調製)不活性
気体雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤
分散液1(50g)およびMEK15.11gを攪拌し
ながら21℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メ
タノール溶液)1000μlを加え、2分後にかぶり防
止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1
時間攪拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノー
ル溶液)423μlを添加して10分撹拌した後に上記
の有機化学増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−
5を添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液3
42mlを添加して10分間攪拌した後、4.0gの前
記赤外増感色素液を添加して1時間攪拌した。その後、
温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。13
℃に保温したまま、ポリビニルブチラール(Monsa
nto社 Butvar B−79)13.0gを添加
して30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4
質量%MEK溶液)1.62gを添加して15分間攪拌
した。さらに攪拌を続けながら、13.64gの添加液
2a、一般式(1)化合物であるDesmodurN3
300/モーベイ社社製の脂肪族イソシアネート(10
%MEK溶液)を5.0cc、9.09gの添加液2
b、1.5gの添加液2cを順次添加し攪拌することに
より感光層塗布液2Bを得た。感光層塗布液3Bも同様
にして得た。
【0391】(マット剤分散液の調製)セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5
gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Specia
lity Minerals社、Super−Pfle
x200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザに
て8000rpmで30min分散しマット剤分散液を
調製した。
【0392】(表面保護層塗布液の調製)MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解し
た。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、
表面保護層塗布液を調製した。
【0393】
【化40】
【0394】
【化41】
【0395】
【化42】
【0396】
【化43】
【0397】
【化44】
【0398】
【化45】
【0399】(感光層面側塗布2)前記感光層塗布液と
表面保護層塗布液を押し出し(エクストルージョン)コ
ーターを用いて感光層2層および保護層1層の計3層を
同時に重層塗布することにより感光材料Aを作製した。
塗布は、感光層2Aは塗布銀量0.7g/m2、感光層
2Bは塗布銀量0.3g/m2、表面保護層は乾燥膜厚
で2.5μmになる様にしておこなった。その後、乾燥
温度50℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10分間
乾燥を行った。
【0400】(感光層面側塗布3)前記感光層塗布液と
表面保護層塗布液を押し出し(エクストルージョン)コ
ーターを用いて感光層3Aおよび保護層1層の計2層を
同時に重層塗布し、さらに支持体を挟んでそれらの塗布
面の反対側に感光層3Bおよび保護層1層の計2層を同
時に重層塗布することにより感光材料Bを作製した。塗
布は、感光層2A層は塗布銀量0.7g/m2、感光層
2B層は塗布銀量0.3g/m2、表面保護層は乾燥膜
厚で2.5μmになる様にしておこなった。その後、乾
燥温度50℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10分
間乾燥を行った。
【0401】実施例1と同様にして現像ムラランクおよ
び色調ランクの評価を行った。感光層面側塗布2によっ
て得られた試料についての結果は表3,4、感光層面側
塗布3によって得られた試料についての結果は表5,6
に示す。
【0402】
【表3】
【0403】
【表4】
【0404】
【表5】
【0405】
【表6】
【0406】実施例3 実施例1で作成した試料からNo.1〜4、実施例2で
作成した試料から、感光層面側塗布2で調整したNo.
1〜6及び感光層面側塗布3で調整したNo.1〜6を
用い、保存条件違いでの評価を行った。試料調整後即
日、20℃で300日保存後、30℃で150日保存後
の試料各々を実施例1と同様の方法で現像ムラランク及
び色調ランクの評価を行った。その結果を表7に示す。
【0407】
【表7】
【0408】
【発明の効果】本発明により、現像で生じる濃度ムラと
同様に現像後における濃度変動による現像ムラランクの
改善効果及び色調の改善効果が達成された銀塩光熱写真
材料を提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともa)非感光性有機
    銀塩、b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の銀
    イオンを銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光熱
    写真材料において、露光現像後の該熱現像感光材料が5
    0℃50%Rhで120hrの保存により、濃度3.0で
    の変動巾が±0.2以内であることを特徴とする銀塩光
    熱写真材料。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物を含有
    し、かつ一般式(1)で表される化合物、非感光性有機
    銀塩及び一般式(2)で表される銀イオンを銀に還元し
    うる還元剤の含有比率が非感光性有機銀塩に対する一般
    式(2)化合物の含有比率が35〜100mol%でか
    つ、一般式(1)化合物に対して一般式(2)化合物が
    10〜50倍mol含有していることを特徴とする請求
    項1記載の銀塩光熱写真材料。 一般式(1) X=C=N−L−(N=C=X)v 〔式中、vは1または2の整数であり、Lはアルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基またはアルキルアリ
    ーレン基を含む2価の連結基であり、Xは酸素または硫
    黄原子である。〕 【化1】 式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキ
    ル基(例えば、ブチル基、2,4,4−トリメチルペン
    チル基等)を表し、R′及びR″は、各々、炭素原子数
    1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、t
    −ブチル基等)を表す。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で表される化合物及び
    一般式(4)で表される化合物を少なくとも1種づつ含
    有することを特徴とする請求項1、2記載の銀塩光熱写
    真材料。 一般式(3) Q-(Y)n-C(X1)(X2)(X3) (Qは、アリール基、ヘテロ環基を表し、Yは、SO、
    SO2、CO各基を含む2価の基を表し、X1ないしX
    3は、ハロゲン原子を表す。)一般式(4)で表される
    化合物を以下に示す。 Q'-(Y')n-C(X'1)(X'2)(X'3) (Q'は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'は、S
    O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
    は1を表し、X'1ないしX'3は、水素原子、ハロゲン
    原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニ
    ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
    スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基である
    が、少なくとも一つはハロゲン原子であり、且つ全てが
    ハロゲン原子であることはない。
  4. 【請求項4】 一般式(5)で表される化合物及び一般
    式(6)で表される化合物を少なくとも1種づつ含有す
    ることを特徴とする請求項1、2記載の銀塩光熱写真材
    料。 一般式(5) Q''-(Y'')n-C(X''1)(X''2)(X''3) (Q''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y''は、S
    O、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0また
    は1を表し、X''1ないしX''3は、水素原子、臭素原
    子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
    ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少
    なくとも一つは臭素原子である。) 一般式(6) Q'''-(Y''')n-C(X'''1)(X'''2)(X'''
    3) (Q'''は、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y'''は、
    SO、SO2、CO各基を含む2価の基を表し、nは0ま
    たは1を表し、X'''1ないしX'''3は、塩素原子、ハ
    ロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
    リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファ
    モイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、少なくと
    も一つが塩素原子である。)
  5. 【請求項5】 省銀化剤を少なくとも一種含有すること
    を特徴とする請求項1〜4記載の銀塩光熱写真材料。
  6. 【請求項6】 感光性層2層以上有することを特徴とす
    る請求項1〜5記載の黒白銀塩光熱写真材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の銀塩光熱写真材料に
    画像を記録する際の露光が、走査レーザー光が縦マルチ
    であるレーザー光走査露光機によるものであることを特
    徴とする画像記録方法。
  8. 【請求項8】 現像処理後の感光材料の色相角hab
    (JIS Z8729により規定)が、180°<hab<2
    70°であることを特徴とする請求項1〜6記載の銀塩光
    熱写真材料。
  9. 【請求項9】 支持体上に少なくともa)非感光性有機
    銀塩、b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の銀
    イオンを銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光熱
    写真材料において、感光層が、30重量%以上の水を含
    有する塗布液を塗布して形成されたことを特徴とする請
    求項1,3〜6記載の銀塩光熱写真材料。
  10. 【請求項10】 支持体上に少なくともa)非感光性有
    機銀塩、b)ハロゲン化銀、c)熱により該有機銀塩の
    銀イオンを銀に還元しうる還元剤を含有してなる銀塩光
    熱写真材料において、該銀塩光熱写真材料が露光前にお
    いて30℃以下で60日〜400日の条件下に置かれた
    ことを特徴とする請求項1〜9記載の銀塩光熱写真材
    料。
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