JP2002129778A - 鋼管柱基部構造体 - Google Patents

鋼管柱基部構造体

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JP2002129778A
JP2002129778A JP2001161000A JP2001161000A JP2002129778A JP 2002129778 A JP2002129778 A JP 2002129778A JP 2001161000 A JP2001161000 A JP 2001161000A JP 2001161000 A JP2001161000 A JP 2001161000A JP 2002129778 A JP2002129778 A JP 2002129778A
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JP2001161000A
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Susumu Mizukami
進 水上
Tadanori Kodera
惟敬 小寺
Hisanao Nakahara
久直 中原
Yoshiharu Iwashita
義春 岩下
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CIVIL ENGINEERING RES INST OF
JFE Techno Research Corp
JFE Steel Pipe Co Ltd
National Research and Development Agency Public Works Research Institute
Original Assignee
CIVIL ENGINEERING RES INST OF
Kawatetsu Techno Research Corp
Kawatetsu Steel Pipe Co Ltd
Civil Engineering Research Institute of Hokkaido
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 立設する鋼管柱の基部を構成する鋼管柱基部
構造体に関し、鋼管柱の基部における破断・折損を防止
する。 【解決手段】 鋼管柱1と、該鋼管柱の下端部が内挿さ
れ、鋼管柱を立設して支持する外装管10と、該外装管
の円周方向に少なくとも4箇所以上設けた縦リブと、該
縦リブと前記外装管を直立して載置し、かつ、所要数の
アンカー取付穴6を有するベースプレート5と、を有
し、前記の鋼管柱と外装管との間隙に充填物を介装す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立設する鋼管柱の
基部構造体に関し、特に街路や高架道路などの道路の路
傍、または、公園などに設置し、照明用および標識用や
カメラ、マイクロフォン、スピーカ等の設備設置用等と
して適用される鋼管柱の基部構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管柱の基部には、風力、交通振動など
によって横方向への繰り返しの応力が加えられる。その
応力に対抗して鋼管柱の倒壊を防ぐため、補強材として
所要数の縦リブが設けられている。鋼管柱は、数メート
ルの高さ位置に照明灯や標識等の比較的軽量の設備を保
持するものであり、その外径は概ね5〜50cm程度とされ
る。
【0003】また、鋼管柱は、一般用の建築用構造部材
とは異なり、上方からの大きな荷重が掛からないため、
たとえば(社)建設電気技術協会の道路照明器材仕様書
等の基準に定められるように、肉厚3〜6mm程度のもの
が使用されている。一般に、鋼管柱は風雨に曝される場
所で使用されるため、風力や交通振動などによって横方
向への荷重が掛かったときに、その基部において折損し
倒壊することのないように十分な強度を保持できる設計
がなされている。また、一般的に、鋼管柱の外径には1
/100 〜1/75程度のテーパが設けられ、先端を先細り
としたテーパ管とされている。
【0004】従来の鋼管柱の基部構造体の代表的な例を
図3に示す。図3に示すように、鋼管柱1の下端部に
は、鋼管柱1を支持するベースプレート5が係設して接
合されている。ここで、鋼管柱1は、例えば、ベースプ
レート5に穿設された穴に嵌挿され、2bで示す箇所を円
周方向に溶接して接合される。ただし、鋼管柱1とベー
スプレート5の接合方法としては、鋼管柱1の下端部と
ベースプレート5の上面部とを溶接接合するようにして
もよいことは言うまでもない。
【0005】また、ベースプレート5には、設置・固定
のため所要数のアンカー取付穴6が穿設されている。さ
らに、ベースプレート5から鋼管柱1の下部にかけて
は、縦方向に所要数の縦リブ4が配設されている。この
縦リブ4は、鋼管柱1にかかる四方からの荷重に耐える
構造とする必要があることから、鋼管柱の円周方向等間
隔に少なくとも4個、場合によっては6ないし8個設け
られる。なお、縦リブ4と、鋼管柱1およびベースプレ
ート5とは、溶接接合されるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、風力や
交通振動などによって常時、繰り返してかかる横荷重の
ため、長年の使用によって、特に縦リブの上端溶接部
(図3に示す2aの位置)に疲労に基づく亀裂が発生する
可能性が高いという問題があった。これは、鋼管柱に横
荷重がかかると、それによって発生する応力が、この上
端の溶接部2aに集中し、縦リブ上端部の隅肉溶接止端部
である溶接部2aが応力集中部3ともなってしまうためで
ある。
【0007】本発明は、鋼管柱の基部に設けた縦リブ近
傍に発生する応力集中を緩和し、疲労等に基づく亀裂の
発生を防止し、鋼管柱の耐久性向上を可能とした鋼管柱
基部構造体の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋼管柱の
基部に設けた縦リブ近傍に発生する応力について、FE
M(有限要素法)を用いた数値解析を実施した。その結
果、縦リブ上端部には、縦リブのない場合に比べて約4
倍程度の応力集中が発生することが明らかとなった。
【0009】しかも、縦リブ上端部は、通常、溶接され
ているため、溶接欠陥がある場合には、上記の応力集中
が発生すると、その応力集中に起因して亀裂が発生しや
すくなる。また、溶接欠陥が無い場合であっても、応力
が繰り返しかかる結果、疲労破壊が生じる可能性が高く
なる。このような応力集中は、すでに説明したように鋼
管柱基部の構造に由来することが知られている。
【0010】本発明者らは、鋼管柱基部構造体の補強構
造を工夫することで、応力集中を緩和して疲労破壊の発
生を大幅に低減できることを見いだした。すなわち、本
発明は、以下の各項記載の鋼管柱基部構造体によって上
記課題を解決した。 鋼管柱と、該鋼管柱の下端部が内挿され、鋼管柱を
立設して支持する外装管を有するベースプレートと、前
記の鋼管柱と外装管との間隙に介装した充填材と、を有
することを特徴とする鋼管柱基部構造体。 前記外装管の高さが、前記鋼管柱の外径をDとし
て、1.5 D〜4Dであることを特徴とする上記に記載
の鋼管柱基部構造体。 前記外装管の上端位置に、当該外装管の上端部と前
記鋼管柱の外面に密着し、前記充填材の上部を被覆する
シーリング材を有することを特徴とする上記または
に記載の鋼管柱基部構造体。 前記ベースプレートは、その支持する外装管外面の
円周方向に少なくとも4箇所以上設けた縦リブと、該縦
リブと前記外装管が直立して載置され、かつ、所要数の
アンカー取付穴を有するベースプレートであることを特
徴とする上記ないしのいずれかに記載の鋼管柱基部
構造体。 前記ベースプレートは、外装管と、該外装管の外面
に設けられた支持部材と、該支持部材を支持し、かつ、
壁面に取付け可能なプレートと、からなるベースプレー
トであることを特徴とする上記ないしのいずれかに
記載の鋼管柱基部構造体。 前記鋼管柱の最下端部が、前記ベースプレートと溶
接接合されてなることを特徴とする上記ないしのい
ずれかに記載の鋼管柱基部構造体。 鋼管柱と、該鋼管柱の下端部の外径と略同外径とし
た平坦な上端部から下方に向けて裾が広がって形成さ
れ、かつ、所要数のアンカー取付穴を有するベースと、
から構成され、該ベースの上端部に前記鋼管柱の下端部
を接合して載設したことを特徴とする鋼管柱基部構造
体。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の鋼管柱基部構造体の好適
な実施の形態を、図1、図2に示す部分断面図に基づい
て説明する。ここで、図1および図2(a)では、図の
左半分を断面図として示している。図1は、本発明の第
1の実施の形態の例を説明する図である。
【0012】図1では、鋼管柱1の下部を外装管10に内
挿し、鋼管柱1の下端部と、外装管10を載設したベース
プレート5を2b位置で円周方向に溶接している。また、
外装管10の外面には所要数の縦リブ4を付設している。
縦リブ4は、円周方向等間隔に少なくとも4箇所以上設
けられるが、4〜8箇所が好適である。これをこえて設
置しても機能としては問題ないがコスト的には不利であ
る。
【0013】また、壁面に支持をとって鋼管柱を設置す
るような場合にはベースプレートは壁面に取付け可能な
縦型のプレートと、このプレートと外装管とを結合して
支持する支持部材とを有する形態が取られる。図6はそ
の例であり、外装管外面に支持部材を高さ方向2ヶ所以
上設けて鋼管柱を立設させている。なお、図6におい
て、41は(側壁用)外装管支持部材、42は(側壁用)プ
レート、43は締結用のボルト、44は側壁部、45は充填材
である。
【0014】さらに、この場合、外装管は下端に図示し
ないエンドプレートを溶接しておくと充填材の漏れを防
止でき好適であるし、エンドプレートを鋼管柱下端に溶
接しておくことで鋼管柱の支持がより安定化する。本発
明の第1の実施の形態においては、鋼管柱1と外装管10
の間隙に充填材11を介装することを特徴とする。なお、
充填材11としては、無収縮性セメント、エポキシ系樹脂
等の可撓性材料を適用することを好適とする。
【0015】ここで、外装管10の外装管上端部12と鋼管
柱1とは溶接接合せず、フリーな状態としておく。こう
することで、鋼管柱基部の応力の高い部分での溶接を避
けることができ、また、鋼管柱1に加わる応力が充填材
11を介して外装管10の全周に均等に伝わるため、外装管
に伝わる力を分散することができるのである。外装管上
端部12の鋼管柱1との間隙は、 140〜260mm φの鋼管柱
の場合で、4〜25mm程度とすることを好適とする。あま
り間隙を小さくすると、充填材を一様に充填することが
困難となり、一方、あまり間隙を大きくすると、比較的
高価である充填材の使用が増し、不経済であるし、ま
た、充填材としてセメントを使用した場合、セメントに
割れが発生して充填材としての機能を発揮できなくなる
こともあるからである。
【0016】一方、外装管10の高さは、鋼管柱1の最下
端部の外径をDとして、1.5 D〜4Dとすることを好適
とする。1.5 D未満であると、横方向の応力が掛かった
ときに、外装管上端部に相当する鋼管柱の位置に応力が
集中し、この部位での亀裂、破断が起きる可能性がある
からである。また、4Dを超える高さまで外装管を設置
することは、応力集中緩和に効果はあるものの、その効
果は、4D相当の場合と大きな差はなく、外装管や充填
材の材料費を考慮すると、4D程度の高さがあれば十分
である。
【0017】鋼管柱最下端部は、ベースプレートと溶接
接合することが好ましい。図1に示すように、鋼管柱1
の最下端部がベースプレート5と溶接部2bで溶接接合す
ると、鋼管柱1、ベースプレート5、外装管10の三者の
結合をより強固なものとすることができる。そのため、
鋼管柱と外装管に間装した充填材に亀裂が生じたり、ま
た、鋼管柱外面と充填材、充填材と外装管内面、それぞ
れの界面に剥離が生じて結合が損なわれる事態を防止す
る効果がある。また、外装管とベースプレートの溶接部
にかかるせん断力を大幅に軽減することができる。
【0018】さらに、シーリング材で充填材の上部を覆
うことで、充填材が日光、風雨に曝されることによる経
年劣化および亀裂発生を防止することができ、また、内
部への雨水の浸透による充填材の劣化や、充填材と鋼管
柱外面、あるいは、充填材と外装管内面との密着性の低
下を防止することが可能となる。シーリング材としては
シリコンベースのポリマ等を好適に使用することができ
る。
【0019】なお、シーリング材の使用にあたっては、
図4に示すように、充填材11とシーリング材15の間にバ
ックアップ材16を介装することを好適とする。こうする
ことで、シーリング材が鋼管柱、外装管、充填材の三者
と三面接着状態となることを防止することができ、シー
リング材の効果をいかんなく発揮させることができるの
である。バックアップ材としては、ポリエチレン発泡体
等を好適に適用することができる。
【0020】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態によって、縦リブ4の上端の溶接部2a、すなわ
ち、応力集中部3に掛かる応力を分散させることがで
き、鋼管柱の基部の疲労強度を従来よりも著しく向上さ
せることができた。次に、図2に基づき、本発明の第2
の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の
形態は、鋼管柱1の下端部の外径と略同外径とした平坦
な上端部から下方に向けて裾が広がって形成され、か
つ、所要数のアンカー取付穴6を有するベース20上に、
鋼管柱1を載設し、鋼管柱1の下端部と、ベース20の平
坦とした上端部を接合部21で溶接接合することを特徴と
する鋼管柱基部構造体である。ここで、接合部21を内外
面全周溶接した後は、グラインダ仕上げをして内外面を
平滑にしておくことが好ましい。
【0021】なお、図2では、鋼管柱1の下端内径より
もベース20の内径が若干小さい形状となるようにしてい
るが、これを同径としても全く問題はない。また鋼管柱
1下端部とベース20の上端部の内径を同径として、その
下方でベース20の内径を小さくするような形状としても
良い。ベース20は、その上端部の外径を鋼管柱1下端部
の外径と同径とすることを好適とし、その上端部から下
方に向けて外径が拡大し、裾が広がるような形状とする
ことを好適とする。
【0022】本発明の第2の実施の形態におけるベース
20の材質としては、鋳物(例えば、SCW410)とすること
を好適とするが、これに限定するものでもない。なお、
図2では、下方へ向けて外径が拡大する部分を、下に凸
形状として裾が広がるような形状としたが、この裾が上
に凸の形状となるようにしても良く、また、下に凸形状
と上に凸の形状を組み合わせた形状としても良い。さら
に、円錐台形形状として、直線的な勾配を持つようにし
ても良い。ただし、複数の形状を組み合わせる場合、そ
の組み合わせた形状のつなぎ部となる変異点に応力集中
が起こりやすいことから、形状を滑らかにしておき、変
異点をできるだけなくすようにすることを好適とする。
【0023】図2では、鋼管柱1とベース20の接合部21
を溶接して接合するとして説明したが、ねじ加工を行
い、ねじ込み式の接合としても良いことは言うまでもな
い。また、図2では、ベース20を一体構造として説明し
たが、平板のベースプレート上に下方へ向けて外径が拡
大する裾部分を、溶接接合、あるいは、ねじ込み接合し
て組み立て、一体となるように形成しても良いことは言
うまでもない。
【0024】本発明の第2の実施の形態においては、上
記のようにベース20の裾部を形成するようにしたので、
鋼管柱基部構造体の円周方向の特定の方向に局所的に応
力が集中することが避けられるようになり、横方向の繰
り返し荷重に対し、局所的な疲労破壊が生じる可能性を
大幅に低減することができた。
【0025】
【実施例】本発明の鋼管柱基部構造体の性能を検証する
ため、図5に示す疲労試験機を用いた疲労試験を実施し
た。図5の疲労試験機で実施した試験の概要について説
明する。まず、試験を行う鋼管柱基部構造体、すなわ
ち、試験体30を横にし、その底部を反力壁31に固設す
る。なお、図5に示す試験体30は、リブを鋼管柱に直付
けした従来の鋼管柱基部構造体である。
【0026】次に、試験体30の頂部を加振治具35で保持
し、加振治具35に連結した50t油圧サーボ式の油圧加振
機34で振動を与えて疲労試験を行う。ここで、試験体30
の応力集中点である着目箇所Sには、図示しない応力集
中ゲージを貼付する。この応力集中ゲージは、2mmピッ
チの5素子の歪みゲージから構成され、各歪みゲージの
測定値から応力集中値を計測するものである。
【0027】また、試験体30には、着目箇所Sの位置か
ら20mmの上下位置に計測用歪みゲージ32を貼付し、ま
た、100mm の上下位置に制御用歪みゲージ33を貼付す
る。そして、まず、100mm の位置の制御用歪みゲージの
値をモニタしながら、油圧加振機34で試験体30に圧力を
加え、そのモニタ値が、例えば、200 MPaとなる時の制
御用歪みゲージ33の値を基準値として記録する。この時
の制御用歪みゲージの応力値(ここでは、200 MPaとし
ている)を加振振幅応力とよぶ。
【0028】次に、この制御用歪みゲージ33の値を入力
として、所定の加振振幅応力となるように加振を行な
う。ここで、加振周期は、0.5 〜3Hz程度である。以上
の疲労試験では、計測用歪みゲージ32の値を継続してモ
ニタし、その計測値が所定値となった時点の加振回数を
求めることで疲労強度の推定を行う。一般に、継手など
の疲労強度を評価する際には、疲労試験で亀裂が発生す
る位置、すなわち、応力集中部の位置でのノミナル応力
を使用する。この場合のノミナル応力とは、その位置で
応力集中がなかった場合にかかる応力のことで、実際の
疲労試験では、応力集中の影響のない位置の応力を測定
し、その値を応力集中部(亀裂発生位置)の位置に換算
した値をノミナル応力値として使用する。
【0029】本実施例では、試験開始時の95%時点での
加振回数をベースとし、別途求めておいたS−N曲線上
でフィッティングを行い、 200万回加振時点での推定疲
労強度を算出している。なお、ここでは、S−N曲線に
ついての説明は省略する。ここで、試験は、リブを鋼管
柱に直付けした従来の鋼管柱基部構造の試験体(従来
例)と、セメントを充填材とした外装管方式の鋼管柱基
部構造の試験体(本発明例)について実施した。その結
果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】従来例では、ノミナル応力値 200MPaで14
万回の加振を行った時点で、計測用歪みゲージ32の応力
値が試験開始時の95%となった。また、この時点で、応
力集中点に亀裂が認められた。これをS−N曲線状でフ
ィッティングすることで、 200万回時点推定疲労強度と
して78MPaの値をえた。一方、本発明例では、ノミナル
応力値 250MPaの場合でも、加振回数が 300万回に到達
した時点で計測用歪みゲージ32の応力値が試験開始時の
95%以下にならず、試験を打ち切った。また、この打ち
切り時点で応力集中点に亀裂は一切認められなかった。
【0032】疲労強度の比較をするために、本発明例に
おいてノミナル応力値 250MPa、加振回数 200万回で応
力集中点に亀裂が入ったものとして安全サイドの仮定を
行い、従来例との推定疲労寿命の比較をした。その結果
を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】一般に、鋼構造物の疲労設計に使用されて
いる日本鋼構造協会の「鋼構造物の疲労設計指針」によ
ると、応力と疲労寿命の関係として、疲労寿命は(疲労
強度/振幅応力)の3乗に比例するといわれている。こ
のことから、前記試験結果を基に従来例に対する本発明
例の鋼管柱基部構造は疲労強度で 3.2倍であることか
ら、疲労寿命で33倍以上であることが推定できる。
【0035】すなわち、本発明により、鋼管柱基部構造
の著しい耐久性向上を達成した。
【0036】
【発明の効果】本発明によって、従来ウィークポイント
であった鋼管柱基部に縦リブを設けた際の縦リブ上端部
での応力集中を大幅に緩和することが可能となり、鋼管
柱基部での破断・折損事故を激減することが可能となっ
た。これにより、鋼管柱の耐久性を向上した。
【0037】また、本発明の第1の実施形態において、
鋼管柱の最下端をベースプレートと溶接し、充填材を覆
うシーリング材を適用することで、充填材の劣化を防止
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼管柱基部構造体の第1の実施形態を
示す部分断面図である。
【図2】本発明の鋼管柱基部構造体の第2の実施形態を
示す部分断面図である。
【図3】従来の鋼管柱基部構造体の模式図である。
【図4】本発明の鋼管柱基部構造体の第1の実施形態に
おいて、シーリング材を適用した様子を示す要部の部分
断面図である。
【図5】本発明の検証に用いた疲労試験機の模式図であ
る。
【図6】本発明の鋼管柱基部構造体の第1の実施態様の
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼管柱 2a、2b 溶接部 3 応力集中部 4 縦リブ 5 ベースプレート 6 アンカー取付穴 10 外装管 11 充填材 12 外装管上端部 15 シーリング材 16 バックアップ材 20 ベース 21 (溶接)接合部 30 (鋼管柱基部構造体の)試験体 31 反力壁 32 計測用歪みゲージ 33 制御用歪みゲージ 34 油圧加振機(アクチュエータ) 35 加振治具 40 (側壁用)外装管 41 (側壁用)外装管支持部材 42 (側壁用)プレート 43 ボルト 44 側壁部 45 充填材 S 応力集中点(着目箇所)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 進 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄鋼 管株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 小寺 惟敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄鋼 管株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 中原 久直 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 (72)発明者 岩下 義春 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 Fターム(参考) 2D064 AA11 AA22 BA01 BA19 CA03 CA04 CA06 DB01 HA12 HA13 JA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管柱と、該鋼管柱の下端部が内挿さ
    れ、鋼管柱を立設して支持する外装管を有するベースプ
    レートと、前記の鋼管柱と外装管との間隙に介装した充
    填材と、を有することを特徴とする鋼管柱基部構造体。
  2. 【請求項2】 前記外装管の高さが、前記鋼管柱の外径
    をDとして、1.5 D〜4Dであることを特徴とする請求
    項1に記載の鋼管柱基部構造体。
  3. 【請求項3】 前記外装管の上端位置に、当該外装管の
    上端部と前記鋼管柱の外面に密着し、前記充填材の上部
    を被覆するシーリング材を有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の鋼管柱基部構造体。
  4. 【請求項4】 前記ベースプレートは、その支持する外
    装管外面の円周方向に少なくとも4箇所以上設けた縦リ
    ブと、該縦リブと前記外装管が直立して載置され、か
    つ、所要数のアンカー取付穴を有するベースプレートで
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の鋼管柱基部構造体。
  5. 【請求項5】 前記ベースプレートは、外装管と、該外
    装管の外面に設けられた支持部材と、該支持部材を支持
    し、かつ、壁面に取付け可能なプレートと、からなるベ
    ースプレートであることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の鋼管柱基部構造体。
  6. 【請求項6】 前記鋼管柱の最下端部が、前記ベースプ
    レートと溶接接合されてなることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の鋼管柱基部構造体。
  7. 【請求項7】 鋼管柱と、該鋼管柱の下端部の外径と略
    同外径とした平坦な上端部から下方に向けて裾が広がっ
    て形成され、かつ、所要数のアンカー取付穴を有するベ
    ースと、から構成され、該ベースの上端部に前記鋼管柱
    の下端部を接合して載設したことを特徴とする鋼管柱基
    部構造体。
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