JP2002129239A - レーザ焼入れ方法及び装置 - Google Patents

レーザ焼入れ方法及び装置

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JP2002129239A
JP2002129239A JP2000330352A JP2000330352A JP2002129239A JP 2002129239 A JP2002129239 A JP 2002129239A JP 2000330352 A JP2000330352 A JP 2000330352A JP 2000330352 A JP2000330352 A JP 2000330352A JP 2002129239 A JP2002129239 A JP 2002129239A
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gear
tooth
irradiating
laser beam
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Shoji Yamaguchi
祥司 山口
Shigeyuki Sakurai
茂行 桜井
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ焼入れ工程中に残留応力向上処理がで
き、別工程を省略することが可能なレーザ焼入れ方法及
び装置を実現する。 【解決手段】レーザ発振器6からのレーザ光はレンズ5
cと5bとにより平行光に変換され、集束レンズ5aに
より歯車2の照射位置でライン状ビーム4として焦点を
結ぶ。ライン状ビーム4は歯車2の軸方向に対して所定
の角度θだけ傾けて照射される。このビーム照射状態で
レーザビーム4を歯車2に対して下方向に走査すると歯
底が先に焼入れられ、続いて歯面が焼入れられる。つま
り、ライン状のレーザビーム4を用い歯車2へのレーザ
照射部位に照射する順序を変化させ、冷却時に生じる熱
応力と変態応力とのバランスによって特定部位に高い残
留応力を付与する。これにより、レーザ焼入れ工程中に
残留応力向上処理ができ、別工程を省略することが可能
なレーザ焼入れ方法及び装置を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、レーザ光を用いた
歯車の表面を焼入れするレーザ焼入れ方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】歯車の焼入れ方法として、非常に高エネ
ルギーのレーザを用いたレーザ焼入れ方法は、急速加熱
が可能なのと、極表層のみの加熱で済むため、次のよう
な利点がある。
【0003】つまり、歯車内部と表面との大きな温度差
による自己冷却作用を利用しているため、冷却剤が不要
であるという利点と、極表層のみの加熱であるため、加
熱による全体的な歪みが少ないという利点がある。
【0004】ところで、歯車のような複雑な形状の成形
部品では、加熱時の内部への熱拡散の様子や、冷却時の
内部からの熱伝導の様子が一定でないといった問題点が
ある。
【0005】また、図9に示すように、レーザビーム4
の歯車2への入射角度が、その複雑な表面形状のため
に、歯底ではθ2であるの対して、歯面ではθ2より小
のθ1となって、一定ではなくなる。このため、レーザ
ビーム4のエネルギー密度分布が、図9の(a)に示す
ように均等であったとしても、歯車2へ照射した場合に
は、図9の(b)に示すように、照射エネルギーは、歯
底が歯面よりも大となってしまい、あらゆる場所への均
等な入熱が困難であるという問題点がある。
【0006】上述したような、レーザビーム4の歯車2
への入射角度の違いによる入熱量の補正については、入
射角度が小さくなりやすい歯面のみに吸収剤を塗布して
レーザの吸収率を高めて入熱量を補正したり、図9に示
すようなレーザエネルギー密度分布を制御して、歯面の
エネルギー密度が歯底のエネルギー密度よりも大となる
ようにレーザビームを照射する方法がある。
【0007】また、図10に示すように、歯面に対して
入射角が大きくなるように、歯底に対して斜めから、レ
ーザビームを歯面及び歯底に入射し、互いに対向する歯
面どうしが、同一の入射角となるように、各歯面に対し
てレーザビーム4aと4bを、それぞれ照射する方法も
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、表面硬化歯車
に要求される性能は、使用時の負荷に対する歯元曲げ強
さと滑り、あるいは転がり転動時の歯面強さであり、こ
れらは焼入れ後の硬化深さ、硬度、残留応力が影響して
いる。
【0009】硬化深さと硬度とは、入射するレーザエネ
ルギー、照射時間、照射速度などによって調整可能であ
るが、残留応力については焼入れ処理単独での調整は難
しく、焼入れ処理後にショットピーニングなどの残留応
力向上処理を施すことによって向上させなければならな
かった。
【0010】このため、歯車を表面硬化させ、さらに高
い残留応力を付与させるには、レーザ焼き入れ工程後
に、残留応力向上処理工程が必要とであり、このための
装置も必要であった。
【0011】したがって、従来技術における歯車のレー
ザ焼入れ方法においては、処理時間の短縮化が困難で、
製造コストの低下も困難であった。
【0012】本発明の目的は、レーザ焼入れ工程中に残
留応力向上処理ができ、別工程を省略することが可能な
レーザ焼入れ方法及び装置を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成される。 (1)歯形を有する部材の歯形表面にレーザを照射する
レーザ焼入れ方法において、上記歯形を有する部材の歯
底部及び歯元部にレーザを照射し、この歯底部及び歯元
部へのレーザの照射に続いて、上記部材の歯面部にレー
ザを照射する。
【0014】(2)好ましくは、上記(1)において、
上記レーザはライン状であり、このライン状のレーザ
を、上記部材の互いに隣接する歯と歯とを結ぶ直線上に
位置するように照射するとともに、上記レーザの光軸が
歯底部に対して、傾斜して照射し、上記歯底部及び歯元
部へのレーザの照射に続いて、上記部材の歯面部にレー
ザを照射する。
【0015】(3)好ましくは、上記(2)において、
上記部材は歯車であり、上記ライン状のレーザを、歯車
の円周方向と平行とし、かつ、上記歯車の中心軸に向か
って照射する。
【0016】(4)歯形を有する歯車部材の歯形表面に
レーザを照射するレーザ焼入れ方法において、2つのラ
イン状レーザを有し、これら2つのレーザを所定位置で
ラインとラインとが互いに重なるように交差させ、上記
レーザのラインが、上記歯車の中心軸と平行となるよう
に歯筋全体に照射して、上記2つのレーザの交差位置に
て上記歯車の歯底を焼入れ、上記歯車と上記交差位置と
を互いに離間させ、歯元から歯面、歯先の順に、上記2
つのレーザを、互いに隣接する2つの歯元及び歯面を同
時に焼入れる。
【0017】(5)好ましくは、上記(4)において、
上記ライン状レーザを光学系レンズから上記歯車に照射
し、歯底への上記レーザの照射の後に、上記光学系レン
ズの位置を移動して、この光学系レンズと歯車とを互い
に離間することにより、歯元から歯面、歯先の順に、上
記2つのレーザを、互いに隣接する2つの歯元及び歯面
を同時に焼入れる。
【0018】(6)歯形を有する部材の歯形表面にレー
ザを照射するレーザ焼入れ装置において、レーザを発生
するレーザ発振器と、上記レーザ発振器から発生された
レーザをライン状とし、このライン状のレーザを、上記
部材の互いに隣接する歯と歯とを結ぶ直線上に位置する
ように照射するとともに、上記レーザの光軸が歯底部に
対して、傾斜して照射する光学系と、上記歯底部及び歯
元部へのレーザの照射に続いて、上記部材の歯面部にレ
ーザを照射するレーザ照射位置移動手段とを備える。
【0019】(7)歯形を有する歯車部材の歯形表面に
レーザを照射するレーザ焼入れ装置において、レーザを
発生するレーザ発振器と、上記レーザ発振器から発生さ
れたレーザを2つのライン状レーザとし、これら2つの
レーザを所定位置でラインとラインとが互いに重なるよ
うに交差させ、上記レーザのラインを上記歯車の中心軸
と平行となるようにして上記歯車に照射させる光学系
と、上記光学系と上記歯車との距離を変化させ、上記2
つのレーザを、上記歯車の歯筋全体に照射して、上記2
つのレーザの交差位置にて上記歯車の歯底を焼入れ、上
記歯車と上記交差位置とを互いに離間させ、歯元から歯
面、歯先の順に、上記2つのレーザを、互いに隣接する
2つの歯元及び歯面を同時に焼入れさせるレーザ照射位
置移動手段とを備える。
【0020】ライン状のレーザを用い、照射部位の特定
や照射する順序を変化させ、冷却時に生じる熱応力と変
態応力のバランスによって特定部位に高い残留応力を付
与する。歯元部に高い圧縮残留応力を付与する場合、レ
ーザを、まず最初に歯底や歯元部に照射して硬化させ、
次に、歯面、歯先に向かって照射し硬化させる。
【0021】これによって、先に硬化させた歯底、歯元
部に対して、後で硬化させた歯面の熱応力および変態応
力を歯元に作用させる。
【0022】一般的に、急速加熱、急速冷却による変態
で体積膨張が生じ、歯面は膨張し、歯元部は圧縮され、
歯元部は焼入れ硬化時よりも高い圧縮傾向の残留応力が
残ることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付
図面を参照して、部材の外側に歯形を有する外歯車を例
として説明する。図1は、本発明の第1の実施形態であ
るレーザ焼入れ方法を実施するレーザ焼き入れ装置の全
体概略構成図である。
【0024】図1において、レーザ発振器6から放射さ
れたレーザ光は、シリンドリカル反射レンズ5cと5b
とによって反射され、アスペクト比を変えた平行光に変
換される。そして、平行光となったレーザ光は、集束レ
ンズ5aによって被加工部材1である歯車2の照射位置
で、焦点を結ぶように歯車2と集束レンズ5aとの間隔
が調整されている。実際の装置の一例として、歯車2と
集束レンズ5aとの距離が長くなる場合があるが、この
場合は、集束レンズ5aからのレーザの焦点距離も大き
くなる。したがって、この場合は、集束レンズ5aから
のレーザの焦点位置は、歯底2aと歯面2bとが、焦点
深度内となる位置に調整される。
【0025】レーザ焼き入れを行う被加工部材1は、図
2及び図3に示すように、円柱表面を加工して、歯底、
歯部が交互に形成されている。そして、被加工部材1は
図1に示すように、焼き入れ時は回転テーブル3上に固
定される。
【0026】また、レーザビーム4の光軸が、被加工部
材1の回転中心軸と結ぶように、歯車2である被加工部
材1、集束レンズ5a等が配置される。
【0027】レーザ発振器6から発振されたレーザビー
ム4は、レンズ5c、5b、5aを通過し、歯車2に照
射される位置にてライン状ビーム4となるように調整さ
れている。
【0028】光学系レンズ5aによってライン状に集束
されたレーザビーム4の光軸は、図1に示すように、部
材1の軸方向に対して所定の角度θだけ傾けて照射され
る。または、レーザビーム4の光軸が歯底部2aに対し
て、傾斜して照射される。
【0029】さらに、照射されるビーム4は、図2に示
すように、歯底2aを中心として、歯先から隣接する歯
先まで達するライン状ビームとなっている。
【0030】つまり、ライン状ビームのラインが、互い
に隣接する歯と歯とを結ぶ直線上に位置し、歯車2の円
周方向と平行となるように照射される。
【0031】被加工部材1へのレーザビーム4の照射部
分の状態は、図3に示すようになる。つまり、図3の配
置でみた場合、歯底2aのレーザ照射位置は、図上、歯
面2bより下方位置にあり、歯面2bでは、歯面2bか
ら歯先部に向かうに従って上方位置となっている。
【0032】このビーム照射状態において、モータ等の
レーザ照射位置移動手段により、レーザビーム4を、被
加工部材1に対して図3の下方位置に走査する、もしく
は部材1をレーザビーム4に対して、上方に移動するこ
とによって、歯底2aが先に焼入れられ、続いて歯面2
bが、その後に焼入れられる。
【0033】つまり、本発明の第1の実施形態によれ
ば、ライン状のレーザビーム4を用い、被加工部材1へ
のレーザ照射部位に照射する順序を変化させ、冷却時に
生じる熱応力と変態応力とのバランスによって特定部位
に高い残留応力を付与するというものである。
【0034】特定部位に高い圧縮残留応力を付与する場
合、レーザビーム4を、まず最初に歯底2aや歯元部に
照射して硬化させ、次に歯面2bから歯先に向かって照
射し硬化させる。
【0035】先に硬化させた歯底2a、歯元部に対し
て、後で硬化させた歯面2bの熱応力および変態応力を
歯元部に作用させる。一般的に、急速加熱、急速冷却に
よって変態応力による体積膨張が発生するので、歯面2
bは膨張し、これによって、歯元部は圧縮され、歯元部
は焼入れ硬化時よりも高い圧縮傾向の残留応力が残るこ
とになる。
【0036】したがって、本発明の第1の実施形態によ
れば、レーザ焼入れ工程中に残留応力向上処理ができ、
別工程を省略することが可能なレーザ焼入れ方法及び装
置を実現することができる。
【0037】なお、上述した例において、レーザビーム
4は、図3に示すように、図の上から下の方向に移動さ
せて、歯車2を焼き入れ処理することとしたが、歯底2
aと歯面2bとを処理後、光学系5a〜5cを反転させ
て、図3の下方から上方にレーザビーム移動させて、焼
き入れ処理するように構成することも可能である。
【0038】この場合においても、歯底2aを歯面2b
に先行して、レーザビームを照射させることは勿論のこ
とである。
【0039】次に、本発明の第2の実施形態を図4、図
5、図6を参照して説明する。図4は、本発明の第2の
実施形態であるレーザ焼入れ方法を実施するレーザ焼き
入れ装置の全体概略構成図である。
【0040】図4において、レーザ発振器6から放射さ
れたレーザビームは、シリンドリカルレンズ5fによっ
てアスペクト比の異なる平行光に変換され、集束レンズ
5eによって集束後、焦点位置よりも遠い付置でさらに
集束レンズ5dを通過させることによって平行光に変換
する。
【0041】そして、最終的に、歯車2への照射位置で
平行なライン状レーザビーム4となるように調整され
る。
【0042】このとき、歯筋全体にわたってレーザビー
ム4を照射する必要がある。このためには、集束レンズ
5dの位置を移動することによって、レンズ5dと5e
との間隔を変化させ、ライン状ビーム4の幅を調整す
る。なお、集束レンズ5dは、リニアステージなどを使
用すれば、その位置を移動することができる。
【0043】この第2の実施形態では、図4に示すよう
に、歯車2の軸方向に沿ったライン状レーザビームを形
成する。図4には示していないが、レーザビーム4の光
軸は2系統あり、図5に示すように、ラインビーム4a
と4bとは互いに交差できる(ラインとラインとが互い
に重なるように交差できる)構成となっている。
【0044】本発明の第1の実施形態において説明した
ように、歯底2aを歯面2bに先だって硬化させる必要
があることから、レーザビーム4aと4bとの互いの交
差位置にて歯底2aに、レーザビーム4a、4bが照射
されるように、レーザビーム4a、4b、及び被加工部
材1の位置を調整する。つまり、図6の(a)に示すよ
うな位置関係となるように調整する。
【0045】そして、図6の(a)に示す位置にてレー
ザビーム4を照射すると、図中にハッチングで示したよ
うに硬化部が部分的に形成される。続いて、図6の
(b)に示すように、次第に歯車2をレーザビーム4a
と4bとの交差位置及びレンズ5dから遠ざけるよう
に、モータ等のレーザ照射位置移動手段により移動させ
る。
【0046】つまり、デフォーカスさせると、歯底2a
の位置はレーザビーム4aと4bとの交差位置から遠ざ
かるとともに、2つのライン状ビーム4aと4bとは交
差後、左右の歯元から互いに対向する2つの歯面2b
へ、それぞれ移動し、硬化部分が図に示すように、歯面
2bまで広がってくる。
【0047】さらに、デフォーカスを行うと、図6の
(c)に図示するように、最終的に歯先までレーザビー
ム4a、4bが照射され、硬化される。このとき、デフ
ォーカスのために部材1を移動させるのではなく、レー
ザ光学系を歯車2に対して移動させても同じ効果が得ら
れる。
【0048】この場合、先に焼き入れられる歯底2a
は、硬化して変態による体積膨張が勝るために圧縮残留
応力が残り、続いて歯面2bが焼入れられるために、歯
面の硬化に伴う体積膨張によって歯底部2aには、より
高い圧縮傾向の残留応力が付与されることとなる。
【0049】本発明の第2の実施形態においても、第1
の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0050】なお、上述した第2の実施形態において、
光学系を2系統備えることとしたが、一系統の光学系に
より、1つのレーザビームから2つのレーザビーム4a
と4bとに分割する構成とすることもできる。
【0051】図7は、上述した一系統の光学系により、
1つのレーザビームから2つのレーザビーム4aと4b
とに分割する構成の一例である。図7において、レーザ
発振器6からのレーザは、レンズ5f、5e、5dを介
してビームスプリッタ(ハーフミラー)5gに照射され
る。このハーフミラー5gにて、レーザビームは2つに
分割され、一方のレーザビームは、歯車2に照射され、
他方のレーザビームは、ミラー5hに照射される。そし
て、このミラー5hにより反射されたレーザビームは、
歯車2に照射される。
【0052】これら2つのレーザビームを、歯車の歯底
から歯面へと移動させるには、ハーフミラー5g及びミ
ラー5hを歯車2に対して、図7の(a)から(b)に
示すように、図の上方(矢印u)へと移動させるととも
に歯車2を左に回転移動(矢印R)させる。
【0053】図7に示した例のような構成により、1つ
のレーザビームから2つのレーザビーム4aと4bとに
分割することができる。
【0054】図8は、上述した一系統の光学系により、
1つのレーザビームから2つのレーザビーム4aと4b
とに分割する構成の他の例である。図8において、レー
ザ発振器6からのレーザは、レンズ5f、5e、5dを
介してビームスプリッタ5iに照射される。このビーム
スプリッタ5iにて、レーザビームは2つに分割され、
一方のレーザビームは、ミラー5jに照射され、他方の
レーザビームは、ミラー5kに照射される。そして、こ
のミラー5j、5kにより反射された2つのレーザビー
ムは、歯車2に照射される。
【0055】これら2つのレーザビームを、歯車の歯底
から歯面へと移動させるには、ビームスプリッタ5i、
ミラー5j、5kを歯車2に対して、図8の(a)から
(b)に示すように、図の上方へと移動させる。
【0056】図8に示した例のような構成によっても、
1つのレーザビームから2つのレーザビーム4aと4b
とに分割することができる。
【0057】なお、上述した実施形態は外歯車について
説明しているが、内歯車等についても同様に本発明を適
用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ焼入れ工程中に
残留効力向上処理ができ、別工程を省略することが可能
なレーザ焼入れ方法及び装置を実現することができる。
【0059】つまり、焼入れ順序を制御することによっ
て、所望箇所の残留応力を圧縮側に高めることが可能と
なり、レーザ焼入れ工程中に残留応力向上処理ができ、
高い機械的性質を持つ歯車を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるレーザ焼入れ方
法を実施するレーザ焼き入れ装置の全体概略構成図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態であるレーザ焼入れ方
法を実施するレーザ焼き入れ装置の全体概略構成図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態の動作説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の動作説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の一変形例の説明図で
ある。
【図8】本発明の第2の実施形態の他の変形例の説明図
である。
【図9】従来技術におけるレーザ処理方法の一例の説明
図である。
【図10】従来技術におけるレーザ処理方法の他の例の
説明図である。
【符号の説明】
1 被加工部材 2 歯車 2a 歯底 2b 歯面 3 回転ステージ 4 レーザビーム 5a、5d、5e 集束レンズ 5b、5c 反射レンズ 5f シリンドリカルレンズ 5g、5i ビームスプリッタ 5h、5j、5k ミラー 6 レーザ発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 1/09 C21D 1/09 H M

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯形を有する部材の歯形表面にレーザを照
    射するレーザ焼入れ方法において、 上記歯形を有する部材の歯底部及び歯元部にレーザを照
    射し、この歯底部及び歯元部へのレーザの照射に続い
    て、上記部材の歯面部にレーザを照射することを特徴と
    するレーザ焼入れ方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレーザ焼入れ方法におい
    て、上記レーザはライン状であり、このライン状のレー
    ザを、上記部材の互いに隣接する歯と歯とを結ぶ直線上
    に位置するように照射するとともに、上記レーザの光軸
    が歯底部に対して、傾斜して照射し、上記歯底部及び歯
    元部へのレーザの照射に続いて、上記部材の歯面部にレ
    ーザを照射することを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のレーザ焼入れ方法におい
    て、上記部材は歯車であり、上記ライン状のレーザを、
    歯車の円周方向と平行とし、かつ、上記歯車の中心軸に
    向かって照射することを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  4. 【請求項4】歯形を有する歯車部材の歯形表面にレーザ
    を照射するレーザ焼入れ方法において、 2つのライン状レーザを有し、これら2つのレーザを所
    定位置でラインとラインとが互いに重なるように交差さ
    せ、上記レーザのラインが、上記歯車の中心軸と平行と
    なるように歯筋全体に照射して、上記2つのレーザの交
    差位置にて上記歯車の歯底を焼入れ、上記歯車と上記交
    差位置とを互いに離間させ、歯元から歯面、歯先の順
    に、上記2つのレーザを、互いに隣接する2つの歯元及
    び歯面を同時に焼入れることを特徴とするレーザ焼入れ
    方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のレーザ焼入れ方法におい
    て、上記ライン状レーザを光学系レンズから上記歯車に
    照射し、歯底への上記レーザの照射の後に、上記光学系
    レンズの位置を移動して、この光学系レンズと歯車とを
    互いに離間することにより、歯元から歯面、歯先の順
    に、上記2つのレーザを、互いに隣接する2つの歯元及
    び歯面を同時に焼入れることを特徴とするレーザ焼入れ
    方法。
  6. 【請求項6】歯形を有する部材の歯形表面にレーザを照
    射するレーザ焼入れ装置において、 レーザを発生するレーザ発振器と、 上記レーザ発振器から発生されたレーザをライン状と
    し、このライン状のレーザを、上記部材の互いに隣接す
    る歯と歯とを結ぶ直線上に位置するように照射するとと
    もに、上記レーザの光軸が歯底部に対して、傾斜して照
    射する光学系と、 上記歯底部及び歯元部へのレーザの照射に続いて、上記
    部材の歯面部にレーザを照射するレーザ照射位置移動手
    段と、 を備えることを特徴とするレーザ焼入れ装置。
  7. 【請求項7】歯形を有する歯車部材の歯形表面にレーザ
    を照射するレーザ焼入れ装置において、 レーザを発生するレーザ発振器と、 上記レーザ発振器から発生されたレーザを2つのライン
    状レーザとし、これら2つのレーザを所定位置でライン
    とラインとが互いに重なるように交差させ、上記レーザ
    のラインを上記歯車の中心軸と平行となるようにして上
    記歯車に照射させる光学系と、 上記光学系と上記歯車との距離を変化させ、上記2つの
    レーザを、上記歯車の歯筋全体に照射して、上記2つの
    レーザの交差位置にて上記歯車の歯底を焼入れ、上記歯
    車と上記交差位置とを互いに離間させ、歯元から歯面、
    歯先の順に、上記2つのレーザを、互いに隣接する2つ
    の歯元及び歯面を同時に焼入れさせるレーザ照射位置移
    動手段と、 を備えることを特徴とするレーザ焼入れ装置。
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