JP2002128966A - 難燃性オレフィン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性オレフィン樹脂組成物

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JP2002128966A
JP2002128966A JP2000330321A JP2000330321A JP2002128966A JP 2002128966 A JP2002128966 A JP 2002128966A JP 2000330321 A JP2000330321 A JP 2000330321A JP 2000330321 A JP2000330321 A JP 2000330321A JP 2002128966 A JP2002128966 A JP 2002128966A
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Makoto Masuda
誠 増田
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基準とする難燃性を確保し、脆くなるのを防
止し、耐摩耗性、耐久性の低下を抑制し、引張強度等の
機械的強度に優れ、施工性を向上させることのできる難
燃性オレフィン樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エチレン系共重合体に、粉砕して表面を
脂肪酸、シランカップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミネート系カップリング剤、リン酸系カッ
プリング剤のいずれかで処理した天然水酸化マグネシウ
ムと、表面を脂肪酸又はリン酸エステルで処理した合成
水酸化マグネシウムとを配合して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系樹脂
組成物に係り、特に、難燃性、機械的特性、押出外観等
に優れた難燃性オレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂組成物として、耐電
圧及び絶縁抵抗が比較的高く、生産コストが低く難燃性
に優れたポリ塩化ビニル樹脂組成物が多く用いられてい
る。この塩化ビニル樹脂組成物は、焼却廃棄処分する際
に塩化水素ガスを発生させ環境上に好ましくないという
問題点を有している。
【0003】そこで、近年、ハロゲン化物を含まないポ
リエチレン等のオレフィン系樹脂組成物を自動車のワイ
ヤハーネス等、高温を発する箇所の電線・ケーブルの絶
縁体に用いる試みがなされている。このオレフィン系樹
脂組成物は、単独では難燃性がないため、水酸化マグネ
シウム等の金属水和物を混合して難燃性を持たせてい
る。この水酸化マグネシウム等の金属水和物は、配合量
を多くすれば多くするほど難燃性が向上するという性質
を持っている。この水酸化マグネシウム等の金属水和物
の配合による難燃性は、オレフィン樹脂組成物が燃焼し
た時、配合されている金属水和物に含まれる結晶水が噴
出して消火作用を行うことによるものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】オレフィン樹脂組成物
は、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を用いたものに比較する
とコストが高く、単独では難燃性がない。そこで、オレ
フィン系樹脂組成物に難燃性を持たせるため、多量の金
属水和物(水酸化マグネシウム等)を配合している。こ
のように水酸化マグネシウム等の金属水和物を配合する
ことは、引張強さ、引張伸びや耐摩耗性等の機械的特性
を低下させる原因となる。これらの機械的特性の低下を
抑えようとすると混入する水酸化マグネシウム等の金属
水和物の量を少なくしなければならない。しかしなが
ら、水酸化マグネシウム等の金属水和物の配合量を少な
くすると、所望する高度な難燃特性(例えば、ポリ塩化
ビニル樹脂組成物の有する難燃性と同等の難燃性)を得
ることができなくなってしまう。そのため、オレフィン
系樹脂組成物には、ある程度の量の金属水和物を添加し
ている。
【0005】このようにオレフィン樹脂組成物に難燃性
を持たせるため、水酸化マグネシウムを配合する場合、
分散性を向上させるために比較的結晶の形(正多角形)
が揃っている合成品水酸化マグネシウムを選択し配合す
るのが一般的である。この合成品水酸化マグネシウム
は、コストが高く、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を用いた
ものに比較すると全体としてのコストが高くなる。
【0006】ポリ塩化ビニル樹脂組成物に代えてオレフ
ィン樹脂組成物を用いることによるコスト高を回避する
方法としては、オレフィン樹脂組成物に難燃性を持たせ
るために配合する金属水和物に割高な合成品の水酸化マ
グネシウムを使用することを止め、天然品の水酸化マグ
ネシウムを配合するという方法がある。この天然品の水
酸化マグネシウムは、一般的に結晶の形が不揃いで尖っ
た形(三角形や星形等)となっているため、互いにくっ
つき易く、凝集しがちである。このため、天然品の水酸
化マグネシウムは、オレフィン樹脂に対しての分散性が
悪く、オレフィン樹脂組成物の難燃材として天然品の水
酸化マグネシウムを使用すると押出外観が悪く、難燃性
に対して所望の効果が得られない。
【0007】そこで、コスト高を抑えるために天然品の
水酸化マグネシウムを用い、この水酸化マグネシウムの
分散性を改善するため、シランカップリング剤等で表面
処理を施したものを用いるという方法も提案されている
(特開平7−161230号)が、天然品の水酸化マグ
ネシウムを使用した場合、分散性が改善されても不揃い
で尖った形を有しているため、押出成形した場合に製品
の外観性が低下したり、難燃性の向上が十分得られない
といったことがある。
【0008】本発明は、基準とする難燃性を確保し、脆
くなるのを防止し、耐摩耗性、耐久性の低下を抑制し、
引張強度等の機械的強度に優れ、施工性を向上させるこ
とのできる難燃性オレフィン樹脂組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の難燃性オレフィン樹脂組成物は、
エチレン系共重合体に、粉砕して表面を脂肪酸、シラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ネート系カップリング剤、リン酸系カップリング剤のい
ずれかで処理した天然水酸化マグネシウムと、表面を脂
肪酸又はリン酸エステルで処理した合成水酸化マグネシ
ウムとを配合して構成したものである。
【0010】難燃性オレフィン樹脂組成物のベース樹脂
であるエチレン系共重合体は、エチレンとオレフィン
(プロピレン、ブテン)またはビニル系化合物(酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル)との共重合体(コポリマ
ー)である。このエチレン系共重合体には、エチレン−
エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)がある。
【0011】脂肪酸は、天然油脂の鹸化(加水分解)に
よって得られる一塩基性脂肪酸である。この脂肪酸に
は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とがあり、飽和脂肪酸の
代表は、ステアリン酸であり、不飽和脂肪酸は、二重結
合が1個のオレイン酸、2個のリノール酸、3個のリノ
レン酸、さらにヒドロキシル基(OH基)をもったリシ
ノール酸である。このような脂肪酸は、他の物質との接
着性をよくする処理剤として用いられ、エチレン系共重
合体(EEA、EVA)と結合する作用を有している。
このため、天然水酸化マグネシウムの表面を脂肪酸で処
理して、エチレン系共重合体(EEA、EVA)に配合
すると、天然水酸化マグネシウムの表面に施したシラン
カップリング剤とエチレン系共重合体が結合するため、
天然水酸化マグネシウムをエチレン系共重合体に上手く
分散結合させることができる。
【0012】また、シランカップリング剤にはビニルシ
ラン、アミノシランがあり、このシランカップリング剤
は、他の物質との接着性をよくするために用いる処理剤
で、エチレン系共重合体(EEA、EVA)と結合する
作用を有している。このため、天然水酸化マグネシウム
の表面をシランカップリング剤で処理して、エチレン系
共重合体(EEA、EVA)に配合すると、天然水酸化
マグネシウムの表面に施したシランカップリング剤とエ
チレン系共重合体が結合するため、天然水酸化マグネシ
ウムをエチレン系共重合体に上手く分散結合させること
ができる。
【0013】このように天然水酸化マグネシウムをエチ
レン系共重合体に上手く分散結合させるために、天然水
酸化マグネシウムの表面に処理を施すカップリング剤と
しては、シランカップリング剤の他にチタネート系カッ
プリング剤、アルミネート系カップリング剤、リン酸系
カップリング剤がある。このチタネート系カップリング
剤には、チタン酸塩、チタン酸エステルがある。また、
アルミネート系カップリング剤には、アルミン酸塩があ
る。そして、リン酸系カップリング剤には、リン酸エス
テルがあり、このリン酸エステルは、リン酸とアルコー
ル類あるいはフェノール類のエステルである。
【0014】天然水酸化マグネシウムとしては、天然産
ブルーサイトがある。天然水酸化マグネシウムの表面処
理は、天然水酸化マグネシウムをミキサーで攪拌し、そ
こに液状あるいは粉状の表面処理剤を投入し、天然水酸
化マグネシウムの攪拌によって生じる粒子同士による摩
擦熱で温度が上がり、表面処理剤が溶融し、粉体の表面
に薄く均一に覆われる。合成水酸化マグネシウムの表面
処理も同様に行われる。
【0015】このように天然水酸化マグネシウムの表面
を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネート系カップ
リング剤、アルミネート系カップリング剤、リン酸系カ
ップリング剤のいずれかで処理すると、分散性がよくな
り、コストメリットが生じる。さらに、合成水酸化マグ
ネシウムの表面を脂肪酸又はリン酸エステルで処理する
と、分散性がよくなる。このように脂肪酸、シランカッ
プリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネー
ト系カップリング剤、リン酸系カップリング剤のいずれ
かで表面処理が施された天然水酸化マグネシウムに脂肪
酸又はリン酸エステルで表面処理が施された合成水酸化
マグネシウムを一定量加えることにより天然水酸化マグ
ネシウムの分散性が向上し、押出外観や難燃性を向上で
きるのである。また、天然水酸化マグネシウムを使用す
ることによるメリットとしては、施工時に電工ナイフ等
で被覆を剥ぎ取る作業において切り裂きのために必要な
力が小さくできる。この切り裂きの強度が低くなるの
は、天然水酸化マグネシウムが合成水酸化マグネシウム
に比べて凝集塊が多いこと、吸湿し易いため組成物内に
微細な空隙が存在すること等により組成物のミクロな部
分での機械的強度の低下がナイフの刃の入り易さに良い
方向に効いているためと考えられる。さらには、天然水
酸化マグネシウムを添加することにより、表面に適度な
凹凸が得られるので電工ナイフの引っ掛かりが良好にな
り作業性が向上するという利点も得られる。
【0016】請求項2に記載の難燃性オレフィン樹脂組
成物は、エチレン系共重合体100重量部に、粉砕して
平均粒子径5μm以下に粉砕して表面を脂肪酸、シラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ネート系カップリング剤、リン酸系カップリング剤のい
ずれかで処理した天然水酸化マグネシウムを5〜160
重量部、表面を脂肪酸又はリン酸エステルで処理した合
成水酸化マグネシウムを5〜170重量部の範囲内で、
天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウムの総
配合量が40〜200重量部になるように配合して構成
したものである。
【0017】天然水酸化マグネシウム(天然産ブルーサ
イト)の平均粒子径は、2次粒子径のことで、この2次
粒子径というのは、天然の水酸化マグネシウムの粒子
(1つ1つの径が1次粒子径)を粉砕機に掛けて粉砕し
て得られた粒径(2次粒径)で、例えば、堀場製作所製
のレーザー回折式粒度分布測定装置LA−500を用い
てレーザー回折散乱法によって測定した。天然水酸化マ
グネシウムの平均粒子径が5μm以下というのは、この
レーザー回折散乱法によって測定した天然水酸化マグネ
シウムの2次粒子径の大きさである。
【0018】表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チ
タネート系カップリング剤、アルミネート系カップリン
グ剤、リン酸系カップリング剤のいずれかで処理した平
均粒子径が5μm以下の天然水酸化マグネシウムの配合
量を5〜160重量部としたのは、天然水酸化マグネシ
ウムの配合量が5重量部を下回るとコスト高を抑制する
効果が無く、天然水酸化マグネシウムの配合量が160
重量部を超えると合成水酸化マグネシウムの配合量が少
なくなり、天然水酸化マグネシウムの樹脂への分散性が
悪くなり難燃性が低下するからである。なお、最適な難
燃性を得るには、天然水酸化マグネシウムの配合量は、
最適には、50〜150重量部が望ましい。
【0019】また、表面を脂肪酸又はリン酸エステルで
処理した合成水酸化マグネシウムの配合量を5〜170
重量部としたのは、合成水酸化マグネシウムの配合量が
5重量部を下回ると天然水酸化マグネシウムの樹脂への
分散性が悪くなり難燃性が低下してしまい、合成水酸化
マグネシウムの配合量が170重量部を超えて配合され
ても天然水酸化マグネシウムの樹脂への分散性の向上は
なく、かえってコスト高を招来してしまうからである。
この合成水酸化マグネシウムの平均粒子径は、天然水酸
化マグネシウムの平均粒子径同様、5μm以下であるこ
とが好ましい。
【0020】天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグ
ネシウムの総配合量を40〜200重量部としたのは、
天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウムの総
配合量が40重量部を下回ると、所望の難燃性がなくな
る(酸素指数が小さくなる)からであり、天然水酸化マ
グネシウムと合成水酸化マグネシウムの総配合量を20
0重量部を超えて配合しても、難燃性が向上が見られ
ず、所望の難燃性がなくなり(酸素指数が小さくな
り)、天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウ
ムの総配合量を200重量部を超えて配合すると、機械
的特性(引張強さ/伸び)が悪くなるからである。
【0021】このように粉砕した粒子径が5μm以下の
天然産ブルーサイト(天然水酸化マグネシウム)の表面
にカップリング剤で表面処理を行う。この天然産ブルー
サイト(天然水酸化マグネシウム)の表面処理は、粒子
径が5μm以下の天然産ブルーサイト(天然水酸化マグ
ネシウム)をミキサーで攪拌し、そこに液状あるいは、
粉状の表面処理剤を投入し、天然産ブルーサイト(天然
水酸化マグネシウム)を攪拌することによって粒子同士
の摩擦熱で温度が上がり、表面処理剤が溶融し、粉体の
表面に薄く均一に覆われる。合成水酸化マグネシウムの
表面処理も同様に行われる。
【0022】請求項3に記載の難燃性オレフィン樹脂組
成物は、天然水酸化マグネシウムのカップリング剤によ
る表面処理を、0.5〜5重量%の範囲で行って構成し
たものである。天然水酸化マグネシウムのカップリング
剤による表面処理を0.5〜5重量%の範囲で行うよう
にしたのは、表面処理を0.5重量%未満では、所望の
分散性が得られないからで、表面処理を5重量%を超え
て行っても、それ以上の効果を得ることはできないから
である。
【0023】請求項4に記載の難燃性オレフィン樹脂組
成物は、天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシ
ウムの配合比率を、天然水酸化マグネシウムの配合比率
が天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウムの
総配合量の5〜90%にしたものである。天然水酸化マ
グネシウムの配合比率が天然水酸化マグネシウムと合成
水酸化マグネシウムの総配合量の5〜90%としたの
は、天然水酸化マグネシウムを100%にするとコスト
メリットは大きいが、天然水酸化マグネシウムが100
%では押出時の外観が粗悪なものになってしまうが、合
成水酸化マグネシウムを10%超〜95%未満の範囲で
併用することにより、押出外観の平滑化を向上させるこ
とができるからである。合成水酸化マグネシウムを10
%超〜95%未満の範囲で併用すると、押出外観の平滑
化を向上させることができるのは、結晶が均一な正多角
(六角)形構造をしており分散性の良い上、均一に施さ
れている表面処理によってさらに分散性の向上が図られ
ている合成水酸化マグネシウムを配合すると、表面処理
済み合成水酸化マグネシウム自体が加工助剤(滑剤)的
な効果をもち、天然水酸化マグネシウムで低下した分の
押出外観を補うからである。そして、天然水酸化マグネ
シウムの配合比率を天然水酸化マグネシウムと合成水酸
化マグネシウムの総配合量の5〜90%としたのは、天
然水酸化マグネシウムの配合比率が天然水酸化マグネシ
ウムと合成水酸化マグネシウムの総配合量の5%を下回
ると、施工時に電工ナイフ等で被覆を剥ぎ取る作業にお
いて切り裂きのために必要な力、切裂強度を低くする効
果が得られないからである。また、天然水酸化マグネシ
ウムの配合比率が天然水酸化マグネシウムと合成水酸化
マグネシウムの総配合量の90%を超えて配合すると、
切裂強度を低くする効果は得られても、分散性が悪くな
り、押出外観の平滑化が得られず押出時の外観が粗悪な
ものになってしまうからである。
【0024】なお、請求項1〜請求項4においては、酸
化防止剤等の必要に応じて添加される添加剤についての
記載がないが、本願の難燃性オレフィン樹脂組成物に
は、使用目的に応じて、酸化防止剤、滑剤などの加工助
剤、リン酸エステルなどの難燃助剤、カーボンブラック
等の着色用顔料を配合する場合もある。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る難燃性オレフィン樹脂組
成物の具体的実施例について比較例と比較して説明す
る。 実施例1 実施例1は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの5重量
部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学
工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリン
酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の65重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー
株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、
カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社
製 シーストG116)3重量部配合したものである。
【0026】実施例2 実施例2は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの50重量
部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学
工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリン
酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の10重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー
株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、
カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社
製 シーストG116)3重量部配合したものである。
【0027】実施例3 実施例3は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの40重量
部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学
工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリン
酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の30重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー
株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、
カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社
製 シーストG116)3重量部配合したものである。
【0028】実施例4 実施例4は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの35重量
部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学
工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリン
酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の5重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー株
式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、カ
ーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社製
シーストG116)3重量部配合したものである。
【0029】実施例5 実施例5は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの20重量
部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学
工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリン
酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の170重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギ
ー株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量
部、カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式
会社製 シーストG116)3重量部配合したものであ
る。
【0030】実施例6 実施例6は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸、シランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、
リン酸系カップリング剤のいずれかのカップリング剤
(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの160重
量部、合成品水酸化マグネシウム(具体的には、協和化
学工業株式会社製 キスマ5A)の表面を脂肪酸又はリ
ン酸エステル(具体的には、ステアリン酸)で処理した
もの20重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギ
ー株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量
部、カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式
会社製 シーストG116)3重量部配合したものであ
る。
【0031】比較例1 比較例1は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処
理したもの3重量部、合成品水酸化マグネシウム(具体
的には、協和化学工業株式会社製 キスマ5A)の表面
を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処理したもの
70重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー株
式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、カ
ーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社製
シーストG116)3重量部配合したものである。
【0032】比較例2 比較例2は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処
理したもの30重量部、合成品水酸化マグネシウム(具
体的には、協和化学工業株式会社製 キスマ5A)の表
面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の5重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー株
式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、カ
ーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社製
シーストG116)3重量部配合したものである。
【0033】比較例3 比較例3は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処
理したもの67重量部、合成品水酸化マグネシウム(具
体的には、協和化学工業株式会社製 キスマ5A)の表
面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処理したも
の3重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイギー株
式会社製 IRGANOX1010)0.5重量部、カ
ーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式会社製
シーストG116)3重量部配合したものである。
【0034】比較例4 比較例4は、EEA(エチレン−エチルアクリレート共
重合体、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)
100重量部に対して、天然品水酸化マグネシウム(具
体的には、鉱石から採った平均粒子径1.5μmのも
の)の表面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処
理したもの185重量部、合成品水酸化マグネシウム
(具体的には、協和化学工業株式会社製 キスマ5A)
の表面を脂肪酸(具体的には、ステアリン酸)で処理し
たもの15重量部、酸化防止剤(具体的には、チバガイ
ギー株式会社製 IRGANOX1010)0.5重量
部、カーボンブラック(具体的には、東海カーボン株式
会社製 シーストG116)3重量部配合したものであ
る。
【0035】これらの実施例1〜実施例6、比較例1〜
比較例4の組成に基づいてオレフィン樹脂組成物を製造
し、それぞれについて酸素指数、切り込み力(N)、引
張強度(MPa)、引張伸び(%)、押出外観、中心線
平均粗さ(Ra)のそれぞれを測定した。その比較結果
が表1、表2に示してある。
【0036】
【表 1】
【表 2】 この表1〜表2中の酸素指数法による燃焼試験は、日本
工業規格JISK7201に準拠したもので、実施例1
〜実施例6、比較例1〜比較例4の組成に基づいて作成
されたオレフィン樹脂組成物の押出機から押し出した材
料を板状(又は、棒状)に作って試験片(3.0mm厚
のプレス成形シート)を作成し、この試験片を燃焼円筒
内で試料ホルダーに垂直に取り付け、酸素窒素混合ガス
を流しながら試験片の上端に点火し、着火後、点火器の
炎を取り去り、燃焼時間と燃焼長さの測定を行う。
【0037】この酸素指数法による燃焼試験は、点火
後、試験片の燃焼時間が3分以上継続して燃焼する(又
は、着火後の燃焼長さが50mm以上燃え続ける)のに
必要な酸素濃度を測定するものである。すなわち、酸素
指数法による燃焼試験は、まず、実施例1〜実施例6、
比較例1〜比較例4の組成に基づいて作成されたオレフ
ィン樹脂組成物の押出機から押し出した材料によって作
成した試験片を燃焼円筒内に、試験片の上端部が燃焼円
筒の上端部から100mm以上の距離を保持するように
垂直に支持し、この燃焼円筒内に酸素と窒素を供給し、
供給する酸素流量と窒素流量を調整して適当な酸素濃度
(例えば、20)を設定して、しかる後、燃焼円筒内の
試験片に着火する。着火した試験片が燃焼し出し、燃焼
時間が3分以上継続して(又は、着火後の燃焼長さが5
0mm以上)燃焼しなかった場合は、燃焼円筒内の酸素
濃度が低いからで、酸素濃度を上げるため酸素流量を高
くする。また、着火した試験片が燃焼し出し、燃焼時間
が3分以上継続して(又は、着火後の燃焼長さが50m
m以上)燃焼し続ける場合は、燃焼円筒内の酸素濃度が
高いことが考えられるので、酸素濃度を下げるため酸素
流量を低く(合わせて、窒素流量を高く)する。
【0038】このように、表1、表2中の酸素指数は、
試験片(3.0mm厚のプレス成形シート)を試料ホル
ダーに垂直に取り付け、酸素窒素混合ガスを流しながら
試験片の上端に点火し、着火後、点火器の炎を取り去
り、燃焼時間と燃焼長さの測定を行い、燃焼時間が3分
以上か、燃焼長さが50mm以上に達するのに必要な最
低の酸素の酸素指数を求める。この酸素指数の最適値は
『25以上』である。この酸素指数は、数値が大きいほ
ど難燃性が高いということができる。難燃性について
は、この組成物による成形物の形状(板、管状)やサイ
ズ(厚さ、径)によって最終的に目的とする難燃性の度
合いが異なるため、一概に酸素指数で規定できるもので
はないが、ここでは目標値を『25以上』とした。
【0039】この表1〜表2中の切り込み力は、図1に
示す如く、ケーブル固定部1に固定したケーブル(試験
片)2にナイフ3を入れ、被覆を矢印に示す方向にどの
程度の力で押したときに切り込めるかを示したもので、
切り込めたときの荷重、すなわち試験片の断面積(mm
)当りの最大切込荷重(N)で示したものである。こ
の切り込み力の目標値は『50N以下』である。
【0040】この表1〜表2中の引張強度及び引張伸び
は、日本工業規格JISC3005の18項の引張強度
試験に準拠して行ったものである。この引張強度試験
は、実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例4の組成に
基づいて作成されたオレフィン樹脂組成物の押出機から
押し出した材料を1〜2mmの厚さのシートにし、押出
後24時間以上常温で放置して試験片(JIS3号ダン
ベル片)を作成し、試験中に試験片が歪みその他の不都
合を生じないように、正しく、かつ、確実に一端をチャ
ックに取り付け、所定の引張速さ(200mm/mi
n)で引張り、試験片の最大引張荷重(引張強さ)及び
切断時の標線間の長さ(伸び)を同一試験片について同
時に測定するものである。
【0041】引張強さは、どの程度の力(MPa)で引
張ったときに引き千切れるかを示したもので、引き千切
れたときの荷重、すなわち試験片の断面積(mm)当
りの最大引張荷重(N)で示したものである。したがっ
て、この引張強さの大きさによって機械的強度が判る。
この引張強さの目標値は、『10MPa以上』である。
この引張強さの目標値を10MPa以上としたのは、引
張強さが10MPaを下回るようでは、引張強さが低く
機械的強度が低く脆いからである。
【0042】また、表1〜表2中の引張伸びは、切断時
における標線間の長さを測定し、単位標線距離(mm)
当たりの切断時の標線間の長さ(mm)である。すなわ
ち、表1中の引張伸び(%)は、作製したプレスシート
(試験片)の一端を固定し、他端を引張って、試験片が
引き千切れるまで引張り、千切れたときの長さ(伸び)
を元の試験片の長さで除して百分率で表したもの(伸び
率)である。すなわち試験片を引き伸ばしたときの試験
片の最大の伸びを求めたものである。この引張伸びの基
準値は『200%以上』である。この伸びの基準値を2
00%以上としたのは、伸びが200%を下回るようで
は、十分な可撓性を得られないからである。
【0043】またさらに、表1〜表2中の押出外観は、
実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例4の組成に基づ
いて作成された樹脂を20mmφ押出機にて150℃×
30rpmで押出を行い外径5mm程度の丸型ダイスにて
外径5mmのヒモ押出成形を行ってサンプルを作る。そ
して、押出成形ヒモが、押出後常温まで下がった時点
で、表面に粒等が表出しているか否かを目視によって判
断するもので、表面に粒等が表出している場合を『×』
とし、表面に粒等が表出していない場合を『○』とした
ものである。
【0044】さらにまた、表1〜表2中の中心線平均粗
さは、押出外観を定量的に把握するための補助手段とし
て用いたものであるが、JISB0601に準拠するも
ので、カットオフ値0.8mmで計測したものである。
表1〜表2において押出外観が『○』のものは、Ra値
がいずれも1未満となっていることがわかる。
【0045】判定結果を見ると、酸素指数については、
実施例1が『28』、実施例2が『25』、実施例3が
『27』、実施例4が『24』、実施例5が『32』、
実施例6が『30』で、実施例4の酸素指数がやや下回
るも、実施例1、実施例2、実施例3、実施例5、実施
例6のいずれもが酸素指数の目標値『25以上』を満足
しており、難燃性は十分確保されている。また、切り込
み力については、実施例1が『36N』、実施例2が
『30N』、実施例3が『25N』、実施例4が『24
N』、実施例5が『23N』、実施例6が『19N』
で、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例
5、実施例6のいずれもが切り込み力の目標値『50以
下』を満足している。
【0046】また、引張強さ(MPa)については、実
施例1が『18.5』、実施例2が『16.2』、実施
例3が『15.1』、実施例4が『19.1』、実施例
5が『13.5』、実施例6が『11.9』といずれ
も、引張強さの目標値『10MPa以上』を満足してい
る。また、引張伸び(%)については、実施例1が『6
70%』、実施例2が『510%』、実施例3が『55
0%』、実施例4が『805%』、実施例5が『350
%』、実施例6が『730%』といずれも、引張伸び
(%)の目標値『200%以上』を満足している。
【0047】さらに、押出外観については、実施例1、
実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6の
いずれもが『○』で、特性を満足している。
【0048】このようにしてみると、実施例1、実施例
2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6のいずれ
もが総合的に特性を満足している。
【0049】これに対し、比較例を見るに、比較例1
は、天然品水酸化マグネシウムを3重量部配合し、合成
品水酸化マグネシウムを70重量部と実施例1と近似し
た配合量となっている。この比較例1は、合成品水酸化
マグネシウムを70重量部配合しているため、押出外観
は『○』となっているが、天然品水酸化マグネシウムの
配合量が少ないだけ切り込み力が『75N』と高くなっ
ており、切り込み力の目標値『50以下』を満足してい
ない。
【0050】また、比較例2は、天然品水酸化マグネシ
ウムを30重量部配合し、合成品水酸化マグネシウムを
5重量部と実施例4と近似した配合量となっている。し
かし、この比較例2は、天然品水酸化マグネシウムと合
成品水酸化マグネシウムの総和が35重量部と天然品水
酸化マグネシウムと合成品水酸化マグネシウムの総配合
量40〜200重量部の下限値を下回っている。このた
め、酸素指数が『21』と酸素指数の目標値『25以
上』を満足しておらず、所望の難燃性が確保されていな
い。さらに、この比較例2は、合成品水酸化マグネシウ
ムの配合量が少ないため、押出外観は『×』となってい
る。
【0051】さらに、比較例3は、天然品水酸化マグネ
シウムを67重量部配合し、合成品水酸化マグネシウム
を3重量部配合したもので、天然品水酸化マグネシウム
と合成品水酸化マグネシウムの総和が70重量部と天然
水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウムの総配合
量40〜200重量部の範囲に入っている。この比較例
3は、天然品水酸化マグネシウムの配合量が67重量部
と十分配合されているため、切り込み力が『23N』と
切り込み力の目標値『50以下』を満足しているが、合
成品水酸化マグネシウムの配合量が少ないため、押出外
観は『×』となっている。
【0052】またさらに、比較例4は、天然品水酸化マ
グネシウムを185重量部配合し、合成品水酸化マグネ
シウムを15重量部配合したもので、天然品水酸化マグ
ネシウムと合成品水酸化マグネシウムの総和が200重
量部と天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウ
ムの総配合量40〜200重量部の条件は満足してい
る。しかし、比較例4は、天然品水酸化マグネシウムの
配合比率が90%を超えているため、切り込み力は『1
8N』と遙かに改善が見られるものの、引張強さ(MP
a)が『9.1』と引張強さの目標値『10MPa以
上』を満足しておらず、引張伸び(%)も『180%』
と引張伸びの目標値『200%以上』を満足しないもの
となっている。さらには、合成品水酸化マグネシウムの
配合量が少ないため、押出外観が『×』となっている。
【0053】以上総合すると、実施例1〜実施例3、実
施例5〜実施例6は、各種特性を満足し、実施例4につ
いても、酸素指数を除き各種特性を満足しているが、比
較例1〜比較例4は、各種特性のいずれかの点で満足し
ていないものとなっている。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0055】請求項1に記載の発明によれば、エチレン
系共重合体に、粉砕して表面を脂肪酸、シランカップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系
カップリング剤、リン酸系カップリング剤のいずれかで
処理した天然水酸化マグネシウムと、表面を脂肪酸又は
リン酸エステルで処理した合成水酸化マグネシウムとを
配合することによって、製品のコストダウンを図ること
ができ、特性上必要な難燃性を確保し、耐摩耗性、耐久
性の低下を抑制し、引張強度等の機械的強度を確保し、
加工性を向上させることができる。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、エチレン
系共重合体100重量部に、粉砕して平均粒子径5μm
以下に粉砕して表面を脂肪酸、シランカップリング剤、
チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリ
ング剤、リン酸系カップリング剤のいずれかで処理した
天然水酸化マグネシウムを5〜160重量部、表面を脂
肪酸又はリン酸エステルで処理した合成水酸化マグネシ
ウムを5〜170重量部の範囲内で、天然水酸化マグネ
シウムと合成水酸化マグネシウムの総配合量が40〜2
00重量部になるように配合するため、エチレン系共重
合体に対して分散性を向上することができ、予定してい
る難燃性を確保し、耐摩耗性、耐久性の低下を抑制し、
引張強度等の機械的強度を確保することができる。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、天然水酸
化マグネシウムのカップリング剤による表面処理を、
0.5〜5重量%の範囲で行っているため、エチレン系
共重合体に天然水酸化マグネシウムを確実に結合させる
ことができる。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、天然水酸
化マグネシウムと合成水酸化マグネシウムの配合比率
を、天然水酸化マグネシウムの配合比率が天然水酸化マ
グネシウムと合成水酸化マグネシウムの総配合量の5〜
90%にしてあるため。特性上必要な難燃性を確保し、
耐摩耗性、耐久性の低下を抑制し、引張強度等の機械的
強度を確保し、加工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切り込み力の測定試験方法を説明するための図
である。
【符号の説明】
1………………………ケーブル固定部 2………………………ケーブル(試験片) 3………………………ナイフ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン系共重合体に、粉砕して表面を
    脂肪酸、シランカップリング剤、チタネート系カップリ
    ング剤、アルミネート系カップリング剤、リン酸系カッ
    プリング剤のいずれかで処理した天然水酸化マグネシウ
    ムと、表面を脂肪酸又はリン酸エステルで処理した合成
    水酸化マグネシウムとを配合してなる難燃性オレフィン
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン系共重合体100重量部に、粉
    砕して平均粒子径5μm以下に粉砕して表面を脂肪酸、
    シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、
    アルミネート系カップリング剤、リン酸系カップリング
    剤のいずれかで処理した天然水酸化マグネシウムを5〜
    160重量部、表面を脂肪酸又はリン酸エステルで処理
    した合成水酸化マグネシウムを5〜170重量部の範囲
    内で、天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグネシウ
    ムの総配合量が40〜200重量部になるように配合し
    てなる難燃性オレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記天然水酸化マグネシウムの上記カッ
    プリング剤による表面処理は、0.5〜5重量%の範囲
    で行ったものである請求項1又は2に記載の難燃性オレ
    フィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記天然水酸化マグネシウムと合成水酸
    化マグネシウムの配合比率は、天然水酸化マグネシウム
    の配合比率が天然水酸化マグネシウムと合成水酸化マグ
    ネシウムの総配合量の5〜90%である請求項1、2又
    は3に記載の難燃性オレフィン樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005103138A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Yazaki Corporation ポリオレフィン樹脂組成物及びそれを用いた電線
WO2005103203A1 (ja) 2004-04-20 2005-11-03 Yazaki Corporation 難燃剤
KR20190083372A (ko) * 2017-01-24 2019-07-11 아사히 가세이 가부시키가이샤 열가소성 엘라스토머 조성물, 마개 및 용기

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