JP2002128768A - 薬剤排出ポンプ阻害作用を有する化合物 - Google Patents

薬剤排出ポンプ阻害作用を有する化合物

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JP2002128768A
JP2002128768A JP2000326655A JP2000326655A JP2002128768A JP 2002128768 A JP2002128768 A JP 2002128768A JP 2000326655 A JP2000326655 A JP 2000326655A JP 2000326655 A JP2000326655 A JP 2000326655A JP 2002128768 A JP2002128768 A JP 2002128768A
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Toshiharu Ota
敏晴 太田
Kiyoshi Nakayama
清 中山
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感染症の予防及び/又は治療に有用な化合物
を提供する。 【解決手段】 以下の4つのサイトを以下の許容範囲
内: 【表1】 で占有する部分構造を有し、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害
作用(好ましくは緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性が40
μg/mL以下)を有することを特徴とする化合物、そ
の塩、又はそれらの水和物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緑膿菌薬剤排出ポ
ンプ阻害活性を有し、微生物感染症の予防及び/又は治
療に有用な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物による感染症の予防や治療のため
にこれまで数多くの抗菌薬が開発され、β−ラクタム系
(ペニシリン系、セフェム系、モノバクタム系、カルバ
ペネム系、ペネム系)、アミノグリコシド系、キノロン
系、マクロライド系、テトラサイクリン系、リファマイ
シン系、クロラムフェニコールあるいはホスホマイシン
等の薬剤が実用化されてきた。一方、臨床における抗菌
薬の使用量の増加に伴い、これら抗菌薬に対する耐性菌
の出現が顕著になり、感染症治療における重大な問題と
なっている。
【0003】耐性菌による感染症の中で、特に難治性あ
るいは重症感染症例で問題となっている菌種として、緑
膿菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を
挙げることができる。これらの菌種に対し、治療上有効
な抗菌薬は現在限られており、現行の薬剤で将来にわた
り治療効果が期待できるか否かは定かではない。特に、
薬剤耐性緑膿菌に対しては、特効的に効果が期待できる
薬剤は存在しないのが現状である。高齢化あるいは臓器
移植、抗癌治療等の高度医療の普及に伴い、特に免疫力
の低下した患者において頻発する感染症、いわゆる日和
見感染症が医療現場では極めて大きな問題となってきて
おり、上記耐性菌への対策は急務を要する状況である。
【0004】一方、近年、耐性菌の耐性機構の解析研究
によって、細菌の薬剤排出機構として薬剤排出ポンプの
存在が認知されてきた。古くは1980年にLevyの
グループによってテトラサイクリン系の抗菌薬を特異的
に菌体外に排出するポンプが同定され(L. McMurry, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 77, 3974, 1980)、テ
トラサイクリン耐性の主たる要因として注目された。さ
らに最近の研究によって、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、ブ
ドウ球菌、肺炎球菌ならびに淋菌における多剤排出型の
薬剤排出ポンプの存在が報告された。なかでも、相同性
を有する緑膿菌の薬剤排出ポンプとして現在までに4種
の多剤排出型ポンプが報告されており、緑膿菌が本来的
に示すところの薬剤低感受性の要因になっていると考え
られてきている(K. Pooleら, J. Bacteriol., 175, 73
63, 1993; K. Pooleら,M. Microbiol., 21, 713, 199
6;T. Kohlerら,M. Microbiol., 23, 345, 1997;T. Koh
lerら,M. Microbiol., 23, 345, 1997;T. Mineら,Ant
imicrob. Agents Chemother.,43, 415, 1999)。
【0005】緑膿菌の薬剤排出ポンプは、β−ラクタ
ム、テトラサイクリン、クロラムフェニコールあるいは
キノロン系等をはじめとした多種の薬剤を菌体外に排出
し、緑膿菌の薬剤耐性に寄与している。この問題を克復
するためには、耐性化の要因である薬剤排出ポンプによ
る耐性化を回避可能な新規骨格を有する抗菌薬を開発す
るか、あるいは薬剤排出ポンプの機能を阻害することに
よって既存の抗菌薬を有効にする併用薬を開発すること
が有効な手段と考えられる。
【0006】近年、ラショナルドラッグデザインは創薬
における重要なアプローチとして認識されている。本方
法は大きく二つのカテゴリーに分類することができる。
一つは標的となる蛋白質等の3次元的情報が解明されて
いる場合に適用される方法であり、そのデータを基にし
て新規な化合物をデザインしていくものである。この場
合、リガンドが結合した状態で結晶構造が解かれていれ
ば、デザインはより容易になる。もう一つの方法は、標
的の座標が明らかではない場合に適用する方法である。
この場合、活性を示す化合物とその周辺化合物の構造活
性相関、ならびにそれらの3次元構造をもとにモデリン
グを行い、新しいデザインに活かしていく方法が採用さ
れる。
【0007】後者のうち代表的な手法として、例えば下
記のプログラム等を用いた方法を挙げることができる:
CATALYSTTM(Greene et al., J. Chem. Inf. Comp.Sc
i., 1994, 34, 1297-1308), DISCO (Martin Y.C., et
al., J. Comp. Aided Mol. Design, 1993, 7, 83-102),
COMFA (Cramer R.D., J. Am. Chem. Soc., 1988, 110,
5959-5967)。これらのプログラムを用い構造活性相関
の情報と構造を入力、解析することで活性発現に必要な
条件を示す3次元座標(ファーマコフォア)を得ること
ができる。正確なファーマコフォアの使用は、デザイン
の精度を向上させ、効率よく有効な薬剤を獲得するのに
大きく貢献する。また、得られたファーマコフォアを用
いて化合物の活性予測も行うことができる。最近、この
ようなアプローチが活発に行われており、例えばWO98/0
4913にその背景等、また、実施化及び実用化の例につい
て記されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明者らは、耐性を獲得した緑膿菌を用い、
薬剤耐性克服作用の向上を指標にして新規ならびに既知
化合物群より耐性克服効果を有する化合物群を選抜し、
その誘導体を製造してその活性を鋭意検討した。さら
に、誘導体のコンホメーション解析及び活性との関連づ
けを行う手法を用いることにより、以下の座標で示され
るファーマコフォアモデルを構築することに成功し、本
ファーマコフォアを満たす化合物が緑膿菌薬剤排出ポン
プ阻害活性を有することを見出した。本発明は上記の知
見を基にして完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、以下の4つのサイト
を以下の許容範囲内:
【表2】 で占有する部分構造を有し、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害
作用を有する化合物、その塩、又はそれらの水和物を提
供するものである。
【0010】本発明の好ましい態様によれば、上記化合
物、その塩、又はそれらの水和物の緑膿菌薬剤排出ポン
プ阻害活性(MPC4:緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性
とは抗菌剤の菌に対する最小発育阻止濃度を四分の一に
低減するのに必要な薬剤の最低濃度を意味する)は約4
0μg/mL以下、好ましくは10μg/mL以下、さ
らに好ましくは1μg/mL以下である。
【0011】別の観点からは、本発明により、上記の化
合物、生理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和
物を含む薬剤排出ポンプ阻害剤が提供される。また、緑
膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性を有する化合物をスクリー
ニングする方法であって、コンピュータプログラムによ
り、及び/又は実験的な3次元構造解析により被験化合
物の部分構造が上記の4つのサイトを上記の許容範囲内
で占有するか否かを判定する工程を含む方法が本発明に
より提供される。
【0012】さらに本発明により、上記スクリーニング
により得られた化合物を含む緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害
剤が本発明により提供される。このようにしてスクリー
ニングされた化合物については、緑膿菌薬剤排出ポンプ
阻害活性(MPC4)が40μg/mL以下、好ましく
は10μg/mL以下、さらに好ましくは1μg/mL
以下であることを確認することが好ましい。
【0013】上記の4つのサイトを上記の許容範囲内で
占有する部分構造を有し、薬剤排出ポンプ阻害作用を有
する化合物又はその塩として、下記の一般式(I):
【化3】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール
基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を示す
か、あるいはR1及びR2が互いに結合してそれらが置換
するJ1の2個の隣接する環構成原子とともに形成する
5〜7員の飽和又は不飽和の環を示し;R3は水素原
子、水酸基、又はアルコキシ基を示し;J1は5員又は
6員の芳香族ヘテロ環を示し;W1は−CH=CH−、
−C≡C−、−CH2CH2−、−OCH2−、−SCH2
−、−OCH2O−、−CH2O−、−CH2−、−CO
−、−CH2CH2CH2−、−CH2NH−、−NHCH
2−、−CH2S−、−CONH−、−CH2SCH 2−、
−CH=CH−CONH−、及び−CH2OCH2−から
なる群から選ばれる基(上記の基の左側がJ1の環構成
原子に結合する)又は単結合を示し;A1は置換基を有
していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよ
いピリジンジイル基、置換基を有していてもよいフラン
ジイル基、置換基を有していてもよいチオフェンジイル
基、置換基を有していてもよいベンゾフランジイル基、
置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェンジイ
ル基、置換基を有していてもよいベンゾオキサゾールジ
イル基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾールジ
イル基、置換基を有していてもよいピリド[1,2−
a]ピリミジンジイル基、置換基を有していてもよいキ
ナゾリンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾト
リアジンジイル基、置換基を有していてもよい2H−ク
ロメンジイル基、置換基を有していてもよいキノリン−
4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよいアザキ
ノリン−4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよ
いキノリンジイル基、置換基を有していてもよいチアジ
アゾロ[3,2−a]ピリミジンジイル基、又は置換基
を有していてもよいチアゾロ[3,2−a]ピリミジン
ジイル基を示し;G1は酸素原子、カルボニル基、エチ
ニル基、−CH=N−、−N(R4)CO−、−(C
2)−N(R5)−CO−、−N(R6)−、−N
(R7)−SO2−、−SO2N(R8)−、−CON(R
9)−、−C(=CHR10)−、−C(R11)=C
(R12)−、−NHCO−C(R13)(R14)−、−C
ONH−C(R15)(R16)−、又は−CH2O(C
2q−(式中、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9
それぞれ独立に水素原子、水酸基、又は置換基を有して
いてもよいアルキル基を示し;R10はシアノ基、カルボ
キシル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシカ
ルボニル基を示し;R11及びR12はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキ
ル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す
か、あるいはR11及びR12が互いに結合して形成する環
を示し;R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はア
ルキル基を示すか、あるいはR13及びR14が互いに結合
して形成するアルキレン基を示し;R15及びR16はそれ
ぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示すか、あるいは
15及びR16が互いに結合して形成するアルキレン基を
示し;qは0〜5の整数を示す)を示し;pは0から3
の整数を示し;G2は置換基を有していてもよいフェニ
レン基、置換基を有していてもよいフランジイル基、置
換基を有していてもよいテトラヒドロフランジイル基、
置換基を有していてもよいピリジンジイル基、置換基を
有していてもよいチアゾリンジイル基、置換基を有して
いてもよいイソオキサゾリンジイル基、置換基を有して
いてもよい1,3−ジオキソランジイル基、置換基を有
していてもよいチオフェンジイル基、置換基を有してい
てもよいピリミジンジイル基、−C(R17)=C
(R18)−[C(R19)=C(R20)]y−(式中、R
17、R18、R19、及びR20はそれぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
又は置換基を有していてもよいアリール基を示すか、あ
るいはR17とR18とが互いに結合して形成する環、及び
/又はR19とR20と互いに結合して形成する環を示し、
yは0から3の整数を示す)、又は−C(R21
(R22)−C(R23)(R24)−(式中、R21、R22
23、及びR24はそれぞれ独立に水素原子、フェニル
基、又は炭素数1〜6のアルキル基を示すか、R21とR
22とが互いに結合して形成する環、及び/又はR23とR
24とが互いに結合して形成する環を示す。あるいはR21
とR23とが互いに結合して形成する環を示す)を示し;
3は−CH2−又は単結合を示し;m及びnはそれぞれ
独立に0又は1の整数を示し;及びQ1は酸性基を示
す〕で表される化合物、その塩、又はそれらの水和物が
提供される。
【0014】また、上記の4つのサイトを上記の許容範
囲内で占有する部分構造を有し、薬剤排出ポンプ阻害作
用を有する好ましい化合物、その塩、又はそれらの水和
物として、下記の一般式(II):
【化4】 〔式中、R31及びR32はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有してい
てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
ル基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を示す
か、あるいはR31及びR32が互いに結合してそれらが置
換するJ11の2個の隣接する環構成原子とともに形成す
る6員環を示し;J11は5員又は6員の芳香族ヘテロ環
を示し;W11は−CH=CH−、−CH2CH2−、−O
CH2−、−SCH2−、−OCH 2O−、−CH2O−、
−CH2−、−CO−、−CH2CH2CH2−、−CH2
NH−、−NHCH2−、−CH2S−、−CONH−、
−CH2SCH2−、−CH=CH−CONH−、及び−
CH2OCH2−からなる群から選ばれる基(上記の基の
左側がJ11の環構成原子に結合する)又は単結合を示
し;A11は置換基を有していてもよいピリジンジイル
基、置換基を有していてもよいピリド[1,2−a]ピ
リミジンジイル基、置換基を有していてもよいキノリン
−4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよいアザ
キノリン−4−オン−ジイル基、置換基を有していても
よいキノリンジイル基、置換基を有していてもよいチア
ジアゾロ[3,2−a]ピリミジンジイル基、又は置換
基を有していてもよいチアゾロ[3,2−a]ピリミジ
ンジイル基を示し;G11は酸素原子、カルボニル基、エ
チニル基、−CH=N−、−N(R33)CO−、−N
(R34)SO2−、−SO2N(R35)−、−CON(R
36)−、−C(=CHR37)−、又は−C(R38)=C
(R39)−(式中、R33、R34、R35、R36、R37、R
38、及びR39はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有
していてもよいアルキル基を示す)を示し;mは0又は
1の整数を示し;及びQ11は酸性基を示す〕で表される
化合物、その塩、又はそれらの水和物が本発明により提
供される。
【0015】さらに、本発明により、上記の一般式
(I)及び一般式(II)で表される化合物並びに生理学
的に許容されるそれらの塩、あるいはそれらの水和物か
らなる群から選ばれる物質を有効成分として含む微生物
感染症、好ましくは緑膿菌感染症の予防及び/又は治療
のための医薬;微生物感染症、好ましくは緑膿菌感染症
の予防及び/又は治療方法であって、上記の一般式
(I)及び一般式(II)で表される化合物並びに生理学
的に許容されるそれらの塩、あるいはそれらの水和物か
らなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量
をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;上
記の医薬の製造のための上記の一般式(I)及び一般式
(II)で表される化合物並びに生理学的に許容されるそ
れらの塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選ば
れる物質の使用が提供される。
【0016】さらに別の観点からは、抗微生物薬に対し
て耐性を獲得した微生物を脱耐性化させるための医薬で
あって、上記の一般式(I)及び一般式(II)で表され
る化合物並びに生理学的に許容されるそれらの塩、ある
いはそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効
成分として含む医薬;抗微生物薬に対する微生物の耐性
獲得を阻害するための医薬であって、上記の一般式
(I)及び一般式(II)で表される化合物並びに生理学
的に許容されるそれらの塩、あるいはそれらの水和物か
らなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬;
微生物の抗微生物薬に対する感受性を増大させるための
医薬であって、上記の一般式(I)及び一般式(II)で
表される化合物並びに生理学的に許容されるそれらの
塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選ばれる物
質を有効成分として含む医薬;抗微生物薬の作用を増強
するための医薬であって、上記の一般式(I)及び一般
式(II)で表される化合物並びに生理学的に許容される
それらの塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選
ばれる物質を有効成分として含む医薬;並びに、上記の
医薬の製造のための上記の一般式(I)及び一般式(I
I)で表される化合物並びに生理学的に許容されるそれ
らの塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選ばれ
る物質の使用が提供される。
【0017】また、抗微生物薬に対して耐性を獲得した
微生物を脱耐性化させる方法であって、上記の一般式
(I)及び一般式(II)で表される化合物並びに生理学
的に許容されるそれらの塩、あるいはそれらの水和物か
らなる群から選ばれる物質の有効量を該微生物に接触さ
せる工程を含む方法;抗微生物薬に対する微生物の耐性
獲得を阻害する方法であって、上記の一般式(I)及び
一般式(II)で表される化合物並びに生理学的に許容さ
れるそれらの塩、あるいはそれらの水和物からなる群か
ら選ばれる物質の有効量を該微生物に接触させる工程を
含む方法;微生物の抗微生物薬に対する感受性を増大さ
せる方法であって、上記の一般式(I)及び一般式(I
I)で表される化合物並びに生理学的に許容されるそれ
らの塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選ばれ
る物質の有効量を該微生物に接触させる工程を含む方
法;並びに、抗微生物薬の作用を増強する方法であっ
て、上記の一般式(I)及び一般式(II)で表される化
合物並びに生理学的に許容されるそれらの塩、あるいは
それらの水和物からなる群から選ばれる物質の有効量を
ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が本発
明により提供される。上記一般式(I)及び一般式(I
I)で表される化合物並びに生理学的に許容されるそれ
らの塩、あるいはそれらの水和物からなる群から選ばれ
る物質は、通常、1又は2種以上の抗微生物薬と同時
に、別々に、又は経時的に投与される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明により提供される化合物
は、その部分構造が下記の4つのサイトを下記の許容範
囲内で占有することを特徴としている。すなわち、本発
明により提供される化合物は、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻
害活性を発揮するための共通のファーマコフォアとし
て、下記の4つのサイトからなるファーマコフォアを有
している。サイト1から3は疎水性のFeatureを示し、
サイト4は陰性にイオン化できる(酸性基)Featureを
示す。これらFeatureの定義については以下の論文、ま
た論文中の引用文献に掲載されている (J. Chem. Inf.,
and Comp. Sci., 34, 1297-1308)。
【0019】
【表3】
【0020】上記ファーマコフォアにおいて、より具体
的には、疎水性のFeatureとは、化合物の部分構造中、
疎水性置換基が占有する位置を表す。疎水性置換基と
は、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、又はハロゲン原子等の官能基を示す
が、これらに限定されることはない。酸性基サイトと
は、化合物の部分構造中、酸性基が占有する位置を表
す。
【0021】サイト1を占有する置換基としては、例え
ば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はハロゲ
ン原子等を挙げることができるが、アルキル基、アリー
ル基、又はヘテロ環基が好ましい。これらの基はさらに
1又は2以上の置換基を有していてもよい。サイト2を
占有する置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、又はハロゲン原子等を挙げることができるが、
アリール基又はヘテロ環基が好ましい。これらの基はさ
らに1又は2以上の置換基を有していてもよい。
【0022】サイト3を占有する置換基としてはアルキ
ル基、アリール基、ヘテロ環基、又はハロゲン原子等を
挙げることができるが、アリール基又はヘテロ環基が好
ましい。これらの基はさらに1又は2以上の置換基を有
していてもよい。サイト4を占有する酸性基の種類は特
に限定されず、環状または非環状の置換基、あるいはそ
れらの組み合わせのいずれでもよい。酸性基はさらに1
又は2以上の置換基を有していてもよい。
【0023】本明細書において用いられる用語の意味は
以下のとおりである。「アルキル基」又はアルキル部分
を含む置換基(例えばアルコキシ基など)におけるアル
キル部分は、特に言及しない場合には、直鎖状、分枝鎖
状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。
アルキル基は、特に言及しない場合には、炭素数1から
8個、好ましくは1から6個程度であり、これを「低
級」と呼ぶ場合もある。より具体的には、アルキル基と
して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブ
チル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、1,
1-ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基などを挙げることができる。「ハロゲン原子」と言う
場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ
素原子のいずれでもよい。
【0024】アリール基としては、炭素数5から14の
アリール基、好ましくは炭素数5から10のアリール基
(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を挙げることが
できる。アリール環は単環又は縮合環のいずれでもよ
い。ヘテロ環基としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原
子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個有し、環を構成す
る総原子数が3〜10のヘテロ環の残基を用いることが
できる。ヘテロ環は単環又は縮合環のいずれでもよい。
ヘテロ環基を構成するヘテロ環としては、例えば、フラ
ン環、ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環、ピラ
ン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環、ベン
ゾフラン環、イソベンゾフラン環、クロメン環、クロマ
ン環、イソクロマン環、チオフェン環、ベンゾチオフェ
ン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、イミダ
ゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾ
ール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール
環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリジンオキシド
環、ピペリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、ピリミ
ジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール
環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン
環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、プリン
環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチ
リジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン
環、プテリジン環、オキサゾール環、オキサゾリジン
環、イソキサゾール環、イソキサゾリジン環、チアゾー
ル環、ベンゾチアゾール環、チアジリジン環、イソチア
ゾール環、イソチアゾリジン環、ジオキサン環、ジチア
ン環、モルホリン環、チオモルホリン環、フタルイミド
環などを挙げることができる。
【0025】また、それぞれのサイトを連結する構造部
分をリンカーと称するがこのリンカーは、例えば炭素原
子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などを構
成元素とし、化合物の部分構造をそれぞれのサイトに収
めるために必要な長さを有するが、その種類は特に限定
されない。具体的には、−CH=CH−、−C≡C−、
−CH2CH2−、−OCH2−、−SCH2−、−OCH
2O−、−CH2O−、−CH2−、−CO−、−CH2
2CH2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2
S−、−CONH−、−CH2SCH2−、−CH=CH
−CONH−、及び−CH2OCH2−からなる群から選
ばれるリンカー、又はこれらのリンカーの組み合わせを
含むリンカーを挙げることができる。なお、上記のリン
カーのうちには幾何異性のあるものもあるがそれらはい
ずれのものであってもよい。
【0026】本明細書において、ある官能基について
「置換基を有していてもよい」という場合には、その官
能基が1又は2個以上の置換基を有していてもよいこと
を意味する。置換基の個数、種類、及び置換位置は特に
限定されず、2種以上の置換基が存在する場合にはそれ
らは同一でも異なっていてもよい。置換基としては、例
えば、アルキル基;アルケニル基(好ましくは炭素数2
〜8、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭
素数2〜5であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−
ブテニル基、3−ペンテニル基など)、アルキニル基
(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜6、特
に好ましくは2〜5であり、例えば、プロパルギル基、
3−ペンチニル基など)、アリール基(好ましくは炭素
数6〜14、より好ましくは炭素数6〜12、特に好ま
しくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナ
フチル基など)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜
15、好ましくは炭素数7〜13、より好ましくは炭素
数7〜11、さらに好ましくは炭素数7〜9であり、例
えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、2−フェニ
ルエチル基、ナフチルメチル基など)、アミノ基、置換
アミノ基(好ましくは炭素数0〜16、より好ましくは
炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜8であり、
例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジベンジルアミノ基など)、アルコキシ基
(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜
6、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、ブトキシ基など)、アリールオキ
シ基(好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは炭素
数6〜12、特に好ましくは炭素数6〜10であり、例
えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基な
ど)、アシル基(好ましくは炭素数1〜14、より好ま
しくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜10
であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル
基、ピバロイル基など)、アルコキシカルボニル基(好
ましくは炭素数2〜9、より好ましくは炭素数2〜7、
特に好ましくは炭素数2〜5であり、例えば、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基など)、アリール
オキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜15、より
好ましくは炭素数7〜13、特に好ましくは炭素数7〜
11であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基な
ど)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜15、よ
り好ましくは炭素数2〜13、特に好ましくは炭素数2
〜11であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基など)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜1
5、より好ましくは炭素数2〜13、特に好ましくは炭
素数2〜11であり、例えば、アセチルアミノ基、ベン
ゾイルアミノ基など)、アルコキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜9、より好ましくは炭素数2〜
7、特に好ましくは炭素数2〜5であり、例えば、メト
キシカルボニルアミノ基など)、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜15、より好まし
くは炭素数7〜13、特に好ましくは炭素数7〜11で
あり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基な
ど)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜1
4、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭
素数1〜10であり、例えば、メタンスルホニルアミノ
基、ベンゼンスルホニルアミノ基など)、スルファモイ
ル基(好ましくは炭素数0〜14、より好ましくは炭素
数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例
えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジ
メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基な
ど)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜14、よ
り好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1
〜10であり、例えば、カルバモイル基、メチルカルバ
モイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモ
イル基など)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜
8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素
数1〜4であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基
など)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14、
より好ましくは炭素数6〜12、特に好ましくは炭素数
6〜10であり、例えば、フェニルチオ基など)、スル
ホニル基(好ましくは炭素数1〜14、より好ましくは
炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜10であ
り、例えば、メシル基、トシル基など)、スルフィニル
基(好ましくは炭素数1〜14、より好ましくは炭素数
1〜12、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例え
ば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基な
ど)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜14、より好
ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜1
0であり、例えば、ウレイド基、メチルウレイド基、フ
ェニルウレイド基など)、リン酸アミド基(好ましくは
炭素数1〜14、より好ましくは炭素数1〜12、特に
好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、ジエチルリ
ン酸アミド、フェニルリン酸アミドなど)、ヒドロキシ
基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシル基、ニトロ基、オキソ基、ヒドロキサ
ム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基など
が挙げられる。これらの置換基は、さらに上記に例示し
た置換基を1又は2個以上有していてもよい。
【0027】上記のファーマコフォアを有する化合物と
して上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を
挙げることができる。上記の式中、R1及びR2が示すア
ルキル基としては、炭素数1から8の直鎖状又は分枝鎖
状のアルキル基、好ましくは炭素数1から5の直鎖状又
は分枝鎖状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、又はn−
ペンチル基など)、あるいは炭素数3から8の環状アル
キル基、好ましくは炭素数3から5の環状アルキル基
(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、又はシ
クロペンチル基など)を挙げることができる。環状アル
キル基の環上には、例えばアルキル基、ハロゲン原子な
どが置換していてもよい。
【0028】R1及びR2が示すアリール基としては、炭
素数5から14のアリール基を示し、好ましくは炭素数
5から10のアリール基(例えば、ベンゼン環、ナフタ
レン環)を挙げることができる。アリール基の環上にア
ルキル基、水酸基、ハロゲン原子などが置換していても
よい。R1及びR2が示すヘテロ環基としては、環構成原
子数が3から8個、好ましくは3から6個のヘテロ環基
を用いることができ、飽和、部分飽和、又は芳香環のい
ずれもでよい。ヘテロ環基に結合する置換基としては、
例えばtert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基などを挙げることができる。
【0029】R1及びR2が結合して形成する環は、飽
和、部分飽和、又は縮合芳香環のいずれでもよく、好ま
しくは6員環であり、その環上には1又は2個以上の置
換基が存在していてもよい。例えば、両者が結合して縮
合ベンゼン環、縮合ピリジン環、縮合テトラヒドロピリ
ジン環を形成するか、あるいは両者が結合してテトラメ
チレン基、ブタモノエニレン基、ブタジエニレン基又は
アザブタジエニレン基などを形成することが好ましく、
環上にはハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アルコ
キシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキル基などが置
換していてもよい。R3としては水素又は水酸基が好ま
しい。
【0030】J1が示す5員又は6員の芳香族ヘテロ環
としては、硫黄原子、窒素原子、及び酸素原子からなる
群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個含む芳香族
ヘテロ環であればその種類は限定されないが、例えば、
下記の式(III):
【化5】 (式中、X、Y、及びZはそれぞれ独立に硫黄原子、窒
素原子、酸素原子、又は炭素原子を示すが、X、Y、及
びZのうち少なくとも1つは硫黄原子、窒素原子、及び
酸素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を示し;k
は0又は1を示す)で表される芳香族ヘテロ環が好まし
く、さらに好ましくは下記に示される芳香族ヘテロ環を
用いることができる。
【0031】
【化6】
【0032】W1としては、好ましくは−CH2O−、−
CH=CH−、又はエチニル基を用いることができ、A
1としては、置換基を有していてもよいフェニレン基、
置換基を有していてもよいピリジンジイル基、置換基を
有していてもよいベンゾフランジイル基、置換基を有し
ていてもよいベンゾ[b]チオフェンジイル基、置換基
を有していてもよいベンゾオキサゾールジイル基、置換
基を有していてもよいベンゾチアゾールジイル基、置換
基を有していてもよい4−オキソ−ピリド[1,2−
a]ピリミジンジイル基、置換基を有していてもよいキ
ノリン−4−オン−ジイル基、又は置換基を有していて
もよいアザキノリン−4−オン−ジイル基が好ましい。
これらの環状の2価基の結合位置は特に限定されず、環
構成炭素原子のうちの任意の2個で結合することができ
る。例えば、フェニレン基としては、p−フェニレン
基、m−フェニレン基、又はo−フェニレン基のいずれ
でもよい。
【0033】A1が示す二価の環状基の環上に存在可能
な置換基の種類、個数、及び存在位置は特に限定されな
いが、置換基として、例えば、置換基を有していてもよ
いアルキル基(例えば、上記に説明した炭素数1から8
のアルキル基、好ましくは炭素数1から5のアルキル基
であり、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸
基、アルキルオキシ基などを挙げることができる)、置
換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有してい
てもよいアリキレンフェニル基、置換基を有していても
よいアリキレンピリジル基、水酸基、又はアミノ基など
を挙げることができ、より好ましくはハロゲン原子、置
換基を有していてもよいアルキル基、水酸基、又はアミ
ノ基などを用いることができる。
【0034】G1としては、−N(R4)−CO−、−C
O−N(R9)−、−C(R11)=C(R12)−が好ま
しく、A1が置換基を有するフェニレン基又は置換基を
有するピリジンジイル基の場合、これらの基は特に好ま
しい。また、A1が置換基を有していてもよいベンゾフ
ランジイル基、置換基を有していてもよいベンゾ[b]
チオフェンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾ
オキサゾールジイル基、置換基を有していてもよいベン
ゾチアゾールジイル基、置換基を有していてもよい4−
オキソ−ピリド[1,2−a]ピリミジンジイル基、置
換基を有していてもよいキノリン−4−オン−ジイル
基、又は置換基を有していてもよいアザキノリン−4−
オン−ジイル基の場合には、G1が−C(R11)=C
(R12)−であるか、又はmが0であることが好まし
い。
【0035】pは0から3を示すが、A1が置換基を有
するフェニレン基又は置換基を有するピリジンジイル基
の場合にはpが0又は1であることが好ましい。Aが置
換基を有していてもよいベンゾフランジイル基、置換基
を有していてもよいベンゾ[b]チオフェンジイル基、
置換基を有していてもよいベンゾオキサゾールジイル
基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾールジイル
基、置換基を有していてもよい4−オキソ−ピリド
[1,2−a]ピリミジンジイル基、置換基を有してい
てもよいキノリン−4−オン−ジイル基、又は置換基を
有していてもよいアザキノリン−4−オン−ジイル基の
場合にはpが0であることが好ましい。
【0036】また、A1が置換基を有していてもよいベ
ンゾフランジイル基、置換基を有していてもよいベンゾ
[b]チオフェンジイル基、置換基を有していてもよい
ベンゾオキサゾールジイル基、置換基を有していてもよ
いベンゾチアゾリンジイル基、置換基を有していてもよ
い4−オキソ−ピリド[1,2−a]ピリミジンジイル
基、置換基を有していてもよいキノリン−4−オン−ジ
イル基、又は置換基を有していてもよいアザキノリン−
4−オン−ジイル基の場合、p及びnがともに0である
ことが好ましい。
【0037】G2が置換基を有していてもよいフェニレ
ン基を示す場合、ベンゼン環上の好ましい置換基とし
て、例えば、−CH2OH、−CORc[Rcは−NH
(Rd)又は−N(Re)(Rf)(Rdは水素原子又はア
ルキル基を示し、Re及びRfはそれぞれ独立に水素原子
又はアルキル基を示すか、あるいは両者が互いに結合し
てアルキレン基を示す)]、又は−CH2CORg[Rg
は水酸基、アルコキシ基、−NH(Rd)、又は−N
(Re)(Rf)(Rd、Re、及びRfは前記と同義であ
る)]、あるいはアミノエトキシ基、ヒドロキシエトキ
シ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、
水酸基、アルキル基、ニトロ基、トリフルオロメチル
基、又はシアノ基などを挙げることができる。
【0038】G2が−C(R21)(R22)−C(R23
(R24)−を表す場合、R21とR22とが互いに結合して
形成する環、R23とR24とが互いに結合して形成する
環、又はR21とR23とが互いに結合して形成する環は飽
和又は不飽和のいずれでもよく、硫黄原子、窒素原子、
及び酸素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1又
は2個以上含んでいてもよい。また、環上には1又は2
個以上の置換基(例えばアルキル基)を有していてもよ
い。
【0039】Q1が示す酸性基の種類は特に限定され
ず、環状又は非環状の置換基、あるいはそれらの組み合
わせのいずれでもよい。例えば、低級アルコキシ基、水
酸基、カルボキシル基、N−シアノカルボキサミド基、
フッ素原子を1〜3個有するメタンスルホニルアミド
基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、−CONH−(5−テトラゾリル)基、置換基を有し
ていてもよい5−テトラゾリル基、置換基を有していて
もよい1,2,3−トリアゾリル基、置換基を有してい
てもよい2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イリデニ
ル基、置換基を有していてもよい4−オキソ−2−チオ
キソチアゾリジン−5−イリデニル基、置換基を有して
いてもよい5−オキソ−4−テトラゾリル基、置換基を
有していてもよい3−(5−オキソ)−[1.2.4]オ
キサジアゾリジニル基、置換基を有していてもよい2−
(3,5−ジオキソ)−[1.2.4]オキサジアゾリジ
ニル基、置換基を有していてもよい5−(3−オキソ)−
[1.2.4]オキサジアゾリジニル基、又は置換基を
有していてもよい3−(5−オキソ)−[1.2.4]イ
ソオキサゾリジル基などを挙げることができ、より好ま
しくは、カルボキシル基、N−シアノカルボキサミド
基、フッ素原子を1〜3個有するメタンスルホニルアミ
ド基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、−CONH−(5−テトラゾリル)基、又は置換基を
有していてもよい5−テトラゾリル基などを挙げること
ができる。
【0040】一般式(II)で表される化合物において、
31、R32、J11、m、及びQ11は、それぞれ上記のR
1、R2、J1、m、及びQ1で説明したものを好適に用い
ることができる。W11としては、好ましくは−CH2
−、−CH=CH−、又は−CH2CH2を用いることが
でき、A11としては、置換基を有していてもよいピリジ
ンジイル基、置換基を有していてもよい4−オキソ−ピ
リド[1,2−a]ピリミジンジイル基、置換基を有し
ていてもよいキノリン−4−オン−ジイル基、又はアザ
キノリン−4−オン−ジイル基が好ましく、環上の置換
基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい
アルキル基、水酸基、アルコキシ基、又はアミノ基など
が好ましい。G11としては、−N(R33)−CO−、−
CO−N(R36)−、又は−C(R38)=C(R39)−
(式中、R33、R36、R38、及びR39はそれぞれ独立に
水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示
す)が好ましいが、mが0である場合も好ましい。
【0041】ここで、R1、R2、R31、及びR32はサイ
ト1を占有する部分構造であり、J1及びJ11はサイト
2を占有する部分構造であり、A1及びA11はサイト3
を占有する部分構造であり、Q1及びQ11はサイト4を
占有する部分構造に該当する。占有するとは、各構造自
体あるいは各構造(置換基)を構成する原子が、サイト
として規定される球体内の空間において任意の座を占め
ることを意味する。
【0042】上記ファーマコフォアを用いることによ
り、任意の化合物について緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活
性を有するか否かを判別することができる。また、コン
ホメーションを発生させた化合物ライブラリーを用いて
上記ファーマコフォアモデルを適用したスクリーニング
を行うことにより、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害作用を有
する化合物を選抜することもできる。さらに、架空の化
合物群を用いて同様にコンホメーションを算出後、上記
ファーマコフォアとのドッキングスタディを行うことに
より、仮想の化合物を創製することができ、創製された
化合物を実際に合成して緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性
を検定することにより、有用な医薬を創製することがで
きる。これらの技術の2以上を適宜組み合わせることに
よって、より強い緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性を有す
る化合物を見出すこともできる。
【0043】化合物の重ねあわせはCATALYST(Greene e
t al., J. Chem. Inf. Comp.Sci., 1994, 34, 1297-130
8;Molecular Simulation Inc.社よりソフトウェアが市
販されている)等のドッキング機能を有するソフトウェ
アを用いることにより、効率的に行うことができるが、
マニュアルでも行うことができる。CATALYSTを用いたフ
ァーマコフォアの創製については、例えば、国際公開WO
/04913などに具体的手法が詳細に開示されている。ファ
ーマコフォアに適合する化合物とは、一般的に、化合物
がファーマコフォアに最適に重ね合わされた場合に、そ
れぞれのサイトに対してそのサイトのFeatureに一致す
る部分構造中の構成原子がそのサイトから0.5〜3Å
以内に入る化合物である。化合物の部分構造が上記ファ
ーマコフォアの4つのサイト全てにおいて上記許容範囲
内(サイト1及びサイト4については2Å、サイト2及
びサイト3については1.7Å以内)で占有する化合物
は緑膿菌薬剤排出ポンプを阻害する作用を有しており、
感染症の予防及び/又は治療を行うに際して抗菌剤との
併用効果が期待できる。一般式(I)及び一般式(II)
で表される化合物は緑膿菌薬剤排出ポンプを阻害する作
用を有する化合物として、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害剤
のほか、感染症の予防及び/又は治療のための医薬の有
効成分として用いることができる。
【0044】上記一般式(I)又は一般式(II)で表さ
れる化合物は塩を形成する場合がある。塩の具体例とし
ては、酸性基が存在する場合には、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ
金属及びアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−ア
ミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミ
ン、N-メチルグルカミン、L-グルカミン等のアミンの
塩;又はリジン、δ-ヒドロキシリジン、アルギニンな
どの塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。塩
基性基が存在する場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、
硝酸、リン酸等の鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピ
オン酸塩、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、
シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル
酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、ア
スコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との
塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミ
ノ酸との塩を形成することができる。
【0045】本発明の医薬の有効成分としては、上記一
般式(I)又は(II)で表される化合物あるいはそれら
の塩のほか、それらの溶媒和物又は水和物を用いること
ができる。また、上記一般式(I)又は(II)で表され
る化合物は1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合が
あるが、不斉炭素の立体化学についてはそれぞれ独立し
て(R)体又は(S)体のいずれかをとることができ、
該化合物は光学異性体又はジアステレオ異性体などの立
体異性体として存在することがある。本発明の医薬の有
効成分としては、純粋な形態の任意の立体異性体、立体
異性体の任意の混合物、ラセミ体などのいずれを用いて
もよい。さらに、上記一般式(I)又は(II)で表され
る化合物が二重結合を有する場合には、その配置は
(E)配置又は(Z)配置のいずれでもよく、純粋な形
態の幾何異性体又はそれらの任意の混合物を本発明の医
薬の有効成分として用いてもよい。また、上記一般式
(I)又は(II)で表される化合物は置換基の種類によ
っては互変異性体として存在する可能性もあるが、本発
明の医薬の有効成分としてそれらのいずれを用いてもよ
い。
【0046】上記一般式(I)又は(II)で表される化
合物は、公知の方法によって製造することができる。J
1がチアゾール誘導体である化合物は、例えば、特開昭
62−142168号公報、特開平6−80654号公
報、特開平10−195063号公報、国際公開WO9
6/33181、国際公開WO98/57935などに
記載された方法に従って製造することができ、J1がキ
ノリン誘導体である化合物は、例えば、特開平7−17
9426号公報に記載された方法により合成することが
できる。また、その他の誘導体についても、同様に製造
することができる。一般式(II)で表される化合物の具
体的製造方法については、本明細書の実施例及び米国特
許出願第09/428,466号明細書に記載されてい
る。
【0047】本発明の医薬の適用対象となる微生物感染
症の種類は特に限定されないが、微生物としては細菌が
好適な対象であり、本発明の医薬は、例えば、グラム陽
性菌又はグラム陰性細菌、あるいは好気性又は嫌気性細
菌などによる種々の微生物感染症に適用することができ
る。本発明の医薬は、抗微生物薬に対して耐性を獲得し
た緑膿菌、あるいは抗微生物薬に対して感受性の低い緑
膿菌による感染症に対して特に好適に適用できる。本発
明の医薬は、ヒトを含む哺乳類動物の微生物感染症に適
用可能である。
【0048】抗微生物薬としては多様な構造の医薬が知
られており、多数の医薬が臨床に供されている。本発明
の医薬とともに投与可能な抗微生物薬の種類は特に限定
されないが、例えば、ペニシリン(ペナム)系抗生物
質、セファロスポリン(セフェム)系抗生物質、オキサ
セフェム系抗生物質、ペネム系抗生物質、カルバペネム
系抗生物質、モノバクタム系抗生物質、アミノグリコシ
ド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、クロラムフェ
ニコール系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、グ
リコペプチド系抗生物質、ホスホマイシン系抗生物質、
リンコマイシン系抗生物質、サルファ剤、パラアミノサ
リチル酸製剤、イソニコチン酸ヒドラジド製剤、及びキ
ノロン系合成抗菌剤などを挙げることができる。もっと
も、抗微生物薬はこれらに限定されることはない。1又
は2種以上の抗微生物薬と本発明の医薬とを含む医薬組
成物を製造する場合にも、上記に例示した抗微生物薬を
用いることができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例により限定さ
れることはない。 例1:2−(2−オキソ−2−3−[(E)−2−(4
−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−エ
テニル]アニリノエチル)ベンゾイックアシッド 3−[(E)−2−(4−フェニル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]アニリン(特開昭62
―142168)(500mg、1.8mmol)、ホ
モフタル酸無水物(440mg、2.7mmol)をト
ルエン(10mL)に溶解し、30分間加熱還流した。
反応液を冷却後、析出晶を濾取し、白色固体として表題
化合物(720mg、91%)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:4.11(2H,
s),7.30−7.54(12H,m),7.89
(1H,d,J=8.3Hz),7.96(1H,
s),7.99(1H,d,J=7.2Hz),8.0
9(1H,s),10.18(1H,s). FAB−MS;m/z:441(MH+
【0050】例2:2−(2−オキソ−2−{3−[2
−(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)エ
チル]アニリノ}エチル)ベンゾイックアシッド (A)メチル (E)−3−(3−ニトロフェニル)−
2−プロペネート3−ニトロシンナミックアシッド(1
0.00g、51.8mmol)をメタノール(300
ml)に懸濁し、濃硫酸(10ml)を滴下し、モレキ
ュラーシーブスを入れた滴下ロートをつけ脱水しながら
6時間加熱還流した。溶媒を溜去後、残渣に水を加え、
酢酸エチル抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥
し、溶媒を溜去して、白色固体として表題化合物(1
0.72g、定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.84(3H,s),
6.59(1H,d,J=16.1Hz),7.59
(1H,t,J=7.8Hz),7.73(1H,d,
J=16.1Hz),7.83(1H,d,J=7.8
Hz),8.24(1H,td,J=7.3,1.5H
z),8.38(1H,t,J=1.5Hz).
【0051】(B)メチル 3−(3−アミノフェニ
ル)プロパネート (A)で得られたメチル (E)−3−(3−ニトロフ
ェニル)−2−プロペネート(2.01g、9.70m
mol)をメタノール−酢酸エチル(1:1、v/v、
500ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(0.2
g)を加えて、水素気流下(1気圧)室温で24時間攪
拌した。触媒を濾去後、溶媒を溜去して、淡橙色油状物
として表題化合物(1.73g、定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.59(2H,t,J
=7.8Hz),2.84(2H,t,J=7.8H
z),3.66(3H,s),3.66(2H,b
r),6.47−6.53(2H,m),6.58(1
H,d,J=7.3Hz),7.06(1H,td,J
=7.8,2.9Hz).
【0052】(C)メチル 3−{3−[(N−ter
t−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}プロパネ
ート (B)で得られたメチル 3−(3−アミノフェニル)
プロパネート(1.73g、9.65mmol)をクロ
ロホルム(80ml)に溶解して、ジ−tert−ブチ
ル ジカルボネート(3.16g、14.5mmol)
を加え、トリエチルアミン(336μl、2.41mm
ol)を滴下して、室温で21時間攪拌した。TLC
上、原料が残存していたため、ジ−tert−ブチル
ジカルボネート(3.16g、14.5mmol)およ
びトリエチルアミン(336μl、2.41mmol)
を追加して、室温で5時間攪拌した。更に原料が残存し
ていたため、ジ−tert−ブチル ジカルボネート
(3.16g、14.5mmol)を追加して、室温で
17時間攪拌した。溶媒を溜去後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1、v/v→クロロホルム)にて精製し、無色油状物と
して表題化合物(2.34g、86.8%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52(9H,s),
2.62(2H,t,J=7.8Hz),2.92(2
H,t,J=7.8Hz),3.67(3H,s),
6.46(1H,br),6.87(1H,d,J=
7.3Hz),7.13−7.25(2H,m),7.
26(1H,br).
【0053】(D)tert−ブチル N−[3−(3
−アミノ−3−オキソプロピル)フェニル]カルバメー
ト (C)で得られたメチル 3−{3−[(N−tert
−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}プロパネー
ト(1.84g、6.59mmol)をメタノール(1
0ml)に溶解し、アンモニア−メタノール溶液(30
ml)を滴下し、室温で18時間攪拌した。TLC上、
原料が多く残存していたため、アンモニア−メタノール
溶液(100ml)を追加し室温で6時間攪拌した。ま
だ原料が残存していたため、濃アンモニア水(28%、
50ml)を追加し、更に室温で17時間攪拌した。メ
タノールを溜去後、酢酸エチル抽出、飽和食塩水にて洗
浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去し
て、無色油状物として表題化合物(1.60g、91.
9%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.51(9H,s),
2.52(2H,t,J=7.8Hz),2.94(2
H,t,J=7.8Hz),5.44(2H,br),
6.54(1H,br),6.89(1H,d,J=
7.3Hz),7.10−7.22(2H,m),7.
31(1H,br).
【0054】(E)tert−ブチル N−[3−(3
−アミノ−3−チオキソプロピル)フェニル]カルバメ
ート (D)で得られたtert−ブチル N−[3−(3−
アミノ−3−オキソプロピル)フェニル]カルバメート
(1.58g、5.98mmol)をTHF(30m
l)に溶解し、反応系内を窒素置換した。Lawess
ons'試薬(1.21g、2.99mmol)を加
え、室温で10分間攪拌後、約60℃にて2時間半加熱
した。溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール
=30:1、v/v)にて精製し、淡黄色油状物として
表題化合物(1.08g、64.7%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.52(9H,s),
2.94(2H,t,J=7.3Hz),3.08(2
H,t,J=7.8Hz),6.51(1H,br),
6.81(1H,br),6.92(1H,d,J=
7.8Hz),7.11(1H,d,J=8.3H
z),7.21(1H,t,J=7.8Hz),7.3
5(2H,br).
【0055】(F)3−[2−(4−フェニル−1,3
−チアゾール−2−イル)エチル]アニリン (E)で得られたtert−ブチル N−[3−(3−
アミノ−3−チオキソプロピル)フェニル]カルバメー
ト(200mg、0.72mmol)をエタノール(5
ml)に溶解し、フェナシルブロマイド(142mg、
0.72mmol)を加えて、1時間20分間加熱還流
した。溶媒を溜去後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて、クロロホルム抽出、飽和食塩水にて洗浄
後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去した。
これを塩化メチレン(5ml)に溶解し、氷冷下トリフ
ルオロ酢酸(5ml)を滴下し、同温にて30分間攪拌
した。溶媒を溜去後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、クロロホルム抽出、飽和食塩水にて洗浄
後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム)にて精製し、黄色油状物として表題化合物(19
4mg、96.9%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.06(2H,t,J
=7.8Hz),3.33(2H,t,J=7.8H
z),3.61(2H,br),6.52−6.58
(2H,m),6.65(1H,d,J=7.3H
z),7.08(1H,t,J=7.3Hz),7.2
8−7.35(2H,m),7.41(2H,t,J=
7.8Hz),7.89(2H,d,J=7.8H
z).
【0056】(G)2−(2−オキソ−2−{3−[2
−(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)エ
チル]アニリノ}エチル)ベンゾイックアシッド (F)で得られた3−[2−(4−フェニル−1,3−
チアゾール−2−イル)エチル]アニリン(194m
g、0.69mmol)をトルエン(5ml)に溶解
し、ホモフタリックアンハイドライド(約75%、16
8mg、1.04mmol)を加え、30分間加熱還流
した。冷却後、不溶物を濾取し、エーテルにて洗浄し
て、白色粉末として表題化合物(187mg、61.0
%)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:3.05(2H,
t,J=7.8Hz),3.33(2H,t,J=7.
8Hz),4.08(2H,s),6.95(1H,
d,J=7.8Hz),7.20(1H,t,J=7.
8Hz),7.30−7.45(7H,m),7.51
(1H,td,J=7.3,1.5Hz),7.55
(1H,br),7.88(1H,dd,J=7.8,
1.5Hz),7.92−7.96(2H,m),1
0.04(1H,br),12.82(1H,br). FAB/MS;m/z:443(MH+).
【0057】例3:(4S,5S)−5−[(5−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]−3−ピリジルアミ
ノ)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−カルボキシリックアシッド (A)5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミ
ノ]ニコチニックアシッド3,5−ピリジンジカルボキ
シリックアシッド(5.00g、29.9mmol)を
t−ブタノール(35ml)に懸濁し、トリエチルアミ
ン(8.34ml、59.8mmol)およびジフェニ
ルリン酸アジド(7.10ml、32.9mmol)を
滴下し、3時間加熱還流した。氷冷下、反応液に1規定
水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH>10としてエー
テル洗浄した。再び氷冷下1規定塩酸水溶液にてpH約
4とし析出物を濾取、水およびエーテルより洗浄して、
白色粉末として表題化合物(3.27g、45.9%)
を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.49(9H,
s),8.45(1H,s),8.66(1H,s),
8.75(1H,s),9.83(1H,br).
【0058】(B)tert−ブチル N−(5−[メ
トキシ(メチル)アミノ]カルボニル−3−ピリジル)
カルバメート (A)で得られた5−[(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ]ニコチニックアシッド(3.25g、1
3.6mmol)を塩化メチレン(100ml)に懸濁
し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.
00g、20.5mmol)を加え、氷冷下N,N−ビ
ス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン
酸クロリド(6.95g、27.3mmol)を加え、
ジイソプロピルエチルアミン(9.51ml、54.6
mmol)を滴下した。同温にて10分間攪拌後、室温
で24時間攪拌し、溶媒を溜去した。残渣に水を加えク
ロロホルム抽出、5%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて順次洗浄後、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去して、淡黄
色油状物とアワ状物質の混合物として表題化合物(1.
80g、46.9%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.53(9H,s),
3.38(3H,s),3.59(3H,s),7.2
7(1H,br),8.24(1H,br),8.59
(1H,d,J=1.9Hz),8.64(1H,d,
J=1.9Hz).
【0059】(C)tert−ブチル N−(5−ホル
ミル−3−ピリジル)カルバメート (B)で得られたtert−ブチル N−(5−[メト
キシ(メチル)アミノ]カルボニル−3−ピリジル)カ
ルバメート(1.80g、6.40mmol)をTHF
(20ml)に溶解し、系内を窒素置換した。−78℃
に冷却後、水素化リチウムアルミニウム(291mg、
7.68mmol)/THF(10ml)懸濁液を30
分かけて少しずつ滴下し、同温にて2時間半攪拌後、氷
冷にて20分間攪拌した。再び−78℃に冷却後、5%
硫酸水素カリウム水溶液(20ml)を加え、室温まで
昇温した。溶媒を溜去後、残渣を酢酸エチル抽出、1規
定水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄
後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去して、
黄色アワ状物質と油状物との混合物として表題化合物
(1.42g、定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.55(9H,s),
6.78(1H,br),8.44(1H,br),
8.69(1H,d,J=1.9Hz),8.75(1
H,d,J=1.9Hz),10.10(1H,s).
【0060】(D)2−(ブロモメチル)−4−イソプ
ロピル−1,3−チアゾール (4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)
メタノール(1.55g、9.86mmol)を塩化メ
チレン(20ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン
(3.10g、11.8mmol)を加え、四臭化炭素
(3.92g、11.8mmol)/塩化メチレン(1
0ml)溶液を滴下して、室温で30分間攪拌した。溶
媒を溜去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=10:1、v/
v)にて精製し、黄色油状物として表題化合物(1.3
9g、64.1%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.30(6H,d,J
=7.3Hz),3.01−3.15(1H,m),
4.72(2H,s),6.92(1H,s).
【0061】(E)ジエチル [(4−イソプロピル−
1,3−チアゾール−2−イル)メチル]ホスホネート (D)で得られた2−(ブロモメチル)−4−イソプロ
ピル−1,3−チアゾール(1.39g、6.31mm
ol)をトルエン(30ml)に溶解し、亜リン酸トリ
エチル(1.08ml、6.31mmol)を滴下し、
21時間加熱還流した。一度溶媒を溜去後、残渣を再び
トルエン(30ml)に溶解し、亜リン酸トリエチル
(1.08ml、6.31mmol)を滴下し、20時
間加熱還流した。亜リン酸トリエチル(1.08ml、
6.31mmol)を追加し、更に10時間加熱還流し
た。溶媒を溜去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム→クロロホルム:酢酸エチル=
1:1→1:2、v/v)にて精製し、淡黄色油状物と
して表題化合物(1.92g、定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.29(6H,d,J
=6.8Hz),1.30(6H,t,J=6.8H
z),3.01−3.15(1H,m),3.61(2
H,d,J=21.5Hz),4.11(2H,q,J
=6.8Hz),4.13(2H,q,J=6.8H
z),6.81(1H,s).
【0062】(F)tert−ブチル N−5−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]−3−ピリジルカルバ
メート (E)で得られたジエチル [(4−イソプロピル−
1,3−チアゾール−2−イル)メチル]ホスホネート
(0.87g、3.14mmol)をメタノール(30
ml)に溶解し、(C)で得られたtert−ブチル
N−(5−ホルミル−3−ピリジル)カルバメート
(0.70g、3.14mmol)/メタノール(10
ml)溶液を滴下し、氷冷下ナトリウムメトキサイド
(203mg、3.76mmol)を加え、室温で3時
間攪拌した。ナトリウムメトキサイド(203mg、
3.76mmol)を追加し、5時間室温で攪拌した。
溶媒を溜去後、残渣に酢酸エチルを加え、水および飽和
食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶
媒を溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム→クロロホルム:酢酸エチル=3:
1→2:1、v/v)にて精製し、白色固体として表題
化合物(0.82g、75.7%)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.33(6H,
d,J=6.8Hz),1.54(9H,s),3.0
7−3.20(1H,m),6.70(1H,s),
6.85(1H,s),7.33(1H,d,J=1
6.1Hz),7.39(1H,d,J=16.1H
z),8.29(2H,br),8.41(1H,
s).
【0063】(G)5−[(E)−2−(4−イソプロ
ピル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−エテニ
ル]−3−ピリジンアミン (F)で得られたtert−ブチル N−5−[(E)
−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2−
イル)−1−エテニル]−3−ピリジルカルバメート
(153mg、0.45mmol)を塩化メチレン(5
ml)に溶解し、氷冷下トリフルオロ酢酸(5ml)を
滴下し同温で1時間攪拌後、室温で2時間半攪拌した。
溶媒を溜去後、残渣に水を加え、エーテル洗浄、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液にてpH約8とし、クロロホル
ム抽出、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムに
て乾燥し、溶媒を溜去して、淡黄色固体として表題化合
物(72mg、66.7%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.33(6H,d,J
=7.3Hz),3.06−3.18(1H,m),
3.74(2H,br),6.84(1H,s),7.
09−7.12(1H,m),7.24−7.29(2
H,m),8.03(1H,d,J=2.9Hz),
8.16(1H,d,J=1.5Hz).
【0064】(H)メチル(4S,5S)−5−[(5
−[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾ
ール−2−イル)−1−エテニル]−3−ピリジルアミ
ノ)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−カルボキシレート (G)で得られた5−[(E)−2−(4−イソプロピ
ル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−エテニル]
−3−ピリジンアミン(72mg、0.30mmol)
を塩化メチレン(5ml)に溶解し、(4S,5S)−
5−(メトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,
3−ジオキソラン−4−カルボキシリックアシッド(9
0mg、0.44mmol)を加え、氷冷下ジイソプロ
ピルエチルアミン(123μl、0.71mmol)を
滴下し、N,N−ビス−(2−オキソー3−オキサゾリ
ジニル)ホスフィン酸クロリド(90mg、0.35m
mol)を加え、同温で10分間攪拌後、室温で16時
間攪拌した。溶媒を溜去後、残渣に水を加え、クロロホ
ルム抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食
塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒
を溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=20:
1、v/v)にて精製し、淡黄色油状物として表題化合
物(78mg、61.2%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(6H,d,J
=6.8Hz),1.55(3H,s),1.59(3
H,s),3.05−3.20(1H,m),3.89
(3H,s),4.87(1H,d,J=5.4H
z),4.94(1H,d,J=5.4Hz),6.8
8(1H,s),7.28(1H,s),7.35−
7.45(2H,m),8.42−8.65(3H,
m).
【0065】(I)(4S,5S)−5−[(5−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]−3−ピリジルアミ
ノ)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−カルボキシリックアシッド (H)で得られたメチル (4S,5S)−5−[(5
−[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾ
ール−2−イル)−1−エテニル]−3−ピリジルアミ
ノ)カルボニル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−カルボキシレート(78mg、0.18m
mol)をTHF−メタノール(3:1、v/v、4m
l)に溶解し、氷冷下水酸化リチウム一水和物(8m
g、0.20mmol)/水(1ml)溶液を滴下し、
室温で3時間半攪拌した。溶媒を溜去後、残渣に少量の
水を加えエーテル洗浄、1規定塩酸水溶液にてpH約7
とし、クロロホルム抽出、飽和食塩水にて洗浄後、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を溜去した。残渣にヘ
キサンを加え、粉末状として濾取し、ヘキサンより洗浄
して、淡黄色粉末として表題化合物(75mg、定量
的)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.27(6H,
d,J=6.8Hz),1.45(6H,s),2.9
9−3.10(1H,m),4.73−4.83(2
H,m),7.30(1H,s),7.46(1H,
d,J=16.1Hz),7.52(1H,d,J=1
6.1Hz),8.39(1H,s),8.63(1
H,s),8.71(1H,s),10.64(1H,
br). EI/MS;m/z:417(M+). FAB/MS;m/z:418(MH+).
【0066】例4:(4R,5R)−5−(3−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]アニリノカルボニル)
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カル
ボキシリックアシッド (A)(4R,5R)−5−(メトキシカルボニル)−
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボ
キシリックアシッド ジメチル (4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4,5−ジカルボキシレート(1.1
0g、5.04mmol)をメタノール(30ml)に
溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(5.0ml、
5.0mmol)を滴下し、室温で15分間攪拌後、1
時間半加熱還流した。冷却後、溶媒を溜去し、残渣に少
量の水を加え、エーテル洗浄、1規定塩酸水溶液にてp
H約1とした。酢酸エチル抽出後、飽和食塩水にて洗浄
し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒を溜去して、無
色油状物としてジカルボン酸体を含む表題化合物(0.
74g)を得た。NMRより目的物の換算収量は0.5
0g、48.6%、ジカルボン酸は0.24g。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.53(3H,s),
1.54(3H,s),3.85(3H,s),4.7
7−4.91(2H,m),5.99(1H,br).
【0067】(B)メチル (4R,5R)−5−(3
−[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾ
ール−2−イル)−1−エテニル]アニリノカルボニ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−
カルボキシレート 3−[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チア
ゾール−2−イル)−1−エテニル]アニリン(202
mg、0.83mmol)を塩化メチレン(10ml)
に溶解し、(A)で得られた(4R,5R)−5−(メ
トキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソラン−4−カルボキシリックアシッド(ジカルボン
酸を約1/3含む)(338mg、1.66mmol)
を加え、氷冷下ジイソプロピルエチルアミン(433μ
l、2.49mmol)を滴下し、N,N−ビス−(2
−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリ
ド(316mg、1.24mmol)を加えて、同温で
10分間攪拌後、室温で13時間半攪拌した。溶媒を溜
去後、残渣に水を加え、クロロホルム抽出、1規定塩酸
水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和
食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥
し、溶媒を溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール
=50:1、v/v)にて精製し、淡黄色油状物として
表題化合物(90mg、25.2%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(6H,d,J
=7.3Hz),1.52(3H,s),1.55(3
H,s),3.06−3.17(1H,m),3.87
(3H,s),4.73−4.81(1H,m),4.
84−4.92(1H,m),6.81(1H,s),
7.23−7.41(4H,m),7.45−7.51
(1H,m),7.80(1H,s),8.32(1
H,s).
【0068】(C)(4R,5R)−5−(3−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]アニリノカルボニル)
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カル
ボキシリックアシッド (B)で得られたメチル (4R,5R)−5−(3−
[(E)−2−(4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イル)−1−エテニル]アニリノカルボニル)
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カル
ボキシレート(90mg、0.21mmol)をTHF
−メタノール(3:1、v/v、4ml)に溶解し、氷
冷下水酸化リチウム一水和物(9mg、0.23mmo
l)/水(1ml)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌し
た。溶媒を溜去後、残渣に少量の水を加え、エーテル洗
浄、1規定塩酸水溶液にてpH約1とし、酢酸エチル抽
出、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥し、溶媒を溜去した。残渣にヘキサンを加え、粉末状
として濾取し、ヘキサンより洗浄して、淡黄色粉末とし
て表題化合物(58mg、67.4%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(6H,d,J
=6.8Hz),1.59(3H,s),1.61(3
H,s),3.08−3.20(1H,m),4.59
(1H,s),4.75(1H,s),6.85(1
H,s),7.17(1H,br),7.32−7.4
5(3H,m),7.48−7.58(1H,m),
7.80(1H,s),8.45(1H,s). EI/MS;m/z:416(M+). FAB/MS;m/z:417(MH+).
【0069】例5:4−((3−((E)−2−(4−
イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−
エテニル)アニリノ)カルボニル)−3−フロイックア
シッド (A)4−(メトキシカルボニル)−3−フロイックア
シッド 市販のジメチル 3,4−フランジカルボキシレート
(504.1mg)のメタノール溶液(3ml)に、室
温にて1N水酸化ナトリウム水溶液(3.01ml)を
加え、同温にて3時間攪拌した。溶媒を留去して得られ
た残留物に水を加え、ジエチルエーテルにて洗浄した。
水層を1N塩酸を用いて酸性とし、酢酸エチルにて抽出
にた。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去して
4−(メトキシカルボニル)−3−フロイックアシッド
(379.8mg、82%)を無色固形物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.01(3H,s),
8.13(1H,d,J=2.0Hz),8.25(1
H,d,J=2.0Hz).
【0070】(B)メチル 4−(3−[(E)−2−
(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)
−1−エテニル]アニリノカルボニル)−3−フロエー
ト 4−(メトキシカルボニル)−3−フロイックアシッド
(101.1mg)および3−[(E)−2−(4−イ
ソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−エ
テニル]アニリン(132.0mg)の塩化メチレン溶
液(5ml)に、室温にてジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(122.6mg)およびN,N−ジメチルアミノ
ピリジン(72.6mg)を加え、同温にて18時間攪
拌した。不溶物をろ去後、溶媒を留去して得られた残留
物を酢酸エチルに溶解し、不溶物をろ去した。溶媒を留
去して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=99:
1、v/v)で精製し、メチル4−(3−[(E)−2
−(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イ
ル)−1−エテニル]アニリノカルボニル)−3−フロ
エート(165.3mg、77%)を淡黄色固形物とし
て得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(6H,d,J
=6.8Hz),3.12(1H,quint,J=6.8
Hz),3.99(3H,s),6.81(1H,
s),7.20−7.30(1H,m),7.30−
7.40(3H,m),7.77(1H,d,J=7.
8Hz),7.91(1H,s),8.14(1H,
d,J=2.0Hz),8.28(1H,d,J=2.
0Hz).
【0071】(C)4−((3−((E)−2−(4−
イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−
エテニル)アニリノ)カルボニル)−3−フロイックア
シッドメチル 4−(3−[(E)−2−(4−イソプ
ロピル−1,3−チアゾール−2−イル)−1−エテニ
ル]アニリノカルボニル)−3−フロエート(162.
1mg)のメタノール(2ml)−THF(1.5m
l)混合溶液に、室温にて水酸化リチウム1水和物(1
9.3mg)の水溶液(0.6ml)を加え、同温にて
2時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物に1N
塩酸(0.46ml)を加え、1N水酸化ナトリウム水
溶液にて中和後、クロロホルムならびに酢酸エチルにて
抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去
して得られた残留物をジエチルエーテルを用いてろ取
し、4−((3−((E)−2−(4−イソプロピル−
1,3−チアゾール−2−イル)−1−エテニル)アニ
リノ)カルボニル)−3−フロイックアシッド(11
6.1mg、74%)を無色固形物として得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.27(6H,
d,J=6.8Hz),3.05(1H,quint,J=
6.8Hz),7.25(1H,s),7.35−7.
45(4H,m),7.62(1H,d,J=7.8H
z),7.94(1H,s),8.20−8.35(2
H,m). FAB−MS;m/z:383(MH+). 元素分析(C201824S・H2Oとして): 計算値:C,59.99;H,5.03;N,7.0
0. 実測値:C,60.26;H,4.68;N,6.8
8.
【0072】例6:1−シクロプロピル−6,7−ジフ
ルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン
カルボキシリックアシッド (A)エチル 1−シクロプロピル−6−フルオロ−7
−[(4−イソプロピル−1,3−チアゾ−ル−2−イ
ル)メトキシ]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−
キノリンカルボキシレ−ト (4−イソプロピル−1,3−チアゾ−ル−2−イル)
メタノ−ル(特開平6−80654)(95mg、0.
60mmol)をDMF(1.5ml)に溶解し、18
−クラウン−6(174mg)、水素化ナトリウム(9
5%、17mg)を加え、窒素雰囲気下10分間攪拌し
た。エチル 1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ
−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボ
キシレ−ト(150mg)を加え、80℃で2時間攪拌
した後、反応液を酢酸エチル−1規定塩酸に分配し、有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。
残留物にエーテルを加え、得られる粉末を濾取し、白色
粉末として表題化合物(175mg、80%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.08(4H,m),
1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.40(3
H,t,J=7.3Hz),3.11(1H,m),
3.36(1H,m),4.38(2H,q,J=7.
3Hz),5.57(2H,s),6.91(1H,
s),7.58(1H,t,J=6.8Hz),8.1
6(1H,d,J=10.2Hz),8.53(1H,
s).
【0073】(B)1−シクロプロピル−6,7−ジフ
ルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン
カルボキシリックアシッド (A)で得られたエチル 1−シクロプロピル−6−フ
ルオロ−7−[(4−イソプロピル−1,3−チアゾ−
ル−2−イル)メトキシ]−4−オキソ−1,4−ジヒ
ドロ−3−キノリンカルボキシレ−ト(40mg、0.
09mmol)を酢酸(1ml)−硫酸(1mL)に溶
解し、130℃で11時間攪拌した。反応液を酢酸エチ
ル−氷水に分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシ
リカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノー
ル、10:1、v/v)で精製し、白色粉末として表題
化合物(37mg、99%)を得た。1 H−NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.19
(2H,m),1.34(6H,d,J=7.3H
z),1.47(2H,m),3.14(1H,m),
3.69(1H,m),5.63(2H,s),7.1
2(1H,s),7.86(1H,t,J=6.8H
z),8.10(1H,d,J=10.8Hz),8.
84(1H,s). FAB−MS;m/z:403(MH+
【0074】例7:1−シクロプロピル−6−フルオロ
−7−[(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2
−イル)メトキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テ
トラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−4−キノ
リノン (A)1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−
オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボキサミ
ド 1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ
−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸(10
0.3mg、0.38mmol)のジメチルホルムアミ
ド懸濁液(2ml)に、窒素気流下0℃にてエチルクロ
ロホルメート(54.0μl,0.57mmol)およ
びトリエチルアミン(79.1μl、0.57mmo
l)を加え、同温にて1時間、室温にて30分間、さら
に0℃にて30分間攪拌した後、アンモニア水(70μ
l)を加え一晩攪拌した。酢酸エチルを加え、5%クエ
ン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和
食塩水にて順次洗浄。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、
溶媒を留去して標記化合物(99.2mg、99.3
%)を無色固形物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.15−1.25(2
H,m)、1.35−1.45(2H,m)、3.45
−3.55(1H,m)、5.72(1H,brs)、
7.81(1H,dd,J=11.2、6.3Hz)、
8.28(1H,dd,J=10.3、8.8Hz)、
8.89(1H,s)、9.52(1H,br s).
【0075】(B)1−シクロプロピル−6,7−ジフ
ルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリン
カルボニトリル ジメチルホルムアミド(61.9μl、0.79mmo
l)のアセトニトリル溶液(1ml)に、氷冷下オキザ
リルクロリド(63.4μl、0.72mmol)を加
え、同温にて15分間攪拌した後、1−シクロプロピル
−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ
−3−キノリンカルボキサミド(96.0mg、0.3
6mmol)のアセトニトリル懸濁液(2ml)を加
え、同温にて5分間攪拌した。これにピリジン(0.1
18ml、1.44mmol)を加え、同温にて10分
間、室温にて20分間攪拌した。溶媒を留去して得られ
た残留物に酢酸エチルを加え、5%クエン酸水溶液、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて順次
洗浄。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去して
標記化合物(71.0mg、79.4%)を無色固形物
として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.10−1.20(2
H,m)、1.35−1.45(2H,m)、3.45
−3.55(1H,m)、7.78(1H,dd,J=
11.2、6.3Hz)、8.16(1H,s)、8.
20(1H,dd,J=10.0、8.8Hz).
【0076】(C)1−シクロプロピル−6−フルオロ
−7−[(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2
−イル)メトキシ]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−
3−キノリンカルボニトリル 水素化ナトリウム(13.4mg,0.34mmol)
のジメチルホルムアミド溶液(3ml)に、窒素気流下
室温にて18−クラウン−6(81.2mg、0.31
mmol)および4−イソプロピル−1,3−チアゾー
ル−2−イルメタノール(43.9mg、0.28mm
ol)を加え、同温にて15分間攪拌した。反応液に1
−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−
1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボニトリル(6
8.8mg、0.28mmol)のジメチルホルムアミ
ド溶液(3ml)を加え、同温にて1.5時間攪拌し
た。酢酸エチル、1規定塩酸(0.335ml)および
水を加え、分配。酢酸エチル層を水、飽和食塩水にて洗
浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥。溶媒を留去して得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=99:
1)にて精製し、標記化合物(77.6mg、72.4
%)を淡黄色固形物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.05−1.10(2
H,m)、1.31(6H,d,J=7.1Hz)、
1.35−1.45(2H,m)、3.05−3.15
(1H,m),3.35−3.45(1H,m)、5.
59(2H,s)、6.98(1H,s)、7.63
(1H,d,J=6.6Hz)、8.07(1H,d,
J=10.5Hz)、8.08(1H,s).
【0077】(D)1−シクロプロピル−6−フルオロ
−7−[(4−イソプロピル−1,3−チアゾール−2
−イル)メトキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テ
トラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−4−キノ
リノン 塩化アルミニウム(41.0mg、0.30mmol)
のジメチルホルムアミド溶液(2ml)に、氷冷下アジ
化ナトリウム(66.6mg、1.02mmol)を加
え、室温にて20分間攪拌した。次いで、1−シクロプ
ロピル−6−フルオロ−7−[(4−イソプロピル−
1,3−チアゾール−2−イル)メトキシ]−4−オキ
ソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボニトリル
(39.3mg、0.10mmol)のジメチルホルム
アミド溶液(2ml)を加え、85−90℃にて1日間
攪拌した。氷水−1規定塩酸(1.1ml)に反応液を
注ぎ、室温にて30分間攪拌した。析出物を濾取、水お
よび少量のエタノールで洗浄後に乾燥し、標記化合物
(13.2mg)を無色固形物として得た。さらに母液
を1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpH4とし、析出
物を濾取、水および少量のエタノールで洗浄後に乾燥
し、標記化合物(15.9mg、合計66.6%)を無
色固形物として得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.10−1.20
(2H,m)、1.26(6H,d,J=6.8H
z)、1.30−1.40(2H,m)、3.00−
3.15(1H,m),3.65−3.75(1H,
m)、5.77(2H,s)、7.39(1H,s)、
7.92(1H,d,J=7.3Hz)、8.03(1
H,d,J=11.2Hz)、8.79(1H,s). FAB−MS;m/z:427(MH+
【0078】試験例:多剤耐性緑膿菌に対する抗微生物
剤との併用効果 多剤耐性緑膿菌として、薬剤排出ポンプ高発現株である
緑膿菌PAM1723株を使用した。併用抗菌薬として
キノロン系抗菌薬であるレボフロキサシン(LVFX)
あるいはモノバクタム系抗生物質であるアズトレオナム
(AZT)を供試した。表4に示す化合物について、前
述抗菌薬のPAM1723株に対する最小発育阻止濃度の1/
4及び1/8以下の濃度と併用した際に、抗菌活性を増
強するのに必要な各化合物の最低濃度(μg/ml)を測定し
た。表中の数値は最小発育阻止濃度の1/8以下の濃度
と併用した際に、抗菌活性を増強するのに必要な各化合
物の最低濃度(μg/ml)として示した。レボフロキサシン
については7.5時間併用時の効果を、また、アズトレ
オナムについては18時間併用時の効果を示した。培地
はミューラーヒントンブロス(MHB,Difco)を
用い、接種菌量は1×106CFU/mlとした。菌の
濁度を光学的に経時的に測定し、また、肉眼にて培地の
濁りを確認することによりその効果を判定した。
【0079】
【表4】
【0080】実施例1 (1)ファーマコフォアの算出 表4に示すそれぞれの化合物についてCATALYST
TMのコンホメーションサーチ機能を用い、発生させるコ
ンホメーションのエネルギーの許容範囲を20kcal/mol、
最大コンホメーション数250とし、Best Qualityで計
算した。次に発生させたコンホメーション全てを化合物
情報に登録した。これらすべての化合物を使用し、CA
TALYSTTMのファーマコフォア(Hypothesis)発生
機能の一つであるCATALYST/HipHopを用い、ファーマコ
フォアを算出した。得られた結果のうち、最も妥当性の
高いものを選出した。
【0081】得られたファーマコフォアを図1に示し
た。図中の各サイトは中心より半径1.7Åの球として
表示している。ただし、サイト1及び4に関しての許容
範囲はそれぞれの中心より半径(Tolerance)
2Åの球である。また、得られたファーマコフォアにす
べての化合物を重ね合わせた結果を図2に示した。化合
物の重ねあわせはCATALYSTTMのCompare
/Fit機能を用いて行った。図2中、水素原子は表示
していない。また、図中、球の部分にあたる範囲がそれ
ぞれのサイトを示しているが、サイト1及び4に関して
は半径1.7Åの球として示してある(実際の許容範囲
は2Åの半径の球である)。また、図3ないし図9に
は、それぞれの化合物がどのように本ファーマコフォア
に重なり合うかを示した。
【0082】(2)ファーマコフォアに化合物が適合する
か否かの確認 このファーマコフォアに化合物が適合するか否かの確認
は、以下のように行うことができる。化合物のコンメー
ションを例えばCATALYSTTM, CHARMm, MMFF等の分子力場
法、及びMOPAC等の分子軌道法プログラム(これらは一
例であり、これらのプログラムに限定されることはな
い)を用いて算出する。それぞれのコンホメーションを
CATALYSTTM等のプログラムを用いて、またはマニュアル
で個々にファーマコフォアに重ね合わせる。上記の4つ
のサイトをその部分構造が占有する化合物、又は4つの
サイトにその部分構造が触れる化合物は、ファーマコフ
ォアに適合する化合物とみなすことができ、緑膿菌薬剤
排出ポンプ阻害活性を有する化合物であると判定でき
る。より具体的には、化合物がファーマコフォアに重ね
合わされた時、それぞれのサイトに対して、そのサイト
のFeatureに一致する部分構造中の構成原子がそのサイ
トから0.5〜3Å以内に入る場合、より好ましくはサ
イト1及びサイト4については2Å、サイト2及びサイ
ト3については1.7Å以内の許容範囲(Tolerance)
内に入る場合、その化合物はファーマコフォアに適合す
る判定される。
【0083】例えば、図3〜7及び図9に示したよう
に、それぞれの化合物の部分構造は各サイトの中心から
1.7Åの半径で発生させた球内を占有しており、上記
の許容範囲を満足している。また、図8に示した化合物
はサイト2及びサイト3に関してその部分構造が各サイ
トの中心から1.7Åの半径で発生させた球内に入って
おり、サイト1及びサイト4に関しては、同様に発生さ
せた中心から半径1.7Åの球に部分構造が触れ、2Å
以内に入っている。従って、上記の許容範囲を満足する
と判定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CATALYSTTMのファーマコフォア(Hy
pothesis)発生機能の一つであるCATALYST/HipHopを用
い、表4に示す化合物からファーマコフォアを算出し、
得られた結果のうち最も妥当性の高いファーマコフォア
を示した図である。
【図2】 図1に示したファーマコフォアに表4に示す
すべての化合物を重ね合わせた結果を示した図である。
【図3】 例1の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図4】 例2の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図5】 例3の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図6】 例4の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図7】 例5の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図8】 例6の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
【図9】 例7の化合物を図1に示したファーマコフォ
アに重ね合わせた結果を示した図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 C07D 417/12 C07D 417/12 417/14 417/14 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 Z G06F 17/30 170 G06F 17/30 170F Fターム(参考) 2G045 AA40 CB21 DA77 JA01 4C033 AD06 AD17 AD20 4C063 AA01 AA03 BB08 BB09 CC62 CC75 CC81 DD12 DD14 DD62 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 BC82 GA02 GA07 GA08 GA10 NA05 NA12 NA14 ZB35 ZC75 5B075 ND03 ND20 ND34 UU18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の4つのサイトを以下の許容範囲
    内: 【表1】 で占有する部分構造を有し、緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害
    作用を有することを特徴とする化合物、その塩、又はそ
    れらの水和物。
  2. 【請求項2】 緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性が40μ
    g/mL以下である請求項1に記載の化合物、その塩、
    又はそれらの水和物。
  3. 【請求項3】 下記の一般式(I): 【化1】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置
    換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していて
    もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール
    基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を示す
    か、あるいはR1及びR2が互いに結合してそれらが置換
    するJ1の2個の隣接する環構成原子とともに形成する
    5〜7員の飽和又は不飽和の環を示し;R3は水素原
    子、水酸基、又はアルコキシ基を示し;J1は5員又は
    6員の芳香族ヘテロ環を示し;W1は−CH=CH−、
    −C≡C−、−CH2CH2−、−OCH2−、−SCH2
    −、−OCH2O−、−CH2O−、−CH2−、−CO
    −、−CH2CH2CH2−、−CH2NH−、−NHCH
    2−、−CH2S−、−CONH−、−CH2SCH 2−、
    −CH=CH−CONH−、及び−CH2OCH2−から
    なる群から選ばれる基(上記の基の左側がJ1の環構成
    原子に結合する)又は単結合を示し;A1は置換基を有
    していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよ
    いピリジンジイル基、置換基を有していてもよいフラン
    ジイル基、置換基を有していてもよいチオフェンジイル
    基、置換基を有していてもよいベンゾフランジイル基、
    置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェンジイ
    ル基、置換基を有していてもよいベンゾオキサゾールジ
    イル基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾールジ
    イル基、置換基を有していてもよいピリド[1,2−
    a]ピリミジンジイル基、置換基を有していてもよいキ
    ナゾリンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾト
    リアジンジイル基、置換基を有していてもよい2H−ク
    ロメンジイル基、置換基を有していてもよいキノリン−
    4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよいアザキ
    ノリン−4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよ
    いキノリンジイル基、置換基を有していてもよいチアジ
    アゾロ[3,2−a]ピリミジンジイル基、又は置換基
    を有していてもよいチアゾロ[3,2−a]ピリミジン
    ジイル基を示し;G1は酸素原子、カルボニル基、エチ
    ニル基、−CH=N−、−N(R4)CO−、−(C
    2)−N(R5)−CO−、−N(R6)−、−N
    (R7)−SO2−、−SO2N(R8)−、−CON(R
    9)−、−C(=CHR10)−、−C(R11)=C
    (R12)−、−NHCO−C(R13)(R14)−、−C
    ONH−C(R15)(R16)−、又は−CH2O(C
    2q−(式中、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9
    それぞれ独立に水素原子、水酸基、又は置換基を有して
    いてもよいアルキル基を示し;R10はシアノ基、カルボ
    キシル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシカ
    ルボニル基を示し;R11及びR12はそれぞれ独立に水素
    原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキ
    ル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す
    か、あるいはR11及びR12が互いに結合して形成する環
    を示し;R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はア
    ルキル基を示すか、あるいはR13及びR14が互いに結合
    して形成するアルキレン基を示し;R15及びR16はそれ
    ぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示すか、あるいは
    15及びR16が互いに結合して形成するアルキレン基を
    示し;qは0〜5の整数を示す)を示し;pは0から3
    の整数を示し;G2は置換基を有していてもよいフェニ
    レン基、置換基を有していてもよいフランジイル基、置
    換基を有していてもよいテトラヒドロフランジイル基、
    置換基を有していてもよいピリジンジイル基、置換基を
    有していてもよいチアゾリンジイル基、置換基を有して
    いてもよいイソオキサゾリンジイル基、置換基を有して
    いてもよい1,3−ジオキソランジイル基、置換基を有
    していてもよいチオフェンジイル基、置換基を有してい
    てもよいピリミジンジイル基、−C(R17)=C
    (R18)−[C(R19)=C(R20)]y−(式中、R
    17、R18、R19、及びR20はそれぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
    又は置換基を有していてもよいアリール基を示すか、あ
    るいはR17とR18とが互いに結合して形成する環、及び
    /又はR19とR20と互いに結合して形成する環を示し、
    yは0から3の整数を示す)、又は−C(R21
    (R22)−C(R23)(R24)−(式中、R21、R22
    23、及びR24はそれぞれ独立に水素原子、フェニル
    基、又は炭素数1〜6のアルキル基を示すか、R21とR
    22とが互いに結合して形成する環、及び/又はR23とR
    24とが互いに結合して形成する環を示す。あるいはR21
    とR23とが互いに結合して形成する環を示す)を示し;
    3は−CH2−又は単結合を示し;m及びnはそれぞれ
    独立に0又は1の整数を示し;及びQ1は酸性基を示
    す〕で表される請求項1に記載の化合物、その塩、又は
    それらの水和物。
  4. 【請求項4】 下記の一般式(II): 【化2】 〔式中、R31及びR32はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
    ゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
    置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有してい
    てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
    ル基、又は置換基を有していてもよいヘテロ環基を示す
    か、あるいはR31及びR32が互いに結合してそれらが置
    換するJ11の2個の隣接する環構成原子とともに形成す
    る6員環を示し;J11は5員又は6員の芳香族ヘテロ環
    を示し;W11は−CH=CH−、−CH2CH2−、−O
    CH2−、−SCH2−、−OCH 2O−、−CH2O−、
    −CH2−、−CO−、−CH2CH2CH2−、−CH2
    NH−、−NHCH2−、−CH2S−、−CONH−、
    −CH2SCH2−、−CH=CH−CONH−、及び−
    CH2OCH2−からなる群から選ばれる基(上記の基の
    左側がJ11の環構成原子に結合する)又は単結合を示
    し;A11は置換基を有していてもよいピリジンジイル
    基、置換基を有していてもよいピリド[1,2−a]ピ
    リミジンジイル基、置換基を有していてもよいキノリン
    −4−オン−ジイル基、置換基を有していてもよいアザ
    キノリン−4−オン−ジイル基、置換基を有していても
    よいキノリンジイル基、置換基を有していてもよいチア
    ジアゾロ[3,2−a]ピリミジンジイル基、又は置換
    基を有していてもよいチアゾロ[3,2−a]ピリミジ
    ンジイル基を示し;G11は酸素原子、カルボニル基、エ
    チニル基、−CH=N−、−N(R33)CO−、−N
    (R34)SO2−、−SO2N(R35)−、−CON(R
    36)−、−C(=CHR37)−、又は−C(R38)=C
    (R39)−(式中、R33、R34、R35、R36、R37、R
    38、及びR39はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有
    していてもよいアルキル基を示す)を示し;mは0又は
    1の整数を示し;及びQ11は酸性基を示す〕で表される
    請求項1に記載の化合物、その塩、又はそれらの水和
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の化合物、生理学的に許容されるその塩、又はそれらの
    水和物を含む薬剤排出ポンプ阻害剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の化合物、生理学的に許容されるその塩、又はそれらの
    水和物を有効成分として含む微生物感染症の予防及び/
    又は治療のための医薬。
  7. 【請求項7】 緑膿菌薬剤排出ポンプ阻害活性を有する
    化合物をスクリーニングする方法であって、コンピュー
    タプログラムにより、及び/又は実験的な3次元構造解
    析により被験化合物の部分構造が請求項1に記載の4つ
    のサイトを請求項1に記載の許容範囲内で占有するか否
    かを判定する工程を含む方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002087589A1 (fr) * 2001-04-26 2002-11-07 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Medicament permettant d'inhiber une pompe d'elimination de medicament
JP2002322054A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd 薬剤排出ポンプ阻害薬
JP2006514023A (ja) * 2002-12-23 2006-04-27 4エスシー エージー 抗炎症剤、免疫調節剤及び増殖抑制剤としての芳香族化合物
US7056917B2 (en) * 2001-04-26 2006-06-06 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Drug efflux pump inhibitor
WO2007091395A1 (ja) 2006-02-10 2007-08-16 Tokai University 緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を阻害する方法及び薬剤

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