JP2002128590A - 分子線エピタキシ装置用ルツボおよびそれを備えた分子線エピタキシ装置 - Google Patents
分子線エピタキシ装置用ルツボおよびそれを備えた分子線エピタキシ装置Info
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Abstract
することができる分子線エピタキシ装置用ルツボおよび
それを用いたMBE装置を提供する。 【解決手段】 分子線材料が充填される内ルツボ1の底
部1cを収容するように外ルツボ2を配置している。こ
れにより、仮に、内ルツボ1が割れてしまっても、内ル
ツボ1の底部1cが外ルツボ2に収容されているから、
内ルツボ1から流出した分子線材料は外ルツボ2で受止
められる。
Description
部分であり、分子線材料が充填される分子線エピタキシ
(以下、MBEと言う)装置用ルツボおよびそれを備え
たMBE装置に関する。
半導体発光素子や高移動度電子素子に利用される化合物
半導体の成長法が実用化されている。この成長法として
は、液相エピタキシャル法、有機金属化学気相成長法、
MBE法などが挙げられる。特にMBE法は、原子層レ
ベルでの膜厚・膜質・ドーパント制御などに優れている
ため、半導体発光素子や高移動度電子素子の製造方法と
して注目されており、半導体レーザの量産技術としても
既に実用化されている。
いて説明する。
このMBE装置は、図9に示すように、結晶成長室10
0と、この結晶成長室100に収容され、成長基板11
0を保持する基板ホルダ102と、この基板ホルダ10
2に対向するように結晶成長室100に取り付けられた
セル111,111とを備えている。このセル111,1
11は、分子線発生装置であり、Ga、As、Alなど
の分子線材料115が充填されたルツボ101,101
を装着する。また、上記セル111は、図10に示すよ
うに、ルツボ101を加熱するヒータ116と、ルツボ
101の温度を検出する熱電対117とを有している。
このセル111のヒータ116により分子線材料115
が加熱されると、図9に示すように、分子線材料115
は分子線114となって成長基板110上に供給され
る。このとき、上記セル111の正確な温度制御によ
り、成長基板110上への材料分子線強度を制御してい
る。また、上記セル111,111と成長基板110と
の間にはシャッタ112,112を設けている。このシ
ャッタ112,112の開閉により、分子線供給のオン
・オフを行えるようになっている。さらに、上記成長基
板110への不純物混入を極力防ぐためイオンポンプな
どの高性能ポンプを取り付けたり、結晶成長室100の
内壁に液体窒素を充填できるクライオパネル113を設
けている。結晶成長中は、そのクライオパネル113に
液体窒素を充填して、結晶成長室100内の到達真空度
を極限まで高めている。
1による精密な温度制御、シャッタ112の開閉、到達
真空度が高い(超高真空)状態の3つにより、非常に精密
な膜厚・膜質・組成制御が行える。
し、図11(b)にルツボ101の断面図を示してい
る。上記ルツボ101は、図11(a),(b)に示す
ように円錐形状をしている。また、上記ルツボ101の
材質として、高温の融解金属と反応しにくく、熱伝導率
・耐熱衝撃性にも優れたPBN(パイロリティック―ボ
ロンナイトライド)を一般に用いる。
置に使用されるルツボ101は、優れた特性を持つPB
N製であっても割れることがあって、その割れた箇所か
ら分子線材料115が漏れ出るという問題がある。
昇華材料を除いた金属材料である場合は、図12(a)
に示すように、充填直後は固体であるが、昇温が開始さ
れ温度が材料の融点を越えると液化し始める。そして、
図12(b)に示すように、結晶成長時には分子線材料
115は液体状態になっている。すなわち、結晶性長時
においてルツボ101内には液体金属があることにな
る。だが、上記セル111の温度を一旦材料金属の融点
以下に下げると、分子線材料115(材料金属)が固化
し始める。その分子線材料115の相変化に伴って、図
13の矢印A方向の引っ張りもしくは圧縮応力がルツボ
101に加わる。その後、上記セル111を昇温させる
と、固化していた分子線材料115が再び液化し、ルツ
ボ101に加えられていた応力が緩和する。このような
昇温・降温の熱サイクルが繰り返されると、図14に示
すように、ルツボ101に亀裂が入り、その亀裂から液
体状態の分子線材料(金属材料)115が染み出して、
ヒータ116・熱電対117を汚染する。液体金属であ
る分子線材料115がセル111のヒータ116や熱電
対117に付着するとルツボ101を意図通りに昇温で
きなくなるばかりか、最悪、ヒータ線や熱電対117が
断線しセル111自体が使い物にならなくなる。特に上
記分子線材料がAlである場合は熱サイクルによるルツ
ボ割れの傾向が強い。
れば割れを防げるということになるが、それは不可能で
ある。なぜなら、人間の誤動作や停電などによりルツボ
101の温度は簡単に金属材料の融点以下に下がってし
まうからである。さらに、メンテナンス作業に伴いルツ
ボ101の温度を下げざるを得ないこともある。つま
り、上記MBE装置の運用上、ルツボ101への昇温・
降温の熱サイクルは必ず生じてしまうのである。よっ
て、結晶性長時に液化する分子線材料をルツボ101に
充填する場合は、ルツボ割れの危険を常に考慮に入れな
ければならない。
にルツボ101の肉厚を厚くすることが考えられるが、
PBNはその特性上厚くし過ぎると層分離を起こし、結
果的には強度が低下してしまう。このため、PBN製の
ルツボ101の厚さには0.5〜2.0mmという適正
値があり、肉厚を厚くするという強度補強方法には限界
がある。
加えられないと、分子線材料115から生じる分子線量
が変化するため、成長基板102に対して安定した分子
線供給が行えなくなる。このように、供給する分子線1
14がふらつくと、意図どおりの結晶成長ができなくな
る。要するに、上記ルツボ101の温度を均一に保ち分
子線材料115に安定した熱量を加えられるかどうか
で、成長する素子の特性は大きく変化してしまうのであ
る。
するという性質がある。このため、Alなどを分子線材
料115として使用した場合、図15に示すように、ル
ツボ101の開口部101a付近の温度を高くし過ぎる
と、分子線材料115がルツボ101の内面を這い上が
る。その結果、上記分子線材料115がルツボ101か
らこぼれてセル111が破損してしまう。また、上記分
子線材料115がルツボ101の内面を這い上がると、
這い上がった分子線材料115の影響によって、溶融状
態の分子線材料115の表面(液面)が不安定になり、
分子線114のふらつきを引き起こす。このように、上
記ルツボ101の内面において分子線材料115の這い
上がりは、セル101の破壊および分子線114のふら
つきを生じさせるので好ましくない。
出を簡単な構造で確実に防止することができるMBE装
置用ルツボおよびそれを用いたMBE装置を提供するこ
とにある。
め、本発明のMBE装置用ルツボは、分子線材料が充填
される内ルツボと、この内ルツボの少なくとも一部を収
容する外ルツボとを備えたことを特徴としている。
内ルツボが割れたとしても、内ルツボの少なくとも一部
が外ルツボに収容されているから、内ルツボから漏れ出
た分子線材料が外ルツボで受止められる。つまり、上記
外ルツボによって分子線材料の外部への染み出しを防
ぐ。したがって、上記分子線材料の漏出を簡単な構造で
確実に阻止できる。
ツボは、上記内ルツボが上記外ルツボに熱的に接触して
いることを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボと外ルツボとが熱的に接触し
ているから、内ルツボと外ルツボとの温度差が無くな
り、内ルツボと外ルツボとの熱的均一性を保てる。した
がって、上記外ルツボを介して内ルツボ内の分子線材料
に熱量を安定して供給できる。
ツボは、上記内ルツボの側部全体が上記外ルツボに熱的
に接触していることを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボの側部全体が上記外ルツボに
熱的に接触しているから、内ルツボと外ルツボとの温度
差が無くなり、内ルツボと外ルツボとの熱的均一性を確
実に保てる。したがって、上記内ルツボの分子線材料に
熱量を安定して供給できる。
ツボは、上記内ルツボの外面は、上記内ルツボの材質よ
り熱的エミッシビティが低いコート材で覆われていると
共に、上記外ルツボの外面は、上記外ルツボの材質のよ
り熱的エミッシビティ(放射率)が低いコート材で覆わ
れていることを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボの外面を、内ルツボの材質よ
り熱的エミッシビティが低いコート材で被覆すると共
に、外ルツボの外面を、外ルツボの材質のより熱的エミ
ッシビティが低いコート材で被覆しているから、内ルツ
ボおよび外ルツボの熱は外部に放出されにくく、内ルツ
ボ内の分子線材料を効率よく加熱できる。
外部に放出されにくいから、内ルツボおよび外ルツボの
温度が均一に保たれ、分子線材料に熱量を安定して供給
することができる。
ツボは、上記内ルツボの外面のみが、上記内ルツボの材
質より熱的エミッシビティが低いコート材で覆われてい
ることを特徴としている。
ボによれば、内ルツボの外面のみを、内ルツボの材質よ
り熱的エミッシビティが低いコート材で被覆しているか
ら、内ルツボの熱は外部に放出されにくく、内ルツボの
分子線材料を効率よく加熱できる。
にくいから、内ルツボの温度が均一に保たれ、分子線材
料に安定した熱量を供給することができる。
晶成長室内に配置した場合、上記外ルツボの外面はコー
ト材で被覆されていないから、結晶成長室がコート材不
純物で汚染されるのを防げる。
ツボは、上記内ルツボの外面がカーボンで覆われている
ことを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボに赤外線加熱を施した場合、
内ルツボの外面が赤外線吸収材であるカーボンで覆われ
ているから、内ルツボが温まり易く、内ルツボを効率よ
く加熱することができる。
であるカーボンで被覆しているから、内ルツボが均一に
加熱されて、内ルツボの温度を均一に保てる。したがっ
て、上記分子線材料に安定した熱量を供給することがで
きる。
ツボは、上記内ルツボの底部の外面は、上記内ルツボの
材質より熱的エミッシビティが低いコート材で覆われて
いると共に、上記外ルツボの底部の外面は、上記外ルツ
ボの材質より熱的エミッシビティが低いコート材で覆わ
れていることを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボの底部の外面を、内ルツボの
材質より熱的エミッシビティが低いコート材で被覆して
いると共に、外ルツボの底部の外面を、外ルツボの材質
より熱的エミッシビティが低いコート材で被覆している
から、内ルツボおよび外ルツにおいて開口部よりも底部
の熱が放出されにくい。逆に言えば、上記底部よりも開
口部の熱が放出されやすい。これにより、上記内ルツボ
および外ルツにおいて、底部で温度が高く、かつ、開口
部で温度が低いという温度勾配が常につくことになる。
その結果、上記分子線材料が例えばAlなどであって
も、内ルツボの内面を分子線材料が這い上がらない。し
たがって、結晶成長時に分子線材料の表面が安定し、分
子線材料から生じる分子線のふらつきを抑えることがで
きる。
用ルツボをセルに装着した場合、上記分子線材料が例え
ばAlなどであっても、分子線材料が内ルツボの内面を
這い上がらないから、分子線材料が内ルツボからこぼれ
ず、分子線材料によってセルが破損するのを防止するこ
とができる。
ツボは、上記内ルツボの底部の外面のみが、上記内ルツ
ボの材質より熱的エミッシビティが低いコート材で覆わ
れていることを特徴としている。
ボによれば、上記内ルツボの底部の外面のみを、内ルツ
ボの材質より熱的エミッシビティが低いコート材で被覆
しているから、内ルツボにおいて開口部よりも底部の熱
が放出されにくい。逆に言えば、上記底部よりも開口部
の熱が放出されやすい。これにより、上記内ルツボにお
いて、底部で温度が高く、かつ、開口部で温度が低いと
いう温度勾配が常につくことになる。その結果、上記分
子線材料が例えばAlなどであっても、内ルツボの内面
を分子線材料が這い上がらない。したがって、結晶成長
時に分子線材料の表面が安定し、分子線材料から生じる
分子線のふらつきを抑えることができる。
用ルツボをセルに装着した場合、上記分子線材料が例え
ばAlなどであっても、分子線材料が内ルツボの内面を
這い上がらないから、分子線材料5が内ルツボからこぼ
れず、分子線材料によってセルが破損するのを防止する
ことができる。
用ルツボを例えば結晶成長室内に配置した場合、上記外
ルツボの外面はコート材で被覆されていないから、結晶
成長室がコート材不純物で汚染されるのを防ぐことがで
きる。
装置用ルツボを備えたことを特徴としている。
E装置用ルツボはルツボ割れによるセルの破損を防げる
から、ルツボ割れに伴うメンテナンスが不要になり、例
えば半導体レーザなどの量産効果を高めることができ
る。
ら、分子線がふらつかず、結晶成長を良好に行うことが
できる。したがって、良好な素子特性を有する例えば半
導体レーザを作成できる。
ボおよびそれを備えたMBE装置を図示の実施の形態に
より詳細に説明する。
施形態のMBE装置用ルツボの模式断面図である。この
MBE装置用ルツボは、図1に示すように分子線材料が
充填される円錐形状の内ルツボ1と、この内ルツボ1の
底部1cを収容する円錐形状の外ルツボ2とを備えてい
る。上記内ルツボ1は、外ルツボ2の上方に位置し、外
ルツボ2に接触していない。ここで、上記分子線材料と
は、結晶性長時に液化する金属、例えば、AlやGaや
Inなどである。
仮に、内ルツボ1が割れてしまっても、内ルツボ1の底
部1cが外ルツボ2に収容されているから、内ルツボ1
から流出した分子線材料は外ルツボ2で受止められる。
したがって、上記内ルツボ1内の分子線材料が外ルツボ
2より外に流出するのを阻止できる。
9に示す分子線セル111に装着して結晶成長を行った
場合、仮に、内ルツボ1が割れたしても、セル111の
ヒータ116や熱電対117が分子線材料で汚染されな
い。したがって、上記内ルツボ1の割れに伴うセル11
1の破壊を防止できる。その結果、ルツボ割れに伴うセ
ル111のメンテナンスが不要になり、例えば半導体レ
ーザなどの量産効果を高めることができる。
する金属である分子線材料を内ルツボ1に充填するが、
結晶成長時に液化する金属以外の分子線材料を内ルツボ
1に充填してもよいのは言うまでもない。
1,外ルツボ2の形状は円錐形状であったが、内ルツボ
1,外ルツボ2の形状は円錐形状に限定されない。
と外ルツボ2とは接触していなかったが、図2に示すよ
うに、内ルツボ1の側部1bと外ルツボ2の開口部2a
とが熱的に接触してもよい。ここで、熱的に接触すると
は、熱伝導が十分に行われるように接触することであ
る。このように、上記内ルツボ1の側部1bと外ルツボ
2の開口部2aとが熱的に接触している場合、上記外ル
ツボ2を例えばヒータで加熱すると、内ルツボ1の側部
1bと外ルツボ2の開口部2aとが熱的に接触している
から、内ルツボ1と外ルツボ2との温度差が低減する。
その結果、上記内ルツボ1と外ルツボ2の熱均一性が保
たれ、内ルツボ1内の分子線材料に熱量が安定して供給
される。すなわち、上記分子線材料に均一な熱量を加え
ることができる。
の側部1b全体が外ルツボ2に熱的に接触してもよい。
この場合、上記外ルツボ2を例えばヒータで加熱する
と、内ルツボ1の側部1b全体が外ルツボ2に熱的に接
触しているから、内ルツボ1と外ルツボ2との温度差が
より低減する。その結果、上記内ルツボ1内の分子線材
料に安定した熱量を確実に供給できる。
ルツボ1と外ルツボ2との接触率を高め、内ルツボ1と
外ルツボ2との温度をより均一にする観点上、内ルツボ
1の内面および外ルツボ2の外面は平坦であればあるほ
ど好ましい。
施形態のMBE装置用ルツボの模式断面図である。この
MBE装置用ルツボでは、図4に示すように、円錐形状
の外ルツボ22上に円錐形状の内ルツボ21を重ねてい
る。上記内ルツボ21の側部21b全体が外ルツボ22
の側部22bにコート材23を介して接触し、内ルツボ
21の開口部21aも外ルツボ22の開口部22aにコ
ート材23を介して接触している。つまり、上記内ルツ
ボ21の外面を、内ルツボ21の材質より熱的エミッシ
ビティが低いコート材23で被覆している。一方、上記
外ルツボ22の外面を、外ルツボ22の材質より熱的エ
ミッシビティが低いコート材24で被覆している。ま
た、図示しないが、上記内ルツボ21内には、結晶性長
時に液化する金属、例えば、AlやGaやInなどであ
る分子線材料を充填する。
ボ22上に内ルツボ21が重ねられて、外ルツボ22に
内ルツボ21が収容されているから、上記第1実施形態
と同様の効果を奏する。
外面をコート材23,24で覆っているから、内ルツボ
21,外ルツボ22の熱は外部に放出されにくくなって
いる。その結果、上記内ルツボ21に充填される分子線
材料が温まり易く、分子線材料を効率よく加熱できる。
2の熱的エミッシビティが低減されることから、内ルツ
ボ21および外ルツボ22全体の温度均一性が高くな
る。その結果、上記内ルツボ21内の分子線材料に熱量
を安定して供給できる。すなわち、上記分子線材料に均
一な加熱を行える。
セル111に装着して結晶成長を行った場合、内ルツボ
21内の分子線材料に安定した熱量が供給されるから、
分子線114のふらつきが生じない。したがって、良好
な素子特性を有する例えば半導体レーザを製作できる。
する金属である分子線材料を内ルツボ21に充填する
が、結晶成長時に液化する金属以外の分子線材料を内ル
ツボ21に充填してもよいのは言うまでもない。
1,外ルツボ22の形状は円錐形状であったが、内ルツ
ボ21,外ルツボ22の形状は円錐形状に限定されな
い。
3,24として例えばカーボン等を用いることができ
る。
ボ21,外ルツボ22の外面をコート材23,24とで被
覆したが、図5に示すように、内ルツボ21の外面のみ
をコート材23で被覆してもよい。この場合、上記内ル
ツボ21の外面をコート材23で覆っているから、内ル
ツボ21の熱は外部に放出されにくく、分子線材料を効
率よく加熱できる。また、上記内ルツボ21の熱的エミ
ッシビティが低減されることから、内ルツボ21全体の
温度均一性が高くなる。その結果、上記内ルツボ21内
の分子線材料に熱量が安定して供給され、分子線材料に
均一な加熱を行える。
セル111に装着して結晶成長を行った場合、外ルツボ
22の外面はコート材で覆われていないから、図4のM
BE装置用ルツボを使用するより、結晶成長室100の
汚染を低減できる。また、上記内ルツボ21内の分子線
材料に安定した熱量が供給されるから、分子線材料から
生じる分子線114のふらつきが抑制され、良好な素子
特性を有する例えば半導体レーザを製作できる。
2の材料がPBNである場合、PBNは赤外線透過率が
高いために、材料融液部分、つまり内ルツボ21の底部
21cは均一に加熱されるが、分子線材料のない内ルツ
ボ21の開口部21aはヒータからの赤外線が透過して
しまって温度が低下する。
の外面をカーボン25で被覆する。この場合、上記内ル
ツボ21の外面を赤外線熱吸材であるカーボン25で被
覆しているから、内ルツボ21の底部21cと内ルツボ
21の開口部21aとが同じ温度に保たれ、分子線材料
へ熱量を安定して供給できる。なお、26は、結晶性長
時に液化する金属、例えば、AlやGaやInなどであ
る分子線材料である。
施形態のMBE装置用ルツボの模式断面図を示してい
る。このMBE装置用ルツボは、図7に示すように、円
錐形状の外ルツボ32上に円錐形状の内ルツボ31を重
ねている。上記内ルツボ31の側部31b全体が外ルツ
ボ32の側部32bに接触し、内ルツボ31の開口部3
1aが外ルツボ32の開口部32aに接触している。ま
た、上記内ルツボ31の底部31cは、外ルツボ32の
底部32cにコート材33を介して接触している。つま
り、上記内ルツボ31の底部31cの外面を、内ルツボ
31の材質より熱的エミッシビティが低いコート材33
で被覆している。一方、上記外ルツボ32の底部32c
の外面を、外ルツボ32の材質より熱的エミッシビティ
が低いコート材34で被覆している。また、上記内ルツ
ボ31内には、結晶性長時に液化する金属、例えば、A
lやGaやInなどである分子線材料36を充填する。
図7では、上記分子線材料36は溶融状態である。
ルツボ32上に内ルツボ31が重ねられて、内ルツボ3
1が外ルツボ32収容されているから、上記第1実施形
態と同様の効果を奏する。
底部31c,32cの外面がコート材33,34で覆われ
ているから、内ルツボ31,外ルツボ32の底部31c,
32cの熱は放出されにくく、内ルツボ31,外ルツボ
32の開口部31a,32aの熱は放出されやすい。こ
れにより、上記底部31c,32cの温度よりも開口部
31a,32aの温度の方が低いという温度勾配の環境
が作られる。その結果、上記分子線材料36は内ルツボ
31の底部31cに留まり易くなり、内ルツボ31の内
面における分子線材料36の這い上がりを抑制できる。
セル111に装着して結晶成長を行った場合、内ルツボ
31の内面における分子線材料36の這い上がりが抑制
されるから、分子線114のふらつきが生じない。した
がって、良好な素子特性を有する例えば半導体レーザを
製作できる。
する金属である分子線材料36を内ルツボ31に充填す
るが、結晶成長時に液化する金属以外の分子線材料36
を内ルツボ31に充填してもよいのは言うまでもない。
1,外ルツボ32の形状は円錐形状であったが、内ルツ
ボ31,外ルツボ32の形状は円錐形状に限定されな
い。
3,34として例えばカーボン等を用いることができ
る。
1,外ルツボ32の底部31c,32cの外面をコート材
33,34で被覆していたが、図8に示すように、内ル
ツボ31の底部31cの外面のみをコート材33で被覆
してもよい。この場合、上記内ルツボ31の底部31c
の外面をコート材33で覆っているから、内ルツボ31
において底部31cの温度よりも開口部31aの温度の
方が低くなる。したがって、上記分子線材料36は内ル
ツボ31の底部31cに留まり易くなり、内ルツボ31
の内面における分子線材料36の這い上がりを抑制でき
る。
セル111に装着して結晶成長を行った場合、内ルツボ
31の底部31cの外面のみをコート材33で被覆して
いるから、外ルツボ32の底部32の外面はコート材で
覆われておらず、図7のMBE装置用ルツボを使用する
より、結晶成長室100の汚染を低減できる。また、上
記内ルツボ31内の分子線材料36に安定した熱量が供
給されるから、分子線材料から生じる分子線114のふ
らつきが抑制され、良好な素子特性を有する例えば半導
体レーザを製作できる。
E装置用ルツボは、万が一、内ルツボが割れたとして
も、内ルツボの少なくとも一部が外ルツボに収容されて
いるから、内ルツボから漏れ出た分子線材料が外ルツボ
で受止められて、分子線材料の漏出を簡単な構造で確実
に阻止できる。
は、上記内ルツボと外ルツボとが熱的に接触しているか
ら、内ルツボと外ルツボとの温度差が無くなり、内ルツ
ボと外ルツボとの熱的均一性が保たれ、内ルツボの分子
線材料に熱量を安定して供給できる。
は、上記内ルツボの側部全体が上記外ルツボに熱的に接
触しているから、内ルツボと外ルツボとの温度差が無く
なり、内ルツボと外ルツボとの熱的均一性が確実に保た
れ、外ルツボを介して内ルツボ内の分子線材料に熱量を
安定して供給できる。
は、上記内ルツボの外面を、内ルツボの材質より熱的エ
ミッシビティが低いコート材で被覆すると共に、外ルツ
ボの外面を、外ルツボの材質のより熱的エミッシビティ
が低いコート材で被覆しているから、内ルツボおよび外
ルツボの熱は外部に放出されにくく、内ルツボ内の分子
線材料を効率よく加熱できる。
外部に放出されにくいから、内ルツボおよび外ルツボの
温度が均一に保たれ、分子線材料に熱量を安定して供給
することができる。
は、上記内ルツボの外面のみを、内ルツボの材質より熱
的エミッシビティが低いコート材で被覆しているから、
内ルツボの熱は外部に放出されにくく、内ルツボの分子
線材料を効率よく加熱できる。
にくいから、内ルツボの温度が均一に保たれ、分子線材
料に熱量を安定して供給することができる。
用ルツボを例えば結晶成長室内に配置した場合、上記外
ルツボの外面はコート材で被覆されていないから、結晶
成長室がコート材不純物で汚染されるのを防ぐことがで
きる。
は、上記内ルツボに赤外線加熱を施した場合、内ルツボ
の外面が赤外線吸収材であるカーボンで覆われているか
ら、内ルツボが温まり易く、内ルツボを効率よく加熱す
ることができる。
であるカーボンで被覆しているから、内ルツボが均一に
加熱されて、内ルツボの温度を均一に保つことができ
る。したがって、上記分子線材料に熱量を安定して供給
することができる。
は、上記内ルツボの底部の外面を、内ルツボの材質より
熱的エミッシビティが低いコート材で被覆していると共
に、外ルツボの底部の外面を、外ルツボの材質より熱的
エミッシビティが低いコート材で覆われているから、内
ルツボおよび外ルツにおいて、底部で温度が高く、か
つ、開口部で温度が低いという温度勾配が常について、
分子線材料が例えばAlなどであっても、内ルツボの内
面を分子線材料が這い上がらない。したがって、結晶成
長時に分子線材料の表面が安定し、分子線材料から生じ
る分子線のふらつきを防止できる。
用ルツボをセルに装着した場合、上記分子線材料が例え
ばAlなどであっても、分子線材料が内ルツボの内面を
這い上がらないから、分子線材料5が内ルツボからこぼ
れず、分子線材料によってセルが破損するのを阻止でき
る。
は、上記内ルツボの底部の外面のみを、内ルツボの材質
より熱的エミッシビティが低いコート材で被覆している
から、内ルツボにおいて、底部で温度が高く、かつ、開
口部で温度が低いという温度勾配が常について、分子線
材料が例えばAlなどであっても、内ルツボの内面を分
子線材料が這い上がらない。したがって、結晶成長時に
分子線材料の表面が安定し、分子線材料から生じる分子
線のふらつきを阻止できる。
用ルツボをセルに装着した場合、上記分子線材料が例え
ばAlなどであっても、分子線材料が内ルツボの内面を
這い上がらないから、分子線材料5が内ルツボからこぼ
れず、分子線材料によってセルが破損するのを防止でき
る。
用ルツボを例えば結晶成長室内に配置した場合、上記外
ルツボの外面はコート材で被覆されていないから、結晶
成長室がコート材不純物で汚染されるのを防ぐことがで
きる。
ルツボを備えているから、分子線材料から生じる分子線
がふらつかず、結晶成長を良好に行うことができ、良好
な素子特性を有する例えば半導体レーザの素子を作成で
きる。
れによるセルの破損を防げるから、ルツボ割れに伴うメ
ンテナンスが不要になり、例えば半導体レーザなどの量
産効果を高めることができる。
ルツボの模式断面図である。
ボの変形例の模式断面図である。
ボの他の変形例の模式断面図である。
ルツボの模式断面図である。
ボの変形例の模式断面図である。
ボの他の変形例の模式断面図である。
ルツボの変形例の模式断面図である。
ボの変形例の模式断面図である。
図である。
MBE装置用ルツボの斜視図であり、図11(b)は上
記従来のMBE装置用ルツボの断面図である。
の上記従来のMBE装置用ルツボの断面図であり、図1
2(b)は結晶成長時上記従来のMBE装置用ルツボの
断面図である。
働く引っ張り・圧縮応力を説明するための図である。
割れに伴う材料こぼれを説明するための図である。
材料這い上がりを説明するための図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 分子線材料が充填される内ルツボと、こ
の内ルツボの少なくとも一部を収容する外ルツボとを備
えたことを特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の分子線エピタキシ装置
用ルツボにおいて、 上記内ルツボが上記外ルツボに熱的に接触していること
を特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項3】 請求項2に記載の分子線エピタキシ装置
用ルツボにおいて、 上記内ルツボの側部全体が上記外ルツボに熱的に接触し
ていることを特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツ
ボ。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
分子線エピタキシ装置用ルツボにおいて、 上記内ルツボの外面は、上記内ルツボの材質より熱的エ
ミッシビティが低いコート材で覆われていると共に、上
記外ルツボの外面は、上記外ルツボの材質のより熱的エ
ミッシビティが低いコート材で覆われていることを特徴
とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
分子線エピタキシ装置用ルツボにおいて、 上記内ルツボの外面のみが、上記内ルツボの材質より熱
的エミッシビティが低いコート材で覆われていることを
特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
分子線エピタキシ装置用ルツボにおいて、 上記内ルツボの外面がカーボンで覆われていることを特
徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
分子線エピタキシ装置用ルツボにおいて、 上記内ルツボの底部の外面は、上記内ルツボの材質より
熱的エミッシビティが低いコート材で覆われていると共
に、上記外ルツボの底部の外面は、上記外ルツボの材質
より熱的エミッシビティが低いコート材で覆われている
ことを特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
分子線エピタキシ装置用ルツボにおいて、 上記内ルツボの底部の外面のみが、上記内ルツボの材質
より熱的エミッシビティが低いコート材で覆われている
ことを特徴とする分子線エピタキシ装置用ルツボ。 - 【請求項9】 請求項1乃至8に記載の分子線エピタキ
シ装置用ルツボを備えたことを特徴とする分子線エピタ
キシ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000320849A JP3841635B2 (ja) | 2000-10-20 | 2000-10-20 | 分子線エピタキシ装置用ルツボ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002128590A true JP2002128590A (ja) | 2002-05-09 |
JP3841635B2 JP3841635B2 (ja) | 2006-11-01 |
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JP (1) | JP3841635B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006225699A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Ulvac Japan Ltd | 有機材料用蒸発源及び有機蒸着装置 |
WO2015192402A1 (zh) * | 2014-06-16 | 2015-12-23 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 侦测和防止高温金属材料泄漏的加热装置 |
-
2000
- 2000-10-20 JP JP2000320849A patent/JP3841635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2015192402A1 (zh) * | 2014-06-16 | 2015-12-23 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 侦测和防止高温金属材料泄漏的加热装置 |
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