JP3447977B2 - 光アイソレーター素子 - Google Patents
光アイソレーター素子Info
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- JP3447977B2 JP3447977B2 JP08423799A JP8423799A JP3447977B2 JP 3447977 B2 JP3447977 B2 JP 3447977B2 JP 08423799 A JP08423799 A JP 08423799A JP 8423799 A JP8423799 A JP 8423799A JP 3447977 B2 JP3447977 B2 JP 3447977B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Hg−Cd−Mn
−Te系単結晶等の光学単結晶からなる光アイソレータ
ー素子に関するものである。
−Te系単結晶等の光学単結晶からなる光アイソレータ
ー素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光アイソレーターの主要構成要素は、偏
光子、検光子、ファラデー回転素子である。順方向から
光が入射すると、偏光成分のみが偏光子を通過する。こ
の偏光がファラデー回転子を通過すると、その偏光方向
が45度回転し、この偏光が検光子を通過していく。一
方、逆方向に光が入射してくると、検光子の偏光成分の
光だけがこの検光子を通過する。この偏光成分がファラ
デー素子を通過する際には、順方向の場合と同じ方向
に、偏光成分が45度回転する。この偏光成分が偏光子
を通過するときには、光の偏光方向と偏光子の偏光方向
とが直交するので、光が遮断される。
光子、検光子、ファラデー回転素子である。順方向から
光が入射すると、偏光成分のみが偏光子を通過する。こ
の偏光がファラデー回転子を通過すると、その偏光方向
が45度回転し、この偏光が検光子を通過していく。一
方、逆方向に光が入射してくると、検光子の偏光成分の
光だけがこの検光子を通過する。この偏光成分がファラ
デー素子を通過する際には、順方向の場合と同じ方向
に、偏光成分が45度回転する。この偏光成分が偏光子
を通過するときには、光の偏光方向と偏光子の偏光方向
とが直交するので、光が遮断される。
【0003】0.98μm帯光アイソレーター用材料と
しては、バルクのHg−Cd−Mn−Te系の単結晶が
最も有望である。光アイソレーターとして有望な組成の
範囲は、例えば特開平7−233000号公報に開示さ
れている。
しては、バルクのHg−Cd−Mn−Te系の単結晶が
最も有望である。光アイソレーターとして有望な組成の
範囲は、例えば特開平7−233000号公報に開示さ
れている。
【0004】また、980nm帯用の光アイソレーター
素子は、例えば特開平7−43653号公報に公開され
ている。本公報の開示によると、Hg−Cd−Mn−T
e系のバルク単結晶を用いて光アイソレーター素子を作
製するのに際して、光の入射面と出射面との結晶面を
[111]面とすることによって、30dB以上の高い
消光比を有する素子を提供しようとしている。
素子は、例えば特開平7−43653号公報に公開され
ている。本公報の開示によると、Hg−Cd−Mn−T
e系のバルク単結晶を用いて光アイソレーター素子を作
製するのに際して、光の入射面と出射面との結晶面を
[111]面とすることによって、30dB以上の高い
消光比を有する素子を提供しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が、
バルクのHg−Cd−Mn−Te系の光学単結晶からな
る光アイソレーター素子を作製し、光アイソレーター装
置(デバイス)中に組み立てることで量産を試みると、
たとえバルクの光学単結晶の段階で高い消光比を示して
いたとしても、装置中に組み立てた段階では消光比が低
下することがあった。このような製品は、廃棄せざるを
得ないので、組み立て段階の歩留り低下の原因となる。
バルクのHg−Cd−Mn−Te系の光学単結晶からな
る光アイソレーター素子を作製し、光アイソレーター装
置(デバイス)中に組み立てることで量産を試みると、
たとえバルクの光学単結晶の段階で高い消光比を示して
いたとしても、装置中に組み立てた段階では消光比が低
下することがあった。このような製品は、廃棄せざるを
得ないので、組み立て段階の歩留り低下の原因となる。
【0006】本発明の課題は、バルク状の光学単結晶か
らなる光アイソレーター素子において、ファラデー回転
角やカットオフ波長の変動をなくし、消光比を向上させ
ることである。
らなる光アイソレーター素子において、ファラデー回転
角やカットオフ波長の変動をなくし、消光比を向上させ
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、Hg−Cd
−Mn−Te系単結晶等の光学単結晶からなる光アイソ
レーター素子を光アイソレーター装置(デバイス)中に
組み立てる際に、素子の消光比が劣化する原因について
検討した結果、次の発見をなした。即ち、バルク状の光
学単結晶から、光アイソレーターとなるべき所定寸法の
チップを切り出す際に、光学単結晶のへき開性や脆弱性
から素子に微小な傷が残るおそれがある。また、このチ
ップの表面を研磨加工し、光の入射面と出射面とを形成
する工程においても、チップに対する応力から単結晶の
内部に歪みが残るおそれがある。更に、研磨後のチップ
をハンドリングする際にチップに加わる応力や、光アイ
ソレーター装置内でプラスチック製の治具によってチッ
プを把握し、固定するときに、治具とチップとの接触部
分からチップの一部に局所的に加わる応力によって、若
干の歪みが残った状態となる。こうした光アイソレータ
ー素子に生ずる微小な傷や、素子に局所的に加わる応力
などによって、光学単結晶中に若干の歪みが生じ、この
歪みが消光比を減少させることがあるものと思われる。
−Mn−Te系単結晶等の光学単結晶からなる光アイソ
レーター素子を光アイソレーター装置(デバイス)中に
組み立てる際に、素子の消光比が劣化する原因について
検討した結果、次の発見をなした。即ち、バルク状の光
学単結晶から、光アイソレーターとなるべき所定寸法の
チップを切り出す際に、光学単結晶のへき開性や脆弱性
から素子に微小な傷が残るおそれがある。また、このチ
ップの表面を研磨加工し、光の入射面と出射面とを形成
する工程においても、チップに対する応力から単結晶の
内部に歪みが残るおそれがある。更に、研磨後のチップ
をハンドリングする際にチップに加わる応力や、光アイ
ソレーター装置内でプラスチック製の治具によってチッ
プを把握し、固定するときに、治具とチップとの接触部
分からチップの一部に局所的に加わる応力によって、若
干の歪みが残った状態となる。こうした光アイソレータ
ー素子に生ずる微小な傷や、素子に局所的に加わる応力
などによって、光学単結晶中に若干の歪みが生じ、この
歪みが消光比を減少させることがあるものと思われる。
【0008】このため、本発明者は、光学単結晶からな
るアイソレーター部の側部の全周にわたって密着し、被
覆する外周被覆部を設けることによって、前述のような
局所的な応力等による光学単結晶への悪影響を防止で
き、これによってアイソレーター部の消光比の低下を防
止し、あるいは向上させ得ることを見いだし、本発明に
到達した。
るアイソレーター部の側部の全周にわたって密着し、被
覆する外周被覆部を設けることによって、前述のような
局所的な応力等による光学単結晶への悪影響を防止で
き、これによってアイソレーター部の消光比の低下を防
止し、あるいは向上させ得ることを見いだし、本発明に
到達した。
【0009】本発明では、外周被覆部が、光学単結晶を
成立させるためのルツボからアイソレーター部と共に切
り出されたルツボ材からなる。したがって、光学単結晶
の材料がルツボ内でいったん溶融し、この溶融体が、ル
ツボの内壁面に接触した状態で固化するので、光学単結
晶の外周被覆部に対する密着性が極めて高く、かつ外周
被覆部から光学単結晶に対して局所的に応力が加わるこ
とがなく、こうした応力による歪みがない。
成立させるためのルツボからアイソレーター部と共に切
り出されたルツボ材からなる。したがって、光学単結晶
の材料がルツボ内でいったん溶融し、この溶融体が、ル
ツボの内壁面に接触した状態で固化するので、光学単結
晶の外周被覆部に対する密着性が極めて高く、かつ外周
被覆部から光学単結晶に対して局所的に応力が加わるこ
とがなく、こうした応力による歪みがない。
【0010】本発明は、光学単結晶からなり、入射光の
入射面と出射面と側面を備えており、入射光をファラデ
ー回転させる光アイソレーター機能を備えるアイソレー
ター部と、アイソレーター部の側面の全周にわたって密
着し、被覆する外周被覆部とを備え、前記外周被覆部
が、前記光学単結晶を生成させるためのルツボから前記
アイソレーター部と共に切り出されたルツボ材からなる
ことを特徴とする、光アイソレーター素子に係るもので
ある。
入射面と出射面と側面を備えており、入射光をファラデ
ー回転させる光アイソレーター機能を備えるアイソレー
ター部と、アイソレーター部の側面の全周にわたって密
着し、被覆する外周被覆部とを備え、前記外周被覆部
が、前記光学単結晶を生成させるためのルツボから前記
アイソレーター部と共に切り出されたルツボ材からなる
ことを特徴とする、光アイソレーター素子に係るもので
ある。
【0011】外周被覆部の厚さは、0.5mm以上であ
ることが好ましく、これによって、光アイソレーター素
子の研磨、ハンドリング、治具による組み付けの際に、
アイソレーター部に対して局所的に加わる応力を、一層
削減できる。また、経済的な理由から、外周被覆部の厚
さは、1.0mm以下であることが好ましい。
ることが好ましく、これによって、光アイソレーター素
子の研磨、ハンドリング、治具による組み付けの際に、
アイソレーター部に対して局所的に加わる応力を、一層
削減できる。また、経済的な理由から、外周被覆部の厚
さは、1.0mm以下であることが好ましい。
【0012】光学単結晶の種類は限定されないが、特
に、Hg−Cd−Mn−Te、Hg−Mn−Te,Hg
−Cd−Te,Cd−Mn−Te,Hg−Cd−Mn−
Zn−Te,Hg−Cd−Mn−Te−Se、Zn−B
e−Mg−Se−Te、Ga−Al−As−PまたはI
n−Al−As−Pは、組成のムラが生じやすく、組成
のムラによる消光比への影響が大きくなり易く、局所的
な応力による歪みが生じやすいので、本発明が特に効果
的である。
に、Hg−Cd−Mn−Te、Hg−Mn−Te,Hg
−Cd−Te,Cd−Mn−Te,Hg−Cd−Mn−
Zn−Te,Hg−Cd−Mn−Te−Se、Zn−B
e−Mg−Se−Te、Ga−Al−As−PまたはI
n−Al−As−Pは、組成のムラが生じやすく、組成
のムラによる消光比への影響が大きくなり易く、局所的
な応力による歪みが生じやすいので、本発明が特に効果
的である。
【0013】特に、Hg−Cd−Mn−Te系の組成を
有する単結晶においては、単結晶の組成が、(Hg0.5
Cd0.0 Mn0.5 )Te、(Hg0.08Cd0.8 Mn0.1
2)Te、(Hg0.05Cd0.5 Mn0.45)Te、(Hg
0.5 Cd0.5 Mn0.0 )Teの各組成を結んだ範囲内に
あることが好ましい。
有する単結晶においては、単結晶の組成が、(Hg0.5
Cd0.0 Mn0.5 )Te、(Hg0.08Cd0.8 Mn0.1
2)Te、(Hg0.05Cd0.5 Mn0.45)Te、(Hg
0.5 Cd0.5 Mn0.0 )Teの各組成を結んだ範囲内に
あることが好ましい。
【0014】外周被覆部の材質は特に限定されないが、
パイロリチックボロンナイトライド、パイロカーボン、
パイロリチックカーボンコートおよびグラッシーカーボ
ンからなる群より選ばれることが特に好ましい。
パイロリチックボロンナイトライド、パイロカーボン、
パイロリチックカーボンコートおよびグラッシーカーボ
ンからなる群より選ばれることが特に好ましい。
【0015】パイロリチックボロンナイトライドとは、
熱分解型ボロンナイトライドのことであり、化学的気相
成長法によって窒化ホウ素層を複数層積層させて得た材
質である。パイロカーボンとは、熱分解型カーボンのこ
とであり、化学的気相成長法によってカーボン層を複数
層積層させて得た材質である。パイロリチックカーボン
コートとは、カーボン基材の上に厚さ20−40μmの
熱分解型カーボンを被覆した材質のことであり、カーボ
ン基材の上に化学的気相成長法によってカーボン層を複
数層積層させて得られる。グラッシーカーボンとは、ガ
ラス状炭素のことである。グラッシーカーボンからなる
ルツボを作製するには、グラッシーカーボンからなる基
材を研削してルツボの各構成部分を作製し、各構成部分
を樹脂によって接着する。
熱分解型ボロンナイトライドのことであり、化学的気相
成長法によって窒化ホウ素層を複数層積層させて得た材
質である。パイロカーボンとは、熱分解型カーボンのこ
とであり、化学的気相成長法によってカーボン層を複数
層積層させて得た材質である。パイロリチックカーボン
コートとは、カーボン基材の上に厚さ20−40μmの
熱分解型カーボンを被覆した材質のことであり、カーボ
ン基材の上に化学的気相成長法によってカーボン層を複
数層積層させて得られる。グラッシーカーボンとは、ガ
ラス状炭素のことである。グラッシーカーボンからなる
ルツボを作製するには、グラッシーカーボンからなる基
材を研削してルツボの各構成部分を作製し、各構成部分
を樹脂によって接着する。
【0016】次に、ルツボ中に光学単結晶を生成させ、
ルツボとその中の光学単結晶とを同時に切断することに
よって、本発明の光アイソレーター素子を得る実施形態
について、好適な形態を以下に示す。
ルツボとその中の光学単結晶とを同時に切断することに
よって、本発明の光アイソレーター素子を得る実施形態
について、好適な形態を以下に示す。
【0017】ルツボ内に光学単結晶を生成させる方法は
特に限定されないが、前述したような3成分系以上の多
成分系の光学単結晶に対して適用する場合には、いわゆ
るトラベリングヒーター法を採用することが好ましい。
特に限定されないが、前述したような3成分系以上の多
成分系の光学単結晶に対して適用する場合には、いわゆ
るトラベリングヒーター法を採用することが好ましい。
【0018】この場合には、更に、アイソレーター部の
入射面と平行な断面における長径を7mm以下とするこ
とが好ましく、5mm以下とすることが更に好ましく、
3mm以下とすることが一層好ましい。この長径とは、
前記断面に対して直線を交叉させたときに、アイソレー
ター部内に入る直線の長さの最大値である。この長径
は、トラベリングヒーター法を採用した場合には、ルツ
ボの横断面における長径に該当しており、通常はルツボ
の内径に該当する。
入射面と平行な断面における長径を7mm以下とするこ
とが好ましく、5mm以下とすることが更に好ましく、
3mm以下とすることが一層好ましい。この長径とは、
前記断面に対して直線を交叉させたときに、アイソレー
ター部内に入る直線の長さの最大値である。この長径
は、トラベリングヒーター法を採用した場合には、ルツ
ボの横断面における長径に該当しており、通常はルツボ
の内径に該当する。
【0019】ルツボの長径を7mm以下とすることによ
って、加熱処理装置からの熱伝導が向上し、多結晶原料
内に順次に生成してくる融帯の状態が安定し、異種結晶
や組成偏析が抑制される。また、ルツボ内への原料の充
填量を少なくできることから、非加圧条件で光学単結晶
を育成できる。
って、加熱処理装置からの熱伝導が向上し、多結晶原料
内に順次に生成してくる融帯の状態が安定し、異種結晶
や組成偏析が抑制される。また、ルツボ内への原料の充
填量を少なくできることから、非加圧条件で光学単結晶
を育成できる。
【0020】以下、図面を参照しつつ、更に具体的な実
施例について述べる。
施例について述べる。
【0021】図1は、光学単結晶の製造装置を示す模式
的平面図であり、図2は、図1の装置の模式的正面図で
ある。図3(a)は、容器30のルツボ16中に種結晶
および原料を収容した状態を概略的に示す断面図であ
り、図3(b)は、ルツボ中の原料に融帯を生成させて
いる状態を概略的に示す断面図であり、図4(a)は、
ルツボ中に単結晶を生成させた後の状態を概略的に示す
断面図である。
的平面図であり、図2は、図1の装置の模式的正面図で
ある。図3(a)は、容器30のルツボ16中に種結晶
および原料を収容した状態を概略的に示す断面図であ
り、図3(b)は、ルツボ中の原料に融帯を生成させて
いる状態を概略的に示す断面図であり、図4(a)は、
ルツボ中に単結晶を生成させた後の状態を概略的に示す
断面図である。
【0022】耐火物1の内側空間2内に、本発明の製造
装置が収容されている。各容器7A、7B、7C、7
D、7E、7F内には、それぞれ単結晶の原料が充填さ
れている。各容器に対して、それぞれ対応する各加熱処
理装置5A、5B、5C、5D、5E、5Fが設けられ
ている。本実施形態では、各加熱処理装置を2×3列に
縦横に整列させたが、これらの個数や配置形状は変更で
きる。
装置が収容されている。各容器7A、7B、7C、7
D、7E、7F内には、それぞれ単結晶の原料が充填さ
れている。各容器に対して、それぞれ対応する各加熱処
理装置5A、5B、5C、5D、5E、5Fが設けられ
ている。本実施形態では、各加熱処理装置を2×3列に
縦横に整列させたが、これらの個数や配置形状は変更で
きる。
【0023】昇降駆動装置4は、各加熱処理装置を、各
容器に対して上下方向に相対的に移動させるためのもの
である。本例では、昇降駆動装置4は、軸10に対して
取り付けられており、図示しない駆動機構によって軸1
0を上下方向に移動可能になっている。
容器に対して上下方向に相対的に移動させるためのもの
である。本例では、昇降駆動装置4は、軸10に対して
取り付けられており、図示しない駆動機構によって軸1
0を上下方向に移動可能になっている。
【0024】昇降駆動装置4には、結合部材3が取り付
けられている。この結合部材3は、昇降駆動装置4への
取り付け部3gを備えている。結合部材3は、各加熱処
理装置5A、5B、5C、5D、5E、5Fに対してそ
れぞれ取りつけられている取り付け部3a、3b、3
c、3d、3e、3fを備えている。これらの各取り付
け部は、保持部3hを介して取り付け部3gに結合され
ている。各容器は、それぞれ固定軸8、9によって所定
箇所に固定されている。昇降駆動装置4を駆動すること
によって、各加熱処理装置を上下方向に移動させること
ができる。
けられている。この結合部材3は、昇降駆動装置4への
取り付け部3gを備えている。結合部材3は、各加熱処
理装置5A、5B、5C、5D、5E、5Fに対してそ
れぞれ取りつけられている取り付け部3a、3b、3
c、3d、3e、3fを備えている。これらの各取り付
け部は、保持部3hを介して取り付け部3gに結合され
ている。各容器は、それぞれ固定軸8、9によって所定
箇所に固定されている。昇降駆動装置4を駆動すること
によって、各加熱処理装置を上下方向に移動させること
ができる。
【0025】各加熱処理装置内には、それそれ加熱処理
領域6A、6B、6C、6D、6E、6Fが生成してい
る。各加熱処理領域内に各容器を通過させ、各容器中の
原料に連続的に融帯を生成させ、この融帯を固化させる
ことによって容器中に単結晶を連続的に生成させる。
領域6A、6B、6C、6D、6E、6Fが生成してい
る。各加熱処理領域内に各容器を通過させ、各容器中の
原料に連続的に融帯を生成させ、この融帯を固化させる
ことによって容器中に単結晶を連続的に生成させる。
【0026】各加熱処理装置は、例えば図2に示すよう
に、予熱部12、融帯生成部13、アニール部14を備
えている。そして、各加熱処理装置が上方へと移動する
のにつれて、各容器内の原料に融帯が連続的に生成す
る。
に、予熱部12、融帯生成部13、アニール部14を備
えている。そして、各加熱処理装置が上方へと移動する
のにつれて、各容器内の原料に融帯が連続的に生成す
る。
【0027】各容器は、例えば図3(a)に示す容器3
0のように、原料17が充填されているルツボ16と、
ルツボ16を収容し、密封している密封部材15とを備
えていることが好ましい。本例では、ルツボ16は、筒
状部分16b、拡張部分16aおよびこれらの連結部分
16cを備えている。密封部材15も、筒状部分15
b、拡張部分15aおよびこれらの連結部分15cを備
えている。16dは、ルツボ16の開口である。
0のように、原料17が充填されているルツボ16と、
ルツボ16を収容し、密封している密封部材15とを備
えていることが好ましい。本例では、ルツボ16は、筒
状部分16b、拡張部分16aおよびこれらの連結部分
16cを備えている。密封部材15も、筒状部分15
b、拡張部分15aおよびこれらの連結部分15cを備
えている。16dは、ルツボ16の開口である。
【0028】ここで、金属粉末の混合物からなる原料1
7をルツボの筒状部分16bおよび拡張部分16aに充
填し、単結晶を少なくとも筒状部分16b中に生成させ
ることが好ましい。なぜなら、実際に単結晶を育成する
べきルツボにおいては、できる限りその直径を小さくす
ることによって、単結晶の融帯が安定して生成し、単結
晶の品質が、より一層安定する。ただし、ルツボの直径
を小さくするのにつれて、ルツボの中に単結晶の原料を
収容することが困難になる。この際、原料を拡張部分1
6aから筒状部分16bへと向かって収容すると、ルツ
ボ中への原料の充填は容易になる。
7をルツボの筒状部分16bおよび拡張部分16aに充
填し、単結晶を少なくとも筒状部分16b中に生成させ
ることが好ましい。なぜなら、実際に単結晶を育成する
べきルツボにおいては、できる限りその直径を小さくす
ることによって、単結晶の融帯が安定して生成し、単結
晶の品質が、より一層安定する。ただし、ルツボの直径
を小さくするのにつれて、ルツボの中に単結晶の原料を
収容することが困難になる。この際、原料を拡張部分1
6aから筒状部分16bへと向かって収容すると、ルツ
ボ中への原料の充填は容易になる。
【0029】この後は、通常は、密封部材内を真空排気
し、真空封切りしてルツボを密封する。そして、粉末原
料17をいったん溶融させ、クエンチして多結晶を作製
する。次いで、各加熱処理装置を上方へと移動させる
と、筒状部分16b内の多結晶原料20が下から順に加
熱され、図3(b)に示すように融帯21が生成する。
この融帯21は、徐々に上方へと向かって移動する。
し、真空封切りしてルツボを密封する。そして、粉末原
料17をいったん溶融させ、クエンチして多結晶を作製
する。次いで、各加熱処理装置を上方へと移動させる
と、筒状部分16b内の多結晶原料20が下から順に加
熱され、図3(b)に示すように融帯21が生成する。
この融帯21は、徐々に上方へと向かって移動する。
【0030】最終的に単結晶が生成した後には、図4
(a)に示すように、ルツボ16の筒状部分16b内に
は単結晶23が生成する。ここで、2つの破線Bで挟ま
れた領域内で、目的とする組成の単結晶が生成する。た
だし、種結晶に近い部分は、材料の相図に従った組成の
変化領域となり、その上部が、目的とする組成の均一な
領域となる。下側の破線Bの下には種結晶18がある。
上側の破線Bの上には、溶融体と同様の組成を有する単
結晶40が生成する。また、ルツボの連結部分16cお
よび拡張部分16a内には、通常は多結晶22が生成す
る。通常は、粉末原料17の表面Aに比べて、多結晶2
2の表面の位置は下がる。
(a)に示すように、ルツボ16の筒状部分16b内に
は単結晶23が生成する。ここで、2つの破線Bで挟ま
れた領域内で、目的とする組成の単結晶が生成する。た
だし、種結晶に近い部分は、材料の相図に従った組成の
変化領域となり、その上部が、目的とする組成の均一な
領域となる。下側の破線Bの下には種結晶18がある。
上側の破線Bの上には、溶融体と同様の組成を有する単
結晶40が生成する。また、ルツボの連結部分16cお
よび拡張部分16a内には、通常は多結晶22が生成す
る。通常は、粉末原料17の表面Aに比べて、多結晶2
2の表面の位置は下がる。
【0031】こうしたルツボを使用すると、溶湯を補給
したときに単結晶23内に気孔が発生しにくく、溶湯の
対流が盛んになり、組成偏析が一層抑制される。
したときに単結晶23内に気孔が発生しにくく、溶湯の
対流が盛んになり、組成偏析が一層抑制される。
【0032】この後、筒状部分16b内の単結晶23の
組成の均一な領域のみを利用することが特に好ましい。
なぜなら、単結晶23の生成の過程において、粉末原料
17ないし多結晶20内に含有されていた過剰な金属成
分は、ルツボ16内で上方へと、即ち拡張部分16a内
へと向かって移動する傾向があり、図4(a)において
多結晶40内に偏在する傾向がある。従って、拡張部分
16a内に生成した多結晶を捨て、筒状部分16b内に
生成した単結晶23を利用することによって、単結晶の
特性、特に光学的特性が、より一層安定する。
組成の均一な領域のみを利用することが特に好ましい。
なぜなら、単結晶23の生成の過程において、粉末原料
17ないし多結晶20内に含有されていた過剰な金属成
分は、ルツボ16内で上方へと、即ち拡張部分16a内
へと向かって移動する傾向があり、図4(a)において
多結晶40内に偏在する傾向がある。従って、拡張部分
16a内に生成した多結晶を捨て、筒状部分16b内に
生成した単結晶23を利用することによって、単結晶の
特性、特に光学的特性が、より一層安定する。
【0033】また、ルツボ16の最下部内に単結晶の種
結晶18を収容し、次いで種結晶18の上に粉末原料1
7を充填することが好ましい。これによって、各容器3
0内に生成する各単結晶23の結晶方位が、一層均一化
する。
結晶18を収容し、次いで種結晶18の上に粉末原料1
7を充填することが好ましい。これによって、各容器3
0内に生成する各単結晶23の結晶方位が、一層均一化
する。
【0034】そして、ルツボ16の筒状部分16bの少
なくとも一部を、ルツボ16から切り出す。例えば、図
4(a)に破線Bで示すように、筒状部分16bおよび
単結晶23を切断し、柱状体を得、この柱状体を水平方
向に切断して所定枚数のチップを得る。これによって、
図4(b)、図4(c)に示す光アイソレーター素子2
4が得られる。素子24においては、光学単結晶からな
るアイソレーター部28と、アイソレーター部28の側
面28aに密着し、被覆する外周被覆部26とからな
る。25は、素子の入射面または出射面である。
なくとも一部を、ルツボ16から切り出す。例えば、図
4(a)に破線Bで示すように、筒状部分16bおよび
単結晶23を切断し、柱状体を得、この柱状体を水平方
向に切断して所定枚数のチップを得る。これによって、
図4(b)、図4(c)に示す光アイソレーター素子2
4が得られる。素子24においては、光学単結晶からな
るアイソレーター部28と、アイソレーター部28の側
面28aに密着し、被覆する外周被覆部26とからな
る。25は、素子の入射面または出射面である。
【0035】各加熱処理装置の融帯生成部13とアニー
ル部14との境界領域においては、温度勾配が生じてい
る。この温度勾配は、50℃/cm以上とすることが好
ましく、これによって結晶化の速度が速くなり、異種結
晶が残留しにくくなる。また、この温度勾配は100℃
/cm以下とすることが好ましく、これによって結晶化
速度が速くなり、気孔の発生も抑制される。
ル部14との境界領域においては、温度勾配が生じてい
る。この温度勾配は、50℃/cm以上とすることが好
ましく、これによって結晶化の速度が速くなり、異種結
晶が残留しにくくなる。また、この温度勾配は100℃
/cm以下とすることが好ましく、これによって結晶化
速度が速くなり、気孔の発生も抑制される。
【0036】融帯生成部の上下方向の長さは、5mm以
上とすることが好ましく、これによって融帯が安定して
生成し、再現性も高くなる。また、融帯生成部の長さ
は、30mm以下とすることが好ましい。この理由とし
ては、ゾーンが長過ぎると、析出する組成の変化が緩慢
となるため、目的とする組成が得られる領域が少なくな
ることが挙げられる。
上とすることが好ましく、これによって融帯が安定して
生成し、再現性も高くなる。また、融帯生成部の長さ
は、30mm以下とすることが好ましい。この理由とし
ては、ゾーンが長過ぎると、析出する組成の変化が緩慢
となるため、目的とする組成が得られる領域が少なくな
ることが挙げられる。
【0037】予熱部およびアニール部の上下方向の各長
さは、30mm以上とすることが好ましく、これによっ
て気孔の発生が抑制され、結晶化速度が一層速くなる。
予熱部およびアニール部の上下方向の各長さは、100
mm以下とすることが好ましい。
さは、30mm以上とすることが好ましく、これによっ
て気孔の発生が抑制され、結晶化速度が一層速くなる。
予熱部およびアニール部の上下方向の各長さは、100
mm以下とすることが好ましい。
【0038】各容器ないし密封部材は、いずれも互いに
平行に延びるように固定されていることが好ましく、か
つ各容器の上側端部と下側端部との双方が固定されてい
ることが好ましい。これによって、融帯の揺らぎがなく
なり、異種結晶の発生も抑制される。このためには、例
えば図2に示す各固定軸8、9と各容器との結合点11
において、ボールポイントネジによって3点または4点
で固定して、水平あるいは真円度を維持することが好ま
しい。
平行に延びるように固定されていることが好ましく、か
つ各容器の上側端部と下側端部との双方が固定されてい
ることが好ましい。これによって、融帯の揺らぎがなく
なり、異種結晶の発生も抑制される。このためには、例
えば図2に示す各固定軸8、9と各容器との結合点11
において、ボールポイントネジによって3点または4点
で固定して、水平あるいは真円度を維持することが好ま
しい。
【0039】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実施例)図1〜図4を参照しつつ説明した前記方法に
従って、Hg−Cd−Mn−Te系の組成を有する単結
晶からなる光学材料を育成した。具体的には、粉末原料
17として、HgTe30mol%、MnTe30mo
l%、CdTe40mol%の割合に調合された粉末を
使用した。種結晶として、CdTeの(111)方位の
結晶(直径3mm、長さ30mm)を使用した。密封部
材15の材質を石英ガラスとし、厚さを2mmとした。
ルツボ16の筒状部分16bの内径を3mmとし、長さ
を300mmとした。ルツボ16の拡張部分16aの内
径を10mmとし、長さを40mmとした。ルツボ16
の材質を、厚さ1.0mmのグラッシーカーボンとし
た。種結晶を容器中に投入した後、15gの粉末原料を
ルツボ16内に投入し、石英製の密封部材の中にルツボ
を入れ、密封部材を密封した。
る。 (実施例)図1〜図4を参照しつつ説明した前記方法に
従って、Hg−Cd−Mn−Te系の組成を有する単結
晶からなる光学材料を育成した。具体的には、粉末原料
17として、HgTe30mol%、MnTe30mo
l%、CdTe40mol%の割合に調合された粉末を
使用した。種結晶として、CdTeの(111)方位の
結晶(直径3mm、長さ30mm)を使用した。密封部
材15の材質を石英ガラスとし、厚さを2mmとした。
ルツボ16の筒状部分16bの内径を3mmとし、長さ
を300mmとした。ルツボ16の拡張部分16aの内
径を10mmとし、長さを40mmとした。ルツボ16
の材質を、厚さ1.0mmのグラッシーカーボンとし
た。種結晶を容器中に投入した後、15gの粉末原料を
ルツボ16内に投入し、石英製の密封部材の中にルツボ
を入れ、密封部材を密封した。
【0040】20本の密封部材を使用して各容器30を
製造し、各容器30を常圧電気炉内に収容し、50℃/
時間で1100℃まで温度を上昇させ、原料17を溶解
させた。このとき、種結晶18は、図に示さない冷却機
構により冷却して、溶解を防ぐ構造とした。また、昇温
により、内部に投入した粉末は溶融体となり、ちょうど
ルツボのテーパー部16cの部分まで溶融体が形成され
る。次いで容器を急速に冷却し、多結晶原料20を得
た。次いで、各容器30を取り出し、図1、図2に示す
製造装置にセットした。
製造し、各容器30を常圧電気炉内に収容し、50℃/
時間で1100℃まで温度を上昇させ、原料17を溶解
させた。このとき、種結晶18は、図に示さない冷却機
構により冷却して、溶解を防ぐ構造とした。また、昇温
により、内部に投入した粉末は溶融体となり、ちょうど
ルツボのテーパー部16cの部分まで溶融体が形成され
る。次いで容器を急速に冷却し、多結晶原料20を得
た。次いで、各容器30を取り出し、図1、図2に示す
製造装置にセットした。
【0041】ここで、各加熱処理装置の融帯生成部の内
径は15mmであり、長さは10mmであり、予熱部お
よびアニール部の長さは50mmである。加熱処理装置
は、円筒形状に成形された金属、合金またはセラミック
ス製の発熱体からなる。各容器30の両端部を固定軸に
よって固定した。
径は15mmであり、長さは10mmであり、予熱部お
よびアニール部の長さは50mmである。加熱処理装置
は、円筒形状に成形された金属、合金またはセラミック
ス製の発熱体からなる。各容器30の両端部を固定軸に
よって固定した。
【0042】このようにして、20本の各容器30を所
定箇所に固定し、次いで常圧で加熱処理装置を50℃/
時間で温度を上昇させた。融帯生成部の位置を種結晶1
8の上端に合わせてセットし、1050℃に保持した。
また、予熱部およびアニール部の温度を800℃に保持
した。この時の予熱部と融帯生成部およびアニール部と
融帯生成部の温度勾配は、それぞれ75℃/cmであっ
た。この状態で各加熱処理装置を同時に30mm/日で
移動しつつ、同時に800℃まで融帯生成部の温度を1
00℃/日で降下した。800℃の温度は、密封部材に
直接に熱電対を取り付けて測定した。24時間後に80
0℃となった時点でそのまま温度をキープし、9日間各
加熱処理装置の移動を継続した。育成終了後の降温は5
0℃/時間で行い、20本の密封部材を取り出した。
定箇所に固定し、次いで常圧で加熱処理装置を50℃/
時間で温度を上昇させた。融帯生成部の位置を種結晶1
8の上端に合わせてセットし、1050℃に保持した。
また、予熱部およびアニール部の温度を800℃に保持
した。この時の予熱部と融帯生成部およびアニール部と
融帯生成部の温度勾配は、それぞれ75℃/cmであっ
た。この状態で各加熱処理装置を同時に30mm/日で
移動しつつ、同時に800℃まで融帯生成部の温度を1
00℃/日で降下した。800℃の温度は、密封部材に
直接に熱電対を取り付けて測定した。24時間後に80
0℃となった時点でそのまま温度をキープし、9日間各
加熱処理装置の移動を継続した。育成終了後の降温は5
0℃/時間で行い、20本の密封部材を取り出した。
【0043】1つの密封部材からルツボを取り出し、♯
340のスライサーを使用してルツボと単結晶とを同時
に水平方向へと切断し、厚さ4.0mmの切断体を得
た。この際には、種結晶部分18の上から4.0mmご
とに切断した。そして、各切断体について、一対の主面
を、それぞれ、♯325、♯1000の各砥粒で順番に
粗研磨加工し、粒径1μmのダイヤモンド砥粒を用いて
研磨加工し、更に粒径0.05μmのアルミナ砥粒を用
いて研磨した。1つのルツボから、全体で70個のサン
プルを得た。各サンプルは、図4(b)、(c)に示す
ような形態を有している。次いで、各サンプルを、プラ
スチック治具を使用して光アイソレーター装置内に組み
付け、固定した。
340のスライサーを使用してルツボと単結晶とを同時
に水平方向へと切断し、厚さ4.0mmの切断体を得
た。この際には、種結晶部分18の上から4.0mmご
とに切断した。そして、各切断体について、一対の主面
を、それぞれ、♯325、♯1000の各砥粒で順番に
粗研磨加工し、粒径1μmのダイヤモンド砥粒を用いて
研磨加工し、更に粒径0.05μmのアルミナ砥粒を用
いて研磨した。1つのルツボから、全体で70個のサン
プルを得た。各サンプルは、図4(b)、(c)に示す
ような形態を有している。次いで、各サンプルを、プラ
スチック治具を使用して光アイソレーター装置内に組み
付け、固定した。
【0044】次いで、各サンプルのファラデー回転角、
光吸収のカットオフ波長、消光比を測定した。この結
果、表1の結果を得た。ただし、表1には、0.060
deg/cmのファラデー回転角を有するサンプルの個
数、940μmのカットオフ波長を有するサンプルの個
数、35dB以上、40dB以上の消光比を有するサン
プルの個数を示す。
光吸収のカットオフ波長、消光比を測定した。この結
果、表1の結果を得た。ただし、表1には、0.060
deg/cmのファラデー回転角を有するサンプルの個
数、940μmのカットオフ波長を有するサンプルの個
数、35dB以上、40dB以上の消光比を有するサン
プルの個数を示す。
【0045】(比較例)トラベリングヒーター法によっ
て、実施例と同じ組成の光学単結晶を育成した。ただ
し、ルツボの内径を3mmとし、外径を5mmとし、長
さを300mmとし、材質をパイロリチックカーボンと
した。そして、外径3mm、長さ30mmの筒状の単結
晶バルク体を育成し、外径3mm、高さ260mmのサ
ンプルを65個、スライサーによって切り出した。各サ
ンプルを、実施例と同様にして、研磨加工し、光アイソ
レーター装置内に組み付け、各特性を測定した。この測
定結果を表1に示す。
て、実施例と同じ組成の光学単結晶を育成した。ただ
し、ルツボの内径を3mmとし、外径を5mmとし、長
さを300mmとし、材質をパイロリチックカーボンと
した。そして、外径3mm、長さ30mmの筒状の単結
晶バルク体を育成し、外径3mm、高さ260mmのサ
ンプルを65個、スライサーによって切り出した。各サ
ンプルを、実施例と同様にして、研磨加工し、光アイソ
レーター装置内に組み付け、各特性を測定した。この測
定結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】以上の結果から分かるように、本発明によ
って、目的のファラデー回転角、カットオフ波長を有す
るサンプルの個数が著しく増加し、かつ全体として消光
比が向上している。
って、目的のファラデー回転角、カットオフ波長を有す
るサンプルの個数が著しく増加し、かつ全体として消光
比が向上している。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、バ
ルク状の光学単結晶からなる光アイソレーター素子にお
いて、ファラデー回転角やカットオフ波長の変動をなく
し、消光比を向上させることができる。
ルク状の光学単結晶からなる光アイソレーター素子にお
いて、ファラデー回転角やカットオフ波長の変動をなく
し、消光比を向上させることができる。
【図1】光学単結晶の製造装置の好適例を模式的に示す
平面図である。
平面図である。
【図2】光学単結晶の製造装置の好適例を模式的に示す
正面図である。
正面図である。
【図3】(a)は、容器30のルツボ16内に粉末原料
17が充填されている状態を模式的に示す断面図であ
り、(b)は、(a)の容器内の多結晶20を加熱処理
している状態を模式的に示す断面図である。
17が充填されている状態を模式的に示す断面図であ
り、(b)は、(a)の容器内の多結晶20を加熱処理
している状態を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)は、ルツボ16内に単結晶23、多結晶
22が生成している状態を模式的に示す断面図であり、
(b)は、ルツボ16の筒状部分の切断によって得られ
た光アイソレーター素子24を示す断面図であり、
(c)は、図4(b)のIVc−IVc線断面図であ
る。
22が生成している状態を模式的に示す断面図であり、
(b)は、ルツボ16の筒状部分の切断によって得られ
た光アイソレーター素子24を示す断面図であり、
(c)は、図4(b)のIVc−IVc線断面図であ
る。
【符号の説明】
1 耐火物 3 結合部材 4 昇降駆動
装置 5A、5B、5C、5D、5E、5F 加熱処理
装置 6A、6B、6C、6D、6E、6F
加熱処理領域 7A、7B、7C、7D、7E、
7F、30 容器 8、9 固定軸 10
軸 12 予熱部 13 融帯生成部 14
アニール部 15密封部材 16 ルツボ
16a ルツボ16の拡張部分 16b ルツボ16の筒状部分 17 ルツボ内
に投入されている粉末原料 18 円柱状の種結
晶 19、23 単結晶 20多結晶原料
21 融帯 22 多結晶 24
光アイソレーター素子 25 光アイソレーター
素子の端面(入射面または出射面) 26 外周被覆部 28 アイソレーター部
28a アイソレーター部28の側面
装置 5A、5B、5C、5D、5E、5F 加熱処理
装置 6A、6B、6C、6D、6E、6F
加熱処理領域 7A、7B、7C、7D、7E、
7F、30 容器 8、9 固定軸 10
軸 12 予熱部 13 融帯生成部 14
アニール部 15密封部材 16 ルツボ
16a ルツボ16の拡張部分 16b ルツボ16の筒状部分 17 ルツボ内
に投入されている粉末原料 18 円柱状の種結
晶 19、23 単結晶 20多結晶原料
21 融帯 22 多結晶 24
光アイソレーター素子 25 光アイソレーター
素子の端面(入射面または出射面) 26 外周被覆部 28 アイソレーター部
28a アイソレーター部28の側面
Claims (5)
- 【請求項1】光学単結晶からなり、入射光の入射面と出
射面と側面を備えており、入射光をファラデー回転させ
る光アイソレーター機能を備えるアイソレーター部と、
このアイソレーター部の側面の全周にわたって密着し、
被覆する外周被覆部とを備え、前記外周被覆部が、前記
光学単結晶を生成させるためのルツボから前記アイソレ
ーター部と共に切り出されたルツボ材からなることを特
徴とする、光アイソレーター素子。 - 【請求項2】前記外周被覆部の厚さが0.5mm以上、
1.0mm以下であることを特徴とする、請求項1記載
の光アイソレーター素子。 - 【請求項3】前記アイソレーター部の前記入射面と平行
な断面における長径が7mm以下であることを特徴とす
る、請求項1または2記載の光アイソレーター素子。 - 【請求項4】前記光学単結晶が、Hg−Cd−Mn−T
e、Hg−Mn−Te、Hg−Cd−Te、Cd−Mn
−Te、Hg−Cd−Mn−Zn−Te、Hg−Cd−
Mn−Te−Se、Zn−Be−Mg−Se−Te、G
a−Al−As−PおよびIn−Al−As−Pからな
る群より選ばれた系の光学単結晶からなることを特徴と
する、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の光
アイソレーター素子。 - 【請求項5】前記ルツボ材が、パイロリチックボロンナ
イトライド、グラッシーカーボン、パイロリチックカー
ボンコートおよびパイロカーボンからなる群より選ばれ
たルツボ材からなることを特徴とする、請求項1−4の
いずれか一つの請求項に記載の光アイソレーター素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08423799A JP3447977B2 (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-26 | 光アイソレーター素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-86130 | 1998-03-31 | ||
JP8613098 | 1998-03-31 | ||
JP08423799A JP3447977B2 (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-26 | 光アイソレーター素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000002858A JP2000002858A (ja) | 2000-01-07 |
JP3447977B2 true JP3447977B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=26425301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08423799A Expired - Fee Related JP3447977B2 (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-26 | 光アイソレーター素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3447977B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP08423799A patent/JP3447977B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000002858A (ja) | 2000-01-07 |
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