JP2000001389A - 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置 - Google Patents

単結晶の製造方法および単結晶の育成装置

Info

Publication number
JP2000001389A
JP2000001389A JP9184999A JP9184999A JP2000001389A JP 2000001389 A JP2000001389 A JP 2000001389A JP 9184999 A JP9184999 A JP 9184999A JP 9184999 A JP9184999 A JP 9184999A JP 2000001389 A JP2000001389 A JP 2000001389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
crucible
heating furnace
growing
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9184999A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Ouchi
龍一 大内
Minoru Imaeda
美能留 今枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP9184999A priority Critical patent/JP2000001389A/ja
Publication of JP2000001389A publication Critical patent/JP2000001389A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アイソレーター素子用単結晶を製造するのに際
して、単結晶の原料が充填された容器を熱処理して融帯
を連続的に生成させて単結晶を育成する方法において、
所望組成の単結晶の歩留りを上昇させ、消光比を向上さ
せる。 【解決手段】グラッシーカーボンからなるルツボの中に
単結晶の原料を充填し、単結晶を生成させる。また、加
熱炉40の予熱部40a、融帯生成部40bがそれぞれ
ヒーター34A、34Bを備えており、単結晶化部40
cが、着脱可能な一つ以上の断熱材ユニット41A−4
1Dからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Hg−Cd−Mn
−Te系等の単結晶からなるアイソレーター素子用単結
晶の製造方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、エルビウム添加光ファイバー増幅
器が注目を集めている。エルビウムの励起波長として
は、特に0.98μmが有望視されている。0.98μ
m帯光アイソレーター用材料としては、バルクのHg−
Cd−Mn−Te系の単結晶が最も有望である。光アイ
ソレーターとして有望な組成の範囲は、例えば特開平7
−233000号公報に開示されている。
【0003】しかし、バルクのHg−Cd−Mn−Te
系の単結晶の育成は非常に困難であった。なぜなら、蒸
気圧が高い成分である水銀が含有されていることから、
通常のブリッジマン法で単結晶を育成した場合にはルツ
ボの内圧が極めて高くなり、ルツボが破裂するという問
題があったからである。
【0004】高圧ブリッジマン炉を使用してHg−Cd
−Mn−Te系の単結晶を製造する装置は、例えば特開
平7−206598号公報に開示されている。これは、
高圧ブリッジマン炉の上方で、ルツボ内で蒸気圧の高い
水銀が析出するのを防止するために、ヒーターをルツボ
の上に設けている。また、特開平8−40800号公報
においては、THM法(トラベリング・ヒーター法)に
おいて、双晶の発生を防止し、得られる単結晶体の直径
を大きくするために、単結晶の材料の容器中へのセット
方法を検討しており、また、ルツボに空間域を設け、空
間域に落下した融液を使用し、単結晶を育成しており、
単結晶近傍の温度勾配は5−50℃/cmに限定されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光アイソレーター素子
の分野においては、波長980nmのポンプレーザーを
用いた光増幅器の発展に伴い、今後はベルデ定数の一層
大きな組成の単結晶が使用される可能性がある。こうし
た単結晶の組成は、例えばMnTeが19mol%を占
める一方、HgTeが18−35mol%を占めてお
り、HgTeの含有量が大きいという特徴を有してい
る。しかし、このようにHgTeの割合が多い組成で
は、各ルツボ内において、所望の組成が得られる単結晶
の寸法、即ち、歩留りが低下する傾向があると共に、消
光比も全体として低下する傾向がある。この一方、光ア
イソレーター素子においては、一層高品質の単結晶が要
求されており、具体的には消光比が35dB以上の単結
晶が要請されている。
【0006】この一方、実際の量産プロセスにおいて、
融帯の生成状態を制御し、ルツボの全体にわたって、目
的の組成と高い消光比を有する単結晶を、高い歩留りで
育成することは困難であった。
【0007】本発明の課題は、アイソレーター素子用単
結晶を製造するのに際して、単結晶の原料が充填されて
いる容器を熱処理して融帯を連続的に生成させることに
よって単結晶を育成する方法において、容器内において
所望組成の単結晶の歩留りを上昇させ、かつ35dB以
上の消光比を有する高品質の単結晶の歩留りを上昇させ
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アイソレータ
ー素子用単結晶を製造する方法であって、単結晶の原料
が充填されたルツボを加熱処理装置に対して上下方向に
相対的に移動させることによってこのルツボ中の原料に
連続的に融帯を生成させ、融帯を固化させることによっ
てルツボ中に単結晶を連続的に生成させるのに際して、
ルツボがグラッシーカーボンからなることを特徴とす
る。
【0009】本発明者は、所望組成の単結晶の歩留り、
更には35dB以上の消光比を有する高品質の単結晶の
歩留りを向上させるために研究を重ねる過程で、原料を
収容し、融帯を生成させるためのルツボの種類によって
は、融帯の幅が広くなったり、単結晶化部の温度勾配が
50℃/cm以下にまで低下してしまい、目的組成から
外れた領域の拡大、消光比の低下を招いていることを見
いだした。このように、融帯の幅が広く、あるいは単結
晶化部における温度勾配が低い場合には、Hg、Cd、
Te等の蒸気圧の高い成分がルツボ内で蒸発し易くな
る。また、特にHg−Teの割合が増大した組成範囲で
は、滞在時間(育成時間)が長くなり、Hgの蒸発が顕
著となりやすい上、HgTe−Teの融帯が生成し易
く、この融帯生成温度はHg−Teの融点670℃に近
いために、生成した単結晶や、これから単結晶化させる
べき多結晶材中からHgTe−Te成分が蒸発したりし
て、所望量を単結晶内に取り込むことができないものと
思われる。
【0010】本発明者は、以上の知見に立ち、トラベリ
ングヒーター法によって容器中に連続的に融帯を生成さ
せ、単結晶を育成するのに際して、熱伝導度が20W/
m・K以下である材質によってルツボを形成することに
よって、所望組成を有する単結晶の歩留りを向上させ、
かつ、35dB以上の消光比を有する単結晶の歩留りを
著しく向上させ得ることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0011】これによって、ルツボ中に生成する融帯の
幅を狭くし、単結晶化部における温度勾配を適切にでき
る。このように熱伝導率の低い材質をあえて使用するこ
とによって、融帯生成部と単結晶化部との間の温度購買
を急峻にでき、融帯の幅を狭く制御することができる。
【0012】例えばパイロリティックボロンナイトライ
ドの熱伝導率は40−70W/m・Kであり、パイロリ
ティックカーボンの熱伝導率は140−400W/m・
Kであるが、融帯の幅の制御が難しく、融帯が広がって
しまう傾向があり、目的組成および消光比を有する単結
晶の歩留りが低下する。しかし、例えばグラッシーカー
ボンの熱伝導率は7W/m・Kであるが、融帯の温度勾
配が急峻になりやすく、融帯の幅の制御が容易になる。
【0013】ルツボの材質の熱伝導度は、20W/m・
K以下であることが特に好ましく、これによって、実用
上問題のない融帯幅の制御が可能である。
【0014】ルツボの厚さは、0.5mm以上であるこ
とが好ましく、本発明の作用効果を奏する上で、2.0
mm以下とすることが特に好ましい。
【0015】ルツボの材質は、特にグラッシーカーボン
が好ましい。グラッシーカーボンは、融帯と反応を起こ
すおそれもなく、例えばパイロリチックカーボンやパイ
ロリチックボロンナイトライドと比較して非常に低コス
トである。
【0016】グラッシーカーボンとは、ガラス状炭素の
ことである。グラッシーカーボンからなるルツボを作製
するには、グラッシーカーボンからなる基材を研削して
ルツボの各構成部分を作製し、各構成部分を樹脂によっ
て接着し、焼結によって接着部を炭化させ、閉気孔の状
態とする。
【0017】グラッシーカーボンは、熱硬化性樹脂を出
発原料としており、ガラスのように空気を透過しない性
質がある。また、非晶質の組織を有しており、特性は等
方的で扱いやすく、熱膨張係数が小さく(3.7×10
- 6/℃)、熱変形が少なく、熱容量が小さい。さらに
耐薬品性、耐蝕性、耐酸化性に優れている。また、研削
加工によって種々の形状の製品が製作可能である。グラ
ッシーカーボンの素材は、ガラス状炭素製品として、日
立化成株式会社によって製造されている。
【0018】石英の熱伝導度は1.3W/m・Kである
が、融帯と反応し、単結晶の内部にSiが不純物として
混入する可能性がある。
【0019】また、本発明は、アイソレーター素子用単
結晶の原料中に連続的に融帯を生成させ、この融帯を固
化させることによって単結晶を生成させる、アイソレー
ター素子用単結晶の育成装置であって、単結晶の原料を
収容する容器、この容器に対して相対的に移動すること
によって原料中に連続的に融帯を生成させるための加熱
炉、および容器と加熱炉とを相対的に移動させるめの駆
動手段を備えており、加熱炉が少なくとも予熱部、融帯
生成部および単結晶化部を備えており、予熱部および融
帯生成部がそれぞれヒーターを備えており、単結晶化部
が、着脱可能な一つ以上の断熱材ユニットからなること
を特徴とする。
【0020】グラッシーカーボンのように熱伝導率の低
い材質からなるルツボを使用した場合や、単結晶の原料
が潜熱の小さい材質である場合には、断熱材ユニットを
除去せず使用することによって、単結晶化部における温
度勾配が過度に大きくならないように制御することがで
きる。この温度勾配が例えば120℃/cmよりも大き
くなると、HgTe−Teの融帯生成が不均一となり、
所望組成の単結晶の歩留りが低下したり、あるいはHg
Te−Teの成分が単結晶内に取り残され、単結晶内に
歪みを残留させ、消光比の低下を招く。
【0021】これと共に、熱伝導率の比較的に高い材質
によってルツボを形成した場合、あるいは潜熱の大きい
単結晶原料に融帯を生成させる場合には、一つあるいは
複数の断熱材ユニットを取り除くことによって、融帯の
幅を狭くし、かつ単結晶化部における温度勾配を適度に
大きくし、所望組成と高い消光比を有する単結晶の歩留
りを向上させることができる。例えば単結晶化部におけ
る温度勾配が50℃/cm未満となる場合には、前述し
たような問題が生ずる。
【0022】また、断熱材ユニットの外周に、水冷装置
のような冷却装置を設置することによって、単結晶化部
における温度勾配を一層大きくする方向に調節すること
ができる。
【0023】また、本発明は、アイソレーター素子用単
結晶の原料中に連続的に融帯を生成させ、この融帯を固
化させることによって単結晶を生成させる、アイソレー
ター素子用単結晶の育成装置であって、単結晶の原料を
収容する容器、容器に対して相対的に移動することによ
って原料中に連続的に融帯を生成させるための第一の加
熱炉および第二の加熱炉、容器と第一の加熱炉とを相対
的に移動させるための第一の駆動手段、および容器と第
二の加熱炉とを相対的に移動させるための第二の駆動手
段を備えており、第一の加熱炉が三ゾーン以上のヒータ
ーを備えており、第二の加熱炉と容器との間に第二の加
熱炉が設置されていることを特徴とする。
【0024】第一の加熱炉と容器との間に、融帯を生成
させるための第二の加熱炉を設けることによって、第一
の加熱炉のみによって融帯を生成させる場合と比べて、
融帯の幅が狭くなるように制御することが可能になり、
これによって前述のようなHgTe−Teなどの成分が
ルツボ内で蒸発したり、あるいは単結晶内に残留したり
するのを、容易に防止できるようになった。第一の加熱
炉のみによってルツボ内に融帯を生成させる場合には、
ルツボが広範囲にわたって加熱される傾向があるため
に、特にルツボを構成する材質の熱伝導率が高い場合
や、単結晶原料の潜熱が大きい場合には、融帯の幅を狭
くすることが難しい。
【0025】熱伝導率の比較的に高いルツボの材質とし
ては、ボロンナイトライド、カーボン、パイロリチック
ボロンナイトライド、パイロカーボン、パイロリチック
カーボンコートを例示できる。
【0026】パイロリチックボロンナイトライドとは、
熱分解型ボロンナイトライドのことであり、化学的気相
成長法によって窒化ホウ素層を複数層積層させて得た材
質である。パイロカーボンとは、熱分解型カーボンのこ
とであり、化学的気相成長法によってカーボン層を複数
層積層させて得た材質である。パイロリチックカーボン
コートとは、カーボン基材の上に厚さ20−40μmの
熱分解型カーボンを被覆した材質のことであり、カーボ
ン基材の上に化学的気相成長法によってカーボン層を複
数層積層させて得られる。
【0027】本発明の製造方法および装置は、各種の組
成系の単結晶に対して適用可能であり、例えばHg−C
d−Mn−Te、Hg−Mn−Te,Hg−Cd−T
e,Cd−Mn−Te,Hg−Cd−Mn−Zn−T
e,Hg−Cd−Mn−Te−Se、Zn−Be−Mg
−Se−Te等の2−6族化合物や、Ga−Al−As
−P,In−Al−As−P等の3−5族化合物系の単
結晶に対して適用可能である。
【0028】Hg−Cd−Mn−Te系においては、H
gTeは5−35mol%であるが、18mol%以上
の場合に更に本発明が効果的である。MnTeの割合
は、5−30mol%であるが、20mol%以上の場
合に更に本発明が効果的である。
【0029】ルツボ内に充填、収容する原料としては、
多結晶体からなる原料が好ましいが、多結晶を生成する
前の金属粉末の混合物からなる原料も使用できる。
【0030】好適な態様においては、容器が、原料が充
填されているルツボと、このルツボを収容し、密封して
いる密封部材とを備えている。
【0031】以下、図面を参照しつつ、更に具体的な実
施例について述べる。
【0032】図1は、本発明の一実施形態に係る装置を
示す模式的平面図であり、図2は、図1の装置の模式的
正面図である。図3(a)は、容器30のルツボ16中
に種結晶および原料を収容した状態を概略的に示す断面
図であり、図3(b)は、ルツボ中の原料に融帯を生成
させている状態を概略的に示す断面図であり、図4
(a)は、ルツボ中に単結晶を生成させた後の状態を概
略的に示す断面図である。
【0033】耐火物1の内側空間2内においては、各容
器7A、7B、7C、7D、7E、7F内には、それぞ
れ単結晶の原料が充填されている。各容器に対して、そ
れぞれ対応する各加熱処理装置5A、5B、5C、5
D、5E、5Fが設けられている。本実施形態では、各
加熱処理装置を2×3列に縦横に整列させたが、これら
の個数や配置形状は変更できる。
【0034】昇降駆動装置4は、各加熱処理装置を、各
容器に対して上下方向に相対的に移動させるためのもの
である。本例では、昇降駆動装置4は、軸10に対して
取り付けられており、図示しない駆動機構によって軸1
0を上下方向に移動可能になっている。
【0035】昇降駆動装置4には、結合部材3が取り付
けられている。この結合部材3は、昇降駆動装置4への
取り付け部3gを備えている。結合部材3は、各加熱処
理装置5A、5B、5C、5D、5E、5Fに対してそ
れぞれ取りつけられている取り付け部3a、3b、3
c、3d、3e、3fを備えている。これらの各取り付
け部は、保持部3hを介して取り付け部3gに結合され
ている。各容器は、それぞれ固定軸8、9によって所定
箇所に固定されている。昇降駆動装置4を駆動すること
によって、各加熱処理装置を上下方向に移動させること
ができる。
【0036】各加熱処理装置内には、それそれ加熱処理
領域6A、6B、6C、6D、6E、6Fが生成してい
る。各加熱処理領域内に各容器を通過させ、各容器中の
原料に連続的に融帯を生成させ、この融帯を固化させる
ことによって容器中に単結晶を連続的に生成させる。
【0037】各加熱処理装置は、例えば図2に示すよう
に、予熱部12、融帯生成部13、単結晶化部14を備
えている。そして、各加熱処理装置が上方へと移動する
のにつれて、各容器内の原料に融帯が連続的に生成す
る。
【0038】各容器は、例えば図3(a)に示す容器3
0のように、原料17が充填されているルツボ16と、
ルツボ16を収容し、密封している密封部材15とを備
えていることが好ましい。本例では、ルツボ16は、育
成部分16b、拡張部分16aおよびこれらの連結部分
16cを備えている。密封部材15も、育成部分15
b、拡張部分15aおよびこれらの連結部分15cを備
えている。16dは、ルツボ16の開口である。
【0039】ここで、金属粉末の混合物からなる原料1
7をルツボの育成部分16bおよび拡張部分16aに充
填し、単結晶を少なくとも育成部分16b中に生成させ
ることが好ましい。なぜなら、実際に単結晶を育成する
べきルツボにおいては、できる限りその直径を小さくす
ることによって、単結晶の融帯が安定して生成し、単結
晶の品質が、より一層安定する。ただし、ルツボの直径
を小さくするのにつれて、ルツボの中に単結晶の原料を
収容することが困難になる。この際、原料を拡張部分1
6aから育成部分16bへと向かって収容すると、ルツ
ボ中への原料の充填は容易になる。
【0040】この後は、通常は、密封部材内を真空排気
し、真空封切りしてルツボを密封する。そして、粉末原
料17をいったん溶融させ、クエンチして多結晶を作製
する。次いで、各加熱処理装置を上方へと移動させる
と、育成部分16b内の多結晶原料20が下から順に加
熱され、図3(b)に示すように融帯21が生成する。
この融帯21は、徐々に上方へと向かって移動する。
【0041】最終的に単結晶が生成した後には、図4
(a)に示すように、ルツボ16の育成部分16b内に
は単結晶23が生成する。ここで、2つの破線Bで挟ま
れた領域内で、目的とする組成の単結晶が生成する。た
だし、種結晶に近い部分は、材料の相図に従った組成の
変化領域となり、その上部が、目的とする組成の均一な
領域となる。下側の破線Bの下には種結晶18がある。
上側の破線Bの上には、溶融体と同様の組成を有する単
結晶40が生成する。また、ルツボの連結部分16cお
よび拡張部分16a内には、通常は多結晶22が生成す
る。通常は、粉末原料17の表面Aに比べて、多結晶2
2の表面の位置は下がる。
【0042】こうしたルツボを使用すると、溶湯を補給
したときに単結晶23内に気孔が発生しにくく、溶湯の
対流が盛んになり、組成偏析が一層抑制される。
【0043】この後、育成部分16b内の単結晶23の
組成の均一な領域のみを利用することが特に好ましい。
なぜなら、単結晶23の生成の過程において、粉末原料
17ないし多結晶20内に含有されていた過剰な金属成
分は、ルツボ16内で上方へと、即ち拡張部分16a内
へと向かって移動する傾向があり、図4(a)において
多結晶22内に偏在する傾向がある。従って、拡張部分
16a内に生成した多結晶を捨て、育成部分16b内に
生成した単結晶23を利用することによって、単結晶の
特性、特に光学的特性が、より一層安定する。
【0044】このように、特に好適な態様においては、
ルツボが、主として単結晶を育成する育成部と、拡張部
と、育成部と拡張部とを連結する連結部とを備えてお
り、育成部の内側空間を横断面方向に切ってみたときの
直径が2−6mmであり、特に好ましくは3−6mmで
あり、拡張部の内側空間を横断面方向に切ってみたとき
の直径が4−20mmであり、特に好ましくは10−2
0mmである。
【0045】これによって、加熱処理装置からの熱伝導
が向上し、多結晶原料内に順次に生成してくる融帯の状
態が安定し、異種結晶や組成偏析が抑制される。また、
ルツボ内への原料の充填量を少なくできることから、非
加圧条件で光学単結晶を育成できる。
【0046】また、プレート状ないし板状の単結晶は、
例えば、偏光子を備えたファラデー素子の量産に利用で
きる。即ち、板状ないしプレート状の単結晶をファラデ
ー素子とし、このファラデー素子の表面に、ルチルやポ
ーラコア等の板状の偏光子を貼り合わせて接合体を得、
次いでこの接合体を切削し、切断することによって、多
数のチップを作製することができる。
【0047】この場合には、前記と同様の理由から、容
器の内側空間の厚さを6mm以下とすることが更に好ま
しい。この厚さの下限は特に限定する理由はないが、少
なくとも最終製品の厚さ以上である必要があり、単結晶
のハンドリングし易さの観点からは1mm以上とするこ
とが好ましい。ルツボが、育成部と拡張部と連結部とを
備えている場合には、好ましくは、育成部の内側空間を
横断面方向に切ってみたときの厚さが1−6mmであ
り、拡張部の内側空間を横断面方向に切ってみたときの
厚さが3−20mmである。また、ルツボの板状部分の
内側空間の幅については特に制限はないが、例えば10
−80mmとすることができる。
【0048】このように、ルツボの内側空間の横断面方
向の寸法を小さくし、あるいは薄くすることによって、
融帯の状態が安定し、異種結晶や組成偏析が抑制され、
この結果単結晶の組成が安定し、消光比が全体として向
上するものと思われる。
【0049】こうした作用効果を奏する上で、図4に示
すように、拡張部16aの長さmを20−40mmと
し、連結部16cの勾配長nを3−20mm(特に好ま
しくは10−20mm)とし、育成部16bの長さpを
70−200mmとすることが特に好ましい。
【0050】また、ルツボ16の最下部内に単結晶の種
結晶18を収容し、次いで種結晶18の上に粉末原料1
7を充填することが好ましい。これによって、各容器3
0内に生成する各単結晶23の結晶方位が、一層均一化
する。
【0051】また、ルツボ16の育成部分16bの少な
くとも一部を、ルツボ16から切り出すことができる。
例えば、図4(a)に破線Bで示すように、筒状部分1
6bおよび単結晶23を切断する。これによって、例え
ば図4(b)、図4(c)に示すように、筒状被覆部分
26と単結晶23とからなる柱状体24を得、柱状体2
4を光学材料として使用できる。この場合には、単結晶
23の一対の端面25の間に光を通すことができる。
【0052】本発明では、このように単結晶生成領域に
おける容器の直径を小さくできることから、各容器30
の内側に充填する粉末原料17の重量は比較的に少な
い。従って、容器30の加熱処理を非加圧条件下で実施
できる。
【0053】融帯生成部の上下方向の長さは、5mm以
上とすることが好ましく、これによって融帯が安定して
生成し、再現性も高くなる。また、融帯生成部の長さ
は、30mm以下とすることが好ましい。この理由とし
ては、ゾーンが長過ぎると、析出する組成の変化が緩慢
となるため、目的とする組成が得られる領域が少なくな
ることが挙げられる。
【0054】予熱部および単結晶化部の上下方向の各長
さは、30mm以上とすることが好ましく、これによっ
て気孔の発生が抑制され、結晶化速度が一層速くなる。
予熱部および単結晶化部の上下方向の各長さは、100
mm以下とすることが好ましい。
【0055】予熱部の温度は、融帯生成部の温度より5
0℃以上、300℃以下の範囲で低く設定することが好
ましく、これによって多結晶体の粒成長が抑制され、か
つ組成偏析の原因となる水銀やカドミウムの多結晶体か
らの離脱も防止できる。また、単結晶化部の温度も70
0℃以上、1000℃以下とすることが好ましい。
【0056】各容器ないし密封部材は、いずれも互いに
平行に延びるように固定されていることが好ましく、か
つ各容器の上側端部と下側端部との双方が固定されてい
ることが好ましい。これによって、融帯の揺らぎがなく
なり、異種結晶の発生も抑制される。このためには、例
えば図2に示す各固定軸8、9と各容器との結合点11
において、ボールポイントネジによって3点または4点
で固定して、水平あるいは真円度を維持することが好ま
しい。
【0057】また、本発明の一例においては、図5の模
式的断面図に示すように、図示しない昇降駆動装置の軸
31に結合部材32を取り付け、結合部材32に、昇降
可能な加熱炉40を取り付ける。一方、固定装置38の
上端に容器36を取り付ける。容器36は、ルツボ単体
であってよく、ルツボと、ルツボを収容する密閉部材と
の組み合わせであってよい。
【0058】加熱炉40は、予熱部40a、融帯生成部
40bおよび単結晶化部40cを備えている。加熱炉4
0の本体は断熱材からなる。予熱部40aは、断熱材の
凹部34Aに収容されたヒーター35Aからなる。融帯
生成部40bは、断熱材の凹部34Bに収容されたヒー
ター35Bからなる。単結晶化部40cは、複数個、例
えば4個の着脱可能な断熱材ユニット41A、41B、
41C、41Dからなる。各断熱材ユニットは、例えば
図6に示すように円環形状をなしている。最下部の断熱
材ユニット41Dは、ネジ等の締結具によって取り付け
可能となっており、実際に取り付ける断熱材ユニットの
個数を変更できるようになっている。図6においては、
断熱材ユニット41Bと41Cとを除去し、断熱材ユニ
ット41Aと41Dとを取り付けた。37は融帯であ
る。
【0059】また、本発明においては、図7の模式的断
面図に示すように、昇降駆動装置42に結合部材43
A、43Bを取り付け、結合部材に、昇降可能な第一の
加熱炉46を取り付ける。第一の加熱炉46は、3ゾー
ン以上、例えば5ゾーンの加熱ゾーン46a−46eを
備えている。加熱炉46の本体は断熱材からなる。各加
熱ゾーン46a、46b、46c、46d、46eは、
それぞれ、断熱材の凹部34A、34B、34C、34
D、34Eに収容されたヒーター35A、35B、35
C、35D、35Eからなる。
【0060】また、昇降駆動装置44に結合部材45を
取り付け、結合部材45に、昇降可能な第二の加熱炉4
7を取り付ける。第二の加熱炉47は、通常、断熱材
と、断熱材によって包囲されたヒーターからなる。この
具体的形態は特に限定されない。
【0061】例えば図8に示すように、カバー50の内
側に断熱材49が包囲され、断熱材49の内側空間にヒ
ーター48が収容されている。
【0062】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。(実験A)図1〜図4を参照しつつ説明した前記方
法に従って、Hg−Cd−Mn−Te系の組成を有する
単結晶からなる光学材料を育成した。具体的には、粉末
原料17として、Cd、Mn、Hg−Te合金およびC
d−Te合金を使用した。種結晶として、CdTeの
(111)方位の結晶(直径3mm、長さ30mm)を
使用した。密封部材15の材質を石英ガラスとし、厚さ
を2mmとした。ルツボ16の育成部分16bの内径を
3mmとし、長さを300mmとした。ルツボ16の拡
張部分16aの内径を5mmとし、長さを50mmとし
た。ルツボ16の材質を、厚さ1mmのグラッシーカー
ボン(本発明例)、または厚さ1mmのパイロリチック
ボロンナイトライド(比較例)とした。
【0063】原料300gを、調合後の組成がHgT
e:25mol%、MnTe:20mol%、残部がC
dTeとなるように調合した。種結晶を容器中に投入し
た後、15gの粉末原料をルツボ16内に投入し、石英
製の密封部材の中にルツボを入れ、密封部材を密封し
た。
【0064】20本の密封部材を使用して各容器30を
製造し、各容器30を常圧電気炉内に収容し、50℃/
時間で1100℃まで温度を上昇させ、原料17を溶解
させた。このとき、種結晶18は、図に示さない冷却機
構により冷却して、溶解を防ぐ構造とした。また、昇温
により、内部に投入した粉末は溶融体となり、ちょうど
ルツボのテーパー部16cの部分まで溶融体が形成され
る。次いで容器を急速に冷却し、多結晶原料20を得
た。次いで、各容器30を取り出し、図1、図2に示す
製造装置にセットした。
【0065】ここで、各加熱処理装置の融帯生成部の内
径は15mmであり、長さは10mmであり、予熱部お
よび単結晶化部の長さは50mmである。加熱処理装置
は、円筒形状に成形された金属、合金またはセラミック
ス製の発熱体からなる。各容器30の両端部を固定軸に
よって固定した。
【0066】このようにして、20本の各容器30を所
定箇所に固定し、次いで常圧で加熱処理装置を50℃/
時間で温度を上昇させた。融帯生成部の位置を種結晶1
8の上端に合わせてセットし、805℃にした。また、
予熱部および単結晶化部の温度を600℃にした。この
時の予熱部と融帯生成部および単結晶化部と融帯生成部
の温度勾配は、それぞれ75℃/cmであった。この状
態で、24時間保持し、次いで、9日間各加熱処理装置
の移動を継続した。育成終了後の降温は50℃/時間で
行い、20本の密封部材を取り出した。
【0067】1本の密封部材からルツボを取り出した。
種結晶部分18の上から270mmの長さについて、組
成比率と消光比とを測定した。この結果、本発明例にお
いては、目的組成になっていた部分の長さは240mm
であり、消光比が35dB以上になっていた部分の長さ
は210mmであり、消光比が40dB以上になってい
た部分の長さは120mmであった。比較例において
は、的組成になっていた部分の長さは236mmであ
り、消光比が35dB以上になっていた部分の長さは1
50mmであり、消光比が40dB以上になっていた部
分の長さは80mmであった。
【0068】(実験B)実験Aと同様にして単結晶を育
成した。ただし、図5、図6に示す製造装置および加熱
路を使用した。予熱部40a、融帯生成部40b、およ
び断熱材ユニット41A−41Dを構成する材質はアル
ミナウール質である。予熱部40a、融帯生成部40b
の寸法は実験Aと同じであり、断熱材ユニット41A−
41Dの長さはそれぞれ20mmであった。
【0069】この結果、グラッシーカーボン製のルツボ
を使用した場合には、目的組成になっていた部分の長さ
は270mmであり、消光比が35dB以上になってい
た部分の長さは250mmであり、消光比が40dB以
上になっていた部分の長さは160mmであった。パイ
ロリチックボロンナイトライド製のルツボを使用した場
合には、目的組成になっていた部分の長さは250mm
であり、消光比が35dB以上になっていた部分の長さ
は190mmであり、消光比が40dB以上になってい
た部分の長さは120mmであった。
【0070】(実験C)実験Aと同様にして単結晶を育
成した。ただし、図7、図8に示す製造装置および加熱
路を使用した。加熱炉46および47を構成する断熱材
は、アルミナウール質であり、発熱体は白金である。各
加熱ゾーン46a−46eの長さは50mmであり、内
径は90mmであった。加熱炉46の内側に加熱炉47
を設置している。加熱炉47の長さは30mmであり、
内径は30mmである。加熱炉47の内側におけるルツ
ボ表面の温度は805℃とし、加熱炉46の上端部と下
端部におけるルツボ表面の温度は600℃にした。この
時の加熱ゾーン46b、46dにおける温度勾配は、そ
れぞれ75℃/cmであった。
【0071】この結果、グラッシーカーボン製のルツボ
を使用した場合には、目的組成になっていた部分の長さ
は280mmであり、消光比が35dB以上になってい
た部分の長さは260mmであり、消光比が40dB以
上になっていた部分の長さは180mmであった。パイ
ロリチックボロンナイトライド製のルツボを使用した場
合には、目的組成になっていた部分の長さは260mm
であり、消光比が35dB以上になっていた部分の長さ
は240mmであり、消光比が40dB以上になってい
た部分の長さは140mmであった。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、H
g−Cd−Mn−Te系等ののアイソレーター素子用単
結晶を製造するのに際して、単結晶の原料が充填されて
いる容器を熱処理して融帯を連続的に生成させることに
よって単結晶を育成する方法において、容器内において
所望組成の単結晶の歩留りを上昇させ、かつ35dB以
上の消光比を有する高品質の単結晶の歩留りを上昇させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造装置を模式的に
示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る製造装置を模式的に
示す正面図である。
【図3】(a)は、本発明で使用できる容器30のルツ
ボ16内に粉末原料17が充填されている状態を模式的
に示す断面図であり、(b)は、(a)の容器内の多結
晶20を加熱処理している状態を模式的に示す断面図で
ある。
【図4】(a)は、ルツボ16内に単結晶23、多結晶
22が生成している状態を模式的に示す断面図であり、
(b)は、ルツボ16の育成部分の切断によって得られ
た柱状体24を示す断面図であり、(c)は、図4
(b)のIVc−IVc線断面図である。
【図5】加熱炉40の単結晶化部40cを複数の断熱材
ユニット41A、41B、41C、41Dによって構成
した育成装置を模式的に示す断面図である。
【図6】加熱炉40の予熱部40a、融帯生成部40b
および単結晶化部40cを模式的に示す斜視図であり、
断熱材ユニット41A、41Dが取り付けられ、断熱材
ユニット41B、41Cは除去されている。
【図7】第一の加熱炉46および第二の加熱炉47によ
って単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図で
ある。
【図8】第二の加熱炉47の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 耐火物 3、32、43A、43B、45 結合
部材 4、42、44 昇降駆動装置 5A、5B、5C、
5D、5E、5F 加熱処理装置 6A、6B、6
C、6D、6E、6F 加熱処理領域 7A、7B、
7C、7D、7E、7F、30 容器 8、9 固定
軸 10、31軸 12、40a 予熱部 1
3、40b 融帯生成部 14、40c単結晶化部
15 密封部材 16 ルツボ 16a ルツボ
16の拡張部分 16b ルツボ16の育成部分
17 ルツボ内に投入されている粉末原料 18 円
柱状の種結晶 19、23 単結晶 20 多結晶
原料 21、37 融帯 22 多結晶 24
柱状体 35A、35B、35C、35D、35E
ヒーター 40 加熱炉 41A、41B、41
C、41D 断熱材ユニット 46 第一の加熱炉
46a、46b、46c、46d、46e 加熱ゾー
ン 47 第二の加熱炉

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶を製造する方法であって、 前記単結晶の原料が充填されたルツボを加熱処理装置に
    対して上下方向に相対的に移動させることによってこの
    ルツボ中の原料に連続的に融帯を生成させ、この融帯を
    固化させることによってルツボ中に単結晶を連続的に生
    成させるのに際して、前記ルツボの材質の熱伝導度が2
    0W/m・K以下であることを特徴とする、単結晶の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記ルツボの材質がグラッシーカーボンで
    あることを特徴とする、請求項1記載の単結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記ルツボが、石英からなる密閉部材中に
    密閉されていることを特徴とする、請求項1または2記
    載の単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ルツボが、主として前記単結晶を育成
    する筒状の育成部と、筒状の拡張部と、前記育成部と拡
    張部とを連結する筒状の連結部とを備えており、前記育
    成部の内側空間を横断面方向に切ってみたときの直径が
    2−6mmであり、前記拡張部の内側空間を横断面方向
    に切ってみたときの直径が4−20mmであることを特
    徴とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載
    の単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ルツボが、板状の単結晶を主として育
    成する育成部と、拡張部と、前記育成部と拡張部とを連
    結する連結部とを備えており、前記育成部の内側空間を
    横断面方向に切ってみたときの厚さが1−6mmであ
    り、前記拡張部の内側空間を横断面方向に切ってみたと
    きの厚さが3−20mmであることを特徴とする、請求
    項1−3のいずれか一つの請求項に記載の単結晶の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記拡張部の長さが20−40mmであ
    り、前記連結部の勾配長が3−20mmであり、前記育
    成部の長さが70−400mmであることを特徴とす
    る、請求項4または5記載の単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】前記単結晶が、Hg−Cd−Mn−Te系
    の化合物からなる光アイソレーター素子用の単結晶であ
    ることを特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請
    求項に記載の単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】単結晶の原料中に連続的に融帯を生成さ
    せ、この融帯を固化させることによって前記単結晶を生
    成させる、単結晶の育成装置であって、 この単結晶の原料を収容する容器、この容器に対して相
    対的に移動することによって前記原料中に連続的に融帯
    を生成させるための加熱炉、および前記容器と前記加熱
    炉とを相対的に移動させるための駆動手段を備えてお
    り、前記加熱炉が少なくとも予熱部、融帯生成部および
    単結晶化部を備えており、前記予熱部および前記融帯生
    成部がそれぞれヒーターを備えており、前記単結晶化部
    が、着脱可能な一つ以上の断熱材ユニットからなること
    を特徴とする、単結晶の育成用の加熱炉。
  9. 【請求項9】前記単結晶化部を構成する前記断熱材ユニ
    ットが複数設けられており、各断熱材ユニットが前記単
    結晶の育成方向にみたときに10−20mmの厚さを有
    していることを特徴とする、請求項8記載の単結晶の育
    成装置。
  10. 【請求項10】前記断熱材ユニットの外周に、この断熱
    材ユニットを冷却するための冷却装置が設けられている
    ことを特徴とする、請求項8または9記載の単結晶の育
    成装置。
  11. 【請求項11】単結晶の原料中に連続的に融帯を生成さ
    せ、この融帯を固化させることによって前記単結晶を生
    成させる、単結晶の育成装置であって、 この単結晶の原料を収容する容器、この容器に対して相
    対的に移動することによって前記原料中に連続的に融帯
    を生成させるための第一の加熱炉および第二の加熱炉、
    前記容器と前記第一の加熱炉とを相対的に移動させるた
    めの第一の駆動手段、および前記容器と前記第二の加熱
    炉とを相対的に移動させるための第二の駆動手段を備え
    ており、前記第一の加熱炉が3ゾーン以上のヒーターを
    備えており、前記第二の加熱炉と前記容器との間に前記
    第二の加熱炉が設置されていることを特徴とする、単結
    晶の育成装置。
  12. 【請求項12】前記第一の加熱炉を移動させるための第
    一の駆動手段と、前記第二の加熱炉を前記第一の加熱炉
    とは独立して移動させるための第二の駆動手段とを備え
    ていることを特徴とする、請求項11記載の単結晶の育
    成装置。
JP9184999A 1998-03-31 1999-03-31 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置 Pending JP2000001389A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9184999A JP2000001389A (ja) 1998-03-31 1999-03-31 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-86130 1998-03-31
JP8613098 1998-03-31
JP9184999A JP2000001389A (ja) 1998-03-31 1999-03-31 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000001389A true JP2000001389A (ja) 2000-01-07

Family

ID=26427287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9184999A Pending JP2000001389A (ja) 1998-03-31 1999-03-31 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000001389A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010271158A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Japan Ae Power Systems Corp 電子線源用フィラメント構造体
US10741648B2 (en) 2016-07-19 2020-08-11 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Semiconductor device and manufacturing method thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010271158A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Japan Ae Power Systems Corp 電子線源用フィラメント構造体
US10741648B2 (en) 2016-07-19 2020-08-11 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Semiconductor device and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497053B2 (ja) 単結晶ゲルマニウムの結晶成長システム、方法および基板
EP0068021A1 (en) METHOD AND DEVICE FOR FORMING AND GROWING A SINGLE CRYSTAL OF A SEMICONDUCTOR CONNECTION.
US5611856A (en) Method for growing crystals
EP1540048B1 (en) Silicon carbide single crystal and method and apparatus for producing the same
JPS5948792B2 (ja) 炭化けい素結晶成長法
US4904336A (en) Method of manufacturing a single crystal of compound semiconductor and apparatus for the same
JPH10158088A (ja) 固体材料の製造方法及びその製造装置
JPH062635B2 (ja) 巨大磁歪合金ロツドの製造方法
JP2000001389A (ja) 単結晶の製造方法および単結晶の育成装置
JP2004189549A (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造方法
JP3513046B2 (ja) 単結晶の製造装置
US5063986A (en) Method for manufacturing alloy rod having giant magnetostriction
JP2000281475A (ja) アイソレーター素子用単結晶の製造方法
US4046954A (en) Monocrystalline silicates
JP2004203721A (ja) 単結晶成長装置および成長方法
JPH11343195A (ja) アイソレ―タ―素子用単結晶の製造方法
US20040221793A1 (en) Method for producing an optical fluoride crystal without annealing
JP7486743B2 (ja) FeGa合金単結晶の製造方法
RU2813036C1 (ru) Способ выращивания монокристаллов тройного соединения цинка, германия и фосфора
JPH01317188A (ja) 半導体単結晶の製造方法及び装置
JP3887444B2 (ja) 四ほう酸リチウム単結晶の製造方法
JP2733898B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
US6497762B1 (en) Method of fabricating crystal thin plate under micro-gravity environment
JP2003243732A (ja) 熱電材料、及び、熱電材料の製造方法並びに製造装置
JP2010030868A (ja) 半導体単結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040525

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02