JP2002128545A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
ことなく、コインシデンス効果の緩和によってTL値の
低下を防ぎ、かつ広い温度領域において優れた遮音性を
長期安定的に発揮し得る合わせガラス用中間膜、及び、
それを用いた合わせガラスを提供する。 【解決手段】 可塑剤により可塑化されたポリビニルア
セタール樹脂膜の積層体からなり、該積層体の最外層を
除く少なくとも一層には、末端に少なくとも一つ以上の
カルボキシル基をもつ化合物を含有するポリビニルアセ
タール樹脂膜を使用する。
Description
間膜及び合わせガラスに関する。
ンドイッチした合わせガラスは、破損時に飛散せず安全
性に優れているため、例えば、自動車用等の車両の窓ガ
ラスや建築物の窓ガラスとして広く使用されている。こ
のような合わせガラス用中間膜のうち、可塑剤の添加に
より可塑化されたポリビニルブチラール樹脂膜は、ガラ
スとの接着性、強靱な引張強度、高い透明性を兼ね備え
ており、この樹脂膜を用いて構成した合わせガラスは、
特に車両用窓ガラスとして好適である。
化に応じた透過損失量として表され、その透過損失量
は、JIS A 4708では図1の実線で示したよう
に、500Hz以上において遮音等級に応じて、それぞ
れ一定値で規定されている。一般に、ガラス板の遮音性
は図中に波線で示したように、2000Hzを中心とす
る周波数領域では、コインシデンス効果により著しく低
下する(図中、波線の谷部がコインシデンス効果による
遮音性能の低下に相当し、所定の遮音性能を保持しない
ことを示す)。
に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性とによっ
て、ガラス面上を横波が伝播して横波と入射音とが共鳴
し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
では優れているものの、遮音性の面では、2000Hz
を中心とする周波数領域において、やはりコインシデン
ス効果による遮音性能の低下が避けられず、この点の改
善が求められている。
ら、1000〜6000Hzの範囲では、他の周波数領
域に比べて非常に高い感度を示すことが知られており、
コインシデンス効果による遮音性能の落ち込みを解消す
ることが防音性にとって極めて重要であることが分か
る。
上記のようなコインシデンス効果を緩和して、コインシ
デンス効果によって生じる透過損失の極小部(以下、極
小部の透過損失をTL値という、図1参照)の低下を防
ぐ必要がある。従来、TL値の低下を防ぐ手段として、
合わせガラスの質量の増大、ガラスの複層化、ガラス面
積の細分化、ガラス板指示手段の改善等、種々の方策が
提案されている。しかし、これらはいずれも十分に満足
できる効果をもたらさない上に、実用に供するにはコス
ト的にも妥当な価格になっていない。
り、例えば、建築用窓ガラスでは常温付近で優れた遮音
性が要求される。即ち、温度に対して透過損失(TL
値)をプロットして求めた、遮音性が最も優れている温
度(遮音性能最大温度=TLmax温度)が常温付近で
あり、かつ遮音性の最大値(遮音性能最大値=TLma
x値)自体が大きいという、優れた遮音性が要求されて
いる。同様なことは、自動車においても適用され、高速
走行時の風切り音及びエンジン部からの振動等、遮音性
が要求される箇所が多くなっている。
と、これらの合わせガラスは低温域から高温域までの幅
広い環境温度の変化に曝されるため、室温付近のみなら
ず広い温度範囲での良好な遮音性が要求される。しか
し、例えば、従来の可塑化ポリビニルブチラールの樹脂
膜を用いた合わせガラスは、TLmax温度が室温より
高く、常温付近では遮音性がよくないという問題点があ
った。
中間膜の先行技術としては、例えば、特開平2−229
742号公報には、ガラス転移温度15℃以下の樹脂
膜、例えば、塩化ビニル−エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体の樹脂膜と、可塑化ポリビニルアセタ
ール樹脂膜との積層体からなる中間膜が提案されてい
る。しかしながら、この中間膜は、JIS A 470
6による遮音等級でTs−35等級を超える性能を示さ
ない上に、遮音性を示す温度範囲が限定されており、広
い温度範囲で良好な遮音性を発揮することが困難であっ
た。
は、ガラス転移温度の異なる2種以上の樹脂膜を積層す
ることによって、広い温度領域で制振性を発現する構成
体が提案されている。しかしながら、この構成体では、
広い温度領域で制振性が改善されることは認められる
が、合わせガラスとして必要な遮音性、透明性などに関
する記述はなく、さらに、安全ガラスとして必要な高い
衝撃エネルギー吸収性、ガラス破損時の飛散防止性等の
要件を満足するものではなかった。
は、特に広い温度領域で優れた遮音性を長期間にわたっ
て発現する合わせガラスは得られていない。
問題点に鑑み、透明性、耐候性、衝撃エネルギー吸収
性、ガラスとの接着性等の合わせガラスとして必要な基
本性能を損なうことなく、また、成形性及び取扱い性を
損なうことなく、コインシデンス効果の緩和によってT
L値の低下を防ぎ、かつ広い温度領域において優れた遮
音性を長期安定的に発揮し得る合わせガラス用中間膜、
及び、それを用いた合わせガラスを提供することにあ
る。
ラスの遮音性が中間膜の動的粘弾性特性によって左右さ
れ、特に貯蔵弾性率と損失弾性率との比である損失正接
に最も影響されることを見出した。このことから、中間
膜の損失正接を制御することで、合わせガラスの遮音性
を広温度範囲で良好に維持できるよう鋭意検討を行っ
た。
温度(Tg)に影響され、特に損失正接の最大値が示す
温度域は膜のTg近傍に相当する。従って、例えば、室
温よりも低温域の遮音性を向上させる場合、膜のTgは
室温付近に位置することが望ましい。具体的には、膜中
の可塑剤部数を増加させる手法がよく用いられる。
と、樹脂と可塑剤との相溶性によっては、可塑剤が膜中
より表面にブリードアウトする。可塑剤が膜表面にブリ
ードアウトすることにより、膜とガラスとの接着力が低
下し、合わせガラスの耐湿性等に悪影響を及ぼすので好
ましくない。
ラスとの接着性に悪影響を及ぼすことなく、膜のTgが
室温付近(又はそれ以下)にあり、室温付近(又はそれ
以下)での遮音性が向上する膜構成を見出し、本発明を
完成させるに至った。
により可塑化されたポリビニルアセタール樹脂膜の積層
体よりなる合わせガラス用中間膜であって、該積層体の
最外層を除く少なくとも一層には、末端に少なくとも一
つ以上のカルボキシル基をもつ化合物を含有するポリビ
ニルアセタール樹脂膜が用いられてなることを特徴とす
る。
合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記す
る)には、ポリビニルアセタール樹脂膜の積層体が用い
られる。
としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PV
Aという)を熱水に溶解し、得られたPVA水溶液を所
定温度に保持した後、これにアルデヒドと触媒とを加え
てアセタール化反応を進行させ、次いで、反応液を所定
温度で保持した後、中和、水洗、乾燥の工程を経て樹脂
粉末を得る方法が挙げられる。
いられるPVAは、特に限定されないが、平均重合度5
00〜5000のものが好ましく、より好ましくは10
00〜3000である。平均重合度が、500より小さ
くなると樹脂膜及び中間膜の強度が弱くなり過ぎて、合
わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収
性が不十分となることがあり、5000を超えると樹脂
膜の成形が困難となることがあり、しかも樹脂膜及び中
間膜の強度が強くなり過ぎて、合わせガラスとしたとき
の耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となること
がある。
いられるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブ
チルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデ
ヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアル
デヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙
げられる。
セタール樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。これらの中でも、n−ブチルアルデ
ヒドでアセタール化して得られるポリビニルブチラール
樹脂が好ましい。ポリビニルブチラール樹脂を用いるこ
とにより、樹脂膜及び中間膜の透明性、耐候性、ガラス
に対する接着性等がより優れたものとなる。
に用いられる可塑剤としては、特に限定されず、例え
ば、一塩基酸エステル系、多塩基酸エステル系等の有機
エステル系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系等
のリン酸系可塑剤が用いられる。具体的には、一塩基酸
エステル系可塑剤の中では、トリエチレングリコール、
トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール
等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−
エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸等の有
機酸との反応によって得られるグリコール系エステルな
どが挙げられる。
例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状アルコー
ルと、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機
酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
また、上記リン酸系可塑剤としては、例えば、トリブト
キシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェ
ート等が挙げられる。
ングリコール−ジ2−エチルブチレート(3GH)、ト
リエチレングリコール−ジ2−エチルヘキサノエート
(3GO)、トリエチレングリコール−ジn−ヘプタノ
エート(3G7)、トリエチレングリコール−ジカプリ
レート、トリエチレングリコール−ジn−オクトエー
ト、トリエチレングリコール−ジ2−エチルブチレー
ト、テトラエチレングリコール−ジn−ヘプタノエー
ト、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が
好適に用いられ、特に好適に用いられるのは、3GH、
3GO、3G7等である。
2種以上が併用されてもよい。
塑剤の配合量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量
部に対して30〜70重量部が好ましい。配合量が、3
0重量部未満になるとポリビニルアセタール樹脂の可塑
化が不十分となることがあり、70重量部を超えると樹
脂膜及び中間膜の力学的物性やガラスに対する接着力が
不十分となることがある。
の組合わせの中でも、ポリビニルアセタール樹脂として
ポリビニルブチラール樹脂を用い、可塑剤として3G
H、3GO及び3G7から選択される少なくとも1種を
用いる組合わせが、特に好ましい。
(中間膜)の積層数は、3層以上であれば特に限定され
ず、多層の積層体であってもよい。上記樹脂膜積層体の
最外層を除く少なくとも一層には、末端に少なくとも一
つ以上のカルボキシル基をもつ化合物を含有するポリビ
ニルアセタール樹脂膜が用いられる。
化ポリビニルアセタール樹脂中の可塑剤と反応し、可塑
剤のポリビニルアセタール樹脂に対する可塑化効果を促
進させる。従って、ポリビニルアセタール樹脂に対する
可塑剤配合量が同一であっても、本化合物を含有するこ
とにより、中間膜のTgはより低温側へ移動し、Tgが
低くなっても可塑剤量が変わらないので、中間膜表面へ
のブリードアウトは起こらない。
は、例えば、炭素数2〜18のカルボン酸、炭素数2〜
18のヒドロキシカルボン酸、炭素数2〜18のカルボ
ン酸縮合物及び炭素数2〜18のヒドロキシカルボン酸
縮合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが
好ましく、このような化合物としては、例えば、ステア
リン酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、ひま
し油脂肪酸、リシノール酸、水添リシノール酸、リシノ
ール酸縮合物等が好適に用いられる。
は、可塑剤100重量部に対して0.5〜50重量部が
好ましく、より好ましくは10〜30重量部である。配
合量が、0.5重量部未満になると可塑化効果を促進さ
せる働きが小さくなり、50重量部を超えるとカルボキ
シル基が樹脂膜中で多量に存在するため、長期耐候性が
不足することがある。
るのは、樹脂膜積層体の最外層を除く少なくとも一層で
ある。その理由は、最外層に本化合物を含有させると、
最外層のTgが低下し、それに伴って弾性率も低下す
る。本積層体において、最外層の弾性率が低下すると積
層体を取扱う際の作業性が悪くなり、かつ積層体全体が
柔らかくなるため、合わせガラスの耐衝撃性、耐貫通性
が損なわれるからである。従って、最外層には、本化合
物を含有しない可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜が用
いられる。
しての厚みである、0.3〜1.6mmが好ましい。こ
の厚みは、大きい方がより遮音性に優れるが、合わせガ
ラスとして必要な耐貫通性を考慮して決定されることが
好ましく、実用上は上記厚み範囲に設定されることが好
ましい。
樹脂膜をそれぞれ別々に成形した後、これらの樹脂膜を
ガラス板の間で積層させる方法、多層成形機を用いて樹
脂膜の積層体を一体成形させる方法等、種々の方法が用
いられる。
サンドイッチして合わせガラスを製造するには、通常の
合わせガラスの製造に用いられる方法が採用され、例え
ば、中間膜をその両側からガラス板で挟み込み、熱圧プ
レスにより接着して製造する方法が行われる。
は、無機ガラス板のみならず、ポリカーボネート板、ポ
リメチルメタクリレート板等の有機ガラス板が使用され
てもよい。
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
(ブチラール化度68.9モル%、残存アセチル基量
0.9モル%、)100重量部に対してトリエチレング
リコール−ジ2−エチルヘキサノエート(3GO)39
重量部を添加、混合した混合物をミキシングロールで十
分に混練した。得られた混練物の所定量をプレス成形機
により、150℃で30分間保持して、厚み0.3mm
の樹脂膜(A)を得た。
ル樹脂100重量部に対して3GOを39重量部添加
し、さらに2−エチルヘキサンを3GO100重量部に
対して15重量部の割合で添加、混合した混合物をミキ
シングロールで十分に混練した。得られた混練物の所定
量をプレス成形機により、150℃で30分間保持し
て、厚み0.3mmの樹脂膜(B)を得た。
脂膜の積層構成がA/B/Aとなるように重ねて、3層
の積層体からなる中間膜を得た。次いで、上記中間膜を
2枚のフロートガラス(2mm厚、サイズ300mm×
300mm)で両側から挟み込んでサンドイッチ状と
し、この未圧着状態のサンドイッチ体をゴムバックに入
れ、27kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気状
態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で30分間
保持した。こうして、真空プレスにより仮接着したサン
ドイッチ体を、さらにオートクレーブ中で圧力1.2M
Pa、温度135℃で熱圧着し、透明な合わせガラス
(試験体)を作製した。
(ブチラール化度65.9モル%、残存アセチル基量
0.9モル%、)100重量部に対してトリエチレング
リコール−ジ2−エチルブチレート(3GH)40重量
部を添加、混合した混合物をミキシングロールで十分に
混練した。得られた混練物の所定量をプレス成形機によ
り、150℃で30分間保持して、厚み0.3mmの樹
脂膜(A)を得た。
ル樹脂100重量部に対して3GHを40重量部添加
し、さらに2−エチル酪酸を3GH100重量部に対し
て20重量部の割合で添加、混合した混合物をミキシン
グロールで十分に混練した。得られた混練物の所定量を
プレス成形機により、150℃で30分間保持して、厚
み0.3mmの樹脂膜(B)を得た。
実施例1と同様にして、透明な合わせガラス(試験体)
を作製した。
(ブチラール化度68.9モル%、残存アセチル基量
0.9モル%、)100重量部に対してトリエチレング
リコール−ジn−ヘプタノエート(3G7)40重量部
を添加、混合した混合物をミキシングロールで十分に混
練した。得られた混練物の所定量をプレス成形機によ
り、150℃で30分間保持して、厚み0.3mmの樹
脂膜(A)を得た。
ル樹脂100重量部に対して3G7を40重量部添加
し、さらにn−ヘキサンを3G7100重量部に対して
30重量部の割合で添加、混合した混合物をミキシング
ロールで十分に混練した。得られた混練物の所定量をプ
レス成形機により、150℃で30分間保持して、厚み
0.3mmの樹脂膜(B)を得た。
実施例1と同様にして、透明な合わせガラス(試験体)
を作製した。
ブチラール樹脂100重量部に対して3GO39重量部
を添加し、さらにリシノール酸を3GO100重量部に
対して30重量部の割合で添加、混合した混合物をミキ
シングロールで十分に混練した。得られた混練物の所定
量をプレス成形機により、150℃で30分間保持し
て、厚み0.3mmの樹脂膜(B)を得た。
膜(B)から、実施例1と同様にして、透明な合わせガ
ラス(試験体)を作製した。
添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂
膜(B)を得た。実施例1と同様の樹脂膜(A)及び本
樹脂膜(B)から、実施例1と同様にして、透明な合わ
せガラス(試験体)を作製した。
層積層体(積層構成:B/B/B)からなる中間膜を使
用して、実施例1と同様に、透明な合わせガラスを作製
した。
中間膜並びに合わせガラス(試験体)について、下記の
性能評価を行い、その結果を表1に示した。 (1)中間膜の取扱い性 樹脂膜の積層構成がA/B/Aからなる中間膜の「べと
つき」の有無を触感により評価した。但し、比較例2
は、B/B/Bの3層積層体を使用した。
体)を30cm×30cmの支持枠によって水平に保持
し、23℃の温度で該試験体の上方から重さ2.26k
gの鋼球を試験体の中央部に自由落下させた。鋼球の落
下高さを漸次高くしながら試験を繰り返して行い、試験
数の50%の試験体が鋼球の貫通を防止できるときのガ
ラス面からの距離をもって落下高さ(m)とした。この
落下高さが高いほど、合わせガラスの耐貫通性が優れる
ことを意味する。
グ試験用の振動発生機(振研社製「加振機G21−00
5D」)により加振し、そこから得られる振動特性を、
機械インピーダンスアンプ(オリオン社製「XG−8
1」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザ
ー(横河ヒューレットパッカード社製「FFTスペクト
ラムアナライザー HP−3582AA」)にて解析し
た。こうして得られた損失係数とガラスの共振周波数と
の比から、透過損失を算出した。この結果に基づき、周
波数2000Hz近辺における極小の透過損失をもって
TL値とした。測定は、0〜30℃の間にて10℃間隔
で行った。
述べたように、透明性、耐候性、衝撃エネルギー吸収
性、ガラスとの接着性等の合わせガラスとして必要な基
本性能を損なうことなく、また、成形性及び取扱い性を
損なうことなく、コインシデンス効果の緩和によってT
L値の低下を防ぎ、かつ広い温度領域において優れた遮
音性を長期安定的に発揮し得る。従って、上記合わせガ
ラス用中間膜を使用した合わせガラスは、優れた遮音性
を長期安定的に発揮するので、建築物や車両等の窓ガラ
スとして好適に使用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 可塑剤により可塑化されたポリビニルア
セタール樹脂膜の積層体よりなる合わせガラス用中間膜
であって、該積層体の最外層を除く少なくとも一層に
は、末端に少なくとも一つ以上のカルボキシル基をもつ
化合物を含有するポリビニルアセタール樹脂膜が用いら
れてなることを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 【請求項2】 上記末端に少なくとも一つ以上のカルボ
キシル基をもつ化合物として、炭素数2〜18のカルボ
ン酸、炭素数2〜18のヒドロキシカルボン酸、炭素数
2〜18のカルボン酸縮合物及び炭素数2〜18のヒド
ロキシカルボン酸縮合物からなる群より選ばれる少なく
とも1種以上が用いられることを特徴とする請求項1に
記載の合わせガラス用中間膜。 - 【請求項3】 上記ポリビニルアセタール樹脂がポリビ
ニルブチラール樹脂であり、可塑剤が、トリエチレング
リコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリコ
ールジ2−エチルヘキサノエート、及び、トリエチレン
グリコールジn−ヘプタノエートからなる群より選ばれ
る少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1
又は2に記載の合わせガラス用中間膜。 - 【請求項4】 少なくとも一対のガラス板間に、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を
介在させ、一体化させてなることを特徴とする合わせガ
ラス。
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