JP2002127605A - 感熱記録体及び記録方法 - Google Patents

感熱記録体及び記録方法

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JP2002127605A
JP2002127605A JP2000324460A JP2000324460A JP2002127605A JP 2002127605 A JP2002127605 A JP 2002127605A JP 2000324460 A JP2000324460 A JP 2000324460A JP 2000324460 A JP2000324460 A JP 2000324460A JP 2002127605 A JP2002127605 A JP 2002127605A
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Shiro Yamamiya
士郎 山宮
Michiei Nakamura
道衛 中村
Yoshio Abe
好夫 阿部
Yoshiyuki Zama
義之 座間
Hisao Okamoto
久男 岡本
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、情報の記入、記録等の入力が
簡単、且つ容易であり、又、一般的には肉眼では読取り
不能であって、特定の手段によってのみ読取りが可能で
ある秘密保護性の高い画像情報の感熱記録体を提供する
こと。 【解決手段】 任意の基体とトップ層の間に記録層が設
けられ、記録層は文字、数字、記号、模様等の画像を記
録する赤外線吸収性色素を含む層であり、赤外線吸収性
色素はオキシン或いはその誘導体と重金属イオンを含む
化合物とを組み合わせた加熱によって有色の金属キレー
ト化合物を形成する色素中間体であり、且つ、トップ層
自体及びそこに記録したトップ層上の画像が実質的に赤
外線透過性であり、上記記録層が記録前及び感熱記録後
においても肉眼で実質的に判別不能又は判別困難であっ
て、赤外線によってのみ読取り可能である感熱記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像情報の記録紙及
び記録方法に関し、更に詳しくは肉眼では解読不可能で
あり、且つ赤外線によってのみ読取り可能な画像情報の
記録紙及び肉眼的に隠蔽又は欺瞞する画像情報の記録方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銀行通帳、小切手、航空券、道路
通行券、乗車券、定期券、入場券、プリペイドカード券
類、例えば、電話料金カード、乗車券購入カード、入場
券購入カード、遊戯料金カード等及び身分証明証、銀行
の預金番号カード等の銀行自動支払いに関連したカード
等、更には秘密の文書、資料、情報の隠蔽等記録した文
字、数字、記号、模様等の画像情報について第三者に秘
密にし、悪用されない様に隠蔽する必要があることがあ
り、それらの多くの場合は磁気インキを用いた磁気記録
を利用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気イ
ンキを利用したシステムにおいては、使用される磁性体
が熱に曝されたり、強い磁場の環境に置かれたりすると
磁気の強度が変化したり、或いは消えたりするという問
題がある。又、磁気マークの形成時においては、磁性体
をインキ中に均一に分散させることもかなり困難であ
り、安定に貯蔵して均一に塗工することもかなり困難が
伴ない、その形成方法が煩雑であるという問題があっ
た。従って、本発明の目的は、製造が容易で、情報の記
入、記録等の入力が簡単、且つ容易に行ない得、又、一
般的には肉眼では読取り不能であって、特定の手段によ
ってのみ読取りが可能である秘密保護性の高い画像情報
の感熱記録体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、任意の基体とト
ップ層の間に記録層が設けられた感熱記録体において、
記録層は文字、数字、記号、模様等の画像を記録する赤
外線吸収性色素を含む層であり、赤外線吸収性色素はオ
キシン或いはその誘導体と重金属イオンを含む化合物と
を組み合わせた加熱によって有色の金属キレート化合物
を形成する色素中間体であり、且つ、トップ層自体及び
そこに記録した画像が実質的に赤外線透過性であり、上
記記録層が記録前及び感熱記録後においても肉眼で実質
的に判別不能又は判別困難であって、赤外線によっての
み読取り可能であることを特徴とする感熱記録体及び肉
眼的に隠蔽又は欺瞞する画像情報を感熱方式で記録する
方法において、記録紙として上記の感熱記録体を使用す
ることを特徴とする記録方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体は、任意の基
体とトップ層の中間に設けた記録層を感熱着色性の赤外
線吸収性色素中間体を含有する記録領域とし、その上を
隠蔽又は欺瞞を目的として着色を施したトップ層で覆
い、感熱方式で記録することによって、情報の記入、記
録等の入力が簡単且つ容易に行い得、又、記録情報は一
般的には肉眼では読取り不能であって、赤外線を用いる
特定の手段によってのみ読取りが可能である画像情報の
感熱記録体である。
【0006】本発明の感熱記録体を用いることにより、
秘密事項をカード作成時、或いは作成後のいずれにおい
ても記録することが可能になる。又、磁気カードにおけ
る必要事項を感熱記録することでバックアップすること
も可能となる。又、記録層の上にその保護を目的として
設けるトップ層は、情報の記入・読取に用いる赤外線に
対し透過性であり、着色されていても、或いは記録層と
は別の情報(画像)が記録されていてもよい。該トップ
層に記録する文字、数字、記号、模様等の画像や背景色
に赤外線透過性の色素を用いることにより、記録層に全
く影響を与えることなく、情報の記入・読取を行なうこ
とが可能となる。このようなトップ層は肉眼で判読する
情報、装飾デザインのための模様及び配色を施すことが
可能になるばかりでなく、記録層を磨耗や損傷から保護
し、記録情報の保全を確実にすることが可能となる。
【0007】本発明で使用される基体としては、例え
ば、紙、化学繊維混抄紙、合成紙、プラスチックフィル
ム、プラスチックシート等の従来公知の印刷可能な物品
はいずれも使用することができ、これらは、必要に応じ
て酸化チタン等を用いて赤外線反射性を高める処理がな
される。基材の形状や大きさは、本発明の感熱記録体の
使用目的によって異なり、例えば、定期券等の規格のサ
イズの外に、任意のサイズに裁断されたカード等でもよ
く、特に限定されない。又、本発明で使用されるトップ
層としては、例えば、プラスチックフィルム、プラスチ
ックシート、塗料用樹脂等の赤外線に対し透過性を有す
る層であれば特に限定されるものではない。トップ層に
は、必要に応じて着色を施したり画像情報を記録するこ
とが可能であるが、ここで使用する色素は、記録層の記
入や読取りに用いる赤外線に対し実質的に透過性のもの
である。
【0008】本発明において、基体とトップ層の中間に
設けた記録層への画像の記録方法は感熱記録方式、即
ち、赤外線吸収性色素を感熱発色させる方式である。本
発明で使用する赤外線吸収性色素は、加熱により発色す
る色素の中間体を利用する。色素の中間体としては、加
熱によって直ちに発色させる場合と顕色剤を別途使用さ
せることにより発色させる場合とが含まれる。画像情報
を形成させる目的に使用される赤外線吸収性色素或いは
色素の中間体から発色せられた色素は検知に利用される
赤外線の波長領域に大きな吸収があり、従って赤外線の
透過率及び反射率が明白に低いか或いは殆ど無いことが
必要である。
【0009】画像情報の入力、記録に使用される赤外線
吸収性色素又はその中間体として好ましいものは、オキ
シン、アルキルオキシン、ジクロロオキシン等のオキシ
ン類及びその誘導体と第二鉄イオン、バナジウムイオン
等の重金属イオンを含む化合物、例えば、水溶液の無機
塩類、低級脂肪酸塩、高級脂肪酸塩等との組み合わせで
あり、加熱処理することにより、赤外線を吸収する有色
のキレート化合物を形成するものである。
【0010】必要により、感熱発色以外の方式で赤外線
吸収性の情報を記録層に記録することも可能であり、例
えば、カーボンブラック顔料、アニリンブラック顔料、
酸化鉄ブラック顔料、酸化チタン系ブラック顔料及びス
ピネル型構造系顔料等が使用可能である。この場合には
印刷方式等従来公知の方法が使用可能である。
【0011】又、記録層の画像情報を肉眼的に隠蔽又は
欺瞞するためにトップ層に使用される色素としては、記
録層の画像情報の検知に利用される赤外線の波長領域に
強い吸収や反射がなく、充分な透過性を有することが必
要である。色素又はその中間体としては、かかる性質を
有する従来公知の色素及びその中間体を使用することが
でき、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、アゾメチン
系、アンスラキノン系、ペリノン・ペリレン系、インジ
ゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン
系、イソインドリノン系等の有機顔料、染料及びそれら
の中間体が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み
合わせて使用される。
【0012】上記の赤外線透過性色素又は中間体のう
ち、特に好ましいものはアゾメチン基を有する色素及び
その中間体であり、例えば、特開昭58−174446
号公報、特許第1614843号明細書、特許第106
3816号明細書、特許第1052019号明細書、特
許第1141514号明細書、特許第1141515号
明細書、特開昭62−30202号公報及び特許第17
45766号明細書等に開示されている色素が挙げられ
る。
【0013】これらのなかでは、特にカップリング成分
として2−ヒドロキシ−α−ベンゾカルバゾール−カル
ボン酸アリルアミド及びその誘導体を使用したアゾメチ
ン基を有するアゾ顔料は、可視光線下では暗青色〜黒色
の色調を示し、特に黒色においては黒色度の高い鮮明な
黒色を示し、一方、赤外線に対しては殆ど吸収を示さ
ず、高い透過性を示すので好ましい。上記のアゾメチン
基を有する色素は、耐熱性、耐光性、耐水性、対薬品性
に優れ、更に、高い着色力をも有している。又、顔料タ
イプの色素では更に優れた耐溶剤性を有している。
【0014】以上は本発明において使用される好ましい
赤外線透過性色素又はその中間体の例であるが、本発明
においてはその他の色素や混合色、例えば、赤、青、
黄、橙、紫、緑、茶色等の有彩の色素を混合して得られ
る配合色、微粒子酸化チタン及びアルミや真鍮等の微細
金属粉更に金属蒸着物も、赤外線による記録・読取に影
響しない範囲で、赤外線透過性色素として使用すること
ができる。
【0015】本発明においては、トップ層は着色されて
いてもよく、情報の記入・読取に用いる赤外線に対し、
実質的に透明であれば特に着色剤は制限されるものでは
ない。トップ層としては、例えば、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、セルロース系、アクリ
ルエステル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系、アルキッド系等のプラスチックフィルム及び
シートの他、塗料形態でも使用可能である。
【0016】記録層における前記した色素中間体は、こ
れらを含む記録用インキ等或いは塗布剤として使用さ
れ、従来公知の記録用インキ等及び塗布剤系と同様な構
成で使用される。例えば、水性系では水性溶液系、水性
エマルジョン系、水性分散系或いはそれらの混合系であ
り、油性系においても、油性溶液系、油性エマルジョン
系、油性分散系或いはそれらの混合系等である。
【0017】それらの記録用インキ及び塗布剤に使用さ
れる樹脂成分としては、従来公知のこれらの用途で使用
されているものがいずれも使用でき、例えば、水性系用
樹脂としては、例えば、カゼイン、アルギン酸ソーダ、
アラビアゴム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−マレイン
酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸
エステル系(共)重合体の水溶性塩、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体の水溶性塩、水溶性ア
ルキッド系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテ
ックス、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ラテッ
クス、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体ラテック
ス、ポリエチレン系ディスパージョン、エチレン系共重
合体系ディスパージョン等が挙げられる。
【0018】又、油性系用樹脂成分としては、例えば、
セルロースアセテートブチレート系樹脂、ニトロセルロ
ース系樹脂、酢酸ビニル系(共)重合体、スチレン系
(共)重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール
系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール変性アルキッド
系樹脂、スチレン化アルキッド系樹脂、アミノアルキッ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
アクリルポリオールウレタン系重合体、可溶性ポリアミ
ド系重合体、フェノール系樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられる。
【0019】又、色素の中間体を含むインキ或いは記録
した画像情報等を肉眼的に隠蔽するため、インキ等を施
して着色する方法として印刷方法を利用する場合は、凸
版印刷、平版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリー
ン印刷等が利用され、コーティング方法を利用する場合
には、コーティング用インキに合わせて従来公知の方法
から選ばれるものであり、ブレードコーター、ロッドコ
ーター、ナイフコーター、スクィーズコーター、エアド
クター、グラビアコーター、スプレイコーティング等で
ある。
【0020】上記のようにして得られる本発明の感熱記
録体は、感熱記録装置のサーマルヘッド或いは半導体赤
外線レーザ等で加熱されて記録層に文字、数字、記号、
模様等の画像情報が記録され、記録された画像情報は赤
外線に対する吸収性を利用して、それらの画像情報を肉
眼的に隠蔽或いは欺瞞するために施された赤外線透過性
のトップ層の着色面と無関係に、赤外線読取機や赤外線
写真等によって確認することができる。例えば、赤外線
読取機では、先ず、700〜900nmの近赤外線を発
光する半導体レーザや790nm付近の赤外線を生ずる
赤外線発光ダイオードを利用する。これらの赤外線はそ
のまま或いは変調を加えて受光の感度を高めた形で照射
する。
【0021】次いで基材、例えば、紙或いはカード上に
おいて画像情報が記録されていない着色部分では、基体
面で反射した赤外線は、受光センサーにて受光されて反
射を示す電気信号に変換し、又、画像情報が記録されて
いる部分では照射された赤外線は吸収され、赤外線受光
センサーには殆ど届かないか或いは非常に弱いものとな
り、反射を示さないか低い電気信号に変換される。これ
らの電気信号は陰極線管によるディスプレー等の各種の
認識方式に連結されて明白な情報として認識される。
尚、本発明における感熱記録体には、記録された各種情
報を第三者に隠蔽し、悪用されない様にする必要のある
ものは全て包含され、カード、文書等のそれらの形態は
特に限定されない。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。尚、文中部又は%とあるのは特に断りのない限り重
量基準である。
【0023】実施例1 下記の感熱インキを調整した。オキシン1部をゼラチン
−アラビアゴム−ステアリン酸(重量比1:1:4)3
0部でカプセル化した粉体1部及びステアリン酸第二鉄
1部含み、エチルセルロース1.6部をバインダーと
し、アセトンを溶媒とした。次いで厚さ540μmの白
色ポリカーボネートシートに上記感熱インキを約3μm
の厚さに塗工し、記録層とした。この記録層は淡黄色
で、加熱して発色させると黒色になる。乾燥した後、約
4.5μmの透明ポリエステルフィルムを貼り合わせ、
トップ層とした。このシートを発色する前と発色させた
後のものについて、可視光線及び赤外線に対する性質を
見るために、可視部−近赤外部の反射率を日立製作所製
330型自記分光光度計にて測定した。各波長における
反射率は下記表1のとおりであった。
【0024】
【0025】上記の表において、波長はnmで示し、R
−1は発色前のシートであり、A−1は加熱発色したシ
ートを示す。上記の結果は、加熱発色前は可視部及び近
赤外部に高い反射率を示すが、加熱発色させたものは可
視部に殆ど反射を示さず吸収しており、黒色を示すもの
であるが、更に約800〜1,000nmの範囲の近赤
外部においても大きな吸収を示している。
【0026】別に、3−(4′−アミノフェニルイミ
ノ)−1−オキソ−4,5,6,7−テトラクロロイソ
インドリンをジアゾ化し、2−ヒドロキシ−α−ベンゾ
カルバゾール−3−カルボ−(4′−メトキシ)アニラ
イドとカップリング反応を行なって得た黒色顔料1部を
含み、エチルセルロース3部をバインダーとしてアセト
ンを溶媒とする黒色インキR−2を調整した。これをト
ップ層に用いるポリエステルフィルムに約3μmの厚さ
に塗工し、全体を黒色とした。この黒色フィルムの可視
光部及び近赤外部の反射率を、白色板をバックに、同様
にして前記の分光光度計にて測定した。各波長における
反射率は下記表2のとおりである。
【0027】
【0028】上記表2において波長はnmで示し、R−
2は黒色塗工を施したポリエステルフィルムを示す。可
視部においては殆ど反射を示さず、吸収しているので当
然黒色を示すものであるが、近赤外部においては非常に
高い反射率を示し、この領域で吸収性がないことを示し
ている。上記の黒色インキを約3μmの厚さに塗工した
約4.5μmのポリエステルフィルムを先の感熱発色イ
ンキを塗工したシートの上に貼り合わせてトップ層と
し、全体を黒色のシートとした。このシートを感熱記録
装置にて加熱印字を行なった。しかし、この印字はシー
トが黒色に塗布されているので肉眼では読むことはでき
なかった。しかるに、この黒色シートの発色していない
部分と印字発色させた部分について可視部及び近赤外部
の反射率を同様にして前記の分光光度計にて測定した。
各波長における反射率は下記の表3のとおりであった。
【0029】
【0030】上記の表3において、波長はnmで示し、
R−3は黒色シートの加熱発色していない部分であり、
A−3は同黒色シートの加熱発色した部分である。上記
の結果は、この黒色シートは紫外線及び可視部において
殆ど反射を示さず吸収しているので当然黒色を示すもの
であるが、近赤外部においては非常に高い反射率を示し
ている。それに対して、加熱発色させた部分は紫外部及
び可視部において殆ど反射を示さず吸収しており黒色を
示すものであるが、更に800〜1,000nmの近赤
外部においても大きな吸収を示している。
【0031】以上のことから黒色インキR−2を塗工し
た感熱記録シートは加熱発色させない部分も加熱発色さ
せた部分も共に肉眼で見た際には黒色を示し、識別不能
であるが、近赤外線の照射に対しては加熱発色させない
部分は高い反射を示すに対し、加熱発色させた部分は約
800〜1,000nmにおいて加熱発色部分A−1に
起因する吸収が起こり、反射の著しい低下を起こしてお
り、この両者の差異は著しく大きい。上記の知見に基づ
き、感熱発色インキを白色のポリカーボネートシートに
塗工し、その上に黒色インキR−2を塗工したポリエス
テルフィルムでラミネートした後、横85mm及び縦5
4mmのカード状に裁断した。
【0032】このカードを感熱プリンタで文字、数字、
記号及び模様等の画像情報を記録した。しかしこの記録
体は外観全体が黒一色であるため、記録された情報は肉
眼では識別不能であったが、赤外線読取機によれば明瞭
な情報の読取が可能であった。上記の赤外線読取機は、
赤外線発光ダイオード(例えば,東京芝浦電気製TLN10
5)により赤外線を発光させ、これに変調を加えて光度
を高め、記録体で反射した赤外線を受光センサ(例え
ば、東京芝浦電気製TPS703)にて受光し、反射の有無及
び反射の強度を電気信号に変換し、情報を認識すること
ができるようにしたものである。
【0033】実施例2 白色ポリカーボネート基板上に上記感熱インキを3μm
の厚さに塗布し、乾燥後シートのトップ層として、黒色
顔料を用いた実施例1のシート上に、更に黄色顔料(ク
ロモフィン イェロー5910、大日精化製)を用いて
調整した顔料濃度20PHRのアクリル塗料で約3μm
の厚さに塗工し、全体を黄色にした。これを前記のカー
ドと同サイズに裁断し、発色部分と未発色部分のそれぞ
れについて反射率の測定を行なった結果は、いずれも反
射率に差はなく、実施例1と全く同一の効果が得られ
た。
【0034】
【発明の効果】以上の如き本発明の記録方法によれば、
形成せしめられた記録情報は肉眼的に隠蔽又は欺瞞さ
れ、肉眼では識別が不可能であり,赤外線によってのみ
識別可能である。更に、トップ層を設け記録を施すこと
により記録層を物理的に保護できるばかりでなく、記録
層そのものを隠蔽又は欺瞞することができる。従って高
い秘密性が要求される画像情報の記録方法として非常に
有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 好夫 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 座間 義之 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 岡本 久男 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA17 HB01 HB04 HB05 JB04 JB12 2H026 AA22 BB46 CC03 DD45 DD49 DD53 DD55 FF01 FF11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の基体とトップ層の間に記録層が設
    けられた感熱記録体において、記録層は文字、数字、記
    号、模様等の画像を記録する赤外線吸収性色素を含む層
    であり、赤外線吸収性色素はオキシン或いはその誘導体
    と重金属イオンを含む化合物とを組み合わせた加熱によ
    って有色の金属キレート化合物を形成する色素中間体で
    あり、且つ、トップ層自体及びそこに記録した画像が実
    質的に赤外線透過性であり、上記記録層が記録前及び感
    熱記録後においても肉眼で実質的に判別不能又は判別困
    難であって、赤外線によってのみ読取り可能であること
    を特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 記録層を画像を記録する着色領域とし、
    トップ層を赤外線透過性色素からなる隠蔽層形成着色領
    域とする請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】 トップ層に用いる赤外線透過性色素が、
    カップリング成分として2−ヒドロキシ−α−ベンゾカ
    ルバゾール−カルボン酸アミド或いはその誘導体を使用
    したアゾ顔料である請求項2に記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】 肉眼的に隠蔽又は欺瞞する画像情報を感
    熱方式で記録する方法において、記録紙として請求項1
    に記載の感熱記録体を使用することを特徴とする記録方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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