JP2002127316A - ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ - Google Patents

ヒートシール用シート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用いた使い捨てカイロ

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JP2002127316A
JP2002127316A JP2000321076A JP2000321076A JP2002127316A JP 2002127316 A JP2002127316 A JP 2002127316A JP 2000321076 A JP2000321076 A JP 2000321076A JP 2000321076 A JP2000321076 A JP 2000321076A JP 2002127316 A JP2002127316 A JP 2002127316A
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heat
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sealing
pressure
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Eiji Yamanaka
英治 山中
Makoto Honda
本田  誠
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】種々の被着体に対して、過酷な使用条件で使用
しても糊残りの生じないシート基材を提供すること。 【解決手段】シート基材が、2層以上のプラスチックフ
ィルム層から構成されるヒートシール用シート基材であ
って、一方の表面層がヒートシール層であり、他方の表
面層が粘着剤に対する高い投錨性を有する層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール用シ
ート基材、及びこれを備えてなる袋材、並びにこれを用
いた使い捨てカイロに関し、特に、例えば内部に発熱体
を封入してなる使い捨てカイロに好適に使用されるカイ
ロ用シート基材、及びカイロ用シート基材と多孔質フィ
ルムとをヒートシール加工してなるカイロ用袋材、並び
にカイロ用袋材の内部に発熱体を封入してなる使い捨て
カイロに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤や粘着シートなどにより、衣類や
人体などの被着体に自在に貼付できる使い捨てカイロが
知られている(例えば特開平1−297059号公
報)。使い捨てカイロは、例えば図1に示す如くシート
基材Aと多孔質フィルムBとをヒートシール部3でヒー
トシールして形成された袋体の内部に、鉄粉等の発熱体
4を封じ込めた構成である。また、シート基材Aには必
要により粘着剤層5が設けられており、粘着剤層の表面
は、貼付時まで粘着力が保持されるようにセパレータ6
で保護されている。ここで、シート基材Aは、通常、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるヒート
シール層1と、ポリエチレンやポリプロピレン等からな
るフィルム層2とからなる。粘着剤としては、アクリル
系が大半を占めるが、生産性の向上、無溶剤化等を目的
としてホットメルト型粘着剤が用いられるようになって
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ホッ
トメルト粘着剤を塗工した使い捨てカイロ等を衣類等に
貼着した後、高温で長時間経過してから剥がすと、糊残
り等の問題が発生した。そこで、種々の被着体に対して
過酷な使用条件下で使用しても、糊残り等の問題が発生
しないようなヒートシール用シート基材が求められてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の問題
点を改善するために鋭意検討した結果、シート基材の粘
着剤等と接する層に特定の材料を用いることで、過酷な
使用条件下で使用されても、糊残り等の問題が発生しな
いシート基材が得られることを見出し、本発明を完成さ
せた。即ち本発明のヒートシール用シート基材は、2層
以上のプラスチックフィルム層から構成されるヒートシ
ール用シート基材であって、一方の表面層がヒートシー
ル層であり、他方の表面層が粘着剤に対する高い投錨性
を有する層であることを特徴とする。ここで、前記粘着
剤に対する高い投錨性を有する層が、スチレン−1,4
ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマーを
5〜80重量%含有するポリオレフィン系ベース層であ
ることができる。本発明のヒートシール用シート基材
は、高い投錨性を有する層上に、さらに粘着剤層を有し
ていてもよい。ここで、前記粘着剤層はホットメルト粘
着剤を主成分とする粘着剤からなることができる。本発
明のカイロ用シート基材は、2層以上のプラスチックフ
ィルム層から構成されるカイロ用シート基材であって、
一方の表面層がヒートシール層であり、他方の表面層が
粘着剤に対する高い投錨性を有する層であり、この層
が、スチレン−1,4ブタジエン−ブチレン−スチレン
ブロックコポリマーを5〜80重量%含有するポリオレ
フィン系ベース層であることを特徴とする。本発明の袋
材は、上記ヒートシール用シート基材又はカイロ用シー
ト基材のヒートシール層と多孔質フイルムとがヒートシ
ールされてなることを特徴とする。本発明の使い捨てカ
イロは、上記袋材の内部に発熱体が封入されてなること
を特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のヒートシール用シート基
材又はカイロ用シート基材は、2層以上のプラスチック
フィルム層から構成され、その少なくとも一方の表面層
がヒートシール層であり、他方の表面層が粘着剤に対す
る高い投錨性を有する層(以下「投錨性発揮層」と称す
ることもある)である。以下、本発明の実例を図面にも
とづいて説明する。図2および図3は、本発明のヒート
シール用シート基材又はカイロ用シート基材(以下、
「シート基材」ともいう)の一例を示す断面図であり、
図2は2層のプラスチックフィルム層を有する場合であ
り、図3は3層のプラスチックフィルム層を有する場合
である。図2において、ヒートシール層1と投錨性発揮
層2とが積層されてシート基材Aを構成している。図3
はヒートシール層1、中間層21及び投錨性発揮層22
の3層からなる。ヒートシール層1の反対側の面、すな
わち投錨性発揮層2(又は22)の上には、必要に応じ
て粘着剤層5が設けられ、その粘着剤層の表面はセパレ
ーター6で保護されている。
【0006】本発明のシート基材は、粘着剤、特にホッ
トメルト粘着剤に対して高い投錨性を発揮する投錨性発
揮層を有する。ここで粘着剤に対する高い投錨性とは、
粘着剤層を設けたシート基材を被着体に貼付した後、過
酷な条件、例えば長時間貼着状態を維持してから剥離し
ても、被着体に対して糊残りが殆ど生じないような良好
な投錨性を言う。なお、JISの定義によればシートの
中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるの
かも知れないが、シートとフィルムの境界は定かではな
く、明確に区別することは難しいので、本発明において
シート又はフィルムと称した場合には、シートとフィル
ムの両方の概念を含むものとする。本発明のシート基材
は、投錨性発揮層として、スチレン−1,4ブタジエン
−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(以下「SB
BS」と称することもある)を5〜80重量%含有する
ポリオレフィン系ベース層を有することができる。ポリ
オレフィン系ベース層にSBBSを所定量含有させるこ
とにより、ホットメルト粘着剤層を良好に密着させて付
設することができる。SBBSの含有量は8〜50重量
%であることが好ましく、さらには10〜40重量%で
あることが好ましい。
【0007】SBBSとしては、スチレン含有量が8〜
50重量%のものを適宜用いることが好ましく、例えば
旭化成工業(株)製のタフテックPシリーズの商品名
「タフテックP−JT84P」などを商業的に入手でき
るものとして挙げることができる。また、必要に応じ
て、他のスチレン系ブロック共重合体を併用することも
できる。例えば、スチレン−エチレン・ブチレン共重合
体−スチレン、スチレン−エチレン・プロピレン共重合
体−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチ
レン−イソプレン−スチレンの如きA−B−A型ブロッ
クポリマーやその水添処理物、スチレン−エチレン・ブ
チレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン共重
合体、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレンの
如きA−B型ブロックポリマーやその水添処理物等のス
チレン系ブロックポリマーの1種又は2種以上の混合物
等を挙げることができる。
【0008】ポリオレフィン系ベース層を構成するポリ
オレフィンとしては、直鎖状若しくはその他の低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、超高分子量ポリエチレンなどや、ポリプロピレンの
如きポリオレフィン、又はエチレン・プロピレン共重合
体やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体の如きオレ
フィン系共重合体、オレフィン・エチルアクリレート共
重合体の如きオレフィン・(メタ)アクリレート系共重
合体、オレフィン・メタクリル酸共重合体の如きオレフ
ィン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、プロピレン・酢酸ビニル共重合体等の如
きオレフィンとビニル系モノマーの1種又は2種以上と
からなるオレフィン・ビニル系共重合体、あるいはこれ
らの2種以上の混合物などが挙げられる。なお、ポリオ
レフィン、オレフィン系共重合体、オレフィン・アクリ
ル酸共重合体、オレフィン・ビニル系共重合体等以外の
ポリマー、例えばポリエステル等を併用することもでき
る。
【0009】本発明のシート基材は一方の表面にヒート
シール層を有するが、かかるヒートシール層としては特
に限定されるものではなく、例えばエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン等を主成分とす
るものが挙げられるが、特にa)成分:エチレン・メタ
クリル酸・アクリル酸エステル共重合体とb)成分:エ
チレン−α−オレフィン共重合体とを主成分として含有
する層が好ましい。ここで、a)成分は、エチレンとメ
タクリル酸とアクリル酸エステルとの三元共重合体(タ
ーポリマー)である。ここで、アクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニ
ル、アクリル酸ラウリル等が好ましく用いられる。本発
明において、エチレンとメタクリル酸とアクリル酸エス
テルとの共重合比は、特に制限はないが、例えば、エチ
レンが50〜90重量%、メタクリル酸が1〜20重量
%、アクリル酸エステルが1〜15重量%であることが
好ましい。ただし、エチレンとメタクリル酸とアクリル
酸エステルとの合計が100重量%である。本発明にお
いて、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共
重合体(ターポリマー)は、その融点が70〜90℃で
あることが好ましい。また、そのターポリマーの密度
は、0.90g/cm以上、0.95g/cm以下
であることが好ましく、特に0.91g/cm以上、
0.945g/cm以下であることが好ましい。エチ
レン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合体の密
度が0.90g/cm未満または0.95g/cm
より大きいと、ヒートシール性の改善効果が十分に得ら
れない場合があるからである。なお、本発明において、
密度はASTM D−1505に基づいて測定された値
をいう。本発明において、a)成分であるエチレン・メ
タクリル酸・アクリル酸エステル共重合体として、例え
ば三井・デュポンポリケミカル株式会社製のニュクレル
(NUCREL)(登録商標、以下同様)AN4213
C、同AN4311、同N0200H、同N035Cを
商業的に入手することができる。
【0010】b)成分は、エチレン−α−オレフィン共
重合体であり、エチレンと共重合されるα−オレフィン
としては、例えば炭素数が3以上のものが好ましく用い
られ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4メチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。本発
明においては、低温・短時間ヒートシール条件下におけ
るヒートシール性の観点から、エチレンと1−ブテンと
の共重合体が特に好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の共重合比は特に限定されるものではないが、
例えば、エチレンが50〜95重量%、α−オレフィン
が5〜50重量%の範囲であることが好ましい。ただ
し、エチレンとα−オレフィンとの合計が100重量%
である。本発明においては、エチレン−α−オレフィン
共重合体の軟化点が55〜60℃の範囲であることが好
ましい。また、その共重合体の密度が0.85g/cm
以上、0.90g/cm以下であることが好まし
く、特に0.86g/cm 以上、0.89g/cm
以下であることが好ましい。エチレン−α−オレフィン
共重合体の密度が0.85g/cm未満または0.9
0g/cmより大きいと、ヒートシール性の改善効果
が十分に得られない場合があるからである。本発明にお
いては、b)成分として、例えば、三井化学株式会社製
のタフマー(TAFMAR)(登録商標、以下同様)A
−4085、同A−1085、同A−4090、同A−
20090、同P−0180、同P−0280、同P−
0480、同P−0680等を商業的に入手することが
できる。上記a)成分とb)成分とを混合してヒートシ
ール層を形成することにより、低温・短時間のヒートシ
ール条件でも、良好なヒートシール性及びホットタック
性の両方を満たすことができる。a)成分及びb)成分
の配合量については、ライン速度、シール温度、シール
圧力等のラインの条件に応じて適宜決定すればよく、特
に限定するものではないが、例えば、a)成分とb)成
分との混合物中に、a)成分の割合が10〜95重量%
の範囲内で配合されることが好ましく、特に10〜60
重量%の範囲内で配合されることがさらに好ましい。
【0011】本発明のシート基材が3層以上の積層体で
ある場合、両表面層以外の層、すなわちヒートシール層
及び投錨性発揮層以外の層には上記のポリオレフィン系
ベース層で挙げられたポリオレフィン等と同様のものを
使用することができる。両表面層以外の層が2層以上積
層されている場合に、これらの層は同一の材料からなっ
ていても異なっていてもよく、その層厚さも同一でも異
なっていてもよく、適宜選択されるものとする。また、
本発明のシート基材は目的に応じて適宜他の層を積層す
ることができ、例えば補強や耐熱性の向上を図る目的で
適当な層を積層することができる。低温でのヒートシー
ル性、ホットタック性、適度なフィルム強度、また粘着
剤との投錨性確保等の点からは、図3に示すような3層
構成とすることが好ましい。
【0012】本発明のシート基材を構成する2層以上の
各層は、例えばキャスティング方式、溶融成形方式、押
出成形方式、カレンダー圧延方式や重ね塗り方式等の密
着重畳方式等を適宜選択することにより形成することが
できる。製造効率等の点からは、Tダイ、インフレーシ
ョンダイ等を介した押出成形方式を用いることが好まし
く、また内部歪みの抑制を考慮するとTダイを用いる押
出成形方式が特に好ましい。押出成形方式を用いること
により、2層、3層等の多層ラミネートフィルムを効率
よく形成することができる。また、2層、3層等の多層
ラミネートフィルムは、フィルムの熱圧着方式、溶液の
重ね塗り方式等により形成することもでき、成形方法は
適宜選択されるものとする。
【0013】本発明のシート基材は、総厚さが300μ
m以下、10μm以上であることが好ましく、さらに1
50μm以下、特に10〜100μmの範囲であること
が好ましい。本発明のシート基材は、ヒートシール層以
外のプラスチック層の総厚さが、通常、10〜100μ
m程度であり、好ましくは30〜90μm、さらに好ま
しくは50〜70μmである。また、投錨性発揮層の厚
さは約1μm以上、30μm以下であることが好まし
く、さらに好ましくは5μm以上、20μm以下であ
る。本発明において投錨性発揮層は、基材強度等の点か
ら、粘着剤層を除いたフィルム基材の厚さの30〜95
%であることが好ましく、さらに40〜85%、特に、
50〜80%であることが好ましい。
【0014】本発明のフィルム基材には、すなわちポリ
オレフィン系ベース層や、必要に応じて設けられる他の
層には、無機充填剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化
剤等の添加剤を適宜配合することができる。また、これ
らの層は、適宜、電子線や紫外線等の放射線を照射した
り、架橋剤を配合して加熱又は/及び放射線照射等を施
して架橋処理することもできる。架橋処理は基材の強度
や耐熱性向上を図る上で有効である。
【0015】本発明のシート基材は、投錨性発揮層上に
粘着剤層が設けられていてもよい。粘着剤層はかかる表
面全面に設けられていてもよいし、あるいは表面の一部
分の一箇所又は数箇所に部分的に設けられていてもよ
い。粘着剤層に好適に用いられる粘着剤としてはホット
メルト粘着剤が挙げられるが、例えばスチレン系ホット
メルト粘着剤が代表的なものとして挙げられる。かかる
スチレン系ホットメルト粘着剤としては、ポリオレフィ
ン系ベース層において併用可能なスチレン系ブロック共
重合体として既に例示したスチレン系ブロックポリマー
等の1種又は2種以上、特に、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、
スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体等の
1種又は2種以上を主成分とする粘着剤が好ましく用い
られる。ホットメルトタイプの粘着剤は溶剤タイプの粘
着剤に比べて生産性が向上し、かつ無公害化が図れると
いう利点がある。粘着剤の調製に際しては、粘着特性の
制御等を図るために、例えばα−ピネン重合体、β−ピ
ネン重合体、ジテルペン重合体、α−ピネン・フェノー
ル共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、
脂肪族・芳香族共重合体系等の炭化水素系樹脂、その他
ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、(アルキル)フ
ェノール系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤を適
宜、配合することができる。また例えば、タッキファイ
ヤー、液状樹脂やパラフィン系オイルの如き軟化剤や充
填剤、顔料、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤等の添
加剤を適宜、配合することができる。本発明において粘
着剤層は、例えば粘着剤をポリオレフィン系ベース層上
に直接押出塗工することにより、またはセパレータ上に
粘着剤層を一旦形成して、かかる粘着剤層をポリオレフ
ィン系ベース層面に移着させることにより粘着剤層を設
けることができる。ホットメルトタイプの粘着剤では、
押出方式による塗工も可能であり、適宜、適当な塗工方
式を選択して粘着剤層を形成することができる。粘着剤
層の厚さは、一般的には1〜300μmであり、好まし
くは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜10
0μmの範囲である。また、用途によっては20〜50
μmの範囲が特に好ましい範囲である場合もある。な
お、粘着剤層を付設するポリオレフィン系ベース層に
は、密着力の向上等を図るために、例えばコロナ処理や
プラズマ処理、下塗り処理等の表面処理を適宜施すこと
ができる。
【0016】本発明のシート基材は、使用に供するまで
の間に誤って粘着することを防止するため、粘着剤層上
にセパレータを仮着して粘着面をカバーしておくことが
好ましい。セパレータとしては、適宜な薄葉体に、必要
に応じてシリコーン系や長鎖アルキル系やフッ素系など
の適宜な剥離剤の表面コートを設けたものを使用するこ
とができる。本発明においては、作業性や剥離の容易性
などの点より粘着面からの剥離力が10gf/50mm
〜150gf/50mm(0.098N/50mm〜
1.47N/50mm)のセパレータが好ましく用いら
れる。
【0017】本発明のヒートシール用シート基材はヒー
トシール性と良好な粘着性とを有するので、使い捨てカ
イロ等の袋材用基材として好適であるが、これらに限定
されることなく、ヒートシール性又は粘着性が要求され
る種々の用途の基材として適用することができる。
【0018】本発明のシート基材を用いて袋形状の袋体
を形成することができる。袋材は本発明のシート基材の
ヒートシール層を他の基材、例えばポリエチレン製の多
孔質フィルム(例えば日東電工製、商品名:ブレスロ
ン)と重ね合わせて部分的にヒートシールすることによ
り形成される。特に限定されないが、例えば特開平11
−19113号の図3およびこれに関連する段落003
1〜0034の記載に従って行うことができる。また、
袋材の内部に物品を収納してから口をヒートシール等に
よって封じることにより製品を製造することができる。
収納される物品の種類については、特に限定されるわけ
ではないが、たとえば通気発熱性組成物である鉄粉など
を主成分とする発熱体(発熱組成物)を封入することに
より使い捨てカイロが得られる。本願発明のシート基材
は使い捨てカイロのヒートシール用シール基材として好
適に用いられ、例えば図1においてシート基材Aとして
本発明のシート基材を用いれば図1に示すような使い捨
てカイロが得られる。なお、ヒートシールする方法や装
置は特に限定されないが、適当な温度及び圧力でヒート
シーラーにて圧着すること等により得られる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されない。 (実施例1)3層Tダイに、中間層用樹脂組成物として
ポリプロピレンからなる樹脂組成物、投錨性発揮層用樹
脂組成物としてポリプロピレンとSBBSとを10:3
0の割合で配合した樹脂組成物、およびヒートシール用
樹脂組成物として直鎖状低密度ポリエチレンを投入し、
Tダイ温度250℃で3層押出し方式により、各樹脂組
成物をシート状に押出し成形し、中間層(40μm)、
投錨性発揮層(20μm)、ヒートシール層(20μ
m)からなる3層構造のヒートシール用シート基材(総
厚80μm)を作製した。次いで、片面に易剥離処理を
施してあるセパレーターの処理面上に、スチレン系合成
ブロックポリマーを主成分とするホットメルト粘着剤を
塗布し、これを投錨性発揮層の面と貼り合わせてヒート
シール用シート基材を作製した。シート基材のヒートシ
ール層と、多孔質フィルム(日東電工株式会社製の商品
名「BRN−2360」)とを、シール圧力3kg/c
(Air圧力)、シール時間1秒で、温度120℃
でヒートシール加工を行った。ただし、ヒートシール機
はTester Sangyo社製の商品名「TP−7
01−B」を用いた。その後、市販カイロの内容物(鉄
粉)を介在させた状態で、シート基材に多孔質フィルム
(商品名:BRN−2360)を重ね合わせて、その四
方をヒートシールすることにより手作りカイロを作成し
た。作製された使い捨てカイロについて、下記に示す糊
残り試験を行った。その結果を表1に示す。糊残り試験 得られた粘着剤層を有するヒートシール用シート基材を
それぞれ4枚ずつ用意し、下記〜の4種類の試験を
行った。 試験1:ポリエステル製の試験布(綾織り)をヒー
トシール用シート基材の粘着剤層面と貼り合わせ、50
0gの荷重をかけて圧着させる。圧着後10秒経過した
時点で、剥離角度90度で引き剥がして、その剥離状態
を目視で観察する。 試験2:ポリエステル製の試験布(綾織り)をシー
ト基材の粘着剤層面と貼り合わせ、500gの荷重をか
けて圧着させる。圧着後5秒経過した時点で、剥離角度
180度で引き剥がして、その剥離状態を目視で観察す
る。 試験3:ポリエステル製の試験布(綾織り)をシー
ト基材の粘着剤層面と貼り合わせ、500gの荷重をか
けて圧着させる。圧着後10秒経過した時点で、剥離角
180度で引き剥がして、その剥離状態を目視で観察す
る。 試験4:ポリエステル製の試験布(綾織り)をシー
ト基材の粘着剤層面と貼り合わせ、1kgの荷重をかけ
て圧着させる。圧着後10秒経過した時点で、剥離角度
180度で引き剥がして、その剥離状態を目視で観察す
る。ただし評価基準は、ポリエステル試験布と粘着剤層
とが界面で剥離して糊残りがない場合を記号「○」、粘
着剤層の糊残りはないが、粘着剤の糸引きが発生した場
合を「△」、投錨破壊により試験布へかなり糊残りが生
じ、問題がある場合を「×」で示す。
【0020】(実施例2)実施例1において、投錨性発
揮層の樹脂組成物をポリプロピレンとSBBSとの混合
割合が100:15のものに変更した以外は実施例1と
同様にしてヒートシール用シート基材を作製した。得ら
れたシート基材に実施例1と同様の粘着剤層を形成し、
また実施例1と同様にして、多孔質シートとヒートシー
ルして内部に鉄粉を封じ込め、使い捨てカイロを作製し
た。得られた使い捨てカイロについて実施例1と同様に
して糊残りの試験を行った。その結果を表1に示す。
【0021】(実施例3)実施例1において、投錨性発
揮層の樹脂組成物をポリプロピレンとSBBSとの混合
割合が100:50のものに変更した以外は実施例1と
同様にしてヒートシール用シート基材を作製した。得ら
れたシート基材に実施例1と同様の粘着剤層を形成し、
また実施例1と同様にして、多孔質シートとヒートシー
ルして内部に鉄粉を封じ込め、使い捨てカイロを作製し
た。得られた使い捨てカイロについて実施例1と同様に
して糊残りの試験を行った。その結果を表1に示す。
【0022】(比較例1)実施例1において、投錨性発
揮層をポリプロピレンからなる層に変更した以外は実施
例1と同様にしてヒートシール用シート基材を作製し
た。得られたシート基材に実施例1と同様の粘着剤層を
形成し、また実施例1と同様にして、多孔質シートとヒ
ートシールして内部に鉄粉を封じ込め、使い捨てカイロ
を作製した。得られた使い捨てカイロについて実施例1
と同様にして糊残りの試験を行った。その結果を表1に
示す。
【0023】(比較例2)実施例1において、投錨性発
揮層を直鎖状低密度ポリエチレンからなる層に変更した
以外は実施例1と同様にしてヒートシール用シート基材
を作製した。得られたシート基材に実施例1と同様の粘
着剤層を形成し、また実施例1と同様にして、多孔質シ
ートとヒートシールして内部に鉄粉を封じ込め、使い捨
てカイロを作製した。得られた使い捨てカイロについて
実施例1と同様にして糊残りの試験を行った。その結果
を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜3のヒートシール用シート基材
を用いた使い捨てカイロは、例えば荷重1kgで貼付し
た後10秒間保持し、180度で剥離するという過酷な
使用条件でも糊残り問題を生じないことが分かった。一
方、比較例1〜2のヒートシール用シート基材を用いた
使い捨てカイロは、上記のような過酷な使用条件では糊
残り問題が発生することが分かった。以上により、使用
後、糊残りも、粘着剤の糸引きも発生しない粘着剤との
投錨性に優れたヒートシール用シート基材、これを備え
てなる袋材および使い捨てカイロを完成させるに至っ
た。
【0026】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、過酷な条件下で使用しても糊残りの問題の発生し
ない投錨性の良好なヒートシール用シート基材が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨てカイロの構成を示す模式的断面図であ
る。
【図2】本発明のシート基材の一例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明のシート基材の別の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ヒートシール層 2 投錨性発揮層 3 ヒートシール部 4 発熱体 5 粘着剤層 6 セパレータ 21 中間層 22 投錨性発揮層 A (多層プラスチック)シート基材 B 多孔質フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/32 B32B 27/32 Z C09J 7/02 C09J 7/02 Z Fターム(参考) 4C099 AA01 CA19 EA08 GA03 JA04 LA08 LA14 NA05 4F100 AK01D AK03B AK04 AK12B AK12J AK29B AK29J AK63 AL02B AL02J AL05B AR00A AR00C BA02 BA03 BA04 BA07 CB03C DA02 DJ01D JL00 JL12A JL13C 4J004 AA02 AA07 AA09 AA10 CA03 CC02 EA06 FA06 FA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層以上のプラスチックフィルム層から
    構成されるヒートシール用シート基材であって、一方の
    表面層がヒートシール層であり、他方の表面層がスチレ
    ン−1,4ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコ
    ポリマーを5〜80重量%含有するポリオレフィン系ベ
    ース層であることを特徴とするヒートシール用シート基
    材。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系ベース層上に、粘
    着剤層を有することを特徴とする請求項1に記載のヒー
    トシール用シート基材。
  3. 【請求項3】 前記粘着剤層がホットメルト粘着剤を主
    成分とする粘着剤からなることを特徴とする請求項2に
    記載のヒートシール用シート基材。
  4. 【請求項4】 2層以上のプラスチックフィルム層から
    構成されるカイロ用シート基材であって、一方の表面層
    がヒートシール層であり、他方の表面層がスチレン−
    1,4ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリ
    マーを5〜80重量%含有するポリオレフィン系ベース
    層であることを特徴とするカイロ用シート基材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒ
    ートシール用シート基材又は請求項4に記載のカイロ用
    シート基材のヒートシール層と多孔質フイルムとがヒー
    トシールされてなることを特徴とする袋材。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の袋材の内部に発熱体が
    封入されてなることを特徴とする使い捨てカイロ。
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