JP2002125645A - 冷凍乾燥装置 - Google Patents

冷凍乾燥装置

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JP2002125645A
JP2002125645A JP2000325288A JP2000325288A JP2002125645A JP 2002125645 A JP2002125645 A JP 2002125645A JP 2000325288 A JP2000325288 A JP 2000325288A JP 2000325288 A JP2000325288 A JP 2000325288A JP 2002125645 A JP2002125645 A JP 2002125645A
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fish
drying
dried
cooling
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Yoshiko Yasunobu
淑子 安信
Hajime Oyabu
一 大薮
Tomoko Tani
谷  知子
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍による乾燥では、被乾燥物内に生成され
た氷結晶により組織の破壊が生じ、解凍時に内部の成分
が流出して、乾燥前の組織及び成分を保ったままで乾燥
させることができない。また、常温で風乾させるため時
間もかかる。 【解決手段】 被乾燥物を乾燥するとき、表面組織のみ
凍結させ、成分を内部に移動させた状態で、加熱による
乾燥を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食材などを冷凍乾
燥するための冷凍乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食材の冷凍保存において、冷凍操作をお
こなうと、食材組織の温度は急速に下がり、やがて組織
内部の水が液体から固体へ変化する凍結点に達する。
【0003】この凍結点を通過すると食材組織内の水が
凍り始め、0℃〜−5℃を通過すると組織中の7〜8割
の水分が凍結する。この氷結晶を利用して乾燥するのが
冷凍乾燥方法である。
【0004】図6に、従来例1の冷凍乾燥装置で食材を
設置したときの、組織内部の温度変化を表す温度カーブ
のグラフを示す。61は、常温から凍結開始温度までの
予冷期間、62は、組織の水が凍結して氷結晶を形成す
るときの凍結期間、63は、−10℃に到達するまでの
冷却期間、64は、室温まで上昇させる解凍期間であ
る。この温度カーブを数回繰り返し水分を流出させ、最
後に風乾を行い食材を乾燥させる。
【0005】また、図には示していないが、従来例2の
冷凍乾燥装置では、凍結状態にある食品を減圧下におい
て食品中の氷を直接固体から気体に昇華させ乾燥させ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例1および従来例
2を用いて、幅200mm×60mm、厚さ20mmの
魚を冷凍乾燥させた(干物を作製した)場合の、乾燥食
材の組織状態、成分濃度、乾燥時間を表1に示した。
【0007】
【表1】
【0008】尚、表1における組織状態の評価は、乾燥
食材の組織がほとんど破壊されていないときには○、組
織の破壊が組織の面積の1/2未満のときには×、破壊
が1/2以上のときは××とした。
【0009】また、成分濃度の評価は、乾燥食材の成分
がほとんど流出されていないときには○、成分の流出が
乾燥前の成分の1/2未満のときには×、1/2以上の
ときには××とした。
【0010】従来例1の冷凍乾燥装置では、装置内の温
度は0℃以下の食材が冷凍される温度約−10℃に設定
されており、乾燥する食材内部まで凍結されるため、生
成される氷結晶により組織は破壊され、表1に示したよ
うに組織状態が××となる。次に、冷凍した食材は室温
で解凍されるため、解凍時に氷結晶とともに成分が食材
外に流出し、表1のように成分濃度が××となる。この
冷凍・解凍を数回繰り返し、最後に常温により風乾させ
乾燥物を得るため、乾燥時間も24時間と長時間を要す
る。
【0011】寒天や凍り豆腐等は、この特徴を生かした
代表的な食材であるが、魚の干物を作製するときはこの
方法で乾燥させると成分が流出し、組織は破壊されるた
め、従来の食材の食感を保持して乾燥させるのは難し
い。
【0012】また、従来例2の冷凍乾燥装置では食材中
の水分が氷結した状態のまま、融解することなく昇華す
るため、組織の氷結晶のできたところがそのまま孔とし
て残り、表1に示したように組織状態が×となり、従来
の食材の食感を保持して乾燥させるのは難しい。
【0013】このように、従来の冷凍乾燥装置では、例
えば魚の干物を作製する場合、食材中の成分が流出し、
組織が破壊され、食材本来の食味を変化させずに乾燥さ
せるのは難しい。
【0014】本発明は、上記従来の課題を考慮して、食
材の乾燥前の組織および成分を保ったままで乾燥させる
魚の干物を作製できる冷凍乾燥装置を提供することを目
的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の冷凍乾燥装置の
1つは、被乾燥物を設置する乾燥室と、前記乾燥室の内
部を冷却する冷却手段と、前記被乾燥物を加熱する加熱
手段と、前記乾燥室内部の温度を検知する温度センサー
と、前記被乾燥物の温度を検知する温度センサーと、前
記2つのセンサーの情報をもとに前記冷却手段と前記加
熱手段を制御して前記乾燥室の内部の温度を調節する温
度制御手段とを備え、−5℃〜0℃に冷却する冷却工程
と、30℃〜40℃に加熱する加熱工程を一回以上繰り
返すことを特徴とする。
【0016】また、前記冷却工程と加熱工程の繰り返し
回数を、被冷却物を冷却するときの冷却速度と前記被冷
却物の重量をもとに制御する。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態に
おける冷凍乾燥装置の構成および作用について、図1を
参照にしながら説明する。
【0018】図1は本発明の実施の形態1における冷凍
乾燥装置を示す断面図である。11は乾燥させる食材、
12は食材の温度を検知する品温センサー、13は乾燥
装置内部の室温を検知する室温センサー、14は食材の
加熱手段であり、実施の形態1ではマグネトロンで構成
されている。冷凍乾燥装置は、図には示していないが、
圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブを有し、冷却器
15により、乾燥装置内を冷却できる構造になってい
る。冷却器15で冷却された冷気は送風機により冷凍乾
燥室16内に強制通風される。17は冷凍乾燥装置入口
に設けて電気的入力で冷気流入量を調整するダンパーサ
ーモであり、モータ18の駆動力によってダンパサーモ
7を開閉するように構成されている。19は送風機から
冷気を冷凍乾燥室内に導く吐出ダクト、20は冷凍乾燥
室内の冷却した冷気を冷却器5に戻すための吸い込みダ
クトである。
【0019】また、品温センサー12により食材の温度
を検知し、予め定めた所定温度に下降するまでの時間を
情報として以後の乾燥プログラムが選択され、冷却工程
と加熱工程とその繰り返し回数が自動的に決定され、室
温センサー13は冷凍乾燥装置内の室温を検知し、乾燥
初期温度及び乾燥終了後の保存温度を維持できるように
構成されている。また、被乾燥物の乾燥中に生じる臭気
を脱臭する吸着剤21が設置されている。
【0020】図2は、冷凍乾燥装置本体の外殻の一部に
設けたコントロールパネル22であり、乾燥装置内の設
定温度及び装置内の現在温度を表示する温度表示パネル
23、装置内の温度を設定する温度設定キー24、設定
キー24で設定した温度を確定する温度決定ボタン2
5、この温度決定ボタンを押すと数秒間温度表示パネル
23に設定された温度が表示される。通常この温度表示
パネル23には、冷凍乾燥室内の温度が表示されてい
る。また、冷凍乾燥室内が乾燥を開始する温度に到達し
たことを知らせる準備完了ランプ26、食材を設置し乾
燥を開始及び中止させるスタートボタン27、冷凍乾燥
室内の食材の乾燥の終了を知らせる取り出し可能ランプ
28、乾燥が終了し保存工程に入ったことを知らせる保
存ランプを29を備えている。
【0021】魚を例にとって、冷凍乾燥装置にて乾燥さ
せる工程を説明する。まず、コントロールパネル30の
メニューキーで魚を選択すると、室温センサー13にて
冷凍乾燥室内の温度は検知され、−5℃を室温センサー
13が検知したら、準備完了ランプが点灯し、冷凍乾燥
室内の温度は−5℃に制御される。準備完了ランプの点
灯を確認した後、乾燥する魚を乾燥装置内に設置し、ス
タートボタンを押すことにより、魚が冷却され、品温セ
ンサー12により魚の表面の温度が検知され、ある一定
の温度幅での冷却カーブからその冷却速度が算出され
る。その冷却速度は魚の重量が重くなるほど遅くなるこ
とから冷却速度と魚の重量には相関があり、その相関デ
ータは予め制御装置内にプログラムされており、そのデ
ーターにより冷却速度から魚の重量が算出され、その重
量から乾燥プログラムが選択され、魚の乾燥が開始さ
れ、約5%程度の水分が蒸発され干物が作製される。
【0022】図3は、本発明の実施の形態1における冷
凍乾燥装置を用いて幅200mm×60mm、厚さ20
mmの魚を乾燥したときの温度カーブのグラフであり、
31は、魚内部の温度変化を表す温度カーブ、32は、
魚表面の温度変化を表す温度カーブである。
【0023】まず設置した魚の全体温度は常温の28℃
近辺であり、この魚を−5℃の乾燥装置内に設置し、品
温センサー12が−5℃を検知するまで冷却する。品温
センサー12は魚表面の温度をとらえており、このとき
魚表面の温度は約−5℃付近まで冷却され、最大氷結晶
生成帯0〜−5℃を通過しているので、氷結晶が生成さ
れている。このときの時間を予冷期間33とする。予冷
期間33では魚内部の温度はまだ20℃近辺までしか冷
却されておらず氷結晶は生成されていない。次にマグネ
トロン照射口より品温センサー12が0℃を検知するま
でマグネトロン照射を行う。このとき魚表面の温度は約
0℃に上昇しており、このときの照射時間をマイクロ波
照射期間34とする。このマイクロ波照射期間34
において、魚内部の温度は40℃近辺まで上昇し、従来
例1の常温で風乾させたときより水分の蒸発が促進され
る。
【0024】これは、水の誘電正接は0.123(23℃)であ
り、氷の誘電正接は0.0009(-12℃)で、氷の方が水より
もマイクロ波で加熱されにくいため(一般に誘電正接が
小さい方がマイクロ波による加熱がされにくい)、氷結
晶が生成されている魚表面は加熱されにくく、内部の方
が温度上昇が大きくなるためである。
【0025】また、氷結晶が生成されている魚表面は0
℃付近まで上昇しているが、氷結晶は完全に解凍されて
おらず、その結果魚内部の成分は表面に移動せず、表面
から流出されない。よって、成分は内部に閉じこめら
れ、表1に示すように従来例1と比較して成分流出が少
ない○の状態になる。
【0026】その後また品温センサー12が−5℃を検
知するまで魚を冷却(冷却期間35)し、そして、さ
らにまたセンサー温度が0℃を検知するまでマイクロ波
照射(マイクロ波照射期間36)を行うと魚内部の温
度が再び40℃近辺まで上昇し、内部の水分がさらに蒸
発する。乾燥開始時に魚を設置したときの冷却カーブに
より算出された重量により選択された乾燥プログラム
で、この冷却期間とマイクロ波照射期間を繰り返す回数
が決定される。乾燥終了時には内部の水分が減少し、表
1に示すように実施の形態1の乾燥時間は、従来例1の
常温で同じ水分を風乾させたときより1/12〜1/8
に短縮され水分の蒸発が促進される。
【0027】乾燥プログラムが終了すると取り出し可能
ランプ28が点滅し、出来上がりを知らせる。その後保
存温度である0℃が室温センサー13により検出される
と保存ランプ29が点灯し、冷凍乾燥室内の温度が約0
℃で保たれる。
【0028】本実施の形態1で魚の乾燥を行うと、表面
を−5℃に冷却することにより、表面の水が凍結し、成
分は内部に移動する。マイクロ波照射時には、表面はま
だ完全に解凍されていないため、内部の成分は表面組織
に移動せず、表面からの酸化による成分変化が抑制さ
れ、魚内部の変色や成分の変質が少ない。また、魚内部
から水分が蒸発しているため、表面は通常の乾燥より水
分が十分にあり、乾燥終了後、加熱調理による水分蒸発
が生じても、水分が少ないぱさぱさした状態にならな
い。また表面のみ凍結させるため氷結晶による組織の破
壊は少なく、表1に示すように、従来例1・2の××・
×と比較して本実施の形態1の組織状態は○となる。ま
た魚の水分を蒸発させる際の温度を40℃以上にならな
いように冷却期間を設定しながらマイクロ波照射するた
め、蛋白質の熱変性もほとんどなく良好な状態で乾燥さ
れ、魚の干物が作製できる。
【0029】以上述べたところから明らかなように、本
実施の形態1の冷凍乾燥装置は、食材を乾燥するとき表
面組織のみ凍結させ、成分を内部に移動させ、成分の流
出が少なく、表面からの酸化による変色、変質が抑制さ
れ、マイクロ波照射により蛋白質の変性が生じない40
℃まで加熱を行い、食材内部から水分の蒸発を促進する
機能を有するものを提供することを特徴とするものであ
る。
【0030】(実施の形態2)次に、本実施の形態2に
おける冷凍乾燥装置の構成および作用について、図4を
参照にしながら説明する。
【0031】本発明の実施の形態2における冷凍乾燥装
置は、実施の形態1と同様の図1に示すような構成であ
り、加熱手段14がセラミックヒーターで構成されてい
る。図4は、本発明の実施の形態2における冷凍乾燥装
置を用いて幅200mm×60mm、厚さ20mmの魚
を乾燥したときの温度カーブのグラフであり、41は、
魚内部の温度変化を表す温度カーブ、42は、魚表面の
温度変化を表す温度カーブである。
【0032】まず設置した魚の全体温度は常温の28℃
近辺であり、この魚を−5℃の冷凍乾燥室16内に設置
し、品温センサー12が−5℃を検知するまで冷却す
る。品温センサー12は魚表面の温度をとらえており、
このとき魚表面の温度は約−5℃付近まで冷却され、最
大氷結晶生成帯0〜−5℃を通過しているので、魚表面
には氷結晶が生成されている。このときの時間を予冷期
間43とする。予冷期間43では魚内部の温度はまだ2
0℃近辺までしか冷却されておらず氷結晶は生成されて
いない。次にセラミックヒーターにより品温センサー1
2が40℃を検知するまで遠赤外線照射を行う。このと
き魚の表面の温度は約40℃に上昇しており、このとき
の照射時間を遠赤外線照射期間44とする。この遠赤
外線照射期間44において、魚表面の氷結晶は内部の
水と比較して熱伝導率が高く、遠赤外線は表面付近から
効率良く熱に変わるため温度が上昇しやすく、食材の温
度が40℃に上昇するため、従来例1の常温で風乾させ
るものより水分の蒸発が促進される。一方、魚内部は氷
結晶が生成されておらず水の状態で存在するため表面と
比較して温度が上昇しにくく32℃までしか上昇しない
が、常温よりは水分の蒸発が促進される。
【0033】その後また品温センサー12が−5℃を検
知するまで魚を冷却(冷却期間45)し、そして、さ
らにまた品温センサー12が40℃を検知するまで遠赤
外線照射(遠赤外線照射期間46)を行うと魚表面の
温度が再び40℃近辺まで上昇し、表面の水分がさらに
蒸発する。魚を設置したときの冷却カーブにより算出さ
れた重量により選択された乾燥プログラムで、この冷却
期間と赤外線照射期間を繰り返す回数が決定される。乾
燥終了時には水分が減少し、表1に示すようにの実施の
形態2の乾燥時間は、従来例1の常温で同じ水分を風乾
させたときより1/12〜1/8に短縮され水分の蒸発
が促進される。
【0034】乾燥プログラムが終了すると取り出し可能
ランプ28が点滅し、保存温度である0℃に冷凍乾燥室
内が制御され、0℃が室温センサー12により検出され
ると保存ランプ29が点灯し、乾燥装置内の温度が約0
℃で保たれる。本実施の形態2で魚の乾燥を行うと、表
面に氷結晶が生成され、内部に成分が移動するため、表
1に示すように従来例1と比較して、実施の形態2の成
分濃度は○となる。また、表面からの酸化が抑制され、
変色がなく、成分の変質も少ない。
【0035】また表面のみ凍結させるため氷結晶による
組織の破壊は少なく、表1に示すように実施の形態2の
組織状態は○となる。また魚の水分を蒸発させる際の温
度を40℃以上にならないように冷却期間を設定しなが
ら遠赤外線照射するため、蛋白質の熱変性もほとんどな
く良好な状態で、食材の乾燥が実現できる。
【0036】以上述べたところから明らかなように、本
発明の冷凍乾燥装置は、たとえば、魚を乾燥するとき、
表面組織のみ凍結させ、成分を内部に移動させ、表面か
らの酸化による変色、変質を抑制する。また、魚表面の
み凍結させるため氷結晶による組織破壊も少なく、水分
の蒸発を促進させるため蛋白質の変性が生じない温度ま
で遠赤外線ヒーターによる加熱を行う機能を有するもの
を提供することを特徴とするものである。
【0037】また、本発明の冷凍乾燥装置は、たとえ
ば、魚を乾燥するとき、表面組織のみ凍結させ、成分を
内部に移動させ、表面からの酸化による変色、変質を抑
制する。また、食材表面部のみ凍結させるため氷結晶に
よる組織破壊も少なく、水分の蒸発を促進させるため蛋
白質の変性が生じない40℃までハロゲンヒーターによ
る加熱を行う機能を有するものを提供することを特徴と
するものである。
【0038】また、本発明の冷凍乾燥装置は、たとえ
ば、魚を乾燥するとき、表面組織のみ凍結させ、成分を
内部に移動させ、表面からの酸化による変色、変質を抑
制する。また、食材表面部のみ凍結させるため氷結晶に
よる組織破壊も少なく、水分の蒸発を促進させるため蛋
白質の変性が生じない40℃までシーズヒーターによる
加熱を行う機能を有するものを提供することを特徴とす
るものである。
【0039】(実施の形態3)次に、本実施の形態3に
おける冷凍乾燥装室の構成および作用について、図5を
参照にしながら説明する。
【0040】本発明の実施の形態3における冷凍乾燥室
は、図5に示したような構成になっている。たとえば、
魚を乾燥するとき、表面部組織のみ凍結させ、成分を内
部に移動させ、表面からの酸化による変色、変質を抑制
する。また、食材表面部のみ凍結させるため氷結晶によ
る組織破壊も少なく、水分の蒸発を促進させるため蛋白
質の変性が生じない40℃までIHによる加熱を行う機
能を有するものを提供することを特徴とするものであ
る。
【0041】但し、IHによる加熱はセラミックヒータ
ー・ハロゲンヒーター・シーズヒーターによる上部から
輻射による加熱と比較して、魚の下部のIHプレート5
1の電磁誘導により加熱される金属プレート52に直接
密着した状態で加熱されるため熱の応答性に優れ、より
精密な温度制御が可能である。また、金属プレートに密
着しているため、熱伝導性に優れ、冷却工程での魚の冷
却速度、加熱工程での魚の加熱速度が速くなり、表1に
示すように実施の形態3の乾燥時間は1〜2時間と従来
例1と比較してかなり短縮することができた。 また、
魚以外のメニューを選択した場合でも、乾燥開始温度−
5℃まで冷却するときの冷却カーブで被乾燥物の重量を
算出し、その重量に応じた乾燥プログラムで冷却工程と
加熱工程の繰り返し回数が決定され、肉なら約40%の
水分を蒸発させ旨味が濃縮された乾燥肉を得ることがで
きた。野菜・果物は約80%の水分を蒸発させ成分が濃
縮された乾燥物を得ることができた。
【0042】
【発明の効果】本発明により、被乾燥物の表面のみを凍
結させ、蛋白質の変性が生じない40℃で加熱すること
により、乾燥前の食材の組織状態を保持し、成分の流出
が少なく、内部の成分が多く存在するため表面からの酸
化による変色や成分の変質が少なく、短時間で良好な乾
燥品質を実現できる凍結乾燥装置を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1・2の冷凍乾燥装置を示
す図
【図2】本発明の冷凍乾燥装置のコントロールパネルを
示す図
【図3】実施の形態1の冷却カーブを示すグラフ
【図4】実施の形態2の冷却カーブを示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態3の冷凍乾燥室を示す図
【図6】従来例1の冷凍乾燥装置での温度変化を示すグ
ラフ
【符号の説明】
11 食材 12 品温センサー 13 室温センサー 14 加熱手段 15 冷却器 16 送風機 17 ダンパーサーモ 18 モータ 19 吐出ダクト 20 吸込みダクト 21 吸着剤 22 コントロールパネル 23 温度表示パネル 24 温度設定キー 25 温度決定ボタン 26 準備完了ランプ 27 スタートボタン 28 取り出し可能ランプ 29 保存ランプ 30 メニューキー 31 魚内部の温度 32 魚表面の温度 33 予冷期間 34 マイクロ波照射期間 35 冷却期間 36 マイクロ波照射期間 37 保存期間 41 魚内部の温度 42 魚表面の温度 43 予冷期間 44 遠赤外線照射期間 45 冷却期間 46 遠赤外線照射期間 47 保存期間 51 IHプレート 52 金属プレート 61 予冷期間 62 凍結期間 63 冷却期間 64 解凍期間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 3/353 F26B 7/00 7/00 A23B 4/04 501C (72)発明者 谷 知子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA01 AB06 AB10 AC08 AC10 AC12 AC21 AC45 AC46 AC50 AC52 AC63 AC67 AC87 BA16 CA04 CA08 CB05 CB06 CB07 CB13 CB23 CB24 CB34 DA10 DA24 4B022 LA06 LB07 LT01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被乾燥物を設置する乾燥室と、前記乾燥室
    の内部を冷却する冷却手段と、前記被乾燥物を加熱する
    加熱手段と、前記乾燥室内部の温度を検知する温度セン
    サーと、前記被乾燥物の温度を検知する温度センサー
    と、前記2つのセンサーの情報をもとに前記冷却手段と
    前記加熱手段を制御して前記乾燥室の内部の温度を調節
    する温度制御手段とを備え、−5℃〜0℃に冷却する冷
    却工程と、30℃〜40℃に加熱する加熱工程を一回以
    上繰り返すことを特徴とする冷凍乾燥装置。
  2. 【請求項2】前記冷却工程と加熱工程の繰り返し回数
    を、被冷却物を冷却するときの冷却速度と前記被冷却物
    の重量をもとに制御することを特徴とする請求項1記載
    の冷凍乾燥装置。
JP2000325288A 2000-10-25 2000-10-25 冷凍乾燥装置 Pending JP2002125645A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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