JP2002124844A - 圧電基板の材料定数測定装置 - Google Patents
圧電基板の材料定数測定装置Info
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Abstract
時間のうちに実施するべく、圧電基板の材料定数を測定
するための装置を提供する。 【解決手段】 圧電基板Pの表裏両側に個々に配設され
た2つの測定プローブ12,13と、これら測定プロー
ブ12,13を圧電基板Pを挟んで接近離間可能に支持
するプローブ支持機構14とを備える圧電基板Pの材料
定数測定装置において、測定プローブ12,13の測定
電極12a,13aの周囲に、圧電基板Pに当接する吸
収リング20を設ける。これにより、測定電極12a,
13aが当接する個所以外の部位で生じた共振信号やノ
イズが吸収リング20によって吸収されるので、余計な
共振信号やノイズが測定プローブ12,13に検出され
難くなる。
Description
切り出した圧電基板の材料定数を測定するための材料定
数測定装置に関する。
音速等が結晶の組成と育成条件とに依存することは周知
である。そこで、圧電単結晶体の各所位から切り出した
基板(以下、圧電基板という)について材料定数を測定
し、結晶の均一性を評価する作業を行う必要がある。
La3 Ga5 Si O14(ランガサイト)等の常誘電体の場合は、
圧電基板にSAWデバイスを設け、その中心周波数を測
定することで結晶の均一性評価を行っている。
行う場合、中心周波数の測定が圧電基板の表面状態、S
AWデバイスの設計および評価プロセスの再現性等に影
響され易いため、測定結果の信頼性が低い。また、評価
プロセスの作業時間が長く、作業効率が低いという問題
がある。
動の共振周波数、および基板厚さを測定し、これらの測
定データをもとに圧電基板の材料定数を求める手法が開
発されている。この手法を採用すれば、従来のようにS
AWデバイスを設置する必要がないので、測定に要する
時間が大幅に短縮される。また、SAWデバイスの設置
によって圧電基板を破壊することがないので、製品とし
て出荷するものについても測定を実施することが可能で
ある。
測定を実施するにあたっては次のような問題点が指摘さ
れている。圧電基板の共振振動数を測定するには、ま
ず、圧電基板の表裏両側に個々に測定プローブを配置
し、両プローブの測定電極を圧電基板上の測定個所に当
接させた後、交流信号を伝達して圧電基板を励振する。
そして、交流信号の周波数走査を行って当該測定個所に
おけるインピーダンスと位相との周波数依存性を検出
し、周波数依存性を示す波形の解析を行って共振周波数
を得る。
の励振を行うと、測定個所以外の部位にも励振が起こ
り、当該部位で生じた共振信号やノイズが測定プローブ
によって検出されてしまうため、正確な測定が行えない
のである。
であり、圧電単結晶体の均一性評価を正確に、かつ短時
間のうちに実施するべく、圧電基板の材料定数を測定す
るための装置を提供することを目的としている。
めの手段として、次にような構成の圧電基板の材料定数
測定装置を採用する。すなわち、本発明に係る請求項1
記載の圧電基板の材料定数測定装置は、圧電単結晶体か
ら切り出した圧電基板の表裏両側に個々に配設された2
つの測定プローブと、該測定プローブを前記圧電基板を
挟んで接近離間可能に支持するプローブ支持手段とを備
える圧電基板の材料定数測定装置であって、前記測定プ
ローブの測定電極の周囲に、前記圧電基板に当接する弾
性体が設けられていることを特徴とする。
は、測定プローブの測定電極の周囲に、圧電基板に当接
する弾性体を設けることにより、測定電極が当接する個
所以外の部位で生じた共振信号やノイズが弾性体によっ
て吸収されるので、測定プローブによってこれらが検出
され難くなる。
置は、請求項1記載の圧電基板の材料定数測定装置にお
いて、前記弾性体が環状であることを特徴とする。
は、弾性体を環状とすることにより、測定電極が当接す
る個所に対し周囲の如何なる方向から共振信号やノイズ
が伝達しても、これが弾性体によって吸収されるので、
測定個所において生じた共振信号のみを捉えることが可
能となり、これをもとに正確な測定が行えるようにな
る。
置は、請求項2または3記載の圧電基板の材料定数測定
装置において、前記測定プローブを前記圧電基板に対し
略垂直な方向に押圧する付勢手段が設けられていること
を特徴とする。
は、測定プローブを圧電基板に対し略垂直な方向に押圧
する付勢手段を設けることにより、測定電極が圧電基板
に接触する圧力が2つの測定プローブ間で均一化される
ので、測定条件が等しくなってより正確な測定が行える
ようになる。
置は、請求項1記載の圧電基板の材料定数測定装置にお
いて、前記測定電極が、弾性を有する基部に金製の電極
部を貼付したものであることを特徴とする。
は、測定電極を、弾性を有する基部に金製の電極部を貼
付したものとすることにより、導電性が高く、かつ基部
の弾性によって圧電基板への接触が電極全体で偏りなく
良好になされるようになる。
置は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板の表裏両側
に個々に配設された2つの測定プローブと、該測定プロ
ーブを前記圧電基板を挟んで接近離間可能に支持するプ
ローブ支持手段とを有し、前記圧電基板の各所ごとに厚
み滑り振動の共振周波数を測定する周波数測定部と、前
記各所ごとに基板厚さを測定する厚さ測定部を備える圧
電基板の材料定数測定装置であって、前記測定プローブ
の測定電極の周囲に、前記圧電基板に当接する弾性体が
設けられていることを特徴とする。
は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板について、該
圧電基板の各所ごとに厚み滑り振動の共振周波数、およ
び基板厚さを測定し、両測定値を乗じて前記圧電基板の
各所ごとの材料定数を算出する。
動数と材料定数との関係を次式に示す。 f = (E/ρ)1/2/(2t) … (I) f:共振周波数、t:基板厚さ、ρ:結晶密度、E:結
晶方向により決まる弾性定数である。ここで、式(I)
を整理すると、 f・t = (E/ρ)1/2/2 … (I') となり、fとtの値を求め、さらにその積を求めること
で式(I')の右辺に相当する材料定数が得られる。な
お、f・tは圧電基板におけるバルク波音速とみなせ
る。
ば、従来のようにSAWデバイスを設置する必要がない
ので、測定に要する時間が大幅に短縮される。また、S
AWデバイスの設置によって圧電基板を破壊することが
ないので、製品として出荷するものについても測定を実
施することが可能である。
置は、請求項5記載の圧電基板の材料定数測定装置にお
いて、前記周波数測定部によって測定された共振周波数
と前記厚さ測定部によって測定された基板厚さとを乗じ
て前記各所ごとの材料定数を算出する演算部を備えるこ
とを特徴とする。
は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板の各所につい
て、周波数測定部によって厚み滑り振動の共振周波数を
測定するとともに、厚さ測定部によって基板厚さを測定
し、演算部において圧電基板の各所ごとに共振周波数と
基板厚さとの積を求めて材料定数を算出する。
し図3に示して説明する。図1は周波数測定部を構成す
るバルク波測定ユニット1の概略構成を示す図である。
図に示すように、バルク波測定ユニット1は、圧電基板
Pを支持する基板支持機構11と、圧電基板Pの表裏両
側に個々に配設された測定プローブ12,13と、測定
プローブ12,13を支持するプローブ支持機構(プロ
ーブ支持手段)14と、測定プローブ12,13を駆動
して圧電基板Pのインピーダンス、および位相の周波数
依存性を測定するインピーダンス・アナライザ15と、
基板支持機構11およびプローブ支持機構14の駆動を
制御する制御装置16とを備えている。
を基板面に平行かつ直交する2方向(これらをX方向、
Y方向とする)に移動可能に支持しており、これによっ
て見かけ上は圧電基板Pの各所に測定プローブ12,1
3を配置することができる。
ローブ12,13を、圧電基板Pを挟んで基板面に垂直
な方向(これをZ方向とする)に接近、離間可能に支持
しており、圧電基板Pに対しプロービングを行う際には
測定プローブ12,13を圧電基板Pの表面、裏面にそ
れぞれ同期して接近させることができる。
周辺の構造を示す図である。図において、符号12a,
13aは各プローブの測定電極、17は各測定電極12
a,13aを取り付けられる軸体、18は軸体17を支
持するシリンダ、19はシリンダ18に対し軸体17を
付勢するバネ(付勢手段)、20は弾性体からなる吸収
リング、である。
を有する基部12b,13bに金製の電極部12c,1
3cを貼付した構造を有し、軸体17の一端に圧電基板
Pの基板面に平行に形成された板状部17aに、表裏の
基板面にそれぞれ対向させて取り付けられている。
成するアームに固定されており、軸体17をZ方向に移
動自在に支持している。バネ19はシリンダ18と軸体
17との間に介装されており、軸体17(すなわち測定
電極12a,13a)をZ方向(または−Z方向)に付
勢している。軸体17の他端には膨出部17bが設けら
れており、一端の板状部17aと合わせて測定プローブ
12,13のZ方向の移動範囲を規制するストッパとし
ての働きを有している。
弾性材料が採用されており、板状部17aに各測定電極
12a,13aの周りを取り囲むように環状をなして配
設されている。
ユニット2の概略構成を示す図である。図に示すよう
に、厚さ分布測定ユニット2は、He-Neレーザを発する
光源21と、レーザ光を平行光に変換する光学素子22
と、レーザ光を一方の面から透過し他方の面で反射させ
る半反射ミラー23と、半反射ミラー23を挟んで光源
21と相対する位置に圧電基板Pがレーザ光に対して垂
直となるように支持する基板支持台24と、半反射ミラ
ー23の他方の面で反射した反射光を投映されるスクリ
ーン25と、スクリーン25に投映された反射光の干渉
縞を撮影するデジタルカメラ26と、デジタルカメラ2
6によって撮影されたデジタル画像を解析する画像解析
装置27とを備えている。
ダンス・アナライザ15および制御装置16と、厚さ分
布測定ユニット2におけるデジタルカメラ26とは、こ
れらすべてを統括、制御する演算部30を有するメイン
コンピュータ31に接続されている。
ニット2およびメインコンピュータ31により構成され
る圧電基板の材料定数測定装置を使用して、圧電基板P
の材料定数を測定する操作の手順について説明する。 [共振周波数の測定]圧電単結晶体から切り出した圧電
基板Pを基板支持機構11にセットしてずれないように
固定する。この状態から、基板支持機構11を駆動する
と、圧電基板PがX/Y方向に段階的に移動し、圧電基
板P上に設けられた複数の測定個所のひとつひとつにに
対して測定プローブ12,13が順を追って配置され、
1箇所ごとにプロービングが行われる。
側に測定プローブ12,13が配置されると、プローブ
支持機構14が駆動し、測定プローブ12,13がZ方
向(または−Z方向)に移動して圧電基板Pの表面と裏
面とに同期して接近する。
a,13aがともに圧電基板Pに接したら、インピーダ
ンス・アナライザ15から交流信号が発せられ、測定電
極12a,13aを経て圧電基板Pが励振される。
該測定個所におけるインピーダンスと位相との周波数依
存性を検出する。この測定データはメインコンピュータ
31に入力される。メインコンピュータ31では、演算
部30において周波数依存性を示す波形の解析が行われ
て共振周波数が求められる。
ーブ12,13が先ほどとは逆方向に移動し、圧電基板
Pから離間する。これと同期して基板支持機構11がX
/Y方向に駆動し、圧電基板Pを移動させて測定プロー
ブ12,13間に次の測定個所が配置される。以降は上
記の手順が繰り返され、圧電基板P上のすべての測定個
所について共振周波数が求められる。
台24にずれないように固定する。この状態から、光源
21からレーザ光を光学素子22に向けて発すると、レ
ーザ光は平行光に変換され、半反射ミラー23を透過し
て圧電基板Pに照射される。
の表面で反射し、残りが圧電基板Pの裏面で反射する。
このとき、表面で反射したレーザ光(以下、これを表面
反射光とする)と裏面で反射したレーザ光(これを裏面
反射光とする)との間には圧電基板Pの厚さの2倍にあ
たる光路長差が生じる。
ら半反射ミラー23の他方の面で反射し、スクリーン2
5に投映されるため、スクリーン25上には光路長差に
依存する干渉縞が生じる。1本の干渉縞は圧電基板P上
において同じ厚さを表す等高線とみなすことができる。
また、隣り合う干渉縞間の厚さの差はλ0/(2n)
(λ0;真空中におけるレーザ光の波長、n;圧電基板
Pの屈折率)で表される。
と、干渉縞に変化が生まれるから、これをデジタルカメ
ラ26で撮影する。撮影されたデジタル画像を画像解析
装置27で解析すると、圧電基板Pの厚い部分と薄い部
分とが相対的に把握できる。これらの解析データはメイ
ンコンピュータ31に入力され、あらかじめ精密なマイ
クロメータで測定しておいた圧電基板Pの代表的な部分
の厚さをもとに、演算部30において圧電基板P全体の
厚さ分布が得られる。
た共振周波数の情報と組み合わせて圧電基板P上の各測
定個所ごとの材料定数が算出されるので、これをもとに
材料定数の評価を行う。
けずに測定が行えることから、SAWデバイスの製作に
要していた時間が短縮されるので、圧電単結晶体の均一
性評価を短時間のうちに実施することができる。また、
圧電基板をSAWデバイスの設置によって破壊すること
がないので、製品として出荷するものについても測定を
実施することが可能である。
ブ12,13を圧電基板Pに対し略垂直な方向に押圧す
ることにより、測定電極12a,13aが圧電基板Pに
接触する際の圧力が2つの測定プローブ12,13間で
均一化されるので、測定条件が等しくなってより正確な
測定が行える。
を有する基部12b,13bに金製の電極部12c,1
3cを貼付した構造とすることにより、導電性が高く、
かつ基部の弾性によって圧電基板への接触が電極全体で
偏りなく良好になされる。
定ユニット1における制御装置16、および厚さ分布測
定ユニット2における画像解析装置27をメインコンピ
ュータ31とは別に設けているが、これらの働きをメイ
ンコンピュータ31に行わせるように構成しても構わな
い。
測定プローブの測定電極の周囲に、圧電基板に当接する
弾性体を設けることにより、測定電極が当接する個所以
外の部位で生じた共振信号やノイズが弾性体によって吸
収されるので、測定個所において生じた共振信号のみを
捉えることが可能となり、これをもとに正確な測定を行
うことができる。その結果として、圧電単結晶体の均一
性評価を正確に、かつ短時間のうちに実施することがで
きる。
波数測定部を構成するバルク波測定ユニットの概略構成
を示す図である。
である。
の概略構成を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 圧電単結晶体から切り出した圧電基板の
表裏両側に個々に配設された2つの測定プローブと、 該測定プローブを前記圧電基板を挟んで接近離間可能に
支持するプローブ支持手段とを備える圧電基板の材料定
数測定装置であって、 前記測定プローブの測定電極の周囲に、前記圧電基板に
当接する弾性体が設けられていることを特徴とする圧電
基板の材料定数測定装置。 - 【請求項2】 前記弾性体が環状であることを特徴とす
る請求項1記載の圧電基板の材料定数測定装置。 - 【請求項3】 前記測定プローブを前記圧電基板に対し
略垂直な方向に押圧する付勢手段が設けられていること
を特徴とする請求項2または3記載の圧電基板の材料定
数測定装置。 - 【請求項4】 前記測定電極が、弾性を有する基部に金
製の電極部を貼付したものであることを特徴とする請求
項1、2または3記載の圧電基板の材料定数測定装置。 - 【請求項5】 圧電単結晶体から切り出した圧電基板の
表裏両側に個々に配設された2つの測定プローブと、該
測定プローブを前記圧電基板を挟んで接近離間可能に支
持するプローブ支持手段とを有し、前記圧電基板の各所
ごとに厚み滑り振動の共振周波数を測定する周波数測定
部と、 前記各所ごとに基板厚さを測定する厚さ測定部を備える
圧電基板の材料定数測定装置であって、 前記測定プローブの測定電極の周囲に、前記圧電基板に
当接する弾性体が設けられていることを特徴とする圧電
基板の材料定数測定装置。 - 【請求項6】 前記周波数測定部によって測定された共
振周波数と前記厚さ測定部によって測定された基板厚さ
とを乗じて前記各所ごとの材料定数を算出する演算部を
備えることを特徴とする請求項5記載の圧電基板の材料
定数測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000316655A JP3608499B2 (ja) | 2000-10-17 | 2000-10-17 | 圧電基板の材料定数測定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3608499B2 JP3608499B2 (ja) | 2005-01-12 |
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JP (1) | JP3608499B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111034038A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-04-17 | 株式会社村田制作所 | 压电基板的制造装置和压电基板的制造方法 |
-
2000
- 2000-10-17 JP JP2000316655A patent/JP3608499B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111034038A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-04-17 | 株式会社村田制作所 | 压电基板的制造装置和压电基板的制造方法 |
CN111034038B (zh) * | 2017-09-29 | 2024-02-06 | 株式会社村田制作所 | 压电基板的制造装置和压电基板的制造方法 |
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