JP2002124823A - アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔 - Google Patents

アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔

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JP2002124823A JP2001226206A JP2001226206A JP2002124823A JP 2002124823 A JP2002124823 A JP 2002124823A JP 2001226206 A JP2001226206 A JP 2001226206A JP 2001226206 A JP2001226206 A JP 2001226206A JP 2002124823 A JP2002124823 A JP 2002124823A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在多用されている双ループアンテナの指向
性を維持しつつ、双ループアンテナ素子自体の広帯域性
を十分に発揮すること。 【解決手段】 2個のループアンテナ素子を形成する2
つの2Lアンテナ素子1,2と、各2Lアンテナ素子
1,2に対する電力を伝送する同軸ケーブル4と、各2
Lアンテナ素子1,2と同軸ケーブル4との間に配置さ
れ、同軸ケーブル4を2分岐し、各分岐先を各2Lアン
テナ素子1,2の給電点に直接接続し、同軸ケーブル4
の特性インピーダンスの2倍の特性インピーダンスであ
って各2Lアンテナ素子1,2のインピーダンスに略等
しい特性インピーダンスを有する同軸管3とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、UHF帯で広帯
域特性を有する2N(Nは自然数)個のループを形成す
る2Lアンテナ素子自体の広帯域特性を発揮させること
ができるアンテナユニット、アンテナ装置および放送塔
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近い将来、地上波ディジタル放送がUH
F帯において開始される。現在のアナログ放送における
UHF帯の送信アンテナは、双ループアンテナが多用さ
れ、各周波数に合わせて設計されている。UHF帯のデ
ィジタル化は、アナログ放送と違い同じ時間軸上でネッ
トワークの整備が進められていると考えられる。このた
め、サテライト局では、各社共同でアンテナシステムを
建設する傾向がある。したがって、アンテナコストを下
げるためには、複数のチャネルをカバーできる広帯域ア
ンテナが有効である。一方、このディジタル放送開始前
の過渡期におけるアナログ/アナログ変換を考えると、
広帯域アンテナは必須のものと考える。
【0003】図18は、従来の双ループアンテナの平面
図であり、図19は、従来の双ループアンテナの右側面
図である。双ループアンテナ100は、長手方向に沿う
両縁部に略45°に折り曲げて、主面を形成した平板状
の反射器106上に、その周長が送信周波数の略波長λ
となる円弧状のループアンテナ素子101,102およ
びループアンテナ素子103,104を有した双ループ
アンテナを、この主面に垂直な方向に、単一指向性を持
たせて送信する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、双ループア
ンテナは、広帯域特性を有するが、双ループアンテナ素
子101,102および双ループアンテナ素子103,
104は、平行線路であり、給電線側は、特性インピー
ダンスが50Ωあるいは75Ωの同軸線路が用いられた
め、図20(a)に示すように、双ループアンテナ素子
101〜104と給電線との間にバラン(balance-unba
lance変換回路:balun)回路202が設けられる。な
お、通常のアンテナ素子と給電線との間には、このバラ
ン回路202が設けられないが、双ループアンテナ素子
101,103と双ループアンテナ素子102,104
とが略平行線路を形成するため、双ループアンテナは、
同軸線路である給電線との間にバラン回路202を設け
なければならないという特殊性を有する。
【0005】このバラン回路202は、図20(b)に
示すように不平衡線路(同軸線路)と平衡線路(平行線
路)とを変換接続する整合回路である。これは、双ルー
プアンテナ素子101〜104によって形成される不平
衡線路と、給電線が形成する平行線路とをそのまま接続
すると、接続点で必ず電流の不平衡分が生じるからであ
る。
【0006】図21は、図18に示した双ループアンテ
ナのC−C線断面図であり、給電線108の内部導体3
01は、接続部304を介して外部導体302に平行に
配置された外部導体303に接続される。外部導体30
2,303は、接続部304で接続されるとともに、略
1/4λのところで短絡部305によって短絡されてい
る。この外部導体302,303、接続部304、およ
び短絡部305がバラン回路である。なお、バラン回路
には、種々の形態のものがあり、たとえばUバランやシ
ュペルトッフ(阻止套管)などがある。
【0007】しかし、このバラン回路202を設けるこ
とによって、給電部を含めた双ループアンテナのインピ
ーダンスの周波数特性は、バラン回路202自体が有す
る周波数特性を含んだものとなり、結果として狭帯域と
なってしまうという問題点があった。
【0008】一方、双ループアンテナ素子101〜10
4と給電線108とのインピーダンス整合をとるため
に、図20(a)に示すインピーダンス整合回路201
を、双ループアンテナ素子101〜104と給電側との
間に形成しなければならない。図18および図19に示
した双ループアンテナでは、内部導体の径を変えること
で、長さを1/4λに変換するインピーダンス整合を行
っている。なお、インピーダンス整合回路201として
は、その他トラップなどのスタブを挿入するものが多
い。
【0009】しかし、このインピーダンス整合回路20
1では、中心周波数において完全に整合するが、他の周
波数に対しては整合せず、リターンロスが大きくなると
いう問題点があった。
【0010】この場合、複数のインピーダンス整合回路
201を、たとえば3個ぐらい用いて、徐々にインピー
ダンスを変換すれば、その周波数特性は小さくなり、広
帯域化を図ることができるが、給電部がいきおい長くな
るという問題点を生じることになる。
【0011】したがって、従来の双ループアンテナで
は、上述したバラン回路201およびインピーダンス整
合回路202を双ループアンテナ素子101〜104の
接続点に接続させることから、その周波数特性が劣化
し、双ループアンテナ素子自体の広帯域性を十分に生か
しきれていない。
【0012】一方、上述した双ループアンテナの指向性
を崩すと、新たな受信不感地帯が発生し、この受信不感
地帯をなくすために新たな放送塔などの適地を探し出
し、建設する必要が生じるため、地上波ディジタル放送
の実現に向けて、現在多用されている双ループアンテナ
の指向性を維持しつつ、その広帯域性を用いたアンテナ
の開発が強く要望されているのが現実である。
【0013】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
現在多用されている双ループアンテナの指向性を維持し
つつ、双ループアンテナ素子自体の広帯域性を十分に発
揮することができるアンテナユニット、アンテナ装置お
よび放送塔を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかるアンテナユニットは、それぞれ2
N(Nは自然数)個のループを形成する2のm乗(mは
自然数)個のループアンテナ素子と、前記ループアンテ
ナ素子に対する電力を伝送する第1の給電線と、前記各
ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置さ
れ、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返し、
前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗倍の
特性インピーダンスであって前記各ループアンテナ素子
のインピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有す
る2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテナ側
端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給電点
に直接接続する第2の給電線とを備えたことを特徴とす
る。
【0015】この請求項1の発明によれば、第1の給電
線から伝送された電力は、第2の給電線によって2分岐
が繰り返され、各ループアンテナ素子の給電点に供給さ
れる。この際、第2の給電線の最終段の特性インピーダ
ンスは、各ループアンテナ素子のインピーダンスに略等
しくして、インピーダンス整合調整をなくし、バラン回
路を設けなくても特性上の変化がないようにしている。
【0016】また、請求項2にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、反射板をさらに備え、前記ル
ープアンテナ素子は、前記反射板上に所定の距離を置い
て配置され、前記第2の給電線は、前記反射板の裏面あ
るいは表面に配設されることを特徴とする。
【0017】この請求項2の発明によれば、反射板を用
いて、一層効率的なアンテナ指向性を得ることができ、
第2給電線の設置あるいはアンテナユニットの取り付け
も容易に行うことができる。
【0018】また、請求項3にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、前記第2の給電線は、前記第
1の給電線の接続点から各ループアンテナ素子の給電点
までの長さを異ならせたことを特徴とする。
【0019】この請求項3の発明によれば、第2の給電
線において、前記第1の給電線の接続点から各ループア
ンテナ素子のアンテナ側端点までの長さを異ならせ、こ
れによって各ループアンテナに対する給電に位相差をも
たせ、合成アンテナ指向性をシフトさせることによって
ヌル点を所望の方向に移動させることができる。
【0020】また、請求項4にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、前記第2の給電線は、前記ア
ンテナ側端点が3つ以上ある場合に、少なくとも3つ以
上、前記第1の給電線の接続点から各ループアンテナ素
子の前記アンテナ側端点までの長さを異ならせたことを
特徴とする。
【0021】この請求項4の発明によれば、前記第2の
給電線において、前記アンテナ側端点が3つ以上ある場
合に、少なくとも3つ以上、前記第1の給電線の接続点
から各ループアンテナ素子の前記アンテナ側端点までの
長さを異ならせ、これによって各ループアンテナ素子に
対する給電に位相差をもたせ、たとえ、2つのループア
ンテナ素子によるヌル点が生じる場合であっても、他の
ループアンテナ素子による電界強度の存在によってヌル
点をなくすようにしている。
【0022】また、請求項5にかかるアンテナ装置は、
それぞれ2N(Nは自然数)個のループを形成する2の
m乗(mは自然数)個のループアンテナ素子と、前記ル
ープアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の給電線
と、前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との
間に配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段
繰り返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2
のm乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループア
ンテナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダ
ンスを有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各
アンテナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素
子の給電点に直接接続する第2の給電線と、所定の距離
を置いて各ループアンテナ素子を配置する反射板と、を
備えた複数のアンテナユニットを円環状に均等に配列
し、各アンテナユニットから放射される電波を合成して
略無指向放射パターンを得ることを特徴とする。
【0023】この請求項5の発明によれば、複数のアン
テナユニットを円環状に均等に配列し、各アンテナユニ
ットから放射される電波を合成して略無指向放射パター
ンを得るようにしている。
【0024】また、請求項6にかかるアンテナ装置は、
上記の発明において、前記第2の給電線は、前記第1の
給電線の接続点から各ループアンテナ素子の給電点まで
の長さを異ならせたことを特徴とする。
【0025】この請求項6の発明によれば、第2の給電
線において、前記第1の給電線の接続点から各ループア
ンテナ素子のアンテナ側端点までの長さを異ならせ、こ
れによって各ループアンテナに対する給電に位相差をも
たせ、合成アンテナ指向性をシフトさせることによって
ヌル点を所望の方向に移動させることができる。
【0026】また、請求項7にかかるアンテナ装置は、
上記の発明において、前記第2の給電線は、前記アンテ
ナ側端点が3つ以上ある場合に、少なくとも3つ以上、
前記第1の給電線の接続点から各ループアンテナ素子の
前記アンテナ側端点までの長さを異ならせたことを特徴
とする。
【0027】この請求項7の発明によれば、前記第2の
給電線において、前記アンテナ側端点が3つ以上ある場
合に、少なくとも3つ以上、前記第1の給電線の接続点
から各ループアンテナ素子の前記アンテナ側端点までの
長さを異ならせ、これによって各ループアンテナ素子に
対する給電に位相差をもたせ、たとえ、2つのループア
ンテナ素子によるヌル点が生じる場合であっても、他の
ループアンテナ素子による電界強度の存在によってヌル
点をなくすようにしている。
【0028】また、請求項8にかかる放送塔は、上記の
発明において、請求項1〜7のいずれか一つに記載のア
ンテナユニットまたはアンテナ装置を、所定の地上高に
設置したことを特徴とする。
【0029】この請求項8の発明によれば、上述した請
求項1〜7のアンテナユニットまたはアンテナ装置を、
所定の地上高に設置して、広帯域性をもち、かつ従来の
アンテナ指向性を少なくとも維持した電波を放射するこ
とができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるアンテナユニット、アンテナ装置および放
送塔の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0031】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1であるアンテナユニットの概要構成を示す模式
図である。図1において、このアンテナユニット10
は、2つのループアンテナ素子からなる2Lアンテナ素
子1,2を2つ有している。すなわち、4つのループア
ンテナ素子を備える。各2Lアンテナ素子1,2は、各
2Lアンテナ素子1,2の長手方向に直列に配置され
る。また、各2Lアンテナ素子1,2自体のインピーダ
ンスは、略100Ωである。各ループアンテナ素子の周
長は、送信周波数の波長λに設定される。
【0032】各2Lアンテナ素子1,2の給電点には、
それぞれ特性インピーダンス100Ωの同軸管3が接続
され、同軸管3の中央(中点)には、特性インピーダン
ス50Ωの同軸ケーブル4が接続され、同軸ケーブル4
および同軸管3を介して各2Lアンテナ素子1,2に対
して給電される。同軸管3の中点によって分岐された同
軸管3aは、2Lアンテナ素子1側に延び、同軸管3a
の内部導体11aが2Lアンテナ素子1の一方のエレメ
ントに直接接続される。また、同軸管3の中点によって
分岐された同軸管3bは、2Lアンテナ素子2側に延
び、同軸管3bの内部導体11bが2Lアンテナ素子2
の一方のエレメントに直接接続される。なお、同軸管3
a,3bの外部導体は、図4に示す反射板5を介して各
2Lアンテナ素子1,2のアンテナ端部に接続される。
【0033】なお、同軸ケーブル4には、同軸管3a,
3bが2分岐して接続され、並列となった同軸管3a,
3bの合成インピーダンスを考慮すると、100Ωの特
性インピーダンスをもつ同軸管3a,3bと同軸ケーブ
ル4とは、単純にインピーダンス整合する。また、各2
Lアンテナ素子1,2は、インピーダンスが略100Ω
であるため、特性インピーダンスが100Ωの各同軸管
3a,3bとも、容易にインピーダンス整合する。した
がって、インピーダンス整合回路を設ける必要がない。
また、複雑なインピーダンス調整も必要ない。
【0034】ここで、図2は、図1に示した同軸管3を
直接取り付けた各2Lアンテナ素子1,2のインピーダ
ンスの周波数特性を示した図である。図2に示すよう
に、抵抗成分の特性L11およびリアクタンス成分の特
性L12は、ともに450MHz〜850MHzの帯域
において、平坦な特性を示しているとともに、抵抗成分
の特性L11が、ほぼ100Ωであり、リアクタンス成
分の特性がほぼ零であり、良好なインピーダンス特性を
呈している。このように、同軸管3を直接取り付けた場
合には、バラン回路の取り付けによる周波数特性が全く
影響されないため、広帯域の平坦な特性を得ることがで
きる。
【0035】また、図1に示したアンテナユニット10
の各2Lアンテナ素子1,2のアンテナ指向性は、図3
に示す特性L21,L22を示す。図3(a)は、周波
数が600MHzの時の水平指向性を示し、図3(b)
は、周波数が600MHzの時の垂直指向性を示してい
る。ここで、図3に示す特性(破線)L31,L32
は、図18に示したアンテナユニット100によるバラ
ン回路を取り付けた場合における2Lアンテナ素子の水
平指向性および垂直指向性を示している。図3に示すよ
うに、図1に示したアンテナユニット10の各2Lアン
テナ素子1,2のアンテナ指向性は、バラン回路を取り
付けた場合におけるアンテナ指向性と比較して、殆ど変
化がないことがわかる。
【0036】ここで、図4〜図6を参照して、アンテナ
ユニット10の構成について説明する。図4は、アンテ
ナユニット10の構成を示す正面図であり、図5は、ア
ンテナユニット10の構成を示す右側面図であり、図6
は、アンテナユニット10のA−A線断面図である。
【0037】図4および図5において、2Lアンテナ素
子1,2は、長手方向に沿う両縁部に略45°に折り曲
げて、主面を形成した平板状の反射板5上に、略波長λ
となる円弧状のループアンテナ素子を有した双ループア
ンテナである。2Lアンテナ素子1,2は、反射板5の
面に対して高さL3の位置に平行に設置される。各ルー
プ間距離は「L1」であり、各2Lアンテナ素子1,2
間距離は「L2」である。
【0038】同軸管3は、断面が矩形であり、各一端の
内部導体11a,11bが各2Lアンテナ素子1,2の
中央の一方に直接接続される。同軸管3は、反射板5の
裏面を通り、中央部において、同軸ケーブル4に接続さ
れる。なお、上述したように、同軸管3は、特性インピ
ーダンスが100Ωに設定されている。また、同軸管3
は、反射板5の表面に配設するようにしてもよい。この
場合、反射板5の裏面に凸部が形成されず、アンテナユ
ニットの取り付けを容易かつ堅固に行うことができる。
【0039】図6において、内部導体11aは、2Lア
ンテナ素子1の中央部分の平行線路間を通り、その先端
とアンテナエレメント1aとの間は、導通部材1cによ
ってL字型に橋渡され、導通される。一方、外部導体
は、他方のアンテナエレメント1bに接続される。な
お、内部導体11aには、リング部材11cが環装さ
れ、2Lアンテナ素子1と同軸管3とのインピーダンス
調整が行われる。
【0040】また、上述した各ループ間距離「L1」、
各2Lアンテナ素子1,2間距離「L2」、反射板5に
対する各2Lアンテナ素子1,2の高さ「L3」など
は、さらに調整することによって、放射パターン、利得
などをさらに向上させることができる。さらに、上述し
た同軸ケーブル4の特性インピーダンスは50Ωであっ
たが、給電線としての同軸ケーブルの特性インピーダン
スが75Ωである場合には、75Ω→50Ω変換を行え
ばよい。
【0041】さらに、上述した2Lアンテナ素子1,2
自体のインピーダンスは略100Ωであるとしたが、た
とえば、2Lアンテナ素子1,2自体のインピーダンス
が略150Ωである場合には、同軸ケーブル4の特性イ
ンピーダンスを75Ωとし、同軸管3の特性インピーダ
ンスを150Ωとすればよい。また、同様にして、2L
アンテナ素子1,2自体のインピーダンスがたとえば2
00Ωである場合には、同軸管3を多段接続すればよ
い。たとえば、図7に示すように、各2Lアンテナ素子
21,22,26,27のインピーダンスが200Ωで
ある場合、特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブル4
に100Ωの同軸管23を接続し、さらにこの100Ω
の同軸管23に、特性インピーダンスが200Ωの同軸
管を接続し、この200Ωの同軸管の内部導体を4つの
各2Lアンテナ素子21,22,26,27に直接接続
すればよい。
【0042】なお、各アンテナユニットは、レドームを
設け、風雨に対する強度を持たせるようにするのが好ま
しい。
【0043】この実施の形態1では、2Lアンテナ素子
1,2と、給電線としての同軸ケーブル4との間に接続
され、2Lアンテナ素子1,2のインピーダンスに略等
しく、同軸ケーブル4の特性インピーダンスの2倍の特
性インピーダンスを有し、同軸ケーブル4を2分岐し、
同軸管3の内部導体を直接2Lアンテナ素子1,2に接
続した同軸管3を設けるようにしているので、バラン回
路やインピーダンス整合回路を必要とせず、これが存在
しないことによって、バラン回路やインピーダンス整合
回路によって制限されていた2Lアンテナ素子1,2自
体の広帯域性を得ることができる。また、バラン回路や
インピーダンス回路を設けない場合であっても、アンテ
ナ指向性が変化しないので、従来のアンテナユニットの
もつアンテナ指向性をそのまま維持することができる。
【0044】(実施の形態2)つぎに、この発明の実施
の形態2について説明する。上述した実施の形態1で
は、2つの2Lアンテナ素子1,2をもつアンテナユニ
ットであったが、この実施の形態2では、2つの4Lア
ンテナ素子31,32をもつアンテナユニットとしてい
る。
【0045】図8は、この発明の実施の形態2であるア
ンテナユニットの概要構成を示す模式図である。図8に
おいて、2つの2Lアンテナ素子1,2に代えて2つの
4Lアンテナ素子31,32を設けている。この4Lア
ンテナ素子31,32は、それぞれ4つのループアンテ
ナ素子を有し、長手方向に4つのループが形成される。
また、同軸管3に代えて同軸管33を設けている。この
同軸管33は、同軸管3と同じく、特性インピーダンス
が100Ωである。ただし、4Lアンテナ素子31,3
2は、2Lアンテナ素子1,2に比してループアンテナ
素子を多く有しているため、同軸管33は、同軸管3に
比して長い。なお、同軸管33は、実施の形態1と同様
に、特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブル4に接続
され、同軸管33の内部導体は、それぞれ4Lアンテナ
素子31,32に直接接続される。ここで、4Lアンテ
ナ素子31,32のインピーダンスは、それぞれ略10
0Ωであるため、実施の形態1と同様に、インピーダン
ス整合回路は不要となり、バラン回路も不要となる。
【0046】なお、上述した実施の形態2では、4Lア
ンテナ素子31,32について説明したが、これに限ら
ず、それぞれ6つのループアンテナ素子を有する6lア
ンテナ素子に対しても適用することができる。すなわ
ち、2の倍数のループアンテナ素子を有するものに、適
用することができる。
【0047】この実施の形態2によれば、実施の形態1
と同様に、バラン回路やインピーダンス整合回路を必要
とせず、これが存在しないことによって、バラン回路や
インピーダンス整合回路によって制限されていた4Lア
ンテナ素子31,32自体の広帯域性を得ることができ
る。また、バラン回路やインピーダンス回路を設けない
場合であっても、アンテナ指向性が変化しないので、従
来のアンテナユニットのもつアンテナ指向性をそのまま
維持することができる。
【0048】(実施の形態3)つぎに、この発明の実施
の形態3について説明する。上述した実施の形態1で
は、各2Lアンテナ素子1,2を長手方向に直列に配置
したアンテナユニットとしていたが、この実施の形態3
では、各2Lアンテナ素子1,2に対応する各2Lアン
テナ素子41,42の長手方向に沿って並列に配置した
アンテナユニットとしている。
【0049】図9は、この発明の実施の形態3であるア
ンテナユニットの概要構成を示す模式図である。図9に
おいて、2つの2Lアンテナ素子41,42は、長手方
向に沿って並列に配置される。その他の構造は、実施の
形態1と同じである。すなわち、特性インピーダンス5
0Ωの同軸ケーブル4から2分岐する特性インピーダン
ス100の同軸管43は、インピーダンスが100Ωの
各2Lアンテナ素子41,42の一方のアンテナエレメ
ントに直接接続される。
【0050】図10は、この発明の実施の形態3の応用
例であるアンテナユニットの概要構成を示す模式図であ
る。図10において、2つの4Lアンテナ素子51,5
2は、長手方向に沿って並列に配置される。その他の構
造は、実施の形態1と同じである。すなわち、特性イン
ピーダンス50Ωの同軸ケーブル4から2分岐する特性
インピーダンス100の同軸管53は、インピーダンス
が100Ωの各2Lアンテナ素子51,52の一方のア
ンテナエレメントに直接接続される。
【0051】この実施の形態3によれば、実施の形態1
と同様に、バラン回路やインピーダンス整合回路を必要
とせず、これが存在しないことによって、バラン回路や
インピーダンス整合回路によって制限されていた2Lア
ンテナ素子41,42自体の広帯域性を得ることができ
る。また、バラン回路やインピーダンス回路を設けない
場合であっても、アンテナ指向性が変化しないので、従
来のアンテナユニットのもつアンテナ指向性をそのまま
維持することができる。特に、この実施の形態3によれ
ば、後述するように、水平面における各2Lアンテナ素
子41,42のアンテナ指向性を合成することができ、
水平方向におけるアンテナ利得を上げることができると
ともに、水平指向性を鋭くすることができる。
【0052】(実施の形態4)つぎに、この発明の実施
の形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3
では、いずれも同軸ケーブル4から2Lアンテナ素子
1,2、2Lアンテナ素子21,22,26,27、4
Lアンテナ素子31,32、2Lアンテナ素子41,4
2、あるいは4Lアンテナ素子51,52の接続点まで
の長さが等しく、同位相によって各2Lアンテナ素子
1,2、2Lアンテナ素子21,22,26,27、4
Lアンテナ素子31,32、2Lアンテナ素子41,4
2、あるいは4Lアンテナ素子51,52を給電してい
たが、この実施の形態3では、各2Lアンテナ素子1,
2、2Lアンテナ素子21,22,26,27、4Lア
ンテナ素子31,32、2Lアンテナ素子41,42、
あるいは4Lアンテナ素子51,52に対して異なる位
相で給電するようにしている。
【0053】図11は、この発明の実施の形態4である
アンテナユニットの概要構成を示す模式図である。図1
1において、同軸ケーブル4から2分岐する同軸管63
aの長さL61と同軸管63bの長さL62とは異な
る。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構
成部分には同一符号を付している。
【0054】このようにして同軸管63aの長さL61
と、同軸管63bの長さL62とを異ならせると、各2
Lアンテナ素子1,2に給電される位相が異なることに
なる。この結果、各2Lアンテナ素子1,2のアンテナ
指向性は、同相の場合におけるアンテナ指向性を傾けた
特性をもつ。図12は、各2Lアンテナ素子1,2に対
する給電が同相の場合と位相が異なる場合との合成垂直
指向性を示した図である。なお、図12に示した周波数
は、600MHzである。
【0055】図12において、アンテナ指向性L51
は、各2Lアンテナ素子1,2に対する給電を同相した
場合における合成垂直指向性を示し、アンテナ指向性L
52は、各2Lアンテナ素子1,2に対する給電の位相
を異ならせた場合の合成垂直指向性を示す。各アンテナ
指向性L51,L52は、2Lアンテナ素子1,2間の
距離を0.84mとしている。また、アンテナ指向性L
52は、2Lアンテナ素子1,2間に45度の位相差を
与えている。図12において、アンテナ指向性L52
は、アンテナ指向性L51を約5度シフトした特性を示
し、合成垂直指向性が下に傾いた(チルト)した形状と
なっている。したがって、ヌル点P51もヌル点P52
にシフトし、メインローブの最大値もシフトしている。
このようなシフトが生じるのは、各2Lアンテナ素子
1,2が形成する同一方向における電磁波の波面が干渉
し、1/2波長差の距離をもつ場合に各電磁波の強度が
零となるからである。このように各2Lアンテナ素子
1,2間に位相差を持たせることによって、ヌル点が生
じる一定の俯角の方向、すなわち不感地帯を変更するこ
とができ、受信地域に合わせた柔軟なアンテナ指向性を
形成することができる。
【0056】ところで、2つの2Lアンテナ素子1,2
の場合には、電磁波の発生源を各2つのループによる2
点としてとらえることができるが、2Lアンテナ素子2
1,22,26,27、4Lアンテナ素子31,32な
どの場合には、電磁波の発生源を各2つのループによる
4点としてとらえることができる。この場合、各2つの
ループに対する位相差を少なくとも3つの各2つのルー
プに対して与えると、たとえ2つの各2つのループの位
相差が1/2波長となるヌル点(角度)が存在しても、
他の1つ以上の各2つのループの位相差が異なるため、
ヌル点を形成することがなくなる。すなわち、3つ以上
の各2つのループ、換言すれば、3以上の最終の給電点
を形成する場合、各最終の給電点に対する位相差を異な
らせるように同軸管の長さを設定すればよい。
【0057】たとえば、図7に示した2Lアンテナ素子
21,22,26,27に対する同軸管の長さを、2L
アンテナ素子26に対する位相を基準として、2Lアン
テナ素子21,22,27の位相差が−15度、45
度、−15度となるように設定すると、図13に示した
アンテナ指向性を得ることができる。図13において、
アンテナ指向性L61は、各2Lアンテナ素子21,2
2,26,27に対する位相差が零となるように、同軸
管の長さを同じにした場合のアンテナ指向性であり、ヌ
ル点P61,P62などのヌル点を形成するが、アンテ
ナ指向性L62は、上述したように、各2Lアンテナ素
子21,22,26,27に対して位相差を与えるよう
な同軸管の長さに設定するため、ヌル点が生じない。な
お、図13に示した各アンテナ指向性は、周波数が50
0MHzであり、各2Lアンテナ素子21,22,2
6,27間の間隔は、1.2mとしている。
【0058】したがって、2Lアンテナ素子に対する最
終の給電点に対する位相差が3つ以上異ならせるように
同軸管の長さを設定することによって、ヌル点がなくな
り、しかもアンテナ指向性全体をシフトすることができ
るので、柔軟かつ確実にヌル点が生じる一定の俯角の方
向における不感地帯をなくすことができる。なお、2L
アンテナ素子が2つの場合に位相差を与える場合、各2
Lアンテナ素子を形成する各2つのループ間の距離が、
ヌル点が生じる角度に対して周波数的に無視できない程
度である場合、各ループが3つ以上生成されることにな
るため、実質的にヌル点ななくなる。
【0059】この実施の形態4によれば、同軸管の長さ
を調整して、給電の位相を容易に変化させることがで
き、この位相の変化によって各2Lアンテナ素子のアン
テナ指向性をシフトすることができ、さらに3つ以上の
2Lアンテナ素子に対する最終の給電点に対する位相差
を異ならせることによって、ヌル点をなくすことができ
るため、従来のアンテナ指向性に比して一層、柔軟かつ
確実に不感地帯をなくすことができるアンテナ指向性を
得ることができる。
【0060】(実施の形態5)つぎに、この発明の実施
の形態5について説明する。この実施の形態5では、上
述した実施の形態1〜4で示したアンテナユニットを用
いたアンテナ装置および放送塔を実現している。
【0061】図14は、この発明の実施の形態5である
アンテナ装置を含む放送塔の概要構成を示す図である。
図14において、放送塔は、鉄骨材を組み上げたタワー
状の骨格フレーム体71と、その上端に垂直に設けたポ
ール部72とを有する。ポール部72、および骨格フレ
ーム体71の比較的断面の小さい円筒部75に、上述し
たアンテナユニット10に対応するアンテナユニット7
3,74が取り付けられる。
【0062】このアンテナユニット73,74の取付
は、ポール部72あるいは円筒部75の周囲に水平かつ
均等に配置することによって実現される。ただし、アン
テナユニット73,74の取付数は、ポール部72ある
いは円筒部75の断面の大きさ、すなわち円周の長さに
よって決定され、水平方向に送信利得の落ち込みのある
部分を形成しないように密に配置する。したがって、ポ
ール部72には、少ないアンテナユニット73の数で済
み、円筒部75には、比較的多くの個数のアンテナユニ
ット74が必要となる。
【0063】ここで、図15を参照して、放送塔に設置
されるアンテナ装置の一例について説明する。図15
は、ポール部72に設置されるアンテナ装置の構成を示
す図であり、図15(a)は、アンテナ装置の正面図で
あり、図15(b)は、B−B線断面図である。図15
において、4つのアンテナユニット73−1〜73−4
は、ポール部72の周縁であって同一周上に設けられ、
各アンテナユニット73−1〜73−4は、90°ずつ
均等に配置される。なお、各アンテナユニット73−1
〜73−4は、図4に示したアンテナユニットである。
【0064】図16は、図15に示したアンテナ装置の
水平指向性を示す図である。なお、アンテナユニット7
3−4が配置される方向を0度とし、アンテナユニット
73−3が配置される方向を90度としている。各アン
テナユニット73−1〜73−4の間には、アンテナ指
向性の高い部分が形成される。たとえば、アンテナユニ
ット73−3,73−4間には、ピークP71が形成さ
れる。このピークP71は、アンテナユニット73−
3,73−4のメインローブの裾部分で、左右45度方
向が強め合ってできたピークである。各アンテナユニッ
ト73−1〜73−4は、2つの2Lアンテナ素子を合
成した利得をもち、比較的鋭いアンテナ指向性をもつた
め、図16に示すように、ピークP71を極端に大きく
することはない。これによって、90度毎、全周に配置
した4つのアンテナユニット73−1〜73−4であっ
ても、比較的無指向の水平指向性を得ることができる。
【0065】なお、各アンテナユニット73−1〜73
−4は、ポール部の内縁部に配置された給電装置76に
よって一括して給電される。なお、ポール部72の設置
されるその他のアンテナ装置および円筒部75に配置さ
れるアンテナ装置も、給電装置76によって、一括して
給電するようにしてもよい。
【0066】また、上述したアンテナ装置は、図14に
示した親局の放送塔に限らず、図17に示す中継機能を
もった子局の放送塔にも適用することができる。図17
に示した放送塔では、図17に示した親局の放送塔ある
いは上位の子局である放送塔からの電波を受信する受信
アンテナ装置81と、上述したアンテナ装置である送信
アンテナ装置82とが設置され、放送塔の下部に受信ア
ンテナ装置81が設けられ、放送塔の上部に送信アンテ
ナ装置82が設けられ、互いに干渉しないようにしてい
る。
【0067】なお、各アンテナユニットは、レドームを
設け、風雨に対する強度を持たせるようにするのが好ま
しい。
【0068】この実施の形態5によれば、現用の双ルー
プアンテナのアンテナ指向性を少なくとも維持し、さら
には向上したアンテナ指向性を得ることができ、しかも
実施の形態1〜4で述べたように広帯域性をもったアン
テナ装置および放送塔を実現することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる
発明によれば、第1の給電線から伝送された電力は、第
2の給電線によって2分岐が繰り返され、各ループアン
テナ素子の給電点に供給される。この際、第2の給電線
の最終段の特性インピーダンスは、各ループアンテナ素
子のインピーダンスに略等しくして、インピーダンス整
合調整をなくし、バラン回路を設けなくても特性上の変
化がないようにしている。この結果、バラン回路および
インピーダンス整合回路を取り除くことができ、しか
も、バラン回路およびインピーダンス整合回路によって
制限されていた広帯域性も確保することができ、現在多
様されている双ループアンテナによってカバーされてい
る受信地域を変化させずに、しかも広帯域性をもったア
ンテナユニットを実現することができるという効果を奏
する。
【0070】また、請求項2にかかる発明によれば、反
射板を用いて、一層効率的なアンテナ指向性を得ること
ができ、第2給電線の設置あるいはアンテナユニットの
取り付けも容易に行うことができるという効果を奏す
る。
【0071】また、請求項3にかかる発明によれば、第
2の給電線において、前記第1の給電線の接続点から各
ループアンテナ素子のアンテナ側端点までの長さを異な
らせ、これによって各ループアンテナに対する給電に位
相差をもたせ、合成アンテナ指向性をシフトさせること
によってヌル点を所望の方向に移動させることができる
ので、不感地帯をなくすことができるという効果を奏す
る。
【0072】また、請求項4にかかる発明によれば、前
記第2の給電線において、前記アンテナ側端点が3つ以
上ある場合に、少なくとも3つ以上、前記第1の給電線
の接続点から各ループアンテナ素子の前記アンテナ側端
点までの長さを異ならせ、これによって各ループアンテ
ナ素子に対する給電に位相差をもたせ、たとえ、2つの
ループアンテナ素子によるヌル点が生じる場合であって
も、他のループアンテナ素子による電界強度の存在によ
ってヌル点をなくすようにしているので、常にヌル点を
なくし、しかもヌル点を所望の方向にシフトさせること
ができ、確実かつ柔軟に不感地帯をなくし、受信地域の
拡大を図ることができるという効果を奏する。
【0073】また、請求項5にかかる発明によれば、複
数のアンテナユニットを円環状に均等に配列し、各アン
テナユニットから放射される電波を合成して略無指向放
射パターンを得るようにしているので、従来のアンテナ
ユニットでは実現できなかった広帯域性を現状のアンテ
ナ指向性を維持したまま得ることができるという効果を
奏する。
【0074】また、請求項6にかかる発明によれば、第
2の給電線において、前記第1の給電線の接続点から各
ループアンテナ素子のアンテナ側端点までの長さを異な
らせ、これによって各ループアンテナに対する給電に位
相差をもたせ、合成アンテナ指向性をシフトさせること
によってヌル点を所望の方向に移動させることができる
ので、不感地帯をなくすことができるという効果を奏す
る。
【0075】また、請求項7にかかる発明によれば、前
記第2の給電線において、前記アンテナ側端点が3つ以
上ある場合に、少なくとも3つ以上、前記第1の給電線
の接続点から各ループアンテナ素子の前記アンテナ側端
点までの長さを異ならせ、これによって各ループアンテ
ナ素子に対する給電に位相差をもたせ、たとえ、2つの
ループアンテナ素子によるヌル点が生じる場合であって
も、他のループアンテナ素子による電界強度の存在によ
ってヌル点をなくすようにしているので、常にヌル点を
なくし、しかもヌル点を所望の方向にシフトさせること
ができ、確実かつ柔軟に不感地帯をなくし、受信地域の
拡大を図ることができるという効果を奏する。
【0076】また、請求項8にかかる発明によれば、上
述した請求項1〜7のアンテナユニットまたはアンテナ
装置を、所定の地上高に設置して、広帯域性をもち、か
つ従来のアンテナ指向性を少なくとも維持した電波を放
射することができるので、新たな放送塔の設置場所を探
し、さらに建設する必要がなく、既存の施設を有効利用
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるアンテナユニッ
トの概要構成を示す模式図である。
【図2】図1に示したアンテナユニットの周波数特性を
示す図である。
【図3】図1に示したアンテナユニットの各2Lアンテ
ナ素子のアンテナ指向性を示す図である。
【図4】図1に示したアンテナユニットの正面図であ
る。
【図5】図1に示したアンテナユニットの右側面図であ
る。
【図6】図1に示したアンテナユニットのA−A線断面
図である。
【図7】この発明の実施の形態1の応用例であるアンテ
ナユニットの概要構成を示す模式図である。
【図8】この発明の実施の形態2であるアンテナユニッ
トの概要構成を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態3であるアンテナユニッ
トの概要構成を示す模式図である。
【図10】この発明の実施の形態3の応用例であるアン
テナユニットの概要構成を示す模式図である。
【図11】この発明の実施の形態4であるアンテナユニ
ットの概要構成を示す模式図である。
【図12】図11に示したアンテナユニットによる垂直
指向性を示す図である。
【図13】図7に示したアンテナユニットにこの発明の
実施の形態4を適用した場合の垂直指向性を示す図であ
る。
【図14】この発明の実施の形態5であるアンテナ装置
を含む放送塔の概要構成を示す図である。
【図15】図14に示したアンテナ装置の一例を示す図
である。
【図16】図15に示したアンテナ装置の水平指向性を
示す図である。
【図17】子局の放送塔に適用したアンテナ装置の一例
を示す図である。
【図18】従来のアンテナユニットの構成を示す正面図
である。
【図19】図18に示したアンテナユニットの構成を示
す右側面図である。
【図20】図18に示したアンテナユニットの概要回路
構成を示す図である。
【図21】図18に示したアンテナユニットの給電接続
点近傍を示すC−C線断面図である。
【符号の説明】
1,2,21,22,26,27,41,42 2Lア
ンテナ素子 3,3a,3b,23,24,33,33a,33b,
43,43a,43b,53,63a,63b 同軸管 4 同軸ケーブル 5 反射板 10,73,73−1〜73−4,74 アンテナユニ
ット 11a,11b 内部導体 31,32,51,52 4Lアンテナ素子 L51,L52,L61,L62 アンテナ指向性 71 骨格フレーム体 72 ポール部 75 円筒部 76 給電装置 81 受信アンテナ装置 82 送信アンテナ装置 L11,L12 インピーダンスの周波数特性 L61,L62 長さ P51,P52,P61,P62 ヌル点

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ2N(Nは自然数)個のループ
    を形成する2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ
    素子と、 前記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の
    給電線と、 前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に
    配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り
    返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm
    乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテ
    ナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンス
    を有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アン
    テナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の
    給電点に直接接続する第2の給電線と、 を備えたことを特徴とするアンテナユニット。
  2. 【請求項2】 反射板をさらに備え、 前記ループアンテナ素子は、前記反射板上に所定の距離
    を置いて配置され、 前記第2の給電線は、前記反射板の裏面あるいは表面に
    配設されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ
    ユニット。
  3. 【請求項3】 前記第2の給電線は、前記第1の給電線
    の接続点から各ループアンテナ素子のアンテナ側端点ま
    での長さを異ならせたことを特徴とする請求項1または
    2に記載のアンテナユニット。
  4. 【請求項4】 前記第2の給電線は、前記アンテナ側端
    点が3つ以上ある場合に、少なくとも3つ以上、前記第
    1の給電線の接続点から各ループアンテナ素子の前記ア
    ンテナ側端点までの長さを異ならせたことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のアンテナユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 それぞれ2N(Nは自然数)個のループ
    を形成する2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ
    素子と、 前記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の
    給電線と、 前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に
    配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り
    返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm
    乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテ
    ナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンス
    を有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アン
    テナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の
    給電点に直接接続する第2の給電線と、 所定の距離を置いて各ループアンテナ素子を配置する反
    射板と、 を備えた複数のアンテナユニットを円環状に均等に配列
    し、各アンテナユニットから放射される電波を合成して
    略無指向放射パターンを得ることを特徴とするアンテナ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の給電線は、前記第1の給電線
    の接続点から各ループアンテナ素子の給電点までの長さ
    を異ならせたことを特徴とする請求項5に記載のアンテ
    ナ装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の給電線は、前記アンテナ側端
    点が3つ以上ある場合に、少なくとも3つ以上、前記第
    1の給電線の接続点から各ループアンテナ素子の前記ア
    ンテナ側端点までの長さを異ならせたことを特徴とする
    請求項5または6に記載のアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載のア
    ンテナユニットまたはアンテナ装置を、所定の地上高に
    設置したことを特徴とする放送塔。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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