JP2002124387A - キャリア注入型発光素子 - Google Patents

キャリア注入型発光素子

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JP2002124387A JP2000318874A JP2000318874A JP2002124387A JP 2002124387 A JP2002124387 A JP 2002124387A JP 2000318874 A JP2000318874 A JP 2000318874A JP 2000318874 A JP2000318874 A JP 2000318874A JP 2002124387 A JP2002124387 A JP 2002124387A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い仕事関数を持ち、かつ、化学的・物理的
安定性に優れ、なおかつ、電極抵抗への影響も与えない
キャリア注入型発光素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも基板、陰極、発光層、陽極に
より構成されるキャリア注入型発光素子において、前記
陰極と発光層との間に、ナノ構造を有する物質が配置さ
れ、特に前記ナノ構造を有する物質が、外部からの信号
印加により、見かけの仕事関数を変化させ得る物質であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャリア注入型発
光素子に関し、特に、低電圧駆動が可能で、発光効率が
高く、寿命が長いことを特徴とするキャリア注入型発光
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、物質が吸収したエネルギーを光
として放射する現象のうち、熱放射、チェレンコフ放射
およびラマン効果による放射を除いたものを、ルミネセ
ンスという。また、このルミネセンスのうち、電界印加
による発光を電界ルミネセンス、またはエレクトロルミ
ネセンス(以下、ELと略す)と言う。
【0003】無機材料、有機材料などを利用し、研究・
実用化されているELには、真性ELと注入型ELとが
ある。本発明は、この後者、注入型ELに関するもので
ある。
【0004】以下、この注入型ELに関して説明する。
注入型ELは金属・半導体接触あるいは半導体pn接合
において、少数キャリアが注入されるときに生ずる発光
である。金属から半導体に注入された少数キャリアは、
半導体内の多数キャリアと再結合して光を発し、pn接
合では、双方から少数キャリア注入されるため、おもに
接合近傍で注入されたキャリア間の再結合が生じ、光を
発する。
【0005】また、こうした半導体を用いた注入型EL
とは、多少原理の違う発光素子もある。強い蛍光を持つ
絶縁体超薄膜の両面に電極を取り付け、直流電圧を印加
する。すると、陽極からプラス電荷が、陰極からマイナ
ス電荷がそれぞれ注入され、印加された電場により薄膜
中を移動する。薄膜中を移動した正負の電荷は、ある確
率で再結合し、再結合に際して放出されたエネルギーは
蛍光分子の一重項励起状態(分子励起子)の形成に消費
される。一重項励起子はその蛍光分子の発光量子効率の
割合だけ外部に光を放出し基底状態へと戻る。放出され
る蛍光を我々はEL発光として観測することができる。
【0006】この原理に基づいた素子のうち、絶縁体超
薄膜が無機材料の場合を一般に無機EL素子、有機材料
の場合を一般に有機EL素子という。
【0007】前記pn接合を用いた発光ダイオードと、
有機EL素子の場合では、本質的にその動作原理に差異
があるのだが、電界による電荷注入が素子の発光動作を
支配している点に着目して、その両方をまとめて、キャ
リア注入型発光素子と呼ぶことにする。
【0008】この有機EL素子の研究は、Applied Phys
ics Letter Vol.51 No.12(1987)でC.W.TangとS.A.VanSl
ykeが発表して以来、急速に進展し、今日では実用化段
階までいたっている。研究開発の流れを発光層材料の観
点から見てみると、大きくは低分子系有機色素を用いる
ものと、π共役高分子材料を用いるものとの2つに分け
られ、構造的には前者は多層構造、後者は単層構造を採
用する場合が多い。前述の通り、いずれも電荷を注入し
て発光動作をさせるのでキャリア注入型発光素子であ
る。
【0009】従って、この電荷注入が重要なわけだが、
この制御に重要な役割を果たしているのが電極材料であ
る。さらにキャリア注入型発光素子の性能を向上するた
めには、ホールと電子の両キャリアをバランスよく発光
層に注入する必要がある。抵抗率の高い有機材料に電流
を流すためには、電荷を注入する電極材料の選定と、十
分に高い電界を加えることの2つの要素を考える必要が
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような観点か
ら、従来、電子注入電極、すなわち陰極材料には、アル
カリ土類あるいはアルカリ金属を含むような低仕事関数
の金属およびその合金が用いられている。
【0011】しかしながら、現在使用されている仕事関
数の低い金属は、大気中で不安定であり、酸化や剥離が
問題となる。そこで、この問題への対策として現在多く
用いられている方法は、発光層と陰極との間に非常に薄
い中間層を設けるものである。
【0012】例えば、マグネシウム単体では酸化が問題
となるが、これに銀を少量加えた合金を用いる方法や、
仕事関数の低いアルミニウムにリチウムを加え合金にす
ることで、さらに仕事関数を下げ、かつ安定させる方法
などである。
【0013】ただし、例えばアルミニウム−リチウム合
金であっても、その仕事関数はおよそ3eV程度であり、
金属を用いた方法だけでは、低い仕事関数と酸化耐性の
両立には限界があるものと考えられる。
【0014】また、上記とは多少発想の違う電極技術と
して、特表平11−505367号公報などがある。こ
れは陰極もしくは陽極そのものをナノ材料で形成し、陰
極や陽極に対して要求される特性を金属製のナノ構造ク
ラスターの調整によって適合化させるものである。
【0015】この手法では具体的には、有機リガンド殻
に金属粒子クラスターを埋め込み、陰極もしくは陽極を
形成するわけだが、この材料をそのまま電極として用い
なければならないため、金属以外の材料を用いることは
実質困難であると考えられる上、電流注入を行うための
電極が高抵抗になってしまう可能性もあり、そのまま実
用化することは難しいものと考える。
【0016】そこで、本発明では、低い仕事関数を持
ち、かつ、化学的・物理的安定性に優れ、なおかつ、電
極抵抗への影響も与えないキャリア注入型発光素子を実
現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるキャリア注入型発光素子では、少なく
とも基板、陰極、発光層、陽極により構成されるキャリ
ア注入型発光素子において、前記陰極と発光層との間
に、ナノ構造を有する物質が配置されてなることを特徴
とする。
【0018】さらに、前記ナノ構造を有する物質が、外
部からの信号印加により、見かけの仕事関数を変化させ
得る物質であることを特徴とし、さらに、好ましくは、
前記ナノ構造を有する物質がフラーレン類、さらに好ま
しくはカーボンナノチューブであることを特徴とする。
【0019】また、前記発光層が、有機材料により構成
されることを特徴とし、前記陰極、陽極の少なくとも一
方が、透明又は半透明な導電材料からなることを特徴と
する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の素子構造について、図1
に示すキャリア注入型発光素子の概略断面図に基づき説
明する。図1は、第1の実施形態として、本発明を説明
する好ましい実施形態であり、本発明はこの構成に限定
されるものではない。
【0021】第1に、基板上に陰極を形成する。基板と
しては、ガラス基板、シリコン基板、石英基板などが使
用可能なものとして挙げられる。また、陰極材料として
は、導電性能やパターニング性能を優先して選択するこ
とが出来、具体的には、アルミニウム、金、銀、鉄、ニ
ッケル、銅などが挙げられる。陰極膜厚は特に何の制約
も受けないが、ここでは約0.1μmとした。陰極の成
膜手法は、真空蒸着法、スパッタ法、電子ビーム蒸着な
ど、既存の成膜技術を用いて作製することができる。ま
た、シリコン基板を用いる場合、シリコン基板の表面層
に、例えば、リン、砒素などのn型不純物、ホウ素など
のp型不純物を拡散させた不純物層を陰極として使用す
ることもできる。
【0022】第2に、陰極上にナノ構造物質を配置す
る。ナノ構造を有する物質としては、例えば、炭素原子
の編み目構造がナノメートルオーダーの構造物となるフ
ラーレン類、特に球形となるC60や、直径が1μmよ
り細い管状になるカーボンナノチューブ、また、ニッケ
ル、シリコン、アルミニウムなどの材料からなるナノ微
粒子やナノウィスカーやナノチューブ、ナノ結晶など、
さらには、シリコンやアルミニウムなどを陽極酸化する
ことなどで得られる多孔質物質などの各物質を、本発明
に利用できる。
【0023】ここでは、特に、カーボンナノチューブを
用いた実施形態について、説明する。カーボンナノチュ
ーブの製法としては、触媒を用いた熱分解法、アーク放
電法、レーザー蒸発法などがあり、どの方法によるカー
ボンナノチューブによっても、本発明に用いることがで
きる。
【0024】ここでは、アーク放電法により作製した。
放電条件は、雰囲気ガスにヘリウムを用い、圧力を50
0Torr、印加電圧は直流20V、電流密度は210
A/cm2とした。この方法で作製したナノチューブの
平均直径は約11nmであり、その先端は閉じた構造を
しており、不安定なダングリングボンドは無かった。こ
れは、化学的に非常に安定であり、酸化などの問題が発
生しにくいことを示している。
【0025】そして、このカーボンナノチューブを陰極
上に配置する方法として、電気泳動法を用いた。この電
気泳動には、イソプロピルアルコール中にナノチューブ
を5mg/mlの濃度で分散した分散媒を3000rp
m、5分間遠心分離することでナノチューブよりも大き
な粒子を取り除いた分散媒の上澄み液を用いた。泳動条
件は、直流100Vで、泳動ギャップは0.5mmとし
た。
【0026】第3に、このナノ構造物質の上に、発光層
/ホール輸送層などの積層体よりなる有機薄膜を形成し
た。有機薄膜は、他には、電子輸送層/発光層/ホール
輸送層よりなる積層体であっても良い。電子輸送層に使
用できる材料としては、ガラス転移点が高く、結晶化を
起こしにくい化合物が好ましく、一般に電子写真感光体
材料の分野において電子輸送性化合物として使用されて
いる化合物を挙げることができる。具体的には、2−
(4−ビフェニル)−5−(4−ターシャリーブチルフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや、キノリノ
ールアルミニウム錯体(Alq3)などが挙げられる。
ここではAlq3を用いた。
【0027】発光層に使用できる材料としては、具体的
には、キノリノールアルミ錯体(Alq3)、キノリノ
ールベリリウム錯体、テトラフェニルブダジエン誘導
体、さらには、Alq3にキナクリドン誘導体やペリレ
ンなどを加えたものなどを用いことができる。
【0028】ホール輸送層に使用できる材料としては、
具体的には、ジアミン誘導体が挙げられる。より具体的
には、N,N−ビス(3−メチルフェニル)−(1,
1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)が
挙げられる。
【0029】なお、緑色の発光を得る場合は、発光層に
Alq3、ホール輸送層にTPDを使用することが好ま
しい。電子輸送層、発光層およびホール輸送層は、それ
ぞれ0.01〜0.1μm、0.01〜0.1μmおよ
び0.05〜0.1μmの膜厚が好ましい。また、これ
ら有機薄膜の形成方法としては、特に限定されないが、
例えば、真空蒸着法、K−セルを用いた分子線蒸着法な
どが挙げられる。
【0030】第4に、有機薄膜上に陽極を形成する。陽
極に使用できる材料としては、一般に電子写真感光体材
料の分野において、陽極として使用されている材料であ
れば特に限定されない。例えば、ITO、SiO2など
の金属酸化物、金、ニッケルなどの金属を利用すること
ができる。
【0031】ここで、金、ニッケルなどの仕事関数の大
きな金属を使用すれば、ホール輸送層のHOMO(High
est Occupied Molecular Orbital:最高被占分子軌道)
準位との障壁高さを低くでき、それによりホール注入効
率を向上させることができるので好ましい。
【0032】なお、第1の実施形態での陽極材料とし
て、ITOのような透明材料ではなく、金属などの不透
明な材料を使用した場合は、電極の厚さを薄くすること
により半透明膜として光を取り出すことも可能である。
また、ITOの成膜時の基板の加熱温度は200℃以下
が好ましく、100℃以下がより好ましい。
【0033】上記第1の実施形態では、基板、陰極、ナ
ノ構造物質、有機薄膜および陽極の順で形成した有機発
光素子について説明したが、これに限定されず、基板、
陽極、有機薄膜、ナノ構造物質、陰極の順で形成しても
よいし、基板、陽極、有機薄膜の順に形成したものと、
基板、陰極、ナノ構造物質の順に形成したものの2基板
を作製した後、両基板を貼り合わせる製造方法によって
も、本発明の発光素子を作製することができる。
【0034】次に、本発明におけるキャリア注入型発光
素子の作用について説明する。なお、説明のため、第1
の実施形態として説明した図1の積層順の有機発光素子
を用いて説明する。
【0035】キャリア注入型発光素子では、図2に示す
ように、陰極の仕事関数と陰極に接する有機薄膜のLU
MO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低空分
子軌道)準位の差がエネルギー障壁の高さとなる。図2
から明らかなように、従来の仕事関数の大きい陰極を使
用した場合、エネルギー障壁が高くなり、陰極からのキ
ャリア、すなわち電子の有機薄膜への注入は妨げられて
いる。
【0036】これに対して、本発明では、前述の通り、
陰極と有機薄膜との間に、キャリア注入層としてナノ構
造物質を配置する。このナノ構造物質として、例えば、
カーボンナノチューブを用いた場合を考えると、電界印
加によりナノチューブ先端に非常に大きな電界が集中す
るため、エネルギー障壁は下がり、かつ、障壁の厚みが
薄くなる。真空に対する電子放出能力が、すなわち仕事
関数であるわけだが、カーボンナノチューブのような非
常に微細な構造を持つ物質では、電子放出能力として
は、等価的に非常に小さな仕事関数となる。
【0037】その値としては、例えば、Yu.V.Gu
lyaevらがJournal of VacuumScience & Technolog
y B15(2), Mar/Apr 1997で見積もった結果によると、1
〜1.4eV程度と報告されている。アルミニウム、リ
チウム、カルシウムなどの低仕事関数材料による金属表
面や、合金表面であってもその仕事関数は3〜5eV程
度であり、ナノ構造物質がいかに低い仕事関数を等価的
に有するのかがわかる。
【0038】ここで、重要なのはこのナノ構造物質が持
つ仕事関数が「等価的」なものであるということであ
る。ここで言う「等価的仕事関数」というのは、外部か
らの信号、より具体的には外部からの電気信号の印加に
より決定する仕事関数のことであり、材質そのものの持
つ仕事関数とは異なる。すなわち、例えばカーボンナノ
チューブで説明すると、チューブを構成する炭素の仕事
関数はおよそ4.4eVである。ところが、炭素原子が
編み目構造をなし、ナノチューブを構成、さらにそのナ
ノチューブが電気信号印加に対することにより、電子を
真空中に放出する能力が飛躍的に増大し、結果、仕事関
数は等価的に1〜1.4eV程度となる。つまり、この
等価的仕事関数は、材質そのものよりも、ナノメートル
オーダーの構造に密接に関係するものだと言える。
【0039】カーボンナノチューブと同様に、ナノ構造
形成によりその等価的仕事関数が小さくなるものの例と
しては、金属、半導体、またそれらの酸化物などの無機
物を例えば陽極酸化などの処理により、微粒子構造や多
孔質構造(ポーラス構造)としたものがある。ニッケ
ル、シリコン、アルミナ、酸化シリコンなどがその例と
して挙げられる。それらのナノ構造物質は、カーボンナ
ノチューブほど小さな等価的仕事関数にはならないが、
それでも電気信号印加時には従来のアルミニウムやマグ
ネシウム−銀などを用いた陰極より、小さな仕事関数を
示す。さらに、それら従来の陰極と比較すると温度、湿
度などの環境変化に対して非常に安定である。
【0040】前述の通り、キャリア注入型発光素子の陰
極材料としては、低い仕事関数を持ち、かつ、化学的・
物理的安定性に優れる必要があるわけだが、前記のよう
なナノ構造物質の利点はこの2つの特性を独立に制御で
き、所望の物性値を得ることができる点にある。すなわ
ち、低い仕事関数は物質をナノメートルオーダーの構造
とすることで実現し、化学的・物理的安定性は、材質そ
のもので実現できるわけである。具体的に、カーボンナ
ノチューブで言うと、前述の通り、仕事関数は等価的に
1〜1.4eVという非常に小さな値を実現しているに
も関わらず、材質は炭素であるため、化学的・物理的安
定性には優れている。
【0041】図2にもあるように、陰極からそれに接す
る有機層のLUMO準位へ電子を注入する場合、通常は
その間に障壁がある。陰極にマグネシウムを用い、それ
に発光層であるAlq3が接している場合を考えると、
マグネシウムの仕事関数は3.7eV、Alq3のLU
MO準位は3.1eVであるため、障壁の高さは0.6
eVだということになる。ところが、本発明のナノ構造
物質をAlq3に接する部分に配置すると、無信号時は
1.3eVと障壁は大きくなるが、電気信号印加時には
その障壁が全くなくなることがわかる。当然、この障壁
が低くなればキャリア注入が効果的に行われるため、発
光も効率よく行われることとなる。そうした観点からす
ると、本発明のようなナノ構造物質は、より好ましくは
そうした注入障壁がなくなってくれればよく、その条件
としては信号印加時の仕事関数が、それと接する有機層
のLUMO準位と真空準位との差よりも小さくなること
が必要である。
【0042】さらにこれらのナノ構造物質を用いると、
陰極材料の選択範囲が広くできるという利点がある。ナ
ノ構造物質は上述の通りその構造により等価的仕事関数
を低くできる特徴を持つため、それに接する陰極材料自
体の仕事関数は発光特性にあまり大きな影響を与えな
い。従って、例えばITOなどのような仕事関数の大き
な(4.8eV)導電膜であっても、その上にナノ構造
物質を配置することで効率のよい発光特性を得ることが
できるようになる。この場合、陽極にもITOを用いて
素子を構成することもでき、そうした場合には、素子全
体を透明化できることになる。素子を積層する手法でフ
ルカラー化を実現することも可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明のキャリア注入型発光素子によれ
ば、陰極または陽極の発光層に接する界面付近に、ナノ
構造物質からなる、キャリア注入層を配置することによ
って、キャリア注入効率を向上させることができ、素子
としての発光効率を上げることができる。さらに、発光
動作のための電気信号は、低抵抗の電極を通して素子に
印加することができる。それらの効果により、素子の動
作電圧を大幅に低下させ、かつ、酸化による素子劣化も
抑制できるため、長寿命で信頼性向上も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるキャリア注入型発光素
子の概略構成図である。
【図2】本発明のキャリア注入型発光素子のエネルギー
バンド図である。
【符号の説明】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板、陰極、発光層、陽極に
    より構成されるキャリア注入型発光素子において、前記
    陰極と発光層との間に、ナノ構造を有する物質が配置さ
    れてなることを特徴とするキャリア注入型発光素子。
  2. 【請求項2】 前記ナノ構造を有する物質が、外部から
    の信号印加により、見かけの仕事関数を変化させ得る物
    質であることを特徴とするキャリア注入型発光素子。
  3. 【請求項3】 前記ナノ構造を有する物質がカーボンナ
    ノチューブであることを特徴とする請求項2記載のキャ
    リア注入型発光素子。
  4. 【請求項4】 前記発光層が有機材料により構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキ
    ャリア注入型発光素子。
  5. 【請求項5】 前記陰極、陽極の少なくとも一方が、透
    明又は半透明な導電材料からなることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれかに記載のキャリア注入型発光素
    子。
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