JP2002124384A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを使用した表示装置 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを使用した表示装置Info
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Abstract
素子を提供すること。 【解決手段】 次式(I)により表される5,12−ジ
アザペンタセン又はその誘導体: (上式において、R1〜R12は、同一もしくは異なっ
ていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは、
置換もしくは非置換の、アルキル基、アリール基、シア
ノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ビニル基又
はアリールビニル基を表す)を発光材料として含有する
ように構成する。
Description
ネッセンス素子及びそれを使用した有機エレクトロルミ
ネッセンス表示装置に関する。
知のように、発光材料(特に、「蛍光体」と呼ばれる)
に電界を印加した時に発光を生じる現象を指しており、
電界発光や略してELと呼ばれている。エレクトロルミ
ネッセンスは、従来よりディスプレィ目的で使用されて
おり、最近では、例えば日経エレクトロニクス、654
号、99〜103頁、「寿命5000時間を達成し、実
用化にメド、次なる目標は大画面とフルカラー」(19
96年1月29日刊)に記載されるように、有機化合物
を発光層に使用したELディスプレイが実用化段階に達
してきた。従来のELディスプレイでは、輝度や発光効
率(EL素子に注入した電流量に対する発光量の割合)
は高いものの、寿命が短いという欠点があったけれど
も、研究が進むにつれて、緑色発光パネルの寿命が10
000時間を超え、かつ青色のそれが5000時間を超
えるようになってきた。すなわち、自発光、高速応答な
どの特徴を持つ有機EL素子は、これから先、大画面で
フルカラー表示が可能なフラットパネルディスプレイへ
の適用が期待されている。
ーディスプレイパネルを実現しようとする場合、3原色
である青色、緑色及び赤色のそれぞれの光を発光可能な
有機EL素子を用意する必要がある。このうち、赤色光
を発光可能な有機EL素子には、C.W.Tang.
ら,Applied Physics Letter
s.,Vol.65(9),3610〜3616(19
89年5月)に記載されているように、次式によって表
されるDCM色素:
し、この発光材料では、橙色を帯びた赤色光しか発光さ
せることができず、また、その発光効率も良好ではな
い。発光色、そして発光効率の面でより優れた有機EL
素子を提供することが望まれている。ここで、有機EL
素子の発光色は、その素子に含まれる発光材料の分子の
蛍光発光波長に関連づけられる。しかし、現在のとこ
ろ、特に赤色発光に関して、発光色において満足し得る
挙動を示す有機EL素子は提供されていない。また、有
機EL素子の発光効率は、素子に含まれる発光材料の分
子の蛍光量子収率に比例する。これまでの有機EL素子
でも、上記した文献のなかでも報告されているように、
この要求を満足させるために各社が競ってより高性能な
有機発光材料の開発に努めている。しかし、従来の発光
材料の場合、その分子の蛍光量子収率が依然として十分
ではなく、したがって、素子の発光効率は低レベルであ
る。
したような従来の技術の問題点を解決して、特に赤色発
光に関して、発光色が純粋な赤色に近く、かつより高い
発光効率を示す有機EL素子を提供することにある。本
発明のもう1つの目的は、発光色及び発光効率の両面で
優れた有機EL素子を使用した高性能な有機EL表示装
置を提供することにある。
的を達成するため、種々の窒素含有芳香族化合物の蛍光
発光について検討した結果、5,12−ジアザペンタセ
ン又はその誘導体からなる一群の化合物が、優れた赤色
の蛍光発光を示すばかりでなく、発光効率も高いという
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
(I)により表される5,12−ジアザペンタセン又は
その誘導体を発光材料として含有することを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子にある。
くは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すか
もしくはアルキル基、アリール基、シアノ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ビニル基又はアリールビ
ニル基を表す。R1〜R12は、もしもそれが水素原子
以外の置換基を表す場合、置換もしくは非置換のいずれ
であってもよい。
て、本発明による有機EL素子を含んでなることを特徴
とする有機EL表示装置にある。
期の効果が得られる限りにおいて、この技術分野で周知
のいろいろな層構成を有することができるけれども、そ
の発光層を正孔輸送層と電子輸送層とでサンドイッチ
し、得られた積層体をさらに陽極及び陰極を構成するた
めの2つの電極でサンドイッチした層構成を採用するの
が好ましい。換言すると、このような有機EL素子は、
透明な材料からなる基板を用意して、その透明基板の上
に、順次、陽極(正極)用電極、正孔輸送層、本発明の
発光材料を含有する発光層(この技術分野では、「有機
発光層」とも呼ばれる)、電子輸送層、そして陰極(負
極)用電極を積層することによって製造することができ
る。電子輸送層は、場合により省略してもよい。
層構成としては、以下に列挙するものに限定されるわけ
ではないけれども、 層構成1:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電
極 層構成2:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成3:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電極 層構成4:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成5:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/陰極用電極 層構成6:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層兼電子輸送層/陰極用電極 層構成7:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
兼電子輸送層/電子注入層/陰極用電極 層構成8:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
兼電子輸送層/陰極用電極 層構成9:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層兼発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電
極 層構成10:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔
輸送層兼発光層/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成11:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層兼発光
層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電極 層構成12:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層兼発光
層/(電子輸送層)/陰極用電極 などを挙げることができる。このような層構成におい
て、正孔注入層及び電子注入層は、それぞれ、素子への
正孔及び電子の注入を容易にさせるためのものであり、
以下において説明するけれども、正孔注入層材料として
は銅フタロシアニンが、また、電子注入層材料としては
フッ化リチウムが、それぞれ代表例として挙げられる。
素子の理解のためにその層構成を拡大して示した断面図
である。正孔輸送層3、発光層4及び電子輸送層5を図
示のような順序で積層して1つの有機積層体を構成する
とともに、この有機積層体を、透明な基板1の上で、マ
トリックスに配置した陽極用電極2と陰極用電極6でサ
ンドイッチする。さらに、素子の駆動を行うため、陽極
用電極2と陰極用電極6を電源を介して接続する。
て使用される透明基板は、この技術分野において常用の
いろいろな透明材料から構成することができる。適当な
基板材料としては、以下に列挙するものに限定されるわ
けではないけれども、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラ
ス等のガラス材料や、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチック材料を挙げること
ができる。透明基板の厚さは、特に限定されるものでは
なく、所望とするEL素子の形状及び寸法に応じて好適
な厚さを選択することができる。
O2 )、酸化インジウム(InO2 )、ITO(インジ
ウム・錫・酸化物)等からなる透明電極や、金又はニッ
ケルからなる半透明電極等を用いることができる。本発
明では、ITOから陽極用電極を構成するのがとりわけ
有利である。陽極用電極は、真空蒸着法、スパッタリン
グ法などによって所望のパターンに形成することがで
き、また、その膜厚は、所望とするEL素子に応じて広
く変更することができるというものの、通常、1〜5,
000nmの範囲であり、安定した導電性を得るために2
0nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは、5
0〜200nmの範囲である。なぜなら、導電性を高める
ためには膜厚が大きいほど有利であり、一方、光透過性
を高めるためには膜厚が小さいことが望ましく、双方の
兼ね合いからこの範囲が適当であるからである。
Ag、In、Li、Ca、Na等の金属あるいはその合
金、例えば、Al−Li、Mg−Ag、Mg−Al等を
用いることができる。本発明では、Al−Li合金から
陰極用電極を構成するのがとりわけ有利である。陰極用
電極は、真空蒸着法、スパッタリング法などによって所
望のパターンに形成することができ、また、その膜厚
は、所望とするEL素子に応じて広く変更することがで
きるというものの、通常、1〜10,000nmの範囲で
あり、安定した導電性を得るために20nm以上であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは、50〜200nmの範
囲である。なお、導電性を高めるためには膜厚が大きい
ほど有利であり、素子性能において膜厚の上限は特にな
いというものの、あまり厚くすることはプロセス時間と
原材料の無駄を生じるので、避けることが望ましい。
ストライプパターンを得るため、それを成膜した後、半
導体装置の製造分野において常用されているレジストプ
ロセスを使用して有利にパターニングすることができ
る。例えば、第44回応用物理学関係連合講演会予稿集
No.3、講演番号29a−NK−6、1997年3月
(1149頁)に記載の方法により、あらかじめ基板及
び陽極用電極上の陰極のギャップに相当する部分にフォ
トレジストなどにより陰極隔壁を形成し、その上から有
機層及び陰極用電極を蒸着することにより、所望とする
ストライプパターンを得ることができる。
の一員として使用される正孔輸送層は、この技術分野に
おいて常用の正孔輸送性化合物から形成することができ
る。適当な正孔輸送性化合物は、以下に列挙するものに
限定されないけれども、次式で表される化合物、例え
ば、ジアミン、TPD(N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフ
ェニル〕−4,4’−ジアミン)、NPD(N,N’−
ジナフチル−N,N’−ジフェニル−〔1,1’−ビフ
ェニル〕−4,4’−ジアミンなどを包含する。
法などによって成膜することができ、また、その膜厚
は、所望とするEL素子に応じて広く変更することがで
きるというものの、通常、1〜500nmの範囲であり、
好ましくは、10〜100nmの範囲である。また、必要
に応じて使用される電子輸送層は、この技術分野におい
て常用の電子輸送性化合物から形成することができる。
適当な電子輸送性化合物は、以下に列挙するものに限定
されないけれども、トリス(8−ヒドロキシキノリン)
アルミニウム(Alq)等のアルミニウム−キノリン錯
体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フ
ェナントロリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導
体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニ
ルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などを包
含する。これらの電子輸送性化合物のいくつかを一般式
で示すと、次の通りである。
法などによって成膜することができ、また、その膜厚
は、所望とするEL素子に応じて広く変更することがで
きるというものの、通常、1〜500nmの範囲であり、
好ましくは、10〜100nmの範囲である。なお、電子
輸送層は、単層構造で使用してもよく、2層もしくはそ
れ以上の多層構造で使用してもよい。
したような範囲にあることが好ましい。このような層の
膜厚の下限は、発光部分を電極から離して電極による発
光消光を防ぐために必要な値であり、また、膜厚増加に
より駆動電圧が上昇することから、膜厚の上限が規定さ
れる。また、一般的に有機EL素子が高効率で動作し得
る範囲を規定すると、上記したさらに好ましい範囲とな
る。
ン、ポリアニリン、スターバーストアミン(MTDAT
A;前記した一般式を参照)などから形成することがで
きる。正孔注入層も、上述のような常用の成膜法を使用
して形成することができ、その膜厚は、通常、1〜10
0nmの範囲であり、好ましくは、5〜50nmの範囲であ
る。
などのアルカリ金属弗化物や、弗化ストロンチウムなど
のアルカリ土類金属弗化物から形成することができる。
電子注入層もまた、上述のような常用の成膜法を使用し
て形成することができ、その膜厚は、通常、0.1〜1
0nmの範囲であり、好ましくは、0.5〜2nmの範囲で
ある。
に特徴がある。すなわち、先にも説明したように、本発
明の有機EL素子において発光層の形成に用いられる発
光材料は、前式(I)により表される5,12−ジアザ
ペンタセン又はその誘導体からなる発光化合物であるこ
とを特徴とする。5,12−ジアザペンタセンは、式中
のR1〜R12がすべて水素原子であってもよいが、少
なくとも部分的に、アルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基など)、アリール基、シア
ノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ビニル基、
アリールビニル基などの置換基でさらに置換されている
ことが好ましい。5,12−ジアザペンタセンの構造中
にこれらの置換基を導入することによって、分子の蛍光
発光波長が変化し、EL発光色の調整が可能となるから
である。なお、置換基R1〜R12は、すべて同一であ
ってもよく、あるいは異なっていてもよく、また、必要
に応じてさらに置換されていてもよい。
基、ジアリールアミノ基などの立体障害をもつ置換基を
5,12−ジアザペンタセンに導入した場合には、分子
構造が立体的となる。このため、発光層の膜中において
隣接分子との距離が増大して分子間相互作用が減少し、
蛍光の濃度消光(隣接分子の影響により蛍光発光強度が
減少すること)が起こりにくくなり、結果として高効率
のEL発光が可能となる。
−ジアザペンタセンの7−位及び14−位に導入されて
いることが好ましく、これらの置換位置に同一の置換基
が導入されていることがさらに好ましい。本発明の実施
に適当な7,14−ジ置換5,12−ジアザペンタセン
の例を一般式で示すと、次の通りである。
−ジアザペンタセン、7,14−ジシアノ−5,12−
ジアザペンタセン又はその誘導体は、高効率の発光を起
こすことに加えて、優れた赤色の蛍光を発することがで
きる。上述のような発光化合物は、発光層の形成のた
め、単独で使用してもよく、さもなければ、2種類もし
くはそれ以上の発光化合物を組み合わせて使用してもよ
い。
子の発光層の形成において、前式(I)の5,12−ジ
アザペンタセン又はその誘導体と組み合わせて、次式
(II)により表されるアルミニウム−キノリン錯体、す
なわち、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウ
ム(Alq)等を使用した場合、発光層の膜質を向上さ
せることができ、さらには、Alq分子から5,12−
ジアザペンタセン又はその誘導体へのエネルギー移動が
効率よく起こることにより、より高効率な発光を得るこ
とができるということも見い出した。:
層構造として形成されていてもよく、必要に応じて、2
層もしくはそれ以上の多層構造として形成されていても
よい。多層構造の発光層では、それぞれの発光層におい
て最適な発光化合物を使用し、最高の効果を引き出すこ
とができる。また、発光層は、上述のような発光化合物
から、真空蒸着法、スピンコート法などによって成膜す
ることができ、また、その膜厚は、所望とするEL素子
の膜質や発光効率などに応じて広く変更することができ
るというものの、通常、10〜500nmの範囲であり、
さらに好ましくは、10〜100nmの範囲である。発光
層の膜厚が10nmを下回ると、層内で正孔と電子の再結
合を効率よく起こすことができなくなるおそれがあり、
反対に500nmを上回ると、駆動電圧が上昇しすぎるお
それがある。また、一般的に有機EL素子が高効率で動
作し得る範囲を規定すると、上記したさらに好ましい範
囲となる。
発明による有機EL素子を含んでなることを特徴とする
有機EL表示装置にある。すなわち、本発明の有機EL
素子は、赤色蛍光を高い発効効率で発光することができ
るので、現在のニーズにあった高性能な有機EL表示装
置を提供することができる。本発明の有機EL表示装置
は、通常の表示装置と同様に、好ましくはパネル構造と
することができる。その典型例を示すと、例えば、上記
の層構成において、陽極と陰極がそれぞれ複数のストラ
イプからなり、かつ陽極と陰極が互いに直交するマトリ
クス状の電極構成としたパネル構造が挙げられる。陽極
ストライプと陰極ストライプの交差点はそれぞれ1個の
発光画素を形成し、一般に単純マトリクス方式として知
られる、陽極および陰極ストライプにそれぞれ順次電圧
を印加することにより個々の画素の発光状態を制御し、
画素全体として一つの画像を形成する。
な用途において有利に使用することができ、一例を示す
と、照明用面光源、グラフィック表示、英字、数字など
のセグメント表示、マトリックス型パネルを使用したキ
ャラクタ表示、テレビ画像等の画像表示などを挙げるこ
とができる。
してさらに説明する。なお、本発明は下記の実施例によ
って限定されるものではないことを理解されたい。例1 : 有機EL素子の作製 発光材料として7,14−ジフェニル−5,12−ジア
ザペンタセンを使用して、図1に示す構造の積層型有機
EL素子を作製した。
ラス基板の表面を水、アセトン、そしてイソプロピルア
ルコールにより順次洗浄した。洗浄後のガラス基板を真
空蒸着装置に収容した後、正孔輸送層の形成のため、次
式のTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス
(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−
4,4’−ジアミン):
は、1×10-6Torrの真空、そして基板温度は室温
であった。上記のようにしてTPDからなる正孔輸送層
を形成した後、発光層の形成のため、次式の7,14−
ジフェニル−5,12−ジアザペンタセン:
の組成比(分子比)は、7,14−ジフェニル−5,1
2−ジアザペンタセン:Alq=1:99となるように
調整した。成膜条件は、1×10-6Torrの真空、そ
して基板温度は室温であった。引き続いて、上記のよう
にして形成された発光層の上に、電子輸送層の形成のた
め、Alq(前記に同じ)を膜厚30nmで真空蒸着成膜
した。成膜条件は、1×10-6Torrの真空、そして
基板温度は室温であった。
(Li:0.5重量%)を膜厚50nmで真空蒸着して陰
極を形成した。成膜条件は、1×10-6Torrの真
空、そして基板温度は室温であった。図1に示した有機
EL素子が得られた。得られた有機EL素子に電圧を印
加したところ、電圧5V以上で赤色発光が観察され、ま
た、印加電圧10Vにおいて発光輝度650cd/m2 の
赤色発光が観察された。例2 : 有機EL素子の作製 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、発光
材料として、7,14−ジフェニル−5,12−ジアザ
ペンタセンに代えて、次式の7,14−ジシアノ−5,
12−ジアザペンタセン:
に電圧を印加したところ、電圧5V以上で赤色発光が観
察され、また、印加電圧10Vにおいて発光輝度800
cd/m 2 の赤色発光が観察された。例3 : 有機EL素子の作製 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、発光
層の形成工程で、7,14−ジフェニル−5,12−ジ
アザペンタセンとAlqを同時蒸着することに代えて、
7,14−ジフェニル−5,12−ジアザペンタセンを
同じ成膜条件下で単独蒸着し、膜厚20nmの発光層を形
成した。得られた有機EL素子に電圧を印加したとこ
ろ、電圧6V以上で赤色発光が観察され、また、印加電
圧10Vにおいて発光輝度300cd/m2 の赤色発光が
観察された。比較例1 有機EL素子の作製 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、比較
のため、発光層の形成工程で、7,14−ジフェニル−
5,12−ジアザペンタセンとAlqを同時蒸着するこ
とに代えて、次式のDCM色素:
た。両者の組成比(分子比)は、DCM色素:Alq=
1:99となるように調整した。膜厚20nmの発光層が
得られた。得られた有機EL素子に電圧を印加したとこ
ろ、電圧6V以上で橙色発光が観察され、また、印加電
圧10Vにおいて発光輝度150cd/m2 の橙色発光が
観察された。
用した有機EL表示装置を説明した。これに関連して、
本発明の好ましい態様を付記すると、次の通りである。 (付記1)前式(I)により表される5,12−ジアザ
ペンタセン又はその誘導体を発光材料として含有するこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
R6が、シアノ基、アリール基、アリールアミノ基又は
ジアリールアミノ基を表し、かつ残りのR2〜R5及び
R7〜R12はそれぞれ水素原子を表すことを特徴とす
る付記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 (付記3)前式(I)の発光材料が、7,14−ジフェ
ニル−5,12−ジアザペンタセン、7,14−ジシア
ノ−5,12−ジアザペンタセン、7,14−ジナフチ
ル−5,12−ジアザペンタセン、7,14−ビス(ジ
フェニルアミノ)−5,12−ジアザペンタセン、7,
14−ジフェノキシ−5,12−ジアザペンタセン、
7,14−ジスチリル−5,12−ジアザペンタセン又
はその誘導体であることを特徴とする付記2に記載の有
機エレクトロルミネッセンス素子。
ニウム−キノリン錯体(Alq)が併用されていること
を特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 (付記5)前式(I)の発光材料が発光層に含まれるこ
とを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子。
の膜厚を有していることを特徴とする付記5に記載の有
機エレクトロルミネッセンス素子。 (付記7)下記の層構成: 層構成1:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電
極 層構成2:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成3:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電極 層構成4:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成5:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/陰極用電極 層構成6:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層/発光層兼電子輸送層/陰極用電極 層構成7:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
兼電子輸送層/電子注入層/陰極用電極 層構成8:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層/発光層
兼電子輸送層/陰極用電極 層構成9:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔輸
送層兼発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電
極 層構成10:透明基板/陽極用電極/正孔注入層/正孔
輸送層兼発光層/(電子輸送層)/陰極用電極 層構成11:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層兼発光
層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極用電極 層構成12:透明基板/陽極用電極/正孔輸送層兼発光
層/(電子輸送層)/陰極用電極 のいずれかを有していることを特徴とする付記1〜6の
いずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。
載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含んでなるこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装
置。 (付記9)前記陽極と前記陰極がそれぞれ複数のストラ
イプからなり、かつ陽極と陰極が互いに直交するマトリ
クス状の電極構成としたパネル構造を有していることを
特徴とする付記8に記載の有機エレクトロルミネッセン
ス表示装置。
ば、蛍光、発光効率が大きな赤色有機EL素子を提供す
ることができる。また、この有機EL素子を使用して、
フルカラーディスプレィパネルの実現に有用な有機EL
表示装置を提供することができる。
面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 次式(I)により表される5,12−ジ
アザペンタセン又はその誘導体: 【化1】 (上式において、R1〜R12は、同一もしくは異なっ
ていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは、
置換もしくは非置換の、アルキル基、アリール基、シア
ノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ビニル基又
はアリールビニル基を表す)を発光材料として含有する
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項2】 透明基板上に、順次、陽極用電極、正孔
輸送層、前式(I)により表される5,12−ジアザペ
ンタセン又はその誘導体を発光材料として含有する発光
層、電子輸送層及び陰極用電極が積層されていることを
特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッ
センス素子。 - 【請求項3】 請求項1に記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を含んでなることを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス表示装置。
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