JP2002124371A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JP2002124371A
JP2002124371A JP2000317574A JP2000317574A JP2002124371A JP 2002124371 A JP2002124371 A JP 2002124371A JP 2000317574 A JP2000317574 A JP 2000317574A JP 2000317574 A JP2000317574 A JP 2000317574A JP 2002124371 A JP2002124371 A JP 2002124371A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、ウォームアップタイムが長いな
どという課題を解決しようとするものである。 【解決手段】 この発明は、磁束を生成する磁束生成手
段2と、この磁束生成手段2による磁束の作用で発熱す
る誘導発熱体を有する加熱体1とを有し、被加熱体6を
加熱する加熱装置において、加熱体1の温度が高くなる
につれて磁束生成手段2と誘導発熱体との距離を段階的
に若しくは連続的に増加させ、加熱体1の温度が低くな
るにつれて磁束生成手段2と誘導発熱体との距離を段階
的に若しくは連続的に減少させる手段を備えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁束生成手段による
磁束の作用で発熱する誘導発熱体を有する加熱体により
被加熱体を加熱する加熱装置、及び複写機,ファクシミ
リ,電子写真プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置においては、電子写真方式等の作像プロセス
機構により、シート状の記録媒体上に未定着トナー像を
転写方式または直接方式で形成して担持させる。この記
録媒体上の未定着トナー像は簡単に剥がれ落ちるので、
トナーに熱、あるいは圧力、あるいは熱と圧力の両方を
加えることによりトナーをシート状の記録媒体の表面に
永久的に固着させることが必要である。このトナーをシ
ート状の記録媒体の表面に永久的に固着させる工程は定
着プロセスと呼ばれている。
【0003】ここで、シート状の記録媒体は、シート状
であってトナー像を定着できるものであれば特に制限な
く用いることができる。シート状の記録媒体の例として
は、A4サイズやA3サイズなどにカットされた普通
紙、OHPシートが一般的である。定着方法には色々な
方法があるが、トナーに熱と圧力の両方を加える方法が
最も普及しており、その際にトナーに熱を加える加熱方
式としては、従来から、熱ローラ定着方式、フィルム加
熱定着方式などの接触加熱定着方式が一般的に用いられ
ている。
【0004】熱ローラ定着方式は、シート状の記録媒体
上のトナーに熱を供給する定着ローラ(熱ローラあるい
は加熱ローラとも称される)と、この定着ローラに圧接
してシート状の記録媒体を挟持搬送する加熱体(ローラ
形状の場合は加圧ローラと呼ぶ)とを有している。定着
ローラは中空状に形成され、この定着ローラの中心軸上
には発熱体が配設される。この発熱体は、例えば、ハロ
ゲンランプやクロム線等の棒管状発熱ヒータより構成さ
れ、所定の電圧が印加されることにより発熱するもので
ある。
【0005】定着ローラは、外側表面の温度が定着に適
する温度になるまで発熱体により加熱される。定着ロー
ラの外側表面には温度センサが取り付けられて定着ロー
ラ表面の温度を計測できるようにしてあり、定着ローラ
の温度が定着に適した温度に維持されるように発熱体へ
の電力供給が制御される。定着ローラと加圧ローラとは
圧接しながら互いに逆方向に回転し、トナーが付着した
シート状の記録媒体を挟持搬送する。シート状の記録媒
体上のトナーは、定着ローラと加圧ローラとの圧接部
(以下ニップ部という)において、定着ローラの熱によ
り融解し、両ローラから作用する圧力により記録媒体に
定着される。
【0006】フィルム加熱定着方式は、熱ローラ定着方
式において、定着ローラに代えて薄いフィルムを使用す
るものである。また、定着ローラの加熱源として電磁誘
導作用による発熱現象を利用した誘導加熱定着装置が提
案されている。これは、交番磁界中に導電体を置くと、
電磁誘導により導電体中に渦電流が流れ、その渦電流に
より発生するジュール熱により導電体が発熱する現象を
利用して定着ローラを加熱するものである。
【0007】この誘導加熱定着装置では、定着ローラ本
体の一部または全部を導電体で構成し、定着ローラ本体
の内部または外部に磁束生成コイルを配置し、この磁束
生成コイルに交流電流を流して生じた交番磁界により定
着ローラの導電体に誘導渦電流を発生させ、その渦電流
と定着ローラの導電体自体の抵抗によって定着ローラの
導電体をジュール発熱させる。この誘導加熱定着装置
は、電気−熱変換効率を極めて向上させることができる
ため、ウォームアップタイムの短縮が可能となる。
【0008】ところで、透磁率がμ、導電率がσである
物体を周波数がωである振動磁場の中に置くと、振動磁
場および、振動磁場によって誘起される電場は、物体の
表面から次の式で表される深さδの程度だけ進入するこ
とが知られている。 δ=√(2/σμω) このδは、一般に表皮厚さ、あるいは表皮深さと呼ばれ
ている。物体のδより深いところでは、磁場及び電場
は、物体表面でのそれらの値の1/e以下になる。した
がって、物体の渦電流による発熱も表面からδの深さの
程度の範囲で生じる。この表皮厚さδは、周波数30k
Hzでは、鋼の場合には約0.1mmであり、銅の場合
には約0.4mmであり、アルミの場合には約0.6m
mである。なお、一般に導電体はその磁性に着目した場
合、銅のような反磁性体、アルミのような常磁性体、鉄
のような強磁性体の3種類に分けられる。通常、強磁性
体を単に磁性体と呼び、反磁性体と常磁性体を非磁性体
と呼んでいる。以下ではその呼び方に従う。
【0009】このような誘導加熱定着装置としては、特
開昭59−33477号公報に記載されているものがあ
る。これは、円筒状ローラ本体をステンレス鋼で構成
し、この円筒状ローラ本体内に同心状に配置した磁束生
成コイルによりローラ本体を加熱するものである。
【0010】特開昭59−33787号公報には、複写
機用定着ローラ等のローラ本体内に同心状に配置した円
筒状ボビンの外周に誘導コイルをらせん状に巻装し、通
電により発生する磁束をローラ本体全体に均一に供給す
ることにより、ローラ本体の均一加熱を行うようにした
定着装置が記載されている。
【0011】上記のように、物体の渦電流による発熱は
物体の磁束が侵入してくる側の表面から表皮深さの程度
の範囲で生じるが、上記誘導加熱定着装置においては、
磁束生成コイルを定着ローラの内部に配設している。し
たがって、定着ローラの内側表面近傍が加熱されること
になる。しかし、ウォームアップタイムを短くするに
は、定着ローラの外側表面近傍を重点的に加熱するのが
好ましい。
【0012】このような定着ローラの外側表面近傍を加
熱する誘導加熱定着装置としては、円筒状セラミックの
外周に誘導発熱体である薄い金属層を形成し、円筒状セ
ラミックス内に同心状に磁束生成コイルを配設して、予
熱時間の短縮を行うと同時に機械的強度を確保するよう
にした誘導加熱定着装置が特開昭59−33476号公
報に記載されている。
【0013】また、定着ローラの外側表面で発生した熱
が定着ローラの内部に逃げないようにすればさらにウォ
ームアップタイムを短くできるが、そのような誘導加熱
定着装置としては、誘導電流の流れを阻止するスリット
を軸方向全長にわたって形成し、かつ外周面全域に多数
の断熱用凹部を形成した補強金属筒の外周に、誘導発熱
体である薄肉の金属筒を嵌め込み、筒内に同心状に磁束
生成コイルを配設した定着装置が特開昭59−3347
4号公報に記載されている。
【0014】特開昭54−39645号公報には、磁束
生成コイルをファンで空冷するものが記載されている。
特開平11−288192号公報には、磁束生成コイル
が定着ローラから受熱するのを防ぐために定着ローラの
内面に断熱材からなる層を設けたものが記載されてい
る。
【0015】また、熱容量を減らしてウォームアップタ
イムを短くするために、定着ローラに代えて薄肉の金属
スリーブあるいは導電性フィルムを電磁誘導により加熱
する方式も特開平10−74007号公報、特開平7−
114276号公報に記載されている。また、磁束生成
コイルを定着ローラ本体の外部に配設した定着装置が提
案されている。そのような定着装置としては、次のもの
がある。
【0016】磁束生成コイルあるいは磁束生成線材を定
着ローラ本体の外側に置き、定着ローラの表面近くを加
熱させ、磁束生成コイルあるいは磁束生成線材は磁性体
で覆って磁場が周辺部に漏れるのを防ぐようにした定着
装置が特開平10−63126号公報、特開平11−2
97462号公報に記載されている。特許第26164
33号公報には、円弧状断面の絶縁支持体に導電膜が渦
巻パターンに形成されている磁束生成コイルを定着ロー
ラの外周面に沿って配設した定着装置が記載されてい
る。特開平11−231697号公報には、非磁性体の
ギャップ保持手段により磁束生成コイルと誘導発熱体と
の距離を一定に保つというものが記載され、その実施例
の中に磁束生成コイルを定着ローラ本体の外側に置く例
が含まれている。
【0017】また、磁束生成コイルを定着ローラ本体の
外部に配設し、定着ローラ本体を断熱層の外側に誘導発
熱体層の薄い層を設けた構成にすると、定着ローラ本体
の外側表面近傍を重点的に加熱でき、ウォームアップタ
イムをさらに短くすることが可能となる。そのような定
着装置としては、弾性体の周囲に巻回した導電性のエン
ドレスベルトをその外側に置いた磁束生成コイルにより
誘導加熱するものが特開平11−288190号公報に
記載されている。
【0018】また、長手方向に複数個の独立した磁束生
成コイルを並べ、各磁束生成コイルに独立に通電するこ
とにより、軸方向の温度の均一化を図ることが提案され
ており、その一例として、特開昭58−178385号
公報と特開平8−16006公報には、鉄心に複数個の
コイルを巻装し、トナー像支持体のサイズに応じて選択
されたコイルを励磁することにより、小サイズのトナー
像支持体の通紙時に誘導発熱体の非通紙部の不必要な昇
温をなくすようにした定着装置が記載されている。
【0019】また、減磁コイルを使用して誘導発熱体の
非通紙部の発熱を抑えるようにする方法が特開平8−1
6006号公報と特開平9−171889号公報に記載
されている。特開平9−171889号公報には、非通
紙部においてコイルと誘導発熱体との間に磁束遮蔽板を
挿入することにより非通紙部の不必要な昇温をなくす方
法が記載されている。
【0020】特開平8−16005号公報には、コイル
の芯材を長手方向に多数個に分割し、分割した各芯材と
誘導発熱体との距離を変えることにより、長手方向の発
熱を均一化することが記載されている。特開平9−62
132号公報には、コイルの芯材の誘導発熱体に対向し
た面を傾斜面として、コイルの芯材と誘導発熱体との距
離を変えることにより、長手方向の発熱を均一化するこ
と、およびコイル・アセンブリを傾斜させて、コイルの
芯材と誘導発熱体との距離を変えることにより、長手方
向の発熱を均一化することが記載されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ハロゲンランプ等から
構成される発熱体を使用した上記熱ローラ定着方式で
は、定着ローラの加熱に時間を要し、電源を投入してか
ら定着ローラ表面の温度が定着に適した温度に達するま
での時間(以下ウォームアップタイムという)が比較的
長かった。その間、使用者は画像形成装置を使用するこ
とができず、長時間の待機を強いられるという問題があ
った。
【0022】また、待機時から使用できるようになるま
での待ち時間を短くするために、無駄な消費電力を消費
していた。もちろん、多量の電力を発熱体に投入すれ
ば、ウャームアップタイムを短縮できるが、定着装置に
おける消費電力が増大し、省エネルギーという観点から
望ましくない。消費電力を増やさずにウォームアップタ
イムを短縮することが、定着装置の省エネルギー化(低
消費電力化)とユーザの操作性(クィックプリント)と
の両立を図るために重要である。
【0023】上記フィルム加熱定着方式では、フィルム
の熱容量が少ないので、ウォームアップタイムが短い
が、フィルムが保持する熱量が少ないため、定着に必要
な熱をニップ部内において加熱体からフィルムを経由し
てトナーに供給しなければならず、シート状の記録媒体
を高速に搬送して記録媒体上のトナーを定着させる場合
にトナーに熱を供給しきれなくなり、高速な定着には対
応できない。また、フィルムが蛇行し易く、シート状の
記録媒体の搬送の安定性の点で熱ローラ定着方式に劣
る。さらに、耐久性の点でも、熱ローラ定着方式に劣
る。
【0024】磁束生成コイルを定着ローラ本体の内部に
配設し、定着ローラの外側表面近傍に誘導発熱体を設置
した上記誘導加熱定着装置では、磁束生成コイルと誘導
発熱体との距離を定着ローラ本体の肉厚以下に近づける
ことができない。このことは、電気−熱変換効率は磁束
生成コイルと誘導発熱体との距離が短いほど大きいの
で、電気−熱変換効率を高める観点からは好ましくな
い。
【0025】また、磁束生成コイルを定着ローラ本体の
内部に配設した場合には、磁束生成コイル自身の発熱と
高温の定着ローラからの受熱とを外気中に放熱しにくい
ため、磁束生成コイルが高温になり、発熱効率が低下す
るという問題点がある。さらに、磁束生成コイル被覆部
材として高温での耐熱性に優れたものを用いる必要があ
ることからコスト高になる。
【0026】磁束生成コイルをファンで空冷するもので
は、ファンを設ける分だけコスト高になり、ファンの設
置空間も必要になるという問題がある。磁束生成コイル
が定着ローラから受熱するのを防ぐために定着ローラの
内面に断熱材からなる層を設けたものでは、断熱層を設
けた分だけ磁束生成コイルと誘導発熱体である定着ロー
ラの金属層との距離が長くなることにより、発熱量と電
気−熱変換効率が下がるので好ましくない。
【0027】熱容量を減らしてウォームアップタイムを
を短くするために、定着ローラに代えて薄肉の金属スリ
ーブあるいは導電性フィルムを電磁誘導により加熱する
方式では、定着ローラを使用するものに比べてシート状
記録媒体の搬送の安定性や耐久性が劣り、構成も複雑に
なる。
【0028】また、磁束生成コイルを定着ローラ本体の
外部に配設した定着装置では、磁束生成コイルが定着ロ
ーラ外側表面のかなりの部分を覆ってしまうので、温度
センサを定着ローラ表面に設置するスペースが限られて
しまう。すなわち、温度センサを定着ローラ外側表面の
磁束生成コイルが覆っている部分に設置すると、磁束が
不均一になったり、磁束により温度センサ自身が加熱さ
れて正しい温度を計測できなくなったりするなどの問題
が生じる恐れがあり、温度センサは定着ローラ外側表面
の磁束生成コイルで覆われていない部分に設置するのが
望ましいが、そのスペースは限られている。
【0029】また、定着ローラの外側表面を加熱する場
合は、なるべくニップ部の入り口近くで加熱した方が、
熱を周りに拡散させることなくニップ部に熱を供給でき
るので効率が良いが、そうすると、磁界の影響を受けず
に温度センサを設置できる位置がニップ部の出口側に限
られてしまい、温度センサが計測する温度が、制御すべ
きニップ部入り口の温度とかけ離れたものになり、また
温度センサが計測する温度のニップ部入り口の温度変化
に対する追随性も悪くなる。したがって、磁束生成コイ
ルを定着ローラ本体の外部に配設した定着装置では、温
度センサによる微妙な温度調整が困難である。そこで、
温度センサに頼らずに定着ローラの誘導発熱体層の発熱
量を調整できると好都合である。
【0030】また、定着ローラの誘導発熱体層を薄い層
にして定着ローラの外側表面近傍に配置することによ
り、定着ローラの外側表面を高速に昇温させるには、誘
導発熱体薄層の内側に熱が拡散しないように、誘導発熱
体薄層の内側の層を熱伝導率の低い材料で構成するのが
好ましい。しかし、そうすると、定着ローラの熱伝導が
悪くなり、定着ローラ表面の記録媒体が通過する領域の
温度が記録媒体に熱を奪われて低下しても、定着ローラ
の記録媒体が通過しない領域からの伝熱により温度を回
復させることができず、定着ローラ表面の記録媒体が通
過する領域と通過しない領域とで大きな温度差が生じて
しまう。このため、定着ローラ表面の記録媒体が通過す
る領域の温度を目標温度に保ちながら幅の狭い記録媒体
を連続して定着すると、定着ローラ表面の幅の狭い記録
媒体が通過しない領域の温度が高くなり過ぎ、広い幅の
記録媒体を定着させるときにホットオフセットが生じた
り、周辺部材に熱劣化を生じるという問題があった。
【0031】また、特開昭58−178385号公報と
特開平8−16006公報に記載されているように、鉄
心に複数個のコイルを巻装し、トナー像支持体のサイズ
に応じて選択されたコイルを励磁することにより、小サ
イズのトナー像支持体の通紙時に誘導発熱体の非通紙部
の不必要な昇温をなくすようにした定着装置では、複数
個のコイルを使用すると、コイルに流す電流を各コイル
ごとに制御しなければならないため、制御回路が複雑に
なり、それだけコストがアップするという問題がある。
【0032】特開平8−16006号公報と特開平9−
171889号公報に記載されている、減磁コイルを使
用して誘導発熱体の非通紙部の発熱を抑えるようにする
方法では、複数個のコイルを使用する場合と同じ問題が
ある。特開平9−171889号公報に記載されてい
る、非通紙部においてコイルと誘導発熱体との間に磁束
遮蔽板を挿入することにより非通紙部の不必要な昇温を
なくす方法は、平板状あるいは円盤状のコイルを誘導発
熱体と平行において誘導発熱体を加熱する場合には、コ
イルと誘導発熱体との間に磁束遮蔽板を挿入する空間を
確保しておく必要があり、そのためコイルと誘導発熱体
とを接近させられずに発熱効率が下がってしまう。
【0033】特開平8−16005号公報に記載されて
いる、コイルの芯材を長手方向に多数個に分割し、分割
した各芯材と誘導発熱体との距離を変えることにより、
長手方向の発熱を均一化する方法は、各芯材と誘導発熱
体との距離が温度に応じて変化するものではないため、
誘導加熱体の発熱量を稼動中にその温度状況に応じて調
整することはできない。
【0034】特開平9−62132号公報に記載されて
いる、コイルの芯材の誘導発熱体に対向した面を傾斜面
として、コイルの芯材と誘導発熱体との距離を変えるこ
とにより、長手方向の発熱を均一化すること、およびコ
イル・アセンブリを傾斜させて、コイルの芯材と誘導発
熱体との距離を変えることにより、長手方向の発熱を均
一化する方法も、各芯材と誘導発熱体との距離が温度に
応じて変化できないため、誘導加熱体の発熱量を稼動中
にその温度状況に応じて調整することはできない。
【0035】本発明は、誘導発熱体の発熱量が磁束生成
手段と誘導発熱体との距離に依存することを利用して加
熱体の温度を適切に保つことができ、あるいは加熱体の
温度ムラを少なくすることができ、あるいは加熱体の温
度を適切に保つことができると共に加熱体の温度ムラを
少なくすることができ、ウォームアップタイムを短くで
きる加熱装置及び画像形成装置を提供することを目的と
する。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、磁束を生成する磁束生成手
段と、この磁束生成手段による磁束の作用で発熱する誘
導発熱体を有する加熱体とを有し、被加熱体を加熱する
加熱装置において、前記加熱体の温度が高くなるにつれ
て前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距離を段階的
に若しくは連続的に増加させ、前記加熱体の温度が低く
なるにつれて前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距
離を段階的に若しくは連続的に減少させる手段を備えた
ものである。
【0037】請求項2に係る発明は、磁束を生成する磁
束生成手段と、この磁束生成手段による磁束の作用で発
熱して被加熱体を加熱する誘導発熱体を有する回転体
と、この回転体と相互に圧接される加圧部材とを有し、
前記回転体と前記加圧部材との間に被加熱体を通過させ
て被加熱体を加熱する加熱装置において、前記磁束生成
手段と前記誘導発熱体との距離を変更する手段を備えた
ものである。
【0038】請求項3に係る発明は、磁束を生成する磁
束生成手段と、この磁束生成手段による磁束の作用で発
熱して被加熱体を加熱する誘導発熱体を有する回転体
と、この回転体と相互に圧接される加圧部材とを有し、
前記回転体と前記加圧部材との間に被加熱体を通過させ
て被加熱体を加熱する加熱装置において、前記回転体の
温度が高くなるにつれて前記磁束生成手段と前記誘導発
熱体との距離を段階的に若しくは連続的に増加させ、前
記回転体の温度が低くなるにつれて前記磁束生成手段と
前記誘導発熱体との距離を段階的に若しくは連続的に減
少させる手段を備えたものである。
【0039】請求項4に係る発明は、請求項3記載の加
熱装置において、前記回転体の温度に応じて変形する部
材を有し、この部材の変形により前記磁束生成手段を前
記回転体に対して相対的に移動させるものである。
【0040】請求項5に係る発明は、請求項3または4
記載の加熱装置において、前記磁束生成手段と前記誘導
発熱体との距離を前記回転体の軸方向に異ならせる手段
を備えたものである。
【0041】請求項6に係る発明は、請求項4または5
記載の加熱装置において、前記磁束生成手段と前記誘導
発熱体との間に厚さが温度と正の相関をもって変化する
部材を介在させ、前記磁束生成手段を前記回転体に対し
て押圧するように設置したものである。
【0042】請求項7に係る発明は、磁束を生成する磁
束生成手段と、この磁束生成手段による磁束の作用で発
熱して被加熱体を加熱する誘導発熱体を有する回転体
と、この回転体と相互に圧接される加圧部材とを有し、
前記回転体と前記加圧部材との間に被加熱体を通過させ
て被加熱体を加熱する加熱装置において、前記磁束生成
手段は相互の空間的な配置が可変である2つ以上の磁束
生成部を有し、被加熱体の幅が狭いときには前記2つ以
上の磁束生成部のうち前記回転体の被加熱体が通過しな
い部分に対向して配置されている磁束生成部と前記誘導
発熱体との距離を増加させる手段を備えたものである。
【0043】請求項8に係る発明は、磁束を生成する磁
束生成手段と、この磁束生成手段による磁束の作用で発
熱して被加熱体を加熱する誘導発熱体を有する回転体
と、この回転体と相互に圧接される加圧部材とを有し、
前記回転体と前記加圧部材との間に被加熱体を通過させ
て被加熱体を加熱する加熱装置において、前記磁束生成
手段は相互の空間的な配置が可変である2つ以上の磁束
生成部を有し、前記回転体における狭幅の被加熱体が通
過しない部分の温度が所定の温度を越えたときには前記
2つ以上の磁束生成部のうち前記回転体の前記部分に対
向して設置されている磁束生成部と前記誘導発熱体との
距離を増加させる手段を備えたものである。
【0044】請求項9に係る発明は、請求項7または8
記載の加熱装置において、前記2つ以上の磁束生成部の
うち前記回転体における狭幅の被加熱体が通過しない部
分に対向して設置されている磁束生成部は前記磁束生成
手段の長手方向を回転軸の方向として回転可能に設置し
たものである。
【0045】請求項10に係る発明は、請求項2乃至9
のいずれか1項に記載の加熱装置において、前記磁束生
成手段を前記回転体の外部に設けたものである。
【0046】請求項11に係る発明は、請求項10記載
の加熱装置において、前記磁束生成手段が前記誘導加熱
体に接近している位置にあるときには前記磁束生成手段
が前記回転体の外面の曲率にほぼ等しい曲率で前記回転
体側に湾曲しているものである。
【0047】請求項12に係る発明は、シート状の記録
媒体上にトナー像を形成して担持させる像形成手段と、
前記トナー像を担持した前記記録媒体を加熱する像過熱
手段とを有する画像形成装置において、前記像加熱手段
として請求項2乃至11のいずれか1項に記載の加熱装
置を備えたものである。
【0048】
【発明の実施の形態】一般に磁束生成コイルにより導電
体に渦電流を発生させてジュール発熱させる場合、発熱
量は磁束生成コイルと導電体(言いかえると誘導発熱
体)との距離に敏感に依存する。図25は、その一例を
示す。この例は、誘導発熱体としてSUS製の平板を使
い、この平板と平行に隙間をおいて平たい円盤状の磁束
生成コイルを置いた場合に、磁束生成コイルへの印加電
圧を一定にして磁束生成コイルと誘導発熱体との隙間の
幅を変化させたときの誘導発熱体の発熱量をグラフにし
たものである。この図25の横軸は対数目盛である。こ
の例の場合、磁束生成コイルと誘導発熱体との距離が1
cmになると、誘導発熱体の発熱量は磁束生成コイルと誘
導発熱体との距離が0.2mmのときの3分の1近くにまで
減少している。
【0049】図26は、異なる3つの磁束生成コイルに
ついて、これらのコイルへの印加電圧を一定にして磁束
生成コイルと誘導発熱体との隙間の幅を変化させたとき
の誘導発熱体の発熱量をグラフにしたものである。磁束
生成コイルと誘導発熱体との距離が2mmになると、発熱
量は磁束生成コイルと誘導発熱体との距離が0.2mmのと
きに比べて1割から5割程度減少している。
【0050】このように、磁束生成コイルと誘導発熱体
との隙間の幅を増やすと誘導発熱体の発熱量が減少する
ということは、磁束生成コイルの形状に依らず一般的に
言えることである。誘導発熱体が平板でなくローラ形状
である場合でも、磁束生成コイルと誘導発熱体との距離
が離れると、同様に誘導発熱体の発熱量が減少する。し
たがって、磁束生成コイルと定着ローラの誘導発熱体と
の距離を可変にし、その距離を調節することによって、
定着ローラの発熱量を調整できる。また、その距離を定
着ローラの軸方向に変化させることにより、軸方向の温
度ムラを緩和することができる。この発熱量の調整方法
は、従来の磁束生成コイルの印加電圧や投入電流を直接
制御する電気的な温度制御手段よりも機構が単純である
ので、低コストで温度制御手段を実装できる。また、こ
の発熱量の調整方法を従来の電気的な発熱量の調整方法
と併用すれば、従来の調整方法よりも調整精度を高める
ことが可能である。
【0051】図1は本発明の実施例1の加熱装置として
の定着装置の長手方向に垂直な断面を示す。図1におい
て、1は加熱体としての定着ローラ、2は磁束生成手段
としての磁束生成コイル、3は加圧部材としての加圧ロ
ーラ、4は定着ローラ1の回転の向きを示す矢印、5は
温度センサ、6は未定着トナー像を担持したシート状の
記録媒体である。
【0052】定着ローラ1は、図2に示したように、内
側から、基体層7、断熱層8、磁性体層9、離型層10
の4層を順に積層して構成してある。基体層7は厚さ0.
6mmのアルミ円管であり、断熱層8は厚さ0.5mmのシリコ
ーンゴムからなる層であり、磁性体層9は厚さ0.1mmの
軟鋼からなる層である。磁性体層9は、軟鋼に限るもの
ではなく、磁性金属であれば何でも用いることができ、
たとえば、鉄、ニッケル、コバルト、あるいはそれらの
合金が使える。離型層10は厚さ15μmのテフロンから
なる層である。断熱層8は非磁性体でかつ熱伝導率の小
さい材料で形成する。そのような材料としては、発泡ガ
ラス、低熱伝導性セラミックス、発泡シリコーンゴムな
どがある。
【0053】基体層7は、アルミニウム、銅などの非磁
性体で形成するのが望ましいが、必ずしも非磁性体に限
るものではない。また、基体層7と断熱層8に分けず
に、断熱性のある材料で基体層を形成して断熱層を無く
しても良い。定着ローラ1の外径は、40mmである。な
お、本発明は、この大きさと層構成の定着ローラ1に限
らず、任意の層構成と径と厚さの加熱体としての定着ロ
ーラを用いることが可能である。図2の各層7〜10
は、分かりやすいように実際の厚さとは異なった厚さで
描いてある。
【0054】加圧ローラ3は、芯金の回りに厚さ5mmの
シリコーンゴム層を設け、さらにその外側を厚さ50μm
のテフロン(登録商標)キャップで覆った構造である。
定着ローラ1と加圧ローラ3は、図示していない圧接機
構により、ニップ幅が4mmになるように圧接してある。
ただし、本発明は、この加圧ローラ3に限らず、任意の
層構成と径と厚さの加圧ローラを用いることが可能であ
る。また、ニップ幅も4mmに限るものではない。
【0055】回転体である定着ローラ1は、図示してい
ない駆動手段により、図1の矢印4の方向に回転駆動さ
れ、その回転に連れて加圧ローラ3が従動回転する。こ
の定着ローラ1と加圧ローラ3の圧接部に未定着トナー
像を担持したシート状の記録媒体6が搬送され、この記
録媒体6が上記圧接部を通過している間に、熱と圧力に
より記録媒体6上のトナー像を記録媒体6に定着させ
る。
【0056】定着ローラ1には温度センサ5が取り付け
てあり、この温度センサ5で検知した定着ローラ1の表
面温度に基づいて制御手段(非図示)により定着ローラ
1の温度を所定の温度に制御する。なお、温度センサ5
の取付け位置は、この図1に示した位置に限るものでは
ない。定着ローラ1には、表面に付着した未定着トナー
や紙粉等を除去するために、クリーニング部材(非図
示)が取り付けてある。なお、定着ローラ1と加圧ロー
ラ3の圧接部の出口の外側に、該圧接部を通過して出て
きた記録媒体6、例えば用紙を定着ローラ1から分離さ
せるための分離爪(非図示)が設けてある。
【0057】磁束生成コイル2は、定着ローラ1の外周
面から約0.5mmの隙間を置いて、ニップ部以外の定着ロ
ーラ1外周面のうちのニップ部入口に近い側のほぼ半分
を取り囲むようにして配置してある。ただし、後述する
ように、磁束生成コイル2と定着ローラ1の隙間の幅
は、変化し得る。磁束生成コイル2は、図3と図4に示
したように、コイル状に引き回したリッツ線11を、定
着ローラ1の曲率に合わせて湾曲させたセラミックス製
の支持体12に接着させて形成してある。
【0058】図4は、磁束生成コイル2の図3に破線で
示した位置での断面図である。支持体12は、合成樹脂
製でも良く、あるいはフェライトのような高透磁率の磁
性体であっても良い。支持体12の長手方向の両端部に
は図3に示したようにコイル(リッツ線11)のない部
分13を設け、さらに支持体12の長手方向の両端には
図5に示すように湾曲している側に出た凸部14を設け
てある。
【0059】図5には磁束生成コイル2の一方の端のみ
が示してあるが、磁束生成コイル2の他端にも同様に凸
部14を設けてある。この凸部14は、この凸部14を
後述する間隙変更手段の枠に接触させることにより、磁
束生成コイル2の長手方向の位置を固定するためのもの
である。また、支持体12の長手方向両端のコイル(リ
ッツ線11)のない部分13は、磁束生成コイル2を間
隙変更手段に押し付ける磁束生成コイル圧接手段(後
述)が接する部分であり、この部分の幅は磁束生成コイ
ル圧接手段の幅とほぼ等しい。
【0060】このコイル(リッツ線11)と支持体12
の複合体は、リッツ線11がある面を定着ローラ1に向
けて配置する。ただし、支持体12が磁性体でない場合
は、図6に示したように、図4に示したものとは逆向き
に湾曲させたうえで、リッツ線11がない面を定着ロー
ラ1に向けて配置しても良い。また、図7のように、定
着ローラ1の曲率に合わせて湾曲させたフェライト製の
芯材15にリッツ線11を巻回して形成した磁束生成コ
イルを用いても良い。その際、この芯材15は、フェラ
イトに限らず、鉄、パーマロイ等の透磁率の高い材用を
用いても良い。この場合は、図8に示したように、芯材
15の湾曲している側に出た凸部14が端に付いている
延長部16を芯材15の両端に設ける。
【0061】この延長部16は、図7では記載を省略し
てある。また、図8では、リッツ線11は2本以外は記
載を省略してある。この延長部16は、セラミックス、
樹脂、金属などの材料で形成する。この延長部16は、
磁束生成コイル2を間隙変更手段に押し付ける磁束生成
コイル圧接手段(後述)が接する部分であり、この部分
16の幅は磁束生成コイル圧接手段の幅とほぼ等しい。
【0062】リッツ線11には、図示していない電源に
より30kHzの高周波電流を印加する。この高周波電流に
よりリッツ線11で生成された交番磁界は、定着ローラ
1の磁性体層9に渦電流を発生させる。この渦電流と磁
性体層9の抵抗により、磁性体層9にジュール熱が生
じ、磁性体層9が発熱する。磁性体は非磁性体に比べて
透磁率が著しく大きいので、磁性体層9は、非磁性体を
発熱層に使った場合に比べて大きな渦電流を生じさせる
ことが容易にでき、またヒステリシス損失による発熱も
生じるため、非磁性体を発熱層に使った場合に比べて加
熱し易い。
【0063】定着ローラ1の胴端部には、定着ローラ1
と磁束生成コイル2との距離を調整するために、図9に
示すような間隙変更手段が設けてある。図9は定着ロー
ラ1および間隙変更手段を定着ローラ1の軸方向に切っ
た断面図である。図9において、17は定着ローラ1の
胴部の断面、18は定着ローラ1の胴端部の断面、19
と20は間隙変更手段の断面である。この間隙変更手段
は、アルミニウム製の枠19と、その中に嵌めこんだ厚
さが温度と正の相関をもって変化する部材、例えばポリ
イミド樹脂製のチューブ20とから成っている。
【0064】間隙変更手段の枠19は図10に示すよう
な穴あき円板を2つ繋いだ立体形状をしており、定着ロ
ーラ1と枠19との接触面21は、定着ローラ1に固定
されておらず、定着ローラ1に対して相対的に回転でき
るようになっている。枠19における2つの穴あき円板
の間隔は、約1cmである。したがって、定着ローラ1が
回転しているときでも定着ローラ1に連れ回りしないよ
うに間隙変更手段を固定することが可能である。この間
隙変更手段の枠19を構成している円盤の半径から穴の
半径を引いた値(図10に両端矢印付き直線で示した長
さ)を、間隙変更手段の枠19の高さと呼ぶことにす
る。
【0065】図11は間隙変更手段のチューブ20の周
方向に平行な断面20aと周方向に垂直な断面20bを
示したものであり、間隙変更手段の回転軸に対して垂直
な方向のチューブ20の幅(図11に両端矢印20cで
示した幅。以後チューブ20の高さと呼ぶ。)は図11
に示したように一様でなく周方向に徐々に変化してい
る。したがって、間隙変更手段のチューブ20を間隙変
更手段の回転軸方向から見た場合は、図12に示したよ
うになる。
【0066】このチューブ20の高さの変化は、図11
のように一様に増加していくのでなく、図13に示した
ように増加した後に減少するようにしても良く、その場
合は、チューブ20を間隙変更手段の回転軸方向から見
ると図14のようになる。また、チューブ20の高さの
変化は直線的でなくても良い。このチューブ20の高さ
の最大値は間隙変更手段の枠19の高さよりも高くなる
ようにし、チューブ20の高さの最小値は間隙変更手段
の枠19の高さよりも低くなるようにする。なお、間隙
変更手段のチューブ20の周方向に垂直な断面は、図9
と図11では楕円で示してあるが、必ずしも楕円である
必要はなく、たとえば長方形であっても良い。図9には
定着ローラ1の一方の端のみが示されているが、定着ロ
ーラ1の他端にも同様に間隙変更手段が付与されてい
る。
【0067】磁束生成コイル2の支持体12は、図15
と図16に示したように、長手方向の両端部において、
磁束生成コイル圧接手段22により、間隙変更手段1
9、20に圧接されている。図15は定着ローラ1の端
部を軸方向から見た図であり、図16は定着ローラ1の
軸方向の断面図である。磁束生成コイル圧接手段は、例
えば軸23により回転自在に支持されたレバー24と、
このレバー24の一端部と不動部材との間に取付けられ
た圧縮バネ25とにより構成される。レバー24は一端
部が圧縮バネ25により引っ張られて他端部が磁束生成
コイル2の支持体12をチューブ20又は枠19に弾性
的に圧接させる。
【0068】図15と図16には定着ローラ1の一方の
端のみが示されているが、定着ローラ1の他端において
も同様である。図16では、磁束生成コイル2の支持体
12が置かれている位置で間隙変更手段のチューブ20
の高さが間隙変更手段の枠19の高さより高いため、磁
束生成コイル2の支持体12は間隙変更手段の枠19と
接触していないが、間隙変更手段のチューブ20の高さ
が間隙変更手段の枠19の高さより低い場合には、図1
7に示すように、磁束生成コイル2の支持体12は間隙
変更手段の枠19と接触する。このときの磁束生成コイ
ル2と定着ローラ1の胴部17との距離が、磁束生成コ
イル2と定着ローラ1の胴部17との最短距離であり、
磁束生成コイル2と定着ローラ1の胴部17とはそれ以
上近づくことはない。本実施例では、間隙変更手段の枠
19が定着ローラ1の胴部17よりも2.5mm飛び出す
ように間隙変更手段の枠19の高さを設定している。
【0069】したがって、磁束生成コイル2の支持体1
2と定着ローラ1の胴部17表面との最短距離は2.5m
mである。リッツ線11の太さが2mmであるので、こ
のときリッツ線11と定着ローラ1の胴部17表面との
隙間の幅は0.5mmになる。間隙変更手段のチューブ2
0には、定着ローラ1が定着に適した温度に維持されて
いるときの定着ローラ本体の胴端部18の温度にほぼ等
しい温度(本実施例の場合は、約170℃)に加熱した空
気を、チューブ20がほぼ膨らみきる程度に入れてお
く。したがって、室温ではチューブ20は膨らみきって
いない。チューブ20が膨らみきると、チューブ20の
高さが間隙変更手段の枠19よりも高くなる部分が存在
する。チューブ20に入れる気体は、窒素などの空気以
外の気体でも良い。上述のように間隙変更手段は定着ロ
ーラ1に対して回転可能になっている。このことを利用
して間隙変更手段を回転させて望ましい位置に移す。こ
の位置は、次のようにしてあらかじめ調整しておく。
【0070】まず、最も良好な定着がなされたときの定
着ローラ1表面の温度を温度せンサ5で計測しておく。
また、間隙変更手段を定着ローラ1に対して回転させ
て、チューブ20の高さが間隙変更手段の枠19の高さ
より低くて磁束生成コイル2の支持体12が間隙変更手
段の枠19と接触する状態に設定しておく。次に、温度
センサ5の検知温度に基づいてレッツ線11の通電を制
御して定着ローラ1の加熱を制御することにより定着ロ
ーラ1表面の温度を上記最適温度に維持しながら、磁束
生成コイル圧接手段22で磁束生成コイル2を間隙変更
手段に圧接させたまま、間隙変更手段を少しずつ回転さ
せて、磁束生成コイル2が間隙変更手段内のチューブ2
0に押されて定着ローラ本体の胴部17から上記最短距
離よりも離れはじめる位置を探し、その位置に間隙変更
手段を固定する。
【0071】このように調整した後の定着ローラ1は、
定着中に定着ローラ1の温度が定着に適した温度よりも
高くなると、磁束生成コイル2が間隙変更手段内のチュ
ーブ20に押されて定着ローラ本体の胴部17から離
れ、定着ローラ1の発熱量が減る。また、定着ローラ1
の温度が定着に適した温度よりも低くなると、チューブ
20の圧力が減り、磁束生成コイル2が定着ローラ本体
の胴部17との最短距離まで定着ローラ1に近づき定着
ローラ1の発熱量が増える。また、定着ローラ1の軸方
向に温度勾配が生じている場合、定着ローラ1の温度の
高い方の端では定着ローラ1の温度の低い方の端よりも
チューブ20の膨らみが大きくなり、磁束生成コイル2
と定着ローラ1との距離が広がるから、定着ローラ1の
温度の高い側の発熱量が定着ローラ1の温度の低い側の
発熱量より減り、定着ローラ1の軸方向の温度の不均一
が緩和される。
【0072】なお、間隙変更手段内に入れる膨張体は、
気体を詰めたチューブ20に限らず、発泡シリコーンゴ
ム等の熱膨張率の大きい物質を使用してもよい。本実施
例の定着ローラ1は、磁性体層9を薄くしたために磁性
体層9の熱容量が小さく、また磁性体層9に接して断熱
層8があるために磁性体層9に生じた熱が芯金層7に拡
散しにくい。また、磁束生成コイル2を定着ローラ1の
外側に置いて、磁性体層9に近い位置から磁性体層9に
交番磁界をかけているため、磁性体層9に大きな発熱が
生じる。したがって、短い時間で磁性体層9の温度を定
着に必要な温度にまで高めることができる。
【0073】また、上記のように磁束生成コイル2と定
着ローラ1との距離を調整する間隙変更手段を設けたの
で、定着ローラ1の温度が定着に最適な温度よりも高く
なると、磁束生成コイル2と定着ローラ1との距離が大
きくなって定着ローラ1の発熱量が減るので、定着ロー
ラ1の温度が定着に最適な温度に自律的に調整され、電
気的温度制御手段で温度せンサ5の検知した温度に基づ
いて磁束生成コイル2への投入電力を調整するという電
気的な制御だけで定着ローラ1の温度を制御している場
合よりも定着ローラ1の最適温度からの温度のゆらぎを
抑えることができる。また、間隙変更手段による本実施
例の温度制御を主として電気的温度制御手段による電気
的な温度制御を補足的に使っても、定着ローラ1の温度
を所定の範囲内に抑えることは可能である。
【0074】定着ローラ1の軸方向の一方の端側に設け
てファンで定着ローラ1の軸方向に空気を送って定着ロ
ーラ1を空冷する場合には、上流側の温度が下流側の温
度よりも低くなり、定着ローラ1の軸方向に温度勾配が
生じる。本実施例の場合、定着ローラ1の軸方向に温度
勾配が生じると、定着ローラ1の温度の高い下流側の端
では定着ローラ1の温度の低い上流側の端よりもチュー
ブ20の膨らみが大きくなり、磁束生成コイル2と定着
ローラ1との距離が広がるから定着ローラ1の下流側の
発熱量が減り、定着ローラ1の軸方向の温度の不均一が
緩和される。
【0075】次に、本発明の実施例2の加熱装置として
の定着装置について説明する。本実施例2は、加熱ロー
ラとしての定着ローラと加圧部材としての加圧ローラが
実施例1の定着ローラ1と加圧ローラ3に同じである。
図18は、本実施例2の磁束生成コイル2を示したもの
である。本実施例2では、上記実施例1において、磁束
生成コイル2のリッツ線11は、複数のコイル、例えば
3つのコイル26〜28からなっている。このコイル2
6〜28は一本の繋がったリッツ線からなっており、1
つの温度制御手段によりこの線26〜28に流す電流が
制御される。すなわち、3つのコイル26〜28は、互
いに独立したコイルではない。
【0076】このコイル26〜28が磁束生成コイル2
の支持体12に接着されて3つの磁束生成部が形成され
ていいる。ただし、コイル26とコイル27とのつなぎ
の部分29と、コイル28とコイル27とのつなぎの部
分30では、リッツ線を支持体12に接着させずに支持
体12の面と平行な方向にたるませてある。支持体12
の材料としては、セラミックス類、樹脂類、磁性体、そ
の他の固体が使えるが、このうちでは磁性体が、後述の
ように支持体12とコイル26〜28を移動させたとき
に磁界を遮蔽できるので好ましい。
【0077】支持体12は、破線31で示した位置で折
り曲げることができるようになっている。図18に示さ
れているように、コイル26とコイル28は、破線31
で示した折り曲げ可能位置を挟んで、コイル27と互い
に反対側に位置させてある。また、コイル26〜28の
支持体12を長手方向に見た場合、コイル27は中央部
に位置させ、コイル26とコイル28は、その両側に位
置させ、長手方向に見てこれら3つのコイル26〜28
の位置が重ならないように配置してある。
【0078】図18の2本の一点鎖線32と33は、狭
幅の記録媒体が定着ローラ1を通過するときの記録媒体
の両端に対応する位置を示したものである。記録媒体6
にはいろいろな幅のものがあるが、本実施例では記録媒
体を定着ローラ1と加圧ローラ3とのニップ部に縦に通
す場合のA4サイズの用紙を狭幅の記録媒体と想定す
る。したがって、2本の一点鎖線32と33の間隔は、
A4サイズの用紙の横幅にほぼ等しい。ただし、本実施
例2では、縦に搬送する狭幅の記録媒体はA4サイズの
用紙(以下A4縦用紙という)に限定するものではな
い。
【0079】図18に示されているように、コイル27
は、定着ローラ1のA4縦用紙が通過する位置に対応す
る位置に配置してある。したがって、コイル27は狭幅
の記録媒体を定着する際に使われる定着ローラ1の領域
を加熱することができる。また、3つのコイル26〜2
8を合わせると、A3サイズの用紙などの広幅の記録媒
体上のトナー像を定着する際に使われる定着ローラ1の
領域を加熱することができる。以下、支持体12のうち
図18の破線31より上の部分とその部分に設置されて
いるコイル27とを併せて、磁束生成コイル2の狭幅記
録媒体対応部と呼び、支持体12のうち図18の破線3
1より下の部分とその部分に設置されているコイル2
6、28とを併せて、磁束生成コイル2の広幅記録媒体
用補完部と呼ぶことにする。
【0080】図19は、図18に破線34で示した位置
でのコイル26と支持体12の断面を模式的に示したも
のである。図19において、35は狭幅記録媒体対応部
の支持体であり、36は広幅記録媒体用補完部の支持体
である。図19は見やすいようにコイル26を構成する
リッツ線の数と太さおよび支持体35、36の厚さを実
際とは変えて描いているが、それら相互の位置関係は実
際どおりに描いてある。コイル26〜28および支持体
35、36は、図18の破線31で示した位置で折り曲
げることができ、磁束生成コイル2の広幅記録媒体用補
完部は図19の矢印付き曲線37で示したように移動さ
せて図19の破線位置38まで移すことが可能になよう
に作られている。
【0081】この支持体12とコイル26〜28は、そ
の湾曲した内側が定着ローラ1に対面するように設置す
る。記録媒体6の幅を検知する記録媒体幅検知手段(図
示せず)により、定着すべき記録媒体6が狭幅の記録媒
体であることを検知した時点で、図19の実線位置にあ
る広幅記録媒体用補完部を、図19の矢印付き曲線37
の方向に破線位置38にまで移動させる。すると、広幅
記録媒体用補完部のコイル26、28は図19の破線位
置38に移り、図18に示す狭幅記録媒体対応部のコイ
ル27は元の位置にとどまる。
【0082】図19の破線位置38にある広幅記録媒体
用補完部のコイル26、28は定着ローラ1との距離が
大きいため、破線位置38にある広幅記録媒体用補完部
のコイル26、28により定着ローラ1に発生する熱量
はわずかである。また、支持体12が磁性体の場合は、
破線位置38にある広幅記録媒体用補完部のコイル2
6、28が生成した磁束は支持体12によりほとんど完
全に遮蔽されて定着ローラ1に届かず、破線位置38に
ある広幅記録媒体用補完部のコイル26、28により定
着ローラ1に発生する熱量は0に近い。したがって、狭
幅の記録媒体上のトナー像を定着している間は、定着ロ
ーラ1の狭幅記録媒体が通過しない領域がほとんど加熱
されなくなる。これにより、定着ローラ1表面の幅の狭
い記録媒体が通過しない領域の温度が高くなり過ぎるこ
とを防止できる。
【0083】また、記録媒体6の幅を検知する記録媒体
幅検知手段により定着すべき記録媒体1が広幅の記録媒
体であることを検知した時点で、図19の破線位置38
にある広幅記録媒体用補完部をもとの実線位置に移動さ
せる。したがって、広幅の記録媒体を定着している間
は、定着ローラ1の広幅記録媒体が通過する領域全体が
加熱される。
【0084】次に、広幅記録媒体用補完部を図19の実
線位置と破線位置38との2つの位置の間で移動させる
手段を、図20と図21により説明する。図20と図2
1において、39は広幅記録媒体用補完部40に設けら
れた取っ手であり、この取っ手39にはテープ41の一
端が結び付けられている。テープ巻き取り部材42を不
図示の回転手段により回転させてテープ41を巻き取る
ことにより、広幅記録媒体用補完部40を図20の実線
位置から破線位置43まで移動させる。上記回転手段
は、モータとベルトあるいはギアを使って容易に実現で
き、制御手段により記録媒体幅検知手段の検知結果に基
づいて制御され、記録媒体6が広幅の記録媒体である場
合に正回転して広幅記録媒体用補完部40を図20の実
線位置から破線位置43まで移動させ、記録媒体6が狭
幅の記録媒体である場合に逆回転して広幅記録媒体用補
完部40を図20の実線位置に戻させる。
【0085】テープ巻き取り部材42を逆回転させてテ
ープ41を緩めれば、破線位置43にある広幅記録媒体
用補完部40を自重により実線位置に戻すことができ
る。また、広幅記録媒体用補完部40を図20の破線位
置43まで移動させずに、その途中まで、たとえば図2
2に示した破線位置44まで移動させても効果はある。
このように広幅記録媒体用補完部40の移動距離を少な
くすると、広幅記録媒体用補完部40の移動のための空
間を広く確保しなくても良いという利点がある。
【0086】また、図20、図21、図22では広幅記
録媒体用補完部40が狭幅記録媒体対応部45よりもニ
ップ部に近い位置に位置しているが、図23に示したよ
うに、狭幅記録媒体対応部45を広幅記録媒体用補完部
40よりもニップ部に近い位置に位置させても良い。こ
の場合、図23の矢印付き線46で示した方向に定着ロ
ーラ1を回転させれば、狭幅記録媒体上のトナー像を定
着させるときに、定着ローラ本体をニップ部に近い位置
で加熱できるので、ニップ部の加熱効率が向上するとい
う利点がある。
【0087】なお、広幅記録媒体用補完部40の移動を
記録媒体6の幅を検知する記録体幅検知手段の検知結果
により行うのでなく、所定の温度を超えたらスイッチを
オンにする手段を定着ローラ1の狭幅記録媒体が通過し
ない領域に設置してテープ巻き取り部材42を回転させ
る回転手段としての駆動モータを駆動させるようにして
行ってもよい。具体的には、バイメタルで構成したスイ
ッチを定着ローラ本体内部の胴部端に近い位置に設置す
る方法などがある。
【0088】この場合は、実際に定着ローラ1の狭幅記
録媒体が通過しない領域の温度が上がり始めてから広幅
記録媒体用補完部40が移動するので、広幅記録媒体を
少数毎だけ定着して非通紙部昇温が生じない場合にも広
幅記録媒体用補完部40を移動させてしまう無駄を避け
ることができる。また、記録媒体6の幅を検知する記録
体幅検知手段が不要である。
【0089】上記実施例1及び実施例2によれば、加熱
体としての定着ローラ1の温度が高くなるにつれて磁束
生成手段としての磁束生成コイル2と定着ローラ1の誘
導発熱体としての磁性体層9との距離を連続的に(若し
くは段階的でもよい)に増加させ、定着ローラ1の温度
が低くなるにつれて磁束生成コイル2段と磁性体層9と
の距離を連続的に(若しくは段階的でもよい)減少させ
る手段としての間隙変更手段及び磁束生成コイル圧接手
段22を備えたので、誘導発熱体の発熱量が磁束生成手
段と誘導発熱体との距離によって大きく異なることを利
用して、磁束生成手段と誘導発熱体との距離を変えるこ
とにより簡単で容易に温度制御を実現でき、加熱体の温
度が高くなりすぎたら誘導発熱体の発熱量を減らし、加
熱体の温度が低くなりすぎたら誘導発熱体の発熱量を増
やすことができる。したがって、磁束生成手段への印加
電圧を変更する等の電気的な制御よりも低コストで加熱
体の温度を制御でき、あるいは、電気的な温度制御手段
と併用することにより、電気的な温度制御だけの場合よ
りも温度制御能力を強化することができる。
【0090】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、磁束を生成する磁束生成手段としての磁束生成コイ
ル2と、この磁束生成コイル2による磁束の作用で発熱
して被加熱体としての記録媒体6を加熱する誘導発熱体
としての磁性体層9を有する回転体としての定着ローラ
1と、この定着ローラ1と相互に圧接される加圧部材と
しての加圧ローラ3とを有し、定着ローラ1と加圧ロー
ラ3との間に記録媒体6を通過させて記録媒体6を加熱
する加熱装置において、磁束生成コイル2と磁性体層9
との距離を変更する手段としての間隙変更手段及び磁束
生成コイル圧接手段22を備えたので、機械的な手段に
よる温度の制御が可能になり、温度制御手段の選択の幅
が広がる。また、従来の電気的な温度制御手段と併用す
れば、温度制御能力を強化できる。また、従来の電気的
な温度制御手段よりも機構が単純であるので、低コスト
で温度制御手段を実装できる。
【0091】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、回転体としての定着ローラ1の温度が高くなるにつ
れて磁束生成手段としての磁束生成コイル2と誘導発熱
体としての磁性体層9との距離を連続的に(若しくは段
階的でもよい)増加させ、定着ローラ1の温度が低くな
るにつれて磁束生成コイル2と磁性体層9との距離を連
続的に(若しくは段階的でもよい)減少させる手段とし
ての間隙変更手段及び磁束生成コイル圧接手段22を備
えたので、磁束生成手段と誘導発熱体との距離を変える
ことにより簡単で容易に温度制御を実現でき、加熱体の
温度が高くなりすぎたら誘導発熱体の発熱量を減らし、
加熱体の温度が低くなりすぎたら誘導発熱体の発熱量を
増やすことができる。したがって、磁束生成手段への印
可電圧を変更する等の電気的な制御よりも低コストで加
熱体の温度を制御でき、あるいは、電気的な制御と併用
することにより、電気的な温度制御だけの場合よりも温
度制御能力を強化することができる。
【0092】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、定着ローラ1の温度に応じて変形する部材としての
バイメタルを有し、この部材の変形により磁束生成手段
としての磁束生成コイル2を定着ローラ1に対して相対
的に移動させることにより、定着ローラ1の温度を自律
的に制御することができる。
【0093】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、磁束生成手段としての磁束生成コイル2と誘導発熱
体としての磁性体層9との距離を回転体としての定着ロ
ーラ1の軸方向に異ならせる手段を備えたので、回転体
の軸方向の温度の不均一を補正することができる。たと
えば、回転体の軸方向片端に駆動ギアが設けられている
場合は、駆動ギアが設けられている端側の温度が低くて
駆動ギアが設けられていない端側の温度が高くなるとい
う温度の不均一が回転体の軸方向に生じる。また、磁束
生成手段の過熱を防ぐために回転体の軸方向の一方の端
側に設けたファンで磁束生成手段を空冷している場合に
も、回転体の温度が軸方向に不均一になりやすい。その
ような場合に、温度が低い側での磁束生成手段と誘導発
熱体との距離を、温度が高い側での磁束生成手段と誘導
発熱体との距離よりも短くすることにより、温度が低い
側での発熱量を温度が高い側での発熱量よりも増やし、
温度の不均一を補正できる。
【0094】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、磁束生成手段としての磁束生成コイル2と誘導発熱
体としての磁性体層9との間に厚さが温度と正の相関を
もって変化する部材としてのチューブ20を介在させ、
磁束生成コイル2を回転体としての定着ローラ1に対し
て押圧するように設置したので、磁束生成手段と回転体
との距離が回転体の温度が高くなると増加し温度が低く
なると減少し、回転体の温度が高くなると回転体の発熱
量が減り、回転体の温度が低くなると回転体の発熱量が
増え、それにより回転体の温度を自律的に制御すること
ができる。しかも構成が簡単で製造が容易である。
【0095】また、上記実施例2によれば、磁束生成手
段としての磁束生成コイル2は相互の空間的な配置が可
変である2つ以上の磁束生成部としての広幅記録媒体用
補完部40及び狭幅記録媒体対応部45を有し、被加熱
体としての記録媒体6の幅が狭いときには広幅記録媒体
用補完部40及び狭幅記録媒体対応部45のうち定着ロ
ーラ1の記録媒体6が通過しない部分に対向して配置さ
れている広幅記録媒体用補完部40と誘導発熱体として
の磁性体層9との距離を増加させる手段としての取っ手
39、テープ41、テープ巻き取り部材42及び回転手
段を備えたので、被加熱体の幅が狭いときには、回転体
の被加熱体が通過しない領域の発熱量が減少してその領
域の温度上昇を抑制でき、回転体表面の狭幅被加熱体が
通過しない領域の温度が高くなり過ぎて、幅の広い被加
熱体が通過するときにホットオフセットが生じたり回転
体表面の狭幅被加熱体が通過しない領域の付近が熱劣化
を引き起こすことを防止できる。従来技術のように複数
個の磁束生成手段を設けて、それぞれの投入電力を制御
することにより、回転体の被加熱体が通過する領域と回
転体の被加熱体が通過しない領域との温度を制御する場
合は、磁束生成手段の制御手段が複数個必要になるが、
本実施例では磁束生成手段の制御手段が1個ですむの
で、コストが安い。
【0096】また、上記実施例2によれば、磁束生成手
段としての磁束生成コイル2は相互の空間的な配置が可
変である2つ以上の磁束生成部としての広幅記録媒体用
補完部40及び狭幅記録媒体対応部45を有し、回転体
としての定着ローラ1における狭幅の被加熱体が通過し
ない部分の温度が所定の温度を越えたときには広幅記録
媒体用補完部40及び狭幅記録媒体対応部45のうち定
着ローラ1の前記部分に対向して設置されている広幅記
録媒体用補完部40と誘導発熱体としての磁性体層9と
の距離を増加させる手段としてのチューブ20を備えた
ので、回転体の幅が狭い被加熱体が通過しない領域の温
度が高くなったときには、その領域の発熱量が減少して
その領域の温度上昇を抑制でき、回転体表面の幅が狭い
被加熱体が通過しない領域の温度が高くなり過ぎて、幅
の広い被加熱体が通過するときにホットオフセットが生
じたり、幅が狭い被加熱体が通過しない領域の付近が熱
劣化を引き起こすことを防止できる。また、上述のよう
に複数個の磁束生成手段を設けて回転体の温度を制御す
る場合に比べてコストが安い。また、被加熱体の幅を検
知する手段が不要であるという利点がある。また、実際
に定着ローラの狭幅被加熱体が通過しない領域の温度が
上がり始めてからその部分に対向して設置されている磁
束生成部が移動するので、広幅被加熱体を少数だけ定着
して狭幅被加熱体が通過しない領域の温度が上がらない
場合にも磁束生成部を移動させてしまう無駄を避けるこ
とができる。
【0097】また、上記実施例2によれば、上記2つ以
上の磁束生成部としての広幅記録媒体用補完部40及び
狭幅記録媒体対応部45のうち回転体としての定着ロー
ラ1における狭幅の被加熱体が通過しない部分に対向し
て設置されている広幅記録媒体用補完部40は磁束生成
手段としての磁束生成コイル2の長手方向を回転軸の方
向として回転可能に設置したので、回転軸の近くでは互
いに回転する磁束生成部同士が接近したままであり、コ
イルを構成する線を磁束生成部間で受け渡し易く、また
回転軸上で磁束生成部の位置が固定されるので磁束生成
部が想定外の位置に移動してしまう事故が起きにくい。
また、磁束生成手段の長手方向に回転軸を取るので、狭
幅な被加熱体が通過しない領域が狭幅な被加熱体が通過
する領域を挟んで2つの部分に別れている場合でも、回
転軸を1本だけ設ければよいので、構成が簡単になる。
【0098】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、磁束生成手段としての磁束生成コイル2を回転体と
しての定着ローラ1の外部に設けたので、回転体の外側
表面近傍を重点的に加熱できて加熱装置のウォームアッ
プタイムを短くでき、温度センサを配置できる位置が限
られていても良好に温度を制御でき、回転体表面の狭幅
被加熱体が通過しない領域の過昇温も防ぐことができ
る。
【0099】また、上記実施例1及び実施例2によれ
ば、磁束生成手段としての磁束生成コイル2が誘導加熱
体としての磁性体層9に接近している位置にあるときに
は磁束生成コイル2が回転体としての定着ローラ1の外
面の曲率にほぼ等しい曲率で定着ローラ1側に湾曲して
いるので、磁束生成手段を誘導加熱体に接近させて発熱
量を増加させたい場合に、磁束生成手段が回転体外面の
曲率にほぼ等しい曲率で回転体側に湾曲していることに
より、磁束生成手段の全面に渡って磁束生成手段を誘導
加熱体に接近させることができ、磁束生成コイル2が湾
曲していない場合に比べて発熱効率と発熱量を増大させ
ることができる。なお、本発明は、上記実施例1及び実
施例2に限定されるものではなく、記録媒体以外の被加
熱体に熱と圧力を与える加熱装置に上記実施例と同様に
適用することができる。
【0100】図24は本発明の実施例3を示す。この実
施例3は、実施例1又は実施例2の加熱装置を用いた画
像形成装置の1例である。この実施例3の画像形成装置
は、像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光
体47を有している。感光体47の周囲には、帯電手段
としての帯電ローラ48、現像手段としての現像装置4
9、転写手段としての転写ローラ50、クリーニング装
置51、除電装置52が配備されている。また、実施例
3の画像形成装置は、それらの他に、露光手段としての
光走査装置53と定着装置54を備えている。帯電手段
としては、コロナチャージャを用いることもできる。光
走査装置53は帯電ローラ48と現像装置49との間の
感光体47面に光走査による露光を行う。
【0101】画像形成を実行する際は、感光体47が図
示しない駆動部により回転駆動されて図24の時計回り
に回転し、その表面が帯電ローラ48により均一に帯電
された後に光走査装置53により露光されて感光体47
の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装
置49により反転現像され、感光体体47の表面にトナ
ー画像(トナー像)が形成される。このトナー画像は、
感光体47のトナー画像が転写位置へ移動するのとタイ
ミングを合わせて非図示の給紙装置により転写部へ送り
込まれた記録媒体6と重ね合わされて、転写ローラ50
の作用により、記録媒体6へ静電転写される。
【0102】トナー画像を転写された記録媒体6は、定
着装置54でトナー画像が定着された後、装置外部へ排
出される。ここで、定着装置54としてし、実施例1の
加熱装置又は実施例2の加熱装置が用いられる。トナー
画像が転写された後、感光体47の表面は、クリーニン
グ装置51によりクリーニングされて残留トナーや紙粉
などが除去され、さらに除電装置52により除電され
る。
【0103】この実施例3によれば、シート状の記録媒
体6上にトナー像を形成して担持させる像形成手段とし
ての感光体47、帯電ローラ48、現像装置49、転写
ローラ50、クリーニング装置51、除電装置52及び
光走査装置53と、トナー像を担持した記録媒体6を加
熱する像加熱手段としての定着装置54とを有する画像
形成装置において、定着装置54として実施例1の加熱
装置又は実施例2の加熱装置を備えたので、定着能力の
高い画像形成装置を実現できる。なお、実施例1の加熱
装置と実施例2の加熱装置は、このような画像形成装置
の定着装置としての用途のほかに、シート状の被加熱体
の乾燥用あるいは表面改質用等様々な用途に用いても構
わない。
【0104】
【発明の効果】以上のように請求項1に係る発明によれ
ば、誘導発熱体の発熱量が磁束生成手段と誘導発熱体と
の距離によって大きく異なることを利用して、磁束生成
手段と誘導発熱体との距離を変えることにより簡単で容
易に温度制御を実現でき、加熱体の温度が高くなりすぎ
たら誘導発熱体の発熱量を減らし、加熱体の温度が低く
なりすぎたら誘導発熱体の発熱量を増やすことができ
る。したがって、磁束生成手段への印加電圧を変更する
等の電気的な温度制御よりも低コストで加熱体の温度を
制御でき、あるいは、電気的な温度制御と併用すること
により、電気的な温度制御だけの場合よりも温度制御能
力を強化することができる。
【0105】請求項2に係る発明によれば、被加熱体に
熱と圧力を与える装置において、機械的な温度制御手段
による温度の制御が可能になり、温度制御手段の選択の
幅が広がる。また、従来の電気的な温度制御手段と併用
すれば、温度制御能力を強化できる。また、従来の電気
的な温度制御手段よりも機構が単純であるので、低コス
トで温度制御手段を実装できる。
【0106】請求項3に係る発明によれば、磁束生成手
段と誘導発熱体との距離を変えることにより簡単で容易
に温度制御を実現でき、加熱体の温度が高くなりすぎた
ら誘導発熱体の発熱量を減らし、加熱体の温度が低くな
りすぎたら誘導発熱体の発熱量を増やすことができる。
したがって、被加熱体に熱と圧力を与える装置におい
て、磁束生成手段への印加電圧を変更する等の電気的な
温度制御よりも低コストで加熱体の温度を制御でき、あ
るいは、電気的な温度制御手段と併用することにより、
電気的な温度制御手段だけの場合よりも温度制御能力を
強化することができる。
【0107】請求項4に係る発明によれば、回転体の温
度に応じて変形する部材の変形により磁束生成手段を回
転体に対して相対的に移動させることができ、回転体の
温度を自律的に制御させることができる。
【0108】請求項5に係る発明によれば、回転体の軸
方向の温度の不均一を補正することができる。すなわ
ち、温度が低い側での磁束生成手段と誘導発熱体との距
離を、温度が高い側での磁束生成手段と誘導発熱体との
距離よりも短くすることにより、温度が低い側での発熱
量を温度が高い側での発熱量よりも増やし、温度の不均
一を補正できる。
【0109】請求項6に係る発明によれば、厚さが温度
と正の相関を持って変化する部材を磁束生成手段と回転
体との間に介在させて磁束生成手段を回転体に押し当て
たことにより、磁束生成手段と回転体との距離が回転体
の温度が高くなると増加し温度が低くなると減少するの
で、回転体の温度が高くなると回転体の発熱量が減り、
回転体の温度が低くなると回転体の発熱量が増え、それ
により回転体の温度を自律的に制御させることができ
る。しかも構成が簡単で製造が容易である。
【0110】請求項7に係る発明によれば、被加熱体の
幅が狭いときには、回転体の被加熱体が通過しない領域
の発熱量が減少してその部分の温度上昇を抑制でき、回
転体表面の狭幅被加熱体が通過しない領域の温度が高く
なり過ぎて、幅の広い被加熱体が通過するときにホット
オフセットが生じたり回転体表面の狭幅被加熱体が通過
しない領域の付近が熱劣化を引き起こすことを防止でき
る。従来技術のように複数個の磁束生成手段を設けて、
それぞれの投入電力を制御することにより、回転体の被
加熱体が通過する領域と回転体の被加熱体が通過しない
領域の温度を制御する場合は、磁束生成手段の制御手段
が複数個必要になるが、請求項7に係る発明では磁束生
成手段を制御する制御手段が1個ですむので、コストが
安い。
【0111】請求項8に係る発明によれば、回転体の幅
が狭い被加熱体が通過しない領域の温度が高くなったと
きには、その領域の発熱量が減少するので、その領域の
温度上昇を抑制でき、回転体表面の幅が狭い被加熱体が
通過しない領域の温度が高くなり過ぎて、幅の広い被加
熱体が通過するときにホットオフセットが生じたり、幅
が狭い被加熱体が通過しない領域の付近が熱劣化を引き
起こすことを防止できる。また、請求項7に係る発明と
同様に、従来の複数個の磁束生成手段を設けて回転体の
温度を制御する場合に比べてコストが安い。また、請求
項7に係る発明に比べて、被加熱体の幅を検知する手段
が不要であるという利点がある。また、請求項7に係る
発明の場合と異なり、実際に回転体の狭幅被加熱体が通
過しない領域の温度が上がり始めてからその部分に対向
して設置されている磁束生成部が移動するので、広幅被
加熱体を少数だけ定着して狭幅被加熱体が通過しない領
域の温度が上がらない場合にも磁束生成部を移動させて
しまう無駄を避けることができる。
【0112】請求項9に係る発明によれば、請求項7に
係る発明と請求項8に係る発明の効果に加えて、回転軸
の近くでは互いに回転する磁束生成部同士が接近したま
まであるのでコイルを構成する線を磁束生成部間で受け
渡し易く、また回転軸上で磁束生成部の位置が固定され
ることにより磁束生成部が想定外の位置に移動してしま
う事故が起きにくい。また、磁束生成手段の長手方向に
回転軸を取るので、狭幅被加熱体が通過しない領域が狭
幅被加熱体が通過する領域を挟んで2つの部分に別れて
いる場合でも、回転軸を1本だけ設ければよいので構成
が簡単になる。
【0113】請求項10に係る発明によれば、回転体の
外側表面近傍を重点的に加熱できてウォームアップタイ
ムを短くでき、温度センサを配置できる位置が限られて
いても良好に温度制御を行うことができ、回転体表面の
狭幅被加熱体が通過しない領域の過昇温も防ぐことがで
きる。
【0114】請求項11に係る発明によれば、磁束生成
手段を誘導加熱体に接近させて発熱量を増加させたい場
合に、磁束生成手段が回転体外面の曲率にほぼ等しい曲
率で回転体側に湾曲しているので、磁束生成手段の全面
に渡って磁束生成手段を誘導加熱体に接近させることが
でき、磁束生成手段が湾曲していない場合に比べて発熱
効率と発熱量を増大させることができる。請求項12に
係る発明によれば、定着能力の高い画像形成装置を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の加熱装置の長手方向に垂直
な断面を示す断面図である。
【図2】同実施例1における定着ローラの断面を示す断
面図である。
【図3】同実施例1における磁束生成コイルを示す平面
図である。
【図4】同磁束生成コイルの図3破線位置での断面を示
す断面図である。
【図5】同磁束生成コイルにおける支持体の一方の端を
示す斜視図である。
【図6】磁束生成コイルの他の例を示す断面図である。
【図7】磁束生成コイルの別の例の一部を示す斜視図で
ある。
【図8】同磁束生成コイルの一部を示す斜視図である。
【図9】上記定着ローラの胴端部を示す断面図である。
【図10】上記実施例1における間隙変更手段の枠を示
す斜視図である。
【図11】同間隙変更手段のチューブの周方向に平行な
断面と周方向に垂直な断面を示図である。
【図12】同チューブを示す平面図である。
【図13】チューブの他の例の周方向に平行な断面を示
す図である。
【図14】同チューブを回転軸方向から見た平面図であ
る。
【図15】上記実施例1を示す正面図である。
【図16】上記実施例1における支持体のチューブ圧接
時の定着ローラの胴端部付近の軸方向断面を示す断面図
である。
【図17】上記実施例1における支持体の枠圧接時の定
着ローラの胴端部付近の軸方向断面を示す断面図であ
る。
【図18】本発明の実施例2の磁束生成コイルを示す平
面図である。
【図19】同磁束生成コイルの一部を示す断面図であ
る。
【図20】上記実施例2を示す正面図である。
【図21】上記実施例2の磁束生成コイル及び、広幅記
録媒体用補完部を移動させる手段を示す側面図である。
【図22】上記実施例2を示す正面図である。
【図23】実施例2において狭幅記録媒体対応部を広幅
記録媒体用補完部よりもニップ部に近い位置に位置させ
るようにした例を示す正面図である。
【図24】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図25】磁束生成コイルと誘導発熱体との隙間の幅と
誘導発熱体の発熱量との関係を示す特性図である。
【図26】異なる3つの磁束生成コイルについて、これ
らのコイルへの印加電圧を一定にして磁束生成コイルと
誘導発熱体との隙間の幅を変化させたときの誘導発熱体
の発熱量を示す特性図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 磁束生成コイル 3 加圧ローラ 6 記録媒体 9 磁性体層 20 チューブ 22 磁束生成コイル圧接手段 39 取っ手 40 広幅記録媒体用補完部 41 テープ 42 テープ巻き取り部材 45 狭幅記録媒体対応部 47 感光体 48 帯電ローラ 49 現像装置 50 転写ローラ 51 クリーニング装置 52 除電装置 53 光走査装置 54 定着装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁束を生成する磁束生成手段と、この磁束
    生成手段による磁束の作用で発熱する誘導発熱体を有す
    る加熱体とを有し、被加熱体を加熱する加熱装置におい
    て、前記加熱体の温度が高くなるにつれて前記磁束生成
    手段と前記誘導発熱体との距離を段階的に若しくは連続
    的に増加させ、前記加熱体の温度が低くなるにつれて前
    記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距離を段階的に若
    しくは連続的に減少させる手段を備えたことを特徴とす
    る加熱装置。
  2. 【請求項2】磁束を生成する磁束生成手段と、この磁束
    生成手段による磁束の作用で発熱して被加熱体を加熱す
    る誘導発熱体を有する回転体と、この回転体と相互に圧
    接される加圧部材とを有し、前記回転体と前記加圧部材
    との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱
    装置において、前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との
    距離を変更する手段を備えたことを特徴とする加熱装
    置。
  3. 【請求項3】磁束を生成する磁束生成手段と、この磁束
    生成手段による磁束の作用で発熱して被加熱体を加熱す
    る誘導発熱体を有する回転体と、この回転体と相互に圧
    接される加圧部材とを有し、前記回転体と前記加圧部材
    との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱
    装置において、前記回転体の温度が高くなるにつれて前
    記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距離を段階的に若
    しくは連続的に増加させ、前記回転体の温度が低くなる
    につれて前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距離を
    段階的に若しくは連続的に減少させる手段を備えたこと
    を特徴とする加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の加熱装置において、前記回
    転体の温度に応じて変形する部材を有し、この部材の変
    形により前記磁束生成手段を前記回転体に対して相対的
    に移動させることを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の加熱装置におい
    て、前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との距離を前記
    回転体の軸方向に異ならせる手段を備えたことを特徴と
    する加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の加熱装置におい
    て、前記磁束生成手段と前記誘導発熱体との間に厚さが
    温度と正の相関をもって変化する部材を介在させ、前記
    磁束生成手段を前記回転体に対して押圧するように設置
    したことを特徴とする加熱装置。
  7. 【請求項7】磁束を生成する磁束生成手段と、この磁束
    生成手段による磁束の作用で発熱して被加熱体を加熱す
    る誘導発熱体を有する回転体と、この回転体と相互に圧
    接される加圧部材とを有し、前記回転体と前記加圧部材
    との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱
    装置において、前記磁束生成手段は相互の空間的な配置
    が可変である2つ以上の磁束生成部を有し、被加熱体の
    幅が狭いときには前記2つ以上の磁束生成部のうち前記
    回転体の被加熱体が通過しない部分に対向して配置され
    ている磁束生成部と前記誘導発熱体との距離を増加させ
    る手段を備えたことを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】磁束を生成する磁束生成手段と、この磁束
    生成手段による磁束の作用で発熱して被加熱体を加熱す
    る誘導発熱体を有する回転体と、この回転体と相互に圧
    接される加圧部材とを有し、前記回転体と前記加圧部材
    との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱
    装置において、前記磁束生成手段は相互の空間的な配置
    が可変である2つ以上の磁束生成部を有し、前記回転体
    における狭幅の被加熱体が通過しない部分の温度が所定
    の温度を越えたときには前記2つ以上の磁束生成部のう
    ち前記回転体の前記部分に対向して設置されている磁束
    生成部と前記誘導発熱体との距離を増加させる手段を備
    えたことを特徴とする加熱装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の加熱装置におい
    て、前記2つ以上の磁束生成部のうち前記回転体におけ
    る狭幅の被加熱体が通過しない部分に対向して設置され
    ている磁束生成部は前記磁束生成手段の長手方向を回転
    軸の方向として回転可能に設置したことを特徴とする加
    熱装置。
  10. 【請求項10】請求項2乃至9のいずれか1項に記載の
    加熱装置において、前記磁束生成手段を前記回転体の外
    部に設けたことを特徴とする加熱装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の加熱装置において、前
    記磁束生成手段が前記誘導加熱体に接近している位置に
    あるときには前記磁束生成手段が前記回転体の外面の曲
    率にほぼ等しい曲率で前記回転体側に湾曲していること
    を特徴とする加熱装置。
  12. 【請求項12】シート状の記録媒体上にトナー像を形成
    して担持させる像形成手段と、前記トナー像を担持した
    前記記録媒体を加熱する像加熱手段とを有する画像形成
    装置において、前記像加熱手段として請求項2乃至11
    のいずれか1項に記載の加熱装置を備えたことを特徴と
    する画像形成装置。
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