JP2002124241A - リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池

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JP2002124241A
JP2002124241A JP2000313455A JP2000313455A JP2002124241A JP 2002124241 A JP2002124241 A JP 2002124241A JP 2000313455 A JP2000313455 A JP 2000313455A JP 2000313455 A JP2000313455 A JP 2000313455A JP 2002124241 A JP2002124241 A JP 2002124241A
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lithium
secondary battery
ion secondary
lithium ion
battery
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Satoshi Nishikawa
聡 西川
Takahiro Omichi
高弘 大道
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充電保護機能を備えたリチウム二次電池を
提供する。 【解決手段】 リチウムイオン二次電池の定格容量に対
する充電率250%のときの該電池のインピーダンス
を、該定格容量に対する充電率60%のときの該電池の
インピーダンスに対して110%以下に抑制する作用を
有するリチウムイオン二次電池用セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムイオンの出
入りにより起電力を得るリチウムイオン二次電池及びこ
れに用いるセパレータに関するものである。特に安全性
の向上を目的にした過充電時のインピーダンスの上昇を
抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯電話、ノートパソコン等に代
表される小型携帯機器の普及に伴い高エネルギー密度を
有する二次電池への要求は非常に高い。高エネルギー密
度を有する二次電池によりこれらの携帯機器の小型化、
軽量化が実現でき、また1回の充電で長時間使用可能に
なる。
【0003】二次電池の高容量化という観点から、負極
材料として金属リチウムまたはこれを主体とする金属が
注目されてきた。理論的には、金属リチウムは負極材料
として最高のエネルギー密度を有する。しかし、充放電
を繰り返すと負極表面が荒れることから電流集中が起こ
り、デンドライトが次第に生成されてくる。このデンド
ライトによる内部短絡等で十分なサイクル特性が得られ
ないといった問題があり、実用化には至っていない。ま
た、金属リチウムは非常に活性の高い金属であり安全性
の問題も危惧されている。
【0004】これらの問題は、負極にリチウムをドープ
・脱ドープする炭素材料を用いることで解決されてい
る。いわゆるリチウムイオン二次電池である。これらの
炭素材料は金属リチウムに比べ容量的には劣るが、リチ
ウムをドープ・脱ドープする電位はリチウムの酸化還元
電位に非常に近く高い起電力が得られるため、リチウム
イオン二次電池は従来の二次電池に比べ高いエネルギー
密度を有する。また、リチウムは炭素材料中にドープさ
れるので、金属リチウムを負極に用いたときのように充
放電に伴いデンドライトは生成しないので、十分なサイ
クル特性が得らる。
【0005】正極にコバルト酸リチウムに代表されるリ
チウム含有遷移金属を用いた4V級リチウムイオン二次
電池は非常に高いエネルギー密度を有する点で広く実用
化されているが、電解液に有機溶媒を用いているため誤
使用で発火等を引き起こすということから安全性の確保
には細心の注意が払われてる。
【0006】特にリチウムイオン二次電池は過充電され
ると、負極表面に析出するリチウム金属上、また正極界
面で電解液の分解が起こる。それが引き金となって、電
池温度が上昇し、結果的に電解液の自己分解反応が爆発
的に起る。これがいわゆる暴走反応である。暴走反応が
起ると、電池温度は急激に上昇し、電解液の分解により
ガスが発生することから電池内圧も急上昇する。このと
き電池は発火、破裂、爆発を起す。
【0007】そのため、リチウムイオン二次電池の安全
性を確保する上で過充電防止は非常に重要である。現在
市販されているリチウムイオン電池では、電池パックに
電子回路(保護回路)を搭載して過充電を防止してい
る。さらに、この保護回路が壊れたときを想定して、セ
パレータの熱ヒューズ機能、安全弁、PTC素子といっ
た二次的な安全装置も搭載している。
【0008】しかしながら、保護回路による過充電防止
技術はコストが高いという問題がある。単セルの場合、
電池パックの約三分の一が保護回路のコストとなってい
る。また単セルから組セルになるに伴い構造が複雑にな
り、電気自動車等の大型リチウムイオン二次電池の実用
化がなされていない一つの要因ともなっている。また、
電子回路による制御なので壊れるという問題があり必ず
しも安全とは言い切れない。壊れたときを想定して二次
的な安全装置が搭載されているが、これらは過充電その
ものを防止するものではないので確実に安全とは言い切
れない。例えば、セパレータがメルトダウンしてしまう
とその機能を失う。この間に電池温度が低下すればよい
が、そうでないときは爆発することが想定される。
【0009】電子回路を用いる技術とは別の過充電防止
技術として、添加剤を用いたケミカルな反応を利用する
ものがある。これらの添加剤は電解液、電極といった電
池内のさまざまな場所に添加される。添加剤が反応する
とガスを発生し過充電される前に安全弁を作動させる技
術など、添加剤の作用・効果はさまざまである。
【0010】上記のような添加剤を用いる例として、特
開平6−338347号公報、特開平7−302614
号公報に提案されている酸化還元種(レドックスシャト
ル)を添加するものが挙げられる。これらでは、電解液
に4.0〜4.5Vの酸化還元電位を有する化学種を添
加し、この化学種の正負極間における酸化還元反応で過
充電電流を消費させ過充電に至るのを防止する。しか
し、酸化還元種の電極反応速度及び電解液中の拡散を考
えると、1C以上の急速充電において過充電電流を消費
するためには多量に添加する必要がある。このような多
量な添加は電池特性の低下を招き好ましくない。また、
溶解性の問題から1Cといった電流を消費するだけ添加
できないといった問題もある。このような問題からレド
ックスシャトルいわれる酸化還元試薬の添加は採用され
ていないのが現状である。
【0011】また、速度論的に高レート充電の場合は安
全性の確保が難しく過充電が十分保護される前に暴走反
応が起きてしまうことが十分考えられる、あるいは過充
電を十分保護しようと添加剤を多量に添加すると、電池
特性の低下を招きがちであるなど、添加剤を用いる過充
電防止手段は制御が難しく、採用されていないのが現状
である。
【0012】また、特開2000−67917号公報に
は、過充電時にリチウムデンドライトの成長を抑制する
ネットワーク構造ゲル状ポリマー電解質をセパレータと
して用いて、過充電特性を向上させる技術が紹介されて
いる。しかし、十分な過充電特性を得るためには膜厚が
40μm以上は必要である。一方で、セパレータの膜厚
を上げることは電池のエネルギー密度を低下させること
になる。現在のリチウムイオン二次電池のセパレータが
膜厚25μm程度であることを考えると、この技術を適
用したとき電池のエネルギー密度は現存のリチウム二次
電池に比べ低下するという欠点をこの技術は有してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、過充電は
リチウムイオン二次電池において非常に危険な状態であ
り、過充電から電池を保護する方法としては電子回路に
より制御する手段しかないのが現状である。しかし、電
子回路により制御する方法はコストが高く、組セルでは
構造が複雑になるという問題もある。しかも、電子回路
は壊れることもあり、確実に過充電を保護できるわけで
はない。
【0014】また、リチウムイオン二次電池には、電子
回路に加えて安全弁などの二次的な安全装置も搭載され
ているが、この安全装置も過充電されたときの電池の発
火等を抑えるもので過充電自体を防止するものではな
い。むしろ、例えば安全弁が開くような状態自体が危険
であり、本質的に安全な電池とは言い難い。
【0015】すなわち、本発明の目的は、過充電に対し
て本質的に安全なリチウムイオン二次電池用セパレー
タ、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供す
ることにある。
【0016】さらに本発明の目的は、より低コストで確
実な、過充電に対して本質的に安全なリチウムイオン二
次電池用セパレータ、及びそれを用いたリチウムイオン
二次電池を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リチウム
イオン二次電池において、例えば該電池用のセパレータ
に過充電前のインピーダンスに対する過充電後のインピ
ーダンスを特定数値以下となるような作用を持たせるこ
とによって、過充電により負極表面に析出する金属リチ
ウムを微細析出状態とすることができることを見出し
た。さらに、このわずかな析出量での金属リチウムが正
極界面に到達して電流を消費することで過充電が保護さ
れ、内部短絡が回避され、結果、過充電による異常な発
熱、電解液の分解という副反応の反応熱が抑制できるこ
とを見出して、本発明に到達したものである。
【0018】すなわち本発明は、リチウムイオン二次電
池の定格容量に対する充電率250%のときの該電池の
インピーダンスを、該定格容量に対する充電率60%の
ときの該電池のインピーダンスに対して110%以下に
抑制する作用を有するリチウムイオン二次電池用セパレ
ータである。
【0019】また本発明は、正極にリチウム含有遷移金
属酸化物を用い、負極にリチウムをドープ・脱ドープ可
能な炭素材料を用いるリチウムイオン二次電池であっ
て、該電池の定格容量に対する充電率250%のときの
該電池のインピーダンスを、該定格容量に対する充電率
60%のときの該電池のインピーダンスに対して110
%以下に抑制する作用を有するリチウムイオン二次電池
である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のリチウム二次電池用セパレータは、リチ
ウム二次電池の定格容量に対する充電率250%のとき
の該電池のインピーダンスを、該定格容量に対する充電
率60%のときの該電池のインピーダンスに対して11
0%以下に抑制する作用、すなわち過充電時のインピー
ダンス上昇を、充電率に対して特定比率以下に抑制する
作用を有することを特徴とする。この作用は以下のよう
な方法で確認することが可能である。
【0021】リチウムをドープ・脱ドープすることが可
能な炭素系材料を負極活物質に用い、リチウム含有遷移
金属酸化物を正極活物質に用いた通常のリチウムイオン
二次電池に用いられる正負極を直径15mmの円盤に打
ち抜き、これらをセパレータを介して接合させ、電解液
を含浸させることでリチウムイオン二次電池を作製す
る。ここで電解液は通常のリチウムイオン二次電池に用
いられるものであればよい。
【0022】このリチウムイオン二次電池の定格容量を
通常の方法で測定する。例えば、正極活物質にコバルト
酸リチウムを用い、負極活物質にリチウムをドープ・脱
ドープ可能な炭素系材料を用いたリチウムイオン二次電
池においては、4.2Vまでに定電流・定電圧充電、
2.75Vカットオフの定電流放電により定格容量は決
定できる。ここで充放電電流は0.2C以下でおこなう
ことが一般的である。
【0023】本発明のセパレータが有する過充電時のイ
ンピーダンス上昇抑制作用は、上記のような定格容量を
決定した電池を充電率60%と充電率250%のときの
インピーダンスを交流法により測定することで評価でき
る。ここで充電率は定格容量に対する充電の割合を示
す。また、過充電電流は1〜3Cを採用して評価する。
過充電時の充電率及び充電電流は、(社)電池工業会発
行のリチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン(S
BA G 1101−1997)に準じて設定してい
る。交流法でのインピーダンスの測定は、規定の充電率
まで充電した電池を開回路電圧を中心に10mVの振幅
で20kHzの周波数の交流を印加して行われる。
【0024】充電率250%のインピーダンスが充電率
60%のインピーダンスの110%以下に抑制されるこ
とにより、過充電時のジュール熱による発熱を抑えら
れ、電解液の分解といった副反応も起こらず、このよう
な副反応の反応熱も抑えることができる。これにより、
過充電時の異常な発熱は回避され安全性の高いリチウム
二次電池を提供することが可能となる。
【0025】具体的に、このような作用を有するセパレ
ータとしては、例えば、通常のリチウムイオン二次電池
用セパレータであるポリオレフィン微多孔膜に曲路率1
の孔を空けたようなものから、不織布で補強されたゲル
電解質膜、不織布といった形態等が考えられる。
【0026】ポリオレフィン微多孔膜としては、例えば
特開昭60−23954号公報などに記載されたものを
挙げることができる。また、不織布で補強されたゲル電
解質膜の不織布としては、目付が20g/m2以下で膜
厚35μm以下であることが好適であり、ゲル電解質膜
を構成するポリマーとしては、例えばポリエチレンオキ
サイド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン
を主体とするものを挙げることができる。
【0027】次に、本発明のリチウムイオン二次電池に
ついて説明する。本発明のリチウムイオン二次電池は、
正極にリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチ
ウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を用いるリチウ
ムイオン二次電池であって、該電池の定格容量に対する
充電率250%のときの該電池のインピーダンスを、該
定格容量に対する充電率60%のときの該電池のインピ
ーダンスに対して110%以下に抑制する作用を有する
リチウムイオン二次電池である。
【0028】このようなリチウムイオン二次電池は、例
えばセパレータとして前述したような作用を有するセパ
レータを用い、その他、電極及び電解液等は以下に示す
ような従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを用
いることができる。
【0029】本発明のリチウムイオン二次電池は、負極
にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素系材料を、正
極にリチウム含有遷移金属酸化物を用いる。これら正負
極は、リチウムをドープ・脱ドープする活物質、この活
物質を結着させ電解液に膨潤するバインダーポリマー、
電子電導性向上のための導電助剤、集電体で構成され
る。該電極はゲル化し電解液を保持できる構造になって
いても構わない。
【0030】正極活物質としては、種々のリチウム含有
遷移金属酸化物を挙げることができるが、特にこれに限
定されるものではなく、いわゆる4V級リチウム二次電
池に用いる活物質であれば構わない。リチウム含有遷移
金属酸化物の例としてLiCoO2などのリチウム含有
コバルト酸化物、LiNiO2などのリチウム含有ニッ
ケル酸化物、LiMn24などのリチウム含有マンガン
酸化物などを挙げることができる。
【0031】負極活物質にはリチウムイオンを吸蔵放出
する炭素材料が用いられる。炭素材料としては、ポリア
クリロニトリル、フェノール樹脂、フェノールノボラッ
ク樹脂、セルロースなどの有機高分子化合物を焼結した
もの、人造黒鉛や天然黒鉛を挙げることができる。
【0032】活物質を結着させ電解液に膨潤するバイン
ダーポリマーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVd
F)、PVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)
やパーフロロメチルビニルエーテル(PFMV)及びテ
トラフロロエチレンとの共重合体などのPVdF共重合
体樹脂、ポリテトラフロロエチレン、フッ素ゴムなどの
フッ素系樹脂や、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体などの炭化水素ポリマ
ーや、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド樹脂な
どを用いることができるが、これに限定されるものでは
ない。また、これらは単独でも2種類以上を混合して用
いても構わない。
【0033】集電体としては、正極に用いるものは酸化
安定性の優れた材料、負極に用いるものは還元安定性に
優れた材料で作られた箔またはメッシュが好適に用いら
れる。具体的には正極にはアルミニウム、ステンレスス
チール、ニッケル、炭素などを、負極には金属銅、ステ
ンレススチール、ニッケル、炭素などを挙げることがで
きる。特に、正極にはアルミニウム箔またはメッシュ、
負極には銅箔またはメッシュが好適に用いられる。
【0034】導電助剤としては人造黒鉛、カーボンブラ
ック(アセチレンブラック)、ニッケル粉末などが好適
に用いられる。負極においては、この導電助剤を含まな
くても構わない。
【0035】本発明のリチウムイオン二次電池には極性
有機溶媒に電解質としてリチウム塩を溶解した電解液が
好適に用いられる。
【0036】使用する有機溶媒はリチウムイオン二次電
池に一般に用いられている炭素数10以下の極性有機溶
媒であれば特に限定はしない。例えば、プロピレンカー
ボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブ
チレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル
エチルカーボネート(MEC)、1,2−ジメトキシエ
タン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DE
E)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルフォラ
ン、アセトニトリル等を挙げることができる。これらの
極性有機溶媒は単独で用いても、2種類以上混合して用
いてもよい。特に、PC、EC、γ−BL、DMC、D
EC、MEC及びDMEから選ばれる少なくとも1種類
以上の有機溶媒が好適に用いられる。
【0037】前記の有機溶媒に溶解するリチウム塩とし
ては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フ
ッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウ四フッ化リチ
ウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAs
6)、トリフロロスルホン酸リチウム(LiCF3SO
3)、リチウムパーフロロメチルスルホニルイミド[L
iN(CF3SO22]及びリチウムパーフロロエチル
スルホニルイミド[LiN(C25SO22]等が挙げ
られる。また、これらは混合して用いても構わない。溶
解するリチウム塩の濃度としては、0.2〜2Mの範囲
が好適に用いられる。
【0038】電池の形態は円筒型、角型、ボタン型、フ
ィルム外装型等どのようなものでもよく、これは特に限
定しない。
【0039】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の内容を具体的
に説明する。
【0040】[実施例1] <セパレータの作製>フッ化ビニリデン(VdF):ヘ
キサフルオロプロピレン(HFP):クロロトリフルオ
ロエチレン(CTFE)=89.1:5.1:3.8
(重量比)となるようなフッ化ビニリデン共重合体を
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)と平均分子
量400のポリプロピレングリコール(PPG)との6
/4(重量比)の混合溶媒に50℃にて溶解し、ポリマ
ー濃度10重量%の製膜用ドープを調製した。得られた
製膜用ポリマードープを太さ0.9dtexのm−アラ
ミド短繊維からなる目付け15g/m2、膜厚30μm
の不織布状シートに含浸塗布後、DMAcの40重量%
水溶液に浸漬し膜の凝固をおこなった。次いで、水洗、
乾燥をおこない膜厚35μmの多孔質薄膜を作製した。
【0041】このセパレータを直径19mmの円形に打
ち抜き、直径19mmで円形の銅電極とリチウム電極間
に挟み、1M LiBF4を溶解したPC/EC(1/
1重量比)電解液を含浸させてセルを作製し、電流密度
2mA/cm2で銅電極にリチウム金属を析出させセル
にインピーダンスを交流法により測定した結果、周波数
1Hzにおけるセルのインピーダンスは1時間以内に5
0Ω・m以下になった。
【0042】<電極の作製>コバルト酸リチウム粉末8
9.5重量部とカーボンブラック4.5重量部とポリフ
ッ化ビニリデン(PVdF)の乾燥重量が6重量部にな
るように5.1重量%のPVdFのN−メチルピロリド
ン(NMP)溶液を用い、正極材ペーストを作製した。
得られたペーストを厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾
燥後プレスし、活物質層の厚さが100μmの正極を作
製した。炭素質負極材としてメゾフェーズカーボンマイ
クロビーズ(MCMB6−28)粉末87重量部とカー
ボンブラック3重量部とPVdFの乾燥重量が10重量
部になるように、5.8重量%のPVdFのNMP溶液
を用い、負極材ペーストを作製した。得られたペースト
を厚さ18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスし、活物質
層の厚さが107μmの負極を作製した。
【0043】<過充電評価>作製した正負極を直径15
mmの円に打ち抜き、セパレータを介して接合させ電解
液を含浸し、リチウムイオン二次電池を作製した。この
リチウムイオン二次電池を0.2C、4.2Vの定電流
・定電圧充電、0.2C、2.75Vカットオフの定電
流放電により定格容量を測定した結果、6.2mAhと
なった。この電池において、定格容量の60%充電をお
こなったときのインピーダンスと定格容量の250%の
インピーダンスを測定した。充電率60%のときのイン
ピーダンスに対する充電率250%のときのインピーダ
ンスの割合は95%であった。
【0044】[実施例2] <セパレータの作製>太さ0.55dtexのポリエチ
レンテレフタレート短繊維を用い、湿式紙抄法により目
付量10g/m2で製膜をおこない、170℃でカレンダ
ーをかけ平均膜厚20μmの不織布状のシートを得た。
この不織布状シートを用いて実施例1と同様のポリマー
ドープを用い、実施例1と同様の方法でセパレータを得
た。セパレータの膜厚は25μmであった。
【0045】このセパレータを直径19mmの円形に打
ち抜き、直径19mmで円形の銅電極とリチウム電極間
に挟み、1M LiBF4を溶解したPC/EC(1/
1重量比)電解液を含浸させてセルを作製し、電流密度
2mA/cm2で銅電極にリチウム金属を析出させセル
にインピーダンスを交流法により測定した結果、周波数
1Hzにおけるセルのインピーダンスは1時間以内に5
0Ω・m以下になった。 <過充電評価>実施例1で用いた電極を用いて、リチウ
ムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で
定格容量を測定した結果、この電池の定格容量は6.3
mAhであった。実施例1と同様の方法で過充電評価を
おこなった結果、充電率60%のときのインピーダンス
に対する充電率250%のときのインピーダンスの割合
は93%であった。
【0046】[実施例3] <セパレータの作製>膜厚25μmのセルガードTM2
400(Celgard社製)に直径2μmの針で、貫
通孔の開孔総面積がセパレータの表面面積の1%になる
ように曲路率1の貫通孔を空けた。このセパレータの空
孔率は38.6%であり、マクミラン数は6.7であっ
た。このセパレータを直径19mmの円形に打ち抜き、
直径19mmで円形の銅電極とリチウム電極間に挟み、
1M LiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量
比)電解液を含浸させてセルを作製し、電流密度2mA
/cm2で銅電極にリチウム金属を析出させセルにイン
ピーダンスを交流法により測定した結果、周波数1Hz
におけるセルのインピーダンスは1時間以内に50Ω・
m以下になった。
【0047】<過充電評価>実施例1で用いた電極を用
いて、リチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と
同様の方法で定格容量を測定した結果、この電池の定格
容量は6.2mAhであった。実施例1と同様の方法で
過充電評価をおこなった結果、充電率60%のときのイ
ンピーダンスに対する充電率250%のときのインピー
ダンスの割合は89%であった。
【0048】[実施例4] <セパレータの作製>ポリフェニレンスルフィドからな
る平均繊維径3.2μmの繊維を主繊維に平均繊維径
4.5μmの繊維をバインダー繊維にして、主繊維とバ
インダー繊維を重量比で1対1に混合し、ポリエチレン
テレフタレート繊維からなる不織布を湿式法により作製
し、カレンダー処理によって膜厚18μmにすることで
セパレータを得た。このセパレータの目付は12g/m
2であった。このセパレータを直径19mmの円形に打
ち抜き、直径19mmで円形の銅電極とリチウム電極間
に挟み、1M LiBF4を溶解したPC/EC(1/
1重量比)電解液を含浸させてセルを作製し、電流密度
2mA/cm2で銅電極にリチウム金属を析出させセル
にインピーダンスを交流法により測定した結果、周波数
1Hzにおけるセルのインピーダンスは1時間以内に5
0Ω・m以下になった。
【0049】<過充電評価>実施例1で用いた電極を用
いて、リチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と
同様の方法で定格容量を測定した結果、この電池の定格
容量は6.2mAhであった。実施例1と同様の方法で
過充電評価をおこなった結果、充電率60%のときのイ
ンピーダンスに対する充電率250%のときのインピー
ダンスの割合は85%であった。
【0050】[比較例1]セパレータとして膜厚25μ
mのセルガードTM2400(Celgard社製)を
用いて、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作
製した。この電池の定格容量は6.3mAhであった。
実施例1と同様の方法で過充電評価をおこなった結果、
充電率60%のときのインピーダンスに対する充電率2
50%のときのインピーダンスの割合は400%であっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば過充電時にインピーダン
スの上昇がなく、過充電に対して極めて安全なリチウム
イオン二次電池が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯松 宏昌 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 5H021 EE02 HH01 5H029 AJ06 AJ12 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 HJ19 HJ20 5H030 AA03 AS11 BB21 FF41

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極にリチウム含有遷移金属酸化物を用
    い、負極にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料
    を用いるリチウムイオン二次電池であって、該電池の定
    格容量に対する充電率250%のときの該電池のインピ
    ーダンスを、該定格容量に対する充電率60%のときの
    該電池のインピーダンスに対して110%以下に抑制す
    る作用を有するリチウムイオン二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウムイオン二次電池の定格容量に対
    する充電率250%のときの該電池のインピーダンス
    を、該定格容量に対する充電率60%のときの該電池の
    インピーダンスに対して110%以下に抑制する作用を
    有するリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 正極にリチウム含有遷移金属酸化物を用
    い、負極にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料
    を用いるリチウムイオン二次電池において、請求項2記
    載のリチウムイオン二次電池用セパレータを用いること
    を特徴とするリチウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003346904A (ja) * 2002-05-29 2003-12-05 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池

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