JP2002124194A - 中空電子ビーム放出用電子銃 - Google Patents

中空電子ビーム放出用電子銃

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JP2002124194A JP2001321479A JP2001321479A JP2002124194A JP 2002124194 A JP2002124194 A JP 2002124194A JP 2001321479 A JP2001321479 A JP 2001321479A JP 2001321479 A JP2001321479 A JP 2001321479A JP 2002124194 A JP2002124194 A JP 2002124194A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電を防止して安定な動作を行わせることの
できる中空電子ビーム放出用電子銃を提供することを目
的とする。 【解決手段】 この発明の中空電子ビーム放出用電子銃
は、電子放出環帯2を挟んで配設された前部電極及び後
部電極を有する陰極1と、電子を引き出すために陰極1
の周囲に設けた中空円筒状の陽極4と、電子放出環帯2
を加熱するヒータ22とを真空雰囲気中に配置する中空
電子ビーム放出用電子銃において、電子放出環帯2と前
部電極及び後部電極とが断熱用の間隙を持って配設さ
れ、電子放出環帯2の前部電極及び後部電極と対向する
端面部が高融点金属37で覆われると共に、電子放出環
帯2と高融点金属37とが滑らかな電極表面を形成する
ように加工されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば大電力マイク
ロ波もしくはミリ波を発生するジャイロトロン等の電子
管において、中空電子ビームを放出する電子銃の構造に
関するものであり、特に、電子銃部内での放電の防止に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は2つの観点から上記のような電
子銃部内での放電の防止という課題を解決しようとする
ものであり、ここではそれぞれの観点に対応する2つの
従来技術の例を挙げる。
【0003】ジャイロトロンに代表される電子サイクロ
トロン共鳴メーザ作用を利用した電子管は、マイクロ波
帯から、ミリ波、サブミリ波帯における高周波大電力源
として利用されつつある。
【0004】このようなジャイロトロンは、一般に図7
に示すように構成されている。図において、39は中空
電子ビーム47を発生する電子銃部、40はその電子ビ
ームを相互作用領域に導くビームトンネル部、41は空
胴共振器部、42は相互作用を終えた電子ビームを回収
するとともに上記空胴共振器部41で発生した電磁波4
3を伝送する導波管として働くコレクタ部、44は出力
窓部、45は導波管結合フランジ、46は磁界装置のソ
レノイドを表している。
【0005】本発明は、図7における電子銃部39に関
するものであり、これに関する第1の従来技術として、
例えば特開昭61−138430号公報に示されている
如く図8の電子銃を挙げる。この図において、1は陰
極、2は電子を放出する電子放出環帯、3は陰極支持機
構、4は陰極1の周囲に設けられた中空円筒状で同軸形
の陽極、5はヒータ線、6はヒータ支持柱、7は各電極
間を絶縁する絶縁体、8はヒータ線と陰極間を絶縁する
絶縁体、9はこの電子銃から発せられる電子ビーム中の
電子軌道の一例、48は電子銃部に磁場を発生するため
のマグネット、49は電子銃部を排気するための排気ポ
ートである。
【0006】次に動作について説明する。陰極1は陰極
支持機構3により支えられており、陽極4によって囲ま
れている。陰極1の付近にはマグネット48によりある
強度の軸方向磁場がかけられている。陰極1の内部には
電子放出環帯2を加熱するためのヒータが設置されてお
り、これへの電力はヒータ線5、ヒータ支持柱6を通し
て供給される。各電極間は絶縁体7で絶縁されている。
陽極4はビームトンネル部40等を含むジャイロトロン
本体に対し負の電圧が印加され、陰極1は陽極4に対し
更に負の電圧が陰極支持機構3を通して印加される。電
子銃部の排気は主に排気ポート49を通して行われる。
【0007】電子放出環帯2はヒータにより加熱され、
電子を放出する。電子は陰極1と陽極4間の電界により
加速され、マグネット48に発生されている軸方向磁場
に巻き付くように螺旋状の軌道を描きながら進む。さら
に、図7において、電子銃部39より引き出された中空
状電子ビームは、ビームトンネル部40を通過し、通
常、円筒状空胴からなる空胴共振器部41における固有
モードと電子サイクロトロン共鳴メーザ相互作用により
相互作用し、電子の運動エネルギーの一部が電磁波に変
換された後、コレクタ電極部に回収される。
【0008】第2の従来技術の例として、例えば特開平
3-238734号公報に示されている図9の電子銃を挙
げる。この電子銃は、電子を発生する電子放出環帯2、
電子放出環帯2に隣接し、これと同電位である前部電極
30および後部電極31、これら3つの電極から構成さ
れる陰極1、陰極1から電子を引き出すための電位を形
成し、陰極1の周囲に同軸状に配設されている中空円筒
状の陽極4、これらの電極間の絶縁を保つ絶縁体7、電
子放出環帯2を加熱するヒータ5を備えている。次に、
動作について説明する。電子ビームは、熱電子放出作用
により電子放出環帯2の表面から引き出される。その際
電子ビームは、前部電極30、後部電極31、電子放出
環帯2からなる陰極1と陽極4によって形成される電界
分布と、外部から印加される軸方向磁界によって、エネ
ルギー分散の小さい所望の中空状電子ビームを形成す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】まず、第1の従来技術
による電子銃の持つ課題について説明する。電子銃動作
時において陰極1は高温になり、熱伝導および熱輻射に
よって周辺の各種構成部品も加熱され、これらの部品か
らガスが放出される。また、電子放出環帯2から電子が
放出されるときにもガスが放出されるなど、電子銃内に
は真空度を劣化させる要因が多い。真空度の劣化は得ら
れる電子ビームの電流を低下させたり、電極間の放電を
誘発し、構成部品に損傷を与える原因になったりする。
特に、図8の陰極1より左側の陰極支持機構3周辺部の
空間に入り込んだガスは、陰極1と陽極4間の間隙を通
して排気されるのみである。しかし、この間隔は狭く、
この部分の排気コンダクタンスが小さいために、陰極支
持機構3周辺部の排気が行われにくく、真空度が劣化
し、電極間の放電を誘発するに至るという問題点があっ
た。
【0010】次に、第2の従来技術による電子銃の持つ
課題について説明する。この電子銃の陰極1における前
部電極30、後部電極31は帯状の電子放出環帯2から
射出される電子ビームを所定の性能にするために不可欠
な電極であり、なめらかな等電位面を形成するという意
味で、それらの外周面はなめらかに接合されていなけれ
ばならない。
【0011】しかし、前部電極30、電子放出環帯2、
後部電極31が一体化され、表面が接触した構成では、
連続面を形成しやすい反面、電子放出環帯2を加熱する
ヒータ5の熱が、前部電極30、後部電極31まで及
び、電子放出環帯2を所定の温度まで加熱するために要
するヒータ電力が大きくなるとともに、これらの電極ま
でも高温に熱する。これらの前部電極30および後部電
極31は通常モリブデンのような高融点金属で構成さ
れ、動作初期には表面から電子が放出されることはない
が、長時間の動作に伴って電子放出環帯2から蒸発した
バリウム等の電子放出物質がこれらの電極表面に付着し
て不所望な電子放出を起こす可能性がある。さらに、前
部電極30、後部電極31表面からの不所望な電子放出
を防ぐために、これらの電極を熱的に分離した構成にし
た場合には、電子放出環帯2の端面やエッジ部から動作
にまったく不都合な電子を大量に放出する可能性があ
る。これらの電子は、空胴共振器部で電子サイクロトロ
ン共鳴メーザ相互作用を効率よく行わせるためのビーム
集束条件を満足するように形成されていないので、相互
作用に悪影響を及ぼすだけでなく、陽極4に流入し陽極
電流過大を起こし、陽極電圧制御を不能にしたり、陰極
1と陽極4との間の放電の引き金になったりして、電子
銃自体の動作が不安定になるという問題点があった。
【0012】この発明は上記2つの従来技術による電子
銃の持つ、電極間の放電を起こし易く、動作が不安定で
あるという問題点を解消するためになされたもので、陰
極支持機構周辺部の排気を容易にし、また、陽極に流入
する電流を抑えることによって、放電を防止して安定な
動作を行わせることのできる中空電子ビーム放出用電子
銃を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係わる中空電子ビーム放出用電子銃は、電子放出環帯と
前部電極及び後部電極とが断熱用の間隙を持って配設さ
れ、上記電子放出環帯の上記前部電極及び後部電極と対
向する端面部が高融点金属で覆われると共に、上記電子
放出環帯と上記高融点金属とが滑らかな電極表面を形成
するように加工されたものである。
【0014】請求項2に記載の発明に係わる中空電子ビ
ーム放出用電子銃は、電子放出環帯近傍の前部電極及び
後部電極部を他の部分より薄く加工すると共に、上記前
部電極、電子放出環帯、及び後部電極の表面が滑らかに
連続につながるようにこれらを密着固定したものであ
る。
【0015】請求項3に記載の発明に係わる中空電子ビ
ーム放出用電子銃は、電子放出環帯と前部電極及び後部
電極とが、断熱的な高融点絶縁物を介して密着固定され
たものである。
【0016】請求項4に記載の発明に係わる中空電子ビ
ーム放出用電子銃は、請求項3のものにおいて、高融点
絶縁物の表面を導体薄膜で覆ったものである。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明における中空電子ビーム
放出用電子銃では、電子放出環帯と前部電極及び後部電
極とが断熱用の間隙を持って配設され、上記電子放出環
帯の上記前部電極及び後部電極と対向する端面部が高融
点金属で覆われると共に、上記電子放出環帯と上記高融
点金属とが滑らかな電極表面を形成するように加工され
たので、電子放出環帯端面からの不要な電子放出が抑え
られ、陽極との間の放電を抑制して、さらに電子放出環
帯端付近における電界の歪を抑えて、安定に動作する電
子銃を得ることができる。
【0018】また、請求項2に記載の発明における中空
電子ビーム放出用電子銃においては、電子放出環帯近傍
の前部電極及び後部電極部を他の部分より薄く加工する
と共に、上記前部電極、電子放出環帯、及び後部電極の
表面が滑らかに連続につながるようにこれらを密着固定
したので、電子放出環帯と前部電極及び後部電極との熱
絶縁を保ちつつ、電子放出環帯端面やエッジ部からの不
要な電子の放出を防ぐことができ、陽極との間の放電を
抑制して、さらに電子放出環帯端付近における電界の歪
を抑えて、安定に動作する電子銃を得ることができる。
【0019】また、請求項3に記載の発明における中空
電子ビーム放出用電子銃においては、電子放出環帯と前
部電極及び後部電極とが、断熱的な高融点絶縁物を介し
て密着固定されたので、不要な部分からの不所望な電子
の放出を防ぐことができ、陽極との間の放電を抑制し
て、安定に動作する電子銃を得ることができる。
【0020】また、請求項4に記載の発明における中空
電子ビーム放出用電子銃においては、高融点絶縁物の表
面を導体薄膜で覆ったので、請求項3で述べた効果に加
えて、電子放出環帯端付近における電界の歪を抑えるこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、この発明による電子銃の一実施例を図
1に示し、これについて説明する。図において、2は中
空状電子ビームを放出する例えばタングステンからなる
電子放出環帯であり、その前部電極30及び後部電極3
1と対向する両端面は電子を放出しにくい例えばモリブ
デン等の高融点金属から成るプレート32がロウ接等で
固着され、金属プレート32は電子放出環帯2と共に一
体加工されてなめらかな電極表面を形成している。この
電子放出環帯は33a、33bで示された支持体によっ
て前部電極30、後部電極31にそれぞれ間隙を持って
断熱的に固定されて、陰極1を構成する。この陰極1と
陰極1の周囲に同軸的に配設されている中空円柱状の陽
極4との間に印加される電位差と、軸方向に印加されて
いる軸方向磁界によって、中空電子ビームが図の上方に
引き出される。
【0022】次に動作について説明する。リング状に形
成された電子放出環帯2は、電子放出物質が含浸されて
おり、内部に備えるヒータ50によって加熱され、熱電
子放出作用によって、電子を放出する。前部電極30、
電子放出環帯2、後部電極31によって構成される陰極
1と、陽極4との間に印加される電位差によって、これ
ら電極間の空間に形成される電界分布と、外部から印加
される軸方向磁界分布の組み合わせにより、電子は所定
の軌道を描いて引き出される。特に、電子の初期速度や
速度分散は、前部電極30、電子放出環帯2、後部電極
31から構成される陰極1の表面形状で決定されるの
で、電子放出環帯2付近の表面での電界分布を乱すよう
な不連続は避けなけらばならない。しかるに、電子放出
環帯2以外の電極からの電子放出を避けるためには、前
部電極30、後部電極31と電子放出環帯2との間を熱
的に分離しなければならないという矛盾が起こる。そこ
で、図1に示されているように電子放出環帯2の両端面
に厚さの薄い高融点金属のプレート32をロウ接等によ
って固着させ電子放出環帯2と共に一体加工することに
よって、電子放出環帯2表面付近の電界の乱れ、特に電
子放出環帯2エッジ部の電界の乱れを緩和できる。ま
た、電子放出環帯2と前部及び後部電極30、31との
断熱的な隙間35は、電子放出環帯2と陽極4との間隔
に比べて十分に小さいので、電子放出環帯2表面以外の
空間においても電界の乱れは十分小さい。
【0023】図2は、図1の陰極1を電子ビームの下流
側から見たときの様子を示したものである。金属プレー
ト32の存在によって、更に、電子放出環帯端面部34
からの不必要な方向への電子放出が抑えられる。このプ
レート32が存在しない場合には、例えば、断熱的な隙
間35として0.3mmを選んだとしても、電子放出環
帯2面と中心軸とのなす角θが25度程度であると、電
子ビーム下流側から直接見える電子放出環帯端面部34
の半径方向の長さは、約0.14mmにもなり、この部
分からの電子は不必要な方向へ加速され、電子管の動作
に悪影響を及ぼす。なお、上記実施例では金属プレート
32を用いたが、図3に示したように、電子ビーム下流
側からみて電子放出環帯端面部34が見えない程度の幅
を持ったリング36を用いても同様の効果がある。
【0024】次に、この発明による電子銃の他の実施例
を図4に示し、これについて説明する。上記では、電子
放出環帯2と前部及び後部電極30、31との断熱構造
として微小間隙35を採用したが、この例では前部電極
30及び後部電極31の電子放出環帯2側の端部を断熱
性を保つ程度に他の部分より薄く加工すると共に、前部
電極30、電子放出環帯2、及び後部電極31の表面が
滑らかに連続につながるようにこれらを密着固定してい
る。上記の場合、微小とはいえ、電子放出環帯2表面と
前部及び後部電極30、31表面とは空間的に不連続で
あるので、電極表面付近の電界の乱れは避けられない。
これに対し、この実施例によれば、断熱性能は若干劣る
が、電極表面に不連続が存在しないので、不所望な方向
への電子の放出が防止できる。また、電子放出環帯2の
端面部も露出されないので不要な部分からの電子放出も
防ぐことができる。
【0025】次に、この発明による電子銃の他の実施例
を図5に示し、これについて説明する。上記の実施例で
は電子放出環帯2と前部及び後部電極30、31との断
熱構造として、微小間隙や、薄い金属での接触を採用し
ているが、この例では、この断熱構造として、電子放出
環帯2と前部及び後部電極30、31との間に、熱伝導
率の小さい高融点の絶縁物を介在させている。図におい
て、37a及び37bは電子放出環帯2と前部及び後部
電極30、31との断熱を達成するために挟まれた例え
ばセラミックス等の高融点絶縁物である。図示のよう
に、電子放出環帯2端面が覆われているので、不要な部
分からの電子放出が防げる。
【0026】なお、この実施例では、高融点絶縁物37
a、37bの部分で、電界の不連続が存在するが、この
不連続を防止するために絶縁物37a、37bの表面を
導体薄膜で覆っても良い。図6はこの発明の一実施例の
要部を一部破断して示す斜視図である。図において、3
8は高融点絶縁物37a、37bの表面を覆う導体薄膜
である。このようにすることで、各々の電極表面間に電
界の不連続が起こるのを防止でき、電子の不所望な方向
や、予期しない初速度での放出を抑えることができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、電子放
出環帯と前部電極及び後部電極とが断熱用の間隙を持っ
て配設され、上記電子放出環帯の上記前部電極及び後部
電極と対向する端面部が高融点金属で覆われると共に、
上記電子放出環帯と上記高融点金属とが滑らかな電極表
面を形成するように加工されたので、電子放出環帯端面
からの不要な電子放出が抑えられ、陽極との間の放電を
抑制して、さらに電子放出環帯端付近における電界の歪
を抑えて、安定に動作する電子銃を得ることができる。
【0028】また、請求項2に記載の発明によれば、電
子放出環帯近傍の前部電極及び後部電極部を他の部分よ
り薄く加工すると共に、上記前部電極、電子放出環帯、
及び後部電極の表面が滑らかに連続につながるようにこ
れらを密着固定したので、電子放出環帯と前部電極及び
後部電極との熱絶縁を保ちつつ、電子放出環帯端面やエ
ッジ部からの不要な電子の放出を防ぐことができ、陽極
との間の放電を抑制して、さらに電子放出環帯端付近に
おける電界の歪を抑えて、安定に動作する電子銃を得る
ことができる。
【0029】また、請求項3に記載の発明によれば、電
子放出環帯と前部電極及び後部電極とが、断熱的な高融
点絶縁物を介して密着固定されたので、不要な部分から
の不所望な電子の放出を防ぐことができ、陽極との間の
放電を抑制して、安定に動作する電子銃を得ることがで
きる。
【0030】また、請求項4に記載の発明によれば、高
融点絶縁物の表面を導体薄膜で覆ったので、請求項3で
述べた効果に加えて、電子放出環帯端付近における電界
の歪を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る中空電子放出用電子銃を示す
断面図である。
【図2】 図1の中空電子放出用電子銃の陰極を電子ビ
ームの下流側からみた平面図である。
【図3】 この発明の中空電子放出用電子銃の陰極を示
す要部拡大図である。
【図4】 この発明の中空電子放出用電子銃の陰極を示
す要部拡大図である。
【図5】 この発明の中空電子放出用電子銃の陰極を
示す要部拡大図である。
【図6】 この発明の中空電子放出用電子銃の陰極を示
す要部拡大図である。
【図7】 従来のジャイロトロンを示す断面図である。
【図8】 従来の中空電子放出用電子銃の構成を示す断
面図である。
【図9】 従来の中空電子放出用電子銃の陰極付近を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 陰極 2 電子放出環帯 3 陰極支持機構 4 陽極 5 ヒータ線 7 絶縁体 8 ヒータ支持柱絶縁体 10 電圧供給導体 12 連通経路 14 貫通穴 15 陽極の外側を通る排気経路 16 接続部品 17 排気スリット 18 金属製網 19 非蒸発型ゲッタポンプ 22 ヒータ 23 連通経路 24 電界集中を緩和する部品 25 チタンゲッタポンプ 28 遮蔽板 29 電界集中を緩和する部品 30 前部電極 31 後部電極 32 金属プレート 33 支持体 34 電子放出環帯端面 35 断熱間隙 36 リング 37 高融点絶縁物 38 導体薄膜 39 電子銃部 40 ビームトンネル部 49 電子銃部排気ポート 50 ヒータ 51 金属筒 52 ガス吸着性物質

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出環帯を挟んで配設された前部電
    極及び後部電極を有する陰極と、電子を引き出すために
    上記陰極の周囲に設けた中空円筒状の陽極と、上記電子
    放出環帯を加熱するヒータとを真空雰囲気中に配置する
    中空電子ビーム放出用電子銃において、上記電子放出環
    帯と上記前部電極及び後部電極とが断熱用の間隙を持っ
    て配設され、上記電子放出環帯の上記前部電極及び後部
    電極と対向する端面部が高融点金属で覆われると共に、
    上記電子放出環帯と上記高融点金属とが滑らかな電極表
    面を形成するように加工されたことを特徴とする中空電
    子ビーム放出用電子銃。
  2. 【請求項2】 電子放出環帯を挟んで配設された前部電
    極及び後部電極を有する陰極と、電子を引き出すために
    上記陰極の周囲に設けた中空円筒状の陽極と、上記電子
    放出環帯を加熱するヒータとを真空雰囲気中に配置する
    中空電子ビーム放出用電子銃において、上記電子放出環
    帯近傍の上記前部電極及び後部電極部を他の部分より薄
    く加工すると共に、上記前部電極、電子放出環帯、及び
    後部電極の表面が滑らかに連続につながるようにこれら
    を密着固定したことを特徴とする中空電子ビーム放出用
    電子銃。
  3. 【請求項3】 電子放出環帯を挟んで配設された前部電
    極及び後部電極を有する陰極と、電子を引き出すために
    上記陰極の周囲に設けた中空円筒状の陽極と、上記電子
    放出環帯を加熱するヒータとを真空雰囲気中に配置する
    中空電子ビーム放出用電子銃において、上記電子放出環
    帯と上記前部電極及び後部電極とが、断熱的な高融点絶
    縁物を介して密着固定されたことを特徴とする中空電子
    ビーム放出用電子銃。
  4. 【請求項4】 高融点絶縁物の表面を導体薄膜で覆った
    ことを特徴とする請求項3記載の中空電子ビーム放出用
    電子銃。
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