JP2000215820A - ヘリックス型遅波回路 - Google Patents

ヘリックス型遅波回路

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JP2000215820A
JP2000215820A JP11014745A JP1474599A JP2000215820A JP 2000215820 A JP2000215820 A JP 2000215820A JP 11014745 A JP11014745 A JP 11014745A JP 1474599 A JP1474599 A JP 1474599A JP 2000215820 A JP2000215820 A JP 2000215820A
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Hajime Fukui
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J23/00Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
    • H01J23/16Circuit elements, having distributed capacitance and inductance, structurally associated with the tube and interacting with the discharge
    • H01J23/24Slow-wave structures, e.g. delay systems
    • H01J23/26Helical slow-wave structures; Adjustment therefor

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  • Microwave Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体による支持体における誘電損失を低減
できるようにしたヘリックス型遅波回路を提供する。 【解決手段】 ヘリックス型遅波回路は、磁極2、円環
状スペーサ3、磁石7によ形成された真空外囲器内の円
筒状空間4に配置される。ヘリックス型遅波回路は、金
属リボンを螺旋状に加工して作られたヘリックス5と、
このヘリックス5を円筒状空間4内に固定する複数個の
誘電体支持棒13を備えている。この誘電体支持棒13
は略長方形の断面形状を有し、かつ、長手方向に複数の
孔14が設けられている。孔14が設けられていること
により、等価的な比誘電率を低下でき、電子ビーム通路
での電界強度が高められるため、進行波管の効率を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリックス型遅波
回路に関し、特に、進行波管に用いられ、その真空外囲
器内に誘電本支持棒を用いてヘリックスが支持固定され
る構造のヘリックス型遅波回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】進行波管は、衛星通信やレーダ等に使用
される高出力マイクロ波送信装置の増幅器として使用さ
れている。進行波管は、集束された電子ビームを取り出
す電子銃部、この電子ビームと高周波電界の相互作用に
よリマイクロ波を増幅する高周波回路部、相互作用を終
えた電子ビームを捕捉し熱に変換するコレクタ部、上記
電子ビームを集束させるための磁界を発生させる集束装
置等を備えて構成されている。上記高周波回路部は、マ
イクロ波を伝搬させる遅波回路を備えている。この遅波
回路の代表的なものとして、ヘリックスを用いたヘリッ
クス型遅波回路がある。
【0003】図4は従来のヘリックス型遅波回路の第1
の構成例を示す。図4の(a)は縦断面図を示し、図4
の(b)は(a)のB−B断面図を示している。図4に
おいて、真空外囲器1は、複数個の略円環状の磁極2と
それらの間の円環状スペーサ3を一体的に接合して構成
され、その中央部には円筒状空間4が設けられている。
この円筒状空間4は、真空にして使用される。真空外囲
器1の中心部には、金属リボンを螺旋状に延伸加工した
ヘリックス5が配設されている。このヘリックス5は、
真空外囲器1の円筒状空間4内に120度間隔で配置さ
れた3つの誘電体支持棒6によって等角度に支持固定さ
れている。また、円環状スペーサ3のそれぞれの外側に
は、電子ビームを集束させるための磁界発生源としての
円環状磁石7が設けられている。
【0004】誘電体支持棒6には、従来、円柱状や円筒
状の支持棒が使用されてきた。しかし、近年において
は、誘電体による高周波損失を低減するため、略長方形
のもの、真空外囲器1側に向かって幅を広くした楔形の
もの等が一般的になってきている。そして、真空外囲器
1との接触面は、熱伝達を良くするため、真空外囲器1
の内径に合わせた曲面形状を有し、ヘリックス5と真空
外囲器1との間の距離、すなわち誘電体支持棒6の高さ
は、ヘリックス5上を伝搬するマイクロ波に対し、真空
外囲器1の内径の金属面の影響を考慮して決められてい
る。一方、幅寸法は、ヘリックス5で発生する熱を逃が
すのに必要な熱伝導と機械的強度を有する範囲でできる
だけ薄くされ、誘電体による高周波損失を低減してい
る。また、誘電体支持棒6の素材には、誘電率がなるべ
く低く、かつ、熱伝導率の高いベリリアや窒化珪素など
の材料が使用される。
【0005】以上のような構成のヘリックス型遅波回路
を内蔵した進行波管は、電子銃から導かれた電子ビーム
がヘリックス5の内径の内側を通過し、ヘリックス5に
沿って伝搬するマイクロ波と相互作用を行うことによ
り、マイクロ波の増幅が行われる。
【0006】図5は従来のヘリックス型遅波回路の第2
の構成例を示す。図5に示すヘリックス型遅波回路は、
特開昭56−442号公報に示されているものであり、
円筒形の真空外囲器1の内部には、ヘリックス5が誘電
体を用いた誘電体支持棒8,9が1つの支持体として固
定されている。誘電体支持棒8,9による支持体は、3
個が用意され、これらは120度の等角度で配置されて
いる。支持体のそれぞれの端部は、ロウ付け或いはガラ
ス付けにより固着されている。
【0007】このような構造により、一つの円柱状誘電
体棒を使用する場合よりも、誘電体全体の体積を小さく
でき、誘電体損失を低減することができる。また、略長
方形、すなわち矩形の誘電体を使用する場合に比べて、
円柱状の加工は比較的容易であるため、コスト低減が可
能になる。
【0008】図6は従来のヘリックス型遅波回路の第3
の構成例を示す。このヘリックス型遅波回路は、実開昭
57−132362号公報に示されている。図中、
(a)は断面図を示し、(b)はヘリックスの部分拡大
図を示している。図6において、ヘリックス5の支持固
定には誘電体支持棒10が用いられ、その外側端は真空
外囲器1の内周面に接している。図6の(b)に示すよ
うに、誘電体支持棒10の外周面には、螺旋状の溝11
が刻まれている。この溝11による山の部分の誘電体表
面には、メタライズ12が施され、このメタライズ12
とヘリックス5がロウ付けにより固定されている。誘電
体支持棒10上に形成した溝11のピッチ間隔をヘリッ
クス5のピッチ間隔より短くすることによって、ロウ付
け処理が容易になる。更に、溝12を形成しているため
に、ヘリックス上を伝搬するマイクロ波に対する誘電体
損失を低減することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のヘリッ
クス型遅波回路によると、図4の構成では、誘電体支持
棒6の断面形状を略長方形にし、ヘリックス5の外径を
3mm程度にした場合、真空外囲器1の内径はヘリック
ス5の外径の2〜3倍、すなわち6mm〜9mm程度が
標準的な寸法になる。そして、誘電体支持棒6の高さ
は、1.5mm〜3mmとなる。この程度の高さとし、
材料にベリリアを用いた誘電体支持棒6では、機械的強
度を考慮すると、0.5mm程度の幅が必要になる。こ
の様な誘電体支持棒6を使用したヘリックス型遅波回路
では、誘電体の幅がゼロと仮定した場合、すなわち、ヘ
リックス5が空間に浮いていると仮定した場合に比較す
ると、誘電体による損失はおよそ10%程度増加する。
【0010】また、図5の構成では、誘電体支持棒6を
矩形にした図4の構成に比べ、同等あるいは同等以上の
損失値となり、特性改善の面では矩形の場合に比較して
効果は得られない。
【0011】さらに、図6に示された円柱状誘電体10
に螺旋状の溝11を設けた構成では、一例として、前記
のようにヘリックス外径が3mm程度の場合を考える
と、外囲器の内径が6〜9mm程度になることから、円
柱状誘電体10の直径は1.5mm〜3mmになる。こ
の場合、誘電体損失量を0.5mm幅の矩形誘電体と同
程度に抑えるためには、溝11の谷の部分の直径は0.
6mm程度になると想定されるので、円柱状誘電体の折
れに対する機械的強度が不充分になるという結論にな
る。したがって、誘電体損失を低減する効果の点では、
誘電体支持棒6の断面形状を矩形にする方法に対して
も、円柱状誘電体10に溝11を設けた構成では、有効
な解決策にはならない。
【0012】したがって、本発明の目的は、ヘリックス
を支持固定するための誘電体支持棒による損失を低減
し、進行波管に用いた場合の効率を改善できるようにし
たヘリックス型遅波回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、真空外囲器内に配置され、金属リボンを
螺旋状に加工して作られたヘリックスと、前記ヘリック
スを前記真空外囲器内に固定する複数個の誘電体による
支持体を備えたヘリックス型遅波回路において、前記支
持体は、略長方形の断面形状を成し、かつ、複数の孔が
設けられていることを特徴とするヘリックス型遅波回路
を提供する。
【0014】この構成によれば、誘電体による支持体が
略長方形の断面形状を成していることによりマイクロ波
の損失が低減され、また、支持体の長手方向に設けられ
た複数の孔は、誘電体の誘電率を低下させるように機能
する。したがって、ヘリックスに沿って伝搬するマイク
ロ波に対する誘電体による損失が低下し、ヘリックス型
遅波回路を進行波管に用いた場合、その効率を向上させ
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明によるヘリックス
型遅波回路の第1の実施の形態を示す。図1の(a)は
縦断面図を示し、図1の(b)は(a)のA−A断面図
を示している。図1において、真空外囲器1は、複数個
の略円環状の磁極2とそれらの間の円環状スペーサ3を
一体的に接合して構成され、その中央部には円筒状空間
4が形成されている。この円筒状空間4の中心には、金
属リボンを螺旋状に加工したヘリックス5が配設されて
いる。ヘリックス5の支持固定は、真空外囲器1の円筒
状空間4内に120度間隔で配置された3つの支持体と
しての誘電体支持棒13によって行われている。また、
円環状スペーサ3のそれぞれの外側には、磁石7が設け
られている。
【0016】本発明による誘電体支持棒13の横断面形
状は、誘電体によるマイクロ波の損失を低減するため、
略長方形にしている。誘電体支持棒13の真空外囲器1
との接触面は、真空外囲器1の内径に合わせた曲面形状
にしている。さらに、誘電体支持棒13の幅寸法は、ヘ
リックス5で発生する熱を逃がすのに必要な熱伝導と機
械的強度を有する範囲で可能な限り薄くし、誘電体によ
る損失を低減している。また、ヘリックス5と真空外囲
器1との間の距離、すなわち、誘電体支持棒13の高さ
は、ヘリックス5を伝搬するマイクロ波に対し、真空外
囲器1の内径の金属面の影響を考慮して決定する。
【0017】さらに、誘電体支持棒13には、図1の
(a)に示すように、長手方向に複数の孔14が所定間
隔に設けられている。この孔14は、そのピッチをヘリ
ックス5のピッチに同期させて設け、かつ、ヘリックス
5と誘電体支持俸6の接触部の中間に設けられる。
【0018】次に、図1の構成によるヘリックス型遅波
回路の動作について説明する。進行波管は円筒状空間4
を真空にした状態において動作し、電子銃から導かれた
電子ビームはヘリックス5の内側を通過する。このと
き、電子ビームは数kVの加速電圧によって加速されて
いる。電子ビームの通路に円環状磁石7と円環状磁極2
により生成された磁界でヘリックス5に衝突しないよう
に、電子ビームの直径は、ヘリックス5の内径の60〜
80%になるように設定されている。
【0019】一方、マイクロ波はヘリックス5に沿って
伝搬する。マイクロ波と電子ビームが相互作用を行うよ
うにヘリックス5の巻きピッチを選ぶことにより、電子
ビームからマイクロ波にエネルギーが与えられ、マイク
ロ波が増幅される。ヘリックス5に沿って進行するマイ
クロ波によってヘリックス5の周囲にできる電磁界は、
ヘリックス5の周囲がすべて真空であるときに比較し
て、誘電体支持棒13の誘電体部分に電界が集中する。
このため、ヘリックス5の内部、すなわち、電子ビーム
の通路にできる電磁界の強度は低下する。この電磁界の
低下により、マイクロ波と電子ビームの相互作用が弱く
なり、進行波管の効率が低下する。このため、一般に
は、誘電体支持棒13の誘電体部に電界が集中しないよ
うに、誘電体支持棒13に誘電率の低い材料を用いると
共に、誘電体支持棒13の体積を極力小さくなるように
している。本発明の誘電体支持棒13の場合、その誘電
体中に孔14を設けているため、誘電体の体積を更に小
さくすることができ、実質的に誘電率を低減することが
可能になり、電子ビーム通路部の電磁界を強くすること
ができる。また、誘電体支持棒13は、ヘリックス5を
固定するための強度が必要であるが、孔14の直径およ
び数を最適な値とすることにより、強度の低下を防止す
ることができる。
【0020】更に、マイクロ波がヘリックス5に沿って
進むことにより、ヘリックス5の表面で電力損失が発生
する。特に、高出力の進行波管の場合、ヘリックス5の
材料の溶融に対して無視できないほどの熱が発生するた
め、ヘリックス5から誘電体支持棒13を介して熱を外
部に効率的に逃がすことが不可欠である。このため、誘
電体支持棒13の材料には熱伝導の良い材料が選ばれ
る。誘電体支持棒13に孔14を設けたことにより、そ
の分だけ誘電体支持棒13の熱伝導率が低下するので、
この点も考慮して孔14の直径と設置個数が選ばれる。
また、ヘリックス5と誘電体支持棒13の接触部間に孔
14を設ける場合、熱放散への寄与が少ない部分に孔1
4を配置すれば、ヘリックス5からの熱放散を殆ど損な
わない構成にすることができる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。一例
として、周波数14GHzで出力100Wのヘリックス
型遅波回路を想定する。このような進行波管の電子ビー
ムは、約6kVの加速電圧で加速され、電流量は150
mA程度の値である。このような電子ビームは、周期的
に配置されたサマリウムコバルト材料でできた円環状磁
石7によって生成され、円環状磁極2によって管軸付近
に作られる約2000ガウスの磁界によって集束されな
がらヘリックス5の内径の内側を通過する。ヘリックス
5及び誘電体支持棒13は、鉄製の円環状磁極2および
非磁性の金属による円環状スペーサ3がロウ付け等によ
り円筒状空間4内に固定されている。
【0022】ヘリックス5は、モリブデンやタングステ
ン等の高融点金属材料を用いて作られており、幅0.5
mm、厚さ0.2mm程度のリボンを螺旋状に巻いて形
成されている。ヘリックス5の巻きのピッチは1mm程
度の値であり、ヘリックス5の内径は約3mm程度の値
である。ヘリックス5の全長は、進行波管によって得よ
うとする利得により大きく異なるが、100mm〜25
0mm程度の長さとなる。
【0023】誘電体支持棒13の断面寸法は、半径方向
の高さが2mm程度、幅が0.5mm程度である。誘電
体支持棒13の素材は、誘電率ができるだけ低く、かつ
ベリリアや窒化珪素などの高い熱伝導率を有する材料が
使用されている。誘電体支持棒13に形成される多数の
孔14は、直径0.5〜1mm程度であり、孔14の中
心間隔は1mm〜3mm程度の値である。この孔14の
間隔は、ヘリックス5上での電力損失による発熱量が小
さい進行波管の入力部付近では小さくする。そして、伝
搬するマイクロ波電力が大きく発熱量の大きい出力部で
は、孔14によって熱伝達を損なわないように、孔14
のピッチを大きくする等の工夫も同時に行う。
【0024】また、孔14のピッチはヘリックス5の巻
きピッチ(約1mm)に一致させ、直径0.5mm程度
の孔14をヘリックス5の接触部から離れた位置に配置
し、ヘリックス5からの熱放散を損なわないようにして
いる。このように、多数個の孔14を設けたことによ
り、誘電体支持棒13に比誘電率が約6.5のベリリア
を使用した場合、誘電体損失を等価的に10〜30%低
下させることができ、5.85〜4.55の比誘電率の
材料を用いた誘電体支持棒13に相当する。このため、
誘電体支持棒13に電界が集中するのを低減することが
でき、電子ビーム通路部の電界を強くすることができ
る。また、誘電体支持棒13に沿ってマイクロ波が進行
する場合の誘電体による損失は誘電損率で効くが、この
等価的な値も低減させることができるため、ヘリックス
5に沿って進行するマイクロ波の誘電体による直接的な
損失も低減することができる。
【0025】以上の結果、図4に示した従来例と比較す
ると、誘電体が無いと仮定した場合に比較した誘電体の
存在による損失は、従来値から約8〜10%程度に低減
させることが可能になる。
【0026】(第2の実施の形態)図2は本発明のヘリ
ックス型遅波回路の第2の実施の形態を示す。ここで
は、ヘリックス5と誘電体支持棒13のみを示してい
る。本実施の形態は、誘電体支持棒13に形成する孔1
5の個数及び大きさが、図1の孔14よりも微小径で、
かつ多数であるところに特徴がある。他の構成は、図1
と同じである。また、孔15の密度は、ヘリックス5と
誘電体支持棒13の接触部付近では低密度にし、ヘリッ
クス5からの熱放散が損われないようにしている。誘電
体支持棒13の断面寸法を半径方向の高さ2mm程度に
した場合、孔15の直径は0.5mm以下の微小径にな
るが、このような場合、誘電体支持棒13を必ずしも貫
通させる必要はない。
【0027】第2の実施の形態における効果は、上記し
た第1の実施の形態と同様に、誘電体支持棒13の誘電
率及び誘電損率を等価的に低くできるため、ヘリックス
型遅波回路を有する進行波管の効率を向上させることが
できることにある。第1の実施の形態の効果と比較した
場合、ヘリックス5に沿って伝搬するマイクロ波による
電界強度はヘリックス5の近くほど強くなるが、第2の
実施の形態の方がヘリックス5のより近くに孔15を形
成することが可能になるため、ヘリックス5の近傍の等
価的誘電率を低減することが可能になり、より効果を高
めることができる。
【0028】(第3の実施の形態)図3は本発明による
ヘリックス型遅波回路の第3の実施の形態を示す。図3
に示すヘリックス型遅波回路の構成および動作は、図1
に示したヘリックス型遅波回路と同様であるが、誘電体
支持棒13の断面形状が真空外囲器1の方向に向かって
徐々に幅が広くなるようにした楔形の形状であるところ
が異なっている。そして、多数個の孔14は、図1と同
様に誘電体支持棒13の側面に設けられている。誘電体
支持棒13を楔形にした以外の構成は、図1の構成と同
じである。
【0029】本実施の形態における効果は、実施の形態
1と同様に、誘電体支持棒13の誘電率及び誘電損率を
等価的に低くできるため、ヘリックス型遅波回路を有す
る進行波管の効率を向上させることができることにあ
る。また、第1の実施の形態の効果と比較した場合、ヘ
リックス5の近辺での誘電体体積がより小さくなるた
め、必要な熱伝導率及び機械的強度を維持しながら、さ
らに誘電体による損失を低減することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のヘリックス
型遅波回路によれば、誘電体による支持体の断面形状を
略長方形にし、これに複数の孔を設けたので、支持体の
誘電率を等価的に低くし、ヘリックスの内径部の電子ビ
ーム通路部に発生するマイクロ波による電界強度を高く
し、電子ビームとマイクロ波の相互作用を強くできると
共に、支持体の等価的な誘電損を低下させることができ
るので、ヘリックスに沿って進行するマイクロ波の誘電
体損失を低下させることができる。したがって、本発明
によるヘリックス型遅波回路を用いた進行波管において
は、効率の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヘリックス型遅波回路の第1の実
施の形態を示し、(a)は縦断面図を示し、(b)は
(a)のA−A断面図を示している。
【図2】本発明のヘリックス型遅波回路の第2の実施の
形態を示す正面図である。
【図3】本発明によるヘリックス型遅波回路の第3の実
施の形態を示す断面図である。
【図4】従来のヘリックス型遅波回路の第1の構成例を
示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A断面
図である。
【図5】従来のヘリックス型遅波回路の第2の構成例を
示す断面図である。
【図6】従来のヘリックス型遅波回路の第3の構成例を
示し、(a)は断面図、(b)は部分拡大図である。
【符号の説明】
1 真空外囲器 2 磁極 3 円環状スペーサ 4 円筒状空間 5 ヘリックス 6,10,13 支持体 7 磁石 8,9 誘電体支持棒 11 溝 12 メタライズ 14,15 孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空外囲器内に配置され、金属リボンを
    螺旋状に加工して作られたヘリックスと、前記ヘリック
    スを前記真空外囲器内に固定する複数個の誘電体による
    支持体を備えたヘリックス型遅波回路において、 前記支持体は、略長方形の断面形状を成し、かつ、複数
    の孔が設けられていることを特徴とするヘリックス型遅
    波回路。
  2. 【請求項2】 前記孔は、そのピッチが、前記ヘリック
    スの巻きピッチに一致するように設定されていることを
    特徴とする請求項1記載のヘリックス型遅波回路。
  3. 【請求項3】 前記孔は、前記支持体の前記ヘリックス
    に接触しない部位には多く設けられ、前記ヘリックスに
    接触する部位には少なく設けられることを特徴とする請
    求項1記載のヘリックス型遅波回路。
  4. 【請求項4】 前記支持体は、横断面形状が前記真空外
    囲器側に向かって幅が広くなるようにした楔形であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のヘリックス型遅波回路。
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Cited By (3)

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