JP2913036B1 - 進行波管 - Google Patents

進行波管

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JP2913036B1
JP2913036B1 JP20422598A JP20422598A JP2913036B1 JP 2913036 B1 JP2913036 B1 JP 2913036B1 JP 20422598 A JP20422598 A JP 20422598A JP 20422598 A JP20422598 A JP 20422598A JP 2913036 B1 JP2913036 B1 JP 2913036B1
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勝志 北川
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Abstract

【要約】 【課題】 進行波管を使用した増幅器において、周波数
の比較的低いマイクロ波帯で、出力モニタ回路が大きく
なってしまうのを防止する。 【解決手段】 電子ビーム118を発生する電子銃部1
11と、前記電子ビーム118と螺旋119上を進行す
るマイクロ波との相互作用によりマイクロ波を増幅する
螺旋型高周波回路部112と、前記電子ビーム118を
捕捉するコレクタ部113とを備え、さらに前記螺旋型
高周波回路部112が有する前記螺旋119の出力側
と、前記電子ビーム118に沿ってその下流に位置する
前記コレクタ部113との間に、短尺螺旋131を有す
る付加的螺旋回路を設けるとともに該付加的螺旋回路に
接続された高周波出力取出部132を設置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波電力の
増幅器として使用される進行波管に係り、特にその高周
波回路部が螺旋を主要構成要素とする進行波管に関する
ものである。さらに細かく言えば、出力電力検知構造を
具備した進行波管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】進行波管は、高性能レーダ、衛星通信、
及びデータ伝送等に使用される高出力マイクロ波送信装
置の増幅器として使用されるものであり、その構造は、
集束された電子ビームを取り出す電子銃部と、電子銃部
と高周波電界の相互作用によりマイクロ波を増幅する高
周波回路部と、相互作用を終えた電子ビームを捕捉し熱
に変換するコレクタ部と、電子ビームを集束させる磁界
を発生させる集束装置等を主要構成要素とするものであ
る。進行波管として、高周波回路部のマイクロ波を伝搬
させる遅波回路に螺旋を使用した螺旋型進行波管が代表
的なものであり、その一例の縦断面図を図2に示す。
【0003】図2において、電子銃部111は、電子ビ
ーム118を射出する熱陰極114、熱陰極114を加
熱するヒータ116、熱陰極114から出た電子ビーム
118を集束するための集束電極115、加速電圧を印
加する陽極125、及び高電圧の陽極125や集束電極
115を絶縁支持する円筒形セラミック等の絶縁支持部
材117等から構成されている。
【0004】高周波回路部112は、金属のテープを螺
旋状に巻いた螺旋119、螺旋119を外側の円筒形構
体に対して支持する支持手段としての3本の誘電体支持
棒124、螺旋119に接続された同軸線路を形成する
高周波入力部122と高周波出力部123、電子ビーム
118を集束させる周期的に変化する磁界を発生させる
複数個の周期的に配置された磁石120及び磁界を電子
ビーム118の通路に導く周期的に配置された磁性材の
磁極ピース121、磁極ピース121間に設けられた非
磁性材の導体スペーサ133等から成る。磁極ピース1
21とスペーサ133との縦続接続体により前記円筒形
構体を構成している。螺旋119の巻きピッチは、螺旋
119のテープに沿って光の速度で進行するマイクロ波
の軸方向速度成分と電子ビーム118の軸方向速度がほ
ぼ一致するように選ばれている。
【0005】コレクタ部113は電子ビーム118を捕
捉するコレクタ電極126、このコレクタ電極126と
高周波回路部112との絶縁を行う円筒形セラミック等
の絶縁部材127等から構成される。
【0006】図2の進行波管において、電子銃部111
の熱陰極114から取り出された電子は、陽極125と
熱陰極114との間に印加された高電圧により加速され
るとともに、集束電極115により最適に形成される電
界分布と、複数個の磁石120及び磁極ピース121を
持つ集束装置で発生される磁界とにより集束され、電子
ビーム118として高周波回路部112の螺旋119の
中に導かれる。螺旋119上には高周波入力部122か
ら導かれたマイクロ波が伝搬し、電子ビーム118とほ
ぼ同じ速度で伝搬することによりマイクロ波は電子ビー
ム118との相互作用により増幅され、高周波出力部1
23から取り出される。マイクロ波との相互作用を終え
た電子ビーム118はコレクタ部113に捕捉され熱エ
ネルギに変換され管球外に放散される。
【0007】図2に示した進行波管で増幅された出力電
力を知る手段としては、図2に示すように進行波管に接
続する負荷回路128の導波路134の途中に方向性結
合器129を挿入し、分波したマイクロ波を検波器13
0で検波した後、電力計等により測定する構成が一般的
に用いられる。
【0008】また、図3に示す進行波管は、実開平1−
86044号に示された進行波管である。この図におい
て、1は電子銃、2はアノード、3はヘリックス、4は
コレクタ、9は電子ビーム、10は進行波管本体、12
は高周波の入力窓部、13は出力窓部、14は分布減衰
器、15は磁場装置、20はダミーヘリックス、21は
制御回路である。22は速度集中化装置で、ダミーヘリ
ックス20と制御回路21とにより構成されている。
【0009】図3に示す進行波管は、高周波の出力窓部
13とコレクタ4との間にダミーヘリックス20を設
け、このダミーヘリックス20には制御回路21が接続
されている。高周波回路のヘリックス3すなわち螺旋を
通過しマイクロ波との相互作用を終えた電子ビーム9は
エネルギをマイクロ波に与えたため速度の遅い電子を含
み、遅い電子は効率改善のためヘリックス3より電位低
下されたコレクタ4に入射した場合電位障壁によって戻
されることがある。図3に示された進行波管は、このよ
うなコレクタ4からの逆行電子を防ぐために、制御回路
21により電子の速度を集中化しようというものであ
る。従って外部に設けられた制御回路21から、なんら
かの信号をダミーヘリックス20に与えるようにしたも
のである。また、これによって、進行波管の出力レベル
を知ることを目的としたものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、進行波
管で増幅された出力電力の値を検知する手段としては、
負荷回路の途中に設けられた方向性結合器を使用するの
が一般的である。
【0011】導波路が導波管の場合には、導波管の管壁
に微小な穴を設け、ここから漏れるマイクロ波を主導波
管に接して設けた副導波管中に導くようにした方向性結
合器が通常用いられる。
【0012】一方、導波路が同軸線路の場合には、同軸
線路からマイクロストリップ線路上にマイクロ波を導
き、マイクロストリップ線路上で主導波路に近接して波
長の1/4の範囲にわたって副導波路を設置し、この副
導波路に誘起されたマイクロ波を同軸線路で取り出した
方向性結合器が広く使用されている。
【0013】いずれの場合にも、副導波路に生じるマイ
クロ波の電力量は主導波路の電力に対して充分小さい値
が選ばれ結合度を予め測定しておくことにより、副導波
路の電力量を測定することによって主導波路を伝送する
電力量を測定する。
【0014】このように通常使用される方向性結合器
は、マイクロ波でも比較的周波数の低い場合には波長も
長くなるためその寸法は大きいものが必要となる。例え
ば周波数が1.5GHzで矩形導波管を導波路として使
用した場合、その開口面の寸法は数十cm以上となり耐
電力を必要とする場合以外は実際上導波管を導波路とし
て使うことは現実的ではない。一方、同軸線路を使用し
た場合でも波長は約20cm程度となるため、方向性結
合器の寸法は、1/4波長の5cm程度は最低必要な長
さとなる。さらに100W以上の大電力を方向性結合器
により測定する場合にはマイクロストリップ線路の耐電
力性も問題となり放熱構造を含むためさらにその寸法は
大きいものが必要となる。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決し、進
行波管により増幅された電力値を僅かな体積の増加のみ
で容易に知ることのできる構成を具備した進行波管を提
供することを目的とする。本発明は、特にマイクロ波の
中でも比較的周波数が低く、大電力を扱う場合に有効と
なる。
【0016】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の進行波管は、電子ビームを発生する電子銃
部と、前記電子ビームと螺旋上を進行するマイクロ波と
の相互作用によりマイクロ波を増幅する螺旋型高周波回
路部と、前記電子ビームを捕捉するコレクタ部とを備え
る構成において、前記螺旋型高周波回路部が有する前記
螺旋の出力側と、前記電子ビームに沿ってその下流に位
置する前記コレクタ部との間に、短尺螺旋を有する付加
的螺旋回路を設けるとともに該付加的螺旋回路に接続さ
れた高周波出力取出部を設置したことを特徴としてい
る。
【0018】前記進行波管において、前記付加的螺旋回
路の高周波出力取出部と反対側の端末を、アースに短絡
させた構成としてもよい。あるいは、前記付加的螺旋回
路の高周波出力取出部と反対側の端末を、アースより浮
かせた構成としてもよい。
【0019】
【作用】螺旋型高周波回路部を通過した電子ビームは、
マイクロ波との相互作用によって速度変調を受け、軸方
向に沿って粗密になった電子密度分布を有している。こ
の粗密状態は、前記高周波回路部を通過した後、コレク
タに入射する際にも維持されているため、本発明に係る
コレクタの手前に設置された付加的螺旋回路に新たに高
周波電界を誘起する。誘起された高周波電界は電力とし
て短尺螺旋に繋がる高周波出力取出部より取り出され
る。この取り出された電力を直接検波器及び電力計で測
定することができる。ここで、電子ビームが受ける速度
変調は、増幅する高周波電力が大きくなるほど、すなわ
ち進行波管の入力電力を増加させて出力電力を増加させ
るほど変調度合いも大きくなり、付加的螺旋回路に誘起
される高周波電界は、進行波管の出力電力にほぼ比例す
ることになる。従って、この付加的螺旋回路に繋がる高
周波出力取出部の出力電力を測定することによって、進
行波管出力電力の大きさを知ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る進行波管の実
施の形態を図面に従って説明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態であり、通常の
進行波管の螺旋型高周波回路部112とコレクタ部11
3の間に独立した付加的な短尺螺旋131を持つ付加的
螺旋回路と螺旋131に接続された高周波出力取出部1
32を有する進行波管の縦断面図であり、高周波入力部
122、高周波出力部123及び高周波出力取出部13
2以外は中心軸に対し略回転対称構造であり、進行波管
内部は真空で動作するように封止されている。
【0022】電子銃部111、高周波回路部112、コ
レクタ部113は図2の従来の進行波管と同様構成を有
するものであり、同一又は相当部分に同一符号を付して
ある。
【0023】本発明の特徴となる付加的螺旋回路は短尺
螺旋131を有している。ここで、「短尺」とは、通常
の高周波回路部112の螺旋119よりも軸方向長さが
短いことを意味している。この付加的な短尺螺旋131
は高周波回路部112の通常の螺旋119と同様に金属
テープを加工したものであり、その長さは、電子ビーム
118によって高周波電界が誘起され検波器130で検
出できる必要最低限の螺旋ターン数が得られる長さを有
しており、通常1波長以下の長さであって、最低1ター
ンを構成できればよい場合もある。また、その短尺螺旋
131の巻きのピッチの長さは、通常の高周波回路部1
12の螺旋119より僅かに短い値となっている。これ
は、高周波電力の増幅に寄与した後の電子ビーム118
の平均速度はエネルギを失って遅くなっており、それと
マイクロ波の軸方向速度を同期させる必要があるからで
ある。付加的な短尺螺旋131も通常の螺旋119と同
様に、螺旋131の回りに120度おきに配置された支
持手段としての3本の誘電体支持棒124によって外側
の円筒形構体に対して支持されている。付加的な短尺螺
旋131の電子ビーム118に沿って最下流に位置する
端部は、同軸線路構造を有する高周波出力取出部132
の内導体に接続されている。また、高周波出力取出部1
32の同軸線路の途中には気密同軸窓が設置されセラミ
ック等の絶縁封止部材135によって真空封止がなされ
ている。高周波入力部122、高周波出力部123につ
いても同様に絶縁封止部材135によって真空封止がな
されている。前記付加的な短尺螺旋131の電子ビーム
118に沿って最上流に位置する端部は磁極ピース12
1とスペーサ133との縦続接続体からなる円筒形構体
(アース電位の導体として機能する)に接続することで
アースしてもよいし、あるいはアースから浮かして先端
開放構造としてもよい。
【0024】なお、その他の構成は、図2の従来の進行
波管と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付し
て説明を省略する。
【0025】次に本発明の実施の形態の動作について図
1を参照して説明する。
【0026】進行波管の基本的動作は図2の従来例で説
明したのと同様であり、電子銃部111の熱陰極114
から取り出された電子は、陽極125と熱陰極114と
の間に印加された数kVの高電圧により加速されるとと
もに、集束電極115により最適に形成される電界分布
と、複数個の磁石120及び磁極ピース121を持つ集
束装置で発生される磁界とにより集束され、電子ビーム
118として高周波回路部112の螺旋119の中に導
かれる。螺旋119上には高周波入力部122から導か
れたマイクロ波が伝搬し、電子ビーム118とほぼ同じ
速度で伝搬することにより、マイクロ波は電子ビーム1
18との相互作用により増幅され、高周波出力部123
から取り出される。一方、マイクロ波との相互作用を終
えた電子ビーム118はコレクタ部113に捕捉され熱
エネルギに変換され管球外に放散される。
【0027】螺旋型高周波回路部112を通過した電子
ビーム118は、マイクロ波との相互作用によって速度
変調を受け、軸方向に沿って粗密になった電子密度分布
を有している。この粗密状態は、高周波回路部112の
螺旋119を通過した後、コレクタ部113に入射する
際にも維持されているため、図1に示す付加的螺旋回路
の短尺螺旋131に新たに高周波電界を誘起する。誘起
された高周波電界は電力として螺旋131に繋がる高周
波出力取出部132より取り出される。この取り出され
た電力を直接検波器130及び検波器130に接続する
電力計で測定することができる。ここで、電子ビーム1
18が受ける速度変調は、螺旋型の高周波回路部112
で増幅する高周波電力が高くなるほど、すなわち進行波
管の入力電力を増加させて出力電力を増加させるほど変
調度合いも大きくなり、付加的な短尺螺旋131に誘起
される高周波電界は、進行波管の出力電力にほぼ比例す
ることになる。従って、この付加的な螺旋131に繋が
る高周波出力取出部132の出力電力を測定することに
よって、進行波管出力電力の大きさを検知することが可
能となる。
【0028】この実施の形態によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0029】(1) 進行波管の高周波回路部112とコ
レクタ部113との間に付加的な短尺螺旋131を主要
構成要素とする付加的螺旋回路を取り付け、進行波管の
出力電力にほぼ比例して得られる付加的螺旋回路の出力
電力を測定できるようにしたため、進行波管で増幅され
たマイクロ波電力の値を、図2の進行波管の負荷回路1
34中に接続した方向性結合器129等を使用すること
なく検知することができる。従って、方向性結合器12
9を使用する必要がなくなるため、特にマイクロ波の中
でも周波数の低いLバンドと呼ばれる周波数帯、あるい
は、周波数帯に関わらず、高電力用の進行波管等では、
マイクロ波出力検知器を含む進行波管増幅装置の大きさ
を小さくすることが可能となる。
【0030】(2) 短尺螺旋131を持つ付加的螺旋回
路の負荷を短絡あるいは開放させたとしても、高周波回
路部112の出力である主マイクロ波電力には何ら影響
を与えない。
【0031】(3) 主マイクロ波出力回路の負荷(つま
り高周波回路部112の出力側に接続された負荷)が変
動した場合には、前記付加的螺旋回路に変動を及ぼし、
前記付加的螺旋回路は理想的なマイクロ波出力モニター
回路となる。例えば、主マイクロ波出力回路にインピー
ダンス整合のとれたアンテナ等を接続し、そのアンテナ
等が、何等かの理由でインピーダンス不整合となり、マ
イクロ波が進行波管に反射した場合には、前記付加的螺
旋回路の出力に影響を与え、前記付加的螺旋回路からの
マイクロ波出力を観測するだけで、主マイクロ波出力回
路の負荷変動もモニタ可能となる。
【0032】(4) 前記付加的螺旋回路から得られるマ
イクロ波出力レベルは、モニタ回路としてはかなりの高
電力である数ワット以上の出力が簡単に得られ、その電
力を整流すれば、10ボルトを越える電圧が得られるた
め、増幅等をする必要もない。このため、前記付加的螺
旋回路の負荷側に接続される回路は、少数の部品で構成
でき、簡単で信頼性の高いマイクロ波モニタ回路とな
る。
【0033】(5) 前記付加的螺旋回路の高周波出力取
出部と反対側の端末を、アース電位に設置された円筒形
構体の内径円筒部に短絡又は浮かせる事により、主マイ
クロ波出力回路の負荷変動に対する鋭敏さを変化させる
ことができる。
【0034】
【実施例】次に本発明の実施例について図1を参照して
説明する。
【0035】一例として、周波数1.5GHzで出力1
00Wの螺旋型高周波回路部112を有する進行波管に
ついて説明する。このような進行波管において、熱陰極
114は、タングステンを焼結形成したものであり、ヒ
ータ116により約1000℃に加熱される。陽極12
5に対して、3kV程度の負の高電圧を印加することに
より、100mA程度の電流量の電子ビーム118が熱
陰極114の表面から射出される。電子ビーム118
は、陽極125により加速されると共に集束電極115
により最適に形成される電界分布と、周期的に配置され
た複数個のサマリウムコバルト製の磁石120及び鉄で
できた磁極ピース121で構成された集束装置から発生
される磁界とにより集束され高周波回路部112の螺旋
119中に導かれる。螺旋119は、モリブデン等の高
融点材料のテープを螺旋状に巻いたものであり、素材の
テープは幅1mm、厚さ0.5mm程度の断面寸法を有して
いる。螺旋119の直径は、5mm程度であり、隣り合う
ターンとの距離すなわちピッチは、螺旋119に沿って
光の速度で進行するマイクロ波の軸方向速度成分と3k
Vの電圧で加速された電子ビーム118の軸方向速度が
ほぼ一致するように2mm程度の値となる。螺旋119の
全長は、進行波管に要求される利得によって変化し、必
要な利得が得られる長さに設定されている。螺旋119
は、周期的に配置された磁極121及びスペーサ133
でできた円筒形構体の内径円筒部(アース電位に設置)
に対し、120度おきに配置された3本のベリリア等の
セラミックでできた誘電体支持棒124によって支持固
定される。磁石120は周期的に配置された磁極ピース
121の間に設置され磁極121を通して電子ビーム1
18の通路に磁界を発生させる。中心軸上での磁界の値
は、電子ビーム118を集束させる充分な値が選ばれ、
1000ガウス程度の磁束密度を持っている。
【0036】螺旋119の入力端部及び出力端部は、そ
れぞれ同軸線路を形成する高周波入力部122及び高周
波出力部123の内導体に接続されマイクロ波が伝搬す
るようになっている。
【0037】コレクタ部113は、銅等の金属でできた
コレクタ電極126とコレクタ電極126を高周波回路
部112から絶縁するアルミナでできた絶縁部材127
で構成されており、電子ビーム118はコレクタ電極1
26に入射、捕捉され、ここで熱エネルギに変換され
る。コレクタ電極126の電圧は、進行波管の効率を高
くするため高周波回路部112より低い電圧に設定さ
れ、熱陰極114を基準として3kVの半分程度の1.
5kV程度の電圧が印加される。本実施例では、コレク
タ電極126は単一であるが、さらに高効率が要求され
る場合には、コレクタ電極126を複数に分割し、それ
ぞれの電極の電圧を順次低くした構造の多段コレクタ構
造が採られる場合もある。
【0038】本発明の特徴部分である付加的螺旋回路の
短尺螺旋131は、高周波回路部112の通常の螺旋1
19と同様にモリブデン等の高融点金属テープを螺旋状
に加工したものであり、円筒構体内部に3本のベリリア
等のセラミック製の誘電体支持棒124により支持固定
される。付加的な短尺螺旋131中を通過する相互作用
を終えた電子ビーム118の平均速度は進行波管の出力
電力が高くなるほど遅くなるため、そのピッチは、通常
の螺旋119のピッチの90%程度の値が選ばれ、効率
的に付加的な短尺螺旋131上にマイクロ波が誘起され
るように選択される。また、その全長は、長くなるほど
誘起されるマイクロ波電力の値は高い値が得られるが、
寸法の制約、あるいはコレクタ部113に入射する際の
電子の速度分布を大きく乱さないように、検波器130
で検出できる電力レベルが得られる必要最低限の長さが
選ばれ、通常、螺旋131上に1波長が乗る程度の長
さ、もしくはそれ以下の長さが選択される。付加的な螺
旋131の出力端は同軸線路を形成する高周波出力取出
部132の内導体に接続され進行波管の外にマイクロ波
が取り出される。この付加的な短尺螺旋131から取り
出されたマイクロ波電力値は、前述のように進行波管で
増幅された電力値とほぼ比例するので、検波器130に
より検波し電力計で測定することにより、進行波管で増
幅されたマイクロ波出力電力の値を検知することができ
る。
【0039】なお、螺旋119,131として金属テー
プを螺旋状に加工したものを例示したが、導体の線材を
螺旋状に加工したものであってもよい。
【0040】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る進行
波管の効果は、進行波管で増幅されたマイクロ波電力の
値を、進行波管の負荷回路に接続した方向性結合器等を
使用することなく検知することができることである。従
って、方向性結合器を使用する必要がなくなるため、特
にマイクロ波の中でも周波数の低いLバンドと呼ばれる
周波数帯、あるいは、周波数帯に関わらず、高電力用の
進行波管等では、マイクロ波出力検知器を含む進行波管
増幅装置の大きさを小さくすることが可能となる。その
理由は、進行波管の高周波回路部とコレクタ部との間に
付加的な短尺螺旋を主要構成要素とする付加的螺旋回路
を取り付け、進行波管の出力電力にほぼ比例して得られ
る前記付加的螺旋回路の出力電力を測定できるようにし
たためである。
【0042】また、付加的螺旋回路の負荷を短絡あるい
は開放させたとしても、前記高周波回路部の出力側に得
られる主マイクロ波電力には何ら影響を与えない。さら
に主マイクロ波出力回路(高周波回路部)の負荷が変動
した場合には、付加的螺旋回路に変動を及ぼし、付加的
螺旋回路は理想的なマイクロ波出力モニター回路とな
る。このため、主マイクロ波出力回路にインピーダンス
整合のとれたアンテナ等を接続し、そのアンテナ等が、
何等かの理由でインピーダンス不整合となり、マイクロ
波が進行波管に反射した場合には、付加的螺旋回路の出
力に影響を与え、螺旋回路からのマイクロ波出力を観測
するだけで、主マイクロ波出力回路の負荷変動もモニタ
可能となる。
【0043】さらに、本発明で備える付加的螺旋回路か
ら得られるマイクロ波出力レベルは、モニタ回路として
はかなりの高電力である数ワット以上の出力が簡単に得
られ、その電力を整流すれば、10ボルトを越える電圧
が得られるため、増幅等をする必要もない。このため、
本発明で備える付加的螺旋回路に接続される回路は、少
数の部品で構成でき、簡単で信頼性の高いマイクロ波モ
ニタ回路となる。
【0044】前記付加的螺旋回路の高周波出力取出部と
反対側の端末を、アース電位に設置された部材(円筒形
構体の内径円筒部等)に短絡又は浮かせる事により、主
マイクロ波出力回路に対する負荷変動の鋭敏さを変化さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る進行波管の実施の形態であって、
螺旋型進行波管の縦断面図である。
【図2】従来の螺旋型進行波管の一例を示す縦断面図で
ある。
【図3】従来の螺旋型(すなわちヘリックス型)進行波
管の別の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 アノード 3 ヘリックス 4 コレクタ 9 電子ビーム 10 進行波管本体 12 入力窓部 13 出力窓部 14 分布減衰器 15 磁場装置 20 ダミーヘリックス 21 制御回路 22 速度集中化装置 111 電子銃部 112 高周波回路部 113 コレクタ部 114 熱陰極 115 集束電極 116 ヒータ 117 絶縁支持部材 118 電子ビーム 119 螺旋 120 磁石 121 磁極ピース 122 高周波入力部 123 高周波出力部 124 誘電体支持棒 125 陽極 126 コレクタ電極 127 絶縁部材 128 負荷回路 129 方向性結合器 130 検波器 131 短尺螺旋 132 高周波出力取出部 133 スペーサ 134 導波路 135 絶縁封止部材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを発生する電子銃部と、前記
    電子ビームと螺旋上を進行するマイクロ波との相互作用
    によりマイクロ波を増幅する螺旋型高周波回路部と、前
    記電子ビームを捕捉するコレクタ部とを備える進行波管
    において、 前記螺旋型高周波回路部が有する前記螺旋の出力側と、
    前記電子ビームに沿ってその下流に位置する前記コレク
    タ部との間に、短尺螺旋を有する付加的螺旋回路を設け
    るとともに該付加的螺旋回路に接続された高周波出力取
    出部を設置したことを特徴とする進行波管。
  2. 【請求項2】 前記付加的螺旋回路の高周波出力取出部
    と反対側の端末を、アースに短絡させてなる請求項1記
    載の進行波管。
  3. 【請求項3】 前記付加的螺旋回路の高周波出力取出部
    と反対側の端末を、アースより浮かせてなる請求項1記
    載の進行波管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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