JP2002122570A - ガス中の微量不純物の分析方法及び装置 - Google Patents

ガス中の微量不純物の分析方法及び装置

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JP2002122570A
JP2002122570A JP2000314032A JP2000314032A JP2002122570A JP 2002122570 A JP2002122570 A JP 2002122570A JP 2000314032 A JP2000314032 A JP 2000314032A JP 2000314032 A JP2000314032 A JP 2000314032A JP 2002122570 A JP2002122570 A JP 2002122570A
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Makoto Tanaka
田中  誠
Akira Nishina
明 西名
Tetsuya Kimijima
哲也 君島
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料ガス中の微量不純物、特に非メタン有機
化合物の濃度を、簡便かつ高感度に定量することがで
き、窒素中の一酸化炭素の濃度も定量することが可能な
ガス中の微量不純物の分析方法及び装置を提供する。 【解決手段】 試料ガス中に、イオン化ポテンシャルが
メタンとメタン以外の測定対象有機化合物(非メタン有
機化合物)との間にある成分が存在する状態で、差動排
気部の両端の電極に印加されるドリフト電圧を制御し、
非メタン有機化合物から原子レベルの炭素イオンを解離
させ、該炭素イオンのイオン強度に基づいて非メタン有
機化合物の定量分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス中の微量不純
物の分析方法及び装置に関し、詳しくは、電子産業等で
必要な高純度ガスの品質管理に用いられるガス中の微量
不純物の分析方法であって、特に、各種高純度ガス中に
ppb〜サブppbレベルで存在する微量有機不純物を
簡便かつ高感度に定量するための分析方法及びこれに使
用する分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいては高純度ガ
スが必要とされ、不純物として水分、酸素、金属の管理
の重要性が言われてきた。しかし昨今では、ガス中の有
機不純物の半導体素子への影響が明らかになり、例えば
ゲート酸化膜の製造プロセスにおいては、シリコンウェ
ハに付着した有機化合物からプロセス中に生じた炭素
が、酸化膜の耐圧劣化に影響することが明らかにされて
いる。
【0003】このような炭素源になり得るものとして
は、有機化合物から一酸化炭素や二酸化炭素まで考えら
れるが、実際には、水分が十分に低濃度であれば、一酸
化炭素、二酸化炭素、メタンは、ウェハへ吸着しにく
く、また脱着しやすいため、これら以外の有機不純物と
水分とを管理することが重要であると言われている。な
お、本明細書では、メタン以外の有機化合物を総称して
非メタン有機化合物ということがある。
【0004】高純度ガス中の極微量不純物を分析する方
法として、大気圧イオン化質量分析法(APIMS)
が、最も高感度な方法として知られている。この方法
は、イオン源に導入した試料ガスを大気圧下でのコロナ
放電によるイオン分子反応でイオン化した後、イオンを
選別して定量する方法である。一般には、差動排気部経
由で真空状態にある四重極マスフィルターに生成したイ
オンを導入し、質量選別して電子増倍管で高感度に検出
する方法をいう。
【0005】従来、このAPIMSでは、窒素、アルゴ
ン、水素、ヘリウム中の不純物として、水分、酸素、一
酸化炭素、二酸化炭素、メタン等をサブppbレベルで
分析してきた。しかし、APIMSによる非メタン有機
化合物の分析例は、今までほとんど報告されていない。
【0006】APIMSでは、差動排気部の両端の電極
には、イオンを引き込むためのドリフト電圧が印加され
ており、通常は、試料ガスの主成分ガスイオン及び主成
分ガスクラスターイオンの検出レベルが同等になる程度
に一定に制御するようにしている。
【0007】また、APIMSでガス中の有機不純物を
測定する際、有機物分子は、イオン化過程で解離しやす
く複数のフラグメントイオンを生じ、分子によってそれ
ぞれ異なる質量数にピークを有するマススペクトルを示
す。そこで、複数の有機物を定量管理するには、個々の
有機物ごとの解離パターンを求めておき、それらのデー
タベースと測定して得られたマススペクトルとによって
各有機物ごとに定量し、これらの合算から全有機物濃度
を求める必要があった。これらの作業は面倒なばかりで
なく、高度な専門知識と多量のデータとを必要とするた
め、専門家による操作、判定が不可欠であった。
【0008】このため、より簡易的な分析法が望まれて
おり、例えば、有機不純物を合算で定量する簡易的管理
方法が提案されている。この方法は、広範囲の質量数領
域をスキャンして得られたマススペクトルから、主成
分、水分、酸素に起因するイオン強度を除いた合計イオ
ン強度を、ある基準となる有機物で換算して定量すると
いう方法である。しかし、この方法では、例えば3〜4
00までの広範囲な質量範囲をスキャンさせるため、測
定及びデータ解析に長時間を必要とし、他の不純物とと
もに有機不純物を常時監視しなければならない用途には
不向きであった。
【0009】また、より一層簡易的な合算による定量方
法として、ドリフト電圧を通常より高電圧に設定して有
機化合物分子を解離させ、全ての有機化合物を炭素原子
イオン(C)で定量する分析法が、J. Electrochem.S
oc.,141,2478-2482(1994)に記載されている。この方法
によれば、Cという一種類のイオン強度のみを測定す
ればよいため、調整も測定も容易である。しかしなが
ら、この方法で、例えば窒素やアルゴン中の有機化合物
を分析しようとすると、一酸化炭素、二酸化炭素、メタ
ンまでがCに解離し、全炭素化合物として定量される
ことになってしまう。さらに、これらの濃度が他の有機
化合物に比べて比較的高いため、これらに非メタン有機
化合物が隠れてしまい、昨今本来管理すべきものとして
言われてきている非メタン有機化合物を定量できないと
いった問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、広範囲の
質量数領域をスキャンする方法は測定に要する時間も長
く、得られたマススペクトルから主成分や水分、酸素に
起因するイオンの質量数を除く必要があるなど、定量の
手順が複雑であるという問題があった。また、主成分や
水分に起因するイオンと同じ質量数に有機化合物のイオ
ンが重なる場合、その分のイオン強度も差し引いてしま
うと、合計イオン強度に反映されずに有機化合物濃度が
実際より低く算出されるという問題があった。
【0011】炭素原子イオン(C)で検出する方法
は、より簡便ではあるが、一酸化炭素や二酸化炭素のよ
うな炭素原子を含む無機成分及びメタンの共存影響があ
るため、管理すべき非メタン有機化合物の濃度を定量で
きないという問題があった。
【0012】そこで本発明は、試料ガス中の微量不純
物、特に非メタン有機化合物の濃度を、簡便かつ高感度
に定量することができるガス中の微量不純物の分析方法
及び装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガス中の微量不純物の分析方法は、試料ガ
ス中のメタン以外の有機化合物、即ち非メタン有機化合
物を測定対象として大気圧イオン化質量分析法により定
量分析する方法であって、前記試料ガス中に、イオン化
ポテンシャルがメタンのイオン化ポテンシャルとメタン
以外の測定対象有機化合物である非メタン有機化合物の
イオン化ポテンシャルとの間にある成分が存在する状態
で、差動排気部の両端の電極に印加されるドリフト電圧
を制御し、非メタン有機化合物から原子レベルの炭素イ
オンを解離させ、該炭素イオンのイオン強度に基づいて
前記非メタン有機化合物の定量分析を行うことを特徴と
し、前記試料ガスが、イオン化ポテンシャルがメタンと
非メタン有機化合物との間にある成分を含んでいないと
きには、イオン化ポテンシャルがメタンと非メタン有機
化合物との間にある成分を前記試料ガスに添加すること
を特徴としている。
【0014】さらに、本発明のガス中の微量不純物の分
析方法は、試料ガスがイオン化ポテンシャルがメタンと
非メタン有機化合物との間にある成分を含んでいるとき
には、原子又は分子のイオン化ポテンシャルが、前記試
料ガス中のメタンと非メタン有機化合物との間にある成
分のイオン化ポテンシャルよりも高いガスを含む一次イ
オン発生用ガスを、二室式イオン源のイオン発生部に供
給して一次イオンを発生させるとともに、前記試料ガス
を二室式イオン源の混合部に導入し、前記イオン発生部
から該混合部に供給される前記一次イオンと試料ガスと
を混合することを特徴としている。
【0015】また、試料ガスがイオン化ポテンシャルが
メタンと非メタン有機化合物との間にある成分を含んで
いないときには、該試料ガスを、二室式イオン源のイオ
ン発生部に供給して一次イオンを発生させるとともに、
イオン化ポテンシャルがメタンと非メタン有機化合物と
の間にある成分を二室式イオン源の混合部に導入して前
記一次イオンと混合させることを特徴としている。
【0016】さらに、前記非メタン有機化合物の定量
を、窒素、アルゴン又はヘリウムのいずれかをベースガ
スとしたプロパンの標準ガスにより作成した検量線に基
づいて行うことを特徴とし、前記非メタン有機化合物が
芳香族化合物を含んでいること、イオン化ポテンシャル
がメタンと非メタン有機化合物との間にある成分が酸素
であることを特徴としている。
【0017】また、前記試料ガスが酸素又は空気である
ことを特徴とし、この場合、前記ドリフト電圧を調節し
ながら、前記試料ガス中の水分を水及び酸素のクラスタ
ーイオンで、非メタン有機化合物を前記炭素イオンで、
それぞれ繰返し測定することによって水分の定量も同時
に行うことができる。
【0018】加えて、前記試料ガスが、イオン化ポテン
シャルがメタンと非メタン有機化合物との間にある成分
を含まず、かつ、窒素を含んでいる場合、前記ドリフト
電圧を制御して該試料ガス中の全炭素化合物から原子レ
ベルの炭素イオンを解離させて質量数12の炭素イオン
のイオン強度から全炭素化合物の濃度(C1)を求める
操作と、試料ガスにメタンと非メタン有機化合物との間
にある成分を添加して質量数12の炭素イオンのイオン
強度から前記非メタン有機化合物の濃度(C2)を求め
る操作と、質量数44のイオン強度から試料ガス中の二
酸化炭素の濃度(C3)を求める操作と、質量数16の
イオン強度から試料ガス中のメタンの濃度(C4)を求
める操作とを行い、全炭素化合物の濃度(C1)から前
記非メタン有機化合物の濃度(C2)、二酸化炭素の濃
度(C3)及びメタンの濃度(C4)を差し引くことに
より、試料ガス中の一酸化炭素濃度を定量することがで
きる。
【0019】また、本発明のガス中の微量不純物の分析
装置は、大気圧イオン化質量分析法により試料ガス中の
微量不純物の定量分析を行う分析装置において、試料ガ
ス中の成分をイオン化するイオン源に、イオンポテンシ
ャルがメタンとメタン以外の有機化合物(非メタン有機
化合物)との間にある成分を含むガスを添加する手段を
設けたことを特徴としている。
【0020】また、大気圧イオン化質量分析法により試
料ガス中の微量不純物の定量分析を行う分析装置におい
て、該分析装置のイオン源を、イオン発生部と混合部と
の二室で形成したことを特徴としている。具体的には、
試料ガスがイオン化ポテンシャルがメタンと非メタン有
機化合物との間にある成分を含んでいるときには、原子
又は分子のイオン化ポテンシャルが前記試料ガス中のメ
タンと非メタン有機化合物との間にある成分のイオン化
ポテンシャルよりも高いガスを含む一次イオン発生用ガ
スを供給して一次イオンを発生させるイオン発生部と、
該イオン発生部から供給される前記一次イオンと前記試
料ガスとを混合する混合部との二室で形成する。
【0021】一方、試料ガスがイオン化ポテンシャルが
メタンと非メタン有機化合物との間にある成分を含んで
いないときには、該試料ガスを供給して一次イオンを発
生させるイオン発生部と、該イオン発生部から供給され
る前記一次イオンとイオン化ポテンシャルがメタンと非
メタン有機化合物との間にある成分を含むガスとを混合
する混合部との二室で形成する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、大気圧イオン化質量分析
法を実施する大気圧イオン化質量分析装置の一例を示す
概略図である。この大気圧イオン化質量分析装置は、イ
オン源10、差動排気部20及び検出部30を有するも
のであって、イオン源10に試料ガスを導入してガス中
の各種成分をイオン化し、生成したイオンを差動排気部
20を介して検出部30に導入し、各質量数のイオン強
度を測定することにより、各種物質の濃度を定量するよ
うに形成されている。
【0023】イオン源10には、針電極11と、この針
電極11の周囲に試料ガスを流すための試料ガス導入管
12及び試料ガス導出管13と、針電極11との間でコ
ロナ放電を行う第1スリット14とを備えており、前記
コロナ放電によって試料ガス中の各種物質(成分)のイ
オン化が大気圧下で行われる。
【0024】差動排気部20には、イオン源10で生成
したイオンを収束させるためのイオンレンズ21と、真
空ポンプに接続される排気管22とを備えており、この
差動排気部20は、真空ポンプによって10Pa程度の
真空度に排気されている。また、差動排気部20の両端
の第1スリット14と第2スリット23との間には、電
圧調整器で電圧値を調整することができるドリフト電圧
が印加されている。
【0025】検出部30には、イオンレンズ31と、四
重極マスフィルター32と、四重極マスフィルター32
によって質量選別されたイオンを検出する電子増倍管3
3と、真空ポンプに接続される排気管34とを備えてお
り、この検出部30は、真空ポンプによって10−4
a程度の真空度に排気されている。
【0026】電子増倍管33には、増幅器41及び計算
機42が接続されており、計算機42は、電子増倍管3
3から増幅器41を介して入力された測定データに対し
て所定の演算処理を行い、所定の形式で出力する。
【0027】このような構成の大気圧イオン化質量分析
装置を用いて、試料ガス中の非メタン有機化合物を定量
するにあたり、試料ガスとしては、その主成分が非メタ
ン有機化合物よりイオン化ポテンシャルが高いものが対
象となり、一般的には、窒素、アルゴン、酸素、ヘリウ
ム、乾燥空気等のバルクガスと呼ばれるガスを例示する
ことができ、この他、ネオン、クリプトン、キセノン等
も試料ガスとすることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0028】これらの試料ガスの中で、メタンのイオン
化ポテンシャル(12.75eV)と非メタン有機化合
物、例えば一般的な非メタン有機化合物の中で最も高い
イオン化ポテンシャルを有するエタンのイオン化ポテン
シャル(11.49eV)との中間のイオン化ポテンシ
ャルを有する成分、例えば酸素(12.07eV)やキ
セノン(12.13eV)が存在する試料ガスの場合、
例えば酸素や乾燥空気あるいはキセノンが試料ガスの場
合は、次のような簡単な手順で非メタン有機化合物を定
量することができる。
【0029】酸素やキセノンを含む試料ガスは、試料ガ
ス導入管12からイオン源10内に導入されて試料ガス
導出管13から導出される間に、針電極11の周囲でコ
ロナ放電によって主成分である酸素やキセノン、空気の
場合は酸素及び窒素がイオン化される。このイオン化に
よって生成した主成分ガスイオンと、試料ガス中に不純
物として存在する有機化合物分子とのイオン分子反応に
よって有機化合物分子がイオン化される。
【0030】イオン化された試料ガスの一部は、第1ス
リット14を通り抜けて差動排気部20に流入する。こ
の差動排気部20において、ドリフト電圧を適当に設定
することにより、有機化合物イオンを加速させて中性分
子と多重回衝突させ、有機化合物イオンの解離を促進し
て有機化合物イオンを炭素原子イオン(C)まで解離
させることができる。最適なドリフト電圧は、適当な有
機化合物を含む試料ガスを使用し、質量数12のC
イオン強度をモニターしながらドリフト電圧を変化さ
せ、Cのイオン強度が最大又は飽和する電圧値とすれ
ばよい。
【0031】このとき、試料ガス中に、イオン化ポテン
シャルがメタンとメタン以外の測定対象となる有機化合
物(非メタン有機化合物)との間にある成分として酸素
やキセノンが存在する場合は、イオン化ポテンシャルが
高い一酸化炭素、二酸化炭素及びメタンはイオン化せ
ず、ドリフト電圧を増大させても、これらからはC
発生しないで非メタン有機化合物からのみCが発生す
るため、この状態で質量数12のイオン強度を測定する
ことにより、非メタン有機化合物を簡易的に定量するこ
とができる。
【0032】一方、試料ガス中に、イオン化ポテンシャ
ルがメタンと非メタン有機化合物との間にある成分が存
在しない場合は、該試料ガスに、イオン化ポテンシャル
がメタンと非メタン有機化合物との間にあるガスを添加
して上記操作を行うことにより、上記同様にして非メタ
ン有機化合物を簡易的に定量することができる。
【0033】すなわち、図2に示すように、圧力調整器
51から流量調整器(マスフローコントローラー)52
を経て試料ガスを供給する試料ガス導入管12に、圧力
調整器53から精製器54、マスフローコントローラー
55、弁56を備えた添加ガス導入手段50を設置し、
ここから上記範囲のイオン化ポテンシャルを有するガス
(添加ガス)を添加して分析を行えばよい。
【0034】上記添加ガスとしては、酸素やキセノンを
使用することができ、通常は酸素あるいは酸素含有ガス
を用いればよいが、試料ガスあるいは試料ガス中の成分
が酸素と反応する場合はキセノンを使用する。また、こ
れらの添加量は任意であるが、添加量を多くすると、全
ガス中の非メタン有機化合物の濃度が相対的に低下する
ので、できるだけ少なくすることが望ましく、多くても
数%以下であることが好ましい。また、添加量の調整
は、一酸化炭素、二酸化炭素及びメタンを含み、非メタ
ン有機化合物を含まないガスを用いて行えばよい。
【0035】非メタン有機化合物の定量に必要な検量線
は、有機化合物を代表させる任意の1成分を含む標準ガ
スを用いて作成すればよいが、2成分以上の混合物を用
いて作成することも可能である。また、試料ガス中に含
まれる有機化合物の種類があらかじめ分かっている場合
は、その有機化合物を含む標準ガス用いて検量線を作成
してもよく、この場合も成分数は任意である。
【0036】有機化合物を代表させる成分として常温常
圧で液体の高沸点有機化合物を使用し、パーミエイショ
ンチューブや拡散管を用いて標準ガスを発生させ、これ
を検量線作成に使用することもできるが、一般に高沸点
のものほど配管や分析装置内部に吸着しやすく、検量線
作成や校正作業の終了後、ブランクが下がりにくいなど
の支障をきたすことが多いため、常温常圧で気体の低沸
点有機化合物を代表成分として使用することが好まし
い。このような低沸点有機化合物は、高圧容器詰め標準
ガスとして供給されたものを用いることができる。
【0037】さらに、APIMSで高感度に分析できる
有機化合物を使用すると、この有機化合物より感度が低
い有機化合物の濃度は実際より低めに出ることになり、
不純物濃度の管理として問題を生じることになるので、
感度の低い有機化合物を選択することが望ましい。
【0038】また、標準ガスのベースガスには、試料ガ
スの種類や組成に応じて適当なガスを選択することがで
き、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンのいずれかを使用
すればよく、通常は窒素が最適である。但し、試料ガス
がヘリウムの場合はベースガスとしてヘリウムを使用す
る。
【0039】これらの点を考慮すると、有機化合物を代
表させる成分としてはプロパンを使用し、ベースガスに
は、試料ガスがヘリウムの場合を除いて窒素を使用する
ことが好ましい。この窒素ベースのプロパンは、国家基
準とのトレーサビリティが完備していることでもあり、
入手しやすく取り扱いも楽であり、プロパンの感度が有
機化合物の中でもっとも低いもののひとつであるため、
標準ガスとして最適である。ppbレベル等の低濃度域
で校正乃至検量線作成を行うためには、これらの標準ガ
スを試料ガスの主成分ガスで希釈して使用すればよい。
例えば、標準ガスと高純度窒素ガスとをマスフローコン
トローラ等にて精密に所望の比率で混合したガスを試料
ガス導入管に流して検量線を作成すればよい。
【0040】ここで、代表的な原子及び分子のイオン化
ポテンシャルを以下に示す。 原子・分子名 イオン化ポテンシャル(eV) ヘリウム(He) 24.59 アルゴン(Ar) 15.76 窒素(N) 15.59 一酸化炭素(CO) 14.01 二酸化炭素(CO) 13.78 メタン(CH) 12.75 水(HO) 12.61 キセノン(Xe) 12.13 酸素(O) 12.07 エタン(C) 11.49 プロパン(C) 11.07 エチレン(C) 10.51 プロピレン(C) 9.74 ベンゼン(C) 9.24
【0041】このように、酸素は、一酸化炭素や二酸化
炭素よりイオン化ポテンシャルが低いため、例えば、試
料ガスが酸素と窒素とからなる乾燥空気や、酸素の場合
には、一酸化炭素や二酸化炭素がイオン化されないた
め、これらの分子からはCが生成されず、結果として
による有機化合物の定量に、一酸化炭素や二酸化炭
素の影響がなくなったものと推察される。
【0042】一方、窒素、アルゴン及びヘリウムは、一
酸化炭素や二酸化炭素よりイオン化ポテンシャルが高い
ため、試料ガスが窒素、アルゴン又はヘリウムの場合
は、そのままでは一酸化炭素や二酸化炭素、メタンから
もCが生成されるため、Cによる定量値は、試料ガ
ス中に存在する一酸化炭素や二酸化炭素、メタンを含め
た全炭素化合物の値となり、非有機化合物の値を得るこ
とは困難である。
【0043】しかし、このようにイオン化ポテンシャル
が高い試料ガスの場合であっても、該試料ガスに、一酸
化炭素、二酸化炭素及びメタンのイオン化ポテンシャル
と、メタン以外の有機化合物のイオン化ポテンシャルと
の中間のイオン化ポテンシャルを有するガス、例えば酸
素を適量添加すると、酸素は一酸化炭素や二酸化炭素、
メタンよりイオン化ポテンシャルが低く、非メタン有機
化合物よりイオン化ポテンシャルが高いので、前記同様
に、一酸化炭素や二酸化炭素、メタンがイオン化されな
いため、これらの分子からはCは生成されず、結果と
して、Cによる定量に一酸化炭素や二酸化炭素、メタ
ンが影響しなかったと推察される。なお、非メタン有機
化合物よりもイオン化ポテンシャルが低い成分を加える
と、この成分より高いイオン化ポテンシャルを有する非
メタン有機化合物が解離しなくなってしまうので、非メ
タン有機化合物の定量を行うことはできなくなる。
【0044】また、従来、市販の四重極型APIMSで
は、窒素中の一酸化炭素は、主成分の窒素の質量数と一
酸化炭素の質量数とが同じであるため、そのままでは定
量分析することができなかった。ドリフト電圧を制御し
て一酸化炭素を衝突解離させることによりCを生成さ
せ、このCのイオン強度によって分析することも提案
されているが、窒素中に有機化合物が混入していると、
この有機化合物からもCが生成するため、一酸化炭素
のみを正確に定量することはできない。
【0045】一方、上述のようにして非メタン有機化合
物の定量を行うことにより、窒素中の一酸化炭素を定量
することが可能となる。すなわち、ドリフト電圧を制御
して一酸化炭素も解離させた状態でCのイオン強度を
測定して得られた値は、一酸化炭素や二酸化炭素と、メ
タンを含む全有機化合物を全て合わせた値、即ち全炭素
化合物の濃度(C1)となる。また、窒素中に添加ガス
として酸素を加えて測定したCのイオン強度は、前述
のように非メタン有機化合物の濃度(C2)となる。さ
らに、通常の操作で、質量数44のイオン強度から二酸
化炭素の濃度(C3)を、質量数16のイオン強度から
メタンの濃度(C4)をそれぞれ求めることができる。
【0046】したがって、このようにして得た全炭素化
合物の濃度(C1)から非メタン有機化合物の濃度(C
2)、二酸化炭素の濃度(C3)及びメタンの濃度(C
4)を差し引くことにより、窒素中の一酸化炭素濃度を
定量することができる。また、窒素とヘリウムとの混合
ガス等に含まれる不純物の一酸化炭素も、同様にして有
機化合物の影響を受けることなく定量することができ
る。
【0047】さらに、酸素や乾燥空気中の水分は、米国
特許第6000275号明細書に記載されているよう
に、水と酸素とのクラスターイオンにより定量できる。
クラスターイオンの生成は、ドリフト電圧で調整するこ
とができるため、非メタン有機化合物及び水分の定量
を、ドリフト電圧の変更で行うことができる。すなわ
ち、ドリフト電圧を瞬時に変更調整することで、これら
の不純物をサブppbレベルで繰り返し定量監視するこ
とが可能となる。
【0048】また、図3に示す二室式イオン源を用いる
ことにより、イオン源におけるコロナ放電を安定化させ
て分析精度を向上させることができる。すなわち、図1
に示す一室構造のイオン源では、針電極11と第1スリ
ット14との間の電場で放電が起こるので、第1スリッ
ト14と第2スリット23との間のドリフト電圧が変化
すると、針電極11と第1スリット14との間の放電に
影響を与えることがある。図3に示す二室式イオン源で
は、針電極11と第1スリット14との間に第3スリッ
ト15を設置してイオン源をイオン発生部16と混合部
17とに区画するとともに、放電を針電極11と第3ス
リット15との間でを行うようにしている。これによ
り、ドリフト電圧の変化に影響されずに、より安定した
放電が得られるようになる。
【0049】前記イオン発生部16に供給されるガス
は、針電極11と第3スリット15との間の放電によっ
て一次イオンを発生させるためのガス(一次イオン発生
用ガス)であり、このようなガスとしては、該ガスの原
子又は分子のイオン化ポテンシャルが、前記試料ガス中
のメタンのイオン化ポテンシャルとメタン以外の有機化
合物のイオン化ポテンシャルとの間にある成分、例えば
酸素のイオン化ポテンシャルよりも高いガス、例えばヘ
リウム、アルゴン、窒素等を用いることができる。この
一次イオン発生用ガスは、圧力調整器61、精製器6
2、マスフローコントローラー63を備えた一次イオン
発生用ガス導入管64によりイオン発生部16に供給さ
れ、イオン化されたガスの一部が一次イオンとして混合
部17に供給されるとともに、残部のガスは、マスフロ
ーコントローラー65を備えた一次イオン発生用ガス導
出管66から流量調節されて排出される。
【0050】混合部17には酸素やキセノンのように、
イオン化ポテンシャルがメタンと非メタン有機化合物と
の間にある成分を含む試料ガスを供給する。この試料ガ
スは、圧力調整器51からマスフローコントローラー5
2を経て試料ガス導入管12により混合部17内に供給
され、イオン発生部16から第3スリット15を通して
混合部17に供給される前記一次イオンと混合すること
によってイオン化し、一部が第1スリット14を通って
差動排気部20に供給される。
【0051】また、前記試料ガス中に、メタンと非メタ
ン有機化合物との間のイオン化ポテンシャルを有する成
分を含まず、前記添加ガスを試料ガスに添加する場合
は、図4に示すように、試料ガス導入管12に、前記同
様の圧力調整器53、精製器54、マスフローコントロ
ーラー55、弁56を有する添加ガス導入手段50を接
続したり、図5に示すように、イオン発生部16に、圧
力調整器51、マスフローコントローラー52、試料ガ
ス導入管12を通して試料ガスを供給し、一部をマスフ
ローコントローラー18で流量調節して試料ガス導出管
13が排出するとともに、混合部17には、圧力調整器
53、精製器54、マスフローコントローラー55、弁
56を介して添加ガス導入管57から添加ガス、例えば
酸素を所定量供給し、添加ガス導出管58から排出する
ようにすればよい。
【0052】なお、本発明における分析装置は、従来技
術で述べた大気圧イオン化質量分析装置に限定されるも
のでなく、例えば、イオンの選別と検出とに関しては、
四重極ではなく磁場による分離を用いてもよく、また、
イオンを対向するイオン化ポテンシャルが高い高純度ガ
スの中を移動させ、検出器に到達する時間の違いにより
質量選別する方式として知られるION MOBILITY SPECTRO
METRYを使用してもよい。検出器も、チャンネルトロン
型検出器等の適当なものを用いることができる。
【0053】
【実施例】実施例1 図5に示す構成の二室式イオン源を有する大気圧イオン
化質量分析装置を用い、ベンゼンを含む窒素ガスを試料
ガスとしてドリフト電圧の最適化と検量線の作成とを行
った。まず、既知濃度のベンゼンを含む窒素ガスと高純
度窒素ガスとをそれぞれマスフローコントローラで流量
調節して混合し、ベンゼン9.9ppbを含む窒素ガス
を発生させ、この窒素ガスを試料ガス導入管に毎分1.
0Lで流した。
【0054】そして、ドリフト電圧を20Vから200
Vの範囲で20V毎に設定し、各ドリフト電圧における
のイオン強度を測定した。その結果得られたドリフ
ト電圧とCのイオン強度の関係を図6に示す。図6か
ら、ドリフト電圧が20Vから増大するにつれてC
イオン強度が増大し、180V以上で飽和に近付いたの
が分かる。
【0055】この結果から、ドリフト電圧を、イオン強
度が最大となる200Vに設定し、窒素ガス中のベンゼ
ン濃度が2.5〜9.9ppbの範囲で検量線を作成し
た。その結果を図7に示す。このようにCのイオン強
度について直線性が良好な検量線が得られた。
【0056】次に、未知の有機化合物及び一酸化炭素、
二酸化炭素を含む試料ガスを測定した。ドリフト電圧は
200Vに設定し、試料ガスの流量は毎分1.0Lとし
た。酸素を添加しない条件におけるマススペクトルを図
8に示す。このときのCのイオン強度を図7の検量線
によって定量したところ、算出された全炭素成分濃度は
4.7ppbであった。この値はベンゼンで作成された
検量線から算出されたことからベンゼン換算濃度とな
る。
【0057】一方、酸素を毎分50cc流し、酸素添加
率4.8%の条件で測定したマススペクトルを図9に示
す。別途、同様の測定条件で作成したベンゼンの検量線
を用いてこのときのCのイオン強度から算出された非
メタン有機化合物の濃度はベンゼン換算で2.1ppb
であった。この結果から、一酸化炭素、二酸化炭素及び
メタンは、ベンゼン換算濃度で2.6ppbと求められ
た。別途、通常の分析条件で二酸化炭素及びメタンを定
量したところ、それぞれ0.3ppb、0.5ppbで
あり、これらの定量値の差し引きによって一酸化炭素濃
度として1.8ppbが得られた。
【0058】また、試料前処理部として液体窒素温度で
試料を濃縮するトラップ管を備えたGC/FIDを用い
て、同じ試料ガス中の一酸化炭素を定量したところ、
2.1ppbであり、よい一致を見られた。
【0059】実施例2 図2に示す構成の大気圧イオン化質量分析装置を用い
て、ゲッター式精製器出口の高純度窒素ガスを試料ガス
として測定した。ドリフト電圧は200Vに設定し、試
料ガス流量は毎分1.0Lとした。まず、酸素を添加し
ないときのCのイオン強度を、実施例1で得られた検
量線によって定量したところ、ベンゼン換算濃度で0.
04ppbという分析結果が得られた。
【0060】次に、酸素を4%添加して測定したとこ
ろ、検出下限の0.01ppb以下となった。このこと
から、このゲッター式精製器は、非メタン有機化合物を
ほぼ完全に除去できていることを、一酸化炭素、二酸化
炭素及びメタンに影響されることなく確認できた。
【0061】実施例3 図3に示す構成の二室式イオン源を有する大気圧イオン
化質量分析装置を用いて、未知の有機化合物及び水分を
含む乾燥空気を測定した。イオン発生部には精製アルゴ
ンを毎分1.0Lで流し、毎分0.1Lの流量でイオン
発生部から導出した。混合部には、試料ガスである乾燥
空気を毎分0.8Lで流した。まず、ドリフト電圧を2
0Vに設定して水分の分析を行った。水分は、酸素イオ
ンと水分とのクラスターイオン(O ・HO)にて
検出した。分析の結果、水分は1.5ppbであった。
続いて、ドリフト電圧を200Vに設定し、Cによる
有機化合物の分析を行った。
【0062】このとき、試料が乾燥空気であることか
ら、得られた濃度は非メタン有機化合物の濃度となる。
のイオン強度を、別途窒素ベースのプロパンからな
る標準ガスを用いて作成した検量線で濃度換算した結
果、非メタン有機化合物の濃度は0.5ppb(プロパ
ン換算濃度)という分析結果が得られた。このように、
これまでは面倒で、かつ、複数の分析計を用いて定量し
なければならなかった乾燥空気中の水分と非メタン有機
物とを、短時間で測定することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装置コストの増大や、装置構成の複雑化、大型化を招く
ことなく、質量分析の専門家が不要で、簡便かつ高感度
にガス中の非メタン有機化合物を定量することができ
る。特に、ウェハ汚染物として重視される水分と非メタ
ン有機化合物とをそれぞれドリフト電圧を調整すること
で定量できるため、測定時間が短かくてすみ、高感度で
もある。したがって、酸素や乾燥空気等の高純度ガスを
供給する際の純度監視に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 大気圧イオン化質量分析法を実施する大気圧
イオン化質量分析装置の一例を示す概略図である。
【図2】 添加ガス導入手段を設置した例を示す要部の
系統図である。
【図3】 二室式イオン源の一構成例を示す要部の系統
図である。
【図4】 二室式イオン源の他の構成例を示す要部の系
統図である。
【図5】 二室式イオン源の更に他の構成例を示す要部
の系統図である。
【図6】 実施例1において、ドリフト電圧とCのイ
オン強度の関係を示す図である。
【図7】 実施例1において、窒素ガス中のベンゼン濃
度とCのイオン強度の関係(検量線)を示す図であ
る。
【図8】 実施例2において、酸素を添加しない条件に
おけるマススペクトルを示す図である。
【図9】 実施例2において、酸素を添加した条件にお
けるマススペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10…イオン源、11…針電極、12…試料ガス導入
管、13…試料ガス導出管、14…第1スリット、15
…第3スリット、16…イオン発生部、17…混合部、
18…マスフローコントローラー、20…差動排気部、
21…イオンレンズ、22…排気管、23…第2スリッ
ト、30…検出部、31…イオンレンズ、32…四重極
マスフィルター、33…電子増倍管、34…排気管、4
1…増幅器、42…計算機、50…添加ガス導入手段、
51,53,61…圧力調整器、52,55,63,6
5…マスフローコントローラー、54,62…精製器、
56…弁、57…添加ガス導入管、58…添加ガス導出
管、64…一次イオン発生用ガス導入管、66…一次イ
オン発生用ガス導出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 君島 哲也 東京都港区西新橋1−16−7 日本酸素株 式会社内 Fターム(参考) 5C038 GG02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料ガス中のメタン以外の有機化合物を
    測定対象として大気圧イオン化質量分析法により定量分
    析する方法であって、前記試料ガス中に、イオン化ポテ
    ンシャルがメタンのイオン化ポテンシャルとメタン以外
    の測定対象有機化合物のイオン化ポテンシャルとの間に
    ある成分が存在する状態で、差動排気部の両端の電極に
    印加されるドリフト電圧を制御し、測定対象有機化合物
    から原子レベルの炭素イオンを解離させ、該炭素イオン
    のイオン強度に基づいて前記測定対象有機化合物の定量
    分析を行うことを特徴とするガス中の微量不純物の分析
    方法。
  2. 【請求項2】 前記試料ガスが、イオン化ポテンシャル
    がメタンとメタン以外の測定対象有機化合物との間にあ
    る成分を含んでいないときには、イオン化ポテンシャル
    がメタンとメタン以外の測定対象有機化合物との間にあ
    る成分を前記試料ガスに添加することを特徴とする請求
    項1記載のガス中の微量不純物の分析方法。
  3. 【請求項3】 原子又は分子のイオン化ポテンシャル
    が、前記試料ガス中のメタンとメタン以外の測定対象有
    機化合物との間にある成分のイオン化ポテンシャルより
    も高いガスを含む一次イオン発生用ガスを、二室式イオ
    ン源のイオン発生部に供給して一次イオンを発生させる
    とともに、前記試料ガスを二室式イオン源の混合部に導
    入し、前記イオン発生部から該混合部に供給される前記
    一次イオンと試料ガスとを混合することを特徴とする請
    求項1記載のガス中の微量不純物の分析方法。
  4. 【請求項4】 イオン化ポテンシャルがメタンとメタン
    以外の測定対象有機化合物との間にある成分を含んでい
    ない試料ガスを、二室式イオン源のイオン発生部に供給
    して一次イオンを発生させるとともに、イオン化ポテン
    シャルがメタンとメタン以外の測定対象有機化合物との
    間にある成分を二室式イオン源の混合部に導入して前記
    一次イオンと混合させることを特徴とする請求項1記載
    のガス中の微量不純物の分析方法。
  5. 【請求項5】 前記測定対象有機化合物の定量は、窒
    素、アルゴン又はヘリウムのいずれかをベースガスとし
    たプロパンの標準ガスにより作成した検量線に基づいて
    行うことを特徴とする請求項1記載のガス中の微量不純
    物の分析方法。
  6. 【請求項6】 前記ドリフト電圧を調節しながら、前記
    試料ガス中の水分を水及び酸素のクラスターイオンで、
    測定対象有機化合物を前記炭素イオンで、それぞれ繰返
    し測定することを特徴とする請求項1記載のガス中の微
    量不純物の分析方法。
  7. 【請求項7】 前記試料ガスが、イオン化ポテンシャル
    がメタンとメタン以外の測定対象有機化合物との間にあ
    る成分を含まず、かつ、窒素を含んでいる場合、前記ド
    リフト電圧を制御して該試料ガス中の全炭素化合物から
    原子レベルの炭素イオンを解離させて質量数12の炭素
    イオンのイオン強度から全炭素化合物の濃度(C1)を
    求める操作と、試料ガスにメタンとメタン以外の測定対
    象有機化合物との間にある成分を添加して質量数12の
    炭素イオンのイオン強度から前記測定対象有機化合物の
    濃度(C2)を求める操作と、質量数44のイオン強度
    から試料ガス中の二酸化炭素の濃度(C3)を求める操
    作と、質量数16のイオン強度から試料ガス中のメタン
    の濃度(C4)を求める操作とを行い、全炭素化合物の
    濃度(C1)から前記測定対象有機化合物の濃度(C
    2)、二酸化炭素の濃度(C3)及びメタンの濃度(C
    4)を差し引くことにより、試料ガス中の一酸化炭素濃
    度を定量することを特徴とする請求項1記載のガス中の
    微量不純物の分析方法。
  8. 【請求項8】 大気圧イオン化質量分析法により試料ガ
    ス中の微量不純物の定量分析を行う分析装置において、
    試料ガス中の成分をイオン化するイオン源に、イオンポ
    テンシャルがメタンとメタン以外の有機化合物との間に
    ある成分を含むガスを添加する手段を設けたことを特徴
    とするガス中の微量不純物の分析装置。
  9. 【請求項9】 大気圧イオン化質量分析法により試料ガ
    ス中の微量不純物の定量分析を行う分析装置において、
    該分析装置のイオン源を、原子又は分子のイオン化ポテ
    ンシャルが前記試料ガス中のメタンとメタン以外の測定
    対象有機化合物との間にある成分のイオン化ポテンシャ
    ルよりも高いガスを含む一次イオン発生用ガスを供給し
    て一次イオンを発生させるイオン発生部と、該イオン発
    生部から供給される前記一次イオンと前記試料ガスとを
    混合する混合部との二室で形成したことを特徴とするガ
    ス中の微量不純物の分析装置。
  10. 【請求項10】 大気圧イオン化質量分析法により試料
    ガス中の微量不純物の定量分析を行う分析装置におい
    て、該分析装置のイオン源を、イオン化ポテンシャルが
    メタンとメタン以外の測定対象有機化合物との間にある
    成分を含まない試料ガスを供給して一次イオンを発生さ
    せるイオン発生部と、該イオン発生部から供給される前
    記一次イオンとイオン化ポテンシャルがメタンとメタン
    以外の測定対象有機化合物との間にある成分を含むガス
    とを混合する混合部との二室で形成したことを特徴とす
    るガス中の微量不純物の分析装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004069690A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Flender Service Gmbh 潤滑油の品質を監視するための方法及び装置
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JP2019186541A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ. 基板処理方法
JP2020068177A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 株式会社堀場製作所 ガス分析装置及びガス分析方法

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