JP2002122197A - 交叉軸回転伝達装置およびパワーステアリング装置 - Google Patents

交叉軸回転伝達装置およびパワーステアリング装置

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JP2002122197A
JP2002122197A JP2000316525A JP2000316525A JP2002122197A JP 2002122197 A JP2002122197 A JP 2002122197A JP 2000316525 A JP2000316525 A JP 2000316525A JP 2000316525 A JP2000316525 A JP 2000316525A JP 2002122197 A JP2002122197 A JP 2002122197A
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roller
shaft
conical surface
rotation
steering
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JP2000316525A
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Hiroshi Yamaguchi
弘 山口
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Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
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Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動アシスト装置において、歯車の噛み合い
のためのバックラッシによるフィーリングの悪化や騒音
を解消する。 【解決手段】 アシストモータ30により回転させられ
る駆動ローラ34と、凹円錐面52において駆動ローラ
34と接触する被駆動ローラ36と、凸円錐面74にお
いて駆動ローラ34と接触して駆動ローラ34を被駆動
ローラ36に押し付ける向きに付勢するバックアップロ
ーラ38とを設け、各ローラ34,36,38の摩擦に
より回転を伝達する減速機32を含む電動アシスト装置
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は摩擦力により回転を
伝達する回転伝達装置およびそれを利用したパワーステ
アリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転伝達装置の代表的なものは歯車を利
用したものである。この回転伝達装置は大きな回転トル
クを伝達することができ、かつ、回転伝達要素間の滑り
によって回転伝達要素間の相対回転位置にずれが生じな
い利点を有している。しかし、歯車対の間にはバックラ
ッシが生じることを避け得ず、また、歯車は一般に製造
コストが高いため、回転伝達装置の製造コストも高くな
ることを避け得ない。
【0003】また、自動車用のパワーステアリング装置
において、電動モータ等を駆動源とする回転駆動装置に
よりステアリングシャフトにアシストトルクを付加する
ことが行われており、そのために、傘歯車,ハイポイド
ギヤ等の傘状歯車が使用されている。これら傘状歯車
は、特に加工が面倒であるためにパワーステアリング装
置が高価となる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景とし、歯車を使用した
回転伝達装置における上記バックラッシの問題と製造コ
ストの問題との少なくとも一方を解決することを課題と
してなされたものであり、本発明によって、下記各態様
の回転伝達装置やパワーステアリング装置が得られる。
各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載す
る。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈さ
れるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載
されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用し
なければならないわけではない。一部の事項のみを選択
して採用することも可能なのである。
【0005】(1)互に同軸にかつ相対回転可能に配設
され、それぞれの円錐面が互いに同軸に対向する第一ロ
ーラおよび第二ローラと、それら第一,第二ローラの円
錐面に外周面において接触する第三ローラと、それら第
一,第二,第三ローラを互いに押し付ける押付装置と、
前記第二ローラと一体的に回転する第一回転軸と、前記
第三ローラと一体的に回転する第二回転軸とを含む交叉
軸回転伝達装置。第一回転軸の回転軸線と第二回転軸の
回転軸線とは交差させられており、上記3つのローラは
それら2本の回転軸線を含む平面に沿った母線およびそ
の近傍部において互いに接触する。そして、第一回転軸
と第二回転軸との間の回転伝達が第二ローラと第三ロー
ラとの摩擦係合により行われる。前述の歯車を利用した
回転伝達装置においては、バックラッシを可能な限り小
さくすることや、樹脂部材を用いること等により、バッ
クラッシの影響をできる限り排除することが行われてい
る。しかし、それら改良されたギアにおいてもバックラ
ッシの問題を完全になくすことは困難であり、さらに、
コスト高となる傾向があった。それに対して、本回転伝
達装置においては、第一回転軸と第二回転軸との間の回
転伝達が第二ローラと第三ローラとの摩擦係合によって
行われるため、歯車による伝達の場合のようにバックラ
ッシの悪影響を受けることがない。例えば、歯車により
伝達される場合には、バックラッシの存在により、ガタ
打ち音等が発生しやすいという不都合があるのである
が、本回転伝達装置にはその不都合がないのである。ま
た、本回転伝達装置は3個のローラを必要とするが、こ
れらは傘歯車対やハイポイドギヤ対に比較して製造が容
易であるため、安価な回転伝達装置を得ることが容易で
ある。本項に記載の回転伝達装置において、押付装置に
よる押付力の大きさを調節可能とすれば、第二ローラと
第三ローラとの間の摩擦力を任意の大きさに調節するこ
とができる。押付力の大きさを調節可能とするために
は、例えば、(13)項に記載の構成を採用することができ
る。 (2)前記第一ローラの円錐面が凸円錐面、前記第二ロ
ーラの円錐面が凹円錐面である(1) 項に記載の交叉軸回
転伝達装置。本回転伝達装置においては、第二ローラが
凹円錐面において第三ローラと摩擦係合するため、両ロ
ーラの接触面積が大きくなり、凸円錐面同士の摩擦係合
により回転を伝達するものに比較して負荷能力の高い回
転伝達装置が得られる。ローラが完全な剛体である場合
には、凹円錐面と凸円錐面とが押し付けられる場合も、
凸円錐面同士が押し付けられる場合も、共に線接触であ
って変わりがないのであるが、実際にはローラは弾性体
であって接触部が弾性変形するため、押付力が同じであ
る限り、凹円錐面と凸円錐面とが押し付けられる場合の
方が接触面積が大きくなるのである。そして、接触面積
が大きければ、ローラの接触部に疲労を生じさせること
なく大きな回転トルクを伝達させることができる。さら
に、凸円錐面同士の摩擦係合による場合には、各ローラ
の母線同士が一致している安定状態から母線同士がわず
かでもずれれば、そのずれが大きくなる向きに力が働く
ため安定状態を維持することが比較的困難である。これ
に対して、凹円錐面と凸円錐面との摩擦係合による場合
には、母線同士がずらされてもそのずれを小さくする向
きに力が作用するので安定状態を維持することが容易と
なる。 (3)前記第二回転軸を入力軸、前記第一回転軸を出力
軸とし、入力軸の回転を減速して出力軸に伝達する(1)
項または(2) 項に記載の交叉軸回転伝達装置(請求項
1)。ローラの摩擦係合により回転を伝達する場合、大
径ローラにおいては小径ローラに比較して同じ摩擦力に
より大きな回転トルクを発生させることができるため、
小径ローラから大径ローラに回転を伝達する方が、逆に
伝達するより容易である。そして、第三ローラは第一,
第二ローラに比較して小径にし易いため、第三ローラを
入力側、第二ローラを出力側とする方が有利であり、そ
の場合には、回転伝達装置が、第二回転軸を入力軸、第
一回転軸を出力軸とし、入力軸の回転を減速して出力軸
に伝達する減速装置となる。 (4)前記押付装置が、前記第一ローラと前記第二ロー
ラとを互いに接近する向きに付勢する付勢装置を含む
(1) 項ないし(3) 項のいずれか一つに記載の交叉軸回転
伝達装置(請求項2)。第一ローラと第二ローラとを互
いに接近する向きに付勢するためには、第一,第二ロー
ラを軸方向に相対移動可能とすることが必要となるが、
第三ローラは軸方向に移動不能とすることができる。回
転伝達装置の用途にもよるが、この構成が有利な場合が
多い。 (5)前記付勢装置が弾性部材を含み、その弾性部材の
弾性力により前記第一ローラと前記第二ローラとを互い
に接近する向きに付勢する(4) 項に記載の交叉軸回転伝
達装置。付勢装置を、流体圧シリンダ等の作動力に基づ
いて付勢するものとすることも可能であり、その場合に
は、必要があれば付勢力を容易に制御し得る利点があ
る。しかし、弾性部材の弾性力に基づいて付勢するもの
とすれば、構成を単純化でき、装置コストを低減するこ
とができる。 (6)前記第一ローラが軸方向に移動可能であり、前記
第二ローラが軸方向に移動不能である(1) 項ないし(5)
項のいずれか一つに記載の交叉軸回転伝達装置。第三ロ
ーラとの間でトルク伝達を行う第二ローラを軸方向に移
動不能とする方が、第一ローラを軸方向に移動不能とす
るより有利な場合が多い。 (7)前記付勢装置が第一ローラを第二ローラに接近す
る向きに付勢する(6) 項に記載の交叉軸回転伝達装置。 (8)第一ローラと前記第一回転軸とが相対回転可能に
嵌合された(7) 項に記載の交叉軸回転伝達装置。第一ロ
ーラを、第一回転軸とは別個の第三回転軸や、回転伝達
装置の装置本体等に保持させることも可能である。しか
し、本態様によれば、第一回転軸に第一ローラの保持部
材を兼ねさせることができ、装置の構成を単純化でき
る。 (9)前記付勢装置が、前記第一回転軸と前記第一ロー
ラとの間に配設された弾性部材を含む(8) 項に記載の交
叉軸回転伝達装置。第一ローラを第一回転軸に相対回転
可能に保持させる場合には、第一回転軸と第一ローラと
の間に弾性部材を配設して付勢力を発生させることが有
利である。 (10)前記付勢装置が、前記第一回転軸と前記弾性部
材との間と、前記弾性部材と前記第一ローラとの間との
少なくとも一方に配設されたスラスト軸受を含む(9) 項
に記載の交叉軸回転伝達装置。第一回転軸と第一ローラ
とは相対回転するため、両者の間に弾性部材を配設する
場合には、弾性部材と、第一回転軸または第一ローラと
の間にスラスト軸受けを配設して、上記相対回転を円滑
に許容することが望ましい。 (11)前記スラスト軸受がころがり軸受である(10)項
に記載の交叉軸回転伝達装置。 (12)前記弾性部材が皿ばねである(9) 項ないし(11)
項のいずれか一つに記載の交叉軸回転伝達装置。皿ばね
は軸方向の狭いスペース内に配設して大きな弾性力を発
生させることができる。 (13)前記付勢装置が、前記第一回転軸に対する軸方
向位置を調節可能なばね受けを含み、前記弾性部材がそ
のばね受けと前記第一ローラとの間に配設された(9) 項
ないし(12)項のいずれか一つに記載の交叉軸回転伝達装
置。本態様によれば、付勢装置の付勢力を適切な大きさ
に調節することができる。 (14)装置本体と、その装置本体により回転可能に保
持されたステアリングシャフトと、そのステアリングシ
ャフトに取り付けられたステアリングホイールと、前記
ステアリングシャフトに同軸にかつ相対回転可能に嵌合
され、ステアリングシャフトと同軸の第一円錐面を有す
る第一ローラと、前記ステアリングシャフトに同軸にか
つ一体的に回転可能に設けられ、前記第一円錐面と同軸
に対向する第二円錐面を有する第二ローラと、前記ステ
アリングシャフトの中心軸線と交差する中心軸線のまわ
りに回転可能に設けられ、両ローラの円錐面と線接触す
る円錐面を有する第三ローラと、それら第一,第二,第
三ローラを互いに押し付ける押付装置と、前記第三ロー
ラに接続され、第三ローラを駆動する回転駆動装置と、
その回転駆動装置に、前記ステアリングホイールに加え
られる操作トルクに応じた駆動トルクを生じさせる制御
装置とを含むパワーステアリング装置(請求項3)。本
明細書において「ステアリングシャフト」は、ステアリ
ングホイールの回転をステアリングギアに伝達する軸状
の部分全体を指すものとする。具体的には、例えば、ス
テアリングメインシャフト、ピニオンシャフトまたはウ
ォームシャフト、およびそれらを屈曲かつ回転伝達可能
に連結する継手等を包含するものとする。なお、パワー
ステアリング装置はいわゆるコラムアシスト式であって
もピニオンアシスト式であっても良いし、その他の態様
であっても良い。本項のパワーステアリング装置は、前
記(1) 項に記載の回転伝達装置を自動車のパワーステア
リング装置に適用したものであり、(1) 項に関する前記
説明がすべて当てはまる。たとえば、歯車を利用したパ
ワーステアリング装置においては、歯車を噛み合わせる
ためにバックラッシが不可欠であり、そのため操舵フィ
ーリングの悪化や騒音発生などの問題が生じている。そ
れに対して、本項に記載の電動パワーステアリング装置
においては、バックラッシをなくすことにより上記問題
を解消することができる。 (15)前記第一ローラの円錐面が凸円錐面であり、前
記第二ローラの円錐面が凹円錐面である(13)項に記載の
パワーステアリング装置(請求項4)。本パワーステア
リング装置は、前記(2) 項の要件を含む前記(3) 項に記
載の回転伝達装置を自動車のパワーステアリング装置に
適用したものであり、(2) 項および(3) 項に関する前記
説明がすべて当てはまる。また、前記(4) 項ないし(13)
項の各々に記載の特徴は、上記(14)項または本項のパワ
ーステアリング装置においても採用することが可能であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】図に、本発明の一実施形態である
減速機を備え、それ自体も本発明の一実施形態である電
動パワーステアリング装置の要部を示す。電動パワース
テアリング装置は、運転者により操舵されるステアリン
グ装置12に、運転者の操舵力をアシストする電動アシ
スト装置10を設けたものである。本電動アシスト装置
10は装置は、いわゆるラックアンドピニオン式のステ
アリング装置12において、ピニオンシャフトの回転を
アシストするピニオンアシスト式である。ステアリング
装置12と電動アシスト装置10のうち後述する減速機
を除く部分については、既に良く知られた構成であるの
で簡単に説明する。
【0007】ステアリング装置12は、図示は省略する
が、運転者により操作されるステアリングホイールの回
転に基づいて車輪の向きを変えるものである。本ステア
リング装置12は、ステアリングホイールと一体的に回
転可能に設けられたステアリングメインシャフト(以
下、メインシャフトと称する)14を備え、そのメイン
シャフト14は、ステアリングホイールと固定された側
とは反対側の端部においてピニオンシャフト16と連結
されている。メインシャフト14は、自在継ぎ手により
互に屈曲可能に連結された第一軸および第二軸から成っ
ており、第一軸がステアリングホイールと固定され、第
二軸がピニオンシャフト16と連結されている。メイン
シャフト14とピニオンシャフト16とは回転トルク検
出部材としてのトーションバー18により連結されてお
り、トーションバー18はメインシャフト14の回転を
ピニオンシャフト16に伝達するとともに、回転トルク
に比例した角度捩られる。ピニオンシャフト16は、一
端部に形成されたピニオン20において、左右の車輪に
連結されたラック22と噛み合わせられており、ピニオ
ン20の回転がラック22の左右方向の移動に変換され
て車輪に伝達される。それらピニオン20およびラック
22を収容しているギアハウジング24の直上に前述の
電動アシスト装置10が設けられている。
【0008】電動アシスト装置10はアシストモータ3
0を備えており、そのアシストモータ30の回転をピニ
オンシャフト16に伝達することにより、運転者による
ステアリングホイールの操作をアシストする。アシスト
モータ30の回転は減速機32により減速されてピニオ
ンシャフト16に伝達される。減速機32は、アシスト
モータ30により回転させられる駆動ローラ34と、ピ
ニオンシャフト16に相対回転不能に取り付けられて駆
動ローラ34により回転させられる被駆動ローラ36と
を有し、さらに、被駆動ローラ36と共同して駆動ロー
ラ34を挟むバックアップローラ38を有する。減速機
32はハウジング40に収容されており、ハウジング4
0はベアリング42を介して駆動ローラ34を回転可能
に保持している。そのハウジング40にアシストモータ
30のステータが固定されており、アシストモータ30
のロータは駆動ローラ34に連結されている。なお、ハ
ウジング40は実際には複数の部材により構成される
が、図には一体化して示されている。
【0009】被駆動ローラ36は、前述のピニオンシャ
フト16に、同軸にかつ一体的に回転可能に取り付けら
れている。具体的には、図2に示すように、被駆動ロー
ラ36の中央を貫通する貫通穴44が形成され、その貫
通穴44にピニオンシャフト16が嵌合されている。ピ
ニオンシャフト16と駆動ローラ34の貫通穴44との
互に対応する部位に、ピニオンシャフト16の軸方向に
平行なキー溝46,48がそれぞれ形成され、それらに
キー50が挿入されて、被駆動ローラ36とピニオンシ
ャフト16とが相対回転不能とされている。被駆動ロー
ラ36は、ピニオンシャフト16と同軸の凹円錐面52
を有しており、その凹円錐面52は下方(ステアリング
ホイールから離間する方向)にむかって直径が増大する
向きに形成されている。被駆動ローラ36の凹円錐面5
2は、熱処理(焼入れ,焼戻し)された上、研削装置に
より研削加工が施されており、精度よく形成されてい
る。ピニオンシャフト16の軸線に直角な円形の平面5
4と凹円錐面52との境界部には研削逃げ56が形成さ
れており、凹円錐面52にのみ研削加工が施されてい
る。被駆動ローラ36のステアリングホイール側の端面
である上端面58は、ピニオンシャフト16と直交する
平面とされており、ピニオンシャフト16から一体的に
半径方向外向きに延び出したフランジ部60に当接させ
られている。それによって、被駆動ローラ36のステア
リングホイールに接近する向きの移動が阻止されてい
る。
【0010】被駆動ローラ36の凹円錐面52に接触す
るように駆動ローラ34が配設されている。駆動ローラ
34は凸円錐面70を有しており、その凸円錐面70に
おいて被駆動ローラ36の凹円錐面52に接触してい
る。駆動ローラ34は、被駆動ローラ36に比較して中
心角が小さく、頭が切られた円錐形をしており、ピニオ
ンシャフト16側ほど径が小さくなる向きで配設されて
いる。また、駆動ローラ34は被駆動ローラ36および
後述するバックアップローラ38に比較して径が小さく
されている。駆動ローラ34の軸線はピニオンシャフト
16の軸線と同一平面上に位置している。したがって、
駆動ローラ34と被駆動ローラ36とは凸円錐面70と
凹円錐面52との各一母線に沿った狭い帯状の領域で接
触する。両ローラ34,36が真の剛体であれば、両者
はそれぞれの一母線同士において線接触するのである
が、両者は微小量ではあるが弾性変形するため、各一母
線に沿った狭い帯状の領域で接触することとなるのであ
る。図に示すように、駆動ローラ34の軸部が減速機3
2から斜め下方に延び出しており、アシストモータ30
が従来の電動アシスト装置におけるアシストモータに比
較して低い位置に配設されている。
【0011】駆動ローラ34を挟んで被駆動ローラ36
とは反対側にバックアップローラ38が設けられてい
る。バックアップローラ38は、ピニオンシャフト16
に、相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に取り付け
られている。具体的には、バックアップローラ38はニ
ードルベアリング71を介してピニオンシャフト16に
取り付けられている。ニードルベアリング71は複数本
の針状ころ72がピニオンシャフト16の外周面に接触
させられて、それら針状ころ72のさらに外周側から横
断面形状がコの字状であるアウタレース73により軸方
向相対移動不能に保持されている。バックアップローラ
38がアウタレース73と相対回転不能に固定されてい
ることにより、バックアップローラ38は滑らかに回転
することができる。バックアップローラ38はピニオン
シャフト16と同軸の凸円錐面74を備え、その凸円錐
面74が駆動ローラ34の凸円錐面70と接触するよう
にされている。バックアップローラ28は凸円錐面74
が被駆動ローラ36の凹円錐面52と対向するように配
設されており、駆動ローラ34が、それらバックアップ
ローラ38と被駆動ローラ36との両方に接触させられ
ているのである。なお、バックアップローラ38の凸円
錐面74にも熱処理(焼入れ,焼戻し)と研削加工が施
されており、大径端部に駆動ローラ34の端面と係合す
る係合部80が形成されている。このことにより、駆動
ローラ34の大径側への移動が防止される。バックアッ
プローラ38は駆動ローラ34により被駆動ローラ36
が回転させられる際には、被駆動ローラ36およびピニ
オンシャフト16と反対向きに回転させられる。
【0012】バックアップローラ38の下側面82に環
状の凹み部83が形成されており、その凹み部にスラス
ト軸受としてのボールベアリング84のアウタレースが
部分的に嵌合されている。さらにその下側に弾性部材と
しての皿ばね86が配設されて、ボールベアリング84
とバックアップローラ38とを被駆動ローラ36に接近
する向きに付勢している。皿ばね86の下方に一対のナ
ット90が配設されており、皿ばね86の下方への移動
を制限している。ピニオンシャフト16の一部が雄ねじ
部92とされ、雌ねじ穴94を有する一対のナット90
がそれに螺合されている。それら一対のナット90によ
り皿ばね86の軸方向位置が調節され、バックアップロ
ーラ38を付勢する付勢力が調整されることにより、駆
動ローラ34と被駆動ローラ36とバックアップローラ
38とが互いに押し付けられる押付力が調整される。こ
の押付力の調整により、駆動ローラ34と被駆動ローラ
36との間の摩擦力を調整することができる。
【0013】本電動アシスト装置10は、アシストモー
タ30の回転を制御する制御装置100を有する。図3
に示すように、制御装置100は、CPU102,RO
M104,RAM106とそれらを接続するバス108
を主体とするコンピュータ110を含み、バス108に
接続された入力インタフェース112には、車輪速セン
サ114,トルクセンサ116,モータ回転角センサ1
18などが接続されている。一方、バス108に接続さ
れた出力インタフェース120には、駆動回路122を
介してアシストモータ30が接続されている。制御装置
100は、各センサ114,116,118の情報に基
づいてアシストモータ30を制御する。なお、各センサ
114,116,118については、既に良く知られた
構成であるので詳細な説明を省略する。
【0014】次に電動アシスト装置10の作動について
説明する。運転者により、ステアリングホイールが操舵
されれば、メインシャフト14とピニオンシャフト16
とを連結するトーションバー18が捩れ、メインシャフ
ト14とピニオンシャフト16との間に相対変位が生じ
る。この変位がトルクセンサ116により検出され、検
出電圧が制御装置100に出力される。その出力信号に
基づいてコンピュータ110により駆動ローラ34を回
転させる回転量を含む指令情報が作成され、指令信号が
出力される。それに対して、運転者が操舵せず、車両が
直進走行している場合には、メインシャフト14にトル
クが発生しないため、トーションバー18が捩れずトル
クセンサ116の出力信号に変化が生じないので、駆動
ローラ34は回転させられない。
【0015】上記のようにアシストモータ30が駆動さ
れれば、駆動ローラ34が回転させられる。駆動ローラ
34は被駆動ローラ36とバックアップローラ38とに
挟まれているので、それら被駆動ローラ36およびバッ
クアップローラ38が駆動ローラ34の回転にしたがっ
て回転する。被駆動ローラ36とバックアップローラ3
8とが反対向きに回転させられるのである。この際、ロ
ーラ同士の摩擦により回転が伝達されるのであるが、本
実施形態においては、駆動ローラ34に比較して被駆動
ローラ36およびバックアップローラ38の直径が大き
くされているので、比較的小さい摩擦力によって大きな
回転トルクが被駆動ローラ36に伝達される。駆動ロー
ラ34はバックアップローラ38により被駆動ローラ3
6に押し付けられているので、駆動ローラ34と被駆動
ローラ36との間に大きな摩擦力を得ることができ、ア
シストモータ30の回転を被駆動ローラ36に良好に伝
達することができる。
【0016】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においてはピニオンシャフト16が「第一回転軸」を
構成し、メインシャフト14とピニオンシャフト16と
が互いに共同して「ステアリングシャフト」を構成し、
駆動ローラ34が「第三ローラ」を、被駆動ローラ36
が「第二ローラ」を、バックアップローラ38が「第一
ローラ」をそれぞれ構成し、出力シャフト72が「第二
回転軸」を構成し、フランジ部60とボールベアリング
84と皿ばね86とナット90とが共同して「押付装
置」を構成している。
【0017】本電動アシスト装置10においては、歯車
対の代わりに3つのローラ34,36,38を組み合わ
せた減速機32が用いられているため、バックラッシに
よる操舵フィーリングの悪化や騒音などの問題を解消す
ることができる。また、ローラはハイポイドギアやウォ
ームギアに比較して加工が容易であるのでコストの低減
を図ることができる。さらに、被駆動ローラ36の凹円
錐面52と駆動ローラ34の凸円錐面70とを接触させ
て回転を伝達する構成であるので、凸円錐面同士を接触
させる場合に比較して接触面積を大きくすることがで
き、被駆動ローラ36の凹円錐面52と駆動ローラ34
の凸円錐面70との耐久性を向上させることができる。
さらに、凸円錐面同士の摩擦係合による場合より、凹円
錐面52と凸円錐面70との摩擦係合による場合の方
が、駆動ローラ34のスキュー現象が軽減される。
【0018】本実施形態においては、減速機がピニオン
シャフトに設けられ電動パワーステアリング装置がピニ
オンアシスト式とされていたが、減速機をステアリング
メインシャフトに設けていわゆるコラムアシスト式の電
動パワーステアリング装置とすることも可能である。
【0019】さらに、ステアリングギアがラックアンド
ピニオン式とされていたが、ウォームギヤとウォームホ
イールとの組み合わせ(いわゆるリサーキュレーティン
グボール式ステアリングギア)であっても良いし、別の
形態であっても良い。
【0020】さらに、別の態様について説明する。本態
様における減速機198は、前述の電動パワーステアリ
ング装置の減速機32に比較して構成の一部のみ異なる
ので、異なる部分についてのみ詳細に説明し、共通する
構成要素については共通の符号を用いることにより説明
を省略する。減速機198は、図4に示すように、駆動
ローラ34が、それを軸方向に移動不能に保持するケー
ジ200に保持されるとともに、そのケージ200に駆
動ローラ34と同じ形状の円錐状ころ202が複数個保
持されている。ケージ200は、傘状であって、円錐状
ころ202を隙間を有して保持するためのポケット20
4が複数個形成されている。本実施形態においては、ポ
ケット204は等角度間隔に4個形成されている。それ
らポケット204のうちの1つに駆動ローラ34がほぼ
相対移動不能に、かつ相対回転可能に保持され、その他
のポケット204に円錐状ころ202が保持されてい
る。各円錐状ころ202は、被駆動ローラ36およびバ
ックアップローラ38に対してそれぞれの母線に一致す
るように接触させられている。ケージ200の駆動ロー
ラ34の回転軸に対応する部分がドーム状に形成されて
おり、回転軸に干渉しないようにされている。この減速
機によれば、バックアップローラ38が傾斜させられる
ことを回避できるので、バックアップローラ38を良好
に回転させることができる。
【0021】上記各実施形態においては、減速機32,
198が自動車の電動アシスト装置に用いられていた
が、単に減速機として用いることや、他の装置に組み込
まれることも可能である。たとえば、自動ドアの減速機
等に利用することができる。
【0022】以上、本発明の実施形態を説明したが、こ
れらは例示であり、本発明は、前記〔発明が解決しよう
とする課題,課題解決手段および発明の効果〕の項に記
載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種
々の変更,改良を施した形態で実施することができる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電動パワーステアリ
ング装置の要部を示す正面図(一部断面)である。
【図2】図1の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図3】上記電動パワーステアリング装置の制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す正面断面図であ
る。
【符号の簡単な説明】
14:ステアリングメインシャフト 16:ピニオ
ンシャフト 30:アシストモータ 32,1
98:減速機 34:駆動ローラ 36:被駆
動ローラ 38:バックアップローラ 52:
凹円錐面 70:凸円錐面 74:凸円錐面
84:ボールベアリング 86:皿ばね
90:ナット 92:雄ねじ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸円錐面を有する第一ローラと、 前記凸円錐面と同軸に対向する凹円錐面を有し、かつ、
    第一ローラと相対回転可能な第二ローラと、 前記凸円錐面と前記凹円錐面との両方に外周面において
    接触する第三ローラと、 それら第一,第二,第三ローラを互いに押し付ける押付
    装置と、 前記第二ローラと一体的に回転する第一回転軸と、 前記第三ローラと一体的に回転する第二回転軸とを含
    み、かつ、前記第二回転軸が入力軸、前記第一回転軸が
    出力軸であって、入力軸の回転を減速して出力軸に伝達
    することを特徴とする交叉軸回転伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記押付装置が、前記第一ローラと前記
    第二ローラとを互いに接近する向きに付勢する付勢装置
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の交叉軸回転伝
    達装置。
  3. 【請求項3】 装置本体と、 その装置本体により回転可能に保持されたステアリング
    シャフトと、 そのステアリングシャフトに取り付けられたステアリン
    グホイールと、 前記ステアリングシャフトに同軸にかつ相対回転可能に
    嵌合され、ステアリングシャフトと同軸の第一円錐面を
    有する第一ローラと、 前記ステアリングシャフトに同軸にかつ一体的に回転可
    能に設けられ、前記第一円錐面と同軸に対向する第二円
    錐面を有する第二ローラと、 前記ステアリングシャフトの中心軸線と交差する中心軸
    線のまわりに回転可能に設けられ、両ローラの円錐面と
    線接触する円錐面を有する第三ローラと、 それら第一,第二,第三ローラを互いに押し付ける押付
    装置と、 前記第三ローラに接続され、第三ローラを駆動する回転
    駆動装置と、 その回転駆動装置に、前記ステアリングホイールに加え
    られる操作トルクに応じた駆動トルクを生じさせる制御
    装置とを含むことを特徴とするパワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第一ローラの円錐面が凸円錐面であ
    り、前記第二ローラの円錐面が凹円錐面であることを特
    徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置。
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