JP2002121454A - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具

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JP2002121454A
JP2002121454A JP2000313257A JP2000313257A JP2002121454A JP 2002121454 A JP2002121454 A JP 2002121454A JP 2000313257 A JP2000313257 A JP 2000313257A JP 2000313257 A JP2000313257 A JP 2000313257A JP 2002121454 A JP2002121454 A JP 2002121454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ中に気泡が発生することを防止して、
良好な筆跡が得られる筆記具用水性インキ組成物及びそ
れを内蔵した筆記具を提供する。 【解決手段】 着色剤、水、水溶性有機溶剤、下記一般
式(1)で示されるヒドロキシルアミンを含んでなる筆
記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具。 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2 は水素又はアル
キル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筆記具用水性インキ
組成物と、それを用いたインキ消費に伴って追従するイ
ンキ逆流防止体を充填してなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性インキのうち剪断減粘性
を有するインキとしては、高分子多糖類等の剪断減粘性
付与剤を含む水性ボールペン用インキ組成物が開示され
ている(特開平4−214782号公報)。この種のイ
ンキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であ
り、機構内において安定的に保持されており、筆記時に
あっては高速回転するボールによる高剪断力によってボ
ール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボ
ールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写され
る。前記紙面に転写されたインキは剪断力から開放され
るため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物
の欠点である筆跡の滲みを発生させない。更に、前記し
た剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することな
く、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(ペン
芯)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる。
前記した従来の剪断減粘性を示す水性インキを用いた筆
記具は構造が簡易であり、前記流量調節部材を用いた筆
記具のようにインキの消費に伴って内部に空気が入り込
まないことから内部圧力の変化が少なく、インキのボタ
落ちを生じない利点も有する反面、インキの調製及び充
填に際し、特別な配慮が必要である。これは、インキ後
端面には前記インキ中の溶剤が蒸発することを防止した
り、或いは筆記先端部が上向き状態(正立状態)におい
てインキの逆流を防止するインキの消費に伴って追従す
るインキ逆流防止体(液栓)が充填されるためであり、
インキは外部の空気と遮断された気密空間に存在するた
め、インキ中に気体が混入していると、経時により気体
が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を
与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能
になる虞れがあるからである。これとは別に、前記イン
キ逆流防止体が充填されるタイプの筆記具として、筆記
先端部近傍に弁機構を設けることによって、剪断減粘性
を示さない水性インキ組成物を充填することもできる
が、前記と同様に気泡が存在すると筆記性能に悪影響を
与える。前記した問題を解決するためには、機械的にイ
ンキ中の気体を取り除く脱泡処理が主に行われている
が、この方法のみでは充分な脱泡ができ難く、インキ中
に気体が残ることがある。又、顔料、金属粉、酸化チタ
ン等の溶剤に不溶の着色剤を用いる場合、遠心脱泡等の
処理を行うと着色剤がインキ収容容器中に偏在するとい
った不具合を生じる。従って、インキ中の気体を化学的
に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘
導体を添加したり(特公平7−113101号公報)、
α−トコフェロールを添加したり(特開平10−330
672号公報)、更にはカテキン類を添加する(特開平
10−298483号公報)試みが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記イ
ンキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、アスコ
ルビン酸誘導体は着色剤として顔料を用いる系において
は、前記顔料の凝集を生じ易くなり実用が制限される。
また、α−トコフェロールは水不溶性のため経時によっ
て分離し、気体の除去機能を永続して発現させ難い。ま
た、前記カテキン類は適用する着色剤が限定されたり、
気体の除去機能が短期間で消失してしまう等の不具合を
生じることなく、良好な気体の除去が可能であるもの
の、カテキン類は天然抽出物のため純度が低く、しか
も、還元性を示して気体を除去する官能基が僅かであ
り、所望の効果を得るために多量の添加を余儀なくされ
る。本発明は、前記したインキ中の気体を化学的に除去
する特定の化合物を用いることによって、実用性が広
く、且つ、良好な筆記性能を得ることができる筆記具用
水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも着
色剤、水、水溶性有機溶剤を含んでなる水性インキ組成
物において、一般式(1)で示されるヒドロキシルアミ
ンを含んでなる筆記具用水性インキ組成物を要件とす
る。更には、前記ヒドロキシルアミンのアルキル基が炭
素数1乃至6の直鎖又は側鎖アルキル基であること、前
記ヒドロキシルアミンをインキ組成物中0.01〜5重
量%含んでなること、剪断減粘性付与剤を含んでなるこ
と、E型回転粘度計による100rpmにおけるインキ
粘度が 20〜200mPa・s(25℃)を示し、且
つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.8を示すこと等を要
件とする。更には、インキ消費に伴って追従するインキ
逆流防止体を配置するタイプの筆記具に前記インキ組成
物を充填してなる筆記具を要件とする。
【0005】本発明者は、前記したインキ中の気体を化
学的に除去する化合物のうち、各種添加剤に対する影響
が少なく、しかも、少量の添加で十分な気体の除去機能
を示すと共に前記機能を永続的に発現させる化合物につ
いて鋭意検討した結果、一般式(1)で示されるヒドロ
キシルアミンが良好な筆記性能を維持しつつ、長期的に
顕著な気体除去機能を示すことを見いだした。
【0006】前記ヒドロキシルアミンは還元性を示す化
合物であり、インキ組成物中に添加することにより良好
な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含
む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察
される。前記ヒドロキシルアミンは下記一般式(1)で
示される化合物である。
【0007】
【化2】 〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2 は水素又はアル
キル基を示す。〕
【0008】なお、前記ヒドロキシルアミンのアルキル
基は、好ましくは炭素数1乃至6の直鎖又は側鎖アルキ
ル基、更に好ましくは炭素数1乃至4の直鎖又は側鎖ア
ルキル基である。具体的には、N,N−ジエチルヒドロ
キシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N−
(tert−ブチル)ヒドロキシルアミンを例示でき
る。
【0009】前記ヒドロキシルアミンは、インキ組成中
0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%添
加することができる。0.01重量%以下では所期の気
泡発生抑止効果を得ることは困難であり、又、5重量%
以下であれば所期の効果が十分に得られるので、これ以
上の添加を要しない。
【0010】前記着色剤としては、水性系媒体に溶解も
しくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であ
り、その具体例を以下に例示する。 前記染料として
は、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用すること
ができる。酸性染料としては、ニューコクシン(C.
I.16255)、タートラジン(C.I.1914
0)、アシッドブルーブラック10B(C.I.204
70)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリ
リアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッ
ドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブル
ブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン
(C.I.44025)、エオシン(C.I.4538
0)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシ
ン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50
420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等
が用いられる。
【0011】塩基性染料としては、クリソイジン(C.
I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.
42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42
555)、マラカイトグリーン(C.I.4200
0)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレ
ンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB
(C.I.52015)等が用いられる。
【0012】直接染料としては、コンゴーレッド(C.
I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.
I.24400)、バイオレットBB(C.I.279
05)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.3
0235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35
225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.3
5255)、フタロシアニンブルー(C.I.7418
0)等が用いられる。
【0013】前記顔料としては、カーボンブラック、群
青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジ
ンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を
用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料
製品等が用いられ、例えば、 C.I.Pigment Blue 15:3B〔品
名:Sandye Super Blue GLL、顔
料分24%、山陽色素株式会社製〕 C.I. Pigment Red 146〔品名:S
andye Super Pink FBL、顔料分2
1.5%、山陽色素株式会社製〕 C.I.Pigment Yellow 81〔品名:
TC YellowFG、顔料分約30%、大日精化工
業株式会社製〕 C.I.Pigment Red 220/166〔品
名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工
業株式会社製〕等を挙げることができる。 なお、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビア
ゴム、セルロース、デキストラン、ガゼイン等、および
それらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられ
る。蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリッ
クス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が
使用できる。また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミ
ニウム等の金属粉、パール顔料、金色、銀色のメタリッ
ク顔料、蓄光性顔料、香料又は香料カプセル顔料等を使
用することもできる。前記顔料は一種又は二種以上を適
宜混合して使用することができ、インキ組成物中1乃至
25重量%、好ましくは2乃至15重量%の範囲で用い
られる。
【0014】前記水溶性有機溶剤としては、水に相溶性
のある従来汎用の溶剤が用いられ、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げ
られる。尚、前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を
併用することもでき、2〜60重量%、好ましくは5〜
35重量%の範囲で用いられる。
【0015】その他、必要に応じてpH調整剤、防腐剤
或いは防黴剤を添加することができる。前記pH調整剤
としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、ト
リエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性の
アミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。前
記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸
ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリ
ウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−
テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等
が挙げられる。その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ
素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面
活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加する
こともできる。
【0016】又、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド
樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セ
ルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を1種又は2種
以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビ
ット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加
水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を1種又は
2種以上添加することもできる。
【0017】インキ組成物の剪断減粘性とは静止状態あ
るいは応力の低い時は著しく高粘度で流動し難い性質を
有し、応力が増大すると低粘度化して良流動性を示すレ
オロジー特性を言うものであり、チクソトロピー性ある
いは擬似可塑性とも呼ばれる液性を意味している。よっ
て、インキ組成物は筆記時の高剪断応力下においては三
次元構造が一時的に破壊されインキの粘度が低下し、筆
記先端部のインキは筆記に適した低粘度インキとなり、
紙面に転移される。非筆記時にはインキの粘度が高くな
り、インキの漏出を防止したり、インキの分離、逆流を
防ぐことができる。又、インキ物性を経時的に安定に保
つことができる。特に、筆記先端部にボールを抱持した
ボールペンは、筆記時の高剪断応力下においてはボール
近傍のインキが筆記に適した低粘度となり、ボールとボ
ールハウスの間隙を毛細管力によって移動して紙面に転
移されるインキ特性が必要であり、また、非筆記時に
は、ボール近傍も含めてすべてのインキの粘度が高くな
り、インキの漏出を防止したり、インキの分離、逆流を
防止する必要があり、E型回転粘度計による100rp
mにおけるインキ粘度が20〜200mPa・s(25
℃)を示し、且つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.8を
示すインキ組成物が好適である。
【0018】前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶
乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウ
ェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有
機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分
子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカスト
ビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のア
ルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の
重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻よ
り抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデ
ンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれ
らの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシ
エチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導
体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8
〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアル
ケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは
混合して使用することができる。更に、N−アルキル−
2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリ
ビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いるこ
ともできる。前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中
0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
【0019】その他、必要に応じて防錆剤、潤滑剤等を
添加することができる。前記防錆剤としては、ベンゾト
リアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシ
クロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピ
ルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エ
チレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿
素等が挙げられる。前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポ
リアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキ
サイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性
剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸
塩等が挙げられる。
【0020】なお、好適に用いられる潤滑剤としては、
下記一般式(2)又は特公平1−13508号公報に記
載の燐酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
【0021】
【化3】 (式中、R1 は8〜18のアルキル基、アルケニル基、
或いは、フェニル基、アルキルフェニル基を示し、R2
はOH、OM、R−O−(CH2 CH2 O)nを示し、
Mは、アルカリ金属、アミン、アルカノールアミンを示
し、nは、1〜30を示す。)
【0022】本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊
維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボー
ルペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンや
ボールペンに充填される。
【0023】ボールペン自体の構造、形状は特に限定さ
れるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例
えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を
有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチッ
プに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用
の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
【0024】前記ボールペンチップについて更に詳しく
説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方
に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなる
チップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工に
より形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチッ
プ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工によ
り形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方
に付勢させたもの等を適用できる。又、前記ボールは、
超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の0.
3〜1.2mm径程度のものが適用できる。
【0025】前記インキ組成物を収容するインキ収容管
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体
が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられ
る。又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径
を有するものが好適に用いられる。更に、前記インキ収
容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用
いることにより、インキ色やインキ残量等を確認でき
る。前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接
続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結しても
よい。尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、
前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端
部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、
前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
【0026】前記インキ収容管に収容したインキ組成物
の後端にはインキ逆流防止体が充填される。前記インキ
逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いる
こともでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポ
リブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、
所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を
添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体
としては樹脂成形物が挙げられる。更に、前記液状及び
固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の筆記具用水性インキ組成
物は、水と水溶性有機溶剤からなる媒体中に、染料又は
顔料(顔料分散体)、ヒドロキシルアミン、必要により
剪断減粘性付与剤や各種添加剤を投入し、必要により加
温して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、
ボールペン、サインペン、フェルトペン、筆ペン等の形
態の筆記具に充填して使用される。
【0028】
【実施例】本発明のインキ組成及び比較例のインキ組
成、及び、インキの25℃におけるEM型回転粘度計に
よる1rpm、10rpm、100rpmにおける粘
度、剪断減粘性指数を以下に示す。なお、配合中の数字
は重量部を示す。
【0029】 実施例1 青色顔料 25.0 〔山陽色素(株)製、商品名:SS BLUE GLL) エチレングリコール 15.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1 〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕 トリエタノールアミン 0.5 N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 0.3 水 58.8 合計 100.0
【0030】前記配合物を混合して室温でディスパーに
て3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性イン
キ組成物が得られる。なお、前記インキ組成物の25℃
におけるEM型回転粘度計による1rpmにおける粘度
は1400mPa・sであり、10rpmにおける粘度
は200mPa・sであり、、100rpmにおける粘
度は40mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.22
8であった。
【0031】 実施例2 赤色染料 5.0 〔アイゼン(株)製、商品名:フロキシン、C.I.Acid Red92、 C.I.45410〕 ジエチレングリコール 15.0 キサンタンガム 0.3 炭酸ナトリウム 0.3 石炭酸 0.3 N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 0.1 水 79.0 合計 100.0
【0032】前記配合物を混合して室温でディスパーに
て3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性イン
キ組成物が得られる。なお、前記インキ組成物のEM型
回転粘度計による1rpmにおける粘度は1300mP
a・sであり、10rpmにおける粘度は190mPa
・sであり、、100rpmにおける粘度は41mPa
・sであり、剪断減粘性指数は0.249であった。
【0033】 実施例3 ピンク色蛍光顔料 40.0 〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコール NKW−2117) グリセリン 15.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) ナトリウムオマジン 0.3 〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕 トリエタノールアミン 0.5 N−メチルヒドロキシルアミン 0.2 水 43.7 合計 100.0 前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌
し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得
られる。なお、前記インキ組成物の25℃におけるEM
型回転粘度計による1rpmにおける粘度は1200m
Pa・sであり、10rpmにおける粘度は144mP
a・sであり、、100rpmにおける粘度は42mP
a・sであり、剪断減粘性指数は0.272であった。
【0034】 実施例4 アルミペースト 7.0 〔東洋アルミニウム(株)製、商品名:96−2104) グリセリン 15.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) ナトリウムオマジン 0.3 〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕 EDTAのアミン塩 1.0 〔キレスト(株)製、商品名:キレストM−50〕 α−サイクロデキストリン 3.0 〔塩水港製糖(株)製、商品名:デキシパールK−100〕 トリエタノールアミン 0.3 N−(tert−ブチル)ヒドロキシルアミン 0.2 水 72.9 合計 100.0
【0035】前記配合物を混合して室温でディスパーに
て3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性イン
キ組成物が得られる。なお、前記インキ組成物の25℃
におけるEM型回転粘度計による1rpmにおける粘度
は1400mPa・sであり、10rpmにおける粘度
は205mPa・sであり、100rpmにおける粘度
は44mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.249
であった。
【0036】比較例1 実施例1で用いたN,N−ジエチルヒドロキシルアミン
を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性イン
キ組成物を得た。
【0037】比較例2 実施例2で用いたN,N−ジエチルヒドロキシルアミン
を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性イン
キ組成物を得た。
【0038】比較例3 実施例3で用いたN−メチルヒドロキシルアミンを水に
換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成
物を得た。
【0039】比較例4 実施例4で用いたN−(tert−ブチル)ヒドロキシ
ルアミンを水に換えた以外は同様の方法により筆記具用
水性インキ組成物を得た。
【0040】前記インキ調製方法により、実施例インキ
及び比較例インキを調製し、直径0.5mmのボールを抱
持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製
パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填
し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防
止体を充填した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組
み込み、ボールペンとした。
【0041】前記の如くして得た初期のボールペン、及
び、50℃で60日間放置したボールペンのインキ収容
管内の気泡の有無、及び筆記試験により筆跡の状態を目
視により観察した。その結果を以下に示す。
【0042】
【表1】
【0043】尚、前記表中の判定基準は以下の通り。 筆跡の状態 ○:良好な筆跡が得られる。 ×:筆跡にカスレが見られる。
【0044】
【発明の効果】本発明のインキ組成物は、ヒドロキシル
アミンが配合されているので気泡を除去することがで
き、従って、前記インキを用いた筆記具は、経時により
気泡が発生せず、筆記先端部へのインキ導出が円滑に行
われ、安定した筆記性能を持続させることができ、継続
して良好な筆跡が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤、水、水溶性有機溶剤
    を含んでなる水性インキ組成物において、下記一般式
    (1)で示されるヒドロキシルアミンを含んでなる筆記
    具用水性インキ組成物。 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2 は水素又はアル
    キル基を示す。〕
  2. 【請求項2】 前記ヒドロキシルアミンのアルキル基が
    炭素数1乃至6の直鎖又は側鎖アルキル基である請求項
    1記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロキシルアミンをインキ組成物
    中0.01〜5重量%含んでなる請求項1記載の筆記具
    用水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 剪断減粘性付与剤を含んでなる請求項1
    又は2記載の筆記具用水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 E型回転粘度計による100rpmにお
    けるインキ粘度が20〜200mPa・s(25℃)を
    示し、且つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.8を示す請
    求項4記載の筆記具用水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 インキ消費に伴って追従するインキ逆流
    防止体を配置するタイプの筆記具において、請求項1乃
    至5記載のいずれかのインキ組成物を充填してなる筆記
    具。
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