JP2002121320A - 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法、およびその分解処理装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法、およびその分解処理装置

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JP2002121320A
JP2002121320A JP2000313153A JP2000313153A JP2002121320A JP 2002121320 A JP2002121320 A JP 2002121320A JP 2000313153 A JP2000313153 A JP 2000313153A JP 2000313153 A JP2000313153 A JP 2000313153A JP 2002121320 A JP2002121320 A JP 2002121320A
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thermosetting resin
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decomposing
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JP2000313153A
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English (en)
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Takayoshi Ueno
貴由 上野
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Takahiko Terada
貴彦 寺田
Keizo Nakajima
啓造 中島
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分解材料、製品の固形分解物、および製品中
に含まれる金属などの有価物の回収を効率的に行う熱硬
化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法およびその分
解処理装置を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と前記熱
硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを分解槽内で2
50℃以上の温度で接触させて前記熱硬化性樹脂硬化物
を分解する分解工程、および前記分解工程の後に前記分
解槽内で前記分解材料を気化させて分解材料回収槽へ前
記分解材料を凝縮回収する分解材料気化回収工程を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度および耐熱性
に優れ、工業材料に広く利用されている熱硬化性組成物
を結合剤として用いた製品の分解処理方法および分解処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂およびフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂
は、無機物質などの充填材や添加剤の配合、繊維による
強化が容易なことから、成形材料、積層板、接着剤およ
び塗料などに応用されている。この熱硬化性樹脂は、硬
化反応により架橋して三次元化し、一般的には不溶不融
の固体となる。このため、熱硬化性樹脂硬化物の分解処
理は困難であり、再生処理および再使用には不適なもの
として廃棄されていた。
【0003】ところが、近年廃棄物問題が注目されるに
つれて、熱硬化性樹脂硬化物の再利用および再資源化の
ための技術開発が必要とされ、熱分解による原料化など
が検討され始めた。例えば、繊維強化不飽和ポリエステ
ル樹脂などは、漁船、タンクおよび住宅用機材などの大
型製品の製造に多用されているため、廃棄物問題は深刻
である。しかし、熱硬化性樹脂硬化物の硬さ、強度、耐
熱性、難燃性および耐薬品性などの利点が、廃棄物処理
を技術的な面から困難にしているという問題があった。
【0004】また、熱硬化性樹脂は高強度的であること
から構造材として使われることが多いが、さらに金属な
どの材料を包含している場合も多々見受けられる。この
金属などは、熱硬化性樹脂よりも高価であるため、その
再生および再利用の重要性が大きいといえる。しかし、
エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などを結合材とする
銅張積層板およびIC(集積回路)モールドは、小型で
あるにも関わらず、紙、繊維などの他、銅、金および銀
などの貴金属を含んでいる。すなわち、熱硬化性樹脂の
分解処理とともに金属の分離が求められている。
【0005】このような状況に対して、特開2000−
198877号公報では熱硬化性樹脂を含む製品を分解
槽内において熱硬化性樹脂を分解し得る溶剤を含む分解
液に接触させる工程、前記分解液を250℃以上でかつ
前記溶剤の臨界温度未満の温度に加熱する工程を含む分
解処理方法が開示されている。この技術は、熱硬化性樹
脂硬化物を含む製品を前記溶剤を含む分解液に接触させ
ることによって、熱硬化性樹脂硬化物の主鎖および/ま
たは三次元架橋鎖を切断する。熱硬化性樹脂硬化物が分
解されることによって熱硬化性樹脂の結合材としての機
能は低下して崩壊する。すなわち、熱硬化性樹脂硬化物
は、硬化により束縛していた充填材、基材、添加剤など
を保持できなくなり、熱硬化性樹脂成分と、その他の成
分との分離が容易となる。この技術によって、製品の減
容化を行ったり金属を分離回収したりすることが可能に
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開2000−198
877号公報で開示されている方法では、熱硬化性樹脂
硬化物を効率的に分解するため基本技術が示されている
が、その関連操作となる分解材料、製品の固形分解物や
液状分解物、および製品中に含まれる金属などの有価物
の回収については、より効率的に回収する方法の開発が
望まれていた。
【0007】以上のような事実に鑑み、本発明は、熱硬
化性樹脂硬化物を含む製品から、熱硬化性樹脂およびそ
の他の構成要素を再利用および再資源化するために、分
解材料、製品の固形分解物、および製品中に含まれる金
属などの有価物の回収を効率的に行う熱硬化性樹脂硬化
物を含む製品の分解処理方法およびその分解処理装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、熱硬化性樹
脂硬化物を含む製品と前記熱硬化性樹脂硬化物を分解す
る分解材料とを分解槽内で200℃以上の温度で接触さ
せて前記熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解工程、およ
び前記分解工程の後に前記分解槽内で前記分解材料を気
化させて分解材料回収槽へ前記分解材料を凝縮回収する
分解材料気化回収工程を含む熱硬化性樹脂硬化物を含む
製品の分解処理方法によって上記目的を達成した。
【0009】また、本発明では、熱硬化性樹脂硬化物を
含む製品と前記熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料
とを分解槽内で200℃以上の温度で接触させて前記熱
硬化性樹脂硬化物を分解する分解工程、前記分解工程の
後に前記分解槽内で前記分解材料を気化させて分解材料
回収槽へ前記分解材料を凝縮回収する分解材料気化回収
工程、および前記分解材料気化回収工程の後に前記分解
材料、前記製品の液状分解物、あるいは前記製品の固形
分解物の少なくとも1種を液回収槽へ注液する注液回収
工程を含む熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方
法によって上記目的を達成した。
【0010】また、本発明では、熱硬化性樹脂硬化物を
含む製品と前記熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料
とを分解槽内で200℃以上の温度で接触させて前記熱
硬化性樹脂硬化物を分解する分解工程、前記分解工程の
後に前記分解槽内で前記分解材料を気化させて分解材料
回収槽へ前記分解材料を凝縮回収する分解材料気化回収
工程、および前記分解材料気化回収工程の後に前記分解
材料、前記製品の液状分解物、あるいは前記製品の固形
分解物の少なくとも1種を液回収槽へ注液する注液回収
工程を含む熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方
法によって上記目的を達成した。
【0011】また、本発明では、熱硬化性樹脂硬化物を
含む製品と前記熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料
とを分解槽内で200℃以上の温度で接触させて前記熱
硬化性樹脂硬化物を分解する分解工程、前記分解工程の
後に前記分解材料、前記製品の液状分解物、あるいは前
記製品の固形分解物の少なくとも一種を液回収槽へ注液
する注液回収工程、および前記注液回収工程の後に前記
分解材料を蒸留回収する分解材料蒸留回収工程を含む熱
硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法によって上
記目的を達成した。
【0012】また、本発明では、基材に熱硬化性樹脂を
含浸してなるプリプレグを積層成形してなる樹脂積層品
に導体パターンを形成したプリント基板と、前記プリン
ト基板に含まれる熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材
料とを、分解槽内で200℃以上の温度で接触させて前
記熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解工程、前記分解工
程を経た前記プリント基板における基材と金属材料との
結合を解く解結合工程、および前記解結合工程の後に前
記金属材料を分離回収する分離回収工程を含むプリント
基板の分解処理方法によって上記目的を達成した。
【0013】また、本発明は、熱硬化性樹脂硬化物を含
む製品と熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを収
容し200℃以上の温度に加熱する加熱手段を備えた分
解槽、前記分解液を回収する分解材料回収槽、前記分解
槽内から前記分解液を排気しながら前記分解槽内の圧力
を所定の圧力までに前記分解槽内を減圧する排気減圧手
段、前記分解槽内の圧力を前記分解槽内の圧力検出手
段、および前記圧力検出手段の検出信号に対応して前記
排気量を制御する排気量制御手段を含むことを特徴とす
る熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理装置によっ
て上記目的を達成した。
【0014】また、本発明は、熱硬化性樹脂硬化物を含
む製品と熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを収
容し200℃以上の温度に加熱する加熱手段を備えた分
解槽を含み、前記製品の固形分解物を格納して前記分解
槽から取り出し可能な固形分解物格納部を前記分解槽が
有することを特徴とする熱硬化性樹脂硬化物を含む製品
の分解処理装置によって上記目的を達成した。
【0015】また、本発明では、熱硬化性樹脂硬化物を
含む製品と熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを
収容し200℃以上の温度に加熱する加熱手段を備えた
分解槽を含み、前記加熱手段を前記分解材料に接する形
で前記分解槽の内部に設けることを特徴とする熱硬化性
樹脂硬化物を含む製品の分解処理装置によって上記目的
を達成した。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の対象である熱硬化
性樹脂硬化物を含む製品について説明する。本発明の分
解処理方法に供される熱硬化性樹脂硬化物を含む製品
は、熱硬化性樹脂を結合材としている。すなわち、熱硬
化性樹脂を充填材、基材および添加物などと複合化し、
熱硬化性樹脂の硬化反応により硬化したものである。
【0017】このような熱硬化性樹脂としては、例えば
不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂など
があげられる。これらの熱硬化性樹脂の製造方法および
条件には特に制限はない。例えば、モノマー成分の重合
比なども任意である。
【0018】不飽和ポリエステル樹脂を結合材として用
いる製品の例としては、充填材、増粘剤、離型剤、ワッ
クス、着色剤などを加えたBMC(bulk Molding Compo
und)、SMC(Sheet Molding Compound)などの成形
品、ガラスなどのフレークや繊維などを加えたライニン
グ材、ワックスなどを加えた塗料、充填材などを加えた
パテ、骨材、充填材などを加えたレジンコンクリート、
充填材、顔料などを加えた人工大理石、発泡剤などを加
えた発泡体、硬化促進剤、安定剤などを加えた接着剤な
どがあげられる。また、熱硬化性樹脂はバルク状の成形
材料として用いられていてもよく、シート状のSMC、
または粒状のPMC(Pelletized typeMolding Compoun
d)であってもよい。
【0019】ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン
樹脂を結合材として用いた製品としても、不飽和ポリエ
ステル樹脂と同様に充填材、基材、添加物などが加えら
れた成型品、接着剤、塗料などがあげられる。
【0020】また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂およびポリイミドなどの熱硬化性
樹脂を結合材とする製品の例としては、上記結合材とす
る樹脂硬化物と同様の製品以外に、ガラス繊維、ポリア
ミド繊維、アラミド繊維、アクリル繊維もしくはポリエ
ステル繊維の織布または不織布、綿布、アスベストなど
を基材とし、それに各樹脂成分を含浸させて得られたプ
リプレグを積層成形した樹脂積層品などがあげられる。
この樹脂積層品は、さらに接着剤を塗布した銅箔を乗せ
て積層成形すれば銅張積層板となる場合もある。また、
導体パターンを形成したプリント配線板や、さらにプリ
ント配線板に電子部品を装着したプリント回路板であっ
てもよい(本発明では、銅張積層板、プリント配線板、
プリント回路板を含めてプリント基板という表現を用い
る)。これらの場合、本発明の分解処理方法により、積
層板部分の熱硬化性樹脂のみならず、レジスト部分や部
品に使用されている熱硬化性樹脂についても同様に分解
される。
【0021】本発明の分解処理の対象となる製品として
は、例えば浴槽、便槽、貯水槽および洗面台などの建設
資材、椅子、机および家具などの家庭用品、タイル、人
工大理石およびパイプなどの土木資材、船舶、自動車、
鉄道および航空機などの輸送機器のボディや部品、住宅
機器、化粧板ならびに装飾品などがあげられる。また、
これらの製品における熱硬化性樹脂の形態および形状な
どにも制限はなく、塗料、パテおよび接着剤などとして
用いられていてもよい。また、テレビ、ステレオ、電子
レンジ、ファクシミリなどの使用済みの家電製品や、部
品としてはプリント基板、銅および鉄からなる巻線およ
び芯材などの金属部材を含むモールドモータやモールド
トランス、半導体素子やリードフレームなどが熱硬化性
樹脂で封止されたIC部品などのモールド電子部品、お
よび磁性材料粉末を熱硬化性樹脂硬化物で結着したボン
ド磁石などに対してなど幅広く適用できる。特に、プリ
ント基板には多種類の部品が実装されて多種類の金属成
分や樹脂成分を含み、また、環境負荷物質である鉛など
の重金属を含有するため、金属材料を効率的に分離でき
る本発明の適用が有効である。この場合、プリント基板
を含んだ機器や、機器から抜き取られたプリント基板、
製造工程で発生するプリント基板などが対象となる。樹
脂積層板に銅箔が張られた銅張積層板、銅張積層板にプ
リント配線が施されたプリント配線板、およびプリント
配線板に部品が実装されたプリント回路板のいずれもが
本発明の対象である。
【0022】分解材料には、熱硬化性樹脂を分解する材
料ならば特に限定はないが、Fedorsによって示さ
れている溶解パラメータ(Polymer Engen
eering Science 14巻 147頁 1
974年)の値が18(MJ/m31/2以上である溶剤
を含んでいれば、熱硬化性樹脂を分解する効果が大きく
好ましい。例えば、炭化水素、アルコール類、ケトン
類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、フェノ
ール類、有機酸類、あるいは酸無水物類などが用いられ
る。使用後の分解材料の廃棄方法として焼却処理を考え
た場合、分解材料は炭素、水素、酸素のみから構成され
ていることが焼却処理における排ガス処理の負担を軽減
できる点から好ましい。また、分解工程における分解材
料の蒸気圧を上昇することを考慮して、分解材料の沸点
は140℃以上の蒸気圧の低い材料が好ましい。
【0023】また、分解材料には、上記材料の他に、分
解材料および前記製品が含有する金属などの酸化劣化を
より確実に防ぐために、酸化防止剤または還元剤を含む
のが好ましい。このような酸化防止剤または還元剤とし
ては、分解材料に対する溶解性が良好であり、分解材料
および金属の酸化(劣化)を防止する防止の効果が高い
という理由から、例えばヒドロキノン、メトキノン、ベ
ンゾキノン、ナフトキノン、ブチルカテコール、ブチル
ヒドロキノン、次亜リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリ
ウムおよびアスコルビン酸よりなる群から選択される少
なくとも1種があげられる。また、これらのなかでも、
酸化防止能に優れるという点から、ヒドロキノン、メト
キノンが好ましい。これら酸化防止剤または還元剤は、
酸化防止機能および還元機能を発揮するという点から、
分解材料中の溶剤100重量部に対して0.2〜10重
量部であればよいが、さらに、分解材料の溶解安定性と
いう点から、1〜5重量部であるのが好ましい。
【0024】本発明では、熱硬化性樹脂硬化物を含む製
品と分解材料とを接触は200℃以上の温度で行う。接
触時の温度は高い方が大きな分解反応速度を得るが、温
度が高すぎると、圧力が高くなりすぎて分解槽に高耐圧
性が必要となること、分解によって発生するガス量が多
くなってその回収が困難になること、および分解材料の
分解も起こりうることから、分解材料の温度は分解材料
の臨界温度未満であるのが好ましい。
【0025】熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と分解材料
とを接触には、分解材料が液相の状態で接触させる場
合、および気相の状態で接触させる場合のいずれの状態
でも構わない。液相状態で接触させる場合には、分解材
料の液相中に直接製品を浸漬したり、あるいは分解材料
の液を製品に吹き付けたりする。一方、気相状態で接触
させる場合には、製品と分解材料の液相部分と離して配
置して分解材料の蒸気を含む雰囲気下に製品をさらした
り、あるいは分解材料の蒸気を製品に吹き付けたりす
る。
【0026】本発明の分解材料は、高温での安定性が高
く、また自らの分解により酸素を発生させることや、樹
脂硬化物が含有する金属類などの酸化を誘発することが
まれであるので、酸素排除などの前処理工程を必ずしも
必要としない。しかし、樹脂硬化物に含有される金属な
どのわずかな酸化が問題となる場合や、分解材料の寿命
をより長くするためには、酸素排除などの前処理工程を
設けることもできる。すなわち、熱硬化性樹脂硬化物を
含む製品と分解材料とを接触させる前に、分解槽内の酸
素を排除するのが好ましい。この工程は常法により実施
できるが、例えば前記製品および分解材料を仕込んだ分
解槽にガス導入管および排気バルブを設け、窒素ガスボ
ンベから直接送気すればよい。また、減圧して分解槽内
の気体を排気してもよい。減圧するには、例えば前記製
品および分解液を仕込んだ分解槽に排気バルブを設け、
真空ポンプを配管して行えばよい。このときの減圧の程
度はできるだけ真空に近いほうが良い。好ましくは0.
001MPa以下である。さらに、いずれの方法におい
ても、分解材料を攪拌したり、適度に加温したりするこ
とによって酸素排除の効率を上げることができる。好ま
しくは、これらの方法を両方とも採用し、前記分解槽内
の酸素を排気できればどのような方法で行っても構わな
いが、例えば前記分解槽内の気体を窒素ガスで置換し、
ついで窒素ガスを排気して前記分解槽内を減圧するのが
よい。このように、酸素排除の前処理の後に分解処理を
行うことにより、高温反応処理時の主な分解液劣化原因
である酸化を防ぎ、分解液の寿命を延ばし、繰り返し使
用性を向上させる。さらに前記製品に含まれる金属類な
どの酸化劣化なども防止し、分離回収される材料の品質
も向上させることができる。
【0027】(実施の形態1)まず、本発明の発明実施
の形態1について説明する。
【0028】本発明実施の形態1は、分解材料の効率的
な回収に関わる分解処理方法、およびその分解処理装置
に関する。図1に構成例を示す。分解槽4中に、熱硬化
性樹脂硬化物を含む製品1および分解材料2とを投入し
て、加熱手段4で分解槽3を加熱することで、製品1お
よび分解材料2とが200℃以上の温度で接触して熱硬
化性樹脂硬化物が分解されることで分解工程が行われ
る。その後、分解材料2を気化させて分解槽3内から冷
却手段6により冷却された分解材料回収槽5へ凝縮回収
して分解材料気化回収工程が行われる。本発明では、分
解材料を気化させて分解槽内の分解材料を完全に回収で
きるため、分解工程が終了後分解槽を冷却して分解材料
を別容器へ回収する場合に比べて、分解工程終了後で加
熱された分解槽の熱を利用してそのまま分解材料2を気
化させて分解材料気化回収工程を行うことも可能である
ため分解材料回収工程を省エネルギー化できる点が特徴
である。
【0029】また、分解工程で製品の固形分解物が発生
する場合があり、分解工程終了直後ではこの固形分解物
が分解材料や製品の液状分解物などの液体との混合物と
なっている。このような混合物の状態では固形物分解物
の再資源化などの点から取扱いが困難になる場合には、
分解材料気化回収工程の際に製品の固形分解物を乾燥固
化するまで分解材料や製品の液状分解物などの液体を気
化させることが好ましい。
【0030】さらに、分解工程によって製品中の熱硬化
性樹脂硬化物が分解して生成する液状分解物が分解材料
と混合するため、分解液回収工程を蒸留操作によって行
うことで純度の高い分解材料が得られ、分解材料の再利
用の点から好ましい。蒸留操作としては、単蒸留、水蒸
気蒸留、減圧蒸留、精留など一般的な方法が用いられる
が、特に、分解槽内を排気して分解槽内の圧力を所定の
圧力まで減圧する排気減圧操作によって蒸留操作を行う
ことが好ましい。図1において、分解槽3として密閉容
器を用いて分解材料2の沸点より高い温度で分解工程を
行った場合、分解槽3内は大気圧以上であるため分解工
程終了後に蒸留操作を行う所定の温度に調節してバルブ
7を開放することで分解槽3内は大気圧まで減圧され蒸
留操作(単蒸留操作)が行われる。また、分解材料2の
沸点より低い温度にまで分解槽3を冷却し、排気減圧手
段8により分解槽3内の排気減圧操作を行うことで蒸留
操作(減圧蒸留)が行われる。
【0031】また、蒸留操作の際に分解材料が突沸し
て、製品中の熱硬化性樹脂硬化物などの分解物が大量に
回収した分解材料に混入しないように、排気減圧操作は
分解槽内の圧力が所定の圧力以下にならないように、あ
るいは減圧速度が所定の値以上にならないように、分解
槽内の圧力をモニタリングしながら行うことが好まし
い。この点に着眼した本発明の分解処理装置の構成例を
図2に示す。分解槽3にはバルブ7、分解材料回収槽
5、排気減圧手段8に加えて、分解槽3内の圧力をモニ
タリングする圧力検出手段9および排気量制御手段10
が設けられている。分解工程終了後、所定圧力まで排気
減圧手段8で分解槽3を排気しながら減圧する際に、分
解槽3内の圧力が所定の圧力以下にならないように、あ
るいは分解槽3内の減圧速度が所定の値以上にならない
ように、圧力検出手段9の検出信号に対応して排気量制
御手段10での排気量を制御する。また、圧力検出手段
9はバルブ7のバルブ7での開閉度を制御することでも
排気量を制御できる。
【0032】実施例を図2の構成で行った。製品1とし
ては工程廃材として発生したモールドIC部品を用い
た。尚、このモールドIC部品は集積回路がエポキシ樹
脂でモールドされている。分解材料2としてはエチルビ
フェニルを用いた。製品1が分解材料2に浸漬するよう
に分解槽3に投入した後、加熱手段4で分解材料2が3
50℃になるように加熱し1時間その温度を保持して分
解工程を行った。その後、分解材料2が200℃になる
まで分解槽3を放冷した。その後、圧力検出手段9で分
解槽3内の圧力をモニタリングしながら、排気量制御手
段10によって圧力が100Pa以下にならないように
排気減圧手段8を制御して分解材料気化工程を行い分解
材料2を冷却手段6で分解材料回収槽5に回収した。回
収した分解材料を分析すると、比較的純度の高い分解材
料が得られた。また、製品1のモールド部分は分解され
ており内部の集積回路が露出していた。
【0033】(実施の形態2)まず、本発明の発明実施
の形態2について説明する。
【0034】本発明実施の形態2は、分解工程によって
製品中から発生する液状分解物、固形分解物、および分
解槽内に残留した分解材料などの効率的な回収に関わる
分解処理方法に関する。図3に構成例を示す。分解槽3
内と分解材料回収槽5とがバルブ7を介して接続されて
おり、一方、分解槽3の底部からはバルブ7bを介して
液回収槽9が接続されている。分解槽3内では、製品1
は製品格納部11にあり分解材料2の蒸気と接触する形
で分解工程が行われる。その後、分解材料2を気化させ
て分解材料回収槽5で凝縮回収する分解材料気化回収工
程を行う。その時、分解槽3内には製品の液状分解物、
固形分解物、あるいは分解材料などの混合物10が残留
している。そこで、本発明の発明実施の形態2では、バ
ルブ7bを開放して、混合物10を液回収槽9へ注液回
収する注液回収工程を行う。この構成によって、製品の
液状分解物、固形分解物、あるいは分解材料などの混合
物10を分解槽3から容易に回収できる。
【0035】分解槽3内を加圧して混合物10を液回収
槽9へ押出しながら注液回収工程を行うことで、短時間
で混合物10を回収できる。特に、混合物10の粘度が
高い場合や固形分解物を多量に含むなどして流動性に乏
しい場合には本構成が有効である。加圧方法としては空
気や窒素などの加圧ガスを分解槽3へ供給するなどして
行われる。
【0036】分解槽3内や製品1に付着する製品の液状
分解物、固形分解物、あるいは分解材料などを洗い落と
すために、注液回収工程の後に洗浄用液体を分解槽3へ
供給する洗浄工程を行うことも可能である。洗浄用液体
としては洗浄効果のある液体ならば限定はないが、本発
明の分解材料と同じ材料を用いることで、使用済みの洗
浄用液体から分解材料を取り出して分解工程に再利用で
きるため好ましい。また、洗浄用液体を分解槽3内で気
化させて、気化した洗浄用液体の分解槽3内での圧力を
高めることで、分解槽3や製品1の隅々まで効率的に洗
浄でき好ましい。この方法は分解槽3の温度を洗浄用液
体の沸点以上にすることで容易に行われる。洗浄工程で
使用した洗浄用液体は、分解槽3内で気化させて回収す
る方法、あるいは液回収槽9へ注液回収する方法が操作
上簡単で好ましい。
【0037】実施例を図3の構成で行った。使用済みの
携帯電話からプリント基板を抜き取り製品1とした。
尚、このプリント基板はアラミド不織布を基材としてエ
ポキシ樹脂および銅箔を積層硬化させ、導体パターンを
形成した多層プリント配線板に電子部品が実装されてい
る。分解材料2として、シクロヘキサノールを用いた。
製品1を製品格納部11に載せて分解材料2の蒸気に接
触するように両者を離して分解槽3に配置した後、加熱
手段4で分解材料2が350℃になるように加熱し1時
間その温度を保持して分解工程を行った。その後、分解
材料2が100℃になるまで分解槽3を放冷した。その
後、排気減圧手段8によって分解材料気化工程を行い分
解材料2を冷却手段6で分解材料回収槽5に回収した。
一方、分解槽3に残留していた製品2の固形分解物および
液状分解物の混合物10を、バルブ7cを介して圧縮窒
素で分解槽3内を加圧しながら導入した後、バルブ7b
を開放して液回収槽9へ回収して注液回収工程を行っ
た。その後、洗浄工程として、バルブ7cを介して洗浄
用液体として分解材料2と同じであるシクロヘキサノー
ルを用いて分解処理された製品1および分解槽3の壁面
に吹き付けて行った。分解槽3内に溜まった洗浄用液体
は、分解槽3を加熱手段4で過熱することで気化回収し
た。その後、製品1を観察すると、エポキシ樹脂は分解
除去されており、残留付着している液状物もなかった。
【0038】(実施の形態3)まず、本発明の発明実施
の形態3について説明する。
【0039】本発明実施の形態3は、分解工程によって
製品中から発生する液状分解物、固形分解物、分解槽内
に残留した分解材料などの効率的な回収に関わる分解処
理方法に関する。図4に構成例を示す。分解槽3の底部
からはバルブ7bを介して液回収槽9が接続されてい
る。分解槽3内へ製品1と分解材料2とを投入して分解
工程が行われる。その後、バルブ7bを開放して液回収
槽9へ分解材料2、製品の液状分解物、固形分解物など
を注液回収する注液回収工程を行う。その後、液回収槽
9で回収された液は、蒸留手段12へ送り込まれ、分解
材料2を蒸留して分解材料回収槽5に回収する。本発明
実施の形態3の構成では、分解工程終了後すぐに、分解
材料2などを分解槽3から排出して別の容器で蒸留操作
を行うため、発明実施の形態1などの分解材料気化回収
工程を分解槽3内で行う場合に比べて、分解工程の実施
サイクルを短縮できる効果がある。
【0040】また、本発明実施の形態3でも、発明実施
の形態2で説明した洗浄工程および洗浄用液体回収工程
を行うことが可能である。
【0041】本発明実施の形態3をはじめとして、分解
材料気化回収工程、注液回収工程、あるいは洗浄工程を
含む分解処理方法のいずれの構成でも、これらの工程の
後に、不活性ガスを分解槽に供給して分解槽から排出す
る不活性ガス供給工程を設けることも可能である。この
工程によって、分解槽や製品に残留付着していた分解材
料や製品の液状分解物の回収を効率化できる。
【0042】本発明の分解処理方法では、分解材料回収
槽5から臭気が排出される場合もあるため、分解材料回
収手段5の後段に排ガス処理手段を設けることも可能で
ある。排ガス処理手段としては、排ガスの成分に応じて
適宜従来から使用されている手段が用いられる。噴霧液
体に乾留ガスを吸収させるスクラバーや、活性炭などの
吸着剤に乾留ガスを吸着させる吸着槽、液体中に乾留ガ
スを噴出して吸収させる暴気槽などがあり、これらを重
複して用いることもできる。またガスの分解反応を行せ
しめる分解反応炉を用いることができ、火炎燃焼や触媒
燃焼を用いた燃焼反応炉や、分解触媒を充填して希薄ガ
スも反応させる触媒反応炉などがあり、使用条件や使い
勝手に応じて任意に選択して用いることができる。
【0043】実施例を図4の構成で行った。使用済みの
モールドモータを製品1とした。尚、このモールドモー
タは銅巻線および鉄芯材を不飽和ポリエステル樹脂でモ
ールドしたものである。分解材料2として、エチレング
リコールを用いた。製品1を分解材料2に浸漬して分解
槽3に配置した後、加熱手段4で分解材料が300℃に
なるように加熱し1時間その温度を保持して分解工程を
行った。その後、分解材料2が100℃になるまで分解
槽3を放冷した。その後、分解材料2、製品1の固形分
解物、および製品1の液状分解物の混合物を液回収槽9
に回収して注液回収工程を行った。その際に、バルブ7
cを介して圧縮窒素を分解槽3へ供給して分解槽3の壁
面や製品1に付着していた液状物を取りの除いた。その
後、回収した液を蒸留手段12にかけて分解材料2を純
度良く分解材料回収槽5へ回収できた。
【0044】(実施の形態4)本発明の発明実施の形態
4について説明する。
【0045】本発明実施の形態4は、製品としてプリン
ト基板を対象とした場合に、そのプリント基板から効率
的に銅箔や電子部品などの有価物である金属材料を効率
的に回収する方法に関する。プリント基板とプリント基
板に含まれる熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料と
を分解槽内で200℃以上の温度で接触させて熱硬化性
樹脂硬化物を分解する分解工程、分解工程を経たプリン
ト基板から基材から銅箔および/あるいは電子部品との
結合を解く解結合工程、および前記解結合工程の後に銅
箔および/あるいは電子部品を分離回収する分離回収工
程が、分解処理方法の基本的な構成である。
【0046】特に、基材がガラス繊維、ポリアミド繊
維、もしくはアラミド繊維からなる織布または不織布、
およびアスベストよりなる群から選択される少なくとも
1種であるプリント基板を対象とした場合は、プリント
基板中の熱硬化性樹脂は分離工程によって分解除去でき
るが基材の方は分解除去されないため、銅箔や電子部品
の分離回収のために本発明実施の形態の構成が有効とな
る。これらの基材のプリント基板では分解工程によって
熱硬化性樹脂が分解除去されているため、分解工程を経
たプリント基板は基材と銅箔や電子部品の結合が弱めら
れているため、解結合工程として手作業などによって簡
単にそれらの結合を解くことができ、その後、分離回収
工程として銅箔や電子部品を基材から容易に分離回収で
きる。
【0047】特に、手作業に頼らないで効率的に解結合
工程を行うために、プリント基板に対して機械的に衝撃
を加えることで簡単に行える。図7に示すように、分解
工程を経たプリント基板17と粒子16とを容器15に
封入し、その容器を回転および/または振動させて、粒
子15をプリント基板16に衝突させることで解結合工
程を容易に行える。同様に、図8に示すように、分解工
程を経たプリント基板表面に粒子16を噴射することで
も解結合工程を容易に行える。これらのプリント基板に
対して衝撃を加えることで行う解結合工程において、含
まれていた電子部品のサイズよりも小さくならない程度
に基材を破砕することで解結合工程を経た基材はシート
状のままで、分離回収工程として篩い分けなどによって
容易に基材と銅箔/電子部品などの金属材料に分離でき
る。
【0048】分離回収工程として篩い分けを行った場
合、基材と同様に銅箔なども小さく破砕されない場合が
あるため、分離回収工程として比重分離を用いることが
好ましい。銅箔や電子部品などは基材に比べて比重がか
なり大きくなるため効率的に両者を分離できる。
【0049】比重分離方法としては一般的に用いられる
風力分離、振動篩分離などが適用できるが、特に、前記
基材がポリアミド繊維、もしくはアラミド繊維からなる
織布または不織布である場合には、織布あるいは不織布
の形態をとっているため基材の見かけ密度が1より小さ
いため、図9に示すように、解結合工程を経たプリント
基板を水20に分散させて分離回収工程を行えば、銅箔
/電子部品などの金属材料19は沈む一方で基材18は
浮くため、銅箔や電子部品を容易に基材から分離回収で
きる。水20には界面活性剤などの添加剤が含まれてい
ても良い。
【0050】実施例として、発明実施の形態2で述べた
実施例と同じ製品1および分解材料2を用いて同じ条件
で分解工程を行った。その後、分解工程を経たプリント
基板を分解槽から取り出したところ、製品1中のエポキ
シ樹脂は分解除去されていた。その後、図7に示すよう
な構成で、この製品1を容器15であるステンレス製筒
状容器中に投入し、併せて粒子16としてアルミナボー
ルを容器15に投入して、容器15を回転させながら解
結合工程を3分間行ったところ、基材であるアラミド不
織布と電子部品などの結合は解けており、基材は破砕前
の大きさに近い状態であった。その後、図9に示すよう
に、解結合工程を経たプリント基板を水20の中に投入
して攪拌した後静置することで分離回収工程を行った。
結果は、基材であるアラミド不織布は水に浮き、銅箔や
電子部品などの金属材料は水中に沈んだ状態で、その
後、水に浮いたアラミド不織布を回収し、水中の銅箔や
電子部品をろ過によって容易に回収できた。
【0051】(実施の形態5)まず、本発明の発明実施
の形態5について説明する。
【0052】本発明実施の形態5は、分解工程によって
製品中から発生する固形分解物の効率的な回収に関わる
分解処理装置に関する。図5に構成例を示す。分解槽3
内と分解材料回収槽5とがバルブ7を介して接続されて
おり、分解槽3内には製品1の固形分解物13を格納す
る取り出し可能な固形分解物格納部13が設けられてい
る。製品に含まれる熱硬化性樹脂硬化物や分解材料の種
類によっては、分解工程終了後に製品の固形分解物14
が生成する場合もあり、分解槽3の底部に堆積してその
取り出しが困難な場合がある。そこで、本発明の発明実
施の形態2では、分解槽3から取り出し可能な固形分解
物格納部13を設けることで、固形分解物14を効率的
に分解槽3から取り出すことができる。図5では固形分
解物格納部13は分解槽3の底から離れた状態にある
が、分解槽3の底に接した状態であっても構わない。ま
た、図5に示しているように、製品格納部11の底をメ
ッシュ状にすることで、製品1に固形分解物は分解工程
中に落下して固形分解物格納部13で回収されるため固
形分解物が製品1残留付着することを防止しながら、両
者を分離して回収することができる。
【0053】さらに、固形分解物格納部13の表面に撥
水処理を施すことで、回収された固形分解物14が固形
分解物格納部13の表面がこびりつかず、固形分解物格
納部13からの固形分解物14の回収が容易になる。
【0054】実施例を図5の構成で行った。発明実施の
形態2で述べた実施例と同じ製品1および分解材料2を
用いて同じ条件で分解工程を行った。その後、分解材料
2が100℃になるまで分解槽3を放冷した。その後、
排気減圧手段8によって分解材料気化回収工程を行い分
解材料2を冷却手段6で分解材料回収槽5に回収した。
この時、分解槽3に残留していた製品2の固形分解物1
4が乾燥固化するまで分解材料気化回収工程を行った。
その後、製品1が載っている製品格納部11と固形分解
物14が載っている固形分解物格納部13を取り出し
た。固形分解物格納部13の表面にはフッ素樹脂がコー
トされており、固形分解物14は容易に固形分解物格納
部13から取り出せた。
【0055】(実施の形態6)本発明の発明実施の形態
6について説明する。
【0056】本発明実施の形態6は、分解工程を効率的
に行うための分解処理装置に関する。本発明では、分解
工程を200℃以上と比較的高温で行われるため、加熱
効率や加熱速度の向上が分解工程を行う上で重要とな
る。図6に示したように分解材料2に浸漬した状態で分
解槽3の内部に設けることで直接分解材料2を加熱でき
るため分解工程での加熱効率や加熱速度が向上して効果
的である。
【0057】実施例を図6に示す構成で行った。発明実
施の形態2で述べた実施例と同じ製品1および分解材料
2を用いて同じ条件で分解工程を行った。発明実施の形
態2で述べた実施例と比べて加熱手段4によって分解材
料2は350℃に速やかに加熱された。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による分解
処理方法を用いれば、分解材料、製品の固形分解物、お
よび製品中に含まれる金属などの有価物の回収を効率的
に行いながら、熱硬化性樹脂硬化物を含む製品を容易に
分解処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の構成を示す概略図
【図2】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の別の構成を示す概略図
【図3】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の別の構成を示す概略図
【図4】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の別の構成を示す概略図
【図5】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の別の構成を示す概略図
【図6】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理装置の別の構成を示す概略図
【図7】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理方法における解結合工程の構成を示す概略図
【図8】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理方法における解結合工程の別の構成を示す概略図
【図9】本発明の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解
処理方法における分離回収工程の構成を示す概略図
【符号の説明】
1 製品 2 分解材料 3 分解槽 4 加熱手段 5 分解材料回収槽 6 冷却手段 7 バルブ 8 排気減圧手段 9 圧力検出手段 10 排気量制御手段 11 製品格納部 12 蒸留手段 13 固形分解物格納部 14 固形分解物 15 容器 16 粒子 17 分解工程を経たプリント基板 18 基材 19 金属材料 20 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 貴彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中島 啓造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大西 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA24 AC05 BA05 BA06 BA07 CA10 CA12 CA24 CA27 CA40 CB04 CB31 CC04 DA02 DA03 DA06 4F301 AA22 AA24 AA25 AA29 AB03 CA07 CA23 CA24 CA26 CA27 CA41 CA53 CA64 CA68 CA72 CA73

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と前記熱
    硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを分解槽内で2
    00℃以上の温度で接触させて前記熱硬化性樹脂硬化物
    を分解する分解工程、および前記分解工程の後に前記分
    解槽内で前記分解材料を気化させて分解材料回収槽へ前
    記分解材料を凝縮回収する分解材料気化回収工程を含む
    熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  2. 【請求項2】 前記分解材料気化回収工程を、前記製品
    の固形分解物から前記分解材料および前記製品の液状分
    解物を気化させて前記製品の固形分解物を前記分解槽内
    で乾燥固化させて行う請求項1記載の熱硬化性樹脂硬化
    物を含む製品の分解処理方法。
  3. 【請求項3】 前記分解材料気化回収工程を、蒸留操作
    によって前記分解材料を回収して行う請求項1あるいは
    2記載の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記蒸留操作を、前記分解工程終了後に
    前記分解槽内を排気して前記分解槽内の圧力を所定の圧
    力まで減圧する排気減圧操作によって行う請求項3記載
    の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と前記熱
    硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを分解槽内で2
    00℃以上の温度で接触させて前記熱硬化性樹脂硬化物
    を分解する分解工程、前記分解工程の後に前記分解槽内
    で前記分解材料を気化させて分解材料回収槽へ前記分解
    材料を凝縮回収する分解材料気化回収工程、および前記
    分解材料気化回収工程の後に前記分解材料、前記製品の
    液状分解物、あるいは前記製品の固形分解物の少なくと
    も1種を液回収槽へ注液する注液回収工程を含む熱硬化
    性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  6. 【請求項6】 前記注液回収工程を、前記分解槽内を加
    圧しながら前記分解材料、前記製品の液状分解物、ある
    いは前記製品の固形分解物の少なくとも1種を液回収槽
    へ注液する請求項5記載の熱硬化性樹脂硬化物を含む製
    品の分解処理方法。
  7. 【請求項7】 前記注液回収工程の後に、洗浄用液体を
    前記分解槽内に供給し、前記分解槽内あるいは/および
    前記製品を洗浄する洗浄工程を備える請求項6記載の熱
    硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  8. 【請求項8】 前記洗浄工程の後に、前記分解槽内で前
    記洗浄用液体を気化させて回収する方法、あるいは前記
    洗浄用液体を注液回収する方法のいずれかで洗浄用液体
    を回収する洗浄用液体回収工程を備える請求項7記載の
    熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  9. 【請求項9】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と前記熱
    硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを分解槽内で2
    00℃以上の温度で接触させて前記熱硬化性樹脂硬化物
    を分解する分解工程、前記分解工程の後に前記分解材
    料、前記製品の液状分解物、あるいは前記製品の固形分
    解物の少なくとも1種を液回収槽へ注液する注液回収工
    程、および前記注液回収工程の後に前記分解材料を蒸留
    回収する分解材料蒸留回収工程を含む熱硬化性樹脂硬化
    物を含む製品の分解処理方法。
  10. 【請求項10】 前記注液回収工程と前記分解材料蒸留
    回収工程との間に、洗浄用液体を前記分解槽内に供給
    し、前記分解槽内あるいは/および前記製品を洗浄する
    洗浄工程を設ける請求項9記載の熱硬化性樹脂硬化物を
    含む製品の分解処理方法。
  11. 【請求項11】 前記洗浄工程の後に、前記分解槽内で
    前記洗浄用液体を気化させて回収する方法、あるいは前
    記洗浄用液体を注液回収する方法のいずれかで洗浄用液
    体を回収する洗浄用液体回収工程を備える請求項10記
    載の熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  12. 【請求項12】 前記分解材料気化回収工程、前記注液
    回収工程、あるいは前記洗浄工程の少なくとも1種の工
    程の後に、不活性ガスを分解槽に供給する不活性ガス供
    給工程を行う請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱
    硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法。
  13. 【請求項13】 基材に熱硬化性樹脂を含浸してなるプ
    リプレグを積層成形してなる樹脂積層品に導体パターン
    を形成したプリント基板と、前記プリント基板に含まれ
    る熱硬化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを、分解槽
    内で200℃以上の温度で接触させて前記熱硬化性樹脂
    硬化物を分解する分解工程、前記分解工程を経た前記プ
    リント基板における基材と金属材料との結合を解く解結
    合工程、および前記解結合工程の後に前記金属材料を分
    離回収する分離回収工程を含むプリント基板の分解処理
    方法。
  14. 【請求項14】 前記基材が、ガラス繊維、ポリアミド
    繊維、もしくはアラミド繊維からなる織布または不織
    布、およびアスベストよりなる群から選択される少なく
    とも1種である請求項13記載のプリント基板の分解処
    理方法。
  15. 【請求項15】 前記解結合工程を、前記プリント基板
    に対して衝撃を加えることで行う請求項13あるいは1
    4記載のプリント基板の分解処理方法。
  16. 【請求項16】 前記分離回収工程を、前記解結合工程
    を経た前記プリント基板を比重分離により前記基材と前
    記金属材料を分離して行う請求項13〜15のいずれか
    一項に記載のプリント基板の分解処理方法。
  17. 【請求項17】 前記基材がアラミド繊維からなる織布
    または不織布であって、前記分離工程を前記解結合工程
    を経た前記プリント基板を水に浸漬して行う請求項16
    記載のプリント基板の分解処理方法。
  18. 【請求項18】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と熱硬
    化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを収容し200℃
    以上の温度に加熱する加熱手段を備えた分解槽、前記分
    解液を回収する分解材料回収槽、前記分解槽内から前記
    分解液を排気しながら前記分解槽内の圧力を所定の圧力
    までに前記分解槽内を減圧する排気減圧手段、前記分解
    槽内の圧力を前記分解槽内の圧力検出手段、および前記
    圧力検出手段の検出信号に対応して前記排気量を制御す
    る排気量制御手段を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂
    硬化物を含む製品の分解処理装置。
  19. 【請求項19】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と熱硬
    化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを収容し200℃
    以上の温度に加熱する加熱手段を備えた分解槽を含み、
    前記製品の固形分解物を格納して前記分解槽から取り出
    し可能な固形分解物格納部を前記分解槽が有することを
    特徴とする熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理装
    置。
  20. 【請求項20】 前記固形分解物格納部の表面に撥水処
    理が施されている請求項19記載の熱硬化性樹脂硬化物
    を含む製品の分解処理装置。
  21. 【請求項21】 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品と熱硬
    化性樹脂硬化物を分解する分解材料とを収容し200℃
    以上の温度に加熱する加熱手段を備えた分解槽を含み、
    前記加熱手段を前記分解材料に接する形で前記分解槽の
    内部に設けることを特徴とする熱硬化性樹脂硬化物を含
    む製品の分解処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013103223A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Boeing Co:The 積層材をリサイクルする方法及びシステム

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