JP2002121061A - 吹付け材料を用いた吹付け工法 - Google Patents
吹付け材料を用いた吹付け工法Info
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Abstract
置したフレームに吹付けて施工する法面吹付け工法を提
供する。 【解決手段】 ビスフェノール系縮合物と硫酸アルミニ
ウムからなる吹付け材料とセメントコンクリートとを、
吹付けノズル先端から30m以内の箇所で合流混合する
ことを特徴とするセメントコンクリートの吹付け工法。
Description
た吹付け工法、特に、崩れやすい法面に格子状(井桁
状)に配置したフレームに吹付けて施工する法面吹付け
工法に関する。なお、本発明でいうセメントコンクリー
トはモルタルやコンクリートを総称するものである。ま
た、本発明でいう部は特に規定のないかぎり質量基準で
ある。
及び急傾斜地を中心に、切り土や盛土によってできた傾
斜面をいう。この法面は、そのまま放置しておくと、自
然風化や強雨等による浸食を受け、地滑り等により崩壊
する恐れがあるため、法面を保護する必要がある。
コンクリートを吹付けていたが、最近では、法面に金網
や複数本の鉄筋を格子状(井桁状)に配置してフレーム
の骨格を形成して補強効果を増し、その交点部にアンカ
ーを打ち込んだ後、コンクリートを吹付けて鉄筋コンク
リートフレームを作って法面の安定を図ることが行われ
ている(特公昭58−058493号公報)。
に配置するフリーフレーム工法がよく用いられている。
その際、施工現場で簡易プラントを作り、スランプ0c
mの硬練りコンクリートを調製し、吹付けを行った後に
表面をコテ仕上げして施工されている。しかしながら、
この方法では施工効率が2m3 /hr程度と低く、材料
の配合に人手がかかるなど、コスト高になるという課題
があった。
トを生コンプラントから供給することにより施工効率を
上げ、人手を減らしてコストダウンすることが考えられ
ている。吹付け速度を高めるにはコンクリートのスラン
プを大きくする必要があるが、スランプが大きいと吹付
けたときにコンクリートが斜面から流れ落ちるという課
題があった。
を上げてスランプを低下させ、コンクリートのずり落ち
を防止する必要がある。吹付け時に急結剤を使用した場
合、コンクリートのずり落ちを防ぐことはできるが、吹
付けたコンクリートの硬化が早いためにコテ仕上げがで
きなくなり、法面表面の美観を損ねるという課題があっ
た。
合することでコンクリートのずり落ちを防止するととも
に、コテ仕上げができる程度の可使時間を確保できる工
法が求められていた。本発明者は、前記課題を解消すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、特定の吹付け材料を用いた
吹付け工法を行うことにより、前記課題を解決できると
いう知見を得て本発明を完成するに至った。本発明は以
下の発明を包含する。
サイドを含有するセメントコンクリートとビスフェノー
ル系縮合物及び硫酸アルミニウムとを含有する吹付け材
料を、吹付けノズル先端から30m以内の箇所で合流混
合して吹付ける吹付け工法。 (2) ビスフェノール系縮合物と硫酸アルミニウムを別個
に空気圧送して ポリアルキレンオキサイドを含有する
セメントコンクリートと合流混合する直前で合流混合す
る(1) 項記載の吹付け工法。
を形成し、(1) 項又は(2) 項のうちのいずれか1項に記
載された吹付け工法により吹付け材料を吹付け、鉄筋類
を含有したセメントコンクリートフレームを構築する法
面吹付け工法。
本発明は、吹付け速度を高めて施工効率を上げる目的で
スランプの大きいコンクリートを用いた場合でも、吹付
け時にコンクリートと混合することで、コンクリートの
ずり落ちを防止するとともに、コテ仕上げができる程度
の可使時間を確保できる吹付け材料を用いた法面吹付け
工法である。
ド(以下、PAOという)は、ビスフェノール系縮合物
との相互作用によりセメントコンクリートに粘性を与
え、吹付け直後におけるセメントコンクリートのダレや
ずり落ちを防止するものである。PAOとしては、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、及び
ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、これらの中
では効果が大きい点でポリエチレンオキサイドが好まし
い。
が好ましい。100万未満ではダレやずり落ちを防止す
る効果が小さい場合があり、500万を超えるとセメン
トコンクリートの圧送性が低下する場合がある。PAO
の使用量は、セメント100部に対して、0.001〜
0.5部が好ましく、0.005〜0.3部がより好ま
しい。0.001部未満ではセメントコンクリートの粘
性が小さく、吹付けたときにダレが生じ、セメントコン
クリートが斜面から流れ落ちる場合があり、0.5部を
超えるとセメントコンクリートの粘性が大きくなり、圧
送性に支障が生じる場合がある。
は、ビスフェノール類、芳香族アミノスルホン酸、及び
ホルムアルデヒドを縮合反応させることによって得られ
るものであり、市販品が使用可能である。
ば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
ェーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファ
イド、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及びこれらの
異性体等が挙げられ、これらを併用することも可能であ
る。また、芳香族アミノスルホン酸の具体例としては、
4−アミノベンゼンスルホン酸、2−アミノー5−メチ
ルベンゼンスルホン酸及びこれらの異性体等を挙げるこ
とができる。
の平均分子量は、5000〜30000が好ましい。平
均分子量が5000未満ではセメントコンクリートのず
り落ちを防ぐ効果が小さい場合があり、30000を超
えると強度発現性が低下する場合がある。ビスフェノー
ル系縮合物の使用量はセメント100部に対して、0.
1〜1.0部が好ましく、0.2〜0.5部がより好ま
しい。0.1部未満ではセメントコンクリートのずり落
ちを防ぐ効果が小さい場合があり、1.0部を超えると
ずり落ちが増加する場合がある。
AOを含有するセメントコンクリートと混合することで
スランプを低下させ、吹付け直後におけるセメントコン
クリートのダレやずり落ちを防止する。粉末状として無
水物と含水物があり、また、水に溶解させて水溶液とし
たものがあり、いずれも使用可能であるが、このうち、
セメントコンクリートとの混合性が良好な点から水溶液
として使用するのが好ましい。硫酸アルミニウムの使用
量はセメント100部に対して固形分換算(無水物)で
0.1〜5部が好ましく、0.5〜3部がより好まし
い。0.1部未満ではセメントコンタリートのずり落ち
を防ぐ効果が小さい場合があり、5部を超えるとセメン
トコンクリートの凝結・硬化が促進され、コテ仕上げを
する時間が確保できなくなる場合がある。
イド及びビスフェノール系縮合物を併用することで、こ
れらをそれぞれ単独で用いた場合より吹付け直後におけ
るセメントコンクリートのダレやずり落ちを防止する効
果が大きくなる。
れるものではなく、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱
等の各種ポルトランドセメントや、これらに高炉スラ
グ、フライアッシュ、石灰石微粉末、又はシリカを混合
した各種混合セメント、さらには膨張セメント、コロイ
ドセメント等いずれも使用可能である。本発明では、前
記各材料の他に、砂や砂利等の骨材、減水剤、AE剤、
繊維、及び微粉等を本発明の目的を実質的に阻害しない
範囲で併用できる。
ルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合
物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等が使用でき
る。また、AE剤はコンクリートの凍害を防止するもの
である。さらに、繊維は特にアンカー部のひび割れ防止
に有効なものである。そして、微粉は空隙を埋めて繊密
構造を形成し、高強度化を図るものであり、シリカフユ
ーム等が使用可能である。
セメントコンクリートと圧縮空気により空気圧送したビ
スフェノール系縮合物及び硫酸アルミニウムとを含有す
る吹付け材料を、合流混合して吹付ける工法である。
縮合物及び硫酸アルミニウムを含有する吹付け材料とを
合流混合する位置は、吹付けノズルの先端から30m以
内であり、10m以内がより好ましい。30mを超える
と吹付け材料を混合したセメントコンクリートの圧送性
が低下し、圧送管が閉塞するおそれがある。
ルミニウムを予め混合しておき、圧縮空気により空気圧
送してセメントコンクリートと合流混合することが好ま
しい。また、ビスフェノール系縮合物と硫酸アルミニウ
ムを別個に圧縮空気により空気圧送してセメントコンク
リートと合流混合する直前に合流混合し、次いでセメン
トコンクリートと合流混合してもよい。
工法としては、吹付け材料を直に法面へ吹付けてもよい
が、補強効果を増すために、鉄筋類を配置したフレーム
骨格を形成して吹付けるフリーフレーム工法がより好ま
しい。
置方法としては、特に制限されるものではないが、通
常、幅30〜60cm、長さ1〜3m程度の金網(波形
鉄筋φ1〜3mm)を2枚平行に金網の幅と同程度の間
隔で、長手方向を法面に沿って配置し、継ぎ足してゆ
く。平行に立てた2枚の金網に鉄筋等のスペーサを用い
て、フレーム骨格を形成する。このフレーム骨格を縦横
に延長する際、その交点部にアンカーを打ち込むことが
好ましい。また、フレーム骨格の交点部に交点部用のフ
レーム骨格を用いることも可能である。このように配置
したフレーム骨格に吹付け、フレーム骨格の鉄筋類から
はみ出した部分をコテ仕上げすることで、フレームの美
観を保つ。
は、一般的に行われている乾式、湿式のいずれの吹付け
方法でも使用できる。そのうち、粉塵の発生量が少ない
点で湿式吹付け工法が好ましい。本発明の吹付け工法に
おいては、従来から使用されている吹付け設備等が使用
できる。吹付け設備は吹付けが充分に行われれば特に限
定されるものではなく、例えば、セメントコンクリート
の圧送には市販のスクイーズポンプやアリバー社製商品
名「アリバー280」等が、硫酸アルミニウムやビスフ
ェノール系縮合物の圧送には市販の液送ポンプが使用で
きる。
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のでない。
びs/a=70%とした吹付けコンクリートを調製し、
これをコンクリート圧送機「アリバー280」により4
m3 /hrの圧送速度、0.4MPaの圧送圧力で空気
圧送した。コンクリート中のセメント100部に対し
て、表1に示すポリエチレンオキサイド(PEO)をコ
ンクリートに予め混合した。なお、コンクリートの調製
にあたり、スランプが20cm程度になるように減水剤
の使用量を調整した。また、ビスフェノール系縮合物イ
と硫酸アルミニウムを予め混合したものをポンプで圧送
し、コンクリート中のセメント100部に対してそれぞ
れ0.2部、1部(固形分換算、無水物)となるように
吹付けノズルのすぐ手前に取付けた合流管に、圧送空気
とともに圧入してコンクリートに合流混合し、吹付けを
行った。結果を表1に示す。
3.16g/cm3 細骨材:新潟県姫川産川砂、表乾密度2.62g/cm
3 粗骨材:新潟県姫川産ビリ砂利、表乾密度2.65g/
cm3 減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、市販品 PAO:ポリエチレンオキサイド(PEO)、平均分子
量200万、市販品 ビスフェノール系縮合物イ:平均分子量20000、市
販品 硫酸アルミニウム:水溶液、市販品
十字状に交差させて法面に配置し、コンクリートを吹付
けたときの状態を観察した。ダレやずり落ちが多く見ら
れた場合を×とし、少し見られた場合を△とし、全く見
られない場合を○とした。 可使時間:吹付け材料を吹付けてから、指触により凹み
がなくなるまでの時間を可使時間とした。 作業性:幅10cm×長さ40cm×厚さ10cmの金
属製型枠にコンクリートを吹付け、型枠の表面をコテで
仕上げて成形する際の作業性を評価した。容易に成形で
きた場合を○、成形するのに力を要した場合を△とし、
力を入れても成形できない場合を×とした。
きの圧送管内の圧力を測定した。圧力が0.40〜0.
55MPaである場合を○、圧送管内が閉塞しやすくな
る0.60MPa以上になっても・圧送管に衝撃を与え
ることにより0.40〜0.55MPaになる場合を
△、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても0.40
〜0.55MPaとならない場合を×とした。 圧縮強度:幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの
金属製型枠にコンクリートを吹付け、直径5cm×長さ
10cmの供試体をコアリングし、20℃、80RHで
養生を行い、圧縮強度を測定した。
0.01部混合し、表2のようにビスフェノール系縮合
物イ〜ニの添加量を変えたこと以外は実験例1と同様に
行った。結果を表2に併記する。 (使用材料) ビスフェノール系縮合物口:平均分子量5000、市販
品 ビスフェノール系縮合物ハ:平均分子量10000、市
販品 ビスフェノール系縮合物ニ:平均分子量30000、市
販品
0.01部混合し、ビスフェノール系縮合物イを0.2
部加え、硫酸アルミニウム(固形分換算、無水物)の添
加量を変えたこと以外は実験例1と同様に行った。結果
を表3に併記する。
0.01部混合し、セメントコンクリートとビスフェノ
ール系縮合物と硫酸アルミニウムの合流位置を表4のよ
うに変えたこと以外は実験1と同様に行った。結果を表
4に併記する。
0.01部混合し、表5のようにビスフェノール系縮合
物イと硫酸アルミニウムの添加率を変え、別個に圧縮空
気により圧送してセメントコンクリートと合流混合する
直前で合流混合し、吹付けノズルから1mの位置でセメ
ントコンクリートと合流混合した結果を表5に併記す
る。
を使用することにより、吹付け速度を高めて施工効率を
上げるためにスランプの大きいコンクリートを用いた場
合であっても、吹付け直後のコンクリートのダレや斜面
からのずり落ちを防止できるとともに、コテ仕上げを行
う時間がとれるため、法面表面の美観を確保できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリアルキレンオキサイドを含有するセ
メントコンクリートとビスフェノール系縮合物と硫酸ア
ルミニウムを主成分とする吹付け材料とを、吹付けノズ
ルの先端から30m以内で合流混合することを特徴とす
るセメントコンクリートの吹付け工法。 - 【請求項2】 ビスフェノール系縮合物と硫酸アルミニ
ウムとを別個に圧縮空気により空気圧送してポリアルキ
レンオキサイドを含有するセメントコンクリートと合流
混合する直前で合流混合し、次いでセメントコンクリー
トと合流混合して吹付け材料を形成することを特徴とす
る請求項1記載のセメントコンクリートの吹付け工法。 - 【請求項3】 鉄筋類を法面に配置してフレーム骨格を
形成し、請求項1又は2に記載の吹付け工法により吹付
け材料を吹付け、鉄筋類を含有したセメントコンクリー
トフレームを構築する法面吹付け工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000313234A JP4488613B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 吹付け材料を用いた吹付け工法 |
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