JP2002120283A - 延伸装置および回転ロール - Google Patents
延伸装置および回転ロールInfo
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- JP2002120283A JP2002120283A JP2000314783A JP2000314783A JP2002120283A JP 2002120283 A JP2002120283 A JP 2002120283A JP 2000314783 A JP2000314783 A JP 2000314783A JP 2000314783 A JP2000314783 A JP 2000314783A JP 2002120283 A JP2002120283 A JP 2002120283A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】温度が自在に調節される複数の回転ロールを備
え、入口側の回転ロールの回転速度よりも出口側の回転
ロールの回転速度を高速にした状態でシート状物を通過
させることによりそのシート状物を縦方向に延伸する延
伸装置、及びその延伸装置に用いられる回転ロールに関
し、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシート状物
を製造することができる延伸装置、及びその延伸装置に
適した回転ロールを提供する。 【解決手段】回転ロール21は、第1の開口213から
水が送り込まれるとともに第2の開口214から水が排
出される第1の循環経路を有する第1の回転ロールと、
第2の開口214から水が送り込まれるとともに第1の
開口213から水が排出される第2の循環経路を有する
第2の回転ロールとが混在してなる。
え、入口側の回転ロールの回転速度よりも出口側の回転
ロールの回転速度を高速にした状態でシート状物を通過
させることによりそのシート状物を縦方向に延伸する延
伸装置、及びその延伸装置に用いられる回転ロールに関
し、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシート状物
を製造することができる延伸装置、及びその延伸装置に
適した回転ロールを提供する。 【解決手段】回転ロール21は、第1の開口213から
水が送り込まれるとともに第2の開口214から水が排
出される第1の循環経路を有する第1の回転ロールと、
第2の開口214から水が送り込まれるとともに第1の
開口213から水が排出される第2の循環経路を有する
第2の回転ロールとが混在してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度が自在に調節
される複数の回転ロールを備え、入口側の回転ロールの
回転速度よりも出口側の回転ロールの回転速度を高速に
した状態でシート状物を通過させることによりそのシー
ト状物を縦方向に延伸する延伸装置、およびその延伸装
置に用いられる回転ロールに関する。
される複数の回転ロールを備え、入口側の回転ロールの
回転速度よりも出口側の回転ロールの回転速度を高速に
した状態でシート状物を通過させることによりそのシー
ト状物を縦方向に延伸する延伸装置、およびその延伸装
置に用いられる回転ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなるシート状物は、写
真フィルムの支持体、包装用フィルム、磁気記録テープ
の支持体等に広く使用されている。
真フィルムの支持体、包装用フィルム、磁気記録テープ
の支持体等に広く使用されている。
【0003】この熱可塑性樹脂からなるシート状物の多
くは、溶融状態の熱可塑性樹脂を冷却しながら流延させ
てシート状物を形成した後、このシート状物に必要な強
度を与えるため、縦方向や横方向に延伸させることによ
り製造される。
くは、溶融状態の熱可塑性樹脂を冷却しながら流延させ
てシート状物を形成した後、このシート状物に必要な強
度を与えるため、縦方向や横方向に延伸させることによ
り製造される。
【0004】シート状物を縦方向に延伸する延伸装置と
して、温度が自在に調節される複数の回転ロールを備え
た延伸装置が知られている。この延伸装置では、回転ロ
ールによってシート状物を加熱したり、冷却し、入口側
の回転ロールの回転速度よりも出口側の回転ロールの回
転速度を高速にした状態でシート状物を通過させること
によりシート状物を縦方向に延伸する。
して、温度が自在に調節される複数の回転ロールを備え
た延伸装置が知られている。この延伸装置では、回転ロ
ールによってシート状物を加熱したり、冷却し、入口側
の回転ロールの回転速度よりも出口側の回転ロールの回
転速度を高速にした状態でシート状物を通過させること
によりシート状物を縦方向に延伸する。
【0005】このような、複数の回転ロールを備えた延
伸装置において、複数の回転ロールそれぞれの、同じ方
向の一端側には、回転ロールに回転力を与えるための駆
動機構が通常は連結されている。このため、複数の回転
ロールそれぞれの内部に、所望の温度に調整された水を
循環させることによって、回転ロールの温度調整を行お
うとしても、回転ロールの、駆動機構が連結された一端
側とは反対の他端側からしか水の給排水はできず、回転
ロールは一本ごとに、その軸心方向の温度が不均一にな
りやすい。ここで、回転ロールへの水の給水流量を増や
せば、多少なりとも回転ロールの、軸心方向の温度を均
一化させやすいが、この給水流量を増やすことが有効な
場合は回転ロールの軸長が短い場合であって、回転ロー
ルの軸長が長くなれば、給水流量を増やしたとしても、
どうしても軸心方向の温度は不均一になりやすい。ま
た、給水流量を増やすためには、給水のためのポンプの
大型化を招き、設備コストの増大が強いられる。
伸装置において、複数の回転ロールそれぞれの、同じ方
向の一端側には、回転ロールに回転力を与えるための駆
動機構が通常は連結されている。このため、複数の回転
ロールそれぞれの内部に、所望の温度に調整された水を
循環させることによって、回転ロールの温度調整を行お
うとしても、回転ロールの、駆動機構が連結された一端
側とは反対の他端側からしか水の給排水はできず、回転
ロールは一本ごとに、その軸心方向の温度が不均一にな
りやすい。ここで、回転ロールへの水の給水流量を増や
せば、多少なりとも回転ロールの、軸心方向の温度を均
一化させやすいが、この給水流量を増やすことが有効な
場合は回転ロールの軸長が短い場合であって、回転ロー
ルの軸長が長くなれば、給水流量を増やしたとしても、
どうしても軸心方向の温度は不均一になりやすい。ま
た、給水流量を増やすためには、給水のためのポンプの
大型化を招き、設備コストの増大が強いられる。
【0006】回転ロールの温度が軸心方向に不均一にな
ると、その回転ロールに接したシート状物の、横幅方向
の温度も不均一になる。特に、シート状物の横幅が広幅
になればなるほど、シート状物の、横幅方向の温度の不
均一さは顕著になってくる。ここで、横幅方向に温度が
不均一になったシート状物を縦方向に延伸すると、横幅
方向に延伸ムラが生じ、高品質なシート状物を製造する
ことが困難になる。
ると、その回転ロールに接したシート状物の、横幅方向
の温度も不均一になる。特に、シート状物の横幅が広幅
になればなるほど、シート状物の、横幅方向の温度の不
均一さは顕著になってくる。ここで、横幅方向に温度が
不均一になったシート状物を縦方向に延伸すると、横幅
方向に延伸ムラが生じ、高品質なシート状物を製造する
ことが困難になる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、設備コストの
増大を伴わずに、高品質なシート状物を製造することが
できる延伸装置、及びその延伸装置に適した回転ロール
を提供することを目的とする。
増大を伴わずに、高品質なシート状物を製造することが
できる延伸装置、及びその延伸装置に適した回転ロール
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の延伸装置は、温度が自在に調節される複数の回転ロ
ールを備え、入口側の回転ロールの回転速度よりも出口
側の回転ロールの回転速度を高速にした状態でシート状
物を通過させることによりそのシート状物を縦方向に延
伸する延伸装置において、上記複数の回転ロールそれぞ
れが、その回転ロールの一端側から送り込まれた水が他
端側で折り返してその一端側から排出されるように二重
管構造を有するとともに、その一端側に、その二重管構
造の内管の内部に連通した第1の開口とその二重管構造
の内管と外管との間に連通した第2の開口とを有し、上
記第1の開口から水が送り込まれるとともに上記第2の
開口から水が排出される第1の循環経路を有する第1の
回転ロールと、上記第2の開口から水が送り込まれると
ともに上記第1の開口から水が排出される第2の循環経
路を有する第2の回転ロールとを混在させたことを特徴
とする。
明の延伸装置は、温度が自在に調節される複数の回転ロ
ールを備え、入口側の回転ロールの回転速度よりも出口
側の回転ロールの回転速度を高速にした状態でシート状
物を通過させることによりそのシート状物を縦方向に延
伸する延伸装置において、上記複数の回転ロールそれぞ
れが、その回転ロールの一端側から送り込まれた水が他
端側で折り返してその一端側から排出されるように二重
管構造を有するとともに、その一端側に、その二重管構
造の内管の内部に連通した第1の開口とその二重管構造
の内管と外管との間に連通した第2の開口とを有し、上
記第1の開口から水が送り込まれるとともに上記第2の
開口から水が排出される第1の循環経路を有する第1の
回転ロールと、上記第2の開口から水が送り込まれると
ともに上記第1の開口から水が排出される第2の循環経
路を有する第2の回転ロールとを混在させたことを特徴
とする。
【0009】本発明の延伸装置は、送り込まれた水が、
上記内管の内部を通っている間は、上記外管と内管との
間を通っているときよりも温度変化は小さくてすむた
め、上記第1の回転ロールによって、上記シート状物
の、上記一端側の部分よりも上記他端側の部分を正確に
温度調整し、上記第2の回転ロールによって、上記シー
ト状物の、上記他端側の部分よりも上記一端側の部分を
正確に温度調整することができ、本発明の延伸装置は、
それら第1のロールと第2のロールとが混在してなるも
のであるため、それら第1のロールと第2のロールとの
双方を通過した上記シート状物の、横幅方向の温度は均
一となり、大型の給水ポンプをあえて用意する必要もな
く、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシート状物
を製造することができる。
上記内管の内部を通っている間は、上記外管と内管との
間を通っているときよりも温度変化は小さくてすむた
め、上記第1の回転ロールによって、上記シート状物
の、上記一端側の部分よりも上記他端側の部分を正確に
温度調整し、上記第2の回転ロールによって、上記シー
ト状物の、上記他端側の部分よりも上記一端側の部分を
正確に温度調整することができ、本発明の延伸装置は、
それら第1のロールと第2のロールとが混在してなるも
のであるため、それら第1のロールと第2のロールとの
双方を通過した上記シート状物の、横幅方向の温度は均
一となり、大型の給水ポンプをあえて用意する必要もな
く、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシート状物
を製造することができる。
【0010】さらに、本発明の延伸装置において、上記
シート状物の移動経路に沿って、上記第1の回転ロール
と上記第2の回転ロールとを交互に配置させた態様であ
ることが好ましい。
シート状物の移動経路に沿って、上記第1の回転ロール
と上記第2の回転ロールとを交互に配置させた態様であ
ることが好ましい。
【0011】このように、上記第1の回転ロールと上記
第2の回転ロールとを交互に配置することによって、通
過中のシート状物の、横幅方向の温度変化を最小限に抑
えることができる。
第2の回転ロールとを交互に配置することによって、通
過中のシート状物の、横幅方向の温度変化を最小限に抑
えることができる。
【0012】また、上記目的を達成する本発明の回転ロ
ールは、延伸装置に用いられる、温度調整された水を利
用して温度調整自在とした回転ロールにおいて、一端側
から送り込まれた水が他端側で折り返してその一端側か
ら排出されるように二重管構造を有するとともに、その
一端側に、その二重管構造の内管の内部に連通した第1
の開口とその二重管構造の内管と外管との間に連通した
第2の開口とを有することを特徴とする。
ールは、延伸装置に用いられる、温度調整された水を利
用して温度調整自在とした回転ロールにおいて、一端側
から送り込まれた水が他端側で折り返してその一端側か
ら排出されるように二重管構造を有するとともに、その
一端側に、その二重管構造の内管の内部に連通した第1
の開口とその二重管構造の内管と外管との間に連通した
第2の開口とを有することを特徴とする。
【0013】本発明の回転ロールは、送り込まれた水
が、上記内管の内部を通っている間は、上記外管と内管
との間を通っているときよりも温度変化は小さくてすむ
ものであり、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシ
ート状物を製造することができる延伸装置に適したもの
である。
が、上記内管の内部を通っている間は、上記外管と内管
との間を通っているときよりも温度変化は小さくてすむ
ものであり、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシ
ート状物を製造することができる延伸装置に適したもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】ここでは、まず最初に、写真フィ
ルムの支持体となる、熱可塑性樹脂であるポリエステル
からなるシート状物などを製造するシート状物製造装置
全体について、図1及び図2を用いて、以下説明する。
ルムの支持体となる、熱可塑性樹脂であるポリエステル
からなるシート状物などを製造するシート状物製造装置
全体について、図1及び図2を用いて、以下説明する。
【0015】図1は、シート状物製造装置の前半部分を
説明するための図、図2は、シート状物製造装置の後半
部分を説明するための図である。
説明するための図、図2は、シート状物製造装置の後半
部分を説明するための図である。
【0016】このシート状物製造装置1は、溶融状態の
熱可塑性樹脂をシート状に流延しながら冷却してシート
状物とした後、このシート状物を縦方向に延伸し、その
後、横方向にも延伸することにより、写真フィルムの支
持体を連続して製造する装置であって、溶融状態の熱可
塑性樹脂を流延してシート状にする流延装置10と、縦
方向への延伸を行う縦延伸装置20と、横方向への延伸
を行うテンタ30と、製造された支持体をロール状に巻
き取る巻取装置40とを有する。さらに、このシート状
物製造装置1は、装置起動時には、上流側の装置から徐
々に製造条件を整えて安定させていき、最終的に巻取装
置40までシート状物を通すものであり、このため、流
延装置10、縦延伸装置20、及びテンタ30それぞれ
の出口側には、各装置が製造条件を整えて安定するまで
の間に搬送されてくる、製品としては不十分なものを回
収するための回収装置(不図示)が設けられている。ま
た、これらの回収装置は、各装置が製造条件を整えて製
造段階に移った後に、何らかの理由により製品としては
不十分なものが製造されてきた場合にも稼働されるもの
である。
熱可塑性樹脂をシート状に流延しながら冷却してシート
状物とした後、このシート状物を縦方向に延伸し、その
後、横方向にも延伸することにより、写真フィルムの支
持体を連続して製造する装置であって、溶融状態の熱可
塑性樹脂を流延してシート状にする流延装置10と、縦
方向への延伸を行う縦延伸装置20と、横方向への延伸
を行うテンタ30と、製造された支持体をロール状に巻
き取る巻取装置40とを有する。さらに、このシート状
物製造装置1は、装置起動時には、上流側の装置から徐
々に製造条件を整えて安定させていき、最終的に巻取装
置40までシート状物を通すものであり、このため、流
延装置10、縦延伸装置20、及びテンタ30それぞれ
の出口側には、各装置が製造条件を整えて安定するまで
の間に搬送されてくる、製品としては不十分なものを回
収するための回収装置(不図示)が設けられている。ま
た、これらの回収装置は、各装置が製造条件を整えて製
造段階に移った後に、何らかの理由により製品としては
不十分なものが製造されてきた場合にも稼働されるもの
である。
【0017】シート状物の製造にあたっては、まず、テ
レフタル酸とエチレングリコールを重合したものをペレ
ット状としたバージンペレットと、各回収装置で回収さ
れたものを再利用した再生原料それぞれを別々に乾燥さ
せた後、両者を混合させた状態で加熱し、溶融状態の熱
可塑性樹脂にする。
レフタル酸とエチレングリコールを重合したものをペレ
ット状としたバージンペレットと、各回収装置で回収さ
れたものを再利用した再生原料それぞれを別々に乾燥さ
せた後、両者を混合させた状態で加熱し、溶融状態の熱
可塑性樹脂にする。
【0018】流延装置10は、ダイ11と回転ドラム1
2とを備えたものである。ダイ11は、溶融状態の熱可
塑性樹脂を吐出するスリット状のリップ部を有し、回転
ドラム12の上方に設けられている。バージンペレット
と再生原料との両者を混合させた状態で加熱して得られ
た溶融状態の熱可塑性樹脂は、ダイ11のリップ部か
ら、回転ドラム12の周面に連続的に吐出される。回転
ドラム12の周面に吐出された熱可塑性樹脂は、回転ド
ラム12がダイ11から、図1では時計回りに、略3/
4周するまでの間、回転ドラム12の周面の内方から水
冷されるとともに回転ドラム12の周面の外方から風を
吹き付けられて空冷されることによって急冷却され、所
定の厚みの無配向のシート状物になる。
2とを備えたものである。ダイ11は、溶融状態の熱可
塑性樹脂を吐出するスリット状のリップ部を有し、回転
ドラム12の上方に設けられている。バージンペレット
と再生原料との両者を混合させた状態で加熱して得られ
た溶融状態の熱可塑性樹脂は、ダイ11のリップ部か
ら、回転ドラム12の周面に連続的に吐出される。回転
ドラム12の周面に吐出された熱可塑性樹脂は、回転ド
ラム12がダイ11から、図1では時計回りに、略3/
4周するまでの間、回転ドラム12の周面の内方から水
冷されるとともに回転ドラム12の周面の外方から風を
吹き付けられて空冷されることによって急冷却され、所
定の厚みの無配向のシート状物になる。
【0019】なお、図2には、製造された支持体が巻取
装置40に巻き取られている状態が示されており、図1
および図2では、ダイ11のリップ部から吐出された溶
融状態の熱可塑性樹脂が支持体となって巻取装置40に
巻き取られるまでの経路を1点鎖線で表し、その経路の
途中で不図示の回収装置に回収される経路を2点鎖線で
表している。
装置40に巻き取られている状態が示されており、図1
および図2では、ダイ11のリップ部から吐出された溶
融状態の熱可塑性樹脂が支持体となって巻取装置40に
巻き取られるまでの経路を1点鎖線で表し、その経路の
途中で不図示の回収装置に回収される経路を2点鎖線で
表している。
【0020】流延装置10で形成されたシート状物は、
次に、図1に示す縦延伸装置20に搬送される。
次に、図1に示す縦延伸装置20に搬送される。
【0021】縦延伸装置20には、入口と出口との間
に、搬送されてきたシート状物が所定のラップ角をもっ
て巻き付くように配置された複数の回転ロール21が備
えられている。また複数の回転ロール21それぞれは、
各所定の温度に調整されている。搬送されてきたシート
状物は、これらの回転ロール21によって、加熱された
り冷却されたりしながら出口に向かって搬送される。こ
れらの回転ロール21には、シート状物を延伸前に加熱
する複数の予熱回転ロール21aと、シート状物を加熱
した状態で縦方向に延伸する複数の延伸回転ロール21
bと、縦方向に延伸されたシート状物を冷却する複数の
冷却回転ロール21cとがある。この縦延伸装置20に
おける、シート状物の縦方向の延伸は、複数の延伸回転
ロール21bのうちの出口側の回転延伸ロールの回転速
度を、入口側の回転延伸ロールの回転速度よりも高速に
した状態でシート状物を通過させることにより行われ
る。
に、搬送されてきたシート状物が所定のラップ角をもっ
て巻き付くように配置された複数の回転ロール21が備
えられている。また複数の回転ロール21それぞれは、
各所定の温度に調整されている。搬送されてきたシート
状物は、これらの回転ロール21によって、加熱された
り冷却されたりしながら出口に向かって搬送される。こ
れらの回転ロール21には、シート状物を延伸前に加熱
する複数の予熱回転ロール21aと、シート状物を加熱
した状態で縦方向に延伸する複数の延伸回転ロール21
bと、縦方向に延伸されたシート状物を冷却する複数の
冷却回転ロール21cとがある。この縦延伸装置20に
おける、シート状物の縦方向の延伸は、複数の延伸回転
ロール21bのうちの出口側の回転延伸ロールの回転速
度を、入口側の回転延伸ロールの回転速度よりも高速に
した状態でシート状物を通過させることにより行われ
る。
【0022】縦延伸装置20で縦方向に延伸されたシー
ト状物は、次に、図1と図2とに分かれて示されたテン
タ30に搬送される。
ト状物は、次に、図1と図2とに分かれて示されたテン
タ30に搬送される。
【0023】テンタ30は、それぞれ各所定の温度に調
整された複数の区画を有するものである(図1は、複数
の区画のうち上流側の区画を表したものであり、図2
は、複数の区画のうち下流側の区画を表したものであ
り、途中の区画は図示省略されている。)。これら複数
の区画は、上流側から順に、予熱ゾーン、延伸ゾーン、
熱固定ゾーン、熱緩和ゾーン、冷却ゾーンに複数ずつ割
り当てられている。また、シート状物の両側からシート
状物の両脇それぞれを把持するクリップが下流側に向か
って各区画内を走行している。シート状物はこのクリッ
プに両脇を把持された状態で、各区画内を通過してい
く。まず予熱ゾーンでは、搬送中のシート状物を加熱
し、延伸ゾーンでは、予熱ゾーンよりも高温の雰囲気の
中で、シート状物にクリップで横方向に張力を加えなが
らクリップを搬送することにより、シート状物を横方向
に延伸する。熱固定ゾーンでは、延伸ゾーンよりも高温
の雰囲気の中でシート状物の分子配向を固定させる。熱
緩和ゾーンでは、シート状物を焼きなましし、冷却ゾー
ンでは、シート状物を急冷却する。下流側の最後の区画
を出たシート状物は、シート状物の、テンタのクリップ
で把持されていた両脇部分それぞれが、図2の点線で表
された経路に従って除去され、残った中央部分が、この
シート状物製造装置で製造されるべき支持体として巻取
装置40に向けて搬送される。
整された複数の区画を有するものである(図1は、複数
の区画のうち上流側の区画を表したものであり、図2
は、複数の区画のうち下流側の区画を表したものであ
り、途中の区画は図示省略されている。)。これら複数
の区画は、上流側から順に、予熱ゾーン、延伸ゾーン、
熱固定ゾーン、熱緩和ゾーン、冷却ゾーンに複数ずつ割
り当てられている。また、シート状物の両側からシート
状物の両脇それぞれを把持するクリップが下流側に向か
って各区画内を走行している。シート状物はこのクリッ
プに両脇を把持された状態で、各区画内を通過してい
く。まず予熱ゾーンでは、搬送中のシート状物を加熱
し、延伸ゾーンでは、予熱ゾーンよりも高温の雰囲気の
中で、シート状物にクリップで横方向に張力を加えなが
らクリップを搬送することにより、シート状物を横方向
に延伸する。熱固定ゾーンでは、延伸ゾーンよりも高温
の雰囲気の中でシート状物の分子配向を固定させる。熱
緩和ゾーンでは、シート状物を焼きなましし、冷却ゾー
ンでは、シート状物を急冷却する。下流側の最後の区画
を出たシート状物は、シート状物の、テンタのクリップ
で把持されていた両脇部分それぞれが、図2の点線で表
された経路に従って除去され、残った中央部分が、この
シート状物製造装置で製造されるべき支持体として巻取
装置40に向けて搬送される。
【0024】そして、支持体が巻取装置40に正確に巻
き取られるようにするため、巻取装置40直前まで搬送
されてきた支持体は横方向の位置制御及び、巻取装置4
0に巻き取られるときの張力の調整を受けた後、巻取装
置40によってロール状に巻き取られる。
き取られるようにするため、巻取装置40直前まで搬送
されてきた支持体は横方向の位置制御及び、巻取装置4
0に巻き取られるときの張力の調整を受けた後、巻取装
置40によってロール状に巻き取られる。
【0025】図1に示す縦延伸装置20が本発明の延伸
装置の一実施形態に相当するものであり、この縦延伸装
置20に備えられた回転ロール21が、本発明の回転ロ
ールの一実施形態に相当するものであり、以下、これら
を詳述する。
装置の一実施形態に相当するものであり、この縦延伸装
置20に備えられた回転ロール21が、本発明の回転ロ
ールの一実施形態に相当するものであり、以下、これら
を詳述する。
【0026】図3は、縦延伸装置に備えられた回転ロー
ルの外観を示す図である。
ルの外観を示す図である。
【0027】図3においては、回転ロール21の、図面
の右側の端部が省略されているが、この省略された部分
に、回転ロール21に回転力を与えるための不図示の駆
動機構が連結されている。また、回転ロール21には、
不図示の熱交換器によって所定の温度に温度調整された
水が給水され、この給水された水は、回転ロール21内
を循環して排水される。回転ロール21には、この給排
水のための開口として、第1の開口213と、第2の開
口214とが、駆動機構が連結された側と反対側の端部
に設けられ、さらに、ロータリジョイント215が設け
られている。本実施形態における水の給水の仕方には2
通りあり、この水の給水の仕方の違いによって、回転ロ
ール21は2種類のタイプに分けられる。
の右側の端部が省略されているが、この省略された部分
に、回転ロール21に回転力を与えるための不図示の駆
動機構が連結されている。また、回転ロール21には、
不図示の熱交換器によって所定の温度に温度調整された
水が給水され、この給水された水は、回転ロール21内
を循環して排水される。回転ロール21には、この給排
水のための開口として、第1の開口213と、第2の開
口214とが、駆動機構が連結された側と反対側の端部
に設けられ、さらに、ロータリジョイント215が設け
られている。本実施形態における水の給水の仕方には2
通りあり、この水の給水の仕方の違いによって、回転ロ
ール21は2種類のタイプに分けられる。
【0028】図4は、本実施形態の縦延伸装置が備える
2種類のタイプの回転ロールのうちの、1種類のタイプ
の回転ロールの断面図、図5は、もう一方のタイプの回
転ロールの断面図である。
2種類のタイプの回転ロールのうちの、1種類のタイプ
の回転ロールの断面図、図5は、もう一方のタイプの回
転ロールの断面図である。
【0029】まず、回転ロール21の内部構造について
説明する。図4及び図5それぞれに示された回転ロール
21は、ともに、いわゆる二重管構造を有するものであ
って、外管211と、内管212とを備え、さらに、上
述の如く、第1の開口213と、第2の開口214と、
ロータリジョイント215とを備えている。外管211
は、不図示の駆動機構によって回転させられるものであ
って、回転ロール21の表面の一部を形成し、搬送され
てきたシート状物は、この外管211に所定のラップ角
をもって巻き付く。また、外管211の、駆動機構が連
結された側の端には、その端を閉塞する閉塞壁2111
が設けられている。内管212は、外管211の内部
に、外管211に対して所定の間隔を有した状態で固定
されたものであって、一端は、第1の開口213に連結
しており、他端側は、閉塞壁2111近傍にまで延設さ
れている。なお、図示は省略したが、外管211と内管
212との間を通る水が乱流になるように、この、外管
211と内管212との間には、スパイラル状にフィン
構造を設け、熱伝導効率を向上させている。また、ロー
タリジョイント215は、ボールベアリング2151、
シール部材2152、スプリング受け2153、及びス
プリング2154を備えたものであって、外管211と
内管212との間と、第2の開口214とを連結する部
材である。ボールベアリング2151は、外管211
の、閉塞壁2111とは反対側の端部側の外周面に接す
るものである。シール部材2152は、外管211の、
閉塞壁2111とは反対側の端部に接して、外管211
と内管212との間を流れる水が漏れ出すことを防止す
るものである。このシール部材2152の、外管211
と接する側とは反対側に、スプリング受け2153が設
けられている。スプリング2154は、ロータリジョイ
ント215のケーシング内周壁と、スプリング受け21
53との間に配置されたものであって、シール部材21
52を外管211に向けて付勢するものである。
説明する。図4及び図5それぞれに示された回転ロール
21は、ともに、いわゆる二重管構造を有するものであ
って、外管211と、内管212とを備え、さらに、上
述の如く、第1の開口213と、第2の開口214と、
ロータリジョイント215とを備えている。外管211
は、不図示の駆動機構によって回転させられるものであ
って、回転ロール21の表面の一部を形成し、搬送され
てきたシート状物は、この外管211に所定のラップ角
をもって巻き付く。また、外管211の、駆動機構が連
結された側の端には、その端を閉塞する閉塞壁2111
が設けられている。内管212は、外管211の内部
に、外管211に対して所定の間隔を有した状態で固定
されたものであって、一端は、第1の開口213に連結
しており、他端側は、閉塞壁2111近傍にまで延設さ
れている。なお、図示は省略したが、外管211と内管
212との間を通る水が乱流になるように、この、外管
211と内管212との間には、スパイラル状にフィン
構造を設け、熱伝導効率を向上させている。また、ロー
タリジョイント215は、ボールベアリング2151、
シール部材2152、スプリング受け2153、及びス
プリング2154を備えたものであって、外管211と
内管212との間と、第2の開口214とを連結する部
材である。ボールベアリング2151は、外管211
の、閉塞壁2111とは反対側の端部側の外周面に接す
るものである。シール部材2152は、外管211の、
閉塞壁2111とは反対側の端部に接して、外管211
と内管212との間を流れる水が漏れ出すことを防止す
るものである。このシール部材2152の、外管211
と接する側とは反対側に、スプリング受け2153が設
けられている。スプリング2154は、ロータリジョイ
ント215のケーシング内周壁と、スプリング受け21
53との間に配置されたものであって、シール部材21
52を外管211に向けて付勢するものである。
【0030】次に、図4に示された回転ロール21と、
図5に示された回転ロール21とにおける、水の給水の
仕方の違いについて説明する。図4及び図5に示された
矢印それぞれは、水の流れを表すものである。
図5に示された回転ロール21とにおける、水の給水の
仕方の違いについて説明する。図4及び図5に示された
矢印それぞれは、水の流れを表すものである。
【0031】図4に示された回転ロール21は、いわゆ
る内管給水タイプであって、所定の温度に調整された水
が第1の開口213から給水される。給水された水は、
内管212の内部を通って、閉塞壁2111で折り返え
され、今度は、外管211と内管212との間を第2の
開口214に向かって流れ、第2の開口214から排出
される。したがって、図4に示された回転ロール21内
の水の経路は、本発明にいう第1の循環経路に相当する
とともに、図4に示された回転ロール21は、本発明に
いう第1の回転ロールに相当する。
る内管給水タイプであって、所定の温度に調整された水
が第1の開口213から給水される。給水された水は、
内管212の内部を通って、閉塞壁2111で折り返え
され、今度は、外管211と内管212との間を第2の
開口214に向かって流れ、第2の開口214から排出
される。したがって、図4に示された回転ロール21内
の水の経路は、本発明にいう第1の循環経路に相当する
とともに、図4に示された回転ロール21は、本発明に
いう第1の回転ロールに相当する。
【0032】一方、図5に示された回転ロール21は、
いわゆる外管給水タイプであって、所定の温度に調整さ
れた水が第2の開口214から給水され、給水された水
は、外管211と内管212との間を通って、閉塞壁2
111で折り返えされ、今度は、内管212の内部を第
1の開口213に向かって流れ、第1の開口213から
排出される。したがって、図5に示された回転ロール2
1内の水の経路は、本発明にいう第2の循環経路に相当
するとともに、図5に示された回転ロール21は、本発
明にいう第2の回転ロールに相当する。
いわゆる外管給水タイプであって、所定の温度に調整さ
れた水が第2の開口214から給水され、給水された水
は、外管211と内管212との間を通って、閉塞壁2
111で折り返えされ、今度は、内管212の内部を第
1の開口213に向かって流れ、第1の開口213から
排出される。したがって、図5に示された回転ロール2
1内の水の経路は、本発明にいう第2の循環経路に相当
するとともに、図5に示された回転ロール21は、本発
明にいう第2の回転ロールに相当する。
【0033】次に、図4に示された、内管給水タイプの
回転ロール21と、図5に示された、外管給水タイプの
回転ロール21とを、延伸回転ロールを例に挙げて比較
する。ここで、延伸回転ロールには、所定の温度に加熱
された熱水が給水されるが、この熱水が、内管212の
内部を通っている間は、シート状物が巻き付く外管21
1に接してない分、外管211と内管212との間を通
っているときよりも温度低下は小さくてすむ。このた
め、内管給水タイプの延伸回転ロールの温度は、閉塞壁
2111側から、開口側に向かうにつれて徐々に低くな
る。逆に、外管給水タイプの延伸回転ロールの温度は、
開口側から閉塞壁2111側に向かうにつれて徐々に低
くなる。
回転ロール21と、図5に示された、外管給水タイプの
回転ロール21とを、延伸回転ロールを例に挙げて比較
する。ここで、延伸回転ロールには、所定の温度に加熱
された熱水が給水されるが、この熱水が、内管212の
内部を通っている間は、シート状物が巻き付く外管21
1に接してない分、外管211と内管212との間を通
っているときよりも温度低下は小さくてすむ。このた
め、内管給水タイプの延伸回転ロールの温度は、閉塞壁
2111側から、開口側に向かうにつれて徐々に低くな
る。逆に、外管給水タイプの延伸回転ロールの温度は、
開口側から閉塞壁2111側に向かうにつれて徐々に低
くなる。
【0034】続いて、図4及び図5とともに、先に用い
た図2を再び参照して、本実施形態の縦延伸装置20に
おける、2種類のタイプの回転ロールの配置について説
明する。
た図2を再び参照して、本実施形態の縦延伸装置20に
おける、2種類のタイプの回転ロールの配置について説
明する。
【0035】本実施形態の縦延伸装置20は、内管給水
タイプの回転ロール21と、外管給水タイプの回転ロー
ル21とが、入口から出口に向かって、1本ずつ交互に
配置されるとともに、これら複数の回転ロール21それ
ぞれは、不図示の駆動機構が連結される側を同じ方向に
揃えて配置されている。ここで、複数の延伸回転ロール
21bを通過するシート状物を例に挙げて、シート状物
の温度について説明する。本実施形態では、複数の延伸
回転ロール21bのうち、最初の延伸回転ロール21b
が内管給水タイプであり、次の延伸回転ロール21bが
外管給水タイプである。シート状物は、延伸回転ロール
21bに所定のラップ角をもって巻き付くことにより、
この延伸回転ロール21b内の熱水の熱を受けて加熱さ
れる。延伸回転ロール21b上述のごとく、延伸回転ロ
ール21bは一本ごと、その軸心方向の温度が不均一で
ある。しかしながら、最初の延伸回転ロール21bに巻
き付いたシート状物の、横幅方向の温度は、延伸回転ロ
ール21bの開口側にいくにつれて徐々に低くなるが、
このシート状物が、次の延伸回転ロール21bに巻き付
くことによって、シート状物の横幅方向の温度は均一化
される。3本目以降の延伸回転ロール21bでも同様な
作用によって、シート状物の横幅方向の温度は均一化さ
れる。このように、本実施形態の縦延伸装置20は、回
転ロール21への給水が2通りできる回転ロール21を
複数用いて、それらの回転ロール21の配置の仕方によ
ってシート状物の横幅方向の温度を均一化させるもので
あるため、給水流量を増やすために大型の給水ポンプを
あえて用意する必要がなく、設備コストの増大を抑える
ことができる。
タイプの回転ロール21と、外管給水タイプの回転ロー
ル21とが、入口から出口に向かって、1本ずつ交互に
配置されるとともに、これら複数の回転ロール21それ
ぞれは、不図示の駆動機構が連結される側を同じ方向に
揃えて配置されている。ここで、複数の延伸回転ロール
21bを通過するシート状物を例に挙げて、シート状物
の温度について説明する。本実施形態では、複数の延伸
回転ロール21bのうち、最初の延伸回転ロール21b
が内管給水タイプであり、次の延伸回転ロール21bが
外管給水タイプである。シート状物は、延伸回転ロール
21bに所定のラップ角をもって巻き付くことにより、
この延伸回転ロール21b内の熱水の熱を受けて加熱さ
れる。延伸回転ロール21b上述のごとく、延伸回転ロ
ール21bは一本ごと、その軸心方向の温度が不均一で
ある。しかしながら、最初の延伸回転ロール21bに巻
き付いたシート状物の、横幅方向の温度は、延伸回転ロ
ール21bの開口側にいくにつれて徐々に低くなるが、
このシート状物が、次の延伸回転ロール21bに巻き付
くことによって、シート状物の横幅方向の温度は均一化
される。3本目以降の延伸回転ロール21bでも同様な
作用によって、シート状物の横幅方向の温度は均一化さ
れる。このように、本実施形態の縦延伸装置20は、回
転ロール21への給水が2通りできる回転ロール21を
複数用いて、それらの回転ロール21の配置の仕方によ
ってシート状物の横幅方向の温度を均一化させるもので
あるため、給水流量を増やすために大型の給水ポンプを
あえて用意する必要がなく、設備コストの増大を抑える
ことができる。
【0036】以上、延伸回転ロール21bを用いて説明
したが、複数の予熱回転ロール21aでも同様に、熱水
の循環によって、シート状物を、その横幅方向に均一に
加熱することができ、また、複数の冷却回転ロール21
cでも同様に、冷水の循環によって、シート状物を、そ
の横幅方向に均一に冷却することができる。したがっ
て、本実施形態の縦延伸装置20は、横幅方向における
延伸ムラ等が生じず、設備コストの増大を伴わずに、高
品質なシート状物を製造することができる。
したが、複数の予熱回転ロール21aでも同様に、熱水
の循環によって、シート状物を、その横幅方向に均一に
加熱することができ、また、複数の冷却回転ロール21
cでも同様に、冷水の循環によって、シート状物を、そ
の横幅方向に均一に冷却することができる。したがっ
て、本実施形態の縦延伸装置20は、横幅方向における
延伸ムラ等が生じず、設備コストの増大を伴わずに、高
品質なシート状物を製造することができる。
【0037】なお、内管給水タイプの回転ロール21
と、外管給水タイプの回転ロール21とを複数本ずつ交
互に配置した形態としてもよい。
と、外管給水タイプの回転ロール21とを複数本ずつ交
互に配置した形態としてもよい。
【0038】最後に、本実施形態の縦延伸装置20にお
ける、シート状物の温度管理や装置の状態管理等につい
て説明する。
ける、シート状物の温度管理や装置の状態管理等につい
て説明する。
【0039】縦延伸装置20の、予熱回転ロール21a
の最も下流側のロールや冷却回転ロール21cの最も下
流側のロールが設けられた位置では、シート状物の、幅
方向における3カ所での温度測定が行われている。すな
わち、縦延伸装置20に不図示の赤外線温度計を設け、
この赤外線温度計によって、シート状物の放射エネルギ
を測定し、シート状物の温度を求める。なお、赤外線温
度計は、昇華物等のゴミがシート状物に落下することを
防止するため、回転ロールの下方に設けられている。回
転ロール21内や、回転ロール21へ給水する水の温度
調整を行う熱交換器(不図示)内に、シリカ等のスケー
ルや錆が生じると、回転ロール21によるシート状物の
加熱や冷却に異常が生じるが、シート状物の温度を測定
することによって、この異常を検知することができる。
の最も下流側のロールや冷却回転ロール21cの最も下
流側のロールが設けられた位置では、シート状物の、幅
方向における3カ所での温度測定が行われている。すな
わち、縦延伸装置20に不図示の赤外線温度計を設け、
この赤外線温度計によって、シート状物の放射エネルギ
を測定し、シート状物の温度を求める。なお、赤外線温
度計は、昇華物等のゴミがシート状物に落下することを
防止するため、回転ロールの下方に設けられている。回
転ロール21内や、回転ロール21へ給水する水の温度
調整を行う熱交換器(不図示)内に、シリカ等のスケー
ルや錆が生じると、回転ロール21によるシート状物の
加熱や冷却に異常が生じるが、シート状物の温度を測定
することによって、この異常を検知することができる。
【0040】また、総ての回転ロール21には、回転ロ
ール21の周速を検出する回転検出器が設けられてい
る。回転ロールの周速を検出することによって、シート
状物の延伸状態や、回転ロール21とシート状物とのす
べり等の異常を検知することができる。また、縦延伸装
置20から送り出されたシート状物の面検査を行い、縦
延伸されたシート状物に傷が生じていた場合には、得ら
れた回転ロール21の周速から、その傷を付けた回転ロ
ールがどのロールなのかを割り出すことができる。
ール21の周速を検出する回転検出器が設けられてい
る。回転ロールの周速を検出することによって、シート
状物の延伸状態や、回転ロール21とシート状物とのす
べり等の異常を検知することができる。また、縦延伸装
置20から送り出されたシート状物の面検査を行い、縦
延伸されたシート状物に傷が生じていた場合には、得ら
れた回転ロール21の周速から、その傷を付けた回転ロ
ールがどのロールなのかを割り出すことができる。
【0041】さらに、この縦延伸装置20では、シート
状物にかかる張力や、回転ロール21を駆動する駆動機
構のトルクや、回転ロール21へ給水される水の温度
や、回転ロール21から排水された水の温度を検出す
る。また、シート状物の加熱が、延伸回転ロール21b
による加熱だけでは不十分のため、延伸する前段階でシ
ート状物を電気ヒータによっても加熱する場合には、そ
の電気ヒータに流れる電流の電流値や、その電気ヒータ
における電圧値も検出している。検出された各データ
は、それぞれのデータのしきい値が予め設定されている
中央制御装置(不図示)に送られる。中央制御装置で
は、各データと各しきい値とを比較し、その比較結果に
異常が認められると、操作者に異常を知らせる仕組みに
なっている。なお、これらの検出された各データは保存
され、工程管理や品質管理に利用される。
状物にかかる張力や、回転ロール21を駆動する駆動機
構のトルクや、回転ロール21へ給水される水の温度
や、回転ロール21から排水された水の温度を検出す
る。また、シート状物の加熱が、延伸回転ロール21b
による加熱だけでは不十分のため、延伸する前段階でシ
ート状物を電気ヒータによっても加熱する場合には、そ
の電気ヒータに流れる電流の電流値や、その電気ヒータ
における電圧値も検出している。検出された各データ
は、それぞれのデータのしきい値が予め設定されている
中央制御装置(不図示)に送られる。中央制御装置で
は、各データと各しきい値とを比較し、その比較結果に
異常が認められると、操作者に異常を知らせる仕組みに
なっている。なお、これらの検出された各データは保存
され、工程管理や品質管理に利用される。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の延伸装
置によれば、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシ
ート状物を製造することができ、また、本発明の回転ロ
ールは、高品質なシート状物を製造することができる延
伸装置に適している。
置によれば、設備コストの増大を伴わずに、高品質なシ
ート状物を製造することができ、また、本発明の回転ロ
ールは、高品質なシート状物を製造することができる延
伸装置に適している。
【図1】シート状物製造装置の前半部分を説明するため
の図である。
の図である。
【図2】シート状物製造装置の後半部分を説明するため
の図である。
の図である。
【図3】縦延伸装置に備えられた回転ロールの外観を示
す図である。
す図である。
【図4】本実施形態の縦延伸装置が備える2種類のタイ
プの回転ロールのうちの、1種類のタイプの回転ロール
の断面図である。
プの回転ロールのうちの、1種類のタイプの回転ロール
の断面図である。
【図5】もう一方のタイプの回転ロールの断面図であ
る。
る。
1 シート状物製造装置 10 流延装置 11 ダイ 12 回転ドラム 20 縦延伸装置 21 回転ロール 211 外管 2111 閉塞壁 212 内管 213 第1の開口 214 第2の開口 215 ロータリジョント 2151 ボールベアリング 2152 シール部材 2153 スプリング受け 2154 スプリング 21a 予熱回転ロール 21b 延伸回転ロール 21c 冷却回転ロール 30 テンタ 40 巻取装置
Claims (3)
- 【請求項1】 温度が自在に調節される複数の回転ロー
ルを備え、入口側の回転ロールの回転速度よりも出口側
の回転ロールの回転速度を高速にした状態でシート状物
を通過させることにより該シート状物を縦方向に延伸す
る延伸装置において、 前記複数の回転ロールそれぞれが、該回転ロールの一端
側から送り込まれた水が他端側で折り返して該一端側か
ら排出されるように二重管構造を有するとともに、該一
端側に、該二重管構造の内管の内部に連通した第1の開
口と該二重管構造の内管と外管との間に連通した第2の
開口とを有し、 前記第1の開口から水が送り込まれるとともに前記第2
の開口から水が排出される第1の循環経路を有する第1
の回転ロールと、前記第2の開口から水が送り込まれる
とともに前記第1の開口から水が排出される第2の循環
経路を有する第2の回転ロールとを混在させたことを特
徴とする延伸装置。 - 【請求項2】 前記シート状物の移動経路に沿って、前
記第1の回転ロールと前記第2の回転ロールとを交互に
配置させたことを特徴とする請求項1記載の延伸装置。 - 【請求項3】 延伸装置に用いられる、温度調整された
水を利用して温度調整自在とした回転ロールにおいて、 一端側から送り込まれた水が他端側で折り返して該一端
側から排出されるように二重管構造を有するとともに、
該一端側に、該二重管構造の内管の内部に連通した第1
の開口と該二重管構造の内管と外管との間に連通した第
2の開口とを有することを特徴とする回転ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000314783A JP2002120283A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 延伸装置および回転ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000314783A JP2002120283A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 延伸装置および回転ロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002120283A true JP2002120283A (ja) | 2002-04-23 |
Family
ID=18793981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000314783A Withdrawn JP2002120283A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 延伸装置および回転ロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002120283A (ja) |
-
2000
- 2000-10-16 JP JP2000314783A patent/JP2002120283A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080108 |