JP2002120223A - 廃棄プラスチックの脱塩素処理装置 - Google Patents

廃棄プラスチックの脱塩素処理装置

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JP2002120223A
JP2002120223A JP2000314287A JP2000314287A JP2002120223A JP 2002120223 A JP2002120223 A JP 2002120223A JP 2000314287 A JP2000314287 A JP 2000314287A JP 2000314287 A JP2000314287 A JP 2000314287A JP 2002120223 A JP2002120223 A JP 2002120223A
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Yukihiro Sumihiro
幸弘 炭▲広▼
Masayoshi Tokihisa
昌吉 時久
Tei Chimura
禎 千村
Toru Sato
佐藤  亨
Masataka Imada
正隆 今田
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出機を使用する廃棄プラスチックの脱塩素
処理に際し、特に高濃度のポリ塩化ビニルを含有する廃
棄プラスチックの場合に、ダイスでの脱塩素残渣詰まり
という現象が起きる。 【解決手段】 熱膨張したスクリュ7がダイス部5に接
触しない範囲で、スクリュ7の先端部をダイス部5に可
及的に近づけ、スクリュ7の先端部とダイス部5の入口
側内面との間に間隔dを設けると共に、ノズル5aが、
間隔dの外径側周囲に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄プラスチック
の脱塩素処理装置、詳しくは廃棄プラスチックのリサイ
クルに有害な塩素或いは塩素化合物を、ポリ塩化ビニル
高含有率の廃棄プラスチック中から効率良く、連続的に
除去するのに適した脱塩素処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、廃棄プラスチックの
リサイクルに当たつては、廃棄プラスチック中の塩素又
は塩素化合物を予め除去する必要があることが知られて
いる。
【0003】廃棄プラスチック中から塩素又は塩素化合
物を除去するには、塩素又は塩素化合物源であるポリ塩
化ビニル(以下「PVC」という。)にて代表される塩
素系樹脂を除去することが必要であり、分別収集された
廃棄プラスチック中のPVCを選別、除去することが考
えられるが、他種プラスチックとの判別が経済的に困難
であること及び一般系廃棄プラスチックではフィルムや
シートが多く、からまりあつており、分離作業が困難な
どの理由から、事実上選別・除去は不可能である。
【0004】このため、廃棄プラスチックから塩素又は
塩素化合物を除去する装置として、PVCを含む樹脂を
230℃程度以上で熱分解させ、塩化水素ガスと残渣樹
脂とに分解する原理を用いるものの開発が主流となつて
いる。
【0005】廃棄プラスチック中のPVCを熱分解して
脱塩素する装置は、熱分解槽型、ロータリキルン型及び
スクリュ押出機型の3種に大別できるが、処理能力や制
御性等の観点からスクリュ押出機型が有力視されてい
る。この押出機方式としては、例えば特許第26484
12号、特開平10−85554号公報等に記載されて
いるものが知られている。ロータリキルン型は、例えば
特開平10−95985号に記載されるように、溶融し
た樹脂がキルン内壁面に融着しないように、樹脂と高温
の砂とを同時に供給し、これらをキルン内部で出口の方
向に輸送しながら熱分解させ、脱塩素を行なうものであ
る。また、バッチ式の槽型熱分解脱塩素方式も知られて
いるが、この方式は、廃棄プラスチックの溶融体の粘性
が極めて大きく、槽外部からの廃棄プラスチックへの熱
伝達が悪いこと、そして混合攪拌が不十分で溶融体の均
一加熱が困難であることにより、殆ど使われていない。
【0006】スクリュ押出機型の従来例(特許第264
8412号)について説明する。図5に示すような押出
機において、PVCを含む廃棄プラスチックをホッパ5
6から2軸押出機に供給する。押出機シリンダ54は2
90〜330℃に加熱されており、スクリュ57によつ
て下流側に送られる間に、シリンダ54からの伝熱とス
クリュ57のせん断発熱とにより、廃棄プラスチックが
昇温され溶融する。廃棄プラスチックの温度がPVCの
脱塩素温度に達すると、塩化水素がPVCから遊離す
る。この遊離した塩化水素は溶融廃棄プラスチック中に
分散し、包まれた状態で押出機出口から脱塩素残渣樹脂
と共に排出され、塩化水素はブロワー64にて吸引さ
れ、残渣はタンクに貯められる。59は、スクリュ57
の先端部とダイス部60の入口側内面との間に形成され
た反応室である。
【0007】次にロ−タリ−キルン方式について説明す
る。ロ−タリキルン方式は、ロ−タリキルンの入口側に
設置されたスクリュコンベアに、廃棄プラスチックと5
00〜600℃に加熱された高温の砂とを供給する。
【0008】これらはスクリュコンベア内で均一混合さ
れ、約250〜350℃となる。この混合物がロ−タリ
−キルンに送られ、高温に加熱されたキルン内でPVC
が脱塩素されキルン外へ強制排気される。脱塩素残渣と
高温砂は次の工程に送られる。ロ−タリ−キルン内の空
間に占める処理物(廃棄プラスチック)の充満率は通常
10〜20%であり、処理能力の割には空間面積が大き
く、設置面積も大きい。
【0009】一般に、PVCを熱分解すると、塩化水素
を主とする分解ガスと分解残渣に分かれるが、分解残渣
は粘性及び流動性の乏しい炭化物が主である。この流動
性の乏しい炭化物はチャ−と呼ばれることもある。
【0010】しかして、従来のスクリュ押出機型にあつ
ては、PVC濃度が50重量%程度までは押出機処理で
きるが、それ以上は難しいとされている。
【0011】従来の押出機方式において、混合廃棄プラ
スチックに占めるPVC濃度は50重量%が限界である
といわれる理由について説明する。PVC濃度が50重
量%を超すと、発生する塩化水素や炭化水素の量が増大
することによるガス圧力の増大が引き起こされ、従来方
式の押出機ではスクリュ内部の溶融廃棄プラスチックの
輸送が極めて不安定になり、いわゆるサージング現象が
起こり、事実上運転不可能になる。また、従来方式は、
溶融廃棄プラスチック中から熱分解により多量に発生し
た塩化水素が、ダイスから出たところで全量が分離され
ず、脱塩素残渣中に残留することになり、脱塩素残渣
(製品)の品質を悪くする。そのため、50重量%以上
の濃度のPVCを含有する廃棄プラスチックは、従来の
押出機では処理できないといわれていた。
【0012】また、PVCの濃度が50重量%以上、特
に80重量%から90重量%以上になると、シリンダ内
で粘性及び流動性を与える樹脂分の割合が少なくなる。
このため、製品を形作るために押出機の出口に置かれた
ダイスの小さなノズルが抵抗となり、通過できなくなつ
た脱塩素残渣により閉塞されることになり、運転が続行
できなくなる。
【0013】図5に示すスクリュ57の先端部とダイス
部60の入口側内面との間に形成された反応室59は、
スクリュ57から押し出された低流動性の脱塩素残渣が
ブロック状となつて溜まり易く、ブロック状となつた脱
塩素残渣が抵抗となり、ダイス部60のノズルへの流入
の妨げとなる。更に、ダイス部60の出口側は、大気に
開放された状態でブロワー64にて吸引させて塩化水素
を排出させているため、ダイス部60の出口を負圧に
し、脱塩素残渣をダイス部60から吸引・排出させる機
能は有していない。このため、ダイス部60のノズルか
ら、脱塩素残渣が排出され難くなる。このようなダイス
部60のノズル付近の閉塞・滞留現象は、廃棄プラスチ
ック中のPVC濃度が50重量%以上の場合において、
脱塩素残渣中の樹脂分が少なくなることに起因して、粘
性及び流動性が低下することで生じ易い。
【0014】一方、ロータリキルン方式では、高温砂を
使用してスクリュコンベア内で混合し、伝熱を良くして
熱分解効率を上げており、高いPVC濃度(例えば80
重量%以上)では良好な運転が得られるが、70重量
%、60重量%、50重量%とPVC濃度が低くなるに
つれて、高温砂の廃棄プラスチックに対する比率を大き
くしないとキルン内壁や邪魔板に溶融樹脂が付着し、或
いは樹脂同士が付着成長しブロック状になる。これらが
更に高ずるとキルン内の(廃棄プラスチック+高温砂)
の充満率が大きくなり、過負荷で運転を中止せざるを得
なくなつたり、キルン出口を閉塞したりする。また、閉
塞まではゆかないが、脱塩素製品のサイズが大きくな
り、製品としての用途に供するために、再度、造粒工程
が必要になることもある。そして、キルン方式のもう一
つの問題として、キルン方式は回転が非常に遅くかつ邪
魔板からの自然落下による攪拌のため、発生した塩化水
素と廃棄プラスチック中の無機フィラーや金属との反応
抑制効果が低く、脱塩素率も悪くなる。
【0015】このように、上記のような従来の装置で
は、限られた範囲のPVC含有率の廃棄プラスチックし
か良好に処理できないという問題点がある。
【0016】すなわち、従来の押出機方式では50〜8
5重量%のPVC濃度の廃棄プラスチックでは、混在す
る無機フィラー、金属、金属化合物との反応による脱揮
阻害により、脱塩素率が低下し、実際上採用できない方
式となる。加えて、滞留時間不足によつてPVCの熱分
解不足が生じ、脱塩素率の低下を来す。そして、特に、
高いPVC濃度(例えば85重量%以上)の廃棄プラス
チックの場合には、上述の熱分解不足と反応阻害による
脱塩素率低下に加えて、製品とするために必要な造粒工
程を行なうダイスでの脱塩素残渣詰まりという現象が起
き易い。
【0017】キルン方式では、PVC濃度が80重量%
以下の場合、キルン内で樹脂分が互着し、大きなブロッ
ク状になり駆動系の過負荷やキルン出口の閉塞などで運
転中断せざるを得なくなるという問題があつた。また、
混合攪拌効果が低く、また、表面更新効果も低いため、
脱塩素率が小さかつた。
【0018】本発明は、従来のスクリュ押出機方式を改
良することによつて、50重量%以上、特に80重量%
以上100重量%までの濃度の高濃度PVCを含有する
廃棄プラスチックの脱塩素を、高効率かつ経済的に達成
する装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、
次の通りである。請求項1の発明は、ポリ塩化ビニルを
含有する廃棄プラスチックを、シリンダ1に内挿したス
クリュ7を回転させることにより、加熱装置6を付属す
るシリンダ1内で加熱・混練させて軟化・移送させ、廃
棄プラスチックから熱分解によつて生じた塩化水素を分
離・排出させると共に、シリンダ1の先端部のダイス部
5のノズル5aから脱塩素残渣を排出させる廃棄プラス
チックの脱塩素処理装置において、熱膨張したスクリュ
7がダイス部5に接触しない範囲で、スクリュ7の先端
部をダイス部5に可及的に近づけ、スクリュ7の先端部
とダイス部5の入口側内面との間に間隔dを設けると共
に、ノズル5aが、間隔dの外径側周囲に形成されてい
ることを特徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装置
である。請求項2の発明は、間隔dが、シリンダの内径
Dに対して、d=0.02D〜0.10Dの範囲に設定
されていることを特徴とする請求項1の廃棄プラスチッ
クの脱塩素処理装置である。請求項3の発明は、ポリ塩
化ビニルを含有する廃棄プラスチックを、シリンダ1に
内挿したスクリュ7を回転させることにより、加熱装置
6を付属するシリンダ1内で加熱・混練させて軟化・移
送させ、廃棄プラスチックから熱分解によつて生じた塩
化水素を分離・排出させると共に、シリンダ1の先端部
のダイス部5のノズル5dから脱塩素残渣を排出させる
廃棄プラスチックの脱塩素処理装置において、スクリュ
7の先端部が、ダイス部5のノズル5d内に侵入してい
ることを特徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装置
である。請求項4の発明は、スクリュ7の先端部が、ダ
イス部5のノズル5dを貫通して突き出していることを
特徴とする請求項3の廃棄プラスチックの脱塩素処理装
置である。請求項5の発明は、ポリ塩化ビニルを含有す
る廃棄プラスチックを、シリンダ1に内挿したスクリュ
7を回転させることにより、加熱装置6を付属するシリ
ンダ1内で加熱・混練させて軟化・移送させ、廃棄プラ
スチックから熱分解によつて生じた塩化水素を分離・排
出させると共に、シリンダ1の先端部のダイス部5のノ
ズル5a,5dから脱塩素残渣を排出させる廃棄プラス
チックの脱塩素処理装置において、ダイス部5のノズル
5a,5dの出口側に、減圧ポンプ10に接続される第
1の減圧室11を形成させ、かつ、第2の開閉バルブ1
4を備える排出口13bを有する第2の減圧室13を、
第1の開閉バルブ12を介して第1の減圧室11に接続
させ、ノズル5a,5dから排出される脱塩素残渣を減
圧状態の第1の減圧室11に受け入れた後、第2の開閉
バルブ14を閉じた第2の減圧室13に排出させること
を特徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装置であ
る。請求項6の発明は、シリンダ1に、塩化水素を排出
させるベント開口部3,4が形成され、ベント開口部
3,4が、シリンダ1の全長の40%以上に渡つて形成
されていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は
5の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請求項
7の発明は、ベント開口部3,4が、減圧ポンプ10に
接続されていることを特徴とする請求項6の廃棄プラス
チックの脱塩素処理装置である。請求項8の発明は、ス
クリュ7の全長の50%以上に渡りミキシングピースが
組み込まれていることを特徴とする請求項1,2,3,
4,5,6又は7の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置
である。請求項9の発明は、スクリュ7が多軸をなし、
多軸押出機を構成していることを特徴とする請求項1,
2,3,4,5,6,7又は8の廃棄プラスチックの脱
塩素処理装置である。請求項10の発明は、スクリュ7
が噛み合い型であることを特徴とする請求項9の廃棄プ
ラスチックの脱塩素処理装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1,図2は、本発明に係
る廃棄プラスチックの脱塩素処理装置の1実施の形態を
示し、2軸押出機Aを主構成要素としている。図中にお
いて符号1はシリンダを示し、シリンダ1の一端上部に
供給口となるホッパ2を有し、シリンダ1の中間上部に
ベント開口部3,4が形成され、他端に排出口となるノ
ズル5aを有するダイス部5が固設されていると共に、
加熱装置としてのヒータ6をシリンダ1の周囲に備えて
いる。シリンダ1には、2本のスクリュ7,7が回転自
在に内挿され、スクリュ7,7は減速機8を介して回転
駆動源であるモータ9によつて回転駆動される。ダイス
部5のノズル5aは、各スクリュ7,7に対応させて2
箇所にそれぞれ環状をなすように独立又は接続状態で形
成され、ノズル5aで囲まれる中心部5bは、複数の棒
状の支持部5eを介してダイス部本体5cに固定されて
いる。しかして、ノズル5aは、スクリュ7のスクリュ
溝の延長上に位置し、その外径は、シリンダ1の内径D
にほぼ合致し、その内径は、スクリュ7の心軸の外径に
ほぼ合致している。
【0021】ベント開口部3,4は、減圧ポンプ10に
接続され、ベント開口部3,4を減圧しながらシリンダ
1内に生じた塩化水素ガスを外部に吸引排気することが
できるようになつている。20,21は、それぞれ配管
である。ベント開口部3,4は、シリンダ1の全長Lの
40%以上の合計長さL1を有してスクリュ7の軸線方
向に形成されている。これは、シリンダ1の開口部とな
るベント開口部3,4の合計長さL1のシリンダ1の全
長Lに対する比率(L1/L)を通常の押出機の場合よ
りも遙かに大きくし、PVC(ポリ塩化ビニル)等の塩
素系樹脂が熱分解されて発生した塩化水素が、溶融廃棄
プラスチック中に混入している無機フィラー、鉄、アル
ミニウム等の金属、樹脂への添加剤である金属化合物な
どと反応して、脱揮不可能な金属塩化物を生成する前
に、ベント開口部3,4から発生ガス自体の圧力(正
圧)或いは減圧ポンプ10の吸引(負圧)により、機外
に排出されることを目的としている。この金属塩化物を
生成するガスには、他樹脂が一部分解して発生した炭化
水素も含まれる。また、発生ガスが、ガス自体の圧力
(正圧)によつてベント開口部3,4から排出できる場
合には、減圧ポンプ10を省略することが可能である。
ここで、正圧とは、大気圧以上の圧力であり、負圧と
は、大気圧以下の圧力である。
【0022】すなわち、PVCの熱分解により発生した
塩化水素が廃棄プラスチック中の反応性物質と反応し
て、高沸点金属塩化物を形成し難くするために、脱塩素
による発生ガス(塩化水素や炭化水素)を速やかに脱揮
除去させることが有効であり、このために押出機シリン
ダ1の全長の40%以上を開口部とすると好適であるこ
とが、発明者による研究の結果分かつた。従来の押出機
では、スクリュ全長に対し、シリンダの開口部となるベ
ントが高々20〜30%であり、大部分を占めるシリン
ダの密閉部で高沸点金属塩化物の生成反応が急速に進行
し、塩化水素と廃棄プラスチック中の反応物質との反応
を抑制し難い。なお、ベント開口部3,4は、少なくと
も1箇所形成されていればよい。
【0023】また、スクリュ7は、その全長L(シリン
ダ1の全長Lとほぼ合致する)の50%以上に渡りミキ
シングピースを組み込み、混練機能を高めるように考慮
してある。これは、脱塩素機のスクリュ7の構成を、機
内(シリンダ1内)を通過する溶融廃棄プラスチックが
シリンダ1内に十分に充満するように設定することによ
り、溶融廃棄プラスチックがPVCの熱分解温度域に保
持される時間を長くし、PVCをほぼ100%熱分解さ
せるためである。
【0024】ここで、スクリュ7の全長Lの50%以上
に渡りミキシングピースを組み込み、混練機能を高める
ように考慮した理由について更に具体的に説明する。先
ず、滞留時間を大きくするために、スクリュ構成に工夫
を凝らした。すなわち、スクリュ(通常セグメントタイ
プである)のセグメントを一般的に使われているフルフ
ライト部を多用した構成から、ミキシングスクリュピー
スを多用した構成に変えた。ミキシングスクリュピース
の代表的なものとして、順ニーディングディスク、直交
ニーディングディスク、逆ニーディングディスク、ギヤ
ーリング、ピンスクリュなどがある。これらは、順ニー
ディングディスクを除けば、自身では樹脂を下流側に送
る搬送作用はなく、上流位置の推進力のあるフルフライ
トスクリュ部による搬送作用により、そのミキシングス
クリュピースにフル充満されながら下流に流動してゆく
ことになる。そのため、押出機のスクリュ7の全長Lに
対し、何%の長さに渡りミキシングスクリュピースを組
み込むかにより滞留時間を自由に設定できる。勿論、ス
クリュ7の全長Lの全体に渡りミキシングスクリュピー
スを組み込むことはできない。そうすれば、当然のこと
ながら、廃棄プラスチックを下流側に輸送できなくな
り、運転不可能になる。発明者による研究結果から、目
的、処理材料、脱塩素度合い等にも依るが、スクリュフ
ライト部による搬送力を確保しながら、スクリュ7の全
長Lに対してミキシングスクリュピースが50%以上は
組み込まれていることが好適であることが分かつた。
【0025】従つて、ミキシングピースの多用は、廃棄
プラスチックのスクリュ7内滞留時間を長くし、ミキシ
ングピースによる高い混合・せん断・混練作用を長時間
与え、径の割に短いスクリュ(小L/D)で効率良く廃
棄プラスチックを昇温・熱分解し、塩化水素を発生させ
ると共に、ミキシングピースによる高いスクリュ7内拡
散作用と表面更新作用で発生した塩化水素を、長いベン
ト開口部3,4とも相まつて速やかに系外に除去するた
めである。
【0026】そして、シリンダ1の他端部、つまりダイ
ス部5の2箇所のノズル5aを覆つて連通接続するよう
に、第1の減圧室11が形成され、第1の減圧室11の
下端部の開口部11aには、第1の開閉バルブ12を介
して第2の減圧室13の上端部の開口部13aが接続さ
れ、第2の減圧室13の下端部の排出口となる開口部1
3bは、第2の開閉バルブ14を介して大気に開放され
ている。第1,第2の開閉バルブ12,14は、電磁切
換えバルブによつて構成されている。また、第1の減圧
室11内には、外部に配置した回転駆動手段16によつ
て回転されるカッタ15が設けられ、カッタ15はダイ
ス部5の2箇所のノズル5aから流出する軟化状態の廃
棄プラスチック(脱塩素残渣)を所定長さに切断する。
第1,第2の減圧室11,13の内、少なくとも第1の
減圧室11は減圧ポンプ10に接続され、第1の減圧室
11を減圧しながらノズル5aから脱塩素残渣と共に排
出される塩素ガスを外部に排出できるようになつてい
る。22は、配管である。
【0027】シリンダ1の他端部と各スクリュ7の先端
部との関係は、熱膨張により、スクリュ7とダイス部5
とが接触しないように設定されている。このために、図
2に示すように、スクリュ7の先端部とダイス部5の内
面、つまりノズル5a入口側周辺の中心部5b内面との
間隔dを、シリンダ1の内径Dに対して、常温で、d=
0.02D〜0.10D、好ましくはd=0.03D〜
0.05Dの範囲に設定する。これは、PVCが50重
量%以上、特に80重量%以上の高濃度廃棄プラスチッ
クでは、造粒のためのダイス部5のダイスノズル5a付
近で、樹脂分が少ない脱塩素残渣(製品)の低流動性に
起因して、閉塞現象を起こし易いため、これを防止する
ために、スクリュ7の先端をダイスノズル5aの入口付
近まで従来例と比較して可及的に近づけることにより、
脱塩素残渣(製品)が溜まる大きな空間をなくすことを
目的としている。また、各スクリュ7,7の先端部のス
クリュフライト7aを有する部分を各ノズル5a,5a
の入口に接近させ、スクリュフライト7aによる搬送力
によつて流動性の少ない脱塩素残渣(製品)をダイスノ
ズル5aに送り込むことを目的としている。これによ
り、スクリュ7による搬送力によつて脱塩素残渣(製
品)を比較的大きな摩擦抵抗力を有するダイスノズル5
aを通過させ、ダイスノズル5aから円滑に流出させる
ことができる。この大きな空間をなくすために、d=
0.10D以下、好ましくはd=0.05D以下とす
る。
【0028】一方、スクリュ7の先端部とダイスノズル
5aの入口側内面(中心部5b内面)との間の空間が常
温時に小さ過ぎるときは、2軸押出機Aの稼働時に、ス
クリュ7の熱膨張により、スクリュ7とダイス部5との
接触を引き起こす。シリンダ1よりもスクリュ7の方が
大きく熱膨張する理由は、造粒のためにシリンダ1の先
端部の温度ひいてはシリンダ1内の樹脂温度を下げるこ
とにより、スクリュ7の方がシリンダ1よりも高温に維
持されることにある。この熱膨張差によるスクリュ7と
ダイス部5との接触を防止しながら、スクリュ7の先端
部とダイス部5の内面との間隔dを小さく設定するた
め、常温で、d=0.02D以上、好ましくはd=0.
03D以上に設定する。ノズル5aは、上述したように
スクリュ7のスクリュ溝の延長上に位置し、スクリュ7
の先端部とダイス部5の内面との間の間隔dを有する部
分の外径側周囲に形成されている。なお、2軸押出機A
は、2軸以外の多軸をなすスクリュを備える押出機によ
つて構成することも可能であり、噛み合い型又は非噛み
合い型によつて構成することができる。
【0029】次に、作用について説明する。モータ9に
よつて2本のスクリュ7,7を回転駆動させた状態で、
PVCを50重量%以上含有する廃棄プラスチックをホ
ッパ2からシリンダ1内に投入する。減圧ポンプ10も
駆動させ、ベント開口部3,4及び第1の減圧室11は
減圧状態にあり、第1,第2の開閉バルブ12,14は
閉じてある。シリンダ1内に供給された廃棄プラスチッ
クは、ヒータ6によつて加熱されると共にスクリュ7に
よつて送られながら混練を受け、PVCの熱分解温度に
まで速やかに昇温される。PVCの熱分解によつて生じ
た塩化水素ガスは、水蒸気等と共にベント開口部3,4
から排出され、ホッパ2に向けて逆流することや、溶融
廃棄プラスチック中に練り込まれることが抑制される。
【0030】このようにしてほぼ100%のPVCが分
解された溶融廃棄プラスチックは、スクリュ7の先端に
まで移送され、ダイス部5に達する。ダイス部5に達し
た溶融廃棄プラスチック(脱塩素残渣)は、流動性が低
下しているが、常温で、d=0.02D〜0.10Dに
設定したことにより、熱膨張したスクリュ7がダイス部
5に接触しない範囲で、スクリュ7の先端部がダイス部
5の中心部5b内面に可及的に近づいた状態にあるの
で、スクリュ7とダイス部5との間の空間(デッドスペ
ース)に脱塩素残渣が滞つて大きな抵抗力を生じさせる
ことなく図2に示すノズル5aに流入する。ノズル5a
は、各スクリュ7のスクリュ溝の延長上にほぼ同形で位
置して接続状態にあるので、脱塩素残渣の樹脂圧力がノ
ズル5aの通過に有効活用され、脱塩素残渣はスクリュ
溝にほぼ沿う円滑な流れでダイスノズル5aを通過する
ようになり、脱塩素残渣の流動抵抗が軽減される。ま
た、各スクリュ7,7の先端部のスクリュフライト7a
を有する部分が各ノズル5a,5aの入口に近接してい
るので、スクリュフライト7aによる搬送力によつて流
動性の少ない脱塩素残渣(製品)がダイスノズル5aに
良好に送り込まれる。このようにして、ノズル5aに流
入した脱塩素残渣は、ノズル5aでの大きな摩擦力に抗
して温度低下しながら排出され、回転駆動手段16によ
つて回転されるカッタ15によつて適宜長さに切断さ
れ、第1の減圧室11内に溜まる。脱塩素残渣から分離
して第1の減圧室11内に生じた塩化水素ガスは、減圧
ポンプ10によつて外部へと排気され、第1の減圧室1
1内は減圧状態に維持される。
【0031】このように、第1の減圧室11内が減圧状
態に維持されているため、ダイス部5のノズル5aが大
気に開放されている場合とは異なり、ノズル5a内の脱
塩素残渣がベント開口部3,4に向けて吸引され難く、
脱塩素残渣がダイスノズル5a出口から安定的に排出さ
れる。シリンダの中間部にベント開口部を有し、ダイス
のノズルが大気に開放されている通常の押出機であつて
も、低濃度PVCの場合には粘性及び流動性が良好であ
り、ダイスのノズルがシールされることもあつて、ダイ
ス圧力は十分(数kg/cm2 以上(約数十×104
Pa以上))に生じ、大気を吸引することはなく、脱塩
素製品がダイス出口から出てこなくなることは一般にな
い。従つて、脱塩素製品がダイスノズル5aに詰まり或
いは滞留して出てこなくなる不具合は、50重量%以
上、特に80重量%以上の高濃度PVCの場合に粘性及
び流動性が低下することに起因して起こり易い。
【0032】第1の減圧室11内に切断状態の脱塩素製
品が所定量溜まつたなら、第2の開閉バルブ14を閉じ
たままで第1の開閉バルブ12を開く。これにより、第
1の減圧室11と第2の減圧室13とが連通し、第1の
減圧室11内の脱塩素製品が第2の減圧室13内に落下
する。このとき、第2の減圧室13内の空気は、第1の
減圧室11内を通つて減圧ポンプ10に吸引され、機外
に排出される。第1の減圧室11内の所定量の脱塩素製
品が第2の減圧室13に落下・移動したなら、第1の開
閉バルブ12を閉じると共に、第2の開閉バルブ14を
開き、第2の減圧室13内の脱塩素製品を外部に取り出
す。第2の減圧室13内の脱塩素製品が取り出された
後、第2の開閉バルブ14を閉じる。
【0033】なお、第2の開閉バルブ14を開くときに
は第1の開閉バルブ12を必ず閉じ、第2の減圧室13
の下端部の開口部13bからの大気が、直接、第1の減
圧室11内に入ることを防止する。勿論、第2の減圧室
13を減圧ポンプ10に接続させ、第2の減圧室13を
単独で吸引・負圧にさせることも可能である。第1の開
閉バルブ12にカッタ作用を付与し、第1の開閉バルブ
12を閉じるときに脱塩素製品を切断することも可能で
ある。
【0034】このようにして、第1の減圧室11内に連
続的に排出される脱塩素製品を、所定量毎に第2の減圧
室13に移動させた後に外部に取り出すことができ、第
1の減圧室11内を減圧状態に維持したまま、連続運転
が可能となる。
【0035】
【実施例】廃棄プラスチックの脱塩素処理装置として、
特開平11−50072号に記載されるように、2軸ス
クリュ型減容機と2軸スクリュ型脱塩素機とを配管(ポ
リマーパイプ)にて接続させ、減容機から排出される半
溶融廃棄プラスチックを脱塩素機に導くものを使用し
た。この脱塩素機は、図1に示す2軸押出機Aにおい
て、ホッパ2を供給口となる配管(ポリマーパイプ)に
代えたものと同等の構造を有している。
【0036】PVC含有率が95重量%の産業廃棄プラ
スチック(塩素濃度は52.9重量%)を、所定の大き
さ以下に破砕した状態で、50kg/hの処理速度で半
溶融廃棄プラスチック排出量が次段の脱塩素機の処理量
と等しい2軸スクリュ型減容機に投入し、加圧と加熱に
より廃棄プラスチックに含まれる水分等を蒸気としてベ
ント開口部から排出して、廃棄プラスチック中の水分等
を予め除去した。2軸スクリュ型減容機では、廃棄プラ
スチックを190℃以下の温度まで加熱し、半溶融ない
し溶融状態にして機外に取り出す。減容機中では、PV
Cに塩化水素を生ずる熱分解を生じさせなかつた。
【0037】減容機から取り出された半溶融廃棄プラス
チックを供給口となる配管(ポリマーパイプ)を通じ
て、次段の脱塩素機(A)に供給した。この脱塩素機
(A)は、全長の65%に渡り開口部3,4が設けられ
ている。また、スクリュ7,7は、全長の70%にミキ
シングスクリュピースを組み合わせた構造である。
【0038】脱塩素機(A)に入つた半溶融ないし溶融
廃棄プラスチックは、350℃に加熱されたシリンダ1
からの伝熱とスクリュ7,7によるせん断発熱により昇
温され、廃棄プラスチック中のPVCが急激に分解さ
れ、塩化水素及び他のポリマーの一部が分解した炭化水
素が発生した。発生した塩化水素と炭化水素はシリンダ
1の上部に設けられたベント開口部3,4から、減圧ポ
ンプ10で吸引させ、外部に設置させた排ガス処理装置
(図示せず)に送り、塩化水素は水に吸収させ無害化さ
せた。
【0039】高濃度PVCを含む廃棄プラスチックから
脱塩素された残りの脱塩素残渣は、ダイス5の表面近く
まで到達するように構成させたスクリュ7,7、つまり
スクリュ7の先端部とダイス部5の入口側内面との間隔
dを、シリンダの内径Dに対して、常温でd=0.02
D〜0.10Dの範囲に設定させたスクリュ7,7によ
り下流に送られ、押出機A(脱塩素機)から排出され
た。ダイス5の出口には2段型の第1,第2の減圧室1
1,13(真空チャンバー)が設置されており、第1の
減圧室11の内圧はベント開口部3,4の真空圧力とバ
ランスしている。このようにして得られた脱塩素残渣中
の塩素を分析したところ、濃度が0.3重量%であつ
た。
【0040】次に、図3を参照して、シリンダ1の他端
部と各スクリュ7,7の先端部との関係に関する第1構
造例について説明する。すなわち、シリンダ1の他端部
には、シリンダ1の内径Dとほぼ同一径のノズル5d,
5dを各スクリュ7,7に対応させて有するダイス部5
を取付け、各スクリュ7,7の先端部のスクリュフライ
ト7aを有する部分を各ノズル5d,5d内部の中間部
にまで侵入させてある。
【0041】これにより、スクリュ7の先端部とダイス
ノズル5dの入口側内面との間に、脱塩素残渣(製品)
が溜まる大きな空間がなくなるのみならず、スクリュ溝
にほぼ沿う円滑な流れでダイスノズル5dを通過できる
ようになり、スクリュ7の先端付近の流動抵抗を生ずる
箇所が存在しなくなるので、スクリュ7のスクリュフラ
イト7aによる搬送力によつて流動性の少ない脱塩素残
渣(製品)がダイスノズル5dから円滑に排出されるよ
うになる。加えて、ダイスノズル5d内にもスクリュフ
ライト7aが位置するので、脱塩素残渣(製品)がスク
リュフライト7aによる搬送力を受けながら、大きな摩
擦抵抗力を有するダイスノズル5dを円滑に通過するよ
うになる。なお、ノズル5dの径は、シリンダ1の内径
Dとほぼ同一寸法であるから、ダイス部5をシリンダ1
の先端部自体によつて構成させることも可能である。
【0042】図4には、シリンダ1の他端部と各スクリ
ュ7の先端部との関係に関する第2構造例を示し、シリ
ンダ1の他端部には、シリンダ1の内径Dとほぼ同一径
のノズル5d,5dを各スクリュ7,7に対応させて有
するダイス部5を設け、各スクリュ7の先端部のスクリ
ュフライト7aを有する部分をノズル5dを貫通するよ
うに侵入させてある。
【0043】これにより、スクリュ7の先端とダイスノ
ズル5dの入口側前面との間に、脱塩素残渣(製品)が
溜まる大きな空間がなくなると共に、スクリュ7の先端
付近の流動抵抗を生ずる箇所が存在しなくなるので、ス
クリュ7のスクリュフライト7aによる搬送力によつて
流動性の少ない脱塩素残渣(製品)が大きな摩擦抵抗力
を有するダイスノズル5dから円滑に排出されるように
なる。特に、スクリュ7の先端部がノズル5dを貫通し
て外部にまで突き出しているので、第1構造例と比較し
て、脱塩素残渣(製品)がダイスノズル5dを更に円滑
に通過する。また、スクリュフライト7aがダイスノズ
ル5dの全長に渡つて位置するので、脱塩素残渣(製
品)がスクリュフライト7aによる搬送力を受けなが
ら、ダイスノズル5dを円滑に通過するようになる。ノ
ズル5dの径は、シリンダ1の内径Dとほぼ同一である
から、ダイス部5をシリンダ1の先端部自体によつて構
成させることも可能である。
【0044】シリンダ1の他端部と各スクリュ7の先端
部との関係に関する第1,第2構造例によれば、いずれ
によつても脱塩素残渣(製品)が詰まつてノズル5dが
閉塞され、運転不可能になるという不具合が解消する。
特に、第1,第2構造例は、PVC濃度が80重量%以
上の廃棄プラスチックの脱塩素処理に好適である。な
お、第1,第2構造例では、スクリュ7の先端部をノズ
ル5d内に侵入させればよく、スクリュ7のスクリュフ
ライト7aを省略した円筒状部分をノズル5d内に位置
させても、シリンダ1内でスクリュ7のスクリュフライ
ト7aによつて搬送される脱塩素残渣(製品)がスクリ
ュ7の円筒状部分に沿つて案内されながら排出されるの
で、脱塩素残渣(製品)の排出に関してほぼ同様の作用
を得ることが可能である。シリンダ1の他端部と各スク
リュ7の先端部との関係に関し、上記実施の形態を使用
するか、第1,第2構造例のいずれを使用するかは、脱
塩素の目的、処理する材料等により決定される。
【0045】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る廃棄プラスチックの脱塩素処理装置によれ
ば、次の効果を奏することができる。請求項1,2の発
明によれば、スクリュの先端部が、間隔dを挟んでダイ
ス部に可及的に近づいた状態にあるので、スクリュとダ
イス部との摺動摩擦を避けながら、脱塩素残渣(製品)
が間隔dを円滑に通過して間隔dの外径側周囲に形成さ
れるノズルに流入するようになる。その結果、スクリュ
の先端部とダイス部の入口側内面との間に形成される空
間部において、脱塩素残渣(製品)がブロック状になつ
て詰まり、運転不可能になるという不具合が解消する。
【0046】請求項3,4の発明によれば、スクリュの
先端部が、ダイス部のノズル内に侵入しているので、ス
クリュの先端部とダイス部の入口側内面との間に挟まれ
て形成される空間部が存在しなくなる。これにより、脱
塩素残渣(製品)がダイス部のノズル内に円滑に移動
し、ノズルから円滑に排出されることになり、脱塩素残
渣(製品)がダイス部のノズル付近に詰まり、運転不可
能になるという不具合が解消する。
【0047】請求項5の発明によれば、ダイス部のノズ
ルから排出される脱塩素残渣を、減圧ポンプに接続され
て減圧状態の第1の減圧室に受け入れた後、第2の開閉
バルブを閉じた第2の減圧室に排出させるので、ノズル
から排出される脱塩素残渣をダイス部から負圧状態の第
1の減圧室に排出させることになる。その結果、脱塩素
残渣(製品)がダイス部のノズル付近に詰まり或いは滞
留して排出されなくなり、運転不可能になるという不具
合が解消する。
【0048】このように、請求項1〜10の発明によれ
ば、特に、ポリ塩化ビニル高含有率の廃棄プラスチック
において、スクリュの先端部付近に低粘性及び低流動性
の脱塩素残渣(製品)が詰まつて運転不可能になるとい
う不具合が抑制される。これにより、廃棄プラスチック
のリサイクルに有害な塩素又は塩素化合物を、ポリ塩化
ビニル高含有率の廃棄プラスチック中から効率良く、連
続的に除去しながら、脱塩素残渣(製品)を連続的に得
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係る廃棄プラスチッ
クの脱塩素処理装置を断面で示す概略図。
【図2】 同じくスクリュの先端部を示す断面図。
【図3】 スクリュの先端部の第1構造例を示す断面
図。
【図4】 スクリュの先端部の第2構造例を示す断面
図。
【図5】 従来のスクリュ押出機型の廃棄プラスチック
の脱塩素処理装置を示す概略図。
【符号の説明】
1:シリンダ、2:ホッパ、3,4:ベント開口部、
5:ダイス部、5a,5d:ノズル、5b:中心部、
6:ヒータ(加熱装置)、7:スクリュ、9:モータ
(回転駆動源)、10:減圧ポンプ、11:第1の減圧
室、12:第1の開閉バルブ、13:第2の減圧室、1
3b:開口部(排出口)、14:第2の開閉バルブ、
A:2軸押出機。
フロントページの続き (72)発明者 炭▲広▼ 幸弘 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 時久 昌吉 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 千村 禎 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 佐藤 亨 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 (72)発明者 今田 正隆 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AB06 CA14 CA24 CB45 DA02 DA03 DA06 DA20 4F301 AD08 AD10 BA21 BF16 BF29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニルを含有する廃棄プラスチ
    ックを、シリンダ(1)に内挿したスクリュ(7)を回
    転させることにより、加熱装置(6)を付属するシリン
    ダ(1)内で加熱・混練させて軟化・移送させ、廃棄プ
    ラスチックから熱分解によつて生じた塩化水素を分離・
    排出させると共に、シリンダ(1)の先端部のダイス部
    (5)のノズル(5a)から脱塩素残渣を排出させる廃
    棄プラスチックの脱塩素処理装置において、熱膨張した
    スクリュ(7)がダイス部(5)に接触しない範囲で、
    スクリュ(7)の先端部をダイス部(5)に可及的に近
    づけ、スクリュ(7)の先端部とダイス部(5)の入口
    側内面との間に間隔dを設けると共に、ノズル(5a)
    が、間隔dの外径側周囲に形成されていることを特徴と
    する廃棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  2. 【請求項2】 間隔dが、シリンダの内径Dに対して、
    d=0.02D〜0.10Dの範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1の廃棄プラスチックの脱塩素処
    理装置。
  3. 【請求項3】 ポリ塩化ビニルを含有する廃棄プラスチ
    ックを、シリンダ(1)に内挿したスクリュ(7)を回
    転させることにより、加熱装置(6)を付属するシリン
    ダ(1)内で加熱・混練させて軟化・移送させ、廃棄プ
    ラスチックから熱分解によつて生じた塩化水素を分離・
    排出させると共に、シリンダ(1)の先端部のダイス部
    (5)のノズル(5d)から脱塩素残渣を排出させる廃
    棄プラスチックの脱塩素処理装置において、スクリュ
    (7)の先端部が、ダイス部(5)のノズル(5d)内
    に侵入していることを特徴とする廃棄プラスチックの脱
    塩素処理装置。
  4. 【請求項4】 スクリュ(7)の先端部が、ダイス部
    (5)のノズル(5d)を貫通して突き出していること
    を特徴とする請求項3の廃棄プラスチックの脱塩素処理
    装置。
  5. 【請求項5】 ポリ塩化ビニルを含有する廃棄プラスチ
    ックを、シリンダ(1)に内挿したスクリュ(7)を回
    転させることにより、加熱装置(6)を付属するシリン
    ダ(1)内で加熱・混練させて軟化・移送させ、廃棄プ
    ラスチックから熱分解によつて生じた塩化水素を分離・
    排出させると共に、シリンダ(1)の先端部のダイス部
    (5)のノズル(5a,5d)から脱塩素残渣を排出さ
    せる廃棄プラスチックの脱塩素処理装置において、ダイ
    ス部(5)のノズル(5a,5d)の出口側に、減圧ポ
    ンプ(10)に接続される第1の減圧室(11)を形成
    させ、かつ、第2の開閉バルブ(14)を備える排出口
    (13b)を有する第2の減圧室(13)を、第1の開
    閉バルブ(12)を介して第1の減圧室(11)に接続
    させ、ノズル(5a,5d)から排出される脱塩素残渣
    を減圧状態の第1の減圧室(11)に受け入れた後、第
    2の開閉バルブ(14)を閉じた第2の減圧室(13)
    に排出させることを特徴とする廃棄プラスチックの脱塩
    素処理装置。
  6. 【請求項6】 シリンダ(1)に、塩化水素を排出させ
    るベント開口部(3,4)が形成され、ベント開口部
    (3,4)が、シリンダ(1)の全長の40%以上に渡
    つて形成されていることを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  7. 【請求項7】 ベント開口部(3,4)が、減圧ポンプ
    (10)に接続されていることを特徴とする請求項6の
    廃棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  8. 【請求項8】 スクリュ(7)の全長の50%以上に渡
    りミキシングピースが組み込まれていることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4,5,6又は7の廃棄プラスチ
    ックの脱塩素処理装置。
  9. 【請求項9】 スクリュ(7)が多軸をなし、多軸押出
    機を構成していることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6,7又は8の廃棄プラスチックの脱塩素処理
    装置。
  10. 【請求項10】 スクリュ(7)が噛み合い型であるこ
    とを特徴とする請求項9の廃棄プラスチックの脱塩素処
    理装置。
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