JP2002119223A - 蚕人工飼料用添加物、家畜飼料用添加物及び飼料 - Google Patents

蚕人工飼料用添加物、家畜飼料用添加物及び飼料

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JP2002119223A
JP2002119223A JP2000316378A JP2000316378A JP2002119223A JP 2002119223 A JP2002119223 A JP 2002119223A JP 2000316378 A JP2000316378 A JP 2000316378A JP 2000316378 A JP2000316378 A JP 2000316378A JP 2002119223 A JP2002119223 A JP 2002119223A
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Masaki Kamata
政喜 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規且つ優れた蚕人工飼料用添加物、家畜飼
料用添加物及び飼料を提供すること。 【解決手段】 アジピン酸、スベリン酸等の炭素数が偶
数のアルキレンジカルボン酸、そのジスクシンイミジ
ル、コハク酸イミド、シュウ酸ジスクシンイミジル等を
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、改良された蚕人工飼料
用添加物又は家畜飼料用添加物あるいは該人工飼料用添
加物を含有してなる飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】蚕の人工飼料用添加物に関してはこれま
で数え切れないほどの研究報告がなされている。しかし
ながら真の意味で桑葉飼育に代わりうる人工飼料を提供
できる添加物は未だ知られていない。そして、蚕の飼育
において、本発明で使用されるようなジカルボン酸やそ
の誘導体が使用された例は、本発明者の知る限り存在し
ない。また、家畜飼料用添加物に関しても同様で、ジカ
ルボン酸やその誘導体は化学薬品、工業薬品等として知
られてはいるが、飼料用添加物としての用途は全く知ら
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、蚕人工飼
育について長年にわたり研究してきたが、これまでの蚕
人工飼料が今なお桑葉に比べて種々問題があり、実際に
は人工飼料中に一部桑葉粉末を配合してその欠点を補っ
ている。桑葉粉末は高価であるだけでなく、桑の栽培が
行われなくなって、原料の桑葉の入手が困難となり、こ
のままでは蚕の人工飼育そのものが危機に瀕している状
態にある。以上の事情にかんがみ、本発明者は、これま
でに発表されている多くの種類の蚕人工飼料用添加物を
も踏まえて、既知の比較的入手しやすい化合物中から実
用可能な蚕飼料用添加物を見いだすべく検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の態様】そ
の結果、アルキレンジカルボン酸が蚕の成育に大きく関
与していること、しかも炭素数が偶数個のものが有効で
あることが判明し、さらにアルキレンジカルボン酸は、
単に蚕だけでなく、養殖魚、鶏、豚、牛等、家畜全般の
成育にも有効であることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は (1)炭素数が偶数のアルキレンジカルボン酸とCa 又
はMg のアルカリ性無機物あるいはコハク酸イミドを有
効成分とする蚕人工飼料用添加物又は家畜飼料用添加
物。 (2)炭素数が偶数のアルキレンジカルボン酸のジスク
シンイミジルを有効成分とする蚕人工飼料用添加物又は
家畜飼料用添加物。 (3)コハク酸イミド又はシュウ酸ジスクシンイミジル
を有効成分とする蚕人工飼料用添加物又は家畜飼料用添
加物。 (4)上記(1)、(2)又は(3)の有効成分を含有
してなる蚕人工飼料を含む飼料。 である。{なお、(1)、(2)、(3)の有効成分を
まとめて本発明の有効成分と称することもある。}
【0006】単素数が偶数のアルキレンジカルボン酸と
しては、コハク酸(C4)、アジピン酸(C6)、スベ
リン酸(C8)、セバシン酸(C10)、1,10- デカメ
チレンジカルボン酸(C12)、1,12- ドデカメチレン
ジカルボン酸(C14)等が挙げられる。また、これら
ジカルボン酸のジスクシンイミジル体も有効である。遊
離のアルキレンジカルボン酸の場合は、カルシウム又は
マグネシウムのアルカリ性無機物あるいはコハク酸イミ
ドの少なくとも一つを併用する。さらに、コハク酸イミ
ド単独でも、また、シュウ酸ジスクシンイミジルも有効
である。
【0007】カルシウムのアルカリ性無機物としては、
水酸化カルシウムや酸化カルシウムなどが挙げられる。
また、マグネシウムのアルカリ性無機物としては、水酸
化マグネシウムや酸化マグネシウムなどが挙げられる。
なお、カルシウムやマグネシウムのアルカリ性無機物と
しては、これらの物質以外の種々の無機物をも含有し、
従来から蚕人工飼料に適用されている天然物質、例えば
麦飯石の微粉末等を用いてもよい。
【0008】上記のアルカリ性無機物は、アルキレンジ
カルボン酸(以下、単にカルボン酸と略称することもあ
る)に対し、重量比で0.8 〜3.5 倍程度、好ましくは2
〜 2.5倍程度でよい。コハク酸イミドは、カルボン酸と
当量でよい。
【0009】さらに、コハク酸イミド単独でも有効であ
ることが明らかとなった。また、カルボン酸のジスクシ
ンイミジル、そしてさらに炭素数が最小のジカルボン酸
であるシュウ酸(C2)のジスクシンイミジルも有効で
あった。
【0010】本発明の内、蚕人工飼料用添加物について
述べると、上記(1)、(2)、(3)の各本発明の有
効成分に、例えばビタミンB6 、ニコチン酸アミド、パ
ントテン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等の
各種ビタミン、β−シトステロール、イノシトール等の
栄養成分、クロロマイセチン等の抗菌性物質、及びEDT
A、オキシキノリン等の防黴剤、没食子酸等のフェノー
ル酸などの各種添加物を配合したものが挙げられる。本
発明の有効成分の配合の程度は適宜決定しうるが、例え
ば10〜50mg重量%程度でよい。
【0011】また、蚕人工飼料原料についても、既知の
蚕人工飼料原料、例えば澱粉、脱脂大豆粉末、寒天、セ
ルロース粉末等を配合したものなどが挙げられる。人工
飼料原料への添加割合は、5 〜200mg 重量%程度でよ
い。
【0012】人工飼料原料に適当量の水を加えて適当な
形状の板状とした蚕人工飼料は、安定で、蚕に対し優れ
た摂食誘起及び成育促進効果を発揮し得る。
【0013】
【実施例1】(1)スベリン酸1 部(重量部、以下同
様)と水酸化カルシウム2 部、(2)スベリン酸ジスク
シンイミジル2 部、(3)コハク酸イミド1 部又は
(4)シュウ酸ジスクシンイミジル1 部を下記組成の飼
料原料粉末に加えて各蚕人工飼料(1)、(2)、
(3)及び(4)を得た。 表1 脱脂大豆 43000 部 β−シトステロール 1000 部 セルロース 11000 〃 ビタミンC 1500 〃 ビタミン濃粉 9400 〃 クエン酸 2000 〃 塩化コリン 2000 〃 EDTA 500 〃 馬鈴薯澱粉 14500 〃 没食子酸 500 〃 おから 5200 〃 全量 90600 部 飼料原料10gに2.2倍量の水を加え、練合し、練合
物をオートクレーブで加熱滅菌して蚕人工飼料とした。
【0014】(注1)ビタミン濃粉の組成は表2の通り
である。
【0015】
【実験例1】上記の各人工飼料を無菌飼育容器に入れ、
蟻蚕を掃き立て、恒温槽(25℃)で無菌飼育を行っ
た。飼育結果は次の通りである。
【0016】 表3 使用した人工飼料 掃立頭数 9日目3令蚕体重(mg) 実験区 (1) 87頭 38.9 (2) 75 33.1 (3) 116 42.8 (4) 95 31.5 対照区 83 8.1 以上の結果から、人工飼料(1)〜(4)による飼育が
対照に比較して優れていることが明らかである。
【0017】
【実験例2】実施例1の本発明の有効成分(1)〜
(4)に代えて(a)1,10- ドデカンジカルボン酸2 部
と水酸化マグネシウム5 部、(b)1,10- ドデカンジカ
ルボン酸ジスクシンイミジル2 部又は(c)アジピン酸
1 部と麦飯石3 部を使用し、同様にして人工飼料を製造
し、同様に操作して蚕飼育を行った。結果は以下の通り
であった。
【0018】 表4 有効成分 掃立頭数 9日目3令起蚕体重(mg) (a) 76頭 41.6 (b) 84 33.8 (c) 68 37.9 対照 93 7.6
【0019】
【実験例3】 5令期の蚕飼育試験 使用した飼料原料の組成は次の通りである。 表5 対照 試験区 脱脂大豆 43.0 部 43.0部 セルロース 11.6 11.6 馬鈴薯澱粉 12.5 12.5 おから粉末 28.2 28.2 β−シトステロール 1.0 1.0 桑葉粉末 10.0 −− スベリン酸 −− 0.02 麦飯石 −− 0.05 ビタミンC 1.5 1.5 クエン酸 2.0 2.0
【0020】飼料原料粉末を混合したのち、2.2倍量
の水を加えて練合し、2枚のフィルムに挟んで薄く延ば
したのち、オートクレイブで30分滅菌した。滅菌後、
上面のフィルムをはがし、飼料上に5令期蚕を乗せ、2
5℃の無菌室内に放置し、熟蚕になるまで飼育し、繭を
作らせた。結果は以下の通りで、桑葉粉末を使用した対
照区よりも優れた繭を作ることが明らかとなった。
【0021】 表6 繭成績 桑葉粉末使用区 スベリン酸使用区 単繭重 1.87 g 1.98 g 繭層重 368mg 376mg
【0022】
【発明の効果】本発明は、その一部がポリアミド、ポリ
エステル等の原料など、化学薬品としての用途しか知ら
れていなかった、スベリン酸等の炭素数が偶数のアルキ
レンジカルボン酸、そのジスクシンイミジル体等の新た
な有用性を提供するものであり、蚕人工飼料、家畜飼料
に適用すると、対象の飼育動物の成育が良好であり、例
えば蚕の場合、繭重量が増加し、乳牛の場合、牛乳の生
産量を増やし、鶏、豚、牛にあっては肉の生成に好結果
を与えるなど、劇的な効果がえられ、単なる飼料用添加
物ではなく、飼育上、必須の成分と称しうることが判っ
た。そして、これを蚕人工飼育への用途に限ってみて
も、これまで必須とされていた桑葉粉末と同等の効果が
得られるので、高価な桑葉粉末に代えて、時期や地域に
関係なく安定して入手し得る、より安価な材料を提供す
るものであり、その効果は極めて大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)a)炭素数が偶数のアルキレンジ
    カルボン酸とb)Ca 又はMg のアルカリ性無機物とコ
    ハク酸イミドの少なくとも一つ、(2)上記と同様のジ
    カルボン酸のジスクシンイミジルあるいは(3)コハク
    酸イミド又はシュウ酸ジスクシンイミジルを有効成分と
    する蚕人工飼料用添加物。
  2. 【請求項2】 (1)a)炭素数が偶数のアルキレンジ
    カルボン酸とb)Ca 又はMg のアルカリ性無機物とコ
    ハク酸イミドの少なくとも一つ、(2)上記と同様のジ
    カルボン酸のジスクシンイミジルあるいは(3)コハク
    酸イミド又はシュウ酸ジスクシンイミジルを有効成分と
    する家畜飼料用添加物。
  3. 【請求項3】 (1)a)炭素数が偶数のアルキレンジ
    カルボン酸とb)Ca 又はMa のアルカリ性無機物とコ
    ハク酸イミドの少なくとも一つ、(2)上記と同様のジ
    カルボン酸のジスクシンイミジルあるいは(3)コハク
    酸イミド又はシュウ酸ジスクシンイミジルを含有してな
    る飼料。
  4. 【請求項4】 炭素数が偶数のアルキレンジカルボン酸
    が、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
    1,10- デカンジカルボン酸又は1,12- ドデカンジカルボ
    ン酸のいずれかである請求項1又は2の添加物あるいは
    請求項3の飼料。
  5. 【請求項5】 Ca のアルカリ性無機物が水酸化カルシ
    ウム又は酸化カルシウムである請求項1又は2の添加物
    あるいは請求項3の飼料。
  6. 【請求項6】 Mg のアルカリ性無機物が水酸化マグネ
    シウム又は酸化マグネシウムである請求項1又は2の添
    加物あるいは請求項3の飼料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021508492A (ja) * 2017-12-22 2021-03-11 ジェマイル リミテッド ジカルボン酸の新たな使用及び適用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021508492A (ja) * 2017-12-22 2021-03-11 ジェマイル リミテッド ジカルボン酸の新たな使用及び適用
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