JPS61146153A - 蚕の飼育方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は養蚕業における蚕の飼育方法に関するもので、
更に詳細には全集へ栄養物を添付した添食用飼料を蚕に
給餌する蚕の飼育方法に関するものである。

（従来の技術） 養蚕技術は言うまでもなく、全集を給餌して蚕を飼育す
る技術から成り立っており、一部稚蚕用人工飼料が実用
化されているが、異常気象による全集不足時の対策並び
に給桑量削減による桑畑単位当たりの繭収量の増加等の
目的から、全集に種々の栄養物を添付して蚕に摂食させ
る、いわゆる添食用飼料の開発が望まれ永年研究が行わ
れてきた。その結果、大豆粉末、糖類、ビタミン類、ア
ミノ酸類を配合したものが一部添食用飼料として実用化
されるに到っている。

この添食用飼料を用いる方法としては、全集表面にこの
飼料を直接散布するか、あるいは葉面に水を添加した後
に該添食用飼料を散布することが行われている。しかし
、従来知られているこのような添食用飼料の使用方法で
は全集表面に添食用飼料が均一に付着しなかったり、散
布した水の蒸発により蚕座が多湿環境となり細菌類の繁
殖による病蚕が多発したりすることが多かった。その結
果、飼料の食い込み量に差がでて不吐糸蚕、面の大小の
発生、発育経過の不揃い等がおこり、また軟化病よる死
亡全発生で収繭量の大幅減少等が発生することがあり、
全不足には対処できても蚕の良好な成育や全集飼育に匹
敵する繭成績を挙げることは困難であった。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の添食用飼料の使用においては上記のごとくの難点
があり、本発明はこれら難点がなく飼育成績も良好で、
しかも給全量の削減により同じ桑畑の単位当たり多くの
蚕が飼育できる方法を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は添食用飼料による蚕の飼育方法について種々研
究を重ねた結果、ｐＨが４．０〜５．０となるように調
整した有機酸水溶液を桑葉面に散布したのちに、栄養混
合物を添付したものを蚕に給餌し、飼育すれば従来の添
食用飼料による蚕飼育の問題点を解決することができる
ことを見出し本発明を完成したものである。

すなわち本発明は桑葉面に、抗生物質および／または抗
菌性物質を含みかつｐＨが４．０〜５．０となるように
調整した有機酸水溶液を散布したのち、栄養混合物を添
付し、蚕に給餌することを特徴とする蚕の飼育方法であ
って、その目的とするところは良好な繭成績を得、しか
も給全量の削減により極めて優れた経営効果を発揮する
蚕の飼育方法を提供することにある。

本発明においてはまず、抗生物質および／または抗菌性
物質を含み、かつｐＨが４．０〜５．０となるように調
整した有機酸水溶液を桑葉面に散布する。

その際使用する抗生物質としては、例えば塩酸クロルテ
トラサイクリン等のテトラサイクリン類、硫酸カナマイ
シン等のアミノグリコジッド類、オレアンドマイシン等
のマクロライド類、硫酸コリスチン等のポリペプチド類
の単体または混合物等が挙げられ、これら抗生物質は適
宜選択して用いることができる。また、使用する抗菌性
物質としては、例えばソルビン酸、ソルビン酸塩、プロ
ピオン酸及びプロピオン酸塩やアンプロリューム等の抗
原虫剤等が挙げられ、その一種またはそれ以上を組み合
わせて使用することができる。

有機酸水溶液をｐＨが４．０〜５．０となるように調整
するに際しては、各種有機酸の単体または混合物を０．
０５〜１．５％の範囲で水に溶解することにより調整で
きる。有機酸としてはクエン酸、フマル酸、グルコノデ
ルタ−ラクトン等の単体または混合物が使用できる。

細菌の繁殖をより抑制するためには、使用する有機酸水
溶液のｐＨをより低くした方が効果的であるが、ｐＨが
４．０以下であると蚕の摂餌が著しく悪化し、またｐＨ
が５．０以上であると抗生物質や抗菌性物質の能力を発
揮できず蚕座環境の悪化により死亡蚕が多発してしま゛
うのでｐＨが４．０〜５．０となるように富周整するの
がよい。

また、桑葉面に有機酸水溶液を散布する方法としては、
手動式噴霧機や電動式スプレーを使用し桑葉面に散布す
ればよい。有機酸水溶液を散布する量としては全集に対
し５〜１５％の範囲が望ましい。

次に有機酸水溶液を散布した全集に栄養混合物を添付す
る。

栄養混合物とは、蚕の成育や繭生産のために必要な栄養
物を混合したものをいい、例えばトウモロコシ、マイロ
、大麦、小麦、米等の穀類やその加工品及び脱脂大豆、
酵母等植物性原料；魚粉、ミートボーンミール等の動物
性飼料原料；桑葉粉末；ビタミン類；ミネラル類；β−
シトステロール、没食子酸などの蚕の嗜好性物質；α−
スターチ等展着剤；その他；等から選ばれた原料の一種
またはそれ以上を混合したものを用いる。

添付方法としては、散粉機等を用い有機酸水溶液を散布
した全集面上に添付すればよく、その添付量としては５
〜１５％の範囲が望ましい。

次に、このように栄養混合物を添付した全集を蚕座上に
置き、蚕に給餌し飼育するかあるいは予め蚕座上に給餌
した全集に有機酸水溶液を散布し、更に栄養混合物を添
付して蚕に摂餌させ飼育する。

（発明の効果） 従来の添食用飼料による蚕飼育ではｐＨのコントロール
や抗生物質や抗菌性物質と組み合わせて使用することが
なかったため、蚕の良好な成育や全集飼育に匹敵する繭
成績を得ることは困難であったが、本発明よれば、桑葉
面に散布した有機酸水溶液のｐＨが４．０〜５．０と低
いため、栄養混合物を桑葉面に添付しても、抗生物質や
抗菌性物質の能力が充分に発揮され、細菌が大量に付着
している桑葉面に細菌が増殖することはないので蚕が病
気にかかることが少なく、蚕の良好な成育や全集飼育に
匹敵する繭成績を得ることができるものである。

しかも、添食用飼料を使用することにより給桑量が削減
でき、給桑量の削減により桑畑単位当たりに換算して多
くの蚕が飼育できるので養蚕経営に資するものである。

（実施例） 実施例１ 第１表に示した配合割合により有機酸混合液を調整しｐ
Ｈが４．５の混合液を得た。全集２８ｋｇに対ｒし上記
混合液２．８ｋｇを手動式噴霧機で葉面に散布した後、
第２表に示す内容の栄養混合物２．８ｋｇを電動式散粉
機にて散布した。次いでこれを５齢起蚕１，０００頭に
給餌、飼育し繭成績と減蚕歩合を調査した。

なお、同様に５齢起蚕１，０００頭を用い標準量の全集
４０ｋｇで飼育した区を対照区とし、給桑量を３０％減
量した区を比較区Ａ、３０％減量した全集に従来方法で
直接栄養混合物のみを２．８ｋｇ添付した後、給餌する
区を比較区Ｂとし、同様に蚕を飼育し繭成績と滅蚕歩合
を調査した。

試験の区と給餌量は表３の通りとなる。

第２表　栄養混合物 第３表　試験区（給餌量） 飼育結果は第４表に示す通りであり、本発明の飼育方法
による繭成績、減蚕歩合は比較区に対して格段とよく、
また対照区と比較しても極めて良好な成績であった。

また、有機酸混合液の桑葉面散布も、栄養混合物の添付
も簡便にでき作業も容易であった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 桑葉面に、抗生物質および／または抗菌性物質を含みか
   つｐＨが４．０〜５．０となるように調整した有機酸水
   溶液を散布したのち、栄養混合物を添付し、蚕に給餌す
   ることを特徴とする蚕の飼育方法。