JP2002118123A - 化合物半導体スイッチ回路装置 - Google Patents
化合物半導体スイッチ回路装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】化合物半導体スイッチ回路装置では、挿入損失
(Insertion Loss)をできるだけ小さくするためにゲート
幅Wgを大きく取り、FETのオン抵抗を引き下げる設
計手法が採用されていた。またパッドと隣接する配線層
の離間距離も20μm以上を取っていた。 【解決手段】2.4GHz以上の高周波数帯でシャント
FETを省いてアイソレーション(Isolation)を確保す
る設計に着目し、今までのFETのオン抵抗の低減を二
義的に考える。すなわち、化合物半導体スイッチ回路装
置において、スイッチ用のFETのゲート幅を700μ
m以下に設定してそのサイズを小さくするとともに、パ
ッド周端部と基板間に絶縁膜を設けて高周波信号の結合
と耐圧の確保が小さいスペースで行う。この結果、チッ
プサイズを大幅に小さくできる。
(Insertion Loss)をできるだけ小さくするためにゲート
幅Wgを大きく取り、FETのオン抵抗を引き下げる設
計手法が採用されていた。またパッドと隣接する配線層
の離間距離も20μm以上を取っていた。 【解決手段】2.4GHz以上の高周波数帯でシャント
FETを省いてアイソレーション(Isolation)を確保す
る設計に着目し、今までのFETのオン抵抗の低減を二
義的に考える。すなわち、化合物半導体スイッチ回路装
置において、スイッチ用のFETのゲート幅を700μ
m以下に設定してそのサイズを小さくするとともに、パ
ッド周端部と基板間に絶縁膜を設けて高周波信号の結合
と耐圧の確保が小さいスペースで行う。この結果、チッ
プサイズを大幅に小さくできる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高周波スイッ
チング用途に用いられる化合物半導体スイッチ回路装
置、特に2.4GHz帯以上に用いる化合物半導体スイ
ッチ回路装置に関する。
チング用途に用いられる化合物半導体スイッチ回路装
置、特に2.4GHz帯以上に用いる化合物半導体スイ
ッチ回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話等の移動体用通信機器では、G
Hz帯のマイクロ波を使用している場合が多く、アンテ
ナの切換回路や送受信の切換回路などに、これらの高周
波信号を切り替えるためのスイッチ素子が用いられるこ
とが多い(例えば、特開平9−181642号)。その
素子としては、高周波を扱うことからガリウム・砒素
(GaAs)を用いた電界効果トランジスタ(以下FE
Tという)を使用する事が多く、これに伴って前記スイ
ッチ回路自体を集積化したモノリシックマイクロ波集積
回路(MMIC)の開発が進められている。
Hz帯のマイクロ波を使用している場合が多く、アンテ
ナの切換回路や送受信の切換回路などに、これらの高周
波信号を切り替えるためのスイッチ素子が用いられるこ
とが多い(例えば、特開平9−181642号)。その
素子としては、高周波を扱うことからガリウム・砒素
(GaAs)を用いた電界効果トランジスタ(以下FE
Tという)を使用する事が多く、これに伴って前記スイ
ッチ回路自体を集積化したモノリシックマイクロ波集積
回路(MMIC)の開発が進められている。
【0003】図7(A)は、GaAs FETの断面図
を示している。ノンドープのGaAs基板1の表面部分
にN型不純物をドープしてN型のチャネル領域2を形成
し、チャネル領域2表面にショットキー接触するゲート
電極3を配置し、ゲート電極3の両脇にはGaAs表面
にオーミック接触するソース・ドレイン電極4、5を配
置したものである。このトランジスタは、ゲート電極3
の電位によって直下のチャネル領域2内に空乏層を形成
し、もってソース電極4とドレイン電極5との間のチャ
ネル電流を制御するものである。
を示している。ノンドープのGaAs基板1の表面部分
にN型不純物をドープしてN型のチャネル領域2を形成
し、チャネル領域2表面にショットキー接触するゲート
電極3を配置し、ゲート電極3の両脇にはGaAs表面
にオーミック接触するソース・ドレイン電極4、5を配
置したものである。このトランジスタは、ゲート電極3
の電位によって直下のチャネル領域2内に空乏層を形成
し、もってソース電極4とドレイン電極5との間のチャ
ネル電流を制御するものである。
【0004】図7(B)は、GaAs FETを用いた
SPDT(Single Pole Double Throw)と呼ばれる化合物
半導体スイッチ回路装置の原理的な回路図を示してい
る。
SPDT(Single Pole Double Throw)と呼ばれる化合物
半導体スイッチ回路装置の原理的な回路図を示してい
る。
【0005】第1と第2のFET1、FET2のソース
(又はドレイン)が共通入力端子INに接続され、各F
ET1、FET2のゲートが抵抗R1、R2を介して第
1と第2の制御端子Ctl-1、Ctl-2に接続され、
そして各FETのドレイン(又はソース)が第1と第2
の出力端子OUT1、OUT2に接続されたものであ
る。第1と第2の制御端子Ctl-1、Ctl-2に印加
される信号は相補信号であり、Hレベルの信号が印加さ
れたFETがONして、入力端子INに印加された信号
をどちらか一方の出力端子に伝達するようになってい
る。抵抗R1、R2は、交流接地となる制御端子Ctl
-1、Ctl-2の直流電位に対してゲート電極を介して
高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されて
いる。
(又はドレイン)が共通入力端子INに接続され、各F
ET1、FET2のゲートが抵抗R1、R2を介して第
1と第2の制御端子Ctl-1、Ctl-2に接続され、
そして各FETのドレイン(又はソース)が第1と第2
の出力端子OUT1、OUT2に接続されたものであ
る。第1と第2の制御端子Ctl-1、Ctl-2に印加
される信号は相補信号であり、Hレベルの信号が印加さ
れたFETがONして、入力端子INに印加された信号
をどちらか一方の出力端子に伝達するようになってい
る。抵抗R1、R2は、交流接地となる制御端子Ctl
-1、Ctl-2の直流電位に対してゲート電極を介して
高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されて
いる。
【0006】かかる化合物半導体スイッチ回路装置の等
価回路図を図8に示す。マイクロ波では特性インピーダ
ンス50Ωを基準としており、各端子のインピーダンス
はR1=R2=R3=50Ω抵抗で表される。また、各
端子の電位をV1、V2、V3とすると挿入損失(Inser
tion Loss)およびアイソレーション(Isolation)は以下
の式で表される。
価回路図を図8に示す。マイクロ波では特性インピーダ
ンス50Ωを基準としており、各端子のインピーダンス
はR1=R2=R3=50Ω抵抗で表される。また、各
端子の電位をV1、V2、V3とすると挿入損失(Inser
tion Loss)およびアイソレーション(Isolation)は以下
の式で表される。
【0007】 Insertion Loss=20log(V2/V1)[dB] これは共通入力端子INから出力端子OUT1へ信号を
伝送したときの挿入損失であり、 Isolation=20log(V3/V1)[dB] これは共通入力端子INから出力端子OUT2との間の
アイソレーションである。化合物半導体スイッチ回路装
置では上記した挿入損失(Insertion Loss)をできるだけ
少なくし、アイソレーション(Isolation)を向上するこ
とが要求され、信号経路に直列に挿入されるFETの設
計が大切である。このFETとしてGaAs FETを
用いる理由はGaAsの方がSiより電子移動度が高い
ことから抵抗が小さく低損失化が図れ、GaAsは半絶
縁性基板であることから信号経路間の高アイソレーショ
ン化に適しているためである。その反面、GaAs基板
はSiに比べて高価であり、PINダイオードのように
等価なものがSiで出来ればコスト競争で負けてしま
う。
伝送したときの挿入損失であり、 Isolation=20log(V3/V1)[dB] これは共通入力端子INから出力端子OUT2との間の
アイソレーションである。化合物半導体スイッチ回路装
置では上記した挿入損失(Insertion Loss)をできるだけ
少なくし、アイソレーション(Isolation)を向上するこ
とが要求され、信号経路に直列に挿入されるFETの設
計が大切である。このFETとしてGaAs FETを
用いる理由はGaAsの方がSiより電子移動度が高い
ことから抵抗が小さく低損失化が図れ、GaAsは半絶
縁性基板であることから信号経路間の高アイソレーショ
ン化に適しているためである。その反面、GaAs基板
はSiに比べて高価であり、PINダイオードのように
等価なものがSiで出来ればコスト競争で負けてしま
う。
【0008】図9は今まで実用化されてきた化合物半導
体スイッチ回路装置の回路図である。この回路では、ス
イッチを行うFET1とFET2の出力端子OUT1と
OUT2と接地間にシャントFET3、FET4を接続
し、このシャントFET3、FET4のゲートにはFE
T2とFET1への制御端子Ctl-2、Ctl-1の相
補信号を印可している。この結果、FET1がONのと
きはシャントFET4がONし、FET2およびシャン
トFET3がOFFしている。
体スイッチ回路装置の回路図である。この回路では、ス
イッチを行うFET1とFET2の出力端子OUT1と
OUT2と接地間にシャントFET3、FET4を接続
し、このシャントFET3、FET4のゲートにはFE
T2とFET1への制御端子Ctl-2、Ctl-1の相
補信号を印可している。この結果、FET1がONのと
きはシャントFET4がONし、FET2およびシャン
トFET3がOFFしている。
【0009】この回路で、共通入力端子IN−出力端子
OUT1の信号経路がオンし、共通入力端子IN−出力
端子OUT2の信号経路がオフした場合は,シャントF
ET4がオンしているので出力端子OUT2への入力信
号の漏れは接地されたコンデンサCを介して接地に逃
げ、アイソレーションが向上できる。
OUT1の信号経路がオンし、共通入力端子IN−出力
端子OUT2の信号経路がオフした場合は,シャントF
ET4がオンしているので出力端子OUT2への入力信
号の漏れは接地されたコンデンサCを介して接地に逃
げ、アイソレーションが向上できる。
【0010】図10は、かかる化合物半導体スイッチ回
路装置を集積化した化合物半導体チップの1例を示して
いる。
路装置を集積化した化合物半導体チップの1例を示して
いる。
【0011】GaAs基板にスイッチを行うFET1お
よびFET2を左右の中央部に配置し、シャントFET
3およびシャントFET4を左右の下コーナー付近に配
置し、各FETのゲート電極に抵抗R1、R2、R3、
R4が接続されている。また共通入力端子IN、出力端
子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ctl-
2、接地端子GNDに対応するパッドが基板の周辺に設
けられている。更にシャントFET3およびシャントF
ET4のソース電極は接続されて接地のためのコンデン
サCを介して接地端子GNDに接続されている。なお、
点線で示した第2層目の配線は各FETのゲート電極形
成時に同時に形成されるゲート金属層(Ti/Pt/A
u)であり、実線で示した第3層目の配線は各素子の接
続およびパッドの形成を行うパッド金属層(Ti/Pt
/Au)である。第1層目の基板にオーミックに接触す
るオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)は各FE
Tのソース電極、ゲート電極および各抵抗両端の取り出
し電極を形成するものであり、図10では、パッド金属
層と重なるために図示されていない。
よびFET2を左右の中央部に配置し、シャントFET
3およびシャントFET4を左右の下コーナー付近に配
置し、各FETのゲート電極に抵抗R1、R2、R3、
R4が接続されている。また共通入力端子IN、出力端
子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ctl-
2、接地端子GNDに対応するパッドが基板の周辺に設
けられている。更にシャントFET3およびシャントF
ET4のソース電極は接続されて接地のためのコンデン
サCを介して接地端子GNDに接続されている。なお、
点線で示した第2層目の配線は各FETのゲート電極形
成時に同時に形成されるゲート金属層(Ti/Pt/A
u)であり、実線で示した第3層目の配線は各素子の接
続およびパッドの形成を行うパッド金属層(Ti/Pt
/Au)である。第1層目の基板にオーミックに接触す
るオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)は各FE
Tのソース電極、ゲート電極および各抵抗両端の取り出
し電極を形成するものであり、図10では、パッド金属
層と重なるために図示されていない。
【0012】図11(A)に図10に示したFET1の
部分を拡大した平面図を示す。この図で、一点鎖線で囲
まれる長方形状の領域が基板11に形成されるチャネル
領域12である。左側から伸びる櫛歯状の4本の第3層
目のパッド金属層30が出力端子OUT1に接続される
ソース電極13(あるいはドレイン電極)であり、この
下に第1層目オーミック金属層10で形成されるソース
電極14(あるいはドレイン電極)がある。また右側か
ら伸びる櫛歯状の4本の第3層目のパッド金属層30が
共通入力端子INに接続されるドレイン電極15(ある
いはソース電極)であり、この下に第1層目のオーミッ
ク金属層10で形成されるドレイン電極16(あるいは
ソース電極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた
形状に配置され、その間に第2層目のゲート金属層20
で形成されるゲート電極17がチャネル領域12上に櫛
歯形状に配置されている。
部分を拡大した平面図を示す。この図で、一点鎖線で囲
まれる長方形状の領域が基板11に形成されるチャネル
領域12である。左側から伸びる櫛歯状の4本の第3層
目のパッド金属層30が出力端子OUT1に接続される
ソース電極13(あるいはドレイン電極)であり、この
下に第1層目オーミック金属層10で形成されるソース
電極14(あるいはドレイン電極)がある。また右側か
ら伸びる櫛歯状の4本の第3層目のパッド金属層30が
共通入力端子INに接続されるドレイン電極15(ある
いはソース電極)であり、この下に第1層目のオーミッ
ク金属層10で形成されるドレイン電極16(あるいは
ソース電極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた
形状に配置され、その間に第2層目のゲート金属層20
で形成されるゲート電極17がチャネル領域12上に櫛
歯形状に配置されている。
【0013】図11(B)にこのFETの一部の断面図
を示す。基板11にはn型のチャネル領域12とその両
側にソース領域18およびドレイン領域19を形成する
n+型の高濃度領域が設けられ、チャネル領域12には
ゲート電極17が設けられ、高濃度領域には第1層目の
オーミック金属層10で形成されるドレイン電極14お
よびソース電極16が設けられる。更にこの上に前述し
たように3層目のパッド金属層30で形成されるドレイ
ン電極13およびソース電極15が設けられ、各素子の
配線等を行っている。
を示す。基板11にはn型のチャネル領域12とその両
側にソース領域18およびドレイン領域19を形成する
n+型の高濃度領域が設けられ、チャネル領域12には
ゲート電極17が設けられ、高濃度領域には第1層目の
オーミック金属層10で形成されるドレイン電極14お
よびソース電極16が設けられる。更にこの上に前述し
たように3層目のパッド金属層30で形成されるドレイ
ン電極13およびソース電極15が設けられ、各素子の
配線等を行っている。
【0014】上記した化合物半導体スイッチ回路装置で
は、FET1およびFET2の挿入損失(Insertion Los
s)をできるだけ小さくするためにゲート幅Wgを大きく
取り、FETのオン抵抗を引き下げる設計手法が採用さ
れていた。このためにゲート幅Wgが大きくなることに
起因して、FET1およびFET2のサイズが大きくな
り、チップサイズが大きくなる方向に開発が進んでい
た。
は、FET1およびFET2の挿入損失(Insertion Los
s)をできるだけ小さくするためにゲート幅Wgを大きく
取り、FETのオン抵抗を引き下げる設計手法が採用さ
れていた。このためにゲート幅Wgが大きくなることに
起因して、FET1およびFET2のサイズが大きくな
り、チップサイズが大きくなる方向に開発が進んでい
た。
【0015】また、化合物半導体スイッチ回路装置では
半絶縁基板であるGaAs基板を用い、その上に直接導
電路となる配線やボンディングワイヤーを熱圧着するパ
ッドを設けていた。しかし、扱う信号がGHz帯の高周
波数であるので、隣接する配線間のアイソレーションを
確保するために20μm以上の離間距離を設ける必要が
ある。化合物半導体スイッチ回路装置に要求されるアイ
ソレーションが20dB以上であり、実験的にアイソレ
ーションを20dB以上確保するには、20μm以上の
離間距離が必要である。
半絶縁基板であるGaAs基板を用い、その上に直接導
電路となる配線やボンディングワイヤーを熱圧着するパ
ッドを設けていた。しかし、扱う信号がGHz帯の高周
波数であるので、隣接する配線間のアイソレーションを
確保するために20μm以上の離間距離を設ける必要が
ある。化合物半導体スイッチ回路装置に要求されるアイ
ソレーションが20dB以上であり、実験的にアイソレ
ーションを20dB以上確保するには、20μm以上の
離間距離が必要である。
【0016】この理論的な裏付けは乏しいが、今まで半
絶縁性GaAs基板は絶縁基板という考え方から、耐圧
は無限大であると考えられていた。しかし実測をする
と、耐圧が有限であることが分かった。このために半絶
縁性GaAs基板の中で空乏層が伸びて、高周波信号に
応じた空乏層距離の変化により、空乏層が隣接する電極
まで到達するとそこで高周波信号の漏れを発生すること
が考えられる。従って、アイソレーションを20dB以
上確保するには、20μm以上の離間距離が必要である
と割り出された。
絶縁性GaAs基板は絶縁基板という考え方から、耐圧
は無限大であると考えられていた。しかし実測をする
と、耐圧が有限であることが分かった。このために半絶
縁性GaAs基板の中で空乏層が伸びて、高周波信号に
応じた空乏層距離の変化により、空乏層が隣接する電極
まで到達するとそこで高周波信号の漏れを発生すること
が考えられる。従って、アイソレーションを20dB以
上確保するには、20μm以上の離間距離が必要である
と割り出された。
【0017】図10から明白なように、従来の化合物半
導体スイッチ回路装置では、共通入力端子IN、出力端
子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ctl-
2、接地端子GNDに対応するパッドが基板の周辺に設
けられている。このパッドから少なくとも20μm離間
させて、配線層を形成することは更にチップサイズを大
きくする方向になる。
導体スイッチ回路装置では、共通入力端子IN、出力端
子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ctl-
2、接地端子GNDに対応するパッドが基板の周辺に設
けられている。このパッドから少なくとも20μm離間
させて、配線層を形成することは更にチップサイズを大
きくする方向になる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記した化合物半導体
スイッチ回路装置では、FET1およびFET2の挿入
損失(Insertion Loss)をできるだけ小さくするためにゲ
ート幅Wgを大きく取り、FETのオン抵抗を引き下げ
る設計手法のために各FETのサイズが大きくなり、ま
たパッドと配線層とのアイソレーションを確保する設計
のために20μmの離間距離が必要であった。
スイッチ回路装置では、FET1およびFET2の挿入
損失(Insertion Loss)をできるだけ小さくするためにゲ
ート幅Wgを大きく取り、FETのオン抵抗を引き下げ
る設計手法のために各FETのサイズが大きくなり、ま
たパッドと配線層とのアイソレーションを確保する設計
のために20μmの離間距離が必要であった。
【0019】このために、従来の化合物半導体スイッチ
回路装置ではますますチップサイズが大きくなる方向に
進み、シリコン基板よりコストの高いGaAs基板を用
いる限りは化合物半導体スイッチ回路装置はシリコンの
安価なチップに置き換えが進み、市場を失う結果を招い
ていた。
回路装置ではますますチップサイズが大きくなる方向に
進み、シリコン基板よりコストの高いGaAs基板を用
いる限りは化合物半導体スイッチ回路装置はシリコンの
安価なチップに置き換えが進み、市場を失う結果を招い
ていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した諸々の
事情に鑑み成されたものであり、ゲート幅を短くするこ
とによりFETのサイズを小さくするとともに、パッド
と配線層の離間距離も縮めてチップサイズを小さくした
化合物半導体スイッチ回路装置を実現することに特徴が
ある。
事情に鑑み成されたものであり、ゲート幅を短くするこ
とによりFETのサイズを小さくするとともに、パッド
と配線層の離間距離も縮めてチップサイズを小さくした
化合物半導体スイッチ回路装置を実現することに特徴が
ある。
【0021】すなわち、チャネル層表面にソース電極、
ゲート電極およびドレイン電極を設けた第1および第2
のFETを形成し、両FETのソース電極あるいはドレ
イン電極を共通入力端子とし、両FETのドレイン電極
あるいはソース電極に接続される第1および第2の出力
端子とし、両FETのゲート電極に接続される制御端子
に制御信号を印可していずれか一方のFETを導通させ
て前記共通入力端子と前記第1および第2の出力端子の
いずれか一方と信号経路を形成する化合物半導体スイッ
チ回路装置において、前記共通入力端子、前記第1およ
び第2の出力端子、前記制御端子となるパッドの周端部
の下に絶縁膜を設け、半絶縁性基板上に直接設けた化合
物半導体スイッチ回路装置の他のパターンとの離間距離
を20μm以下にすることに特徴を有する。
ゲート電極およびドレイン電極を設けた第1および第2
のFETを形成し、両FETのソース電極あるいはドレ
イン電極を共通入力端子とし、両FETのドレイン電極
あるいはソース電極に接続される第1および第2の出力
端子とし、両FETのゲート電極に接続される制御端子
に制御信号を印可していずれか一方のFETを導通させ
て前記共通入力端子と前記第1および第2の出力端子の
いずれか一方と信号経路を形成する化合物半導体スイッ
チ回路装置において、前記共通入力端子、前記第1およ
び第2の出力端子、前記制御端子となるパッドの周端部
の下に絶縁膜を設け、半絶縁性基板上に直接設けた化合
物半導体スイッチ回路装置の他のパターンとの離間距離
を20μm以下にすることに特徴を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図1から図6を参照して説明する。
て図1から図6を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の化合物半導体スイッチ回
路装置を示す回路図である。第1のFET1と第2のF
ET2のソース電極(あるいはドレイン電極)が共通入
力端子INに接続され、FET1およびFET2のゲー
ト電極がそれぞれ抵抗R1、R2を介して第1と第2の
制御端子Ctl-1、Ctl-2に接続され、そしてFE
T1およびFET2のドレイン電極(あるいはソース電
極)が第1と第2の出力端子OUT1、OUT2に接続
されたものである。第1と第2の制御端子Ctl-1、
Ctl-2に印加される制御信号は相補信号であり、H
レベルの信号が印加された側のFETがONして、共通
入力端子INに印加された入力信号をどちらか一方の出
力端子に伝達するようになっている。抵抗R1、R2
は、交流接地となる制御端子Ctl-1、Ctl-2の直
流電位に対してゲート電極を介して高周波信号が漏出す
ることを防止する目的で配置されている。
路装置を示す回路図である。第1のFET1と第2のF
ET2のソース電極(あるいはドレイン電極)が共通入
力端子INに接続され、FET1およびFET2のゲー
ト電極がそれぞれ抵抗R1、R2を介して第1と第2の
制御端子Ctl-1、Ctl-2に接続され、そしてFE
T1およびFET2のドレイン電極(あるいはソース電
極)が第1と第2の出力端子OUT1、OUT2に接続
されたものである。第1と第2の制御端子Ctl-1、
Ctl-2に印加される制御信号は相補信号であり、H
レベルの信号が印加された側のFETがONして、共通
入力端子INに印加された入力信号をどちらか一方の出
力端子に伝達するようになっている。抵抗R1、R2
は、交流接地となる制御端子Ctl-1、Ctl-2の直
流電位に対してゲート電極を介して高周波信号が漏出す
ることを防止する目的で配置されている。
【0024】図1に示す回路は、図7(B)に示すGa
As FETを用いたSPDT(Single Pole Double Th
row)と呼ばれる化合物半導体スイッチ回路装置の原理的
な回路とほぼ同じ回路構成であるが、大きく異なる点は
FET1およびFET2のゲート電極のゲート幅Wgを
700μm以下に設計することと、パッドと配線層との
離間距離を大幅に縮めたことである。
As FETを用いたSPDT(Single Pole Double Th
row)と呼ばれる化合物半導体スイッチ回路装置の原理的
な回路とほぼ同じ回路構成であるが、大きく異なる点は
FET1およびFET2のゲート電極のゲート幅Wgを
700μm以下に設計することと、パッドと配線層との
離間距離を大幅に縮めたことである。
【0025】ゲート幅Wgを従来のものに比べて小さく
することはFETのオン抵抗を大きくすることを意味
し、且つゲート電極の面積(Lg×Wg)が小さくなる
ことによりゲート電極とチャネル領域とのショットキー
接合による寄生容量が小さくなることを意味し、回路動
作の上では大きな差が出る。
することはFETのオン抵抗を大きくすることを意味
し、且つゲート電極の面積(Lg×Wg)が小さくなる
ことによりゲート電極とチャネル領域とのショットキー
接合による寄生容量が小さくなることを意味し、回路動
作の上では大きな差が出る。
【0026】また、パッドと配線層との離間距離を大幅
に縮めることは、化合物半導体チップのサイズを縮小す
るのに大きな寄与をする。
に縮めることは、化合物半導体チップのサイズを縮小す
るのに大きな寄与をする。
【0027】図2は、本発明の化合物半導体スイッチ回
路装置を集積化した化合物半導体チップの1例を示して
いる。
路装置を集積化した化合物半導体チップの1例を示して
いる。
【0028】GaAs基板にスイッチを行うFET1お
よびFET2を中央部に配置し、各FETのゲート電極
に抵抗R1、R2が接続されている。また共通入力端子
IN、出力端子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-
1、Ctl-2に対応するパッドが基板の周辺に設けら
れている。なお、点線で示した第2層目の配線は各FE
Tのゲート電極形成時に同時に形成されるゲート金属層
(Ti/Pt/Au)20であり、実線で示した第3層
目の配線は各素子の接続およびパッドの形成を行うパッ
ド金属層(Ti/Pt/Au)30である。第1層目の
基板にオーミックに接触するオーミック金属層(AuG
e/Ni/Au)10は各FETのソース電極、ゲート
電極および各抵抗両端の取り出し電極を形成するもので
あり、図2では、パッド金属層と重なるために図示され
ていない。
よびFET2を中央部に配置し、各FETのゲート電極
に抵抗R1、R2が接続されている。また共通入力端子
IN、出力端子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-
1、Ctl-2に対応するパッドが基板の周辺に設けら
れている。なお、点線で示した第2層目の配線は各FE
Tのゲート電極形成時に同時に形成されるゲート金属層
(Ti/Pt/Au)20であり、実線で示した第3層
目の配線は各素子の接続およびパッドの形成を行うパッ
ド金属層(Ti/Pt/Au)30である。第1層目の
基板にオーミックに接触するオーミック金属層(AuG
e/Ni/Au)10は各FETのソース電極、ゲート
電極および各抵抗両端の取り出し電極を形成するもので
あり、図2では、パッド金属層と重なるために図示され
ていない。
【0029】図2から明白なように、構成部品はFET
1、FET2、抵抗R1、R2、共通入力端子IN、出
力端子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ct
l-2に対応するパッドのみであり、図10に示す従来
の化合物半導体スイッチ回路装置に比べると、最小構成
部品で構成されている。
1、FET2、抵抗R1、R2、共通入力端子IN、出
力端子OUT1、OUT2、制御端子Ctl-1、Ct
l-2に対応するパッドのみであり、図10に示す従来
の化合物半導体スイッチ回路装置に比べると、最小構成
部品で構成されている。
【0030】また本発明では、FET1(FET2も同
じ)をゲート幅が700μm以下と従来の半分以下で形
成されるので、FET1も従来の半分の大きさで済ませ
ることができる。すなわち、図2に示したFET1は一
点鎖線で囲まれる長方形状のチャネル領域12に形成さ
れる。下側から伸びる櫛歯状の3本の第3層目のパッド
金属層30が出力端子OUT1に接続されるソース電極
13(あるいはドレイン電極)であり、この下に第1層
目オーミック金属層10で形成されるソース電極14
(あるいはドレイン電極)がある。また上側から伸びる
櫛歯状の3本の第3層目のパッド金属層30が共通入力
端子INに接続されるドレイン電極15(あるいはソー
ス電極)であり、この下に第1層目のオーミック金属層
10で形成されるドレイン電極14(あるいはソース電
極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配
置され、その間に第2層目のゲート金属層20で形成さ
れるゲート電極17がチャネル領域上に4本の櫛歯形状
に配置されている。なお、上側から伸びる真中の櫛歯の
ドレイン電極13(あるいはソース電極)はFET1と
FET2とで共用しており、更に小型化に寄与してい
る。ここで、ゲート幅が700μm以下という意味は各
FETの櫛歯状のゲート電極17のゲート幅の総和がそ
れぞれ700μm以下であることを言っている。
じ)をゲート幅が700μm以下と従来の半分以下で形
成されるので、FET1も従来の半分の大きさで済ませ
ることができる。すなわち、図2に示したFET1は一
点鎖線で囲まれる長方形状のチャネル領域12に形成さ
れる。下側から伸びる櫛歯状の3本の第3層目のパッド
金属層30が出力端子OUT1に接続されるソース電極
13(あるいはドレイン電極)であり、この下に第1層
目オーミック金属層10で形成されるソース電極14
(あるいはドレイン電極)がある。また上側から伸びる
櫛歯状の3本の第3層目のパッド金属層30が共通入力
端子INに接続されるドレイン電極15(あるいはソー
ス電極)であり、この下に第1層目のオーミック金属層
10で形成されるドレイン電極14(あるいはソース電
極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配
置され、その間に第2層目のゲート金属層20で形成さ
れるゲート電極17がチャネル領域上に4本の櫛歯形状
に配置されている。なお、上側から伸びる真中の櫛歯の
ドレイン電極13(あるいはソース電極)はFET1と
FET2とで共用しており、更に小型化に寄与してい
る。ここで、ゲート幅が700μm以下という意味は各
FETの櫛歯状のゲート電極17のゲート幅の総和がそ
れぞれ700μm以下であることを言っている。
【0031】FET1とFET2断面構造は図11
(B)に示す従来のもの同じであるので、説明を省略す
る。
(B)に示す従来のもの同じであるので、説明を省略す
る。
【0032】次に、2.4GHz以上の高周波数帯でシ
ャントFETを省いてアイソレーション(Isolation)を
確保する設計が可能となるかについて説明する。
ャントFETを省いてアイソレーション(Isolation)を
確保する設計が可能となるかについて説明する。
【0033】図3に、FETのゲート長Lgが0.5μ
mのときのゲート幅Wg−挿入損失(Insertion Loss)の
関係を示す。
mのときのゲート幅Wg−挿入損失(Insertion Loss)の
関係を示す。
【0034】1GHzの入力信号のとき、ゲート幅Wg
が1000μmから600μmまで小さくすると0.3
5dBから0.55dBと0.2dBの挿入損失(Inser
tionLoss)が悪化する。しかし、2.4GHzの入力信
号のとき、ゲート幅Wgが1000μmから600μm
まで小さくすると0.60dBから0.65dBと僅か
0.05dBの挿入損失(Insertion Loss)で済む。これ
は1GHzの入力信号のときは挿入損失(Insertion Los
s)はFETのオン抵抗による影響を大きく受けるが、
2.4GHzの入力信号のときは挿入損失(Insertion L
oss)はFETのオン抵抗による影響をあまり受けないこ
とが分かった。
が1000μmから600μmまで小さくすると0.3
5dBから0.55dBと0.2dBの挿入損失(Inser
tionLoss)が悪化する。しかし、2.4GHzの入力信
号のとき、ゲート幅Wgが1000μmから600μm
まで小さくすると0.60dBから0.65dBと僅か
0.05dBの挿入損失(Insertion Loss)で済む。これ
は1GHzの入力信号のときは挿入損失(Insertion Los
s)はFETのオン抵抗による影響を大きく受けるが、
2.4GHzの入力信号のときは挿入損失(Insertion L
oss)はFETのオン抵抗による影響をあまり受けないこ
とが分かった。
【0035】この理由としては、2.4GHzの入力信
号では1GHzに比べて更に高周波となるので、FET
のオン抵抗よりはむしろFETのゲート電極に起因する
容量成分の影響が大きいと考えられるからである。この
ため2.4GHz以上の高周波ではFETのオン抵抗よ
り容量成分が挿入損失(Insertion Loss)に大きく影響す
るのであれば、むしろオン抵抗より容量成分を減らすこ
とに着目して設計することが良い。すなわち、従来の設
計とは全く逆転の発想が必要となった。
号では1GHzに比べて更に高周波となるので、FET
のオン抵抗よりはむしろFETのゲート電極に起因する
容量成分の影響が大きいと考えられるからである。この
ため2.4GHz以上の高周波ではFETのオン抵抗よ
り容量成分が挿入損失(Insertion Loss)に大きく影響す
るのであれば、むしろオン抵抗より容量成分を減らすこ
とに着目して設計することが良い。すなわち、従来の設
計とは全く逆転の発想が必要となった。
【0036】一方、図4に、FETのゲート長Lgが
0.5μmのときのゲート幅Wg−アイソレーション(I
s olation)の関係を示す。
0.5μmのときのゲート幅Wg−アイソレーション(I
s olation)の関係を示す。
【0037】1GHzの入力信号のとき、ゲート幅Wg
が1000μmから600μmまで小さくすると19.
5dBから23.5dBと4.0dBのアイソレーショ
ン(Isolation)が改善される。同様に、2.4GHzの
入力信号のとき、ゲート幅Wgが1000μmから60
0μmまで小さくすると14dBから18dBと4.0
dBのアイソレーション(Isolation)が改善される。す
なわち、アイソレーション(Isolation)はFETのオン
抵抗に依存して改善されることが分かる。
が1000μmから600μmまで小さくすると19.
5dBから23.5dBと4.0dBのアイソレーショ
ン(Isolation)が改善される。同様に、2.4GHzの
入力信号のとき、ゲート幅Wgが1000μmから60
0μmまで小さくすると14dBから18dBと4.0
dBのアイソレーション(Isolation)が改善される。す
なわち、アイソレーション(Isolation)はFETのオン
抵抗に依存して改善されることが分かる。
【0038】従って、2.4GHz以上の高周波数帯で
は図3から明らかなように、挿入損失(Insertion Loss)
の僅かな悪化しかないことを考慮するば、むしろ図4に
示したアイソレーション(Isolation)を優先して設計す
る方が化合物半導体チップサイズを縮小できる。すなわ
ち、2.4GHzの入力信号のとき700μm以下のの
ゲート幅Wgであれば16.5dB以上のアイソレーシ
ョン(Isolation)を確保することができ、更に600μ
m以下のゲート幅Wgであれば18dB以上のアイソレ
ーション(Isolation)を確保することができる。
は図3から明らかなように、挿入損失(Insertion Loss)
の僅かな悪化しかないことを考慮するば、むしろ図4に
示したアイソレーション(Isolation)を優先して設計す
る方が化合物半導体チップサイズを縮小できる。すなわ
ち、2.4GHzの入力信号のとき700μm以下のの
ゲート幅Wgであれば16.5dB以上のアイソレーシ
ョン(Isolation)を確保することができ、更に600μ
m以下のゲート幅Wgであれば18dB以上のアイソレ
ーション(Isolation)を確保することができる。
【0039】具体的には、図2に実際のパターンを示し
た本発明の化合物半導体スイッチ回路装置では、ゲート
長Lgを0.5μm、ゲート幅Wgを600μmのFE
T1およびFET2に設計し、挿入損失(Insertion Los
s)を0.65dB、アイソレーション(Isolation)を1
8dBを確保している。この特性はBluetooth(携帯電
話、ノートPC、携帯情報端末、デジタルカメラ、その
他周辺機器をワイヤレスで相互接続し、モバイル環境、
ビジネス環境を向上させる通信仕様)を含む2.4GH
z帯ISM Band(Industrial Scientific and Medi
cal frequency band)を使用したスペクトラム拡散通信
の応用分野での通信スイッチとして活用されるものであ
る。
た本発明の化合物半導体スイッチ回路装置では、ゲート
長Lgを0.5μm、ゲート幅Wgを600μmのFE
T1およびFET2に設計し、挿入損失(Insertion Los
s)を0.65dB、アイソレーション(Isolation)を1
8dBを確保している。この特性はBluetooth(携帯電
話、ノートPC、携帯情報端末、デジタルカメラ、その
他周辺機器をワイヤレスで相互接続し、モバイル環境、
ビジネス環境を向上させる通信仕様)を含む2.4GH
z帯ISM Band(Industrial Scientific and Medi
cal frequency band)を使用したスペクトラム拡散通信
の応用分野での通信スイッチとして活用されるものであ
る。
【0040】続いて、パッドと他のパターンとの離間距
離を大幅に縮めることについて説明をする。
離を大幅に縮めることについて説明をする。
【0041】図2および図6に本発明の化合物半導体ス
イッチ回路装置のパッドの構造を示す。図2に平面図を
示す如く、共通入力端子IN、出力端子OUT1、OU
T2、制御端子Ctl-1、Ctl-2の5個のパッドが
基板の周辺に配置されている。各パッドは図6に示すよ
うに、基板11上にシリコン酸化膜より成りその周端部
に沿って設けられた絶縁膜40(図2では二点鎖線で示
す)と、大部分を基板11上に設けられたゲート金属層
20と、ゲート金属層20上に重畳されたパッド金属層
30とで形成される。従って、金のボンディングワイヤ
ー41はパッドのパッド金属層30上にボール ボンデ
ィングされる。
イッチ回路装置のパッドの構造を示す。図2に平面図を
示す如く、共通入力端子IN、出力端子OUT1、OU
T2、制御端子Ctl-1、Ctl-2の5個のパッドが
基板の周辺に配置されている。各パッドは図6に示すよ
うに、基板11上にシリコン酸化膜より成りその周端部
に沿って設けられた絶縁膜40(図2では二点鎖線で示
す)と、大部分を基板11上に設けられたゲート金属層
20と、ゲート金属層20上に重畳されたパッド金属層
30とで形成される。従って、金のボンディングワイヤ
ー41はパッドのパッド金属層30上にボール ボンデ
ィングされる。
【0042】本発明の特徴は各パッドの周端部を囲むよ
うに絶縁膜40を設けたことにある。共通入力端子IN
のパッドは上辺を除き、3辺に絶縁膜40を設け、出力
端子OUT1、OUT2のパッドはGaAs基板のコー
ナー部分を残して、4辺をC字状に絶縁膜40を設け、
制御端子Ctl-1、Ctl-2のパッドはGaAs基板
のコーナー部分および抵抗R1、R2と接続する部分を
除き、変則的な五角形の4辺にC字状に絶縁膜40を設
けられている。絶縁膜40を設けない部分はいずれもG
aAs基板の周端に面した部分であり、空乏層が広がっ
ても隣接するパッドや配線と十分な離間距離があり、リ
ークが問題とならない部分である。
うに絶縁膜40を設けたことにある。共通入力端子IN
のパッドは上辺を除き、3辺に絶縁膜40を設け、出力
端子OUT1、OUT2のパッドはGaAs基板のコー
ナー部分を残して、4辺をC字状に絶縁膜40を設け、
制御端子Ctl-1、Ctl-2のパッドはGaAs基板
のコーナー部分および抵抗R1、R2と接続する部分を
除き、変則的な五角形の4辺にC字状に絶縁膜40を設
けられている。絶縁膜40を設けない部分はいずれもG
aAs基板の周端に面した部分であり、空乏層が広がっ
ても隣接するパッドや配線と十分な離間距離があり、リ
ークが問題とならない部分である。
【0043】なお、絶縁膜40となるシリコン酸化膜は
ECR装置でプラズマで発生させて、常温で基板上に約
3000Åの厚みに各パッドの周端部に選択的に付着さ
せる。
ECR装置でプラズマで発生させて、常温で基板上に約
3000Åの厚みに各パッドの周端部に選択的に付着さ
せる。
【0044】これにより従来のパッドが直接基板11上
に形成されている場合と異なり、パッドの周端部と基板
11とが絶縁膜40で電気的に絶縁されるので、特にパ
ッドや配線層が近接した部分では空乏層の広がりが無く
なる。従って、パッドと隣接する配線層とは離間距離を
20μmから絶縁膜40をリフトオフでエッチングする
加工精度の5ミクロンまで減少できる。図2からも明ら
かなように、5個のパッドが半導体チップの半分近くを
占めているので、本発明のパッドの構造を採用すればパ
ッド近傍まで配線層を配置でき、半導体チップの縮小に
寄与できる。また、金のボンディングワイヤー41はパ
ッドのパッド金属層30上にボール ボンディングされ
るので、従来同様のボンディングワイヤー41のパッド
金属層30への固着の信頼性を確保できる。
に形成されている場合と異なり、パッドの周端部と基板
11とが絶縁膜40で電気的に絶縁されるので、特にパ
ッドや配線層が近接した部分では空乏層の広がりが無く
なる。従って、パッドと隣接する配線層とは離間距離を
20μmから絶縁膜40をリフトオフでエッチングする
加工精度の5ミクロンまで減少できる。図2からも明ら
かなように、5個のパッドが半導体チップの半分近くを
占めているので、本発明のパッドの構造を採用すればパ
ッド近傍まで配線層を配置でき、半導体チップの縮小に
寄与できる。また、金のボンディングワイヤー41はパ
ッドのパッド金属層30上にボール ボンディングされ
るので、従来同様のボンディングワイヤー41のパッド
金属層30への固着の信頼性を確保できる。
【0045】この結果、本発明の化合物半導体チップの
サイズは0.37×0.30mm2に納めることができ
た。これは従来の化合物半導体チップサイズを実に20
%に縮小できることを意味する。
サイズは0.37×0.30mm2に納めることができ
た。これは従来の化合物半導体チップサイズを実に20
%に縮小できることを意味する。
【0046】また、本発明の化合物半導体スイッチ回路
装置では数々の回路特性の改善が図れた。第1に、高周
波入力電力に対するスイッチでの反射を表す電圧定在波
比VSWR(Voltage Standing-Wave Ratio)は1.1〜
1.2を実現した。VSWRは高周波伝送線路中の不連
続部分で発生する反射波と入力波の間で発生する電圧定
在波の最大値と最小値の比を表し、理想状態ではVSW
R=1で反射0を意味する。シャントFETを有する従
来の化合物半導体スイッチ回路装置では、VSWR=
1.4程度であり、本発明では電圧定在波比の大幅な改
善ができた。この理由は、本発明の化合物半導体スイッ
チ回路装置では高周波伝送線路中にスイッチ用のFET
1およびFET2しか無く、回路的にシンプルでデバイ
ス的に極めて小さいサイズのFETしか無いことにこと
に依るものである。
装置では数々の回路特性の改善が図れた。第1に、高周
波入力電力に対するスイッチでの反射を表す電圧定在波
比VSWR(Voltage Standing-Wave Ratio)は1.1〜
1.2を実現した。VSWRは高周波伝送線路中の不連
続部分で発生する反射波と入力波の間で発生する電圧定
在波の最大値と最小値の比を表し、理想状態ではVSW
R=1で反射0を意味する。シャントFETを有する従
来の化合物半導体スイッチ回路装置では、VSWR=
1.4程度であり、本発明では電圧定在波比の大幅な改
善ができた。この理由は、本発明の化合物半導体スイッ
チ回路装置では高周波伝送線路中にスイッチ用のFET
1およびFET2しか無く、回路的にシンプルでデバイ
ス的に極めて小さいサイズのFETしか無いことにこと
に依るものである。
【0047】第2に、高周波入力信号に対する出力信号
の歪みレベルを表すリニアリティ特性は、PIN1dBと
して30dBmを実現している。図5に入出力電力のリ
ニアリティ特性を示す。入出力電力比は理想的には1と
なるが、挿入損失(InsertionLoss)があるのでその分出
力電力が減る。入力電力が大きくなると出力電力が歪ん
でくるので、入力電力に対して出力電力が1dB下がる
点がPIN1dBとして表される。シャントFET有りの
化合物半導体スイッチ回路装置ではPIN1dBは26d
Bmであるが、シャントFETなしの本発明の化合物半
導体スイッチ回路装置では30dBmであり、約4dB
以上の改善が図れる。この理由は、シャントFET有り
の場合はオフしたスイッチ用とシャント用のFETのピ
ンチオフ電圧の影響を相乗的に受けるのに対してシャン
トFETなしの本発明の場合はオフしたスイッチ用のF
ETのみの影響だけであるからである。
の歪みレベルを表すリニアリティ特性は、PIN1dBと
して30dBmを実現している。図5に入出力電力のリ
ニアリティ特性を示す。入出力電力比は理想的には1と
なるが、挿入損失(InsertionLoss)があるのでその分出
力電力が減る。入力電力が大きくなると出力電力が歪ん
でくるので、入力電力に対して出力電力が1dB下がる
点がPIN1dBとして表される。シャントFET有りの
化合物半導体スイッチ回路装置ではPIN1dBは26d
Bmであるが、シャントFETなしの本発明の化合物半
導体スイッチ回路装置では30dBmであり、約4dB
以上の改善が図れる。この理由は、シャントFET有り
の場合はオフしたスイッチ用とシャント用のFETのピ
ンチオフ電圧の影響を相乗的に受けるのに対してシャン
トFETなしの本発明の場合はオフしたスイッチ用のF
ETのみの影響だけであるからである。
【0048】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に依れば以
下の数々の効果が得られる。
下の数々の効果が得られる。
【0049】第1に、2.4GHz以上の高周波数帯で
シャントFETを省いてアイソレーション(Is olation)
を確保する設計に着目し、今までのFETのオン抵抗の
低減を二義的に考える逆転的な発想手段を用い、スイッ
チに用いるFET1およびFET2のゲート電極のゲー
ト幅Wgを700μm以下に設計することである。この
結果、スイッチに用いるFET1およびFET2のサイ
ズ小さくでき、且つ挿入損失(Insertion Loss)を小さく
抑え、アイソレーション(Isolation)を確保できる利点
を得られる。
シャントFETを省いてアイソレーション(Is olation)
を確保する設計に着目し、今までのFETのオン抵抗の
低減を二義的に考える逆転的な発想手段を用い、スイッ
チに用いるFET1およびFET2のゲート電極のゲー
ト幅Wgを700μm以下に設計することである。この
結果、スイッチに用いるFET1およびFET2のサイ
ズ小さくでき、且つ挿入損失(Insertion Loss)を小さく
抑え、アイソレーション(Isolation)を確保できる利点
を得られる。
【0050】第2に、本発明の化合物半導体スイッチ回
路装置ではシャントFETを省く設計が可能となったた
めに、構成部品はFET1、FET2、抵抗R1、R
2、共通入力端子IN、出力端子OUT1、OUT2、
制御端子Ctl-1、Ctl-2に対応するパッドのみで
あり、従来の化合物半導体スイッチ回路装置に比べる
と、最小構成部品で構成できる利点を有する。
路装置ではシャントFETを省く設計が可能となったた
めに、構成部品はFET1、FET2、抵抗R1、R
2、共通入力端子IN、出力端子OUT1、OUT2、
制御端子Ctl-1、Ctl-2に対応するパッドのみで
あり、従来の化合物半導体スイッチ回路装置に比べる
と、最小構成部品で構成できる利点を有する。
【0051】第3に、半導体チップサイズの半分近くを
占めるパッドをその周端部で基板と絶縁膜で絶縁するこ
とで、パッドと隣接する他のパッドや配線層間を5μm
まで接近して配置できるので、高周波信号の結合と耐圧
の確保が小さいスペースででき、大幅なシュリンクが可
能となる利点を有する。
占めるパッドをその周端部で基板と絶縁膜で絶縁するこ
とで、パッドと隣接する他のパッドや配線層間を5μm
まで接近して配置できるので、高周波信号の結合と耐圧
の確保が小さいスペースででき、大幅なシュリンクが可
能となる利点を有する。
【0052】第4に、上述したように最小構成部品とパ
ッドと配線層の離間距離の縮小とで、半導体チップサイ
ズを従来の化合物半導体スイッチ回路装置に比べて20
%まで縮小が可能となり、シリコン半導体チップとの価
格競争力も大幅に向上できる。またチップサイズが小さ
くできるので、従来の小型パッケージ(MCP6 大き
さ2.1mm×2.0mm×0.9mm)よりさらに小
型パッケージ(SMCP6 大きさ1.6mm×1.6
mm×0.75mm)に実装ができるようになった。
ッドと配線層の離間距離の縮小とで、半導体チップサイ
ズを従来の化合物半導体スイッチ回路装置に比べて20
%まで縮小が可能となり、シリコン半導体チップとの価
格競争力も大幅に向上できる。またチップサイズが小さ
くできるので、従来の小型パッケージ(MCP6 大き
さ2.1mm×2.0mm×0.9mm)よりさらに小
型パッケージ(SMCP6 大きさ1.6mm×1.6
mm×0.75mm)に実装ができるようになった。
【0053】第5に、挿入損失(Insertion Loss)が2.
4GHz以上の高周波になってもあまり増加しないの
で、シャントFETを省いてもアイソレーション(Isola
tion)を取れる設計が可能となった。たとえば、3GH
zの入力信号でゲート幅300μmでも、シャントFE
Tなしで十分にアイソレーション(Isolation)を確保で
きる。
4GHz以上の高周波になってもあまり増加しないの
で、シャントFETを省いてもアイソレーション(Isola
tion)を取れる設計が可能となった。たとえば、3GH
zの入力信号でゲート幅300μmでも、シャントFE
Tなしで十分にアイソレーション(Isolation)を確保で
きる。
【0054】第6に、本発明の化合物半導体スイッチ回
路装置では、高周波入力電力に対するスイッチでの反射
を表す電圧定在波比 VSWR(Voltage Standing-Wave
Ratio)を1.1〜1.2に実現でき、反射の少ないス
イッチを提供できる。
路装置では、高周波入力電力に対するスイッチでの反射
を表す電圧定在波比 VSWR(Voltage Standing-Wave
Ratio)を1.1〜1.2に実現でき、反射の少ないス
イッチを提供できる。
【0055】第7に、本発明の化合物半導体スイッチ回
路装置では、高周波入力信号に対する出力信号の歪みレ
ベルを表すリニアリティ特性PIN1dBを30dBmと
向上でき、スイッチのリニアリティ特性の大幅な改善が
できる。
路装置では、高周波入力信号に対する出力信号の歪みレ
ベルを表すリニアリティ特性PIN1dBを30dBmと
向上でき、スイッチのリニアリティ特性の大幅な改善が
できる。
【図1】本発明を説明するための回路図である。
【図2】本発明を説明するための平面図である。
【図3】本発明を説明するための特性図である。
【図4】本発明を説明するための特性図である。
【図5】本発明を説明するための特性図である。
【図6】本発明を説明するための断面図である。
【図7】従来例を説明するための(A)断面図、(B)
回路図である。
回路図である。
【図8】従来例を説明するための等価回路図である。
【図9】従来例を説明するための回路図である。
【図10】従来例を説明するための平面図である。
【図11】従来例を説明するための(A)平面図、
(B)断面図である。
(B)断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03K 17/16 17/693 Fターム(参考) 5F038 CA05 CA10 CD05 DF02 DF20 EZ02 EZ04 EZ20 5F102 FA08 GA01 GA16 GA17 GB01 GC01 GD01 GJ05 GL05 GS07 GS09 GV03 5J055 AX25 BX04 CX03 DX25 DX53 DX55 DX73 DX83 EX07 EX21 EY01 EY21 FX12 FX17 FX35 GX01 GX06 GX07
Claims (6)
- 【請求項1】 チャネル層表面にソース電極、ゲート電
極およびドレイン電極を設けた第1および第2のFET
を形成し、両FETのソース電極あるいはドレイン電極
を共通入力端子とし、両FETのドレイン電極あるいは
ソース電極に接続される第1および第2の出力端子と
し、両FETのゲート電極に接続される制御端子に制御
信号を印可していずれか一方のFETを導通させて前記
共通入力端子と前記第1および第2の出力端子のいずれ
か一方と信号経路を形成する化合物半導体スイッチ回路
装置において、前記共通入力端子、前記第1および第2
の出力端子、前記制御端子となるパッドの周端部の下に
絶縁膜を設け、半絶縁性基板上に直接設けた化合物半導
体スイッチ回路装置の他のパターンとの離間距離を20
μm以下にすることを特徴とする化合物半導体スイッチ
回路装置。 - 【請求項2】 隣接する前記パッドがある部分ではお互
いの周端部を前記絶縁膜で囲むことを特徴とする請求項
1記載の化合物半導体スイッチ回路装置。 - 【請求項3】 前記絶縁膜としてシリコン酸化膜を用い
ることを特徴とする請求項1記載の化合物半導体スイッ
チ回路装置。 - 【請求項4】 前記パッドの中央部は前記半絶縁性基板
上に接して設けられ、前記パッドの中央部にボンディン
グワイヤーを固着することを特徴とする請求項1記載の
化合物半導体スイッチ回路装置。 - 【請求項5】 前記半絶縁性基板としてGaAs基板を
用い、その表面に前記チャネル層を形成することを特徴
とする請求項1記載の化合物半導体スイッチ回路装置。 - 【請求項6】 前記第1および第2のFETは前記チャ
ネル層にショットキー接触するゲート電極と、前記チャ
ネル層にオーミック接触するソース及びドレイン電極か
らなることを特徴とする請求項1記載の化合物半導体ス
イッチ回路装置。
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WO2015159668A1 (ja) * | 2014-04-17 | 2015-10-22 | ソニー株式会社 | 半導体装置、アンテナスイッチ回路、および無線通信装置 |
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