JP2002117994A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2002117994A JP2000311187A JP2000311187A JP2002117994A JP 2002117994 A JP2002117994 A JP 2002117994A JP 2000311187 A JP2000311187 A JP 2000311187A JP 2000311187 A JP2000311187 A JP 2000311187A JP 2002117994 A JP2002117994 A JP 2002117994A
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JP2000311187A
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Katsunobu Hamamoto
勝信 濱本
Kazuhiro Nishimoto
和弘 西本
Hiromitsu Mizukawa
宏光 水川
Norio Kanai
教郎 金井
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電圧の異なる交流電源に対応可能であって電圧
が低い場合にも電圧が高い場合に比較して効率が低下す
ることのない放電灯点灯装置を提供する。 【解決手段】交流電源ACを整流器1により整流し、直
流電源回路2により電圧を変換する。直流電源回路2の
直流出力はインバータ回路3により高周波電力に変換さ
れ、インバータ回路3からの高周波電力により放電灯L
aが点灯する。整流器1の出力電圧は判別回路5により
検出され、整流器1の出力電圧が低いときには高いとき
よりも直流電源回路2の出力電圧を低く設定する。ま
た、整流器1の出力電圧が低いときには高いときよりも
インバータ回路2の動作周波数を低く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源のような
交流電源を整流した後、直流電源回路により電圧変換
し、さらにインバータ回路を用いて電力変換した高周波
電力を用いて、放電灯を高周波で点灯させる放電灯点灯
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の放電灯点灯装置は、商
用電源のような交流電源を電源としインバータ回路を用
いて電力変換した高周波電力を用いて放電灯を高周波で
点灯させるように構成されている。インバータ回路の電
源となる直流電源を生成する技術としては、交流電源を
整流器で整流した後にチョッパ回路からなる直流電源回
路を用いる構成が知られている。
【0003】この種の直流電源回路として用いることが
できるチョッパ回路としては、特開平1−133575
号公報、特開平6−153496号公報、特開平10−
271812号公報等に記載された昇圧チョッパ回路が
ある。以下に、これらの公報に記載された昇圧チョッパ
回路について簡単に説明する。
【0004】特開平6−153496号公報に記載され
た直流電源回路2は、図17に示すように、交流電源A
Cを全波整流する整流器1から出力される脈流電圧を入
力電圧としており、整流器1の直流出力端間にインダク
タL3とMOSFETからなるスイッチング素子Q3と
インダクタL3に流れる電流を検出するための抵抗Rs
との直列回路を接続し、スイッチング素子Q3に逆流阻
止用のダイオードD3と平滑用のコンデンサC3との直
列回路を並列接続した主回路2aを備える。また、直流
電源回路2はスイッチング素子Q3をオンオフさせるチ
ョッパ制御部2bを備える。この直流電源回路2の出力
に負荷Zとしてインバータ回路を付加すれば放電灯点灯
装置を構成することができる。
【0005】主回路2aは、スイッチング素子Q3がオ
ンである期間にはインダクタL3に電流を流してインダ
クタL3に電磁エネルギを蓄積する。一方、スイッチン
グ素子Q3がオフになると、インダクタL3は蓄積され
たエネルギを放出し、整流器1の出力電圧にインダクタ
L3の両端電圧を加算した電圧がダイオードD3を介し
てコンデンサC3に印加される。したがって、コンデン
サC3の両端電圧は入力電圧のピーク値よりも昇圧され
る。
【0006】チョッパ制御部2bは、RSラッチ25の
出力によってスイッチング素子Q3をオンオフしてお
り、RSラッチ25がセットされるとスイッチング素子
Q3をオンにし、RSラッチ25がリセットされるとス
イッチング素子Q3をオフにする。RSラッチ25のセ
ットのタイミングは抵抗Rsの両端電圧により決定さ
れ、RSラッチ25のリセットのタイミングは直流電源
回路2の入力電圧と出力電圧とにより決定される。
【0007】まず、RSラッチ25のリセットのタイミ
ングを決定する構成について説明する。チョッパ制御部
2bに設けた誤差増幅器21には、直流電源回路2の出
力電圧Voを2個の抵抗R3,R4により分圧した検出
電圧が入力され、出力電圧の目標値として設定された基
準電圧Vrefとの差分である誤差電圧が求められる。
誤差電圧は比較器24によりコンデンサC0の端子電圧
と比較され、比較器24ではコンデンサC0の端子電圧
が誤差電圧よりも高くなるとRSラッチ25をリセット
する。このときRSラッチ25の反転出力により制御さ
れるスイッチ要素Q0がオンになりコンデンサC0は放
電される。コンデンサC0は電流源23からの電流によ
り充電されており、スイッチ要素Q0がオフになってか
ら所定時間後にコンデンサC0の端子電圧が誤差電圧よ
りも高くなる。
【0008】RSラッチ25のセットのタイミングは、
抵抗Rsの両端電圧により決定される。抵抗Rsの両端
電圧はゼロ点検出器26に入力されており、スイッチン
グ素子Q3のオフに伴ってインダクタL3に蓄積された
エネルギが放出されてコンデンサC3に充電され、イン
ダクタL3に流れる電流が減少してほぼゼロになると、
ゼロ点検出器26が抵抗Rsの両端電圧に基づいてその
状態を検出するから、RSラッチ25がセットされる。
この時点で、コンデンサC0の充電が開始されるから、
上述した動作の繰り返しによりスイッチング素子Q3の
オンオフが繰り返される。
【0009】ところで、図17に示すチョッパ制御部2
bには、入力電圧に応じて電流源23の出力電流値を切
り換えるオン時間調節回路22が設けてある。オン時間
調節回路22は、入力電圧に応じて電流源23の出力電
流値を切り換えることによりオン時間の調節範囲を広範
囲に制御し、入力電圧として許容される交流電源ACの
電源電圧の上限および下限の差を大きくとりながらも、
昇圧チョッパ回路からなる直流電源回路2の出力電圧を
安定化させる機能を有する。なお、上述した特開平1−
133575号公報、特開平10−271812号公報
に記載された技術も同様な機能を有し、広範囲の入力電
圧に対してチョッパ回路の動作並びに出力電圧を安定化
させている。
【0010】しかしながら、これらの公報に記載の技術
を採用して広範囲の入力電圧に対してチョッパ回路の出
力電圧を安定化すると以下の問題が生じる。
【0011】いま、図17に示した回路においてスイッ
チング素子Q3に流れる電流のピーク値Icpを求める
にあたり、以下の条件を仮定する。なお、以下の入力電
圧、入力電流、入力電圧はいずれも交流電源ACからの
入力電圧の代表値としての実効値、入力電流、入力電力
を意味する。 入力電圧=100Vまたは200V 入力電流=Icp/(2×21/2)=入力電力/入力電
圧 入力電力=負荷消費電力/0.85 負荷消費電力=45W このような条件を仮定して電流のピーク値Icpを計算
により求めると、入力電圧が100Vの場合にはIcp
=1.50A、200Vの場合にはIcp=0.75A
になる。つまり、負荷消費電力が等しいとすれば、交流
電源ACの電圧が低いほど入力電流が大きくなることが
わかる。したがって、交流電源ACの電圧が低いほど、
スイッチング素子Q3でのスイッチング損失やインダク
タL3での鉄損および銅損が増大して電力効率が低下す
るとことになる。
【0012】ところで、放電灯に高周波電力を供給して
放電灯を高周波で点灯させるインバータ回路の前段に直
流電源回路としてのチョッパ回路を設けた放電灯点灯装
置としては、特開平10−106784号公報、特開平
10−41085号公報などに記載された技術が知られ
ている。これらの公報に記載の技術は、定格ランプ電流
がほぼ等しくかつ定格ランプ電力が異なる複数種類の放
電灯が適合することを目的として構成され、放電灯の種
類に関わらずほぼ定格の光出力で点灯させることが可能
になっている。
【0013】一例として、特開平10−106784号
公報に記載された回路を示す。この放電灯点灯装置は、
図18に示すように、昇圧チョッパ回路からなる直流電
源回路2の後段にインバータ回路3を設けた構成を有し
ている。すなわち、交流電源ACを全波整流する整流器
1の直流出力端間に昇圧チョッパ回路からなる直流電源
回路2を接続して電圧変換を行い、直流電源回路2の直
流出力をインバータ回路3で高周波電力に電力変換する
ことにより、放電灯Laを含む負荷回路4に高周波電力
を供給し、放電灯Laを高周波で点灯させるように構成
されている。
【0014】直流電源回路2には、図17に示した構成
と同様の昇圧チョッパ回路を用いており主回路2aは同
様に動作する。直流電源回路2からの直流出力を電力変
換するインバータ回路3は、MOSFETからなる2個
のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路を直流電源回
路2の出力端であるコンデンサC3の両端間に接続した
主回路3aを有し、両スイッチング素子Q1,Q2をイ
ンバータ制御部3bからの駆動信号により高周波で交互
にオンオフさせるように構成されている。インバータ回
路3を構成する2個のスイッチング素子Q1,Q2のう
ちの高電位側(以下では、ハイサイドという)のスイッ
チング素子Q1の両端間には負荷回路4が接続される。
負荷回路4は、カプリング用のコンデンサC1を介して
放電灯Laの一方のフィラメントの一端をハイサイドの
スイッチング素子Q1の一端に接続し、スイッチング素
子Q1の他端にインダクタL2を介して放電灯Laの他
方のフィラメントを接続し、さらに放電灯Laのフィラ
メントの非電源側端間にコンデンサC2を接続して構成
されている。したがって、負荷回路4は、インダクタL
2、コンデンサC2、放電灯Laからなる共振回路を含
み、インダクタL2とコンデンサC2との共振作用によ
って共振電圧を放電灯Laに印加するように構成されて
いる。なお、コンデンサC1は十分に容量が大きく共振
に寄与しないように選定される。
【0015】しかして、インバータ制御部3bによりス
イッチング素子Q1,Q2を交互にオンオフさせると、
スイッチング素子Q2のオン時にコンデンサC1−放電
灯LaおよびコンデンサC2−インダクタL2を通る経
路で電流が流れ、スイッチング素子Q1のオン時にはコ
ンデンサC1を電源として、コンデンサC1−スイッチ
ング素子Q1−インダクタL2−放電灯Laおよびコン
デンサC2−コンデンサC1の経路で電流が流れる。つ
まり、放電灯Laに高周波電力を供給することができ
る。
【0016】ここで、図18には示していないが、放電
灯Laの種類(定格ランプ電力)を判別する判別手段
と、判別手段の判別結果に応じて点灯特性を補正する補
正手段とが設けられている。この構成では、複数種類の
放電灯Laのうち定格ランプ電圧Vlaがもっとも高い
放電灯Laに対して、直流電源回路2の出力電圧が定格
ランプ電圧Vlaの21/2倍以上となるようにチョッパ
制御部2bによるスイッチング素子Q3のオンデューテ
ィが設定されている。
【0017】ここで、直流電源回路2の出力電圧を上述
のように設定する理由について説明する。いま、放電灯
Laとして高周波点灯専用形の蛍光ランプ(JIS C
7601参照)であるFHF32とFHF16とのど
ちらにも定格ランプ電流である255mA付近の電流が
供給されるように直流電源回路2の出力電圧を設定する
とともに共振回路を構成するインダクタL2およびコン
デンサC2の定数値を設定しているものとし、交流電源
ACからの入力電圧を140V、180V、220Vの
3段階に切り換えた場合について、放電灯Laの種類を
変えたときのランプ電流Ilaを測定すると表1のよう
な結果が得られる。
【0018】
【表1】
【0019】直流電源回路2の出力電圧は交流電源AC
からの入力電圧が高いほど高く設定されており、表1に
よれば直流電源回路2の出力電圧が高いほど2種類の放
電灯Laに流れるランプ電流Ilaの電流差が小さくな
ることがわかる。つまり、直流電源回路2の出力電圧を
高く設定すれば、定格ランプ電力の異なる放電灯Laに
交換してもランプ電流Ilaの変化が少なくなり、各種
類の放電灯Laを定格に近い光出力で点灯させることが
容易になる。そこで、上述した2種類の放電灯Laに適
合させるには、直流電源回路2の出力電圧を定格ランプ
電圧が高いほうの定格ランプ電圧のピーク値以上に設定
すればよいと言える。ここで、対象としている放電灯L
aは、FHF32とFHF16とであって、それぞれの
定格ランプ電圧は128V、64Vであるから、定格ラ
ンプ電圧が高いほうであるFHF32のランプ電圧Vl
aのピーク値を求めると、128V×21/2≒181V
であり、直流電源回路2の出力電圧をこの電圧以上に設
定すれば、適合する放電灯Laの範囲では放電灯Laを
交換してもランプ電流が大きく変化することがなく、定
格に近い光出力を得ることが可能になる。
【0020】図18に示した放電灯点灯装置は昇圧チョ
ッパ回路からなる直流電源回路2の後段にインバータ回
路3を設けた構成であったが、図19に示すように、イ
ンバータ回路3を構成するスイッチング素子Q1,Q2
をチョッパ回路のスイッチング素子として兼用すること
により直流電源回路2として独立したチョッパ回路を用
いない構成も知られている(特開平10−41085号
公報)。この構成では、共振回路の設計に関わる要素の
一つを所定の値に設定することで複数種類の放電灯La
を適合させている。
【0021】図19に示す回路は、交流電源ACを整流
する整流器1の直流出力端間にダイオードD4を介して
2個のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路を接続し
てあり、スイッチング素子Q1,Q2の直列回路に平滑
用のコンデンサC3を並列接続してある。また、ダイオ
ードD4には力率改善用のコンデンサC4を並列に接続
してある。各スイッチング素子Q1,Q2にはバイポー
ラトランジスタを用いてあり、各スイッチング素子Q
1,Q2のコレクタ・エミッタにそれぞれダイオードD
1,D2を逆並列に接続することによって、スイッチン
グ素子Q1,Q2のオフ時にダイオードD1,D2を通
してオン時とは逆向きの電流を流すことができるように
してある。つまり、図19に示す構成の各スイッチング
素子Q1,Q2と各ダイオードD1,D2との組み合わ
せは、図17,図18に示したMOSFETを用いた各
スイッチング素子Q1,Q2と等価に動作する。
【0022】スイッチング素子Q1,Q2の接続点には
インダクタL2を介して放電灯Laの一方のフィラメン
トの一端が接続され、放電灯Laの他方のフィラメント
の一端はカプリング用のコンデンサC1を介して整流器
1とダイオードD4との接続点に接続される。放電灯L
aの両フィラメントの非電源側端間には図17、図18
に示した構成と同様にインダクタL2とともに共振回路
を構成するコンデンサC2が接続される。
【0023】この構成では、整流器1の出力電圧が平滑
用のコンデンサC3の両端電圧よりも高い期間(以下で
は、山部という)とコンデンサC3の両端電圧よりも低
い期間(以下では、谷部という)とで動作に相違が生じ
る。
【0024】山部においては、ダイオードD4が導通す
るからインダクタL2、コンデンサC2、放電灯Laに
より共振回路が構成される。ただし、カプリング用のコ
ンデンサC1の容量は共振に寄与しない程度に十分に大
きく設定されている。一方、谷部においては、ダイオー
ドD4が導通しないからコンデンサC4が共振回路に含
まれることになり、インダクタL2、コンデンサC2,
コンデンサC4、放電灯Laが共振回路を構成する。
【0025】この構成では、インバータ回路の動作周波
数(スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波
数)finvを、山部における共振回路での無負荷時の
共振周波数f01と、谷部における共振回路での無負荷
時の共振周波数f02との間の値に設定してある。つま
り、共振回路の特性とインバータ回路の動作周波数とは
図20に示す関係に設定される。ここで、上記各共振周
波数f01,f02はそれぞれ次式で表される。 f01=1/{2π×(L2×C3)1/2} f02=1/〔2π×{L2×(C3×C4)/(C3
+C4)}1/2 上式から明らかなように、2つの共振周波数f01,f
02の間にはf01<f02という関係が常に成立す
る。図20において、曲線X1は山部における共振回路
での無負荷時の共振電流の変化を示し、曲線X2は山部
における共振回路での放電灯点灯時のランプ電流の変化
を示し、曲線X3は谷部における共振回路での無負荷時
の共振電流の変化を示し、曲線X4は谷部における共振
回路での放電灯点灯時のランプ電流の変化を示してい
る。
【0026】また、図21は図19に示した回路におい
て放電灯Laのランプインピーダンスが変化したときの
ランプ電流の変化を示す特性図であって、同図における
曲線X5を基準として、曲線X6はランプインピーダン
スが基準よりも小さい場合を示し、曲線X7はランプイ
ンピーダンスが基準よりも大きい場合を示している。図
21によれば、インバータ回路の動作周波数finvが
特定の周波数f3になるときには、放電灯Laのランプ
インピーダンスにかかわらずランプ電流がほぼ一定にな
ることがわかる。
【0027】上述のように、インバータ回路の動作周波
数finvは、山部における共振回路の無負荷時の共振
周波数f01と谷部における共振回路での無負荷時の共
振周波数f02との間の周波数に設定しているから、図
20に示すように、f01<f3<f02に設定するこ
とによって、放電灯Laのランプインピーダンスが変化
してもランプ電流をほぼ一定に保つことができる。これ
に対して、f4<f01,f02となるような周波数f
4や、f5>f01,f02となるような周波数f5を
インバータ回路の動作周波数finvに選択すると、定
格ランプ電流がほぼ等しくかつ定格ランプ電力の異なる
複数種類の放電灯Laにインバータ回路を無調整で対応
させることはできなくなる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図18に示
した放電灯点灯装置では、図17に示した直流電源回路
2と同様の構成を有する直流電源回路2をインバータ回
路3の前段に備えているものであるから、広範囲の入力
電圧に対応させようとすれば図17に示した直流電源回
路2と同様の問題が生じる。たとえば、図18に示した
放電灯点灯装置を用い、直流電源回路2の出力電圧をほ
ぼ一定として定格ランプ電力が42Wの放電灯(蛍光ラ
ンプ)Laを点灯させるとすると、交流電源ACの電圧
が100Vのときの入力電力は約47Wになり、交流電
源ACの電圧が200Vのときの入力電力は約45Wに
なる。つまり、交流電源ACの電圧が低いほど効率が低
下することになる。一方、図19に示した放電灯点灯装
置では、インバータ回路に対して独立した直流電源回路
を備えていないものであるから、広範囲の入力電圧に対
応することは不可能である。
【0029】一方、図18、図19に示した放電灯点灯
装置では、定格ランプ電流がほぼ等しくかつ定格ランプ
電力の異なる複数種類の放電灯Laを点灯可能とするた
めに、放電灯Laに供給する電流(ランプ電流)がほぼ
一定となるように動作条件を設定しているが、複数種類
の放電灯Laに対応可能とするための別の要件であって
放電灯Laの寿命に大きな影響を与えるフィラメントの
予熱条件については開示されておらず、放電灯Laのフ
ィラメントの非電源側に接続した共振用のコンデンサC
2に共振電流を流すことでフィラメントを予熱すること
のみが記載されているに過ぎない。
【0030】一般に放電灯点灯装置における予熱制御と
しては、電源投入直後の所定時間は放電灯が始動しない
程度の低電圧を放電灯に印加してフィラメントを予熱し
た後に放電灯に高電圧を印可して始動させる技術が先行
予熱制御として採用されている。先行予熱制御ではフィ
ラメントの予熱中における熱電子放出のための最小予熱
電流および放電灯をコールドスタートしないための印加
電圧がIEC規格やJIS規格などで規定されており、
これらの値を適切に設定しないと放電灯の寿命を著しく
損なうことがある。すなわち、予熱条件は放電灯Laの
寿命に大きな影響を与える。
【0031】図18、図19に示した放電灯点灯装置で
は、共振用のコンデンサC2に流れる電流で放電灯La
のフィラメントを予熱するものであるから、放電灯La
への印加電圧をVlaとし、インバータ回路の動作周波
数をfinvとすれば、フィラメントを流れる予熱電流
Ifは、次式で近似することができる。 If=2π・finv・C2・Vla 一方、図18に示した放電灯点灯装置において直流電源
回路2の出力電圧を高く設定しながらも放電灯Laに流
れるランプ電流を定格ランプ電流に保つには、共振回路
のインダクタL2のインダクタンスを大きくする必要が
ある。ところで、無負荷での共振周波数f0は、 f0=1/{2π(L2・C2)1/2} であるから、インダクタL2のインダクタンスが大きい
ほど共振周波数f0は低くなる。つまり、直流電源回路
2の出力電圧を高くしながらも、放電灯Laへの印加電
圧Vlaを定格ランプ電圧に保つには、インバータ回路
の動作周波数finvを引き下げる必要があり、結果的
に予熱電流Ifは小さくなる。
【0032】以上のことから明らかなように、図18に
示した放電灯点灯装置のように、直流電源回路2の出力
電圧VDCと定格ランプ電圧VLaが高い放電灯Laと
の関係をVDC≧21/2VLaと設定するだけでは予熱
には不十分なことがあるから放電灯Laの寿命を著しく
損なう可能性がある。
【0033】また、放電灯Laの点灯時におけるインバ
ータ回路の動作周波数finvと無負荷時の共振周波数
とをほぼ等しくするには、無負荷時の共振周波数を決定
するインダクタおよびコンデンサの値を、上述した周波
数の関係を満足しながらも放電灯Laの点灯時に所定の
ランプ電流が供給できるように設定しなければならず、
その上、放電灯Laの寿命が短くならないように共振用
のコンデンサの値を設定しなければならない。すなわ
ち、図19に示した放電灯点灯装置においても、予熱電
流は平滑用のコンデンサC3の両端電圧に大きく依存す
ることは明らかであり、予熱電流を適正値として放電灯
の寿命の短命化を防止するには、コンデンサC3の両端
電圧と共振回路との関係を考慮することが必要である。
【0034】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、電圧の異なる交流電源に対応可能で
あって電圧が低い場合にも電圧が高い場合に比較して効
率が低下することがない放電灯点灯装置を提供すること
にあり、別の目的は、放電灯の定格ランプ電力が異なっ
ていても適正な条件で予熱することができる放電灯点灯
装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
電源を整流する整流器と、整流器の出力電圧を電圧変換
した直流電圧を出力する直流電源回路と、直流電源回路
の直流出力を高周波電力に電力変換するインバータ回路
と、インバータ回路からの高周波電力を共振回路を介し
て放電灯に供給する負荷回路と、交流電源の電圧の代表
値を判別する判別回路とを備え、直流電源回路が判別回
路により検出された交流電源の電圧の代表値に応じて出
力電圧を制御し、かつ交流電源の電圧の代表値にかかわ
らず放電灯に流れる電流を所定範囲内に制御するもので
ある。
【0036】請求項2の発明は、交流電源を整流する整
流器と、整流器の出力電圧を電圧変換した直流電圧を出
力する直流電源回路と、直流電源回路の直流出力を高周
波電力に電力変換するインバータ回路と、インバータ回
路からの高周波電力を共振回路を介して放電灯に供給す
る負荷回路と、交流電源の電圧の代表値を判別する判別
回路とを備え、交流電源の電圧の代表値にかかわらず放
電灯に流れる電流が所定範囲内となるように、判別回路
により検出される交流電源の電圧の代表値が低いほど高
い場合よりも直流電源回路の出力電圧を低電圧に制御し
かつインバータ回路の出力周波数を低周波数に制御する
ものである。
【0037】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記判別回路では、前記交流電源の
電圧の代表値としての実効値が200〜277Vの範囲
である電圧と100〜120Vの範囲である電圧とを判
別することを特徴とする。
【0038】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記放電灯がフィラメントを有する
蛍光ランプであって、定格ランプ電流が互いに近い所定
範囲内でありかつ定格ランプ電力の異なる複数種類の蛍
光ランプから任意に選択される蛍光ランプが適合するこ
とを特徴とする。
【0039】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記共振回路が前記放電灯の両フィラメントの非電
源側端間に接続されたコンデンサを含み、前記直流電源
回路と前記インバータ回路とは電源投入後から放電灯が
始動するまでの期間に前記コンデンサを通過する予熱電
流を流してフィラメントを予熱する機能を有し、前記イ
ンバータ回路の出力周波数が共振回路の無負荷時の共振
周波数の近傍の一定周波数に設定され、前記直流電源回
路の出力電圧が320〜440Vの範囲の一定電圧に設
定されていることを特徴とする。
【0040】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記蛍光ランプとして、点灯時においてインピーダ
ンスが100〜500Ωであって、点灯時において蛍光
ランプに流れる電流が300±10mAであるものを用
いることを特徴とする。
【0041】請求項7の発明は、請求項5または請求項
6の発明において、前記共振回路の無負荷時の共振周波
数が75kHz以上に設定されていることを特徴とす
る。
【0042】請求項8の発明は、請求項5ないし請求項
7の発明において、前記インバータ回路の出力周波数が
80kHz以上に設定されていることを特徴とする。
【0043】請求項9の発明は、請求項5ないし請求項
8の発明において、前記直流電源回路の出力電圧が40
0±10Vに設定されていることを特徴とする。
【0044】請求項10の発明は、請求項5ないし請求
項9の発明において、前記共振回路が前記インバータ回
路と前記蛍光ランプとの間に挿入された1.2mH付近
のインダクタを備え、前記コンデンサが3.0nF付近
であることを特徴とする。
【0045】なお、交流電源の電圧の代表値とは、交流
電源の電圧の瞬時値ではなく実効値、平均値、振幅(ピ
ーク値)などを意味する。以下に説明する実施の形態で
は交流電源の電圧の実効値を意味しており、とくにこと
わりがなければ、「交流電源の電圧」は「交流電源の電
圧の実効値」を意味する。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本実施形態
は、基本的には図1に示すように構成されたものであっ
て、交流電源ACを整流器1により全波整流し、整流器
1から出力される脈流電圧を直流電源回路2により電圧
変換した後、直流電源回路2から出力される直流電圧を
インバータ回路3によって高周波電力に電力変換し、イ
ンバータ回路3から出力される高周波電力を放電灯La
を含む負荷回路4に供給して放電灯Laを高周波で点灯
させるように構成されている。直流電源回路2はチョッ
パ回路であって主回路2aおよび主回路2aに含まれる
スイッチング素子Q3のオンオフを制御するチョッパ制
御部2bを備える。また、インバータ回路3は直列接続
された2個のスイッチング素子Q1,Q2を主回路3a
に備え、主回路3aのスイッチング素子Q1,Q2のオ
ンオフをインバータ制御部3bにより制御するように構
成されている。さらに、負荷回路4は、インバータ回路
3の主回路3aにカプリング用のコンデンサC1を介し
て接続されたインダクタL2とコンデンサC2とからな
る共振回路と、コンデンサC2の両端電圧が印加される
放電灯Laとにより構成される。放電灯Laとしてはフ
ィラメントを備える蛍光ランプを想定するが、本実施形
態では冷陰極管を用いることも可能である。コンデンサ
C2は放電灯Laの両フィラメントの非電源側端間また
は電源側端間に接続される。ここにおいて、本実施形態
では、整流器1の出力電圧を検出することによって交流
電源ACの電圧を複数段階(2段階)に判別する判別回
路5を備え、判別した段階に応じてチョッパ制御部2b
およびインバータ制御部3bを制御する点が特徴になっ
ている。したがって、以下では判別回路5の判別結果に
応じたチョッパ制御部2bおよびインバータ制御部3b
の制御を中心として説明する。
【0047】本実施形態は具体的には図2に示す構成を
採用している。すなわち、整流器1、直流電源回路2、
インバータ回路3、負荷回路4は、図18に示した従来
構成と同様の構成であって、同機能を有する構成につい
ては同符号を付してある。本実施形態と図18に示した
従来の放電灯点灯装置との主な相違点は、判別回路5を
設けている点であって、判別回路5は整流器1の出力端
間に接続された2個の抵抗R1,R2の直列回路からな
る検出部5aと、検出部5aにおける抵抗R1,R2の
接続点の電圧に基づいてチョッパ制御部2bおよびイン
バータ制御部3bに指示を与える切換部5bとにより構
成される。また、本実施形態では直流電源回路2の出力
端間(つまり、平滑用のコンデンサC3の両端間)に2
個の抵抗R3,R4の直列回路を接続してあり、両抵抗
R3,R4により直流電源回路2の出力電圧を分圧して
チョッパ制御部2bに与えることにより、直流電源回路
2の出力電圧が所望の定電圧に保たれるようにスイッチ
ング素子Q3のオンオフのタイミング(実際にはオンデ
ューティ)を制御する。図18に示した従来構成では、
負荷回路4をハイサイドのスイッチング素子Q1の両端
間に接続しているが、本実施形態ではローサイドのスイ
ッチング素子Q2の両端間に接続してある。ただし、こ
の点に関してはどちらの構成を採用してもよい。
【0048】次に、切換部5bの動作について説明す
る。切換部5bは、コンパレータのように入力された電
圧の範囲を判別する機能を有し、整流器1の出力電圧
(つまり、交流電源ACの電圧)を2段階に判別する。
ここに、切換部5bは整流器1の出力電圧の瞬時値を判
別するのではなく、交流電源ACの電圧の実効値に相当
する値を判別する。したがって、切換部5bには入力電
圧を平均化する積分回路のような適宜の手段が含まれ
る。いま、交流電源ACの電圧値として100Vと20
0Vとが選択可能であるものとし、交流電源ACの電圧
が200Vであるときに切換部5bからHレベルの信号
が出力され、100Vであるときに切換部5bからLレ
ベルの信号が出力されるものとする。このような関係で
あれば、交流電源ACの電圧が200Vであるときの抵
抗R2の両端電圧の平均値をV1とすれば、交流電源A
Cの電圧が100Vであるときの抵抗R2の両端電圧の
平均値はV1/2になるから、切換部5bにおいてV1
/2<Vth<V1となるように閾値Vthを設定し、
この閾値Vthを用いて抵抗R2の両端電圧の平均値を
2値化すれば交流電源ACの電圧が100Vのときに切
換部5bからLレベルの信号を出力し、200Vのとき
にHレベルの信号を出力することができる。
【0049】チョッパ制御部2bでは切換部5bにより
判別された交流電源ACの電圧に応じて直流電源回路2
の出力電圧の目標値を切り換え、インバータ制御部3b
では切換部5bにより判別された交流電源ACの電圧に
応じてインバータ回路3の動作周波数を切り換える。い
ま、切換部5bにおいて交流電源ACの電圧の150V
付近を境界としてチョッパ制御部2bにより直流電源回
路2の出力電圧を切り換えるとともに、インバータ制御
部3bによりインバータ回路3の動作周波数を切り換え
るものとする。この場合には、直流電源回路2の出力電
圧は図3(a)のように交流電源ACの電圧が境界とな
る電圧より高い範囲では低い範囲よりも高く設定する。
つまり、交流電源ACの電圧が200Vのときの直流電
源回路2の出力電圧をVDC1とし、100Vのときの
直流電源回路2の出力電圧をVDC2とすれば、VDC
1>VDC2となるようにチョッパ制御部2bに指示を
与える。また、インバータ回路3の動作周波数は図3
(b)のように交流電源ACの電圧が境界となる電圧よ
り高い範囲では低い範囲よりも高く設定する。つまり、
交流電源ACの電圧が200Vのときのインバータ回路
3の動作周波数をf1とし、100Vのときのインバー
タ回路3の動作周波数をf2とすれば、f1>f2とな
るようにインバータ制御部3bに指示を与える。ここ
で、直流電源回路2の出力電圧VDC1,VDC2およ
びインバータ回路3の動作周波数f1,f2を適宜に設
定しておけば、図3(c)のように放電灯Laのランプ
電流をほぼ一定値Ilaに保つことが可能になる。つま
り、交流電源ACの電圧が変化しても放電灯Laに流す
ランプ電流を変化させないように制御することが可能に
なる。
【0050】このような動作が可能である理由を説明す
る。直流電源回路2の出力電圧が異なれば、インバータ
回路3の動作周波数に対する放電灯Laのランプ電流の
関係も変化することは自明である。つまり、インバータ
回路3の動作周波数を変化させないとすればインバータ
回路3への入力電圧が上昇すればランプ電流も増加す
る。いま、交流電源ACの電圧が200Vであって直流
電源回路2の出力電圧がVDC1であるときにランプ電
流が図4の実線のようになるとすれば、交流電源ACの
電圧が100Vであって直流電源回路2の出力電圧がV
DC2であるときにはランプ電流は図4の破線のように
実線よりも小さくなる。ここで、破線は実線とほぼ同形
であって実線を下方に偏移させた形になっているから、
交流電源ACの電圧が200Vであるときのインバータ
回路3の動作周波数f1を交流電源ACの電圧が100
Vであるときにも適用したとすると、ランプ電流はIl
a1(点A)からIla2(Ila1>Ila2)に低
下し(点B)、ランプ電流が変化することになる。
【0051】本実施形態は、交流電源ACの電圧が変化
してもランプ電流を変化させないように制御することが
目的であるから、このような制御では目的が達成できな
いことになる。そこで、インバータ回路3の動作周波数
を交流電源ACの電圧が200Vであるときの動作周波
数f1から引き下げ、図4の破線の上でランプ電流がI
la1になるようにインバータ回路3の動作周波数をf
2に決定している(点C)。つまり、直流電源回路2の
出力電圧をVDC2に引き下げ、直流電源回路2の出力
電圧をVDC2に引き下げたときには、インバータ回路
3の動作周波数も引き下げることによって図3(c)に
ようにランプ電流を一定に保つことが可能になるのであ
る。このように交流電源ACの電圧の変化にかかわらず
ランプ電流を一定にすることによって、交流電源ACの
電圧の変化に対する放電灯Laの光出力の変化を防止す
ることができる。すなわち、交流電源ACの電圧が低い
ときには直流電源回路2の出力電圧を引き下げるととも
に、インバータ回路3の動作周波数を引き下げることに
よって、交流電源ACの電圧の変化にかかわらず放電灯
Laのランプ電流をほぼ一定に保つのである。
【0052】以上説明したように、交流電源ACの電圧
が低いときには直流電源回路2の出力電圧を低下させる
ことによって、直流電源回路2を構成するスイッチング
素子Q3における損失を低減することができる。また、
交流電源ACの電圧が低いときにはインバータ回路3の
動作周波数を引き下げることによって、共振用のコンデ
ンサC2に流れる電流を減少させることができる。ここ
で、放電灯Laに印加する電圧をVla、インバータ回
路3の動作周波数をfinvとすれば、コンデンサC2
に流れる電流IC2は、 IC2=2π・finv・C2・Vla であって、動作周波数finvが低下すれば、コンデン
サC2に流れる電流も減少する。つまり、コンデンサC
2とインダクタL2とにより構成される共振回路に流れ
る共振電流も減少するから、インバータ回路3のスイッ
チング素子Q1,Q2での損失、インダクタL2での鉄
損や銅損も低減されることになる。他の構成および動作
は図18に示した従来構成と同様である。
【0053】(第2の実施の形態)本実施形態は、図5
に示すように、第1の実施の形態の構成に対してインバ
ータ回路3を構成するスイッチング素子Q1,Q2の直
列回路の両端間に2個の抵抗R5,R6の直列回路を判
別回路5の検出部5cとして接続し、抵抗R6の両端電
圧をインバータ制御部3bに入力することによって、直
流電源回路2の出力電圧を受けてインバータ回路3の動
作周波数を変化させるようにしたものである。すなわ
ち、第1の実施の形態ではインバータ回路3の動作周波
数を、判別回路5により検出された整流器1の出力電圧
に基づいて切り換えるようにしていたが、本実施形態で
は直流電源回路2の出力電圧に基づいて切り換えるよう
にした点が相違する。ただし、直流電源回路2の出力電
圧は、判別回路5により検出した整流器1の出力電圧に
基づいて切り換えられるのであるから、直流電源回路2
の出力電圧は整流器1の出力電圧と等価であって、本実
施形態の構成でも第1の実施の形態と同様に動作させる
ことが可能になる。なお、図5に示す構成では、判別回
路5の切換部5bを省略してチョッパ制御部2bおよび
インバータ制御部3bにそれぞれ切換部5bとしての機
能を付加してある。
【0054】本実施形態の構成では、直流電源回路2は
整流器1と近接させて設ける必要があるが、インバータ
回路3は整流器1と近接させる必要がないから、直流電
源回路2とインバータ回路3とを別々の場所に配置する
ことが可能になる。他の構成および動作は第1の実施の
形態と同様である。すなわち、交流電源ACの電圧が低
い場合には直流電源回路2の出力電圧を引き下げるとと
もに、インバータ回路3の動作周波数を引き下げること
によって、交流電源ACの電圧の変化にかかわらず放電
灯Laのランプ電流をほぼ一定に保つのである。
【0055】(第3の実施の形態)本実施形態は、図6
に示すように、第1の実施の形態とは判別回路5の構成
を変更したものである。すなわち、第1の実施の形態で
は判別回路5の検出部5aとして2個の抵抗R1,R2
の直列回路を用いていたのに対して、本実施形態では直
流電源回路2に含まれるインダクタL3に2次巻線を設
け、2次巻線の出力を検出部5aで分圧するとともに整
流し、切換部5bに与えている点が相違する。この構成
では、インダクタL3の2次巻線に誘起される電圧は図
7に示すように整流器1の出力電圧に比例した波形の包
絡線を持つことになる。つまり、直流電源回路2の出力
電圧が等しいとすれば図7(a)(b)のように包絡線
の下限値は等しく、整流器1の出力電圧のピーク値が大
きいときには図7(a)のように包絡線のピーク値も大
きくなり、整流器1の出力電圧のピーク値が小さいとき
には図7(b)のように包絡線のピーク値も小さくな
る。また、整流器1の出力電圧のピーク値が等しく直流
電源回路2の出力電圧が異なるときには図7(b)
(c)のように包絡線の下限値とピーク値との差は等し
くなり、出力電圧が高いときには図7(b)のように振
幅が大きくなり、出力電圧が低いときには図7(c)の
ように振幅が小さくなる。
【0056】上述の関係を用いると、インダクタL3の
2次巻線に誘起される電圧によって交流電源ACの電圧
を知ることが可能であるから、第1の実施の形態と同様
に、交流電源ACの電圧に応じて直流電源回路2の出力
電圧を制御し、またインバータ回路3の動作周波数を制
御することが可能になる。ここに、直流電源回路2の出
力電圧およびインバータ回路の動作周波数3と、交流電
源ACの電圧との関係は第1の実施の形態と同様であっ
て、交流電源ACの電圧にかかわらず放電灯Laのラン
プ電流をほぼ一定に保つことができる。他の構成および
動作は第1の実施の形態と同様である。
【0057】ところで、上述した各実施形態では、日本
国内での使用を想定して交流電源ACの電圧を商用電源
の電圧である100Vと200Vとの2段階で説明した
が、海外においては商用電源の電圧として120V、2
30V、277Vなども使用されている。したがって、
海外向けの仕様も満足させるには、判別回路5において
海外での電圧にも対応させることが望ましい。そこで、
交流電源ACの電圧を高低2段階に判別するようにし、
高い方の範囲には200V、230V、277Vを含む
ようにし、低い方の範囲には100V、120Vを含む
ように判別回路5を構成する。すなわち、図8に示すよ
うに、切換部5bでは120Vと200Vとの間に閾値
Vthを設定すればよく、直流電源回路2の出力電圧
は、交流電源ACの電圧の高い方の範囲と低い方の範囲
とのそれぞれについて、もっとも高い電圧のピーク値以
上に設定すればよい。すなわち、VDC1>392V
(=2 1/2×277V)、VDC2>170V(=21/2
×120V)に設定する。
【0058】(第4の実施の形態)本実施形態は、図9
に示すように、図2に示した第1の実施の形態の構成に
おいて負荷回路4に含まれるインダクタL2の2次巻線
として2個の予熱巻線を設け、各予熱巻線を放電灯La
の各フィラメントにそれぞれ接続したものである。すな
わち、インダクタL2に設けた予熱巻線においてa〜d
の符号を付した各端子は、放電灯Laにおけるa〜dの
符号を付した各端子にそれぞれ接続されることを意味す
る。また、本実施形態では定格光出力(定格の全光束)
を得るのに必要な定格ランプ電流がほぼ等しく(定格ラ
ンプ電流が所定範囲内)であって、定格ランプ電力が異
なる複数種類の放電灯Laに適合可能になっている。つ
まり、本実施形態では放電灯Laの種類が異なっていて
も放電灯Laに供給する電流をほぼ等しくなるように制
御する。
【0059】このような制御を可能とするための条件に
ついて説明する。まず、放電灯Laのインピーダンスを
放電灯Laの点灯時におけるランプ電圧とランプ電流と
によって定義し、インピーダンス=ランプ電圧/ランプ
電流とする。また、本実施形態において対象とする放電
灯Laは、定格ランプ電流が300mA前後(10%程
度は誤差を含む)とし、インピーダンスは100〜50
0Ωの範囲で変化するものとする。つまり、放電灯La
のインピーダンスが異なることは放電灯Laの定格ラン
プ電力が異なることに相当する。インバータ回路3の動
作周波数が変化したときのランプ電流の変化を、図10
に示す等価回路によって評価した結果を図11に示す。
図10はインバータ回路3に代えて出力周波数が可変で
ある高周波電源Vsを用い、放電灯Laに代えて抵抗R
0を用いている。つまり、抵抗R0は放電灯Laのイン
ピーダンスを表す。また、インダクタL2は1.2m
H、コンデンサC2は3.9nFとした。また、高周波
電源Vsの出力電圧を高低2段階に切り換えるように
し、高い方の電圧をVs1とするとき、低い方の電圧V
s2は、Vs2=Vs1/1.2となるように設定し
た。
【0060】図11において、Z1,Z2は電圧がVs
1であって、Z1は抵抗R0が100Ωの場合、Z2は
抵抗R0が500Ωの場合を示す。また、Z3,Z4は
電圧がVs2であって、Z3はテイクR0が100Ωの
場合、Z4は抵抗R0が500Ωの場合を示す。図11
から明らかなように、高周波電源Vsの出力周波数が所
定の範囲(図示例ではfa〜fbの範囲)では、インピ
ーダンス(抵抗R0)の相違によってはランプ電流にほ
とんど差がなく(実際には10mA以下)、実用上では
変化していないとみなすことができる。また、第1の実
施の形態において説明したように、直流電源回路2の出
力によらず(つまり、高周波電源Vsの出力電圧によら
ず)ランプ電流をほぼ一定に保つように、直流電源回路
2の出力電圧に応じてインバータ回路3の動作周波数
(つまり、高周波電源Vsの出力周波数)を変化させる
ものとし、この条件に従って高周波電源Vsの出力電圧
が高い方(=Vs1)であるときには出力周波数を82
kHzとし、高周波電源Vsの出力電圧が低い方(=V
s2)であるときには出力周波数を69kHzに設定す
るものとする。このような条件下で抵抗R0が100Ω
の場合と500Ωとの場合についてランプ電流を測定し
た結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2によって明らかなように、高周波電源
Vsの電圧にかかわらずランプ電流を300mA程度に
保ち、しかも放電灯Laのインピーダンスが変化しても
ランプ電流の変化を数mAの範囲内に保つことが可能に
なる。言い換えると、直流電源回路2の出力電圧を変化
させるとともに、インバータ回路3の動作周波数を変化
させることによって、定格ランプ電流がほぼ等しく定格
ランプ電力が異なる複数種類の放電灯Laを適合させる
ことが可能になる。他の構成および動作は第1の実施の
形態と同様である。
【0063】(第5の実施の形態)本実施形態は、図1
2に示すように、図2に示した第1の実施の形態の構成
に対してタイマ回路6を付加した点が異なる。タイマ回
路6はチョッパ制御部2bおよびインバータ制御部3b
を、電源投入直後からの所定時間に以後の動作と異なら
せて放電灯Laの先行予熱制御を行うために設けられて
いる。また、共振用のコンデンサC2は放電灯Laのフ
ィラメントの非電源側端間に接続してある。ここに、本
実施形態では直流電源回路2の出力電圧が320〜44
0Vの範囲で変化するものとする。また、放電灯Laに
は、コンパクト形H形ランプ(高周波点灯専用6本管
形)として知られているFHT24、FHT32、FH
T42を用いる。つまり、定格ランプ電力が24W、3
2W、42Wの3種類の蛍光ランプを適合させるものと
する。
【0064】本実施形態のように、電源投入直後から所
定時間は放電灯Laに印加する電圧を放電が開始されな
い程度の低電圧に設定してフィラメントの予熱を行う先
行予熱制御での条件はIEC規格によって以下のように
規定されている。 放電灯Laの印加電圧<240V 電子放出のための予熱電流>{(0.130/te)+
0.25020.50 ただし、定数はコンパクト形H形ランプに対応するよう
に設定してあり、teは先行予熱の時間である。先行予
熱の時間teは一般には1秒前後に設定されることが多
いが、タイマ回路6を構成する部品のばらつき(公差)
を考慮し設計値として0.8秒を選択すると、上式から
0.474Aより大きい予熱電流が必要であることがわ
かる。また、予熱中における放電灯Laへの印加電圧は
240Vより低い値に設定することが必要である。
【0065】このような条件の下に、本実施形態では、
図13(a)に示すように、時刻t0における電源投入
から時刻t2までの所定時間には、直流電源回路2の出
力電圧を、交流電源ACの電圧が高い方であるときの電
圧(=VDC1)に設定し、時刻t2以降は交流電源A
Cの電圧に応じた電圧に設定するようにしてある。ここ
で、放電灯Laに印加される電圧は、共振回路を構成す
るコンデンサC2およびインダクタL2とインバータ回
路3の動作周波数とにより決定され、コンデンサC2お
よびインダクタL2は定数であるから、インバータ回路
3の動作周波数を調節することによって、印加電圧の条
件が満たされるようにしてある。つまり、インバータ回
路3の動作周波数の調節によって図13(b)のように
放電灯Laへの印加電圧を調節し、時刻t0における電
源投入から時刻t1における始動電圧の印加までの期間
には放電灯Laが点灯しない程度の電圧(240Vより
も低い電圧)が放電灯Laに印加されるようにしてあ
る。時刻t1においては、インバータ回路3の動作周波
数を変更して放電灯Laが始動する電圧を印加する。放
電灯Laの点灯後には放電灯Laの両端電圧は低下し、
図13(c)のように放電灯Laにランプ電流が流れ
る。上述した時刻t1,t2における動作の切換はタイ
マ回路6により制御される。
【0066】次に、本実施形態において直流電源回路2
の出力電圧を320〜440Vに設定していることにつ
いて考察する。ここでは、直流電源回路2の出力電圧に
ついて評価するために、図14に示す等価回路を想定す
る。つまり、図14では直流電源回路2に代えて直流電
源VDCを用い、放電灯Laの点灯時のインピーダンス
を抵抗R0で表し、フィラメントの抵抗をRf1,Rf
2で表している。ここに、抵抗R0は100〜500Ω
の範囲で変化し、Rf1=Rf2=10Ωとする。ま
た、抵抗R0に流れる電流は300mAに設定し(つま
り、定格ランプ電流が300mA前後であり)、抵抗R
0の変化範囲において放電灯Laへの供給電流の変化幅
は10mA以内になるように制御するものとする(つま
り、300±10mA)。また、インバータ回路3の動
作周波数はインダクタL2とコンデンサC2とからなる
共振回路の共振周波数付近(つまり、無負荷時の共振周
波数付近)とし、放電灯Laの点灯時におけるインバー
タ回路3の動作周波数を50kHzに設定しているもの
とする。具体的には、インダクタL2を2.10mH、
コンデンサC2を3nFに設定することにより、無負荷
時の共振周波数を49kHzに設定してある。
【0067】ところで、定格ランプ電力の異なる複数種
類の放電灯Laを支障なく点灯させるには、直流電源回
路2の出力電圧と共振回路を構成するコンデンサC2の
容量との関係を適正に設定することが必要である。そこ
で、上述した条件下で両者の関係について放電灯Laを
支障なく点灯させることができる条件を求めると、図1
5に斜線部として示す範囲になる。図では直流電源回路
2の出力電圧が320V以上であれば、ランプ電流をほ
とんど変化させることなく定格ランプ電力の異なる複数
種類の放電灯Laを支障なく点灯させることが可能であ
ることを示している。
【0068】一方、上述した先行予熱制御における条件
(予熱時間が0.8秒、予熱電流が0.474Aを越え
る)を満たすのは、図15における直線Bより上側の領
域であり、直線Bより上側の領域に斜線部の領域が含ま
れるには、直流電源回路2の出力電圧は440V以下で
あることが必要になる。
【0069】以上の条件により本実施形態では直流電源
回路2の出力電圧は320〜440Vに設定しているの
であって、具体的には交流電源ACの電圧が高い方であ
るときには直流電源回路2の出力電圧を430Vに設定
し、低い方であるときには400Vに設定している。
【0070】ここにおいて、定格ランプ電力が異なる複
数種類の放電灯Laについてランプ電流の変化を少なく
するには、図18に示した従来構成において説明したよ
うに、直流電源回路2の出力電圧を対象となる放電灯L
aのうち定格ランプ電圧Vlaのもっとも高い放電灯L
aのランプ電圧Vlaのピーク値以上に設定することが
必要である。本実施形態において対象とする放電灯La
では、インピーダンスが500Ωである放電灯Laの定
格ランプ電圧がもっとも高く、500Ω×300mA=
150Vになるから、直流電源回路2の出力電圧を15
0×21/2≒212Vであり、本実施形態では直流電源
回路2の出力電圧の下限値を320Vに設定しているか
ら、図18に示した従来構成において検討したランプ電
流の変化を少なくするための条件を満たしていると言え
る。しかも、本実施形態は図18に示した従来構成にお
ける最低条件よりも直流電源回路2の出力電圧を大幅に
高く設定しているから、放電灯Laの種類を判別する手
段や点灯特性を補正する手段などが不要であり、簡単な
構成ながらも定格ランプ電力の異なる複数種類の放電灯
Laに対してほぼ等しいランプ電流を流すことが可能に
なる。
【0071】また、直流電源回路2の出力電圧の上限値
は440Vに設定されており、この電圧は予熱条件によ
って設定されているから、放電灯Laを適正に予熱する
ことができ、放電灯Laの寿命を短命化することがな
い。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であ
る。
【0072】(第6の実施の形態)第5の実施の形態で
はインバータ回路3の動作周波数を50kHzに設定し
たのに対して、本実施形態はインバータ回路3の動作周
波数を82kHzに設定した例を示す。この場合、第5
の実施の形態において対象とした放電灯Laを適合させ
るには、直流電源回路2の出力電圧とコンデンサC2の
容量との関係を図16に示す斜線部の領域内に設定する
ことが必要になる。つまり、直流電源回路2の出力電圧
を320V以上とすればよいことがわかる。
【0073】一方、上述した放電灯Laの先行予熱の条
件を満たすには図16に示す直線Dの上側の領域である
ことが必要であって、本実施形態においても直流電源回
路2の出力電圧は440V以下にすることが必要であ
る。すなわち、本実施形態においても直流電源回路2の
出力電圧は320〜440Vに設定することが要求され
る。
【0074】また、本実施形態ではインダクタL2を
1.2mH、コンデンサC2を3nFに設定することに
より、無負荷時の共振周波数を80kHzに設定してあ
る。なお、この値は一例であって無負荷時の共振周波数
は75kHz以上に設定し、インバータ回路3の動作周
波数は80kHz以上に設定すればよい。
【0075】ところで、交流電源ACの電圧が高い方で
あるときの直流電源回路2の出力電圧を約400Vに設
定しておけば、日本国内の特殊電圧、欧州や東南アジア
地域の商用電源の電圧などに用いられている220〜2
40Vの交流電源ACに対しても使用が可能になる。つ
まり、交流電源ACの電圧を240Vとして±10%程
度の変動を含むとしても、240V×1.1×21/2
373V<400Vになる。また、直流電源回路2の出
力端間には平滑用のコンデンサC3が用いられており、
コンデンサC3には電解コンデンサを用いることが多
い。現状では高耐圧の電解コンデンサとして耐圧が45
0Vのものがあるが、仮に直流電源回路2の出力電圧を
440Vとすれば、440V/450V=98%になっ
て余裕度が小さく十分な信頼性を確保することができ
ず、放電灯点灯装置の故障や短寿命化につながることに
なる。この問題を回避するためには耐圧が250Vであ
る2個の電解コンデンサを直列接続して用いることが考
えられるが、部品点数の増加や緒方かにつながるという
不都合がある。これに対して、本実施形態のように直流
電源回路2の出力電圧を400Vに設定するのであれ
ば、耐圧が450Vである電解コンデンサに対して定格
電圧の90%以下で使用することになるから、信頼性を
損なうことなく小型の放電灯点灯装置を得ることが可能
になる。要するに、コンデンサC3の耐圧と交流電源A
Cの電圧との要求を満たすには、400±10Vに設定
しておけばよいと言える。
【0076】ここで、共振回路を構成するコンデンサC
2を予熱電流の通過用に兼用しているから、先行予熱時
の予熱電流を大きくするように設定すると放電灯Laの
点灯時にもフィラメントに流れる電流が多くなり、熱損
失の増加につながるから好ましくない。そこで、コンデ
ンサC2の容量はできるだけ小さく設定することにより
点灯時にフィラメントに流れる電流を抑制することが望
ましい。つまり、図16における直線Dの近傍になるよ
うにコンデンサC2の容量を設定することが望ましい。
そこで、直流電源回路2の出力電圧を400Vとし、直
線Dより上側の領域でかつ斜線部の領域内であって、し
かも直線Dの近傍であるような容量を有するコンデンサ
C2を市販品の中から選択すると、図16に点Eとして
示した3nFのコンデンサを用いるのが望ましいことに
なる。
【0077】しかして、上述したように、直流電源回路
2の出力電圧を約400Vに設定し、インダクタL2を
1.2mH、コンデンサC3を3nFに設定することに
よって、定格ランプ電力の異なる複数種類の放電灯La
を適合させ、かついずれの放電灯Laに対してもほぼ等
しいランプ電流を供給することが可能になる。しかも上
述したように先行予熱の条件を満足することができ、さ
らには放電灯Laの点灯中においてフィラメントに流れ
る電流を抑制することができる。他の構成および動作は
第5の実施の形態と同様である。
【0078】
【発明の効果】請求項1の発明は、交流電源を整流する
整流器と、整流器の出力電圧を電圧変換した直流電圧を
出力する直流電源回路と、直流電源回路の直流出力を高
周波電力に電力変換するインバータ回路と、インバータ
回路からの高周波電力を共振回路を介して放電灯に供給
する負荷回路と、交流電源の電圧の代表値を判別する判
別回路とを備え、直流電源回路が判別回路により検出さ
れた交流電源の電圧の代表値に応じて出力電圧を制御
し、かつ交流電源の電圧の代表値にかかわらず放電灯に
流れる電流を所定範囲内に制御するものであり、交流電
源の電圧を判別回路により判別して直流電源回路の出力
電圧を制御するから、対応可能な交流電源の電圧の範囲
が広範囲になり、しかも、入力電圧が低い場合にも効率
を低下させないように制御することが可能になる。
【0079】請求項2の発明は、交流電源を整流する整
流器と、整流器の出力電圧を電圧変換した直流電圧を出
力する直流電源回路と、直流電源回路の直流出力を高周
波電力に電力変換するインバータ回路と、インバータ回
路からの高周波電力を共振回路を介して放電灯に供給す
る負荷回路と、交流電源の電圧の代表値を判別する判別
回路とを備え、交流電源の電圧の代表値にかかわらず放
電灯に流れる電流が所定範囲内となるように、判別回路
により検出される交流電源の電圧の代表値が低いほど高
い場合よりも直流電源回路の出力電圧を低電圧に制御し
かつインバータ回路の出力周波数を低周波数に制御する
ものであり、交流電源の電圧を判別回路により判別して
直流電源回路の出力電圧を制御するから、対応可能な交
流電源の電圧の範囲が広範囲になり、しかも、入力電圧
が低い場合にも効率を低下させないように制御すること
が可能になる。加えて、インバータ回路の出力周波数を
交流電源の電圧に応じて制御しており、直流電源回路の
出力に応じてインバータ回路の出力周波数も制御するか
ら、交流電源の電圧が異なっていても放電灯に流れる電
流を所定範囲内となるように制御するのが容易になる。
【0080】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記判別回路では、前記交流電源の
電圧の代表値としての実効値が200〜277Vの範囲
である電圧と100〜120Vの範囲である電圧とを判
別することを特徴としており、ほとんどの国の商用電源
に対応可能になる。
【0081】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記放電灯がフィラメントを有する
蛍光ランプであって、定格ランプ電流が互いに近い所定
範囲内でありかつ定格ランプ電力の異なる複数種類の蛍
光ランプから任意に選択される蛍光ランプが適合するこ
とを特徴としており、定格ランプ電力が異なる複数種類
の蛍光ランプに対して1種類の放電灯点灯装置で対応す
ることが可能になる。
【0082】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記共振回路が前記放電灯の両フィラメントの非電
源側端間に接続されたコンデンサを含み、前記直流電源
回路と前記インバータ回路とは電源投入後から放電灯が
始動するまでの期間に前記コンデンサを通過する予熱電
流を流してフィラメントを予熱する機能を有し、前記イ
ンバータ回路の出力周波数が共振回路の無負荷時の共振
周波数の近傍の一定周波数に設定され、前記直流電源回
路の出力電圧が320〜440Vの範囲の一定電圧に設
定されていることを特徴としており、直流電源回路の出
力電圧をこの範囲に設定することによって、定格ランプ
電力が異なる複数種類の蛍光ランプに用いながらも予熱
条件を満たすことが可能になり、放電灯の寿命を短寿命
化することなく予熱を適正に行うことが可能になる。
【0083】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記蛍光ランプとして、点灯時においてインピーダ
ンスが100〜500Ωであって、点灯時において蛍光
ランプに流れる電流が300±10mAであるものを用
いることを特徴としており、定格ランプ電力が異なる複
数種類の蛍光ランプに用いながらも予熱条件を満たすこ
とが可能になり、放電灯の寿命を短寿命化することなく
予熱を適正に行うことが可能になる。
【0084】請求項7の発明は、請求項5または請求項
6の発明において、前記共振回路の無負荷時の共振周波
数が75kHz以上に設定されていることを特徴として
おり、このような高い周波数を選択することによって、
共振回路に用いる部品を小型化することができ、結果的
に放電灯点灯装置の小型化につながる。
【0085】請求項8の発明は、請求項5ないし請求項
7の発明において、前記インバータ回路の出力周波数が
80kHz以上に設定されていることを特徴としてお
り、このような高い周波数を選択することによって、イ
ンバータ回路に用いる部品を小型化することができ、結
果的に放電灯点灯装置の小型化につながる。
【0086】請求項9の発明は、請求項5ないし請求項
8の発明において、前記直流電源回路の出力電圧が40
0±10Vに設定されていることを特徴としており、比
較的低耐圧である部品を用いて直流電源回路を構成する
ことができ、信頼性が向上するとともに小型部品の使用
が可能になる。
【0087】請求項10の発明は、請求項5ないし請求
項9の発明において、前記共振回路が前記インバータ回
路と前記蛍光ランプとの間に挿入された1.2mH付近
のインダクタを備え、前記コンデンサが3.0nF付近
であることを特徴としており、放電灯の点灯時において
コンデンサに流れる電流を低減し、結果的に損失を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図2】同上の回路図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図10】同上の動作を評価するための等価回路図であ
る。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】同上の動作を評価するための等価回路図であ
る。
【図15】同上の設計条件を示す図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態における設計条件
を示す図である。
【図17】従来例を示す回路図である。
【図18】他の従来例を示す回路図である。
【図19】さらに他の従来例を示す回路図である。
【図20】同上の動作説明図である。
【図21】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 整流器 2 直流電源回路 2a 主回路 2b チョッパ制御部 3 インバータ回路 3a 主回路 3b インバータ制御部 4 負荷回路 5 判別回路 AC 交流電源 C2 コンデンサ La 放電灯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水川 宏光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 金井 教郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA02 BA03 BC01 CA11 CB08 EA06 GA02 GB12 GC04 HA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を整流する整流器と、整流器の
    出力電圧を電圧変換した直流電圧を出力する直流電源回
    路と、直流電源回路の直流出力を高周波電力に電力変換
    するインバータ回路と、インバータ回路からの高周波電
    力を共振回路を介して放電灯に供給する負荷回路と、交
    流電源の電圧の代表値を判別する判別回路とを備え、直
    流電源回路が判別回路により検出された交流電源の電圧
    の代表値に応じて出力電圧を制御し、かつ交流電源の電
    圧の代表値にかかわらず放電灯に流れる電流を所定範囲
    内に制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 交流電源を整流する整流器と、整流器の
    出力電圧を電圧変換した直流電圧を出力する直流電源回
    路と、直流電源回路の直流出力を高周波電力に電力変換
    するインバータ回路と、インバータ回路からの高周波電
    力を共振回路を介して放電灯に供給する負荷回路と、交
    流電源の電圧の代表値を判別する判別回路とを備え、交
    流電源の電圧の代表値にかかわらず放電灯に流れる電流
    が所定範囲内となるように、判別回路により検出される
    交流電源の電圧の代表値が低いほど高い場合よりも直流
    電源回路の出力電圧を低電圧に制御しかつインバータ回
    路の出力周波数を低周波数に制御することを特徴とする
    放電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 前記判別回路では、前記交流電源の電圧
    の代表値としての実効値が200〜277Vの範囲であ
    る電圧と100〜120Vの範囲である電圧とを判別す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の放電
    灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 前記放電灯がフィラメントを有する蛍光
    ランプであって、定格ランプ電流が互いに近い所定範囲
    内でありかつ定格ランプ電力の異なる複数種類の蛍光ラ
    ンプから任意に選択される蛍光ランプが適合することを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記
    載の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 前記共振回路が前記放電灯の両フィラメ
    ントの非電源側端間に接続されたコンデンサを含み、前
    記直流電源回路と前記インバータ回路とは電源投入後か
    ら放電灯が始動するまでの期間に前記コンデンサを通過
    する予熱電流を流してフィラメントを予熱する機能を有
    し、前記インバータ回路の出力周波数が共振回路の無負
    荷時の共振周波数の近傍の一定周波数に設定され、前記
    直流電源回路の出力電圧が320〜440Vの範囲の一
    定電圧に設定されていることを特徴とする請求項4記載
    の放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 前記蛍光ランプは、点灯時においてイン
    ピーダンスが100〜500Ωであって、点灯時におい
    て蛍光ランプに流れる電流が300±10mAであるこ
    とを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 前記共振回路の無負荷時の共振周波数が
    75kHz以上に設定されていることを特徴とする請求
    項5または請求項6に記載の放電灯点灯装置。
  8. 【請求項8】 前記インバータ回路の出力周波数が80
    kHz以上に設定されていることを特徴とする請求項5
    ないし請求項7のいずれか1項に記載の放電灯点灯装
    置。
  9. 【請求項9】 前記直流電源回路の出力電圧が400±
    10Vに設定されていることを特徴とする請求項5ない
    し請求項8のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
  10. 【請求項10】 前記共振回路が前記インバータ回路と
    前記蛍光ランプとの間に挿入された1.2mH付近のイ
    ンダクタを備え、前記コンデンサが3.0nF付近であ
    ることを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか
    1項に記載の放電灯点灯装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011029054A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 放電灯点灯装置及び照明器具
CN1518201B (zh) * 2003-01-22 2013-04-03 Nec显示器解决方案株式会社 用于给放电灯供电的电源设备

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1518201B (zh) * 2003-01-22 2013-04-03 Nec显示器解决方案株式会社 用于给放电灯供电的电源设备
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